JPH08291528A - 擁壁の施工方法 - Google Patents

擁壁の施工方法

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Publication number
JPH08291528A
JPH08291528A JP12082895A JP12082895A JPH08291528A JP H08291528 A JPH08291528 A JP H08291528A JP 12082895 A JP12082895 A JP 12082895A JP 12082895 A JP12082895 A JP 12082895A JP H08291528 A JPH08291528 A JP H08291528A
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JP
Japan
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concrete
embedded
plate
decorative
retaining wall
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Application number
JP12082895A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Sakamoto
伸之 坂本
Shigenobu Tanaka
重信 田中
Seiichi Maruyama
誠一 丸山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
TOUYOKO GIKEN KK
Toyoko Giken Co Ltd
Sango Co Ltd
Sango KK
Original Assignee
TOUYOKO GIKEN KK
Toyoko Giken Co Ltd
Sango Co Ltd
Sango KK
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Filing date
Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 コンクリート打設後に型枠の解体作業を要し
ない擁壁の施工方法を提供することを目的とする。 【構成】 基礎コンクリート20の地山の斜面側に、網
目開口11aがコンクリートの流出防止形状である金網
11に格子状の凹溝11bが設けられた埋込みパネル1
0を上下,左右に連続配置させるとともに、凹溝11b
の格子形状に対応した形状の格子状鉄筋15が埋込みパ
ネル10の凹溝11bとは升目をずらして凹溝11bの
凹部内に格子状鉄筋15を嵌合して各埋込みパネル10
を連結した埋込み堰板2を起立させる。そして、埋込み
堰板2と相対する位置に所定間隔で、表面に化粧模様を
施し背面に固定用の鉄筋31を取り付けた化粧パネル3
0を上下,左右に連続配置させた化粧堰板3を起立させ
る。埋込み堰板2と化粧堰板3との間は、連結金具4に
より両者を連結し、埋込み堰板2と化粧型枠3の間にコ
ンクリートを打設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切土あるいは盛土など
による地山の急斜面等の土の崩壊を防止する擁壁の施工
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、切土や盛土などをして設けられた
地山の急斜面に、斜面の崩壊を防止するためのコンクリ
ートなどで形成された擁壁を設けている。従来、上記の
擁壁を設ける場合は、地山の斜面に沿って予め基礎コン
クリートを打設しておき、その基礎コンクリート部分
に、2枚の堰板を所定間隔(成形する擁壁の幅に対応さ
せた間隔)離して設けた型枠に、コンクリートを打設し
て形成している。かかる型枠成形時には、相対する堰板
間にセパレータを設けて、各堰板の間が所定間隔に保た
れるようにしている。そして、地山の斜面側の堰板面と
斜面との間に長さ調節可能な油圧ジャッキ等を掛け渡し
て、打設したコンクリートが硬化するまで、型枠が倒れ
ないように支えている。また、コンクリートの表面に着
色を施したパネル状のものをコンクリート打設用型枠の
堰板に使用したものや、金網をコンクリート打設用型枠
の堰板に適用して埋め殺しにしたものなどが知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の型
枠は、コンクリートが硬化した後に解体する必要があり
手間のかかるものであった。また、解体した型枠は廃材
として処分されるものも多くあり、廃棄物の減少が求め
られているなか、好ましいものではなかった。また、コ
ンクリート打設用型枠の堰板として、パネル状のコンク
リートや金網を単独で使用したものがあるが、片側に設
けられる堰板は通常の解体を要するものであり、両者を
連結して型枠の解体を不要にしたものは知られていな
い。さらに、型枠工事のような、作業者による手作業が
多くしかも熟練を要する作業に対する、作業能率および
精度の向上を図ることが求められている。
【0004】そこで、本発明の擁壁の施工方法は、化粧
堰板と埋込み堰板を連結金具で連結して型枠を成形し、
コンクリート打設後に型枠の解体作業を要しない擁壁の
施工方法を提供することを目的とする。また、埋込み堰
板の強度を向上させた擁壁の施工方法を提供することを
目的とする。また、擁壁の表面強度の向上や美観の向上
を図った擁壁の施工方法を提供することを目的とする。
また、コンクリート打設用型枠の強度を向上させた擁壁
の施工方法を提供することを目的とする。また、埋込み
堰板と打設されるコンクリートとが一体となる擁壁の施
工方法を提供することを目的とする。また、化粧堰板と
埋込み堰板を容易に連結することができる擁壁の施工方
法を提供することを目的とする。また、埋込み堰板の外
側の上下方向に水抜きパイプを配置して、擁壁の表面に
水抜き孔を設けなくともよい施工方法を提供することを
目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の擁壁の施工方法
は上記課題を解決したもので、土砂の崩壊防止用に地山
の斜面等に沿ってコンクリート製の擁壁を構築する施工
方法であって、網目開口がコンクリートの流出防止形状
である金網に格子状の凹溝が設けられた埋込みパネル
を、上下,左右に連続配置させて鉄筋を前記凹溝に嵌合
させるようにして各埋込みパネルを連結した埋込み堰板
と、表面に化粧模様を施し背面に固定用部材を取り付け
た化粧パネルを上下,左右に連続配置させた化粧堰板と
を所定間隔で相対させるとともに、化粧堰板と埋込み堰
板との間を連結金具で連結し、化粧堰板と埋込み堰板と
の間にコンクリートを打設し、化粧堰板と埋込み堰板と
を打設したコンクリート中に埋め殺しにして一体とし、
強度の高い擁壁を構築するとともに、コンクリート打設
後の型枠解体作業が不要になるようにした。
【0006】また、コンクリート打設面に固定用部材を
取り付けたPC埋込みパネルを上下,左右に連続配置さ
せた埋込み堰板と、表面に化粧模様を施し背面に固定用
部材を取り付けた化粧パネルを上下,左右に連続配置さ
せた化粧堰板とを所定間隔で相対させるとともに、化粧
堰板と埋込み堰板との間を連結金具で連結し、化粧堰板
と埋込み堰板との間にコンクリートを打設し、化粧堰板
と埋込み堰板とを打設したコンクリート中に埋め殺しに
して一体とするようにして、埋込み堰板の強度を向上さ
せ、強度の高い擁壁を構築するとともに、コンクリート
打設後の型枠解体作業が不要になるようにした。化粧堰
板を構成する化粧パネルは、コンクリート、レジンコン
クリート、FRP、GRCから選ばれた1種より一層に
若しくは2種以上より二層以上に形成されて擁壁の表面
強度の向上や美観の向上が図られる。PC埋込みパネル
は、コンクリート、レジンコンクリート、FRP、GR
Cから選ばれた1種より形成して、埋込み堰板の強度の
向上を図った。また、埋込み堰板と化粧堰板の下端を基
礎コンクリート用の鉄筋に固定して、コンクリート打設
用型枠の強度の向上を図った。
【0007】埋込み堰板に用いられている金網には、金
属板に多数の横方向の切れ込みが入れられるとともに、
縦方向に引伸ばされることにより切り込み部が開口され
ており、金属板における多数の開口の上下間が全て同方
向に傾斜され、かつそれら傾斜部の外端が金属板のもと
の平面部側に折り曲げられて、各開口の間が略く字形断
面になっているので、このような金網を堰板に使用した
場合、打設コンクリートが網目開口から流出することが
なく、金網とコンクリートが一体となる。また、化粧堰
板と埋込み堰板を連結する連結金具は、断面略く字形に
弾性変形される薄鋼板の折り曲げ線に対して対称位置に
それぞれ長孔が設けられ、外端に化粧堰板の固定用部材
と埋込み堰板の鉄筋若しくは固定用部材とを係止する係
止部を有する2本の連結棒の内端側が、断面略く字形に
曲げられた薄鋼板の2つの長孔に挿入され薄鋼板の弾性
力により2本の連結棒を圧着させるようにして、化粧堰
板と埋込み堰板とを基礎コンクリート上に起立させた後
で容易に連結できるようにした。さらに、埋込み堰板の
地山の斜面側の側面に沿って上下方向に水抜きパイプを
配置し、前記水抜きパイプを側面の長辺方向に任意間隔
で設けて、擁壁の表面に水抜き孔を設けなくてもよいよ
うにした。
【0008】
【作用】上記手段により本発明の擁壁の施工方法は、切
土や盛土などをして設けられた地山の斜面に沿って打設
される基礎コンクリート部分に、網目開口がコンクリー
トの流出防止形状である金網に格子状の凹溝が設けられ
た埋込みパネルを上下,左右に連続配置させて、鉄筋を
埋込みパネルの凹溝に嵌合させて各埋込みパネルを連結
した埋込み堰板と、表面に化粧模様を施し背面に固定用
部材を取り付けた化粧パネルを上下,左右に連続配置さ
せた化粧堰板との2枚の堰板を所定間隔で相対させて起
立させる。そして、化粧堰板と埋込み堰板との間を連結
金具で連結してコンクリート打設用型枠を構成し、化粧
堰板と埋込み堰板との間にコンクリートを打設してコン
クリート製の擁壁を構築する施工方法である。コンクリ
ート打設後は、化粧堰板と埋込み堰板とは打設されたコ
ンクリートと一体となり擁壁の構造躯体となる。そのほ
か、埋込み堰板を、コンクリート打設面に固定用部材を
取り付けた埋込みパネルを上下,左右に連続配置させて
構成してもよい。また、埋込み堰板と化粧堰板の下端を
基礎コンクリート用の鉄筋に固定することにより、コン
クリート打設用型枠の強度を向上させることができる。
【0009】化粧堰板を構成する化粧パネルは、コンク
リート、レジンコンクリート、FRP、GRCから選ば
れた1種により一層に形成されたパネルを使用すること
ができるほか、上記の中から2種以上の材料を用いて多
層に形成したパネルを使用することができる。また、P
C埋込みパネルは、コンクリート、レジンコンクリー
ト、FRP、GRCから選ばれた1種により形成するこ
とができる。埋込み堰板の埋込みパネルに用いられる金
網は、その多数の開口の上下間が全て同方向に傾斜さ
れ、かつそれら傾斜部の外端が金属板の元の平面部側に
折り曲げられて、各開口の面積を広くすることなく外端
近くで開口面積が狭められ、さらに金網板の基部側に向
くように傾斜部の外端が折り曲げられているので、この
ような網目開口を有する金網を使用しても、網目開口か
ら打設コンクリートが流出することを防止することがで
きる。化粧堰板と埋込み堰板を連結する連結金具は、化
粧堰板の固定用部材と埋込み堰板の鉄筋若しくは固定用
部材とのそれぞれに連結棒の外端に設けられている係止
部を係止させるとともに、2本の連結棒の内端側が、断
面略く字形に曲げられた薄鋼板の2つの長孔に挿入され
薄鋼板の弾性力により2本の連結棒を圧着させて化粧堰
板と埋込み堰板とを連結して、両者を所定間隔に保持す
ることができる。さらに、埋込み堰板の地山の斜面側の
側面に沿って上下方向に配置された水抜きパイプを側面
の長辺方向に任意間隔で配置すれば、擁壁の表面に水抜
き孔を設けなくとも雨水などの排水を行なうことができ
る。
【0010】
【実施例】本発明の擁壁の施工方法の実施例を図面によ
り説明する。切土や盛土などをして設けられた地山の斜
面に構築されるコンクリート製の擁壁を施工する擁壁用
の型枠1は、擁壁の基礎コンクリート20の地山の斜面
側の基部に埋込み堰板2が起立させられるとともに、埋
込み堰板2から所定間隔離した相対する位置の基礎コン
クリート20上に化粧堰板3が起立させられ、埋込み堰
板2と化粧堰板3とが連結金具4で連結されている。な
お、基礎コンクリートと擁壁とを同時に施工するとき
は、両堰板を基礎コンクリート用の鉄筋に固定する。
【0011】斜面側に設けられた埋込み堰板2は、図
2、図3に示すように、網目開口がコンクリートの流出
防止形状である長方形状の金網11で構成された埋込み
パネル10が上下,左右に適数枚配置されている。金網
11は、その周縁部に凹溝11bが設けられているとと
もに、その平面部に格子状に凹溝11bが設けられてお
り、各金網11の周縁部の凹溝11bを互いに重ね合わ
せて配置されている。なお、金網11の四隅は切欠きが
設けられており、後記する格子状鉄筋15の横筋15
a,縦筋15bの交差部分が、金網11の四隅に配置で
きるようになっている。
【0012】上記金網11は、図4(a)、(b)に示
すように、金属板に横方向に切り込みが平行に、かつ一
段ごとに1ピッチずらして多数設けられ、これを縦方向
に引伸ばすことにより各切込みが開かれた網目開口11
aとして多数形成されている。また、この網目開口11
aは、上下の切込み間が同方向に約45°傾斜した傾斜
部12に形成されている。これは、図4(c)に示すよ
うに、金網11に上記切込みを入れる際に、固定刃と、
内側が角形に突出して矢印方向に移動する移動刃とが使
用され、そのため切込みの内側が折り曲げられ、その後
に前記のように引伸ばされて、傾斜部12が折り曲げ部
13を有する断面く字形になるように形成されるからで
ある。
【0013】かかる金網11を埋込みパネル10に用い
る際には、上記傾斜部12が埋込みパネル10の外側を
向くように(使用状態において地山の斜面側を向くよう
に)取り付けることにより、コンクリートが上記網目開
口11aから流出しないようにできる。また、金網11
に設けられる凹溝11bは、その凹部が地山の斜面側を
向くように設けられる。そして、埋込みパネル10の金
網11の凹溝11bに嵌合できるように、横筋15aと
縦筋15bを格子状に組み合わせて成形した格子状鉄筋
15が、複数枚の埋込みパネル10に掛かるような位置
に配置され、格子状の凹溝11bに格子状鉄筋15を嵌
合させて埋込みパネル10を連結している。
【0014】図5に示すように、金網11の凹溝11b
に嵌合される格子状鉄筋15は、例えば、異形鉄筋を用
いた3本の横筋15aと3本の縦筋15bとを格子状に
組み合わせたもので、金網11の凹溝11bの格子の幅
に合うように各横筋15a,縦筋15bの間隔が調整さ
れている。格子状鉄筋15は、横筋15aと縦筋15b
の両者が格子状の凹溝11bに嵌合できるように、横筋
15aと縦筋15bとの交差部分において縦筋15bが
同一方向に略山形状に湾曲されており、縦筋15bの湾
曲部分の各凹部内に横筋15aが係止されて横筋15a
と縦筋15bとの面位置が合うようになっている。
【0015】本実施例では、埋込みパネル10の直交す
る2辺から格子状鉄筋15の端部が突出するように格子
状の升目をずらすとともに、縦筋15bの略山形状の突
出部分を外側にして、格子状鉄筋15を埋込みパネル1
0の凹溝11bに嵌合するようにしている。このように
して、格子状鉄筋15の突出部分を隣接する埋込みパネ
ル10の凹溝11bに嵌合させ、嵌合した格子状鉄筋1
5に隣接するようにして、格子状の升目をずらしながら
格子状鉄筋15を埋込みパネル10に嵌合していくこと
により上下,左右に適数枚の格子状鉄筋15が連続配置
され、上下,左右に適数枚配置されている各埋込みパネ
ル10を連結することができる。また、連続配置させた
格子状鉄筋15の各横筋15aの相対する端部と各縦筋
15bの相対する端部とに、断面半円形状の筒状部材の
長手方向の縁端部に鍔を設けた連結部材16が嵌合され
て横筋15a同士と縦筋15b同士を継ぎ合わせてい
る。なお、鍔に孔を設けて、その孔に針金などを通して
金網11に係止し、格子状鉄筋15が金網11から外れ
ないようにしてもよい。
【0016】なお、埋込みパネルは長方形状のほか、平
面略H形状に形成して、その周縁部と平面部とに格子状
に凹溝を設けるようにして埋込みパネルを構成し、その
H型の凹部と突部を互いに組み合わせて埋込みパネルを
連続配置させ埋込み堰板を構成するようにしてもよく、
この場合、組み立てた状態において各埋込みパネルがよ
り強く連結するようになる。また、格子状の凹溝を設け
た枠組みを成形し、その枠組みに上記金網を張るように
して、埋込みパネルを構成してもよい。
【0017】一方、図6(a)に示すように、擁壁の基
礎コンクリート20の地山の斜面側の基部に、埋込み堰
板2を起立させるには、最下段の埋込みパネル10に嵌
合される格子状鉄筋15の各縦筋15bの下部を埋込み
パネル10より下方に突出させて、その突出部を基礎コ
ンクリート20用の鉄筋20aに溶接により固定してい
る。このとき、図2に示すように、埋込みパネル10の
金網11の凹溝11bの凹部が外側を向くように(凹溝
11bに嵌合する格子状鉄筋15が斜面側になるよう
に)埋込みパネル10を連続配置して格子状鉄筋15で
連結することにより埋込み堰板2が基礎コンクリート2
0の上に起立させられる。なお、最下段の埋込みパネル
10に嵌合されている格子状鉄筋15は、縦筋15bが
下方に延長されているとともに、横筋15aが1本多く
設けられており、埋込みパネル10との嵌合を強くして
いる。
【0018】また、図6(b)に示すように、最下段の
埋込みパネル10の凹溝11bに嵌合される連結鉄筋2
1を基礎コンクリート20の地山の斜面側の基部に設け
るようにして、連結鉄筋21を埋込みパネル10の下方
の凹溝11bに嵌合して埋込みパネル10を基礎コンク
リート20上に起立させるようにしてもよい。この場
合、連結鉄筋21の縦筋22aの下端が基礎コンクリー
トの地山の斜面側の鉄筋20aに溶接などにより固着さ
れて基礎コンクリート20の鉄筋20aから起立させら
れるとともに、縦筋22aの上端に略山形状の湾曲部が
突部を外側に向けて設けられ、その湾曲部の凹部に横筋
22bを係止して埋込みパネル10の凹溝11bに嵌合
される係止部が構成される。なお、連結鉄筋21には、
上記格子状鉄筋15と同様に異形鉄筋を用いることがで
きる。そして、埋込みパネル10の金網11の凹溝11
bの凹部が外側を向くようにして埋込みパネル10を配
置して、凹溝11bに地山の斜面側から連結鉄筋21を
嵌合させるとともに、埋込みパネル10を適数枚連続配
置させて、各格子状鉄筋15で各埋込みパネル10を連
結させることにより埋込み堰板2が基礎コンクリート2
0の上に起立させられる。
【0019】埋込み堰板2から所定間隔離して地山の斜
面とは反対側の基礎コンクリート20上に化粧堰板3が
起立させられている。化粧堰板3は、例えば、表面に凹
凸模様などの化粧を施したコンクリート製の長方形状の
化粧パネル30を上下,左右に適数個配置したものであ
る。この化粧パネル30は、下面に連結突起30aが設
けられるとともに、上面の連結突起30aに対向する位
置に嵌合孔30bが設けられており、他の化粧パネルと
連結する際に下方の化粧パネル30の嵌合孔30bに連
結突起30aを嵌合して連結するようになっている。
【0020】また、化粧パネル30の裏面の四隅には、
係止突起30cが設けられて、その係止突起30cに固
定用部材として異形鉄筋を格子状に組み合わせた鉄筋3
1が組み付けられており、係止突起30cが、鉄筋のか
ぶり厚を一定に保持している。鉄筋31は、工場などで
製作する際に予め化粧パネル30の縦方向の長さと同じ
長さに調節された2本の縦筋31aと、化粧パネル30
の横方向の長さと同じ長さに調節された2本の横筋31
bを格子状に組み合わせ、化粧パネル30の形成時に係
止突起30c部分に組み付ける。この縦筋31aと横筋
31bは、図8(b)に示すように、化粧パネル30を
複数連続配置したときに、それぞれの端部を、例えば圧
着継手などの継手32で連結するようにして各化粧パネ
ル30を強固に連結する。
【0021】なお、化粧パネル30は、工場等で予め形
成しておくプレキャストコンクリート部材(PC板な
ど)が用いられ、寸法精度などの向上が計られる。ま
た、そのまま表面仕上げ材となるように、コンクリート
製のパネルの表面に凹凸模様などが設けられているが、
凹凸模様に着色を施しておくこともでき、施工する擁壁
の美観を向上させることができる。また、コンクリート
製のパネルのほか、レジンコンクリート,FRP,GR
C等により形成されたパネルや、上記コンクリート・レ
ジンコンクリート・FRP・GRCから選ばれた2種以
上の材料を積層させて形成したパネルを用いることがで
きる。また化粧パネル30に設けられている連結突起3
0aは、下面に限るものではなく、下面と側面など2ヶ
所に設けるようにしてもよく、その場合は、連結突起に
対向する箇所に嵌合孔を設けるようにする。
【0022】一方、図8(a)に示すように、地山の斜
面とは反対側の基礎コンクリート20の基部に、化粧堰
板3を起立させるには、最下段に配置されている化粧パ
ネル30の裏側に組み付けられる縦筋31aを、その下
端が化粧パネル30より下方に突出する長さにしてお
き、その突出部を基礎コンクリート20の地山の斜面と
は反対側に配筋されている鉄筋20aに溶接して固定す
る。そして、最下段の各化粧パネル30上に、下面に連
結突起30aを有する化粧パネル30を積み重ねるとと
もに、それぞれの縦筋31a,横筋31bの端部を継手
32で連結して化粧堰板3が基礎コンクリート20の上
に起立される。なお、本実施例では、下面に連結突起3
0aを有しない化粧パネル30を最下段に配置している
が、基礎コンクリート20の基部に連結突起30aの嵌
合孔を設けるようにして、下面に連結突起30aを有す
る化粧パネルを最下段に配置してもよい。
【0023】また、基礎コンクリートの地山の斜面とは
反対側に配筋されている鉄筋に、化粧パネルに組み付け
られた縦筋の下端に連結される複数の連結鉄筋を、基礎
コンクリートの長手方向に所定間隔で設けるようにし
て、最下段の化粧パネルの縦筋と連結鉄筋を圧着継手な
どにより連結して、基礎コンクリートの上に化粧堰板を
起立させるようにしてもよい。なお、連結鉄筋は、縦筋
と同じ径の直線状の異形鉄筋を用いるようにする。
【0024】上記の化粧パネル30は、パネルの形成時
に鉄筋31を係合突起30cに組み付けているが、パネ
ルの形成後に鉄筋を組み付けるようにすることもでき、
この場合、図9に示すように、化粧パネル40の係合突
起41に鉄筋の係止孔41aを設けるようにする。な
お、化粧パネル40には上記化粧パネル30と同様に、
下面に連結突起40aが設けられ、対向する位置に嵌合
孔40bが設けられている。そして、上記化粧パネル4
0により施工現場などで基礎コンクリートに化粧堰板を
構築する際は、予め基礎コンクリートに格子状の鉄筋を
起立させておき、化粧パネル40を積み上げながら各化
粧パネル40の係止孔41aに鉄筋42を嵌合させるよ
うにして化粧堰板を構築すようにする。なお、化粧パネ
ルは長方形状のほか、略H形状に形成してその凹部と突
部を互いに組み合わせるようにして化粧堰板を構成する
ようにしてもよく、この場合、組み立てた状態において
各化粧パネルがより強く連結するようになる。
【0025】埋込み堰板2と化粧堰板3との間の任意箇
所に、両者の間隔を保持するとともに、両者を連結状態
にしている連結金具4が設けられている。連結金具4
は、図10に示すように、その2本の連結棒4a,4b
の外端に、埋込み堰板2の格子状鉄筋15と化粧パネル
30の鉄筋31を係止する係止部として鉤形の係止部材
5が設けられているとともに、2本の連結棒4a,4b
の内端側が断面略く字形に曲げられた薄鋼板6の2つの
長孔6aに挿入され、薄鋼板6の弾性力により2本の連
結棒4a,4bを圧着させている。なお、連結棒4a,
4bの外端をねじ切りし、その端部を軸方向に長い六角
ジョイントの一方の開口部にねじ込むとともに、長棒の
基端に六角ジョイントにねじ込むネジ部を有し、その先
端に鉤形の係止部が設けられた連結部材の基端側を前記
六角ジョイントの他方の開口部にねじ込むようにして、
連結棒4aや連結棒4bを伸長して長さ調節できるよう
にしてもよい。この場合、六角ジョイントを回動させて
長さを微調整できるようにすることもできる。
【0026】そのほか、図11に示すように、化粧堰板
3を構成する化粧パネルとして、背面の固定用部材とし
て埋込み金具46を有する化粧パネル45を使用するこ
とができる。この化粧パネル45は、上記化粧パネル3
0と同様に、表面に凹凸模様などの化粧を施した略長方
形状のPC化粧板で、背面の凹部45aの四隅付近と中
央付近とに埋込み金具46が埋め込まれているととも
に、相対する側面の対向する位置に連結突起45bと嵌
合孔45cが設けられて、複数の化粧パネル45で化粧
堰板3を構築する際に化粧パネル45が強く連結できる
ようになっている。なお、化粧パネル45は上記化粧パ
ネル30と同様に、略H形状に形成することも可能であ
る。また、コンクリート製のパネルのほか、レジンコン
クリート,FRP,GRC等により形成されたパネル
や、上記コンクリート・レジンコンクリート・FRP・
GRCから選ばれた2種以上の材料を積層させて形成す
ることもできる。
【0027】化粧パネル45の背面に設けられた埋込み
金具46は、2つの断面略コ字形金具を背合わせに固定
して形成されており、一方の鍔部46aの相対する位置
に連結金具4の外端を係止する係止穴47が開けられて
いるとともに、他方の鍔部46b側が化粧パネル45の
背面に埋め込まれている。この埋込み金具46は、その
係止穴47に連結金具4の外端を係止させるとともに、
擁壁にコンクリートが打設される際に埋込み金具46の
周囲が打設されたコンクリートで覆われて、打設された
コンクリートと化粧パネル45を強く一体化させること
ができる。なお、埋込み金具46は、断面略H形状に一
体形成された金具を使用してもよく、その場合、一方の
フランジ部を化粧パネル45の背面に埋め込むととも
に、他方のフランジ部に係止穴47を開けるようにす
る。
【0028】また、図11(b)に示すように、上記化
粧パネル45と埋込み堰板2を連結する際の連結金具
4′の化粧パネル45側の外端は、鉤形の係止部材5の
代わりに、係止部として、ネジ切りされたネジ部5′に
形成されており、埋込み金具46の鍔部46aに開けら
れた係止穴47に、前記ネジ部5′の先端を差し込むと
ともにネジ部5′の先端にナット48をねじ込んで連結
金具4′の外端を化粧パネル45の埋込み金具46の鍔
部46aに係止できるようになっている。なお、埋込み
金具46の係止穴47には、連結金具4の外端の鉤形の
係止部材5を引っ掛けるように係止してもかまわない。
【0029】上記構成の埋込み堰板2と化粧堰板3およ
び連結金具4を用いて擁壁を施工するには、擁壁の基礎
コンクリート20の地山の斜面側に起立させられた埋込
み堰板2の埋込みパネル10を連結している格子状鉄筋
15の縦筋15bと、縦筋15bに相対する位置に配置
された化粧堰板3の係合突起30cに組み付けられてい
る鉄筋31とに、連結金具4の2本の連結棒4a,4b
の外端に設けられた係止部材5を係止して、擁壁のコン
クリート打設用型枠1が設けられる。このとき、連結金
具4は、薄鋼板6の両端部を掴んで薄鋼板6を略く字形
に折り曲げ、各連結棒4a,4bの圧着を緩めて2本の
連結棒4a,4bの間隔を調節し、係止部材5を両側の
鉄筋に係止したところで薄鋼板6を元に戻して連結棒4
a,4bを圧着させて化粧堰板3と埋込み堰板2を連結
し、コンクリート打設時のコンクリートの側圧に対抗す
る。
【0030】なお、埋込み堰板2の縦筋15bに連結金
具4の係止部材5を係止させるときには、金網11の網
目開口11aより係止部材5を通して縦筋15bを係止
する。なお、金網11の縦筋15bが配筋されている凹
溝11bの任意箇所に、係止部材5を通す孔を予め開け
ておくようにしてもよい。また、予め化粧パネルに鉄筋
を組み付けていない化粧パネル40を用いて化粧堰板を
構築するときには、化粧パネル40を組み付ける鉄筋を
配筋し、化粧パネル40を鉄筋に組み付ける前に連結金
具4を鉄筋間に取り付けて、化粧パネル40の係止孔4
1aを鉄筋に組み付けながら積み上げるようにすれば、
連結金具4により化粧パネルを組み付ける鉄筋が固定さ
れているので化粧パネルの積み上げを容易に行なうこと
ができる。さらに、背面に埋込み金具が設けられた化粧
パネル45を用いて化粧堰板を構築した場合は、一方の
外端にネジ部5′が設けられた連結金具4′や両方の外
端に鉤形の連結部材5が設けられた連結金具4を用いて
埋込み堰板2と化粧堰板3を連結するようにする。
【0031】そして、上記の埋込み堰板2と化粧堰板3
との間にコンクリートを打設し、打設したコンクリート
が硬化したところで、埋込み堰板2側を土砂等で埋めて
擁壁が完成する。打設されたコンクリートは、化粧堰板
3の内側の鉄筋31の周囲や埋込み堰板2の金網11の
内側の傾斜部12内に入り込み、コンクリートが化粧堰
板3や埋込み堰板2と強く一体化する。なお、基礎コン
クリートは先に施工してもよいし、また、擁壁と同時に
コンクリート打設して施工してもよい。なお、擁壁の基
礎コンクリート20の打設用型枠の堰板として、網目開
口がコンクリートの流出防止形状である金網を用いるよ
うにすれば、型枠解体作業がいっさいなくなり、型枠解
体における廃材が出ない施工方法となる。
【0032】次に、本発明の擁壁の施工方法の第2実施
例を、図12により説明する。この実施例は、コンクリ
ート打設面に固定用部材が設けられたPC埋込みパネル
を上下,左右に連続配置させて埋込み堰板を構成したも
のである。すなわち、図12(a)に示すように、コン
クリート打設面に固定用部材を有するPC埋込みパネル
62を上下,左右に連続配置させて構成した埋込み堰板
60と、背面に固定用部材を有する化粧パネル63を上
下,左右に連続配置して構成した化粧堰板61とをそれ
ぞれの固定用部材を内向きにして所定間隔で相対させ、
埋込み堰板60と化粧堰板61とを基礎コンクリート
(図示せず)に起立させるとともに、埋込み堰板60と
化粧堰板61との間を連結金具64で連結して擁壁の型
枠59が構築されている。
【0033】図12(b)に示すように、埋込み堰板6
0を構成しているPC埋込みパネル62は、コンクリー
ト打設面に凹部62aを有する略長方形状のPC板で、
コンクリート打設面の凹部62aの四隅付近と中央付近
とに、固定用部材として埋込み金具65が埋め込まれて
いるとともに、相対する側面の対向する位置に連結突起
62bと嵌合孔62cが設けられて、複数のPC埋込み
パネル62で埋込み堰板60を構築する際にPC埋込み
パネル62が強く連結できるようになっている。なお、
PC埋込みパネル62の形状は略長方形状に限るもので
はなく、略H形状などに形成することも可能である。ま
た、PC埋込みパネル62は、コンクリート製のパネル
のほか、レジンコンクリート,FRP,GRC等により
形成することができる。
【0034】凹部62aに埋めこまれた埋込み金具65
は、第1実施例に記載されている化粧パネル45の背面
に埋め込まれている埋込み金具46と同じものを用いる
ことができ、埋込み金具65の一方の鍔部65aの相対
する位置に連結金具64の外端を係止する係止穴66が
開けられているとともに、他方の鍔部がPC埋込みパネ
ル62の凹部62aに埋め込まれている。また、化粧堰
板61を構成している化粧パネル63は、第1実施例に
記載されている化粧パネル45と同じものを使用するこ
とができ、化粧パネル63の背面に固定用部材として係
止穴68を有する埋込み金具67が埋め込まれている。
【0035】なお、埋込み堰板60と化粧堰板61を構
成しているPC埋込みパネル62と化粧パネル63の中
で、最下段に位置するPC埋込みパネル62と化粧パネ
ル63の下面には、図示を省略したが、基礎コンクリー
トの配筋に連結する連結鉄筋が設けられてPC埋込みパ
ネル62と化粧パネル63を基礎コンクリートに起立さ
せることができるようになっている。また、埋込み堰板
60と化粧堰板61の間を連結する連結金具64は、第
1実施例の連結金具4の外端の係止部材5の代わりに、
外端をネジ切りしてネジ部に形成したものが用いられ、
連結金具64の、薄鋼板64aの両端部を掴んで薄鋼板
64aを略く字形に折り曲げ、各連結棒64b,64c
の圧着を緩めて間隔を調節し、外端のネジ部を両側の埋
込み金具65,67の係止穴66,68に差し込んでナ
ット69で係止し、係止したところで薄鋼板64aを元
に戻して連結棒64b,64cを圧着させて埋込み堰板
60と化粧堰板61を連結し、コンクリート打設時のコ
ンクリートの側圧に対抗できるようになっている。
【0036】擁壁を構築するには、上記構成のPC埋込
みパネル62を上下,左右に連続配置させて埋め込み堰
板60が構成され、化粧パネル63を上下,左右に連続
配置させて化粧パネル61が構成されて、埋込みパネル
60と化粧パネル61のそれぞれの埋込み金具65,6
7を向かい合わせた状態で基礎コンクリート(図示せ
ず)に起立させられる。そして、向かい合わせて配置さ
れた任意の埋込み金具65,67の間を、外端がネジ部
に形成された連結金具64で連結して、埋込み堰板60
と化粧堰板61との間にコンクリートを打設し、打設し
たコンクリートが硬化したところで、埋込み堰板60側
を土砂等で埋めて擁壁が完成する。打設されたコンクリ
ートは、埋込み堰板60や化粧堰板61の埋込み金具6
5,67やPC埋込みパネル62や化粧堰板63の凹部
に入り込み、コンクリートと埋込み堰板60や化粧堰板
61と強く一体化する。なお、PC埋込みパネル62や
化粧パネル63の埋込み金具の代わりに、異形鉄筋を固
定用部材として組み付けるようにしてもよく、その場合
は、連結金具の外端に鉤形の係止部材を設けて係止させ
るようにする。
【0037】次に、本発明の擁壁の施工方法の第3実施
例を、図13と図14により説明する。この実施例は、
上記第1実施例の型枠1の埋込み堰板2の地山の斜面側
の側面の上下方向に水抜きパイプが配置され、その水抜
きパイプを側面の長手方向に任意間隔で配置したもので
ある。埋込み堰板2の地山の斜面側の側面に取り付けら
れる水抜きパイプ70は、断面略長方形の筒体で、内部
の空間に、樹脂などにより形成されたコイル状の三次元
メッシュ等が充填されて土砂が筒内に入らないようにし
ている。また、水抜きパイプは、その1つの面の長手方
向の両端縁に鍔71が設けられており、鍔71の平面部
の長手方向に適宜間隔で取付孔72が設けられている。
なお、水抜きパイプには、断面が円形状や多角形状など
のものを用いることができるほか、断面コ字形のように
一方が開放された形状のものを用いることができ、この
場合は、開口の長手方向の両端縁に鍔を設けるようにす
る。また、上記実施例の埋込みパネルに用いた網目開口
がコンクリートの流出防止形状である金網で水抜きパイ
プを形成することもでき、この場合は、網目の開口部よ
り雨水などがパイプ内にしみ込むようにすることができ
る。
【0038】上記構成の水抜きパイプを埋込み堰板の地
山の斜面側の側面に取り付けるには、鍔71が設けられ
ている面を埋込み堰板2の外面(地山の斜面側)に配置
して、鍔71の平面部に設けられた各取付孔72に針金
73を通して、埋込み堰板の金網部分に結束する。ま
た、格子状鉄筋15の横筋15aが通っている部分を結
束するように鍔71の取付孔72の位置を調節すれば、
水抜きパイプ70を金網11と格子状鉄筋15との組み
付け部材とすることができる。なお、水抜きパイプ70
の下端は、基礎コンクリート20の表面に沿って折り曲
げられる。このようにして、埋込み堰板の斜面側の側面
の長手方向に適宜間隔で水抜きパイプを取り付けて、擁
壁の表面に水抜き孔を設けないようにすることができ
る。また、水抜きパイプを取り付ける間隔を、埋込み堰
板の埋込みパネルの幅に合わせれば、水抜きパイプが埋
込みパネルの上下方向を連結する構造体となる。なお、
水抜きパイプは、第1実施例の埋込み堰板に設けられる
ほか、第2実施例のPC埋込みパネルを使用した埋込み
堰板に設けることもでき、その場合、PC埋込みパネル
の地山側の面に、予め水抜きパイプの取付金具などを設
けるようにするとよい。
【0039】
【発明の効果】本発明の擁壁の施工方法は、化粧堰板と
埋込み堰板とを連結金具で連結したコンクリート打設用
型枠にコンクリートを打設し、コンクリートの養生を行
なうだけで擁壁が完成するので、擁壁構築に要する工事
期間の短縮や省力化を図ることができる。化粧堰板と埋
込み堰板とは、それらの間に打設したコンクリートと一
体化して擁壁の構造躯体となるので、従来の擁壁よりも
強いものになるほか、コンクリート硬化後の型枠解体作
業が不要なので、作業工程が少なくなる。また、木製の
型枠を使用しないので、天然資源の保護に役立つもので
あり、型枠の解体作業が行なわれずそれに伴う廃材が出
ないので、廃棄物処理に要するコストがかからないし、
廃棄物減少にも役立つものとなる。埋込み堰板を、固定
用部材を有するPC埋込みパネルで構成した場合は、埋
込み堰板の強度が増して型枠の強度を向上させることが
できる。また、埋込み堰板と化粧堰板の下端を基礎コン
クリート用の鉄筋に固定すれば、コンクリート打設用型
枠の強度が向上するので、強固な擁壁を構築することが
できる。
【0040】化粧堰板を構成する化粧パネルは、コンク
リート、レジンコンクリート、FRP、GRCから選ば
れた1種により一層に形成されたパネルや、上記の中か
ら2種以上の材料を用いて多層に形成したパネルを使用
することができるので、いろいろな施工現場にあったパ
ネルを選択でき、擁壁表面の強度の向上や美観の向上を
図ることができる。PC埋込みパネルを、コンクリー
ト、レジンコンクリート、FRP、GRCから選ばれた
1種により形成した場合は、強度の高い埋込み堰板を得
ることができるとともに、施工現場にあったパネルを選
択することができる。また、網目開口がコンクリートの
流出防止形状である金網は、その網目開口の傾斜部に打
設されたコンクリートが入り込んで、金網とコンクリー
トが強く一体化され、擁壁の構造躯体となる。
【0041】また、化粧堰板と埋込み堰板を連結する連
結金具を、断面略く字形に弾性変形される薄鋼板の折り
曲げ線に対して対称位置にそれぞれ長孔が設けられ、外
端に化粧堰板の固定用部材と埋込み堰板の鉄筋若しくは
固定用部材とを係止する係止部を有する2本の連結棒の
内端側が、断面略く字形に曲げられた薄鋼板の2つの長
孔に挿入され薄鋼板の弾性力により2本の連結棒を圧着
させるようにした場合は、化粧堰板と埋込み堰板とを容
易に連結でき、擁壁の型枠構築にかかる時間を短縮する
ことができる。さらに、埋込み堰板の地山の斜面側の側
面に水抜きパイプを配置すれば、従来擁壁の表面に設け
られていた水抜き孔を設ける必要がないので、構築され
た擁壁の美観が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における擁壁構築用の型枠の形成状況を
示す断面説明図である。
【図2】埋込み堰板の形成状況を示す平面説明図であ
る。
【図3】埋込みパネルの平面図(a)と、側面図(b)
である。
【図4】金網の平面説明図(a)と、断面説明図
(b)。金網の網目開口を形成する状況を示す部分説明
図(c)である。
【図5】格子状鉄筋の平面図(a)と、側面図(b)で
ある。
【図6】埋込みパネルを基礎コンクリートに起立させた
ときの状況を示す断面説明図(a)と、基礎コンクリー
トに連結鉄筋を起立させたときの状況を示す断面説明図
(b)である。
【図7】化粧パネルの正面図(a)と、背面図(b)お
よび側面図(c)である。
【図8】化粧パネルを基礎コンクリートに連結する連結
鉄筋の配筋状況を示す断面説明図(a)と、化粧堰板の
形成状況を示す平面説明図(b)である。
【図9】化粧パネルの1実施例を示す平面図(a)と、
側面図(b)である。
【図10】連結金具の平面図(a)と、正面図(b)で
ある。
【図11】背面に埋込み金具が設けられた化粧パネルの
斜視図(a)と、その使用状態を示す一部断面側面図で
(b)である。
【図12】埋込み金具を有する埋込みパネルからなる埋
込み堰板と化粧堰板の連結状態を示す断面説明図(a)
と、埋込み金具を有する埋込みパネルの斜視図(b)で
ある。
【図13】本発明の第2実施例の水抜きパイプを設けた
擁壁構築用の型枠の形成状況を示す断面説明図である。
【図14】水抜きパイプの取り付け状況を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 型枠 2 埋込み堰板 3 化粧堰板 4 連結金具 5 係止部材 10 埋込みパネル 11 金網 11b 凹溝 12 傾斜部 15 格子状鉄筋 20 基礎コンクリート 30 化粧パネル 59 型枠 60 埋込み堰板 61 化粧堰板 62 PC埋込みパネル 63 化粧パネル 64 連結金具 70 水抜きパイプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 重信 神奈川県横浜市港北区新横浜2丁目14番地 27東横技研株式会社内 (72)発明者 丸山 誠一 神奈川県横浜市港北区岸根町35−1株式会 社サンゴ内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 土砂の崩壊防止用に地山の斜面等に沿っ
    てコンクリート製の擁壁を構築する施工方法であって、 網目開口がコンクリートの流出防止形状である金網に格
    子状の凹溝が設けられた埋込みパネルを、上下,左右に
    連続配置させて鉄筋を前記凹溝に嵌合させるようにして
    各埋込みパネルを連結した埋込み堰板と、 表面に化粧模様を施し背面に固定用部材を取り付けた化
    粧パネルを上下,左右に連続配置させた化粧堰板とを所
    定間隔で相対させるとともに、化粧堰板と埋込み堰板と
    の間を連結金具で連結し、化粧堰板と埋込み堰板との間
    にコンクリートを打設し、化粧堰板と埋込み堰板とを打
    設したコンクリート中に埋め殺しにして一体とすること
    を特徴とする擁壁の施工方法。
  2. 【請求項2】 土砂の崩壊防止用に地山の斜面等に沿っ
    てコンクリート製の擁壁を構築する施工方法であって、 コンクリート打設面に固定用部材を取り付けたプレキャ
    ストコンクリート埋込みパネル(以下PC埋込みパネル
    とする)を上下,左右に連続配置させた埋込み堰板と、 表面に化粧模様を施し背面に固定用部材を取り付けた化
    粧パネルを上下,左右に連続配置させた化粧堰板とを所
    定間隔で相対させるとともに、化粧堰板と埋込み堰板と
    の間を連結金具で連結し、化粧堰板と埋込み堰板との間
    にコンクリートを打設し、化粧堰板と埋込み堰板とを打
    設したコンクリート中に埋め殺しにして一体とすること
    を特徴とする擁壁の施工方法。
  3. 【請求項3】 化粧パネルは、コンクリート、レジンコ
    ンクリート、繊維強化プラスチック(以下FRPとす
    る)、ガラス繊維補強セメント(以下GRCとする)か
    ら選ばれた1種より一層に若しくは2種以上より二層以
    上に形成されている請求項1または2に記載の擁壁の施
    工方法。
  4. 【請求項4】 PC埋込みパネルは、コンクリート、レ
    ジンコンクリート、FRP、GRCから選ばれた1種よ
    り形成されている請求項2に記載の擁壁の施工方法。
  5. 【請求項5】 埋込み堰板と化粧堰板の下端を基礎コン
    クリート用の鉄筋に固定した請求項1または2に記載の
    擁壁の施工方法。
  6. 【請求項6】 埋込み堰板の金網は、金属板に多数の横
    方向の切れ込みが入れられるとともに、縦方向に引伸ば
    されることにより切り込み部が開口されており、金属板
    における多数の開口の上下間が全て同方向に傾斜され、
    かつそれら傾斜部の外端が金属板のもとの平面部側に折
    り曲げられて、各開口の間が略く字形断面になっている
    請求項1または5に記載の擁壁の施工方法。
  7. 【請求項7】 化粧堰板と埋込み堰板を連結する連結金
    具は、断面略く字形に弾性変形される薄鋼板の折り曲げ
    線に対して対称位置にそれぞれ長孔が設けられ、外端に
    化粧堰板の固定用部材と埋込み堰板の鉄筋若しくは固定
    用部材とを係止する係止部を有する2本の連結棒の内端
    側が、断面略く字形に曲げられた薄鋼板の2つの長孔に
    挿入され薄鋼板の弾性力により2本の連結棒を圧着させ
    ることを特徴とする請求項1または2または5に記載の
    擁壁の施工方法。
  8. 【請求項8】 上記埋込み堰板の外側面に沿って上下方
    向に水抜きパイプを配置し、前記水抜きパイプは側面の
    長辺方向に任意間隔で複数本設けることを特徴とする請
    求項1から7までのいずれか1つに記載の擁壁の施工方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101217975B1 (ko) * 2010-03-16 2013-01-02 허택인 메쉬패널 조립형 옹벽구조물과 그 시공방법
JP2017190557A (ja) * 2016-04-11 2017-10-19 松六コンクリート工業株式会社 壁面の施工方法

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KR101217975B1 (ko) * 2010-03-16 2013-01-02 허택인 메쉬패널 조립형 옹벽구조물과 그 시공방법
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