JP2017191169A - 光学素子およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】レンズ面上に微細凹凸構造の反射防止膜が形成されたレンズにおいて、反射防止膜の膜浮きや膜剥がれによるゴーストの発生を防止する。【解決手段】光学有効部である平滑面と非光学有効部である粗面とが隣接して配置された表面を有する透明な基材からなる光学素子であって、該平滑面上には使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止膜が形成され、該粗面上には不透明な塗膜である遮光膜が形成され、該反射防止膜は該平滑面上に端縁と該端縁に沿った領域であって膜厚が該端縁に向かって減少する膜厚減少部を有し、該遮光膜は該粗面から該平滑面側に侵入して該平滑面上に端縁を有し、該遮光膜と該反射防止膜とはそれぞれの端縁に沿った領域が平滑面上において重なり幅0.5〜50μmで重なり合い、該遮光膜の端縁は該反射防止膜上の該膜厚減少部の幅の中に位置することを特徴とする光学素子。【選択図】図2

Description

本発明は、光学有効部に使用波長以下の微細凹凸構造(SWS)からなる反射防止膜を具備した光学素子、およびその製造方法に関するものである。
カメラやプロジェクター等の光学機器の光学系に用いられているレンズ、プリズム等の光学素子には、結像光束以外の有害光が像面に入射するのを防止するための手段が設けられている。そのような有害光としては、光学素子の光学有効部である光入出射面からの反射光や非光学有効部である光入出射面以外の表面(例えばレンズコバ部等)からの反射光がある。
これらの有害光はフレアやゴーストなどの発生原因となることから、従来から、このような有害光の発生を防止するために種々な手段が用いられている。そうした有害光の発生を防止する手段を設けるには、大きく分けて次の2つの手法がある。
(イ)光学有効部となる光入出射面に入出射する光の透過率を向上させ反射率を低減する反射防止手段を形成する手法。
(ロ)非光学有効部となる端面(レンズコバ部等)に光の吸収率を向上させ反射率を低減する反射防止手段を形成する手法。
(イ)の手法としては、誘電体薄膜を多層積層した一般にマルチコートと呼ばれる反射防止膜を光学有効部である光学素子の光入出射面に形成することが、従来から広く行われている。
(ロ)の手法としては、光を透過させない遮光膜を非光学有効部である光学素子の端面(レンズ側端のコバ部等)に形成することが、従来から行われている。
そして、例えばレンズにおいては、光学有効部である光入出射面(レンズ面)は平滑面であるが、非光学有効部である外周側面(レンズコバ部)は、散乱により遮光機能を向上させるとともに遮光膜の密着力を高めるために、算術平均粗さRaが1μmから50μm程度の粗面になっている。そして、そのような粗面上に形成される遮光膜の端縁を当該粗面の端縁と完全に一致させることは実質的に不可能であるため、遮光膜は光学有効部である平滑面に多少侵入して形成されている。
また、光学有効部と非光学有効部の境界部で、光学有効部に形成された反射防止膜と非光学有効部に形成された遮光膜との間にどちらの膜も存在しない隙間ができてしまうと、強い有害光が発生してしまうため、それを防止するために反射防止膜と遮光膜とは一部オーバーラップさせて形成するのが普通である。反射防止膜と遮光膜とを積層する順番としては、反射防止膜が当該反射防止膜とレンズとの屈折率差を緩和することで反射を抑えるようにするものであることから、レンズの基材1上に反射防止膜を直接形成し、その上に遮光膜を積層するのが一般的である。
すなわち、従来においては、図1に示すように、レンズの基材1上にマルチコート反射防止膜5が形成され、その上に遮光膜2が形成されている。そして、遮光膜2の端部は、通常、レンズの基材の平滑面1b上に形成されたマルチコート反射防止膜5の一部を覆うように形成される。
近年、反射防止膜の更なる高性能化のために、マルチコート反射防止膜に代えて、特許文献1や特許文献2に記載されるような、使用波長以下の微細な凹凸構造を用いた反射防止膜も利用されるようになってきた。例えば特許文献3では、光線(光学)有効部の反射防止手段としてそのような微細凹凸構造の反射防止膜が使われており、非光線(光学)有効部に形成された遮光膜の端部は光線(光学)有効部である平滑面に形成された反射防止膜上にある。
特開2006−259711号公報 特開2005−275372号公報 特開2015−176016号公報
このように微細凹凸構造の反射防止膜上に遮光膜が積層して形成され、この積層領域が基材表面の平滑面上にある場合、微細凹凸構造の反射防止膜と下地の基材表面との密着力が低いため、上層の遮光膜の引っ張り応力に耐えきれず、反射防止膜と下地の基材との界面で膜浮きや膜剥がれが起き、ゴーストが発生してしまうという問題がある。特に、微細凹凸構造の反射防止膜は環境耐久性が悪いため、経年劣化により使用途中で膜浮きや膜剥がれが発生する場合が多い。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、微細凹凸構造の反射防止膜上に形成された遮光膜の端部が光学有効部の平滑面上にある場合においても、反射防止膜の膜浮きや膜剥がれによるゴーストが発生しない高品位な光学素子及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明の光学素子は、光学有効部である平滑面と非光学有効部である粗面とが隣接して配置された表面を有する透明な基材からなる光学素子であって、該平滑面の上には使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止膜が存在し、該粗面の上には不透明な塗膜である遮光膜が存在し、該反射防止膜は該平滑面の上に端縁と該端縁に沿った領域であって膜厚が該端縁に向かって減少する膜厚減少部を有し、該遮光膜は該粗面から該平滑面の側に侵入して該平滑面の上に端縁を有し、該遮光膜と該反射防止膜とはそれぞれの端縁に沿った領域が該平滑面の上で0.5μm〜50μmの重なり幅をもって該反射防止膜の上に該遮光膜が重なり、該遮光膜の端縁は該反射防止膜の該膜厚減少部の幅の中に位置することを特徴とする。
該遮光膜は、該平滑面の上において、該遮光膜の端縁より50μm以内の領域を除き3μm以上50μm以下の膜厚を有することが好ましい。
該反射防止膜は、その膜厚減少部の幅が5μm以上1.8mm以下であることが好ましい。
本発明の光学素子の製造方法は、以下の工程を順に実行することを特徴とする:
光学有効部を構成する平滑面と非光学有効部を構成する粗面とが隣接して配置された表面を有する透明な基材を用意する工程;
該平滑面の上に、使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止膜を、該反射防止膜が端縁と該端縁に沿った領域であって膜厚が該端縁に向かって減少する膜厚減少部を有するように形成する工程;および
該粗面の上に、不透明な塗膜である遮光膜を、該遮光膜が該粗面から該平滑面の側に侵入して該平滑面の上に端縁を有し、該遮光膜の端縁が該反射防止膜の端縁に接触するように塗布することにより、該遮光膜の該反射防止膜に対する濡れ性が該反射防止膜の膜厚に依存することによるセルフアライメント効果を利用して、該遮光膜の端縁に沿った領域と該反射防止膜の端縁に沿った領域とが該平滑面の上で0.5μm〜50μmの重なり幅をもって該反射防止膜の上に該遮光膜が重なり、該遮光膜の端縁は該反射防止膜の膜厚減少部上に位置するように形成する工程。
該遮光膜は、該平滑面の上において、該遮光膜の端縁より50μm以内の領域を除き3μm以上50μm以下の膜厚を有することが好ましい。
該反射防止膜は、その膜厚減少部の幅が5μm以上1.8mm以下であることが好ましい。
該反射防止膜は、好ましくは、液相法であるゾルゲル法や気相法である真空堆積法で形成したアルミニウムを含む膜を温水に浸漬したりスチームに曝露させたりすることにより形成される。
本発明によれば、光学有効部である平滑面において微細凹凸構造の反射防止膜と遮光膜とが重なり合って設けられる光学素子においても、環境耐久性がよく、経年劣化による微細凹凸構造の反射防止膜の膜浮きや膜剥がれによるゴーストの発生のない高品位な光学素子およびその製造方法を提供することができる。
従来の光学素子の一例を示す断面模式図である。 本発明の一実施形態に係る光学素子を示す断面模式図である。 図2の光学素子の一部を示す拡大断面図である。 微細凹凸構造の平均周期の算出に用いた規格化積分パワースペクトルの一例を示す図である。 微細凹凸構造の反射防止膜と遮光膜との重なり領域の一部の表面SEM像の一例を示す図である。
本発明の光学素子は、光学有効部である平滑面と非光学有効部である粗面とが隣接して配置された表面を有する透明な基材からなる。基材が透明であるとは、その基材が使用波長に対して透光性を有する材料からなることをいう。光学有効部とは、使用の際に光線が当該基材に入出射する表面領域をいい、非光学有効部とは、それ以外の表面領域をいう。すなわち、光学有効部は光入出射面であり、非光学有効部は光入出射面以外の面である。通常、光線は光入出射面を透過する際に屈折し、そのことにより当該光学素子が光線ないし光束の進路を制御することになるので、そのような光入出射面を当該光学素子の光学有効部とよぶのである。
本発明の光学素子として、図2においては凹メニスカスレンズが示されているが、本発明の光学素子は、これに限定されるものではない。例えば、両凹レンズ、平凹レンズ、非球面レンズ、自由曲面レンズなど、他の形状のレンズでもよいし、レンズ以外の光学部材、例えばプリズムであってもよい。なお、プリズムの場合、光学有効部は、光が外部からプリズム基材内に入射する表面とプリズム基材内から外部に出射する表面であり、非光学有効部はプリズムの側面である。プリズム基材内に侵入した光がプリズム基材内で全反射する面は、光が基材に入出射する面ではないので、上に述べた定義上は非光学有効部といえる。但し、その面での光の反射は防止すべきものではなく、むしろ促進すべきものであるから、遮光膜を設ける必要はなく、同じく非光学有効部といってもプリズムの側面とは性格が異なり、光学有効部でも非光学有効部でもないと見るべきである。
本発明の光学素子を構成する基材の表面は、光学有効部である平滑面と非光学有効部である粗面とを含み、平滑面の領域と粗面の領域とは境界線または境界領域を介して隣接している。レンズ外周側面に代表される非光学有効部は、先に述べたように、散乱による遮光機能の向上と遮光膜の密着強度の向上のために、算術平均粗さRaが1μm〜50μm程度の「粗面」になっている。これに対し、光学有効部は光線ないし光束を屈折させたり反射させたりする面であるから、入出射する光を散乱あるいは回折させないように、使用する光の波長(例えば可視光であれば0.3μm〜0.8μm)より小さいRa、好ましくは使用する波長に比べて1桁以上小さいRa(例えば0.03μm以下)を有する面である必要がある。本発明における「平滑面」とはそのような面のことである。
図2は、本発明の光学素子の一実施形態である凹メニスカスレンズを示す断面模式図である。また、図3は、図2の光学素子の一部(反射防止膜3と遮光膜2とが基材1の平滑面上で重なり合っている領域の近傍20)を示す拡大断面図である。本実施形態の光学素子を構成する基材1は、ガラス等の、使用する光(通常は可視光)に対して透明な材料で形成される。ガラスとしては、所望の屈折率等に応じて、アルカリ含有ガラス、無アルカリガラス、アルミナケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウム系ガラス、ランタン系ガラス、チタン系ガラス、フッ素系ガラスなどがあげられる。
凹メニスカスレンズである基材1の凹面側の光学有効部(平滑面1b)の上には、使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止膜3が形成されている。この微細凹凸構造は、使用波長以下の面内寸法(表面に沿って測った長さ)を有するため、入出射光を散乱させたり回折させたりすることはなく、基材と外界(通常は空気)との界面における屈折率ギャップを、その間に実質的に中間の屈折率をもつ層を介在させることで緩和することにより、界面で反射する光の割合を低減するはたらきがある。
この反射防止膜3は、好ましくはアルミニウムを含む板状結晶からなる膜であって、表面が微細な凹凸形状をなしている。この板状結晶は、例えば特許文献1や特許文献2に記載されるようにして、アルミニウムを含む膜を温水に浸漬したり、スチームに曝露させたりすることにより、アルミニウムを含む膜の表面が溶解し再析出することで形成される。このようなアルミニウムを含む膜は、ゾルゲル法等の液相法によって形成された酸化アルミニウムを主成分とする膜であってもよいし、CVD法や蒸着、スパッタなどのPVD法に代表される真空堆積法等の気相法を用いて形成された金属アルミニウムやアルミニウムを含む合金または酸化物からなる膜であってもよい。このアルミニウムを含む膜を温水やスチームと接触させ、その表面を溶解、再析出させると、酸化アルミニウムを主成分とする板状結晶による微細凹凸構造が形成されるのである。
微細凹凸構造を有する反射防止膜3は、凹面側の光学有効部である平滑面1b上に、端縁と、その端縁に沿った領域であって端縁に向かって膜厚が減少する膜厚減少部(膜厚傾斜領域)12を有するように形成される。膜厚減少部を有するように反射防止膜3をパターン成膜するには、気相法(真空成膜法)の場合は、当該光学有効部(平滑面1b)の外周部をマスキングすればよい。その後に温水に浸漬処理することで、微細凹凸構造を有する反射防止膜3の端縁に膜厚減少部12を形成することが可能である。一方、液相法(ゾルゲル法)の場合は、スプレー塗布時にマスキングして成膜したり、スピンコート法により塗布した後で、溶剤を浸み込ませたワイパーでレンズ外周部を拭き取って乾燥し、その後に温水に浸漬すれば、微細凹凸構造を有する反射防止膜3の端縁に膜厚減少部12を形成することが可能である。
凹メニスカスレンズである基材1の凹面側の周囲面1cと側端面1dは非光学有効部であり、Raが1μm〜50μm程度の粗面となっている。この非光学有効部の少なくとも光学有効部に隣接する領域(図2では非光学有効部の全域)には遮光膜2が形成され、この遮光膜2は非光学有効部である周囲面1c側から光学有効部である平滑面1b側に侵入して平滑面1bの外周部に端縁を有している。この遮光膜2は、使用波長において不透明な塗膜であり、黒色染料や種々の色の染料および顔料、不透明粒子、樹脂等を調合して調製された塗料を塗布して乾燥させることで形成する。塗布方法としては、刷毛塗りやインクジェット、ジェットディスペンサー、ダイコート等から適宜選択される。ただし、刷毛塗りは熟練の作業者によって行われても、作業者による品質ばらつきが大きいことから、非接触塗布方式であるインクジェット、ジェットディスペンサー、ダイコートによる自動塗布が望ましい。
光学有効部である凹面側の平滑面1bの外周部においては、図3に示すように、微細凹凸構造を有する反射防止膜3の端縁に沿った領域上に、粗面である周囲面1c側から侵入してくる不透明な塗膜である遮光膜2の端縁に沿った領域が積層されている。この場合、反射防止膜3の膜浮きや膜剥がれを抑制するためには、遮光膜2の膜厚を薄くしたり、反射防止膜3と遮光膜2の重なり幅11を狭くすることで、遮光膜2の端部に集中する引張り応力を緩和すればよい。
しかしながら、単に遮光膜を薄くするだけでは、仮に遮光膜の厚さを推奨膜厚以下である0.5μmとしても、重なり幅が100μm以上になった場合には膜浮きが発生してしまう。一方、遮光膜の膜厚を0.5μm未満にすると、遮光性能が不十分となり、且つ、遮光膜表面での反射が反射防止膜の反射より大きくなるため有害光が増えてしまう。すなわち、重なり幅11が100μm以上になった場合には、遮光膜を薄膜化してもフレアやゴーストの発生を抑えることができない。
遮光膜に必要な膜厚を検討した結果、遮光膜の膜厚が3μm以上あれば問題なくフレアやゴーストの発生を抑えることが可能であることがわかった。ただし、膜厚が50μmを超えると遮光膜自体にクラックが発生してしまい、好ましくない。一方、遮光膜の膜厚が3μm未満では遮光性能が不十分であり、フレアやゴーストの発生を十分に抑えることができないこともわかった。なお、遮光膜の端縁では膜厚がゼロになるわけであるから、遮光膜の端縁の傾斜は急峻である方が好ましいが、端縁から50μm離れた位置で膜厚が3μm以上50μm以下であれば問題ない。
以上のことから、本発明の発明者らは、反射防止膜3と遮光膜2の重なり幅11を狭くすることにより反射防止膜3の膜浮きを防止することを試みた。発明者らの検討の結果、遮光膜2を推奨膜厚である3μmで形成した場合であっても、微細凹凸構造を有する反射防止膜3と遮光膜2の重なり幅11を50μm以下に抑えることで、反射防止膜3の膜浮きや膜剥がれを抑制し、フレアやゴーストの発生を抑えることが可能であることを見出した。ただし、そのためには、遮光膜2を塗布形成する際に、反射防止膜3と遮光膜2との重なり幅11を安定して制御する必要がある。なお、反射防止膜3と遮光膜2との間にいずれの膜も形成されていない領域が存在しないようにしなくてはならないため、反射防止膜3と遮光膜2との重なり幅11をゼロにすることはできず、重なり幅として少なくとも0.5μmは必要である。
発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、微細凹凸構造を有する反射防止膜3の膜厚の違いによって遮光膜2の塗れ性が大きく変化するため、この特性を使えばセルフアライメント塗布が可能であることを発見した。そして、微細凹凸構造を有する反射防止膜3と遮光膜2との重なり幅11との関係を検討した結果、反射防止膜3の膜厚減少部12の幅が1.8mm以内であれば遮光膜との重なり幅を50μm以内に抑えることが可能であることを見出した。また、膜厚減少部12の幅が50μm以下であっても5μmまではセルフアライメント効果により遮光膜2の端縁の位置を反射防止膜3の膜厚減少部12の幅の中に止めることが可能であることもわかった。すなわち、膜厚減少部12の幅は5μm以上1.8mm以下であることが好ましい。なお、膜厚減少部12の「幅」とは、反射防止膜3の相対膜厚(膜厚減少部以外の領域における平均膜厚を1としたときの相対値)が1.0から0.1に減少する面内距離(基材表面に沿って測った距離)を膜厚減少部の傾斜方向に測った長さのことである。
さらに、遮光膜の塗れ性と微細凹凸構造を有する反射防止膜の膜厚との関係について詳細に調べた結果、遮光膜の塗れ性が最大になる微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚は20nmから50nmの範囲であり、微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚が100nmを超えると塗れ性が悪くなることが分かった。ところで、遮光膜のガラス基材に対する塗れ性はガラスの材質によって異なる。ランタン系ガラスは表面エネルギーが低いため遮光膜の塗れ性がよいが、チタン系ガラスは表面エネルギーが高く、遮光膜の塗れ性は膜厚150nm以上(反射防止膜の高さとしての推奨値)の微細凹凸構造の反射防止膜と同等であった。すなわち、基材として遮光膜の塗れ性の低いチタン系ガラスを用いた場合には、微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の中間膜厚領域における遮光膜の塗れ性が大きいことを利用することで、セルフアライメント機能により遮光膜の端縁を膜厚減少部の幅の中に止めることが可能である。すなわち、本発明の光学素子の製造方法は、基材の表面エネルギーに依存せずに遮光膜の端縁を膜厚減少部の幅の中に止める方法である。
微細凹凸構造を有する反射防止膜の端縁に沿った領域に膜厚減少部が形成されていることを確認する方法としては、微細凹凸構造を有する反射防止膜の表面をFIB(集束イオンビーム)加工後にSEMやTEMで観察する方法がある。
一方、微細凹凸構造を有する反射防止膜の膜厚が薄くなるにつれて、微細凹凸構造の平均周期が変化するため、このことを用いれば平面(表面)SEM像から膜厚減少部の形成を確認することもできる。すなわち、平面SEM像から微細凹凸構造の平均周期を求め、予め求めておいた微細凹凸構造の平均周期と膜厚との関係から、当該微細凹凸構造の膜厚を求めればよい。平面SEM像から微細凹凸構造の平均周期を求める方法としては、二次元フーリエ変換を用いる方法がある。周波数解析に用いることができるソフトとしては、アメリカ国立衛生研究所(NIH)で開発されたImageJ等がある。
周波数解析を行うには、対象となる画像から2のべき乗個のピクセルからなる解析領域を選択してFFT(高速フーリエ変換)を実行し、得られた二次元パワースペクトルのパワー値から規格化積分パワースペクトルを求めればよい。なお、規格化積分パワースペクトルは、256階調の値を指数変換して本来のパワー値に戻し、原点を中心とする円周上にあるパワー値を積分して直流成分(中心値)以外のパワー値の総和で除算することにより規格化することで求めることができる。図4は、微細凹凸構造の高さが220nmのときの平面SEM像を周波数解析した規格化積分パワースペクトルである。図4の規格化積分パワースペクトルに基づいて、微細凹凸構造の平均周期を、空間周波数0.002〜0.02cycle/nmの領域で当該パワースペクトルデータを曲線近似し、近似線の最大値になる空間周波数から算出したところ、微細凹凸構造の高さが220nmのときの平均周期は180nmであり、バラツキは±10nmであった。すなわち、この方法で算出される平均周期が170〜190nmの範囲から外れたときに微細凹凸構造の高さの変化があったと考えればよい。その結果、高さ220nmの微細凹凸構造の膜厚減少部における膜厚と平均周期の変化の仕方は、膜厚が減少するにつれて一旦平均周期は160nm以下に減少し、その後200nm以上に増加することがわかった。微細凹凸構造の高さが220nmであるときを高さの基準(高さの相対値が1)とした場合、平均周期が157nmのときに微細凹凸構造の高さが88nm(高さの相対値は0.4)であり、平均周期が216nmのときに微細凹凸構造の高さが22nm(高さの相対値は0.1)であることもわかった。
次に、本発明の光学素子の製造方法の詳細について説明する。表1は、以下の実施例および比較例で測定および評価した結果をまとめて記載したものである。
(実施例1)
オハラ社製の光学ガラスS−LAH53(nd=1.806)を用いて作製された、図2に示すような断面形状を有するレンズ(外径66mm、内径34mm)を用意した。
用意したレンズをアルカリ洗剤中で超音波洗浄した後、オーブン中で乾燥した。次いで、レンズに酸化アルミニウム前駆体のゾルを滴下し、回転数3000rpmで20秒間スピンコートを行った後、2−エチルブタノール溶剤を浸み込ませたアイオン社製のポリウレタンスポンジ(商品名:ソフラス)でレンズ凹面側の平滑面1bの周辺部を拭き取った。その後、140℃の熱風循環オーブンで30分焼成して非晶質酸化アルミニウム膜を形成し、75℃の温水に20分浸漬することで、当該レンズ凹面側の平滑面に、周辺部を除いて微細凹凸構造の反射防止膜を形成した。
次に、算術平均粗さRaが1μm〜50μmの粗面からなるレンズ外周面(側端面1dと周囲面1c)及びその内側に隣接する凹面側の平滑面1bの周辺部に、キヤノン化成社製の遮光塗料GT−7IIを塗布して遮光膜を形成した。塗布方法としては、非接触の塗布方式であるジェットディスペンサーを用いた。その際、塗布した遮光塗料層の端縁と、先に形成した微細凹凸構造の反射防止膜の端縁との間に間隙が生じないようにした。
以上のようにして反射防止膜および遮光膜を形成したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ、ゴーストは観察されず問題ないことが確認できた。
レンズのゴースト評価後に遮光膜および微細凹凸構造の両者の端縁付近の領域を平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察したところ、微細凹凸構造の端縁領域の上に遮光膜の端縁領域が重なっていることがわかった。それらの観察結果に基づいて両者の膜厚およびそのプロファイルの測定を行った。
測定の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は4〜5μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は4〜10μmであった。一方、微細凹凸構造の反射防止膜の端縁に沿った領域には、膜厚が端縁に向かって減少する膜厚減少部が形成されており、その幅は5〜10μmであった。なお、微細凹凸構造と遮光膜との重なり幅は1〜3μmであった。
図5に、微細凹凸構造と遮光膜とが重なっている領域11を含む微細凹凸構造の膜厚減少部12の一部の平面(表面)SEM像を示す。このレンズの光学有効部における微細凹凸構造の膜厚は220nmで平均周期は180nmであった。一方、図4における微細凹凸構造の膜厚減少部12における平均周期は、最小値が148nmであり、遮光膜の端縁の位置では207nmであった。そして、平均周期207nmに対応する微細凹凸構造の高さは、FIB加工後の断面TEMから20nmであることが確認できた。
(実施例2)
微細凹凸構造の反射防止膜の形成方法を変更したことを除き、実施例1と同様にして反射防止膜と遮光膜とを備えたレンズを作製した。具体的には、ゾルゲル法と焼成により非晶質酸化アルミニウムの膜を形成する代わりに、レンズ基材上にマスクを施した後、反応性スパッタリングにより、レンズの凹面側平滑面の外周端より0.1mm内側に端縁がくるように、酸化アルミニウムの膜を形成した。それ以外の工程は実施例1と同じである。
作製したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ、ゴーストは観察されず、問題はないことが確認できた。
レンズのゴースト評価後に、実施例1と同様にして、遮光膜と微細凹凸構造との重なり部における膜厚と形状を、平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察した。
観察の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は4〜5μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は4〜10μmであった。微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の幅は1.5〜1.8mmであり、遮光膜との重なり幅は18〜50μmであった。
(実施例3)
遮光膜の製造方法を変更したことを除き、実施例2と同様にして反射防止膜と遮光膜とを備えたレンズを作製した。具体的には、ジェットディスペンサーを用いる代わりに、塗液(GT−7II)を浸み込ませたトーヨーポリマー社製のポリウレタンスポンジ(商品名:ルビセル)を回転させたレンズの縁に押し当てることにより塗布を行って遮光膜を形成した。それ以外の工程は実施例2と同じである。
作製したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ、ゴーストは観察されず、問題はないことが確認できた。
レンズのゴースト評価後に、実施例1と同様にして、遮光膜と微細凹凸構造との重なり部における膜厚と形状を、平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察した。
観察の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は8〜10μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は8〜50μmであった。微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の幅は1.5〜1.8mmであり、遮光膜との重なり幅は11〜35μmであった。
(実施例4)
基材をオハラ社製の光学ガラスS−TIH53(nd=1.847)に変更したことを除き、実施例2と同様にして反射防止膜と遮光膜とを備えたレンズを作製した。
作製したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ、ゴーストは観察されず、問題はないことが確認できた。
レンズのゴースト評価後に、実施例1と同様にして、遮光膜と微細凹凸構造との重なり部における膜厚と形状を、平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察した。
観察の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は4〜5μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は4〜10μmであった。微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の幅は1.5〜1.8mmであり、遮光膜との重なり幅は18〜45μmであった。
(実施例5)
ジェットディスペンサーで塗布する遮光塗料の固形分濃度を実施例1よりも低くして遮光膜を形成したことを除き、実施例1と同様にして反射防止膜と遮光膜とを備えたレンズを作製した。
作製したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ、ゴーストは観察されず、問題はないことが確認できた。
レンズのゴースト評価後に、実施例1と同様にして、遮光膜と微細凹凸構造との重なり部における膜厚と形状を、平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察した。
観察の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は3〜4μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は3〜8μmであった。微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の幅は5〜10mmであり、遮光膜との重なり幅は0.5〜2μmであった。
(比較例1)
遮光膜のディスペンサ塗布時の吐出位置を実施例2よりレンズ中心に近づけたことを除き、実施例2と同様にして反射防止膜と遮光膜とを備えたレンズを作製した。
作製したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ強いゴーストの発生が確認された。
レンズのゴースト評価後に、実施例1と同様にして、遮光膜と微細凹凸構造との重なり部における膜厚と形状を、平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察した。
観察の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は4〜5μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は4〜10μmであった。微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の幅は1.5〜1.8mmであり、遮光膜との重なり幅は45〜55μmであった。
(比較例2)
遮光塗料を塗布する際の固形分濃度を実施例5よりさらに下げたことを除き、実施例1と同様にして反射防止膜と遮光膜とを備えたレンズを作製した。
作製したレンズを用いて光学系を構成した後、ゴーストの有無について評価を行ったところ強いゴーストの発生が確認された。
レンズのゴースト評価後に、実施例1と同様にして、遮光膜と微細凹凸構造との重なり部における膜厚と形状を、平面SEM及びFIB加工後の断面SEMにより観察した。
観察の結果、遮光膜の端縁から50μm外側に離れた位置での遮光膜の膜厚は2〜3μmであり、50μmよりさらに外側に離れたレンズの平滑面1b上での遮光膜の膜厚は2〜7μmであった。微細凹凸構造の反射防止膜の膜厚減少部の幅は5〜10μmであり、遮光膜との重なり幅は1〜3μmであった。
本発明の光学素子は、カメラ、双眼鏡、顕微鏡、半導体露光装置の如き光学機器に用いることが可能である。
1 基材
1b 基材の平滑面
2 遮光膜
3 微細凹凸構造を有する反射防止膜
5 マルチコート反射防止膜
11 遮光膜との反射防止膜の重なり幅
12 反射防止膜の膜厚減少部の幅

Claims (11)

  1. 光学有効部である平滑面と非光学有効部である粗面とが隣接して配置された表面を有する透明な基材からなる光学素子であって、該平滑面の上には使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止膜が存在し、該粗面の上には不透明な塗膜である遮光膜が存在し、該反射防止膜は該平滑面の上に端縁と該端縁に沿った領域であって膜厚が該端縁に向かって減少する膜厚減少部を有し、該遮光膜は該粗面から該平滑面の側に侵入して該平滑面の上に端縁を有し、該遮光膜と該反射防止膜とはそれぞれの端縁に沿った領域が該平滑面の上で0.5μm〜50μmの重なり幅をもって該反射防止膜の上に該遮光膜が重なり、該遮光膜の端縁は該反射防止膜の該膜厚減少部の幅の中に位置することを特徴とする光学素子。
  2. 前記遮光膜は、前記平滑面の上において、該遮光膜の端縁より50μm以内の領域を除き3μm以上50μm以下の膜厚を有する請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記反射防止膜は、前記膜厚減少部の幅が5μm以上1.8mm以下の範囲にあることを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. レンズである請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 凹メニスカスレンズである請求項1〜3のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 以下の工程を順に実行することを特徴とする光学素子の製造方法:
    光学有効部を構成する平滑面と非光学有効部を構成する粗面とが隣接して配置された表面を有する透明な基材を用意する工程;
    該平滑面の上に、使用波長以下の微細凹凸構造を有する反射防止膜を、該反射防止膜が端縁と該端縁に沿った領域であって膜厚が該端縁に向かって減少する膜厚減少部を有するように形成する工程;および
    該粗面の上に、不透明な塗膜である遮光膜を、該遮光膜が該粗面から該平滑面の側に侵入して該平滑面の上に端縁を有し、該遮光膜の端縁が該反射防止膜の端縁に接触するように塗布することにより、該遮光膜の該反射防止膜に対する濡れ性が該反射防止膜の膜厚に依存することによるセルフアライメント効果を利用して、該遮光膜の端縁に沿った領域と該反射防止膜の端縁に沿った領域とが平滑面の上で0.5μm〜50μmの重なり幅をもって該反射防止膜の上に該遮光膜が重なり、該遮光膜の端縁が該反射防止膜の該膜厚減少部の幅の中に位置するように形成する工程。
  7. 前記遮光膜は、前記平滑面の上において、該遮光膜の端縁より50μm以内の領域を除き3μm以上50μm以下の膜厚を有する請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記反射防止膜は、前記膜厚減少部の幅が5μm以上1.8mm以下の範囲にある請求項6または7に記載の製造方法。
  9. 前記反射防止膜は、ゾルゲル法によって形成したアルミニウムを含む膜を温水に浸漬するか、またはスチームに曝露することにより形成される請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記反射防止膜は、真空堆積法によって形成したアルミニウムを含む膜を温水に浸漬するか、またはスチームに曝露することにより形成される請求項6〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の光学素子を有する光学機器。
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