JP2017215254A - 潤滑状態判定装置及び潤滑状態判定方法 - Google Patents

潤滑状態判定装置及び潤滑状態判定方法 Download PDF

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文彦 横山
勝也 和田山
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勝也 和田山
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Abstract

【課題】潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定できる潤滑状態判定装置及び潤滑状態判定方法の提供。【解決手段】潤滑油に検査光を照射する照射部と、前記検査光が前記潤滑油を通過した透過光を受光する受光部と、前記透過光の、前記潤滑油の劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶した記憶部と、前記受光部が受光した前記透過光の輝度を示す第1の指標と、前記推定式から導出した前記透過光の輝度を示す第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する演算部と、を備える、潤滑状態判定装置を採用する。【選択図】図7

Description

本発明は、潤滑状態判定装置及び潤滑状態判定方法に関するものである。
機械要素部品に働く摩擦を軽減するために用いられる潤滑油は、経年的に、酸化反応等により成分が劣化するとともに、潤滑性能が悪化することが知られている。潤滑油の潤滑性能の悪化は、機械要素部品の摩耗や過熱を引き起こす可能性があるため、潤滑油の状態を監視する必要がある。例えば、特許文献1には、光学的な手法で潤滑油の劣化状態を判定する潤滑油劣化判定装置が開示されている。特許文献1のように、光を用いて潤滑油の劣化状態を判定する手法は、即時に潤滑油の状態を把握することができる。
特開2015−49166号公報
ところで、潤滑油の黒色化は、潤滑油の劣化(主に酸化劣化であるが、添加剤の消耗等も含む)だけでなく、機械要素部品の摩耗粉等が混入することによっても発生する。潤滑油の黒色化が多少進行したとしても、即、機械要素部品の異常に至ることは殆どないため、ある意味正常と考えることができる。しかしながら、機械要素部品の摩耗粉の混入のような潤滑油の劣化以外の事象が発生した場合は、機械要素部品の損傷等が懸念されるため、潤滑油の劣化と区別して早い段階で検知する必要がある。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定できる潤滑状態判定装置及び潤滑状態判定方法の提供を目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、潤滑油に検査光を照射する照射部と、前記検査光が前記潤滑油を通過した透過光を受光する受光部と、前記透過光の、前記潤滑油の劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶した記憶部と、前記受光部が受光した前記透過光の輝度を示す第1の指標と、前記推定式から導出した前記透過光の輝度を示す第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する演算部と、を備える、潤滑状態判定装置を採用する。
また、本発明においては、前記演算部は、対数で示された前記第1の指標と前記第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する、という構成を採用する。
また、本発明においては、前記受光部が受光した前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、前記潤滑油に劣化が生じていない初期状態の前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとしたときに、前記第1の指標であるlog[ΔE_RGB]は、以下のように示される、という構成を採用する。
Figure 2017215254
また、本発明においては、前記受光部が受光した前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、前記潤滑油に劣化が生じていない初期状態の前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、α、β、γを定数としたときに、前記第2の指標であるEstimated log[ΔE_RGB]は、以下のように示される、という構成を採用する。
Figure 2017215254
また、本発明においては、前記α、β、γは、前記潤滑油の劣化のみによる前記透過光に含まれる三原色成分の経時的変化を計測した計測データに基づいて算定されている、という構成を採用する。
また、本発明においては、潤滑油に検査光を照射する照射工程と、前記検査光が前記潤滑油を通過した透過光を受光する受光工程と、前記透過光の、前記潤滑油の劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶する記憶部と、前記受光部が受光した前記透過光の輝度を示す第1の指標と、前記推定式から導出した前記透過光の輝度を示す第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する判定工程と、を有する、潤滑状態判定方法を採用する。
本発明では、潤滑油の劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶しておき、受光部が受光した透過光の輝度を示す第1の指標と、推定式から導出した透過光の輝度を示す第2の指標とを比較して、潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定している。これにより、潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定することが可能となった。
本発明の実施形態における潤滑状態判定装置の機能ブロック図である。 本発明の実施形態における潤滑状態判定装置の断面構成図である。 本発明の実施形態における第1の指標と第2の指標と動粘度変化率の経時変化を示すグラフである。 本発明の実施形態における第1の指標と第2の指標と油中Fe濃度の経時変化を示すグラフである。 本発明の実施形態における第1の指標と第2の指標との差異と油中Fe濃度の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態における第1の指標、第2の指標と動粘度変化率の関係を示すグラフである。 本発明の実施形態における潤滑状態判定装置の動作を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態における潤滑状態判定装置1の機能ブロック図である。図2は、本発明の実施形態における潤滑状態判定装置1の断面構成図である。
本実施形態の潤滑状態判定装置1は、図2に示すように、対象機械2に設置され、対象機械2に供給される潤滑油Xの潤滑状態を判定する装置である。
対象機械2は、金属製の機械要素部品(例えば歯車装置)や、セラミック製の機械要素部品(例えば軸受装置)等を備える。本実施形態の対象機械2では、潤滑油Xの潤滑性能の悪化の原因として、潤滑油Xの劣化(主に酸化劣化であるが、添加剤の消耗等も含む)、機械要素部品の摩耗粉、削片等の異物の混入等が想定されるものとする。
潤滑状態判定装置1は、図1に示すように、計測部10と、演算部11と、表示部12と、記憶部13と、入力部14とを備えている。計測部10は、図2に示すように、基礎部10aと、取付基板10bと、ライト10c(照射部)と、光センサ10d(受光部)と、第1プリズム10eと、第2プリズム10fと、カバー10gと、を備える。対象機械2には、潤滑油Xを貯溜する潤滑油貯溜部20まで貫通する検査用開口21が形成されている。計測部10は、検査用開口21に取り付けられている。
基礎部10aは、潤滑油貯溜部20の検査用開口21に挿入される中央部10a1と、一部が検査用開口21の淵に引っ掛けられるフランジ10a2と、を有する。中央部10a1には、ライト10cが照射した検査光Y1を通すための孔10a3と、検査光Y1が潤滑油Xを通過した透過光Y2を通すための孔10a4とが設けられている。また、基礎部10aは、取付基板10bと、ライト10cと、光センサ10dと、第1プリズム10eと、第2プリズム10fと、カバー10gとを支持している。取付基板10bは、ライト10c及び光センサ10dが取り付けられた電子基板である。
ライト10cは、例えば、白色LEDライトであり、スリット10h内の潤滑油Xに、白色光である検査光Y1を照射する。光センサ10dは、光の強度を計測する受光素子である。このような光センサ10dは、透過光Y2を受光し、透過光Y2のR(赤)成分、G(緑)成分及びB(青)成分の強度(光量)を計測するRGBセンサである。なお、ライト10c及び光センサ10dは、不図示の電源と取付基板10bを介して接続されている。なお、三原色成分とは、周知のように、白色光を合成するための波長であって、赤(波長:625-740nm)、緑(波長:500-560nm)、青(波長:445-485nm)の三色をいう。
第1プリズム10e及び第2プリズム10fは、光路を直角に屈折させるための直角プリズムであり、中央部10a1の底面に固定されている。第1プリズム10eは、孔10a3を覆うように配置され、ライト10cから射出された検査光Y1を、第2プリズム10fの方向に反射する。第2プリズム10fは、孔10a4を覆うように配置され、第1プリズム10e側から入射された透過光Y2を光センサ10dの方向に反射する。
第1プリズム10eと第2プリズム10fとの間には一定幅のスリット10hが設けられている。スリット10hは、潤滑油貯溜部20内に形成されており、潤滑油Xが流入する。つまり、スリット10hは、潤滑油Xを収容している。また、カバー10gは、ライト10c及び光センサ10dを潤滑油貯溜部20の外側から覆うことで、遮光する部材であり、外光によるノイズを防ぐ。
上記したような構成の計測部10において、検査光Y1は、ライト10cから射出され、第1プリズム10eによって90度方向に反射される(照射工程)。さらに、検査光Y1は、潤滑油Xが充満したスリット10h(潤滑油X)を通過し、その透過光Y2は第2プリズム10fによってさらに90度方向に反射され、光センサ10dへと入射する(受光工程)。そして、計測部10は、透過光Y2に含まれる三原色成分の強度を演算部11へと出力する。
図1に戻り、表示部12は、液晶ディスプレイ等のモニターであり、対象機械2の操作者等が潤滑状態を容易に視認可能に表示する。記憶部13は、ハードディスクドライブ等のメモリであり、データを記憶し、演算部11の要求に応じて、演算部11に送信する。入力部14は、キーボードやマウス等を備えており、操作情報を演算部11に入力する。
演算部11は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)並びに上記各構成機器と信号の入出力を行うインタフェース回路などから構成されている。演算部11は、計測部10(光センサ10d)からの入力信号に基づいて透過光Y2に含まれる三原色成分の強度、すなわち赤色R成分の強度、緑色G成分の強度及び青色B成分の強度を取得する。
記憶部13は、潤滑油Xの劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶している。演算部11は、光センサ10dが受光した透過光Y2の輝度を示す第1の指標と、予め記憶した推定式から導出した透過光Y2の輝度を示す第2の指標とを比較して、潤滑油Xに劣化以外の事象が発生したか否かを判定する。
次に、演算部11が実施する潤滑状態判定方法について説明する。
通常、潤滑油Xの色は、酸化劣化により変色(黒色化)する。潤滑油Xの潤滑状態の悪化については、色情報(RGBデータ)から得られる光の強度に相当する輝度で診断できる。なお、油種や運転諸条件(温度等)によって輝度の傾向(経時変化)が異なる場合があるため、潤滑油Xの酸化劣化のみがある程度進行している段階で、1回以上、採取油の動粘度計測(酸化劣化進行レベルの指標)を行い、輝度と動粘度変化率との相関性を確認しておくことが好ましい。
光センサ10dが受光した透過光Y2に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、潤滑油Xが黒色化していない初期状態(新油)の透過光Y2に含まれる三原色成分をR、G、Bとしたときに、輝度の第1指標であるlog[ΔE_RGB]は、下式(1)で示すことができる。第1の指標において、初期状態との相対値を用いた理由は、絶対値では計測基準の取り方に数値が左右されてしまうためである。また、対数を用いた理由は、軽微な変化を捉えるためである。
Figure 2017215254
log[ΔE_RGB]を監視すれば、潤滑油Xの潤滑状態の悪化は判定できる。しかしながら、潤滑油Xの黒色化は摩耗粉(異物)の混入等によっても発生するため、log[ΔE_RGB]のみでは、その原因が潤滑油Xの劣化に起因するものなのか、潤滑油Xの劣化以外の事象に起因するものなのかまでは判定することはできない。このため、本手法では、潤滑油Xの劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式から導出した透過光Y2の輝度を示す第2の指標(推定値)を第1の指標(計測値)の比較対象とし、潤滑油Xに劣化以外の事象が発生したか否かを判定する。
具体的には、第1の指標と第2の指標との差異にて、正常値からの外れ度合(距離)を評価し、損傷の発生(摩耗粉の混入)の有無とその程度を判定する。当該正常値の基準となる推定式は、下式(2)で示すように、三原色成分のそれぞれの色差の色指標であるlog[Δ|R-G|]、log[Δ|R-B|]、log[Δ|R-G|]から、輝度の第2の指標であるEstimated log[ΔE_RGB]を算出する式とした。
Figure 2017215254
Estimated log[ΔE_RGB]は、光センサ10dが受光した透過光Y2に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、潤滑油Xに劣化が生じていない初期状態の透過光Y2に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、α、β、γを定数としたときに、下式(3)で示される。第2の指標において、第1の指標と同様に初期状態との相対値を用いた理由は、絶対値では計測基準の取り方に数値が左右されてしまうためである。また、対数を用いた理由は、軽微な変化を捉えるためである。
Figure 2017215254
式(3)に示すα、β、γは、潤滑油Xの劣化のみによる透過光Y2に含まれる三原色成分の経時的変化を計測した計測データに基づいて算定されている。具体的にα、β、γは、計測部10で計測した、摩耗粉(異物)の混入のない正常状態の潤滑油Xのm回目(m≦n−1であって、mは3以上が好ましい)までの三原色成分(R、G、B)の計測データに基づき、例えば多変数解析を用いて、log[ΔE_RGB]とEstimated log[ΔE_RGB]との差異が最小となるように算定されている。当該式(3)は、記憶部13に記憶する(記憶工程)。なお、α、β、γは、複数の計測データの平均値から算定されていてもよい。
図3〜図6は、上記潤滑状態判定方法の妥当性の確認を行った検証結果を示す。当該検証実験は、稼働している発電用ガスタービンから回収した回収油の色指標値、動粘度変化率、油中Fe濃度を用いて行った。
図3は、本発明の実施形態における第1の指標(式(1))と第2の指標(式(3))と動粘度変化率(KV)の経時変化を示すグラフである。図4は、本発明の実施形態における第1の指標(式(1))と第2の指標(式(3))と油中Fe濃度の経時変化を示すグラフである。図5は、本発明の実施形態における第1の指標(式(1))と第2の指標(式(3))との差異と油中Fe濃度の関係を示すグラフである。図6は、本発明の実施形態における第1の指標(式(1))、第2の指標(式(3))と動粘度変化率の関係を示すグラフである。
当該検証実験では、1〜4回目(m=4)までの三原色成分(R、G、B)の計測データを用いて、α、β、γを算定した。図4に示すように、1〜4回目までは、油中Feは検出されず、潤滑油Xの酸化劣化のみ進行していた。
図4に示すように、式(1)から算出される第1の指標と式(3)から算出される第2の指標との差異が、5000時間以降に拡大しているのが分かる。図3に示すように、潤滑油Xの酸化劣化に伴い動粘度変化率が堅調に増加するのに対し、図4に示すように、油中Fe濃度は5000時間以降に増加しており、この差異と一致している。当該差異の程度と油中Fe濃度との関係は、図5に示すように、良好な相関性を示している。このため、第1の指標の第2指標(正常値)からの外れ度合の評価にて、損傷の発生(摩耗の発生)有無だけでなく、当該外れ度合の程度で損傷の深刻度が診断できると言える。
図6に示すように、第1の指標と第2の指標との差がない(摩耗粉が発生していない)5000時間以前(log[ΔE_RGB]>−0.4に相当)では、log[ΔE_RGB]のトレンドを見ることで、潤滑油Xの酸化劣化の進行レベルが診断できる。また、摩耗進行の無い正常時且つある程度酸化劣化が進行している段階で、1回以上、採取油の動粘度計測を行い、log[ΔE_RGB]と動粘度変化率との相関性を確認しておけば、log[ΔE_RGB]の値から動粘度変化率の算定が可能である。すなわち、上述の通り、運用方法(使用油種、新油の補充率、温度等の使用条件)によって、酸化劣化の進行状態が異なり、log[ΔE_RGB]はさまざまな経時変化を示すが、この診断方法であれば、種々の検量線を作成することなく、潤滑油Xの酸化劣化の進行程度の定量的な診断が容易にできる。
以上の結果から、次のような判定が可能である。
1.潤滑油Xの酸化劣化進行自身は正常と考え、そのときのR、G、B値のデータを基に多変量解析にて正常な段階での推定式を作成し、当該推定式から外れる程度の評価にて、機械要素部品の損傷の発生(摩耗の発生)を判定できる。また、当該外れ度合の程度で損傷の深刻度も判定できる。
2.摩耗粉が発生していない段階では、log[ΔE_RGB]のトレンドを見ることで、潤滑油Xの酸化劣化の進行レベルが判定できる。また、log[ΔE_RGB]と動粘度変化率との相関性を確認しておけば、log[ΔE_RGB]の値から動粘度変化率の算定が可能である。
続いて、上記のように構成された潤滑状態判定装置1の動作について説明する。
図7は、本発明の実施形態における潤滑状態判定装置1の動作(正確には演算部11が実行する各種処理のシーケンス)を示すフローチャートである。
図7に示すように、先ず、演算部11は、第1の指標であるlog[ΔE_RGB]を算出する(ステップS1)。第1の指標であるlog[ΔE_RGB]が負になった場合、ステップS2に移行する。第1の指標であるlog[ΔE_RGB]の変化が無い(負になっていない)場合、潤滑油Xの潤滑性能の悪化(黒色化)が進行していないものとして、演算部11はlog[ΔE_RGB]を監視し続ける。なお、ステップS1では、log[ΔE_RGB]が予め設定した所定の閾値(0でない値)以下になった場合に、ステップS2に移行してもよい。
ステップS2において、演算部11は、第1の指標であるlog[ΔE_RGB]と第2の指標であるEstimated log[ΔE_RGB]との差を算出する。演算部11は、光センサ10dが受光した透過光Y2の輝度を示す第1の指標と、推定式(式(3))から導出した透過光Y2の輝度を示す第2の指標とを比較して、潤滑油Xに劣化以外の事象が発生したか否かを判定する(判定工程)。なお、推定式のα、β、γは、log[ΔE_RGB]が負になったタイミングで、摩耗粉の混入のない正常時のm回目(m≦n−1)までの三原色成分(R、G、B)の計測データを基に、多変数解析にて、log[ΔE_RGB]とEstimated log[ΔE_RGB]との差異が最小となるように算定してもよいし、log[ΔE_RGB]が負になる前に予め算定してもよい。
演算部11は、log[ΔE_RGB]とEstimated log[ΔE_RGB]との差が増加傾向にある場合、潤滑油Xに劣化以外の事象が発生したと判定する(ステップS10)。図4に示すように、摩耗粉が発生している場合、log[ΔE_RGB]とEstimated log[ΔE_RGB]との差が大きくなる傾向にあるため、潤滑油Xの劣化と区別することができる。逆に、log[ΔE_RGB]とEstimated log[ΔE_RGB]との差が増加傾向に無い場合(変化無しの場合)、log[ΔE_RGB]の減少は潤滑油Xの劣化に起因するものであると判定することができる(ステップS20)。
ステップS20に移行した場合、次に、演算部11は、log[ΔE_RGB]と動粘度変化率との相関性があるか判定する(ステップS21)。上述のように摩耗進行の無い正常時且つある程度酸化劣化が進行している段階で、1回以上、採取油の動粘度計測を行い、log[ΔE_RGB]と動粘度変化率との相関性を取得済みであれば、図6に示すように、log[ΔE_RGB]から動粘度変化率を算定し、定量的な診断が可能となる(ステップS22)。一方、log[ΔE_RGB]と動粘度変化率との相関性を取得していない場合であっても、log[ΔE_RGB]から潤滑油Xの酸化劣化進行の定性的な診断は可能である(ステップS23)。
以上により、潤滑状態判定装置1の動作(判定)が終了する。
このように、上述した本実施形態の潤滑状態判定装置1によれば、ライト10cと、光センサ10dと、記憶部13と、演算部11と、を備え、潤滑油Xの劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶し、光センサ10dが受光した透過光Y2の輝度を示す第1の指標と、推定式から導出した透過光Y2の輝度を示す第2の指標とを比較して、潤滑油Xに劣化以外の事象が発生したか否かを判定することができる。これにより、潤滑油Xに劣化以外の事象が発生したか否かを正確且つ即時に判定することが可能となる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、潤滑油Xの劣化以外の事象として摩耗粉の混入を例示したが、本発明はこれに限定されない。潤滑油Xの劣化以外の事象としては、例えば、異なる油種の混入、潤滑油補充装置の停止/動作低下による新油の補充率の低下、温度の急上昇等による潤滑油Xの急激な酸化劣化等が想定される。
(2)上記実施形態では、潤滑状態判定装置1が、ライト10c、光センサ10d、記憶部13及び演算部11を備えるものとしたが、本発明はこれに限定されない。ライト10c、光センサ10d及び演算部11は、それぞれ別の装置としてもよい。
(3)上記実施形態では、第1の指標、第2の指標及び三原色成分の色差を用いて、より微小な変化を判定可能となるように、対数をとった変化量を算出している。さらに、当該変化量は、初期状態との相対値で算出している。しかしながら、本発明はこれに限定されない。対数をとり、さらに初期状態との相対値で算出する処理は一例であり、本発明は、上記実施形態のような計算処理を行わずに、第1の指標、第2の指標及び三原色成分の色差を用いて、潤滑状態を判定する判定方法も含めるものである。
1 潤滑状態判定装置
10c ライト(照射部)
10d 光センサ(受光部)
11 演算部
13 記憶部
X 潤滑油
Y1 検査光
Y2 透過光

Claims (6)

  1. 潤滑油に検査光を照射する照射部と、
    前記検査光が前記潤滑油を通過した透過光を受光する受光部と、
    前記透過光の、前記潤滑油の劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶した記憶部と、
    前記受光部が受光した前記透過光の輝度を示す第1の指標と、前記推定式から導出した前記透過光の輝度を示す第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する演算部と、を備える、ことを特徴とする潤滑状態判定装置。
  2. 前記演算部は、対数で示された前記第1の指標と前記第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する、ことを特徴とする請求項1に記載の潤滑状態判定装置。
  3. 前記受光部が受光した前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、前記潤滑油に劣化が生じていない初期状態の前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとしたときに、前記第1の指標であるlog[ΔE_RGB]は、
    Figure 2017215254
    で示される、ことを特徴とする請求項2に記載の潤滑状態判定装置。
  4. 前記受光部が受光した前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、前記潤滑油に劣化が生じていない初期状態の前記透過光に含まれる三原色成分をR、G、Bとし、α、β、γを定数としたときに、前記第2の指標であるEstimated log[ΔE_RGB]は、
    Figure 2017215254
    で示される、ことを特徴とする請求項2または3に記載の潤滑状態判定装置。
  5. 前記α、β、γは、前記潤滑油の劣化のみによる前記透過光に含まれる三原色成分の経時的変化を計測した計測データに基づいて算定されている、ことを特徴とする請求項4に記載の潤滑状態判定装置。
  6. 潤滑油に検査光を照射する照射工程と、
    前記検査光が前記潤滑油を通過した透過光を受光する受光工程と、
    前記透過光の、前記潤滑油の劣化のみによる輝度の経時的変化を示す推定式を予め記憶する記憶工程と、
    前記受光部が受光した前記透過光の輝度を示す第1の指標と、前記推定式から導出した前記透過光の輝度を示す第2の指標とを比較して、前記潤滑油に劣化以外の事象が発生したか否かを判定する判定工程と、を有する、ことを特徴とする潤滑状態判定方法。
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