JP2017190557A - 壁面の施工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パネル部材を軽量化して施工性及び搬送性を高めるとともに、切断性及び加工性を高めることにより、高品質性及び低コスト性を確保する。【解決手段】 パネル部材P…を縦方向Fv/横方向Fhに並べることにより地面Gに対して起立した壁面部2を施工し、この壁面部2により所定の被施工面Cを覆うとともに、当該壁面部2と当該被施工面C間の隙間Sにコンクリート3を充填することによりコンクリート構造物Mの壁面Mwを施工するに際し、繊維強化セメント板4の裏面4rに、剛性を有する筋部材5…を宛がい、この繊維強化セメント板4に設けた挿通孔4h…に挿通するボルト6s…及びこのボルト6s…に螺着するナット6n…を用いることにより、筋部材5…を繊維強化セメント板4に固定してパネル部材Pを得るとともに、得られたパネル部材P…を縦方向Fv/横方向Fhに並べることにより壁面部2を施工する。【選択図】 図1

Description

本発明は、各種コンクリート構造物における壁面を施工する際に用いて好適な壁面の施工方法に関する。
従来、多数のパネル部材を縦方向及び横方向に並べることにより地面に対して起立した壁面部を施工し、この壁面部により所定の被施工面を覆うとともに、当該壁面部と当該被施工面間の隙間にコンクリートを充填することにより壁面を施工する施工方法としては、既に、本出願人が特許文献1により提案した擁壁の施工方法が知られている。
同文献1で開示される擁壁の施工方法は、施工時のコストダウンを図るとともに、擁壁全体の面方向における連続性(一体性)を容易に確保し、しかも、擁壁全体の施工品質を容易に高めるとともに、安全かつ確実な施工を可能にすることを目的としたものであり、具体的な施工方法は、一又は二以上の壁面パネルを地面に対して所定角度で起立させることにより所定の被施工面を覆う擁壁を施工するに際し、所定角度で起立する主縦筋部及び水平に位置する主横筋部により略L形に形成した複数の主支持筋を地面側に設置するとともに、内部に埋設した鉄筋の一部が露出筋部として裏面に露出したプレキャストコンクリートを用いた壁面パネルを、主縦筋部に立て掛けて固定し、露出筋部及び/又は主縦筋部を複数の補助支持筋により支持した後、被施工面と壁面パネル間にコンクリートを充填することにより中込コンクリート部を設けるようにしたものである。
特開2015−31105号公報
しかし、上述した特許文献1による壁面(擁壁)の施工方法は、次のような解決すべき課題も残されていた。
第一に、プレキャストコンクリートによる壁面パネルを用いるため、プレキャストコンクリートによる低コスト性や品質性を確保できるものの、反面、壁面パネル一枚当たりの重量は相当に重くなねたる、施工や搬送にはクレーン等の重機の使用が必須となる。即ち、プレキャストコンクリートによる壁面パネルの場合、一平米当たりの重さは、通常、120〔kg〕前後になり、作業者自身による施工や搬送はほとんど困難になり、施工性及び搬送性に劣るとともに、施工時の安全性を確保する観点からも難がある。
第二に、この種のプレキャストコンクリートは、通常、鉄筋を埋め込むことにより一枚の壁面パネルとして一体化するため、容易に切断できないなど、切断性及び加工性にも難がある。結局、コンクリート構造物における壁面の形状及び寸法等に対応する壁面パネルを、加工により容易に得るとともに、壁面の品質性及び低コスト性を高める観点からも更なる改善の余地があった。
本発明は、このような背景技術に存在する課題を解決した壁面の施工方法の提供を目的とするものである。
本発明に係る壁面の施工方法は、上述した課題を解決するため、一又は二以上のパネル部材P…を縦方向Fv及び/又は横方向Fhに並べることにより地面Gに対して所定角度で起立した壁面部2を施工し、この壁面部2により所定の被施工面Cを覆うとともに、当該壁面部2と当該被施工面C間の隙間Sにコンクリート3を充填することによりコンクリート構造物Mの壁面Mwを施工するに際し、繊維強化セメント板4の裏面4rに、剛性を有する一又は二以上の筋部材5…を宛がい、この繊維強化セメント板4に設けた挿通孔4h…に挿通するボルト6s…及びこのボルト6s…に螺着するナット6n…を用いることにより、筋部材5…を繊維強化セメント板4に固定してパネル部材Pを得るとともに、得られた一又は二以上のパネル部材P…を縦方向Fv及び/又は横方向Fhに並べることにより壁面部2を施工するようにしたことを特徴とする。
この場合、発明の好適な態様により、繊維強化セメント板4は、二枚の繊維強化セメント板メンバ4a,4bを重ね合わせ、かつ一方の繊維強化セメント板メンバ4aを他方の繊維強化セメント板メンバ4bに対して、縦方向Fv及び横方向Fhにそれぞれ所定幅Lo…だけオフセットさせて構成することが望ましい。また、筋部材5を繊維強化セメント板4に固定するに際しては、筋部材5を押え部材7…により押さえ、この押え部材7…をボルト6s及びナット6nを用いて繊維強化セメント板4に固定することができる。なお、筋部材5には、トラス筋5tを用いることが望ましい。さらに、ボルト6sは、繊維強化セメント板4の挿通孔4h…に対して裏面4r側から挿通させるとともに、繊維強化セメント板4の表面4f側からナット6nを螺着することが望ましい。一方、壁面部2は、筋部材5に結合し、かつ複数の支持筋8f…,8r…,8s…,8c…を組合わせた支持筋構造8により支持することができる。なお、壁面部2は、擁壁Mpにおける壁面Mwに用いて好適である。
このような手法による本発明に係る壁面の施工方法によれば、次のような顕著な効果を奏する。
(1) 基本的に、パネル部材Pとして繊維強化セメント板4を利用するとともに、繊維強化セメント板4の裏面4rに筋部材5…を固定することにより、パネル部材Pとしての剛性を確保するようにしたため、パネル部材Pの一枚当たりの重さを27〔kg〕程度に軽量化することができる。したがって、作業者一人でも持つことが可能になり、施工や搬送におけるクレーン等の重機の使用を不要又は削減できるなど、施工性及び搬送性を飛躍的に高めることができるとともに、施工時の安全性向上にも寄与できる。
(2) 繊維強化セメント板4は、プレキャストコンクリートに比べて薄いパネル材として構成され、しかも、フレキシブル性を有するため、容易に切断できるなど、切断性及び加工性を高めることができる。したがって、コンクリート構造物Mにおける壁面Mwの形状及び寸法等にマッチングするパネル部材P…、更には壁面部2を容易に得ることができるなど、壁面部2の品質性及び低コスト性を高めることができる。
(3) 好適な態様により、繊維強化セメント板4を構成するに際し、二枚の繊維強化セメント板メンバ4a,4bを重ね合わせ、かつ一方の繊維強化セメント板メンバ4aを他方の繊維強化セメント板メンバ4bに対して、縦方向Fv及び横方向Fhにそれぞれ所定幅Lo…だけオフセットさせて構成すれば、隣り同士のパネル部材P…を所定幅Lo…だけオーバーラップさせることができるため、隣り同士のパネル部材P…間の隙間を無くすことができるとともに、壁面部2における表面の平坦性を容易に確保できる。
(4) 好適な態様により、筋部材5…を繊維強化セメント板4に固定するに際し、筋部材5を押え部材7…により押さえ、この押え部材7…をボルト6s及びナット6nを用いて繊維強化セメント板4に固定するようにすれば、ボルト6s及びナット6nにより直接固定できない形態を有する筋部材5であっても、押え部材7…を介して固定可能になるため、様々な形態の筋部材5を選定して使用できるなど、選択自由度の向上、更には、使用する筋部材5の形態の最適化を図ることができる。
(5) 好適な態様により、筋部材5に、トラス筋5tを用いれば、トラス筋5tの形態により容易に軽量化及び高剛性化を図れるとともに、立体性を有するトラス筋5tの形態により、少なくともその一部を、繊維強化セメント板4の裏面4r側に充填するコンクリート3の中に埋め込むことが可能になるため、パネル部材Pとコンクリート3の固定強度及び一体性をより高めることができる。
(6) 好適な態様により、ボルト6sを、繊維強化セメント板4の挿通孔4h…に対して裏面4r側から挿通させるとともに、繊維強化セメント板4の表面4f側からナット6nを螺着するようにすれば、例えば、パネル部材P(繊維強化セメント板4)が汚れたり破損した場合であっても、表面4f側のナット6nを外すことにより、繊維強化セメント板4を、コンクリート3に対して着脱できるため、繊維強化セメント板4の交換や補修等を容易に行うことができるとともに、迅速かつ低コストに行うことができる。
(7) 好適な態様により、壁面部2を支持するに際し、複数の支持筋8f…,8r…,8s…,8c…を組合わせた支持筋構造8を、筋部材5に結合して支持するようにすれば、パネル部材P…(壁面部2)を除く他の施工部分は、従来からの施工方法をそのまま利用できるため、壁面Mw全体の施工を容易に行うことができるとともに、信頼性及び低コスト性も容易に確保できる。
(8) 好適な態様により、壁面部2を、擁壁Mpにおける壁面Mwに適用すれば、特に、従来より擁壁Csの壁面部2に使用したプレキャストコンクリートの代わりに本発明に係るパネル部材P…を使用できるため、本発明に係る効果を享受する観点から最適な形態として実施できる。
本発明の好適実施形態に係る壁面の施工方法により施工する壁面部を構成するパネル部材の背面構成図、 同パネル部材の一部を抽出した拡大断面図を含む平面構成図、 同パネル部材に備えるトラス筋(筋部材)の一部を示す斜視図、 同パネル部材に用いる繊維強化セメント板メンバの一部を示す正面図、 同パネル部材の側面構成図及び対応する部品図、 同施工方法により施工した擁壁の内部構造を示す側面構成図、 同施工方法により施工した擁壁における繊維強化セメント板を交換する際の説明図、 同施工方法の変更例に係るパネル部材の一部を示す断面側面図、
次に、本発明に係る好適実施形態を挙げ、図面に基づき詳細に説明する。
まず、本実施形態に係る壁面の施工方法に用いるパネル部材Pについて、図1〜図8を参照して説明する。
パネル部材Pは、繊維強化セメント板4の裏面4rに、剛性を有する一又は二以上(例示は二本)の筋部材5…を宛がい、この繊維強化セメント板4に設けた挿通孔4h…に挿通するボルト6s…及びこのボルト6s…に螺着するナット6n…を用いることにより、筋部材5…を繊維強化セメント板4に固定する基本構造を備えている。なお、筋部材5を繊維強化セメント板4に固定するに際しては、筋部材5を二本の押え部材7,7により押さえ、この押え部材7,7をボルト6s及びナット6nを用いて繊維強化セメント板4に固定するようにした。
また、繊維強化セメント板4は、二枚の繊維強化セメント板メンバ4a,4bを重ね合わせて構成する。一枚の繊維強化セメント板メンバ4a(4bも同じ)は、一例として、セメントに対して繊維と水を配合し、十分に混合させたものを、ウェットマシンを用いてスキ取りを行い、型板を用いてプレス成型した後、養生させたものである。図4に、使用する繊維強化セメント板メンバ4aの形状を示す。例示の繊維強化セメント板メンバ4aは、厚さが5〔mm〕,縦の長さが500〔mm〕,横の長さが2000〔mm〕,重さが概ね10〔kg〕である。また、繊維強化セメント板メンバ4aには、計十個所の挿通孔4h…を形成する。この挿通孔4h…は、後述するボルト6s…を通すための孔であり、予め設定した位置に形成する。なお、各繊維強化セメント板メンバ4a,4bにおける挿通孔4h…は、それぞれ設定する位置が異なる。
また、筋部材5には、図3に示すトラス筋5tを使用する。例示のトラス筋5tは、長さが1800〔mm〕,高さが80〔mm〕である。そして、一枚のパネル部材Pの製作に際しては、二本のトラス筋5t,5tを使用する。筋部材5に、このようなトラス筋5tを使用すれば、トラス筋5tの形態により、容易に軽量化及び高剛性化を図れるとともに、立体性を有するトラス筋5tの形態により、少なくともその一部を、繊維強化セメント板4の裏面4r側に充填するコンクリート3(後述)の中に埋め込むことが可能になるため、パネル部材Pとコンクリート3の固定強度及び一体性をより高めることができる利点がある。
さらに、押え部材7には、直径が10〔mm〕,長さが450〔mm〕の鉄筋(直線棒材)を使用する。例示の実施形態では、パネル部材Pの一枚当たり、計十本の押え部材7を使用する。
以上の主要部品に加え、例示の実施形態では、パネル部材Pの一枚当たり、「M10×40」のボルト6s…を計十本、「M10」のナット6n…を計十個、「M10」のワッシャ11…を計十枚、「M10」の亀座金12…を計十枚使用する。図5に、これらの部品を示す。なお、亀座金12は、図5における一部を断面にした拡大図に示すように、平坦なワッシャ部材を軸方向へ稍湾曲させた形状を有している。
これにより、パネル部材Pは、次のように製作することができる。まず、図1及び図2に示すように、二枚の繊維強化セメント板メンバ4a,4bを用意し、各メンバ4a,4bを重ね合わせるとともに、一方の繊維強化セメント板メンバ4aは、他方の繊維強化セメント板メンバ4bに対して、縦方向Fv及び横方向Fhにそれぞれ所定幅Lo…だけオフセットさせる。そして、この形態を一枚の繊維強化セメント板4として使用する。このような形態に構成すれば、図1及び図6に示すように、隣り同士のパネル部材P…は所定幅Lo…だけオーバーラップさせることができるため、隣り同士のパネル部材P…間の隙間を無くすことができるとともに、壁面部2における表面の平坦性を容易に確保できる利点がある。
また、図1に示すように、繊維強化セメント板4の裏面4rに、剛性を有する二本の筋部材5,5、即ち、二本のトラス筋5t,5tを宛がう。この場合、各トラス筋5t,5tは、平行に離間して配するとともに、繊維強化セメント板4の長手方向に沿わせて配する。そして、図1及び図2に示すように、この状態のトラス筋5t,5tにおける所定の三角枠部5tf内に、二本の押え部材7,7を挿入し、二本のトラス筋5tと5t間に架け渡すことにより、各押え部材7,7をトラス筋5t,5tの長手方向に対して直角に位置させる。
次いで、図2及び図5に示すように、ボルト6sに亀座金12を装着するとともに、ボルト6sを二本の押え部材7と7間に介在させ、さらに、ボルト6sを、繊維強化セメント板4に設けた挿通孔4hに挿通させる。これにより、ボルト6sの先端は、繊維強化セメント板4の表面4f側に突出するため、ワッシャ11を装着した後、ナット6nを螺着する。したがって、ボルト6sは、繊維強化セメント板4の裏面4r側から挿通孔4hに挿入し、繊維強化セメント板4の表面4f側でナット6nを螺着する。
そして、ナット6nに対する締め付けを行えば、図2に示す一部抽出拡大断面図ように、トラス筋5tを繊維強化セメント板4に固定することができる。なお、ボルト6s及びナット6nにより固定する位置は、図1に示すように、二本の押え部材7,7を配した部位において、各トラス筋5t,5tの近傍における二位置となる。また、二本の押え部材7,7を架け渡すトラス筋5tにおける三角枠部5tf…の位置は、任意の位置を選定可能であるが、望ましくは、複数の位置であって、かつトラス筋5tの長手方向において均等に分散する位置を選定する。例示の場合、図1に示すように、五位置を選定し、トラス筋5tの長手方向に沿って等間隔になる位置を選定した。
このように、トラス筋5t(筋部材5)を繊維強化セメント板4に固定するに際し、筋部材5を押え部材7…により押さえ、この押え部材7…をボルト6s及びナット6nを用いて繊維強化セメント板4に固定するようにすれば、ボルト6s及びナット6nにより直接固定できない形態を有する筋部材5であっても、押え部材7…を介して固定可能になるため、様々な形態の筋部材5を選定できるなど、選択自由度の向上、更には、使用する筋部材5の形態の最適化を図れる利点がある。
以上により、図1,図2及び図5に示す一枚のパネル部材Pを得ることができる。なお、繊維強化セメント板4に設ける挿通孔4h…の位置は、事前に判るため、各挿通孔4h…は、図4に示すように、繊維強化セメント板メンバ4aに対して予め形成しておく。さらに、繊維強化セメント板メンバ4bに対しても同様に形成するが、前述したように、オフセットさせる幅Lo…分だけ位置を異ならせる。
また、繊維強化セメント板4の表面4fに露出するボルト6sの先端及びナット6nは、そのままの状態でもよいが、必要により、例えば、図8に示すような合成樹脂製のキャップ51を装着し、外観性を高めてもよい。この場合、使用するワッシャ11eは、ボルト6sの頭部よりも小径に形成することができる。
次に、このようにして得られるパネル部材P…を用いた本実施形態に係る壁面の施工方法について、図1〜図7を参照して説明する。
施工方法の一例として示すコンクリート構造物Mは図6に示す擁壁Csである。したがって、施工する壁面部2は、擁壁Csにおける壁面Mwとなる。このように、壁面部2を、擁壁Csにおける壁面Mwに適用すれば、特に、従来より擁壁Csの壁面部2に使用していたプレキャストコンクリートの代わりに本発明に係るパネル部材P…を使用できるため、本発明に係る効果を享受できる観点から最適な形態として実施できる利点がある。
壁面Mwの施工に際しては、まず、図6に示すように、施工場所となる地面G及び崖面(傾斜面)となる被施工面Cに対して必要な掘削や床掘を行うとともに、地面G上に基礎部Nを施工する。基礎部Nの施工に際しては、最初に、基礎砕石31を敷設する。また、基礎砕石31の上には基礎パネル21を敷設する。なお、基礎パネル21を敷設する代わりにコンクリートを打設し、均しコンクリート部(21e)を設けてもよい。
一方、前述したパネル部材P…を必要枚数用意するとともに、必要な支持筋8f…,8s…,8r…,8c…を必要数量用意する。そして、副補助筋8c…を設置する。例示の場合、被施工面Cは岩盤Crとなるため、副補助筋8c…は、この岩盤Crに対して差筋として直接固定する。次いで、L形をなす副支持筋8r…を基礎パネル21の上面に設置するとともに、この副支持筋8r…の支柱部と副補助筋8c…の先端部を、所定の結合具(例示はワイヤを用いた結束具)により結合する。また、L形をなす主支持筋8f…を用意し、この主支持筋8f…の支柱部に主補助筋8s…の一端部を所定の結合具(例示は取付金具)により結合するとともに、主支持筋8f…を基礎パネル21の上面に設置し、主補助筋8s…の他端部と副支持筋8r…の支柱部を、所定の結合具(例示はワイヤを用いた結束具)により結合する。これにより、主支持筋8f…,副支持筋8r…,主補助筋8s…及び副補助筋8c…を組合わせた支持筋構造8を施工できる。
そして、基礎パネル21上に、用意したパネル部材P…を横方向Fhに順次並べて載置する。また、各パネル部材P…の裏面におけるトラス筋5t…を主支持筋8f…の支柱部に当接させ、所定の結合具(例示はワイヤを用いた結束具)により結合する。これにより、一段目におけるパネル部材P…の設置施工が終了する。
次いで、この一段目のパネル部材P…の上に、二段目を構成するパネル部材P…を横方向Fhに順次並べて載置するとともに、一段目と同様、各パネル部材P…の裏面におけるトラス筋5t…を主支持筋8f…の支柱部に当接させ、所定の結合具により結合する。以下、三段目以降も同様に施工することができる。
これにより、地面Gに対して所定角度で起立する壁面部2を施工することができ、この壁面部2は、トラス筋5t…(筋部材5…)に結合した主支持筋8f…、即ち、複数の支持筋8f…,8r…,8s…,8c…を組合わせた支持筋構造8により支持される。このような支持筋構造8により壁面部2を支持するようにすれば、パネル部材P…(壁面部2)を除く他の施工部分は、従来からの施工方法をそのまま利用できるため、壁面Mw全体の施工を容易に行うことができるとともに、信頼性及び低コスト性も容易に確保できる利点がある。
また、前述したように、各パネル部材P…における繊維強化セメント板4は、二枚の繊維強化セメント板メンバ4a,4bを重ね合わせ、かつ一方の繊維強化セメント板メンバ4aを他方の繊維強化セメント板メンバ4bに対して、縦方向Fv及び横方向Fhにそれぞれ所定幅Lo…だけオフセットさせて構成するため、各パネル部材P…を、縦方向Fv及び横方向Fhに並べた際には、隣り同士のパネル部材P…が所定幅Lo…だけオーバーラップする。この結果、図1及び図6に示すように、隣り同士のパネル部材P…間の隙間が無くなるとともに、壁面部2における表面の平坦性も容易に確保される。
これにより、施工した壁面部2は、擁壁Csにおける壁面Mwとなり、被施工面Cを覆うとともに、この壁面部2と被施工面C間には隙間Sが存在するため、この隙間Sにコンクリート3を充填すれば、目的のコンクリート構造物Mとなる擁壁Csを建造することができる。
よって、このような本実施形態に係る壁面の施工方法によれば、基本的に、パネル部材Pとして繊維強化セメント板4を利用するとともに、繊維強化セメント板4の裏面4rに筋部材5…を固定することにより、パネル部材Pとしての剛性を確保するようにしたため、パネル部材Pの一枚当たりの重さを27〔kg〕程度に軽量化することができる。したがって、作業者一人でも持つことが可能になり、施工や搬送におけるクレーン等の重機の使用を不要又は削減できるなど、施工性及び搬送性を飛躍的に高めることができるとともに、施工時の安全性向上にも寄与できる。また、繊維強化セメント板4は、プレキャストコンクリートに比べて薄いパネル材として構成され、しかも、フレキシブル性を有するため、容易に切断できるなど、切断性及び加工性を高めることができる。したがって、コンクリート構造物Mにおける壁面Mwの形状及び寸法等にマッチングするパネル部材P…、更には壁面部2を容易に得ることができるなど、壁面部2の品質性及び低コスト性を高めることができる。
ところで、本実施形態に係る壁面の施工方法では、ボルト6sを、繊維強化セメント板4の挿通孔4h…に対して裏面4r側から挿通させるとともに、繊維強化セメント板4の表面4f側からナット6nを螺着している。したがって、例えば、パネル部材P(繊維強化セメント板4)が汚れたり破損した場合には、図7に示すように、表面4f側のナット6n及びワッシャ11を外すことにより、既設の繊維強化セメント板4を取外し、新しい繊維強化セメント板4を取付けたり、或いは補修後に再取付けできるなど、繊維強化セメント板4の交換や補修等を容易に行うことができるとともに、迅速かつ低コストに行うことができる利点がある。
以上、好適実施形態について詳細に説明したが、本発明は、このような実施形態に限定されるものではなく、細部の構成,形状,素材,数量,数値,手法,手順等において、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更,追加,削除することができる。
例えば、パネル部材Pは、一枚で壁面部2を施工する場合を排除するものではない。また、二以上のパネル部材P…を、縦方向Fvのみに並べて壁面部2を施工する場合や横方向Fhのみに並べて壁面部2を施工する場合を排除するものではない。一方、二枚の繊維強化セメント板メンバ4a,4bを重ね合わせて繊維強化セメント板4を構成する場合を例示したが、単一の繊維強化セメント板4を用いてもよいし、三枚以上の繊維強化セメント板メンバ4a…を重ね合わせて繊維強化セメント板4を構成してもよい。また、筋部材5を押え部材7…により押さえて固定した場合を示したが、押え部材7…を用いることなく、繊維強化セメント板4に対して直接固定してもよい。さらに、筋部材5として、トラス筋5tを用いた場合を示したが、各種形態の筋部材5を利用することができる。他方、壁面部2は、支持筋構造8により支持する場合を例示したが、他の支持構造により支持する場合を排除するものではない。特に、支持筋構造8における副補助筋8c…は、積層した土嚢8…に挟み込むなどにより固定してもよい。
本発明に係る壁面の施工方法は、擁壁等の各種コンクリート構造物における壁面を施工する際に利用することができる。
2:壁面部,3:コンクリート,4:繊維強化セメント板,4f:繊維強化セメント板の表面,4r:繊維強化セメント板の裏面,4a:繊維強化セメント板メンバ,4b:繊維強化セメント板メンバ,4h…:挿通孔,5…:筋部材,5t:トラス筋,6s…:ボルト,6n…:ナット,7…:押え部材,8:支持筋構造,8…f:支持筋(主支持筋),8r…:支持筋(副支持筋),8s…:支持筋(主補助筋),8c…:支持筋(副補助筋),P…:パネル部材,Fv:縦方向,Fh:横方向,G:地面,C:被施工面,S:壁面部と被施工面間の隙間,M:コンクリート構造物,Mp:擁壁,Mw:壁面,Lo…:所定幅

Claims (7)

  1. 一又は二以上のパネル部材を縦方向及び/又は横方向に並べることにより地面に対して所定角度で起立した壁面部を施工し、この壁面部により所定の被施工面を覆うとともに、当該壁面部と当該被施工面間の隙間にコンクリートを充填することによりコンクリート構造物の壁面を施工する壁面の施工方法であって、繊維強化セメント板の裏面に、剛性を有する一又は二以上の筋部材を宛がい、この繊維強化セメント板に設けた挿通孔に挿通するボルト及びこのボルトに螺着するナットを用いることにより、前記筋部材を前記繊維強化セメント板に固定して前記パネル部材を得るとともに、得られた一又は二以上のパネル部材を縦方向及び/又は横方向に並べることにより前記壁面部を施工することを特徴とする壁面の施工方法。
  2. 前記繊維強化セメント板は、二枚の繊維強化セメント板メンバを重ね合わせ、かつ一方の繊維強化セメント板メンバを他方の繊維強化セメント板メンバに対して、縦方向及び横方向にそれぞれ所定幅だけオフセットさせて構成することを特徴とする請求項1記載の壁面の施工方法。
  3. 前記筋部材を前記繊維強化セメント板に固定するに際しては、前記筋部材を押え部材により押さえ、この押え部材を前記ボルト及び前記ナットを用いて前記繊維強化セメント板に固定することを特徴とする請求項1又は2記載の壁面の施工方法。
  4. 前記筋部材には、トラス筋を用いることを特徴とする請求項1,2又は3記載の壁面の施工方法。
  5. 前記ボルトは、前記繊維強化セメント板の前記挿通孔に対して裏面側から挿通させるとともに、前記繊維強化セメント板の表面側からナットを螺着することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の壁面の施工方法。
  6. 前記壁面部は、前記筋部材に結合し、かつ複数の支持筋を組合わせた支持筋構造により支持することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の壁面の施工方法。
  7. 前記壁面部は、擁壁における壁面に適用することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の壁面の施工方法。
JP2016078544A 2016-04-11 2016-04-11 壁面の施工方法 Active JP6388266B2 (ja)

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