JP2022014222A - 合わせガラスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】合わせガラスが板厚の異なる2枚のガラス板を備える場合でも、合わせガラスの端部側に歪みが発生を抑制できる合わせガラスの製造方法を提供する。【解決手段】第1ガラス板と、第1ガラス板よりも板厚が薄い第2ガラス板を備える合わせガラスの製造方法は、第1ガラス板を予備曲げ形状に成形し、第2ガラス板を第1ガラス板の上に離型剤を介して重ね、軟化点付近まで加熱することで、第1ガラス板、及び第2ガラス板の自重により第1ガラス板、及び第2ガラス板を最終曲げ形状に成形する。【選択図】図1
Description
本発明は、合わせガラスの製造方法に関し、板厚の異なる2枚のガラス板を備える合わせガラスの製造方法に関する。
特許文献1には、自動車の軽量化を目的として、合わせガラスを薄板化するため、小石などの飛来物が外部から自動車に衝突すること(所謂耐飛石性能)などを考慮して、車外側のガラス板を厚くし、車内側のガラス板を薄くする合わせガラスが提案されている。
自動車用の合わせガラスは、車外側に向けて凸となるように曲げ成形される。したがって、車外側のガラス板が車内側のガラス板よりも厚い場合、リング型の上に、板厚の厚いガラス板、板厚の薄いガラス板をこの順で重ねて載せ、車外側のガラス板と車内側のガラス板とを加熱して軟化させ、それぞれの自重で曲げ成形することにより、合わせガラスが下方側に向けた曲げ形状に成形される。
しかしながら、2枚のガラス板の板厚が異なる場合、2枚のガラス板の曲げ性が異なる。そのため、リング型の上で軟化した薄いガラス板は、厚いガラス板に比べて大きく変形しやすい。このため、薄いガラス板が下方に曲げ成形された際、その下方に位置する厚いガラス板との接触圧が高まり、曲げ成形後の合わせガラスに歪みが発生する懸念がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、合わせガラスが板厚の異なる2枚のガラス板を備える場合でも、合わせガラスの歪みが発生することを抑制できる、合わせガラスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、第1ガラス板と、第1ガラス板よりも板厚が薄い第2ガラス板を備える合わせガラスの製造方法であって、第1ガラス板を予備曲げ形状に成形し、第2ガラス板を第1ガラス板の上に離型剤を介して重ね、軟化点付近まで加熱することで、第1ガラス板、及び第2ガラス板の自重により第1ガラス板、及び第2ガラス板を最終曲げ形状に成形する。
本発明によれば、合わせガラスの歪みが発生することを抑制できる。
以下、図面を参照して、ガラス板の製造方法の好ましい実施形態について説明する。なお、実施形態ではガラスの軟化点、徐冷点等の特性について説明する上で、ガラス板の種類としてソーダライムガラスの場合を一例として述べる。しかし、以下の本明細書内で述べられるガラスの種類に由来する特性は、本実施形態に限定されず、ガラスの種類に応じて適宜変更される。
図面に基づいて、合わせガラスの製造方法のフロー図、合わせガラスの製造方法を説明する。
図1に示されるように、合わせガラスの製造方法は、少なくともステップS1からステップS3を含んでいる。ステップS1では、第1ガラス板と、第1ガラス板より板厚の薄い第2ガラス板とを準備する。次に、ステップS2では、第1ガラス板を予備曲げ形状に成形する。ステップS3では、第2ガラス板を第1ガラス板の上に離型剤を介して重ね、軟化点付近まで加熱することで、第1ガラス板、及び第2ガラス板の自重により第1ガラス板、及び第2ガラス板を最終曲げ形状に成形する。
次に、ステップS1からステップS3について好ましい態様を説明する。
図2に示されるように、ステップS1では、第1ガラス板10と、第1ガラス板10より板厚の薄い第2ガラス板12と、が準備される。第1ガラス板10は互いに平行な2つの主面を有する。同様に、第2ガラス板12は互いに平行な2つの主面を有する。第1ガラス板10及び第2ガラス板12は、平板形状であり、平面視で、例えば、略台形形状を有している。第1ガラス板10及び第2ガラス板12の形状は、取り付けられる車両によって、適宜変更される。平板形状とは、曲げ成形される前の形状を意味する。平面視は、第1ガラス板10及び第2ガラス板12の主面から見た場合を意味する。
第1ガラス板10及び第2ガラス板12は、例えば、フロート法、フュージョン法により平板形状に成形されたガラス板である。ガラス板は、無機ガラスであってもよい。ガラス板は、ソーダライムガラスでもよいし、アルミノシリケートガラスであってもよいし、無アルカリガラスであってもよいし、ホウケイ酸ガラスであってもよいが、成形性の観点からソーダライムガラスであることが好ましい。第1ガラス板10及び第2ガラス板12がソーダライムガラスである場合、クリアガラス、鉄成分を所定量以上含むグリーンガラス及びUVカットグリーンガラスが好適に使用できる。
第1ガラス板10の板厚t1と、第2ガラス板の板厚t2との差は、例えば、0.5mm以上である。第1ガラス板10と第2ガラス板12との板厚が異なる場合、それぞれの曲げ性が異なる。特に、板厚の差が0.5mm以上である場合、合わせガラスを製造する上で、2枚のガラス板の曲げ性の差異が許容できなくなる懸念が大きくなる。
第1ガラス板10の板厚は1.1mm以上5.0mm以下であることが好ましく、第2ガラス板12の板厚は0.3mm以上2.3mm以下であることが好ましい。第1ガラス板10の板厚は1.5mm以上3.5mm以下であることが、より好ましい。第2ガラス板12の板厚は0.4mm以上1.4mm以下であることが、より好ましい。
第1ガラス板10及び第2ガラス板12は、少なくともいずれか一方の周縁部に沿って遮蔽層(黒セラともいう)が設けられていてよい。遮蔽層は、合わせガラスを車体に接着し保持するためのシーラント等を保護する働きを有する層であり、有色のセラミックスペースト(ガラスペースト)を塗布して焼き付けることによって形成できる。遮蔽層は、合わせガラスを車体に取り付けた場合に、第1ガラス板10及び/または第2ガラス板12の車内側となる面に形成されることが好ましい。
次に、ステップS2では、第1ガラス板10が予備曲げ形状に成形される。図3は、第1ガラス板10を予備曲げ形状に成形するための、工程の一例を示す。図3に示されるように、予備曲げ形状の成形には、リング型20と、リング型20を支持する台車22と、リング型20が搬入される加熱炉30と、が適用される。加熱炉30は不図示のヒータを備える。リング型20は、第1ガラス板10を所望の予備曲げ形状に成形するためリング形状に形成され、第1ガラス板10の周縁を下方から支持する。
図3(A)に示されるように、平板形状の第1ガラス板10が、リング型20の上に載置される。加熱炉30により第1ガラス板10は軟化点付近の温度(例えば550℃~700℃)に加熱される。リング型20は、第1ガラス板10の端部より内側に配置される。
図3(B)に示されるように、リング型20に載置された第1ガラス板10は、加熱炉30で加熱することにより、第1ガラス板10の自重により予備曲げ形状に曲げ成形される。予備曲げ形状は、最終曲げ形状に至るまでの緩い曲げ形状である。すなわち、予備曲げ形状は最終曲げ形状よりも浅い曲げ形状である。予備曲げ形状は、加熱温度及び加熱時間を調整することで、所望の予備曲げ形状に成形できる。
なお、最終曲げ形状とは製品として要求される形状を指し、最終曲げ形状に成形された後に行われる冷却時の変形は含まれない。予備曲げ形状、及び最終曲げ形状は、単一の方向に湾曲した単曲曲げ形状であってもよいし、直交する二つの方向に湾曲した複曲曲げ形状であってもよい。
次に、ステップS3では、第2ガラス板12を第1ガラス板の上に離型剤を介して重ね、軟化点付近まで加熱することで、第1ガラス板10、及び第2ガラス板12の自重により第1ガラス板10、及び第2ガラス板12を最終曲げ形状に成形する。なお、第1ガラス板10及び第2ガラス板12の最終曲げ形状の曲率半径は、400mm以上100000mm以下であってよい。
図4は、第1ガラス板10及び第2ガラス板12を最終曲げ形状に成形するための、工程の一例を示す。図4に示されるように、予備曲げ形状の成形と同様に、最終曲げ形状の成形には、リング型20と、リング型20を支持する台車22と、リング型20が搬入される加熱炉30と、が適用される。
図4(A)に示されるように、平板形状の第2ガラス板12が、予備曲げ形状に成形された第1ガラス板10の上に、離型剤(不図示)を介して重ねられる。離型剤としては、例えば第1ガラス板10、及び第2ガラス板12に反応せず、高温(800℃以上)で溶融することのないセラミックス粉末などが好適に用いられる。
図4(B)に示されるように、第1ガラス板10及び第2ガラス板12を、加熱炉30で、軟化点付近(例えば550℃~700℃)まで加熱することで、第1ガラス板10、及び第2ガラス板の自重により、予備曲げ形状に成形された第1ガラス板10、及び平板形状の第2ガラス板12が最終曲げ形状に成形される。
第1ガラス板10における、最終曲げ形状に対する予備曲げ形状の好ましい変形量は、第1ガラス板10の少なくとも一部の領域の曲げ形状が、最終曲げ形状に対して20%以上の曲げ形状を有していることが好ましい。
第1ガラス板10において予備曲げ形状は、図5(A)に示すように、第1ガラス板10全体が同程度に予備曲げされていてもよい。また、第1ガラス板10を部分的に予備曲げされていてもよい。すなわち、図5(B)に示すように、第1ガラス板10の周縁に近い領域の方が、第1ガラス板10の中央の領域よりも最終曲げ形状に近づく曲げ形状を有していてもよい。第1ガラス板10が部分的に予備曲げされる。
第1ガラス板10において、予備曲げ形状が最終曲げ形状に対して上述の関係を有するので以下の有利な点を有する。
図6は、第1ガラス板10と第2ガラス板12とが最終曲げ形状に至るまでの関係を示す。上述したように、予備曲げ形状に成形された第1ガラス板10の上に平板形状の第2ガラス板12が載置され、軟化点付近まで加熱される(図4(A)参照)。第1ガラス板10と第2ガラス板12とは、それぞれの自重により変形する。図6に示されるように、リング型20(不図示)上で軟化した第1ガラス板10よりも板厚の薄い第2ガラス板12は、第1ガラス板10に比べて剛性が低いため、周縁領域で大きく変形する。一方、図6に示されるように、第1ガラス板10は、予備曲げ形状に成形されていので、第2ガラス板12の周縁領域が第1ガラス板10より大きく変形した場合でも、第1ガラス板10と第2ガラス板12との接触を可能な限り回避でき、接触圧を低減できる。第1ガラス板10の少なくとも一部の領域の曲げ形状が、最終曲げ形状に対して20%以上の曲げ形状を有していれば、第1ガラス板10の上に第1ガラス板10よりも薄い第2ガラス板12を載置し、軟化点付近まで加熱してそれぞれの自重により変形させたとしても、第1ガラス板10と第2ガラス板12との接触を可能な限り回避でき、接触圧を低減できる。次に、第1ガラス板10及び第2ガラス板12は、最終曲げ形状に変形される(図4(B)参照)。
その結果、最終曲げ形状の成形後、第1ガラス板10と第2ガラス板12とにより製造される合わせガラスは、歪みを生じず、視認性を向上できる。
図7は、ステップS2、及びステップS3における、第1ガラス板10の温度プロファイルの一例を示す。図7(A)は、第1ガラス板10を予備曲げ形状に成形する際の温度プロファイルである。縦軸は第1ガラス板10の温度(℃)を示し、横軸は時間(秒)を示す。第1ガラス板10の温度は、第1ガラス板10の中央部と周縁部と中央部から周縁部までの間の2か所の、計4か所の平均温度である。
図7(A)に示されるように、第1ガラス板10は、約250秒程度の時間で、約50℃から約600℃程度まで加熱される。その後、第1ガラス板10は、室温程度に至るまで徐冷される。
図7(B)に示されるように、第1ガラス板10と第2ガラス板12とを重ねた後、約400秒程度の時間で、約50℃から約600℃程度まで加熱される。その後、第1ガラス板10と第2ガラス板12とは、室温程度に至るまで徐冷される。
上述の温度プロファイルでは、第1ガラス板10を室温近くまで徐冷した後に、室温に近い第2ガラス板12を第1ガラス板10の上に重ねている。第2ガラス板12を第1ガラス板に重ねる際、第1ガラス板10と第2ガラス板12との温度差を200℃以下にできる。200℃以下であれば、第1ガラス板10と第2ガラス板12とは、温度差によるダメージを回避できる。第1ガラス板10と第2ガラス板12との温度差は、100℃以下であることがより好ましい。
第1ガラス板10を徐冷する場合を例示したが、第1ガラス板10と第2ガラス板12との温度差を200℃以下にできる限り、他の方法を適用できる。例えば、予備曲げ形状に成形した第1ガラス板10に、加熱した第2ガラス板12を第1ガラス板10の上に重ねることで、第1ガラス板10を徐冷するための時間を削減できる。
最終曲げ形状に成形された第1ガラス板10と第2ガラス板12とは徐冷後、離型剤を除去するため、洗浄され、積層工程に供される。
積層工程では、図8に示さされるように、第1ガラス板10と第2ガラス板12とが中間膜2を介して積層され、合わせガラス1が製造される。合わせガラス1では、板厚の薄い第2ガラス板12が第1ガラス板10の上方に位置するように配置される。合わせガラス1がウインドシールドとして用いられる場合、第1ガラス板10が車外側に配置される。
第1ガラス板10及び第2ガラス板12を接合する中間膜2として、熱可塑性樹脂が多く用いられる。例えば、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂、可塑化ポリ塩化ビニル系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、可塑化飽和ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、可塑化ポリウレタン系樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂、エチレン-エチルアクリレート共重合体系樹脂、シクロオレフィンポリマー樹脂、アイオノマー樹脂等の従来からこの種の用途に用いられている熱可塑性樹脂が挙げられる。又、特許第6065221号に記載されている変性ブロック共重合体水素化物を含有する樹脂組成物も好適に使用できる。
これらの中でも、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、可塑化ポリビニルアセタール系樹脂が好適に用いられる。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂における「可塑化」とは、可塑剤の添加により可塑化されていることを意味する。その他の可塑化樹脂についても同様である。なお、中間膜2が可塑剤を含まない樹脂であってもよい。可塑剤を含まない樹脂としては、例えば、エチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂等が挙げられる。
ポリビニルアセタール系樹脂としては、ポリビニルアルコール(PVA)とホルムアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルホルマール樹脂、PVAとアセトアルデヒドとを反応させて得られる狭義のポリビニルアセタール系樹脂、PVAとn-ブチルアルデヒドとを反応させて得られるポリビニルブチラール樹脂(PVB)等が挙げられ、特に、透明性、耐候性、強度、接着力、耐貫通性、衝撃エネルギー吸収性、耐湿性、遮熱性、及び遮音性等の諸性能のバランスに優れることから、PVBが好適なものとして挙げられる。なお、これらのポリビニルアセタール系樹脂は、単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
但し、中間膜2を形成する材料は、熱可塑性樹脂には限定されない。又、中間膜2は、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、発光剤等の機能性粒子を含んでもよい。又、中間膜2は、シェードバンドと呼ばれる着色部を有してもよい。着色部を形成するために用いられる着色顔料としては、プラスチック用として使用できるものであって、着色部の可視光線透過率が40%以下となるものであれば良く、特に限定されるものではないが、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、ペリノン系、ジオキサジン系、アンスラキノン系、イソインドリノ系などの有機着色顔料や、酸化物、水酸化物、硫化物、クロム酸、硫酸塩、炭酸塩、珪酸塩、燐酸塩、砒酸塩、フェロシアン化物、炭素、金属粉などの無機着色顔料等が挙げられる。これらの着色顔料は、単独で用いられても良いし、2種類以上が併用されても良い。着色顔料の添加量は、着色部の可視光線透過率が40%以下となるものであるかぎり、目的の色調に合わせて任意で良く、特に限定されるものではない。
中間膜2の膜厚は、最薄部で0.5mm以上であることが好ましい。中間膜2の最薄部の膜厚が0.5mm以上であると合わせガラスとして必要な耐衝撃性が十分となる。又、中間膜2の膜厚は、最厚部で3mm以下であることが好ましい。中間膜2の最厚部の膜厚が3mm以下であると、合わせガラスの質量が大きくなり過ぎない。中間膜2の膜厚の最大値は2.8mm以下がより好ましく、2.6mm以下が更に好ましい。
第1ガラス板10と第2ガラス板12とにより製造される合わせガラスが例えばヘッドアップディスプレイに用いられる場合、中間膜2は一定の膜厚ではなく、必要に応じて場所毎に膜厚が変わっても良い。例えば、合わせガラスがフロントガラスである場合、中間膜2は、フロントガラスを車両に取り付けた状態でフロントガラスの下辺から上辺に向かうにつれて膜厚が厚くなる断面楔形状であってもよい。この場合、第1ガラス板10及び第2ガラス板12の板厚が一定であれば、中間膜2の楔角は、例えば、0mradより大きく1.0mrad以下の範囲で変化する。
中間膜2は、3層以上の層を有していてもよい。例えば、中間膜を3層以上から形成し、両側の層を除く何れかの層のせん断弾性率を可塑剤の調整等により両側の層のせん断弾性率よりも小さくすることにより、合わせガラスの遮音性を向上できる。この場合、両側の層のせん断弾性率は同じでもよいし、異なってもよい。
次に、ステップS2の第1ガラス板10の予備曲げ形状を別の態様で実施する場合を説明する。図9は、第1ガラス板10を予備曲げ形状に成形するための、別の工程の一例を示す。
図9に示されるように、予備曲げ形状の成形には、リング形状の下方成形型40と、上方成形型42とが適用される。下方成形型40は台車22により支持される。下方成形型40及び台車22は加熱炉30に搬入される。下方成形型40は第1ガラス板10周縁を支持する。上方成形型42は、第1ガラス板10の略全面に押し付けられる成形面42Aを備える。
上方成形型42の成形面42Aは、下方成形型40に向けて湾曲した曲面形状を有している。下方成形型40により第1ガラス板10を支持した状態で、下方成形型40と上方成形型42とを相対的に近づく方向に移動させる。第1ガラス板10を下方成形型40と上方成形型42とで第1ガラス板10を挟持することにより、第1ガラス板10が予備曲げ形状に成形される。次いで、ステップS3に進み、予備曲げ形状に成形された第1ガラス板10と第2ガラス板12とが軟化点付近まで加熱される。第1ガラス板10、及び第2ガラス板12の自重により第1ガラス板10、及び第2ガラス板12が最終曲げ形状に成形される。なお、ステップ3での最終曲げ形状への成形は、自重による成形に限定されない。ステップ3においてが、第1ガラス板10、及び第2ガラス板12をプレス成形により最終曲げ形状に成形させてもよい。
1 合わせガラス、2 中間膜、10 第1ガラス板、12 第2ガラス板、20 リング型、22 台車、30 加熱炉、40 下方成形型、42 上方成形型、42A 成形面
Claims (11)
- 第1ガラス板と、前記第1ガラス板よりも板厚が薄い第2ガラス板を備える合わせガラスの製造方法であって、
前記第1ガラス板を予備曲げ形状に成形し、
前記第2ガラス板を前記第1ガラス板の上に離型剤を介して重ね、軟化点付近まで加熱することで、前記第1ガラス板、及び前記第2ガラス板の自重により前記第1ガラス板、及び前記第2ガラス板を最終曲げ形状に成形する、合わせガラスの製造方法。 - 前記予備曲げ形状は、前記第1ガラス板の少なくとも一部の領域の曲げ形状が、前記最終曲げ形状に対して20%以上の曲げ形状である、請求項1に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記第1ガラス板において、前記予備曲げ形状は、前記第1ガラス板の全体が同程度に予備曲げされた形状を有している、請求項1または2に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記予備曲げ形状は、前記第1ガラス板が部分的に予備曲げされている形状を有している、請求項1または2に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記第2ガラス板を前記第1ガラス板に重ねる際、前記第1ガラス板と前記第2ガラス板との温度差が、200℃以下である。請求項1から4のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記予備曲げ形状に成形した前記第1ガラス板を徐冷した後に、前記第2ガラス板を前記第1ガラス板の上に重ねる、請求項5に記載の合わせガラスの製造方法。
- 予備曲げ形状に成形した前記第1ガラス板に、加熱した前記第2ガラス板を前記第1ガラス板の上に重ねる、請求項5に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記予備曲げ形状は、前記第1ガラス板をリング型に載置し、加熱することで、前記第1ガラス板の自重により前記予備曲げ形状に成形する、請求項1から7のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記予備曲げ形状は、前記第1ガラス板を下方成形型と上方成形型とで前記第1ガラス板を挟持して前記予備曲げ形状に成形する、請求項1から7のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記第1ガラス板の板厚と、前記第2ガラス板の板厚との差が0.5mm以上である請求項1から9のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
- 前記第1ガラス板の板厚は1.1mm以上5.0mm以下であり、前記第2ガラス板の板厚は、0.3mm以上2.3mm以下である、請求項1から10のいずれか一項に記載の合わせガラスの製造方法。
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