JP2017191063A - 油判定装置、および、油判定方法 - Google Patents

油判定装置、および、油判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】油の異常を早期に判定する。【解決手段】油判定装置100は、油に白色の光を照射する発光部220と、油を通過した光を受光して、受光した光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量を導出する受光部230と、導出されたR成分、G成分、B成分それぞれの光量に基づいて、明度を導出する明度導出部132と、明度の変化率を導出し、明度の変化率に基づいて、油の異常を判定する判定部134と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、潤滑油、作動油等の油の異常を判定する油判定装置、および、油判定方法に関する。
タービンや圧縮機等を構成する軸受等の摺動部材を備えた産業機械においては、摺動部材に潤滑油が供給される。このような潤滑油が劣化したり、潤滑油に異物が混入したりすると、摺動部材に不具合が生じるおそれがあることから、潤滑油の劣化や異物混入を把握することが必要となる。
そこで、機械または設備で使用された油の劣化状態を検知する技術として、使用後の油をフィルタで濾過した後、フィルタに光を照射して、フィルタを透過した光のRGBと、フィルタで反射した光のRGBとに基づいて、油の劣化を判定する技術が開示されている(例えば、特許文献1)。
しかし、特許文献1の技術では、油を抜き出してフィルタで濾過するといった処理が必要であるため、リアルタイムに油の劣化を判定することができない。また、油を抜き出したり、フィルタで濾過したりするという煩雑な作業を作業者に強いることになるという問題があった。
そこで、潤滑油に白色の光を照射して、透過光のR成分の光量、G成分の光量、B成分の光量から明度の単位時間あたりの変化量を導出し、変化量の絶対値が所定値より大きい場合、さらに、明度自体が油劣化閾値以下となったか否かを判定し、油劣化閾値以下となった場合に潤滑油が劣化していると判定する技術が開示されている(例えば、特許文献2)。
特許第5190660号公報 国際公開第2015/060457号
しかし、上記特許文献2の技術では、明度の変化量の絶対値が大きくなった場合であっても、明度自体が油劣化閾値以下にならなければ、劣化と判定しない。このため、明度自体が油劣化閾値より大きい場合(例えば、運転初期)においては、油が劣化したとしてもこれを判定することはできない。
そこで、本発明は、このような課題に鑑み、油の異常を早期に判定することが可能な油判定装置、および、油判定方法を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の油判定装置は、油に白色の光を照射する発光部と、前記油を通過した光を受光して、該受光した光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量を導出する受光部と、導出された前記R成分、G成分、B成分それぞれの光量に基づいて、明度を導出する明度導出部と、前記明度の変化率を導出し、該明度の変化率に基づいて、前記油の異常を判定する判定部と、を備えたことを特徴とする。
また、前記油の異常は、前記油の劣化、および、該油への異物混入のいずれか一方または両方であるとしてもよい。
また、前記判定部は、前記明度の変化率が、第1閾値から該第1閾値未満の第2閾値に亘る正常判定範囲外である場合に、前記油に異常をきたしていると判定するとしてもよい。
また、前記第2閾値は、負の値であるとしてもよいし、前記第2閾値は、正の値であるとしてもよい。
また、前記判定部は、前記明度の変化率が前記正常判定範囲外である場合に、時刻t1における、前記R成分の光量をR1、前記G成分の光量をG1、前記B成分の光量をB1とし、該時刻t1から予め定められた時間経過後の時刻t2における、該R成分の光量をR2、該G成分の光量をG2、該B成分の光量をB2とした場合の、R成分の光量の変化比RC=R2/R1、G成分の光量の変化比GC=G2/G1、および、B成分の光量の変化比BC=B2/B1のうち、少なくとも2成分の光量の変化比を導出し、導出した2成分の光量の変化比に基づいて、前記油の劣化であるか、該油への異物混入であるかを判定するとしてもよい。
前記判定部は、前記2成分の光量の変化比が、予め定められた変化比判定範囲以内に含まれる場合、前記油への異物混入であると判定し、該変化比判定範囲以内に含まれない場合、該油の劣化であると判定するとしてもよい。
上記課題を解決するために、本発明の油判定方法は、油に白色の光を照射する工程と、前記油を通過した光を受光して、該受光した光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量を導出する工程と、導出された前記R成分、G成分、B成分それぞれの光量に基づいて、明度を導出する工程と、導出された前記明度の変化率に基づいて、前記油の異常を判定する工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、油の異常を早期に判定することが可能となる。
油判定装置を説明するための図である。 光測定部の構成例を説明するための図である。 機械の稼動時間と摩耗量との関係、および、稼動時間と明度との関係を説明する図である。 油判定方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、発明の理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
(油判定装置100)
図1は、本実施形態にかかる油判定装置100を説明するための図である。図1に示すように、油判定装置100は、光測定部110と、RAM120と、ROM122と、制御部130と、報知部140とを含んで構成される。なお、ここでは、判定対象の油として潤滑油を例に挙げて説明するが、判定対象の油に限定はなく、例えば、油圧装置の作動油等を判定してもよい。
図2は、光測定部110の構成例を説明するための図である。なお、図2中、光路を実線の矢印で示す。
図2に示すように、光測定部110は、判定対象の機械150(例えば、摺動部材を有する機械)に設置され、機械150に供給される潤滑油Lに光を照射するとともに、当該照射した光であって潤滑油Lを通過した光を受光して、当該受光した光のR(赤)成分、G(緑)成分、および、B(青)成分それぞれの光量を導出する。したがって、光測定部110は、機械150の稼働中であっても潤滑油Lに関する光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量をモニタリングすることができる。なお、潤滑油Lが高温の場合、機械150から潤滑油Lを一旦外部に迂回させた後再度機械150に戻す迂回路を設けておき、迂回路に潤滑油Lを冷却する冷却器を設け、迂回路における冷却器の後段に光測定部110を設けることとしてもよい。
具体的に説明すると、光測定部110は、収容部210と、発光部220と、受光部230とを含んで構成される。
収容部210は、後述する発光部220と、受光部230との光路上に配される。収容部210は、互いに離隔して配された直角プリズム212a、212bを含んで構成され、直角プリズム212aと、直角プリズム212bとの間に形成された空隙(収容空間)に潤滑油Lを収容する。なお、本実施形態において、光測定部110は、収容部210が発光部220および受光部230の上方に位置するように機械150に設置される。これにより、潤滑油L中の気泡が収容空間に混入してしまう事態を回避することができ、ノイズの発生を抑制することが可能となる。
発光部220は、例えば、白色LED(Light Emitting Diode)で構成され、収容部210に収容された潤滑油Lに白色の光を照射する。
受光部230は、例えば、受光素子で構成され、発光部220が照射した光であって、潤滑油Lを通過した光を受光して、受光した光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量を導出する。そして、受光部230によって導出された、R成分の光量、G成分の光量、および、B成分の光量を示す情報は、制御部130に出力されることとなる。
図1に戻って説明すると、RAM120は、様々な情報を保持する。例えば、本実施形態において、RAM120は、後述する制御部130が導出した明度Vを示す情報を保持する。ROM122は、正常判定範囲を示す情報、および、変化比判定範囲を示す情報を保持している。
制御部130は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成され、ROM122からCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAM120、他の電子回路と協働して油判定装置100全体を管理および制御する。本実施形態において、制御部130は、明度導出部132、判定部134として機能する。
明度導出部132は、受光部230が導出した、R成分の光量(以下、「R」と称する)、G成分の光量(以下、「G」と称する)、B成分の光量(以下、「B」と称する)に基づいて、明度Vを導出する。ここで、明度Vは、下記式(1)を用いて導出することができる。
V=√(R+G+B) …式(1)
判定部134は、明度導出部132によって導出された明度Vに基づいて、潤滑油Lの異常を判定する。
図3は、機械150の稼動時間と摩耗量との関係、および、稼動時間と明度Vとの関係を説明する図である。図3(a)に示すように、一般的に機械150の運転を開始すると、機械150を構成する部材が馴染むまで摩耗が生じ(初期摩耗)、部材が馴染んだ後は、殆ど摩耗が生じない安定期に入る。そして、機械150の寿命に近づくと、摩耗量が急激に増加することとなる。したがって、図3(b)中、実線で示すように、明度導出部132によって潤滑油Lの明度Vを導出すると、運転開始から初期摩耗が終了するまでは、明度Vが急激に低下する。これに対し、安定期に入ると、潤滑油Lの劣化に基づく明度Vの低下はあるものの、摩耗はほとんどないため、明度Vの低下は緩やかになる。そして、機械150の寿命に近づくと、摩耗量が急激に増加することから、明度Vが急激に低下することとなる。そこで、従来、寿命に到達する直前の明度Vを閾値Th0として設定しておき、明度Vが閾値Th0未満となったら、潤滑油Lに異常をきたしていると判定していた。
ところで、初期摩耗が生じている間や安定期において潤滑油Lに異常をきたした場合、図3(b)中一点鎖線に示すように、明度Vは急激に低下するものの、閾値Th0以上である場合もある。この場合、従来技術では、潤滑油Lに異常をきたしていると判定できなかった。
そこで、本実施形態では、明度Vの変化率(明度Vの単位時間あたりの変化量、つまり、明度Vを時間で微分した値)に着目して、潤滑油Lの異常を判定する。具体的に説明すると、潤滑油Lが劣化したり、潤滑油Lに摩耗粉などの異物混入が生じたりすると、明度Vの変化率が急激に変化する。したがって、判定部134は、まず、明度Vの変化率を導出し、導出した明度Vの変化率が、第1閾値から第1閾値未満の第2閾値に亘る正常判定範囲外である場合に、潤滑油Lに異常をきたしていると判定する。これにより、明度V自体が大きい場合であっても、早期に潤滑油Lの異常を判定することができる。
なお、潤滑油Lが劣化した場合であっても、潤滑油Lに異物が混入した場合であっても、明度Vが低下することから、明度Vの変化率は負の値となる。したがって、正常判定範囲の第1閾値および第2閾値を負の値に設定するとよい。
また、判定部134は、明度Vの変化率が正常判定範囲外である場合に、R、G、Bそれぞれの変化比を導出し、導出したR、G、Bそれぞれの変化比に基づいて、潤滑油Lの異常が、劣化によるものであるか、異物混入によるものかを判定する。
ここで、Rの変化比RCは下記式(2)を用いて導出され、Gの変化比GCは下記式(3)を用いて導出され、Bの変化比BCは下記式(4)を用いて導出される。
RC=R2/R1 …式(2)
GC=G2/G1 …式(3)
BC=B2/B1 …式(4)
なお、上記式(2)〜式(4)において、時刻t1における、RをR1、GをG1、BをB1とし、時刻t1から予め定められた時間経過後の時刻t2における、RをR2、GをG2、BをB2とする。
潤滑油Lの劣化は化学反応であるため、劣化が生じると潤滑油L自体の色が変化する。つまり、劣化が生じると、R、G、Bそれぞれの変化比に差が生じる(R、G、Bの比に変化が生じる)。一方、異物混入は物理変化であるため、潤滑油L自体の色が変化することはない。つまり、異物混入の有無に拘らず、R、G、Bそれぞれの変化比に差は生じない(R、G、Bの比に変化は生じない)。
そこで、判定部134は、明度Vの変化率が正常判定範囲外である場合に、まず、R、G、Bそれぞれの変化比を導出する。そして、判定部134は、Rの変化比RC、Gの変化比GC、および、Bの変化比BCのいずれか1の成分の光量の変化比を基準とした所定の変化比判定範囲以内に他の成分の光量の変化比が含まれるか否かを判定する。例えば、判定部134は、Rの変化比RCを基準とした所定の変化比判定範囲以内に、Gの変化比GCおよびBの変化比BCが含まれるか否かを判定する。そして、判定部134は、他の成分の光量の変化比が変化比判定範囲以内に含まれると判定した場合に、潤滑油Lの異常が異物混入によるものであると判定し、他の成分の光量の変化比が変化比判定範囲以内に含まれないと判定した場合には、潤滑油Lの異常が劣化によるものであると判定する。
図1に戻って説明すると、報知部140は、液晶ディスプレイ、有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ、LED等の表示装置やスピーカ等の音声出力装置で構成され、制御部130が判定した結果を作業者に報知する。報知部140を備える構成により、作業者に判定結果を容易に把握させることが可能となる。
例えば、報知部140が、異物混入を報知した場合、作業者は、潤滑油Lの交換とともに、異物発生箇所のメンテナンスを行う。また、報知部140が、潤滑油Lが劣化したと報知した場合、作業者は潤滑油の交換を行う。
(油判定方法)
続いて、上述した油判定装置100を用いた油判定方法について説明する。図4は、油判定方法の処理の流れを説明するためのフローチャートである。図4に示すように、収容部210に潤滑油Lを収容して、発光部220は潤滑油Lに白色の光を照射し(照射工程S310)、受光部230は、照射された白色の光であって、潤滑油Lを通過した光を受光して、当該受光した光のR、G、Bを導出する(受光工程S312)。
そして、明度導出部132は、受光工程S312において導出されたR、G、Bに基づいて、明度Vを導出する(明度導出工程S314)。
判定部134は、前回までに導出した明度Vおよび今回の明度Vに基づいて、明度Vの変化率を導出し(明度変化率導出工程S316)、明度Vの変化率が正常判定範囲外であるか否かを判定する(明度判定工程S318)。その結果、明度Vの変化率が正常判定範囲外であると判定した場合には(S318におけるYES)、潤滑油Lに異常をきたしていると判定して、光量変化比導出工程S320へ処理を移す。一方、明度Vの変化率が正常判定範囲以内であると判定した場合には(S318におけるNO)、当該油判定方法を終了する。
潤滑油Lに異常をきたしていると判定すると、判定部134は、受光工程S312において前回までに導出されたR、G、Bおよび今回導出されたR、G、Bに基づいて、R、G、Bそれぞれの変化比を導出する(光量変化比導出工程S320)。
そして、判定部134は、Gの変化比GC、Bの変化比BCそれぞれが、Rの変化比RCを基準とした変化比判定範囲以内に含まれるか否かを判定する(変化比判定工程S322)。その結果、Gの変化比GC、および、Bの変化比BCの少なくとも一方の変化比が変化比判定範囲以内に含まれないと判定した場合には(S322におけるNO)、潤滑油Lが劣化したと判定して劣化報知工程S324に処理を移し、Gの変化比GC、および、Bの変化比BCが変化比判定範囲以内に含まれると判定した場合には(S322におけるYES)、異物混入が生じたと判定して異物混入報知工程S326に処理を移す。
劣化報知工程S324において、報知部140は、潤滑油Lが劣化した旨を報知する。これにより、作業者は、潤滑油Lの交換を行うことができる。異物混入報知工程S326において、報知部140は、異物が混入した旨を報知する。これにより、作業者は、潤滑油Lの交換とともに、異物発生箇所のメンテナンスを行うことができる。
以上説明したように、本実施形態にかかる油判定装置100およびこれを用いた油判定方法によれば、潤滑油Lの明度Vの変化率を監視することで、潤滑油Lに異常をきたしたか否かを早期に判定することができる。
また、コンピュータを、油判定装置100として機能させるプログラムや、当該プログラムを記録した、コンピュータで読み取り可能なフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM、EEPROM、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)等の記憶媒体も提供される。ここで、プログラムは、任意の言語や記述方法にて記述されたデータ処理手段をいう。
(実施例)
軸受損傷試験を行った際の潤滑油Lの1時間あたりの明度Vの変化率と、ガスタービンを通常運転した際の潤滑油Lの1時間あたりの明度Vの変化率を測定した。その結果、軸受損傷試験を行った場合の方が、ガスタービンを通常運転した場合よりも明度Vの変化率の絶対値が200倍程度大きくなる(より変化している)ことが分かった。つまり、通常運転による潤滑油Lの劣化よりも異物混入の方が、明度Vの変化率(減少率)が桁違いに大きくなることが分かった。したがって、明度Vの変化率に基づいて、潤滑油Lの異常を検知できることが確認できた。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記実施形態において、受光部230がR、G、Bそれぞれの光量を導出する構成を例に挙げて説明した。しかし、受光部230は、Rの波長(例えば、700nm)±50nmをR成分として光量を導出してもよいし、Gの波長(例えば、546.1nm)±50nmをG成分として光量を導出してもよいし、Bの波長(例えば、435.8nm)±50nmをB成分として光量を導出してもよい。
また、上記実施形態において、光測定部110が直角プリズム212a、212bを備え、光路が屈曲する場合を例に挙げて説明した。しかし、直角プリズム212a、212bは必須の構成ではなく、発光部220と受光部230との光路は直線であってもよい。
また、上記実施形態において、光測定部110は、収容部210が発光部220および受光部230の上方に位置するように機械150に設置される場合を例に挙げて説明した。しかし、機械150に対する光測定部110の設置位置に限定はなく、例えば、収容部210が、発光部220および受光部230の下方に位置するように機械150に設置されてもよいし、収容部210、発光部220、受光部230が水平方向に配されるように機械150に設置されてもよい。
また、上記実施形態において、油判定装置100を構成する光測定部110、RAM120、ROM122、制御部130、報知部140が、機械150の近傍に設けられる構成を例に挙げて説明した。しかし、光測定部110のみを機械150の近傍に設けておき、RAM120、ROM122、制御部130、報知部140を遠隔地に設けてもよい。この場合、光測定部110が測定したR、G、Bを示す情報を、無線通信、または、有線通信を介して制御部130に送信するとよい。
また、上記実施形態において、正常判定範囲の第1閾値および第2閾値が負である構成を例に挙げて説明した。しかし、正常判定範囲は、機械150を通常運転した際の潤滑油Lの劣化速度に伴う明度Vの変化率を基準値として、基準値±所定の値の範囲に設定してもよい。したがって、第1閾値が正の値であり、第2閾値が負の値であってもよい。また、潤滑油Lが通過する流路に新油を追加した場合、明度Vの変化率は、正の値となる。したがって、新油の追加を判定する場合、正常判定範囲の第1閾値および第2閾値を正の値としてもよいし、第1閾値を正の値、第2閾値を負の値としてもよい。
また、上記実施形態において、判定部134が、Rの変化比RCを基準とした所定の変化比判定範囲以内に、Gの変化比GCおよびBの変化比BCが含まれるか否かを判定する構成を例に挙げて説明した。しかし、判定部134は、R、G、Bのいずれか1の成分の光量の変化比を基準とした所定の変化比判定範囲以内に他の成分の光量の変化比が含まれるか否かを判定すればよい。例えば、判定部134は、Gの変化比GCを基準とした所定の変化比判定範囲以内に、Rの変化比RCおよびBの変化比BCが含まれるか否かを判定してもよいし、Bの変化比BCを基準とした所定の変化比判定範囲以内に、Rの変化比RCおよびGの変化比GCが含まれるか否かを判定してもよい。
また、判定部134は、Rの変化比RC、Gの変化比GC、Bの変化比BCのうち、少なくともいずれか2成分の光量の変化比のうち、一方の成分の光量の変化比を基準とした所定の変化比判定範囲以内に他方の成分の光量の変化比が含まれるか否かを判定してもよい。そして、判定部134は、他方の成分の光量の変化比が変化比判定範囲以内に含まれる場合、油への異物混入と判定し、他方の成分の光量の変化比が変化比判定範囲以内に含まれない場合、油の劣化と判定する。例えば、判定部134は、Rの変化比RCを基準とした変化比判定範囲以内に、Gの変化比GCが含まれるか否かを判定してもよい。なお、この場合、判定部134は、Rの変化比RC、Gの変化比GC、Bの変化比BCのうち、少なくともいずれか2成分の光量の変化比を導出すれば足りる。
また、上記実施形態において、判定部134がR、G、Bそれぞれの変化比を導出する構成を例に挙げて説明したが、判定部134は明度Vの変化率を導出できれば足り、R、G、Bそれぞれの変化比の導出は必須ではない。
本発明は、潤滑油、作動油等の油の異常を判定する油判定装置、および、油判定方法に利用することができる。
100 油判定装置
132 明度導出部
134 判定部
220 発光部
230 受光部

Claims (8)

  1. 油に白色の光を照射する発光部と、
    前記油を通過した光を受光して、該受光した光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量を導出する受光部と、
    導出された前記R成分、G成分、B成分それぞれの光量に基づいて、明度を導出する明度導出部と、
    前記明度の変化率を導出し、該明度の変化率に基づいて、前記油の異常を判定する判定部と、
    を備えたことを特徴とする油判定装置。
  2. 前記油の異常は、前記油の劣化、および、該油への異物混入のいずれか一方または両方であることを特徴とする請求項1に記載の油判定装置。
  3. 前記判定部は、前記明度の変化率が、第1閾値から該第1閾値未満の第2閾値に亘る正常判定範囲外である場合に、前記油に異常をきたしていると判定することを特徴とする請求項1または2に記載の油判定装置。
  4. 前記第2閾値は、負の値であることを特徴とする請求項3に記載の油判定装置。
  5. 前記第2閾値は、正の値であることを特徴とする請求項3に記載の油判定装置。
  6. 前記判定部は、
    前記明度の変化率が前記正常判定範囲外である場合に、
    時刻t1における、前記R成分の光量をR1、前記G成分の光量をG1、前記B成分の光量をB1とし、該時刻t1から予め定められた時間経過後の時刻t2における、該R成分の光量をR2、該G成分の光量をG2、該B成分の光量をB2とした場合の、R成分の光量の変化比RC=R2/R1、G成分の光量の変化比GC=G2/G1、および、B成分の光量の変化比BC=B2/B1のうち、少なくとも2成分の光量の変化比を導出し、
    導出した2成分の光量の変化比に基づいて、前記油の劣化であるか、該油への異物混入であるかを判定することを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載の油判定装置。
  7. 前記判定部は、前記2成分の光量の変化比が、予め定められた変化比判定範囲以内に含まれる場合、前記油への異物混入であると判定し、該変化比判定範囲以内に含まれない場合、該油の劣化であると判定することを特徴とする請求項6に記載の油判定装置。
  8. 油に白色の光を照射する工程と、
    前記油を通過した光を受光して、該受光した光のR成分、G成分、および、B成分それぞれの光量を導出する工程と、
    導出された前記R成分、G成分、B成分それぞれの光量に基づいて、明度を導出する工程と、
    前記明度の変化率を導出する工程と、
    前記明度の変化率に基づいて、前記油の異常を判定する工程と、
    を有することを特徴とする油判定方法。
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