JP2017190269A - 合わせガラス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】第2面から第3面へのセラミックの転写が抑制された合わせガラスを提供する。
【解決手段】本発明の一側面に係る合わせガラスでは、外側ガラス板の第2面上に、セラミックによる第1遮蔽層が積層される。また、外側ガラス板の第2面上では、当該第2面の周縁部と第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられる。そして、この第1塗布領域は、第2面の各角から所定の距離までを占める角領域を含むように構成される。これにより、上記曲げ成形の加熱の際に荷重のかかりやすい外側ガラス板の各角から第1遮蔽層を構成するセラミックを遠ざける。
【選択図】図4

Description

本発明は、合わせガラス及びその製造方法に関する。
例えば、特許文献1では、凸となる第1面及び凹となる第2面を有する外側ガラス板と、凸となる第3面及び凹となる第4面を有する内側ガラス板とを有する内側ガラス板と、を備え、第2面と第3面とが中間膜を介して接合された合わせガラスが提案されている。このような合わせガラスでは、外側ガラス板の第2面に、セラミックにより構成される遮蔽層を形成する場合がある。
特開2015−024929号公報
本件発明者らは、上記のような合わせガラスにおいて、外側ガラス板の第2面にセラミックによる遮蔽層を設けると、合わせガラスの自重曲げによる成形の際に、図9及び図10に示すようなセラミックの転写が生じることを見出した。
図9及び図10は、第2面に印刷したセラミックが第3面に転写した場面を撮影した写真である。図9は、第2面を撮影した写真であり、図10は、第3面を撮影した写真である。外側ガラス板の第2面にセラミックを印刷し、両ガラス板を重ね合わせた状態で自重曲げ成形した場合には、図9及び図10に示されるとおり、角付近の部分で、第2面から第3面へのセラミックの転写が生じていた(図の転写領域)。これは、次の理由によるものと推測される。
すなわち、合わせガラスを自重曲げにより成形する際には、合わせガラスは、外側ガラス板と内側ガラス板とを重ね合わせた状態で、リング状(枠状)の成形型の上に載置され、加熱炉内で加熱される。このとき、外側ガラス板は第1面側から加熱され、内側ガラス板は第4面側から加熱されるため、両ガラス板は、一時的に、加熱の進行する方向の違いによりその形状が相違してしまい、互いに離間した状態になる。この状態では、両ガラス板は、その角の部分で成形型に支持されることになる。つまり、両ガラス板は、一時的に、その自重を角の部分で支持することになり、この角付近の部分に比較的大きな荷重が作用することになる。
そのため、角付近まで第2面にセラミックを印刷していると、角付近の部分に一時的に生じる比較的に大きな荷重の影響により、例えば、図9及び図10に示されるとおりに、第2面から第3面へのセラミックの転写が生じると推測される。そして、この第2面から第3面へのセラミックの転写が生じると、転写したセラミックによって第2面と第3面とが部分的に接着する場合があった。これにより、最悪のケースでは、中間膜を挿入するために外側ガラス板と内側ガラス板とを引き離す際に、接着した部分で第2面又は第3面が割れてしまう可能性があった。なお、自重曲げ成形する前に、両ガラス板に印刷したセラミックを乾燥させ、両ガラス板の間に粉末状の離型剤を散布しても、第2面から第3面へのセラミックの転写は生じる場合があった。
本発明は、一側面では、このような実情を鑑みてなされたものであり、その目的は、第2面から第3面へのセラミックの転写が抑制された合わせガラスを提供することである。
本発明は、上述した課題を解決するために、以下の構成を採用する。
すなわち、本発明の一側面に係る合わせガラスの製造方法は、第1面及び第2面を有する外側ガラス板と、第3面及び第4面を有する内側ガラス板と、セラミックによって構成され、前記外側ガラス板の前記第2面の周縁部に沿って積層される第1遮蔽層と、を備える合わせガラスであって、前記外側ガラス板の前記第2面上では、当該第2面の周縁部と前記第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられる合わせガラスを製造する方法であって、前記第1遮蔽層を構成するセラミックを前記第2面に塗布した平板状の前記外側ガラス板と平板状の前記内側ガラス板とを前記第2面と前記第3面とが向かい合うように重ね合わせた状態でリング状の成形型に載置する工程であって、前記外側ガラス板の前記第1面を当該成形型に向けて前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板を当該成形型に載置する工程と、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板を成形型に載置した状態で加熱炉を通過させることで、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板を曲げ成形する工程と、を備え、前記曲げ成形する工程の際には、前記成形型が前記外側ガラス板を支持する位置の上方に前記第1非塗布領域が配置される。
当該構成に係る製造方法では、セラミックによる第1遮蔽層を第2面に設けた外側ガラスと内側ガラスとは、外側ガラス板の第2面と内側ガラス板の第3面とが向かい合うように重ね合わせた状態で成形型の上に載置される。そして、この状態で加熱炉を通過させることで、外側ガラス板及び内側ガラス板を自重により曲げ成形する。このとき、当該構成に係る製造方法では、第1遮蔽層が設けられる第2面上では、当該第2面の周縁部と第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられる。そして、この第1非塗布領域は、曲げ成形する工程の際に、成形型が外側ガラス板を支持する位置の上方に配置されるように構成されている。そのため、当該構成では、曲げ成形の加熱の際に成形型からの荷重が作用しやすい部分から第1遮蔽層を構成するセラミックを遠ざけることができる。したがって、当該構成によれば、第2面から第3面へのセラミックの転写が抑制された合わせガラスを提供することができる。
また、上記構成に係る合わせガラスの製造方法の別の形態として、前記合わせガラスは、セラミックにより構成され、前記内側ガラス板の前記第4面の周縁部に沿って積層される第2遮蔽層を更に備えてもよく、前記内側ガラス板の前記第4面上では、当該第4面の周縁部と前記第2遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第2非塗布領域が設けられてもよく、前記曲げ成形する工程の際には、前記成形型が前記外側ガラス板を支持する位置付近で、前記第2遮蔽層の外縁が前記第1遮蔽層の外縁よりも面方向外側に位置してもよい。成形型の支持する位置の上方に第1非塗布領域が配置されるようにすると、当該成形型の支持する位置付近で、第1遮蔽層の外縁は比較的に面方向内側に位置し得る。そのため、車両用のウインドシールド等として合わせガラスを設置した際に、当該第1遮蔽層の外縁が見えてしまい、当該合わせガラスの見栄えが損なわれてしまう可能性がある。これに対して、当該構成では、上記のような転写の生じない第4面に第2遮蔽層を設け、成形型の支持する位置付近で、第2遮蔽層の外縁が第1遮蔽層の外縁よりも面方向外側に位置するようにする。これにより、合わせガラスを設置した際に、第2遮蔽層により第1遮蔽層の外縁が見えてしまうのを防止し、合わせガラスの見栄えを担保することができる。
また、本発明の一側面に係る合わせガラスは、第1面及び第2面を有し、第1面が凸となり、第2面が凹となるように湾曲した外側ガラス板と、第3面及び第4面を有し、第3面が凸となり、第4面が凹となるように湾曲した内側ガラス板と、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板の間に配置され、前記外側ガラス板の第2面及び前記内側ガラス板の第3面を互いに接合する中間膜と、セラミックによって構成され、前記外側ガラス板の前記第2面の周縁部に沿って積層される第1遮蔽層と、を備え、前記外側ガラス板の前記第2面上では、当該第2面の周縁部と前記第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられ、前記第1非塗布領域は、前記第2面の角から所定の距離までを占める角領域を含むように構成される。
当該構成に係る合わせガラスでは、外側ガラス板の第2面上に、セラミックによる第1遮蔽層が積層される。また、外側ガラス板の第2面上では、当該第2面の周縁部と第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられる。そして、この第1非塗布領域は、第2面の角から所定の距離までを占める角領域を含むように構成される。ここで、第2面の角とは、凸となる第1面を上に向けて(すなわち、第2面を下に向けて)外側ガラス板を平面上に載置した場合に、その平面に接する領域である。そのため、当該構成では、このような角から所定の距離まで第1非塗布領域を設けることで、曲げ成形の加熱の際に成形型からの荷重が作用しやすい部分から第1遮蔽層を構成するセラミックを遠ざけることができる。したがって、当該構成に係る合わせガラスでは、第2面から第3面へのセラミックの転写を抑制することができる。なお、所定の距離は、第2面に印刷したセラミックが第3面に転写しないように適宜定められる。
また、上記構成に係る合わせガラスの別の形態として、前記第1遮蔽層は、前記第1非塗布領域が前記角領域を含むように構成されていることで、前記第2面の角付近で切り欠かれていてもよい。当該構成によれば、当該構成によれば、曲げ成形の加熱の際に荷重のかかりやすい角付近の領域から第1遮蔽層を確実に遠ざけることができ、これによって、第2面から第3面へのセラミックの転写が生じるのを十分に抑制することができる。
また、上記構成に係る合わせガラスの別の形態として、上記合わせガラスは、セラミックによって構成され、前記内側ガラス板の前記第4面の周縁部に沿って積層される第2遮蔽層を更に備えてもよく、前記内側ガラス板の前記第4面上では、当該第4面の周縁部と前記第2遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第2非塗布領域が設けられてよく、前記第2面及び前記第4面の角付近で、前記第2遮蔽層の外縁が前記第1遮蔽層の外縁よりも面方向外側に位置してもよい。第2面の角から所定の距離までを占める角領域を含むように第1非塗布領域を設けると、当該第2面の角付近で、第1遮蔽層の外縁は比較的に面方向内側に位置し得る。そのため、車両用のウインドシールド等として合わせガラスを設置した際に、当該第1遮蔽層の外縁が見えてしまい、当該合わせガラスの見栄えが損なわれてしまう可能性がある。これに対して、当該構成では、上記のような転写の生じない第4面に第2遮蔽層を設けて、当該角付近で、第2遮蔽層の外縁が第1遮蔽層の外縁よりも面方向外側に位置するようにする。これにより、合わせガラスを設置した際に、第2遮蔽層により第1遮蔽層の外縁が見えてしまうのを防止し、合わせガラスの見栄えを担保することができる。
また、上記構成に係る合わせガラスの別の形態として、前記第1非塗布領域の面積は、前記第2非塗布領域の面積よりも大きくなっていてもよい。当該構成によれば、曲げ成形の加熱の際に荷重のかかりやすい角付近の領域から第1遮蔽層を確実に遠ざけることができ、これによって、第2面から第3面へのセラミックの転写が生じるのを十分に抑制することができる。
本発明によれば、第2面から第3面へのセラミックの転写が抑制された合わせガラスを提供することができる。
図1は、実施の形態に係る合わせガラスを模式的に例示する正面図である。 図2は、実施の形態に係る合わせガラスを模式的に例示する断面図である。 図3は、実施の形態に係る内側ガラス板の第4面を模式的に例示する。 図4は、実施の形態に係る外側ガラス板の第2面を模式的に例示する。 図5は、実施の形態に係るガラス板の製造工程を模式的に例示する。 図6は、曲げ成形の際に成形型が外側ガラス板を支持する状態を模式的に例示する。 図7は、他の形態に係る外側ガラス板の第2面を模式的に例示する。 図8は、他の形態に係る外側ガラス板の第2面を模式的に例示する。 図9は、セラミックの転写が生じた第2面を撮影した写真である。 図10は、セラミックの転写が生じた第3面を撮影した写真である。
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。ただし、以下で説明する本実施形態は、あらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。なお、以下の説明では、説明の便宜のため、図面内の向きを基準として説明を行う。
§1 構成例
まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係る合わせガラス1を説明する。図1及び図2は、本実施形態に係る合わせガラス1を模式的に例示する正面図及び断面図である。
図1及び図2に例示されるように、本実施形態に係る合わせガラス1は、車外側に配置される外側ガラス板2と、車内側に配置される内側ガラス板3と、を備えている。この合わせガラス1は、車両用のウインドシールドとして利用され、垂直から傾けて自動車に取り付けられる。
また、図2に例示されるように、外側ガラス板2は、車外側の第1面21及び車内側の第2面22を有し、第1面21が凸となり、第2面22が凹となるように面直方向(図2の左右方向)に湾曲している。同様に、内側ガラス板3は、車外側の第3面31及び車内側の第4面32を有し、第3面31が凸となり、第4面32が凹となるように面直方向に湾曲している。
更に、外側ガラス板2及び内側ガラス板3の間には、樹脂製の中間膜6が配置されている。この中間膜6は、外側ガラス板2の第2面22と内側ガラス板3の第3面31とを互いに接合している。また、外側ガラス板2の第2面22の周縁部23に沿って、車外からの視野を遮蔽する第1遮蔽層4が設けられている。これに対応して、内側ガラス板3の第4面32の周縁部33に沿って、車外からの視野を遮蔽する第2遮蔽層5が設けられている。以下、各構成要素について説明する。
<外側ガラス板及び内側ガラス板>
まず、図3及び図4を更に用いて、外側ガラス板2及び内側ガラス板3について説明する。図3は、本実施形態に係る内側ガラス板3の第4面32を模式的に例示する。図4は、本実施形態に係る外側ガラス板2の第2面22を模式的に例示する。
図1〜図4に例示されるように、本実施形態に係る外側ガラス板2及び内側ガラス板3はそれぞれ、4つの角(24〜27、34〜37)を有するように略台形に形成されており、面直方向に互いに同程度に湾曲している。各ガラス板(2、3)の各角(24〜27、34〜37)は、各ガラス板(2、3)の凸となる面(第1面21及び第3面31)を上に向けて、すなわち、凹となる面(第2面22及び第4面32)を下に向けて各ガラス板(2、3)を平面上に配置した場合に、その平面に接する領域である。
当該外側ガラス板2及び内側ガラス板3それぞれには、公知のガラス板を用いることができる。例えば、外側ガラス板2及び内側ガラス板3はそれぞれ、熱線吸収ガラス、クリアガラス、グリーンガラス、UVグリーンガラス等であってよい。ただし、外側ガラス板2及び内側ガラス板3はそれぞれ、自動車の使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現するように構成される。例えば、外側ガラス板2によって所望の日射吸収率を確保し、内側ガラス板3によって可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することもできる。以下に、外側ガラス板2及び内側ガラス板3を構成可能なガラスの組成の一例として、クリアガラスの組成の一例と、熱線吸収ガラス組成の一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70〜73質量%
Al23:0.6〜2.4質量%
CaO:7〜12質量%
MgO:1.0〜4.5質量%
2O:13〜15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23):0.08〜0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe23に換算した全酸化鉄(T−Fe23)の比率を0.4〜1.3質量%とし、CeO2の比率を0〜2質量%とし、TiO2の比率を0〜0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl23)をT−Fe23、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
本実施形態に係る合わせガラス1の厚みは特に限定されないが、軽量化の観点からは、外側ガラス板2及び内側ガラス板3の厚みの合計を、2.5〜10.6mmとすることが好ましく、2.6〜3.8mmとすることがさらに好ましく、2.7〜3.2mmとすることが特に好ましい。このように、軽量化のためには、外側ガラス板2及び内側ガラス板3の合計の厚みを小さくすればよい。外側ガラス板2及び内側ガラス板3それぞれの厚みは特に限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板2及び内側ガラス板3それぞれの厚みを決定することができる。
すなわち、外側ガラス板2は、主として、小石等の飛来物等の衝撃に対する耐久性及び耐衝撃性が求められる。他方、外側ガラス板2の厚みを大きくするほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板2の厚みは、1.6〜2.5mmとすることが好ましく、1.9〜2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、実施の形態に応じて適宜決定することができる。
一方、内側ガラス板3の厚みは、外側ガラス板2の厚みと同等にすることができるが、例えば、合わせガラス1の軽量化のために、外側ガラス板2よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、内側ガラス板3の厚みは、0.6〜2.1mmであることが好ましく、0.8〜1.6mmであることがさらに好ましく、1.0〜1.4mmであることが特に好ましい。更には、内側ガラス板3の厚みは、0.8〜1.3mmであることが好ましい。内側ガラス板3についても、何れの厚みを採用するかは、実施の形態に応じて適宜決定することができる。
<中間膜>
次に、外側ガラス板2及び内側ガラス板3を接合する中間膜6について説明する。中間膜6は、実施の形態に応じて種々の構成が可能であり、例えば、軟質のコア層を、これよりも硬質の一対のアウター層で挟持した3層構造で構成することができる。このように中間膜6を軟質の層及び硬質の層の複数層で構成することによって、合わせガラス1の耐破損性能及び遮音性能を高めることができる。
この中間膜6の材料は、特に限定されなくてよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、中間膜6を上記のように硬さの異なる複数の層で構成する場合、硬質のアウター層には、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)を用いることができる。このポリビニルブチラール樹脂(PVB)は、外側ガラス板2及び内側ガラス板3それぞれとの接着性及び耐貫通性に優れるため、アウター層の材料として好ましい。また、軟質のコア層には、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、又はアウター層に利用するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質のポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。
なお、一般的に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。したがって、(a)〜(d)の少なくともいずれかの条件を適切に調整することにより、アウター層に用いる硬質のポリビニルアセタール樹脂とコア層に用いる軟質のポリビニルアセタール樹脂とを作製してもよい。
更に、アセタール化に用いるアルデヒドの種類、複数種類のアルデヒドによる共アセタール化か単種のアルデヒドによる純アセタール化によって、ポリビニルアセタール樹脂の硬度を制御することができる。一概には言えないが、炭素数の多いアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂ほど、軟質となる傾向がある。したがって、例えば、アウター層がポリビニルブチラール樹脂で構成されている場合、コア層には、炭素数が5以上のアルデヒド(例えばn−ヘキシルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−へプチルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド)、をポリビニルアルコールでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。
また、中間膜6の総厚は、実施の形態に応じて適宜設定可能であり、例えば、0.3〜6.0mmとすることができ、0.5〜4.0mmであることが好ましく、0.6〜2.0mmであることが更に好ましい。例えば、コア層とコア層を挟持する一対のアウター層との3層構造で中間膜6を構成する場合、コア層の厚みは、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層の厚みは、コア層の厚みよりも大きいことが好ましく、具体的には、0.1〜2.0mmであることが好ましく、0.1〜1.0mmであることがさらに好ましい。
このような中間膜6の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、中間膜6は、上記のような複数の層で形成する以外に、1層で形成することもできる。
<第1遮蔽層及び第2遮蔽層>
次に、各ガラス板(2、3)に設けられる各遮蔽層(4、5)について説明する。
図3に例示されるように、第2遮蔽層5は、内側ガラス板3の第4面32の周縁部33に沿って積層されている。当該第2遮蔽層5は、例えば、黒色、茶色、灰色、濃紺等の濃色のセラミックにより構成される。本実施形態では、第2遮蔽層5は、内側ガラス板3の各角34〜37に対応して、4つの角部51〜54を有している。各角部51〜54は、内側ガラス板3の各角34〜37に近接する部分である。また、内側ガラス板3の第4面32上では、当該第4面32の周縁部33と第2遮蔽層5との間に、セラミックの塗布されていない第2非塗布領域55が設けられている。この第2非塗布領域55は、第2遮蔽層5の外縁から周縁部33までを占める環状の領域である。
一方、図4に例示されるように、第1遮蔽層4は、外側ガラス板2の第2面22の周縁部23に沿って積層されており、第2遮蔽層5と同様に、例えば、黒色、茶色、灰色、濃紺等の濃色のセラミックにより構成される。この第1遮蔽層4は、第2遮蔽層5に対応して設けられ、視線方向(図1の紙面に垂直な方向)に第2遮蔽層5と重なり合う。これにより、第1遮蔽層4及び第2遮蔽層5は、合わせガラス1の周縁部における車外からの視野を遮蔽する遮蔽層を構成する。
外側ガラス板2の第2面22上でも、上記内側ガラス板3の第4面32と同様に、第2面22の周縁部23と第1遮蔽層4との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域49が設けられている。換言すると、外側ガラス板2の第2面22上では、第1遮蔽層4の外周縁から周縁部23までを占める環状の第1非塗布領域49が設けられている。ただし、本実施形態では、視線方向において、第2面22の第1遮蔽層4の範囲が第4面32の第2遮蔽層5の範囲と完全に一致している訳ではない。
図4に例示されるように、本実施形態では、第1非塗布領域49は、第2面22の各角24〜27から所定の距離までを占める角領域45〜48を含むように構成される。本実施形態では、この各角領域45〜48は、第1非塗布領域49の側辺部よりも幅が広くなっている。そのため、第1遮蔽層4は、第2面22の各角24〜27に対応する4つの角部41〜44を有しているが、各角部41〜44の形状は、第2遮蔽層5の各角部51〜54の形状と相違している。なお、各角部41〜44は、外側ガラス板2の各角24〜27に近接する部分である。
具体的には、各角領域45〜48の範囲を規定する所定の距離は、第2面に印刷したセラミックが第3面に転写しないように適宜設定される。例えば、所定の距離は、図4に例示されるように、左右方向に3〜5mm、上下方向に5mm〜40mmと設定されてもよい。これにより、各角領域45〜48を、各角24〜27から左右方向に3〜5mm及び上下方向に20mmの四角形状の範囲の領域として規定することができる。その他、例えば、所定の距離は、各角24〜27からの半径として設定されてもよい。この場合、所定の距離を50mmと設定したときには、各角領域45〜48を、各角24〜27から半径50mmの範囲の領域として規定することができる。
また、本実施形態では、第1非塗布領域49がこのような各角領域45〜48を含むように構成されていることで、第1遮蔽層4は、第2面22の各角24〜27付近で切り欠かれている。すなわち、上記のような四角形状の範囲の領域として規定される各角領域45〜48により、第1遮蔽層4の各角部41〜44は、角状に切り欠かれている。これによって、図4に例示されるように、第2面22及び第4面の各角(24〜27、34〜37)付近では、第2遮蔽層5の外縁が第1遮蔽層4の外縁よりも面方向外側に位置している。換言すると、第1遮蔽層4は、第2面22の各角24〜27に対して第1遮蔽層4の各角部41〜44が第2遮蔽層5の各角部51〜54に対応する位置よりも面方向内側に位置するように設けられている。そのため、第2面22の第1非塗布領域49の面積は、第4面32の第2非塗布領域55の面積よりも大きくなっている。
なお、各遮蔽層(4、5)を設ける範囲は、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。例えば、各遮蔽層(4、5)は、上記各角部41〜44を除き、各ガラス板(2、3)の周縁部(23、33)から0.5mm〜5mmの距離だけ離間して積層されてよい。より好ましくは、各遮蔽層(4、5)は、各ガラス板(2、3)の周縁部(23、33)から0.5mm〜3mmの距離だけ離間して積層される。この各ガラス板(2、3)の周縁部(23、33)から離間した距離が、各非塗布領域(49、55)の幅となる。
また、各遮蔽層(4、5)の幅は、実施の形態に応じて適宜、設定されてもよい。例えば、各遮蔽層(4、5)の幅は、上辺部及び下辺部で、20mm〜100mmの範囲で設定されてよい。また、例えば、各遮蔽層(4、5)の幅は、左右の側辺部で、15mm〜70mmの範囲で設定されてよい。なお、第2面22及び第4面32上では、各遮蔽層(4、5)の内側の領域にも、各非塗布領域(49、55)と同様に、セラミックが塗布されていない。合わせガラス1が車両用のウインドシールドとして取り付けられた際には、当該車両に乗車したドライバー等は、各遮蔽層(4、5)の内側の領域を介して車外の状況を見ることになる。
また、第1遮蔽層4を構成するセラミックの組成と第2遮蔽層5を構成するセラミックの組成とは互いに同じであってもよいし、相違してもよい。各遮蔽層(4、5)には、種々の組成のセラミックを利用することができる。例えば、以下の組成のセラミックを各遮蔽層(4、5)に利用することができる。
*1,アサヒ化成工業株式会社製:Black 6350(Pigment Green 17)
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
§2 製造方法
次に、図5を用いて、本実施形態に係る合わせガラス1の製造方法を説明する。図5は、本実施形態に係る合わせガラス1の成形工程を模式的に例示する。なお、以下で説明する合わせガラス1の製造方法は一例に過ぎず、各ステップは可能な限り変更されてもよい。また、以下で説明する製造工程について、実施の形態に応じて、適宜、ステップの省略、置換、及び追加が可能である。
まず、図5に例示される成形装置で合わせガラス1を曲げ成形する前に、平板状の各ガラス板(2、3)を用意し、用意した各ガラス板(2、3)を所定の形状に切断する。そして、外側ガラス板2の第2面22及び内側ガラス板3の第4面32にそれぞれ、スクリーン印刷等によって、各遮蔽層(4、5)を構成するセラミックを印刷(塗布)する。このとき、セラミックは、各ガラス板(2、3)の周縁部(23、33)から離間して塗布される。これにより、第2面22及び第4面32上では、各遮蔽層(4、5)と各周縁部(23、33)との間に、各非塗布領域(49、55)が設けられる。また、第1非塗布領域49については、各角24〜27に対して各角領域45〜48が設定されており、これにより、第1遮蔽層4の各角部41〜44が角状に切り欠いた形状に形成される。
次に、各領域に印刷したセラミックを適宜乾燥させる。このとき、第1遮蔽層4を600度程度の温度で仮焼きしてもよい。この第1遮蔽層4の仮焼きは省略されてもよい。セラミックを乾燥させた後、第2面22と第3面31とが向かい合うように外側ガラス板2及び内側ガラス板3を上下に重ね合わせることで平板状の合わせガラス10を形成し、リング状(枠状)の成形型800に、形成した合わせガラス10を載置する。このとき、合わせガラス10は、外側ガラス板2の第1面21を成形型800に向けて、成形型800の上に載置される。この工程は、本発明の「載置する工程」に相当する。この成形型800は搬送台801上に配置されており、成形型800に合わせガラス10を載置した状態で、搬送台801は、加熱炉802及び徐冷炉803内を順に通過する。
ここで、成形型800はリング状であるため、合わせガラス10は周縁部のみが支持された状態で加熱炉802を通過する。加熱炉802内で軟化点温度付近まで加熱されると、平板状の合わせガラス10は自重によって周縁部よりも内側が下方に湾曲し、曲面状に成形される。この工程は、本発明の「曲げ成形する工程」に相当する。このとき、上記各角領域45〜48が設定されていることにより、成形型800が外側ガラス板2を支持する位置の上方に第1非塗布領域49が配置されている。また、成形型800が外側ガラス板2を支持する位置付近で、第2遮蔽層5の外縁が第1遮蔽層4の外縁よりも面方向外側に位置している。そして、徐冷炉803で徐冷した後、面直方向に湾曲した外側ガラス板2及び内側ガラス板3に中間膜6を挟み込み、オートクレーブにより外側ガラス板2及び内側ガラス板3を適宜加圧する。これによって、上記のような、合わせガラス1を製造することができる。
<特徴>
以上のとおり、本実施形態に係る合わせガラス1では、外側ガラス板2の第2面22上に、セラミックによる第1遮蔽層4が積層される。また、外側ガラス板2の第2面22上では、当該第2面22の周縁部23と第1遮蔽層4との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域49が設けられる。そして、この第1塗布領域は、第2面22の各角24〜27から所定の距離までを占める角領域45〜48を含むように構成される。そのため、本実施形態に係る合わせガラス1では、上記曲げ成形の加熱の際に荷重のかかりやすい外側ガラス板2の各角24〜27から第1遮蔽層4を構成するセラミックを遠ざけることができる。したがって、本実施形態によれば、第1遮蔽層4を構成するセラミックが第2面22から第3面31に転写するのを抑制することができる。
図6を用いて、第2面22から第3面31へのセラミックの転写が抑制されるメカニズムについて詳細に説明する。図6は、上記曲げ成形の工程の際に成形型800が外側ガラス板2を支持する状態を模式的に例示する(内側ガラス板3は省略)。上記のとおり、曲げ成形の工程の際には、平板状の合わせガラス10は、リング状の成形型800の上に載置された状態で、加熱炉802内で加熱される。このとき、下側に配置される外側ガラス板2は第1面21側から加熱され、上側に配置される内側ガラス板3は第4面32側から加熱される。
そのため、両ガラス板(2、3)は、一時的に、その形状が相違してしまい、互いに離間した状態になる。例えば、両ガラス板(2、3)は、10mm程度上下方向に離間する。この状態では、両ガラス板(2、3)は、各角(24〜27、34〜37)の部分で成形型800に支持される。特に、成形型800に直接接触していない内側ガラス板3は、角34〜37の部分で外側ガラス板2に接して支持されることになる。これにより、両ガラス板(2、3)の各角(24〜27、34〜37)付近の部分に比較的に大きな荷重が作用することになる。
ここで、本実施形態では、第1非塗布領域49が各角領域45〜48を含むように構成されていることで、上記曲げ成形の工程の際には、成形型800が外側ガラス板2を支持する位置Sの上方(点線で示す位置)には、第1遮蔽層4ではなく、第1非塗布領域49が配置される。これにより、第2面22上に積層される第1遮蔽層4(の各角部41〜44)は、比較的に大きな荷重の作用しやすい第2面22の各角24〜27から遠ざけられている。
したがって、本実施形態によれば、各角(24〜27、34〜37)付近に作用する荷重が、外側ガラス板2及び内側ガラス板3の間に設けられる第1遮蔽層4(特に、各角部41〜44)を構成するセラミックに作用するのを防止することができる。これによって、本実施形態では、第1遮蔽層4を構成するセラミックが第2面22から第3面31に転写するのを抑制することができる。
なお、各角領域45〜48を大きく設定すればするほど、第2面22の各角24〜27付近で、第1遮蔽層4の外縁は各角24〜27から面方向内側に位置する。そのため、合わせガラス1を車両用のウインドシールドとして取り付けた際に、合わせガラス1の各角付近で、第1遮蔽層4の外縁が見えてしまい、見栄えが悪くなってしまう可能性がある。これに対して、本実施形態では、上記のようなセラミックの転写が生じない内側ガラス板3の第4面32には、第1遮蔽層4に対応して、第2遮蔽層5が設けられている。そして、各角(24〜27、34〜37)付近で、第2遮蔽層5の外縁が第1遮蔽層4の外縁よりも面方向外側に位置するようにしている。したがって、本実施形態によれば、この第2遮蔽層5によって、各角付近で第1遮蔽層4の外縁を隠すことができる。そのため、各角領域45〜48を大きく設定しても、合わせガラス1の見栄えが損なわれるのを防止することができる。
特に、本実施形態では、第1遮蔽層4の各角部41〜44が切り欠かれている点を除き、第1遮蔽層4及び第2遮蔽層5の形状は、視線方向(図1の紙面に垂直な方向)において、一致している。つまり、視線方向において、第1遮蔽層4の各角部41〜44が切り欠かれている部分には、第2遮蔽層5が設けられている。そのため、図1及び図4に例示されるように、合わせガラス1の外見上、第1遮蔽層4の各角部41〜44の切欠きは、第2遮蔽層5に隠れている。したがって、本実施形態によれば、合わせガラス1に設ける遮蔽層の見栄えに影響を与えることなく、第1遮蔽層4を構成するセラミックが第2面22から第3面31に転写するのを抑制することができる。なお、上記のようなセラミックの転写の原因となる荷重は第4面32では発生しないため、上記曲げ成形の工程の際に、第2遮蔽層5は、成形型800が外側ガラス板2を支持する位置Sの上方に配置されてもよい。
また、本実施形態では、第1遮蔽層4の各角部41〜44が切り欠かれており、第1非塗布領域49の面積は、第2非塗布領域55の面積よりも大きくなっている。そのため、本実施形態によれば、曲げ成形の加熱の際に荷重のかかりやすい各角24〜27付近の領域から第1遮蔽層4を構成するセラミックを確実に遠ざけることができ、これによって、第2面22から第3面31へのセラミックの転写が生じるのを十分に抑制することができる。
また、第2面から第3面へのセラミックの転写は、合わせガラスを構成する2枚のガラス板を重ね合わせた状態で曲げ成形(自重曲げ成形)するために生じ得る。したがって、合わせガラスの曲げ成形の工程に、各ガラス板を個別に曲げ成形するプレス成形を採用した場合には、第2面から第3面へのセラミックの転写を回避することが可能である。ただし、自重曲げ成形の製造ライン及びプレス成形の製造ラインの2種類の製造ラインを備える工場において、自重曲げ成形の製造ラインが利用できなくなってしまうと、工場全体の合わせガラスの製造能力が落ちてしまう。これに対して、本実施形態に係る合わせガラス1によれば、自重曲げ成形の製造ラインを用いても、第2面から第3面へのセラミックの転写を抑制することができる。そのため、本実施形態に係る合わせガラス1は、自重曲げ成形及びプレス成形の両方の製造ラインで製造することができる。したがって、本実施形態によれば、製造ラインを選択する幅が増えるため、工場の製造能力を落とすことなく、需要量に応じた合わせガラス1の生産に柔軟に対応可能になる。
§3 変形例
以上、本発明の実施の形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。例えば、上記合わせガラス1の各構成要素に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換及び追加が行われてもよい。また、上記合わせガラス1の各構成要素の形状及び大きさも、実施の形態に応じて適宜決定されてもよい。例えば、以下のような変更が可能である。なお、以下では、上記実施形態と同様の構成要素に関しては同様の符号を用い、適宜説明を省略した。
また、上記実施形態では、第1遮蔽層4の各角部41〜44が切り欠かれている点を除き、第1遮蔽層4及び第2遮蔽層5の形状は、視線方向(図1の紙面に垂直な方向)において、一致している。しかしながら、各遮蔽層(4、5)は、視野方向において、互いに一致しない領域を含んでもよい。
また、上記実施形態では、第1遮蔽層4の各角部41〜44を切り欠くことで、各角部41〜44は、第2遮蔽層5の各角部51〜54の対応する位置よりも面方向内側に位置している。換言すると、各角領域45〜48の幅を第1非塗布領域49の側部より大きく設定することで、第2面22及び第4面32の各角(24〜27、34〜37)付近で、第2遮蔽層5の外縁が第1遮蔽層4の外縁よりも面方向外側に位置している。しかしながら、第2遮蔽層5の各角部51〜54の対応する位置よりも第1遮蔽層4の各角部41〜44を面方向内側に配置する方法は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。
図7及び図8は、第1遮蔽層の各角部を切り欠く以外の方法で、第2遮蔽層の各角部の対応する位置よりも第1遮蔽層の各角部を面方向内側に配置した合わせガラスを例示する。
図7で例示される外側ガラス板2Aでは、第1遮蔽層4Aの各角部は、第2遮蔽層の各角部の対応する位置から左右方向にずらすことで、当該第2遮蔽層の各角部の対応する位置よりも面方向内側に配置されている。すなわち、左右の側辺部で、第1非塗布領域49Aの幅が、第2非塗布領域55の幅よりも大きく設定されている。図7では、第2遮蔽層5の51に対応する位置から右方向に第1遮蔽層4Aの角部41Aをずらした場面が例示されている。
また、図8で例示される外側ガラス板2Bでは、第1遮蔽層4Bの各角部は、第2遮蔽層の各角部に対応する位置から上下方向にずらすことで、当該第2遮蔽層の各角部の対応する位置よりも面方向内側に配置されている。すなわち、上辺部及び下辺部で、第1非塗布領域49Bの幅が、第2非塗布領域55の幅よりも大きく設定されている。図8では、第2遮蔽層5の角部51に対応する位置から下方向に第1遮蔽層4Bの角部41Bをずらした場面が例示されている。
このように、第2遮蔽層に対して第1遮蔽層を左右方向及び/又は上下方向にずらすことで、第1非塗布領域を第2非塗布領域よりも幅広にし、第2遮蔽層の各角部の対応する位置よりも第1遮蔽層の各角部を面方向内側に配置してもよい。なお、「面方向内側」に係る方向は、第1遮蔽層の各角部を外側ガラス板の各角から遠ざける方向であればよく、特定の方向に限定されなくてもよい。
また、例えば、上記実施形態では、両ガラス板(2、3)は、略台形状に形成されている。そのため、各遮蔽層(4、5)に4つの角部(41〜44、51〜54)が生じている。しかしながら、両ガラス板(2、3)の形状は、このような例に限定されなくてもよく、実施の形態に応じて適宜選択されてよい。また、各遮蔽層(4、5)の角部の数は、各遮蔽層(4、5)の形状に依存し、4つに限定されなくてもよい。例えば、両ガラス板(2、3)を六角形状にし、両ガラス板(2、3)の周縁部に沿って各遮蔽層(4、5)を設けた場合には、各遮蔽層(4、5)には、6つの角部が設けられる。
また、例えば、上記実施形態では、内側ガラス板3の第4面32に第2遮蔽層5が積層されている。しかしながら、本実施形態に係る合わせガラス1は、このような例に限定されなくてもよく、当該第2遮蔽層5は、省略されてもよい。
1…合わせガラス、
2…外側ガラス板、
21…第1面、22…第2面、23…周縁部、24〜27…角、
3…内側ガラス板、
31…第3面、32…第4面、33…周縁部、34〜37…角、
4…第1遮蔽層、41〜44…角部、45〜48…角領域、
49…第1非塗布領域、
5…第2遮蔽層、51〜54…角部、55…第2非塗布領域、
6…中間膜

Claims (6)

  1. 第1面及び第2面を有する外側ガラス板と、第3面及び第4面を有する内側ガラス板と、セラミックによって構成され、前記外側ガラス板の前記第2面の周縁部に沿って積層される第1遮蔽層と、を備える合わせガラスであって、前記外側ガラス板の前記第2面上では、当該第2面の周縁部と前記第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられる合わせガラスを製造する方法であって、
    前記第1遮蔽層を構成するセラミックを前記第2面に塗布した平板状の前記外側ガラス板と平板状の前記内側ガラス板とを前記第2面と前記第3面とが向かい合うように重ね合わせた状態でリング状の成形型に載置する工程であって、前記外側ガラス板の前記第1面を当該成形型に向けて前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板を当該成形型に載置する工程と、
    前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板を成形型に載置した状態で加熱炉を通過させることで、前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板を曲げ成形する工程と、
    を備え、
    前記曲げ成形する工程の際には、前記成形型が前記外側ガラス板を支持する位置の上方に前記第1非塗布領域が配置される、
    合わせガラスの製造方法。
  2. 前記合わせガラスは、セラミックにより構成され、前記内側ガラス板の前記第4面の周縁部に沿って積層される第2遮蔽層を更に備え、
    前記内側ガラス板の前記第4面上では、当該第4面の周縁部と前記第2遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第2非塗布領域が設けられ、
    前記曲げ成形する工程の際には、前記成形型が前記外側ガラス板を支持する位置付近で、前記第2遮蔽層の外縁が前記第1遮蔽層の外縁よりも面方向外側に位置する、
    請求項1に記載の合わせガラスの製造方法。
  3. 第1面及び第2面を有し、第1面が凸となり、第2面が凹となるように湾曲した外側ガラス板と、
    第3面及び第4面を有し、第3面が凸となり、第4面が凹となるように湾曲した内側ガラス板と、
    前記外側ガラス板及び前記内側ガラス板の間に配置され、前記外側ガラス板の第2面及び前記内側ガラス板の第3面を互いに接合する中間膜と、
    セラミックによって構成され、前記外側ガラス板の前記第2面の周縁部に沿って積層される第1遮蔽層と、
    を備え、
    前記外側ガラス板の前記第2面上では、当該第2面の周縁部と前記第1遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第1非塗布領域が設けられ、
    前記第1非塗布領域は、前記第2面の角から所定の距離までを占める角領域を含むように構成される、
    合わせガラス。
  4. 前記第1遮蔽層は、前記第1非塗布領域が前記角領域を含むように構成されていることで、前記第2面の角付近で切り欠かれている、
    請求項3に記載の合わせガラス。
  5. セラミックによって構成され、前記内側ガラス板の前記第4面の周縁部に沿って積層される第2遮蔽層を更に備え、
    前記内側ガラス板の前記第4面上では、当該第4面の周縁部と前記第2遮蔽層との間に、セラミックの塗布されていない第2非塗布領域が設けられ、
    前記第2面及び前記第4面の角付近で、前記第2遮蔽層の外縁が前記第1遮蔽層の外縁よりも面方向外側に位置する、
    請求項3又は4に記載の合わせガラス。
  6. 前記第1非塗布領域の面積は、前記第2非塗布領域の面積よりも大きくなっている、
    請求項5に記載の合わせガラス。
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