JP2024091674A - 合わせガラス - Google Patents

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永史 小川
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Abstract

【課題】中間膜において、シート部材とシェード領域(あるいは非シェード領域)との厚みが相違したとしても、泡などの発生による見栄えの低下を抑制することができる、ウインドシールドを提供する。
【解決手段】本発明は、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能なウインドシールドであって、外側ガラス板と、内側ガラス板と、前記外側ガラス板と内側ガラス板との間に配置される中間膜と、前記外側ガラス板の車内側の面及び前記内側ガラス板の車内側の面の少なくとも一方に積層されるマスク層と、を備え、前記中間膜は、着色されたシェード領域と、透明な非シェード領域と、前記シェード領域と前記非シェード領域とに亘って形成される少なくとも1つの貫通孔にそれぞれ嵌め込まれる、透明なシート部材と、を備えている。
【選択図】図5

Description

本発明は、光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能な合わせガラスに関する。
一対のガラス板の間に中間膜が配置された車両用合わせガラス、特にウインドシールドには、防眩性、遮熱性などの向上のために、グリーン、ブルーなどに着色した帯状のシェード領域が形成されることがある。シェード領域は、ガラス板の表面に設けられることもあるが、中間膜の一部を帯状に着色することにより形成されることが多い。その一方で、ウインドシールドには、可視光線透過率を所定値以上(例えば70%以上)とするべき法定の視野領域があるため、ウインドシールドのシェード領域は、視野領域の外、つまり、通常はウインドシールドの上部に配置される。
ところで、近年、自動車の安全性能は飛躍的に向上しつつあり、その1つとして前方車両との衝突を回避するため、前方車両との距離及び前方車両の速度を感知し、異常接近時には、自動的にブレーキが作動する安全システムが提案されている。このようなシステムには、前方車両との距離などをレーザーレーダーやカメラなどの機器を用い、レーザーや赤外線などによって計測している。そして、これらの機器は、一般的に、安全性の確保および機器の十分な機能発揮のために、ウインドシールドの上部に取り付けることが望まれる。
しかしながら、ウインドシールドの上部には、上記のようにシェード領域が形成されるため、レーザーレーダーなどの機器を取付けるには、シェード領域に、カメラの光などが通過できるような開口を形成する必要がある。そこで、例えば、特許文献1には、次のような方法が開示されている。
すなわち、特許文献1では、シェード領域に貫通孔を形成し、この貫通孔に透明のシート部材を嵌め込むことで、このシート部材を通して、カメラでの車外の撮影を可能にしている。
国際公開第2003/059837号公報
ところで、シート部材とシェード領域とは別の部材であるため、これらの厚みを完全に同じにすることは非常に困難であり、厚みの差がある場合には、シート部材とシェード領域との境界に段差が生じるおそれがある。この場合、中間膜を挟むガラス板は、この段差を押し潰すように中間膜に接するのではなく、シート部材に沿ってガラス板が撓むことがあることを、本発明者は見出した。そのため、上述した段差が生じる箇所においては、ガラス板と中間膜との間に隙間が生じる可能性があり、これによって、合わせガラスの製造時には、段差に空気が溜まる可能性があることを本発明者は見出した。そのため、合わせガラスの車内側あるいは車外側からは、段差に溜まった空気が泡のように見え、見栄えが悪くなるおそれがあった。この点は、ウインドシールドに限られず、他の合わせガラスにおいても同様に起こりうる問題である。
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、中間膜において、シート部材とシェード領域(あるいは後述する非シェード領域)との厚みが相違したとしても、泡などの発生による見栄えの低下を抑制することができる、合わせガラスを提供することを目的とする。
項1.光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能な合わせガラスであって、
外側ガラス板と、
内側ガラス板と、
前記外側ガラス板と内側ガラス板との間に配置される中間膜と、
前記外側ガラス板の車内側の面及び前記内側ガラス板の車内側の面の少なくとも一方に積層されるマスク層と、
を備え、
前記中間膜は、
着色されたシェード領域と、
透明な非シェード領域と、
前記シェード領域と前記非シェード領域とに亘って形成される少なくとも1つの貫通孔にそれぞれ嵌め込まれる、透明なシート部材と、
を備え、
前記マスク層は、前記シート部材と対応する位置に、当該シート部材の縁部よりも内側に形成される、少なくとも1つの開口を有し、
前記情報取得装置の光が前記開口を通過するように構成され、
前記シート部材の中心点における前記合わせガラスの厚みをH1、及び前記中心点を通り水平方向に延びる仮想線上で、前記シート部材の縁部からの距離が400mmの地点における前記合わせガラスの厚みをH2と規定し、
さらに、前記開口の内縁の任意の点Aと前記シート部材の外縁において、前記点Aからの距離が最短である点B、及び前記点Aから前記点Bを通過して延びる仮想線と前記マスク層の外縁とが交差する点C、を規定したとき、
前記点Aと前記点Bとの間の距離をS1、前記点Bと前記点Cとの間の距離をS2と規定し、
H1がH2よりも大きいとき、S1+S2が最小となる箇所において、S1がS2よりも小さくなるように構成され、
H1がH2よりも小さいとき、S1+S2が最小となる箇所において、S1がS2よりも大きくなるように構成されている、合わせガラス。
項2.H1がH2よりも大きいとき、前記距離S2が5~50mmである、項1に記載の合わせガラス。
項3.H1がH2よりも小さいとき、前記距離S1が5~50mmである、項1に記載の合わせガラス。
項4.S1+S2は、100mm以下である、項2または3に記載の合わせガラス。
項5.複数の前記開口が形成され、
隣接する前記開口間の最短距離が、前記各開口に係るS2の合計よりも短いとき、前記各開口と対応する前記シート部材は一体的に形成される、項1から4のいずれかに記載の合わせガラス。
項6.前記マスク層を形成するマスク材と前記ガラス板とは、熱膨張率が相違し、
前記ガラス板と前記マスク層とはともに加熱されることで形成され、
前記マスク層の前記開口の内周縁に沿う少なくとも一部の領域には、単位面積当たりの前記マスク材が配置されている割合が少ない開口周縁領域が形成されており、
前記光は、前記開口周縁領域よりも内側の領域を通過するように構成されている、項1から5のいずれかに記載の合わせガラス。
項7.前記開口周縁領域は、前記開口の内周縁の全周に亘って形成されている、項6に記載の合わせガラス。
項8.前記合わせガラスにおける前記開口周縁領域の内部は、当該開口周縁領域の内周縁に沿う歪領域と、当該歪領域の内側に隣接する中央領域と、から構成され、
前記光は、前記中央領域の全部または一部を通過するように構成されている、項6または7に記載の合わせガラス。
項9.前記歪領域の幅は、6mm以下である、項8に記載の合わせガラス。
項10.前記開口周縁領域は、前記マスク材で形成された複数のマスク片を備えており、
前記複数のマスク片は互いに間隔をあけて配置されている、項6から9のいずれかに記載の合わせガラス。
項11.前記各マスク片は、円形状に形成されている、項10に記載の合わせガラス。
項12.前記マスク片は、千鳥状に配置されている、項10または11に記載の合わせガラス。
項13.前記マスク層の少なくとも一部は黒色である、項6から12のいずれかに記載の合わせガラス。
項14.前記マスク層、開口周辺領域、及び歪領域において、前記情報取得装置が取付けられる領域の少なくとも一部には、電磁波遮蔽膜が形成されている、項6から13のいずれかに記載の合わせガラス。
項15.前記マスク層、開口周辺領域、及び歪領域の少なくとも一部は、第1の視野遮蔽膜、前記電磁波遮蔽膜、及び第2の視野遮蔽膜が、車外側から車内側へこの順で配置されていることで構成されている、項14に記載の合わせガラス。
項16.前記シート部材は、一辺が100mm正方形よりも大きく、一辺が300mmの正方形よりも小さい、項1から15のいずれかに記載の合わせガラス。
項17.前記中間膜は、複数の層により構成されている、項1から16のいずれかに記載の合わせガラス。
項18.前記中間膜は、少なくとも、コア層と,当該コア層を挟む一対のアウター層と、を有し、
前記コア層のヤング率が、20℃、100Hzにおいて20MPa以下である、項17に記載の合わせガラス。
項19.2~4個の前記貫通孔が形成され、前記各貫通孔に前記シート部材が嵌め込まれている、項1から18のいずれかに記載の合わせガラス。
項20.上下方向の断面が、楔形に形成されている、項1から19のいずれかに記載の合わせガラス。
項21.前記外側ガラス板の厚みが前記内側ガラス板の厚みよりも小さい、項1から20のいずれかに記載の合わせガラス。
項22.ウインドシールドとして用いられる、項1から21に記載の合わせガラス。
項23.リアガラスとして用いられる、項1から22に記載の合わせガラス。
本発明によれば、中間膜において、シート部材とシェード領域(あるいは後述する非シェード領域)との厚みが相違したとしても、泡などの発生による見栄えの低下を抑制することができる。
本発明に係る合わせガラスの一実施形態を示す平面図である。 図1の断面図である。 中間膜の平面図である。 車載システムの概略構成を示すブロック図である。 図6のX-X線断面図である。 合わせガラスの一部平面図である。 図8のY-Y線断面図である。 合わせガラスの一部平面図である。 合わせガラスの一部平面図である。 マスク層の開口の他の例を示す平面図である。 マスク層の開口の他の例を示す平面図である。 マスク層の開口の他の例を示す平面図である。 マスク層の開口の他の例を示す平面図である。
以下、本発明に係る合わせガラスをウインドシールドに適用した一実施形態について説明する。まず、図1及び図2を用いて、本実施形態に係るウインドシールドの構成について説明する。図1はウインドシールドの平面図、図2は図1の断面図である。なお、説明の便宜のため、図1の上下方向を「上下」、「垂直」、「縦」と、図1の左右方向を「左右」と称することとする。図1は、車内側から見たウインドシールドを例示している。すなわち、図1の紙面奥側が車外側であり、図1の紙面手前側が車内側である。
このウインドシールドは、台形状の合わせガラス10を備えており、傾斜状態で車体に設置されている。合わせガラス10は、外側ガラス板11、内側ガラス板12、及びこれらの間に配置される中間膜5を有している。そして、外側ガラス板11の車内側の面、及び内側ガラス板12の車内側の面には、マスク層4が積層されており、このマスク層4によって、車外からの視野を遮蔽するようになっている。また、このマスク層4には開口43が形成されており、この開口43を介して、車内に配置された撮影装置2により、車外の状況を撮影可能となっている。すなわち、この開口43が、撮影窓を構成している。さらに、内側ガラス板12のマスク層4上には、枠型のブラケット6が固定されており、このブラケット6に、撮影装置2が取り付けられる。ブラケット6は枠型上に形成されマスク層4上に固定されているため、車外からはブラケット6が見えないようになっている。以下、各構成要素について詳細に説明する。
<1.合わせガラス>
図2は合わせガラスの断面図である。同図に示すように、この合わせガラス10は、外側ガラス板11及び内側ガラス板12を備え、これらガラス板11、12の間に樹脂製の中間膜5が配置されている。以下、これらの構成について説明する。
<1-1.ガラス板>
まず、外側ガラス板11及び内側ガラス板12から説明する。外側ガラス板11及び内側ガラス板12は、公知のガラス板を用いることができ、熱線吸収ガラス、一般的なクリアガラスやグリーンガラス、またはUVグリーンガラスで形成することもできる。但し、これらのガラス板11、12は、自動車が使用される国の安全規格に沿った可視光線透過率を実現する必要がある。例えば、外側ガラス板11により必要な日射吸収率を確保し、内側ガラス板12により可視光線透過率が安全規格を満たすように調整することができる。以下に、クリアガラス、熱線吸収ガラス、及びソーダ石灰系ガラスの一例を示す。
(クリアガラス)
SiO2:70~73質量%
Al2O3:0.6~2.4質量%
CaO:7~12質量%
MgO:1.0~4.5質量%
R2O:13~15質量%(Rはアルカリ金属)
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3):0.08~0.14質量%
(熱線吸収ガラス)
熱線吸収ガラスの組成は、例えば、クリアガラスの組成を基準として、Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3)の比率を0.4~1.3質量%とし、CeO2の比率を0~2質量%とし、TiO2の比率を0~0.5質量%とし、ガラスの骨格成分(主に、SiO2やAl2O3)をT-Fe2O3、CeO2およびTiO2の増加分だけ減じた組成とすることができる。
(ソーダ石灰系ガラス)
SiO2:65~80質量%
Al2O3:0~5質量%
CaO:5~15質量%
MgO:2質量%以上
NaO:10~18質量%
K2O:0~5質量%
MgO+CaO:5~15質量%
Na2O+K2O:10~20質量%
SO3:0.05~0.3質量%
B2O3:0~5質量%
Fe2O3に換算した全酸化鉄(T-Fe2O3):0.02~0.03質量%
本実施形態に係る合わせガラス10の厚みは特には限定されないが、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、例として2.1~6mmとすることができ、軽量化の観点からは、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みの合計を、2.4~3.8mmとすることが好ましく、2.6~3.4mmとすることがさらに好ましく、2.7~3.2mmとすることが特に好ましい。このように、軽量化のためには、外側ガラス板11と内側ガラス板12との合計の厚みを小さくすることが必要であるので、各ガラス板のそれぞれの厚みは、特には限定されないが、例えば、以下のように、外側ガラス板11と内側ガラス板12の厚みを決定することができる。
外側ガラス板11は、主として、外部からの障害に対する耐久性、耐衝撃性が必要であり、自動車のウインドシールドとしては、小石などの飛来物に対する耐衝撃性能が必要である。他方、厚みが大きいほど重量が増し好ましくない。この観点から、外側ガラス板11の厚みは1.8~2.3mmとすることが好ましく、1.9~2.1mmとすることがさらに好ましい。何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
内側ガラス板12の厚みは、外側ガラス板11と同等にすることができるが、例えば、合わせガラス10の軽量化のため、外側ガラス板11よりも厚みを小さくすることができる。具体的には、ガラスの強度を考慮すると、0.6~2.0mmであることが好ましく、0.8~1.6mmであることが好ましく、1.0~1.4mmであることが特に好ましい。更には、0.8~1.3mmであることが好ましい。内側ガラス板12についても、何れの厚みを採用するかは、ガラスの用途に応じて決定することができる。
ここで、ガラス板(合わせガラス)1が湾曲している場合の厚みの測定方法の一例について説明する。まず、測定位置については、ガラス板の左右方向の中央を上下方向に延びる中央線S上の上下2箇所である。測定機器は、特には限定されないが、例えば、株式会社テクロック製のSM-112のようなシックネスゲージを用いることができる。測定時には、平らな面にガラス板の湾曲面が載るように配置し、上記シックネスゲージでガラス板の端部を挟持して測定する。なお、ガラス板が平坦な場合でも、湾曲している場合と同様に測定することができる。
<1-2.中間膜>
図3は、中間膜の平面図である。図3に示すように、中間膜5は、各ガラス板11,12と同じ大きさに形成されており、中間膜5の上端部を構成する帯状のシェード領域51と、このシェード領域51の下端に連結され、中間膜5の大半を占める非シェード領域52と、シェード領域51と非シェード領域52との間に配置されたシート部材8と、を備えている。
シェード領域51は、可視光線について透過率損失が高い領域であり、例えば、黒、緑、青などに着色されている。このシェード領域51は、減光を伴う諸機能(防眩、遮熱など)を奏する。一方、非シェード領域52は、着色されておらず、透明の領域である。
中間膜5は、シェード領域51及び非シェード領域52のいずれも、少なくとも一層で形成されており、非シェード領域52の一例として、図2の拡大図に示すように、軟質のコア層521を、これよりも硬質のアウター層522で挟持した3層で構成することができる。但し、この構成に限定されるものではなく、コア層521と、外側ガラス板11側に配置される少なくとも1つのアウター層522とを有する複数層で形成されていればよい。例えば、コア層521と、外側ガラス板11側に配置される1つのアウター層522を含む2層の中間膜5、またはコア層521を中心に両側にそれぞれ2層以上の偶数のアウター層522を配置した中間膜5、あるいはコア層521を挟んで一方に奇数のアウター層522、他方の側に偶数のアウター層522を配置した中間膜5とすることもできる。なお、アウター層522を1つだけ設ける場合には、上記のように外側ガラス板11側に設けているが、これは、車外や屋外からの外力に対する耐破損性能を向上するためである。また、アウター層522の数が多いと、遮音性能も高くなる。
コア層521はアウター層522よりも軟質であるかぎり、その硬さは特には限定されない。各層521,522を構成する材料は、特には限定されないが、例えば、ヤング率を基準として材料を選択することができる。具体的には、コア層521のヤング率は、周波数100Hz,温度20℃において、1~20MPaであることが好ましく、1~18MPaであることがさらに好ましく、1~14MPaであることが特に好ましい。このような範囲にすると、概ね3500Hz以下の低周波数域で、音響透過損失(STL)が低下するのを防止することができる。一方、アウター層522のヤング率は、後述するように、高周波域における遮音性能の向上のために、大きいことが好ましく、周波数100Hz,温度20度において560MPa以上、600MPa以上、650MPa以上、700MPa以上、750MPa以上、880MPa以上、または1300MPa以上とすることができる。アウター層522のヤング率の上限は特には限定されないが、例えば、加工性の観点から設定することができる。例えば、1750MPa以上となると、加工性、特に切断が困難になることが経験的に知られている。
また、具体的な材料としては、アウター層522は、例えば、ポリビニルブチラール樹脂(PVB)によって構成することができる。ポリビニルブチラール樹脂は、各ガラス板との接着性や耐貫通性に優れるので好ましい。一方、コア層521は、例えば、エチレンビニルアセテート樹脂(EVA)、またはアウター層を構成するポリビニルブチラール樹脂よりも軟質なポリビニルアセタール樹脂によって構成することができる。軟質なコア層を間に挟むことにより、単層の樹脂中間膜と同等の接着性や耐貫通性を保持しながら、遮音性能を大きく向上させることができる。
一般に、ポリビニルアセタール樹脂の硬度は、(a)出発物質であるポリビニルアルコールの重合度、(b)アセタール化度、(c)可塑剤の種類、(d)可塑剤の添加割合などにより制御することができる。したがって、それらの条件から選ばれる少なくとも1つを適切に調整することにより、同じポリビニルブチラール樹脂であっても、アウター層522に用いる硬質なポリビニルブチラール樹脂と、コア層521に用いる軟質なポリビニルブチラール樹脂との作り分けが可能である。さらに、アセタール化に用いるアルデヒドの種類、複数種類のアルデヒドによる共アセタール化か単種のアルデヒドによる純アセタール化によっても、ポリビニルアセタール樹脂の硬度を制御することができる。一概には言えないが、炭素数の多いアルデヒドを用いて得られるポリビニルアセタール樹脂ほど、軟質となる傾向がある。したがって、例えば、アウター層522がポリビニルブチラール樹脂で構成されている場合、コア層521には、炭素数が5以上のアルデヒド(例えばn-ヘキシルアルデヒド、2-エチルブチルアルデヒド、n-へプチルアルデヒド、n-オクチルアルデヒド)、をポリビニルアルコールでアセタール化して得られるポリビニルアセタール樹脂を用いることができる。なお、所定のヤング率が得られる場合は、上記樹脂等に限定されることはい。
シェード領域51も、非シェード領域52と同様の層構成、例えば、コア層とこれを挟む一対のアウター層とで構成することができる。上記のように、シェード領域51は、着色されているが、例えば、コア層及びアウター層のいずれか1つ以上を、顔料または染料など着色剤により着色することができる。顔料としては、例えば、アゾ系、フタロシアニン系、キナクドリン系などの有機顔料、金属酸化物、金属粉などの無機顔料を用いることができる。
顔料を用いる場合は、顔料を樹脂および可塑剤とともに混練した樹脂組成物と、顔料を含まない樹脂組成物(樹脂および可塑剤)とから、それぞれ押出成形法により、着色したコア層と着色していない透明のアウター層とを作製し、アウター層でコア層を挟持して成形することにより、着色したシェード領域51を得ることができる。一方、染料を用いる場合には、マスクを用いて、中間膜5のうち、シェード領域51を形成したい領域を露出させ、この領域に染料を塗布する。染料は、例えば、吹き付けまたはプリント印刷により塗布することができる。
次に、シート部材8について説明する。図3に示すように、中間膜5の左右方向の中央には、シェード領域51と非シェード領域との境界を跨ぐように矩形状の貫通孔50が形成されており、この貫通孔50に上述したシート部材8が配置されている。すなわち、シェード領域51の下端に形成された矩形状の凹部と、非シェード領域52の上端部の中央付近に形成された矩形状の凹部とが組み合わさることで、上述した矩形状の貫通孔50が形成されている。シート部材8は、透明の材料で形成されており、1層で構成することもできるし、シェード領域51または非シェード領域52と同様に複数層で構成することもできる。また、1層で構成する場合には、上述したコア層またはアウター層のいずれの材料で形成することもできる。
シート部材8は、後述するマスク層4の延在部42と対応する位置に配置され、且つ延在部42に形成される開口43がシート部材8の内部に位置するようになっている。したがって、開口43の内部には、シート部材8が配置されている。
また、中間膜5の総厚は、特に規定されないが、0.3~6.0mmであることが好ましく、0.5~4.0mmであることがさらに好ましく、0.6~2.0mmであることが特に好ましい。また、コア層521の厚みは、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~0.6mmであることがさらに好ましい。一方、各アウター層522の厚みは、0.1~2.0mmであることが好ましく、0.1~1.0mmであることがさらに好ましい。その他、中間膜5の総厚を一定とし、この中でコア層521の厚みを調整することもできる。
コア層521及びアウター層522の厚みは、例えば、以下のように測定することができる。まず、マイクロスコープ(例えば、キーエンス社製VH-5500)によって合わせガラスの断面を175倍に拡大して表示する。そして、コア層521及びアウター層522の厚みを目視により特定し、これを測定する。このとき、目視によるばらつきを排除するため、測定回数を5回とし、その平均値をコア層521、アウター層522の厚みとする。例えば、合わせガラスの断面の拡大写真を撮影し、このなかでコア層521やアウター層522を特定して厚みを測定する。
なお、中間膜5のコア層521、アウター層522の厚みは全面に亘って一定である必要はなく、例えば、ヘッドアップディスプレイに用いられる合わせガラス用に楔形にすることもできる。この場合、中間膜5のコア層521やアウター層522の厚みは、最も厚みの小さい箇所、つまり合わせガラスの最下辺部を測定する。中間膜5が楔形の場合、外側ガラス板11及び内側ガラス板12は、平行に配置されないが、このような配置も本発明におけるガラス板に含まれるものとする。すなわち、本発明においては、例えば、1m当たり3mm以下の変化率で厚みが大きくなるコア層521やアウター層522を用いた中間膜5を使用した時の外側ガラス板と内側ガラス板の配置を含む。
中間膜5の製造方法は特には限定されないが、例えば、上述したポリビニルアセタール樹脂等の樹脂成分、可塑剤及び必要に応じて他の添加剤を配合し、均一に混練りした後、各層を一括で押出し成型する方法、この方法により作成した2つ以上の樹脂膜をプレス法、ラミネート法等により積層する方法が挙げられる。プレス法、ラミネート法等により積層する方法に用いる積層前の樹脂膜は単層構造でも多層構造でもよい。また、中間膜5は、上記のような複数の層で形成する以外に、1層で形成することもできる。そして、上記のような貫通孔50を形成した後、シート部材8を嵌め込むことができる。
<2.マスク層の概要>
次に、マスク層4について説明する。図1及び図2に示すように、内側ガラス板12の車内側の面と外側ガラス板11の内面の両方に、マスク層4が形成される。これら内側ガラス板12及び外側ガラス板11に形成されるマスク層4は、同形状であり、且つ同じ位置に積層されているため、以下では、内側ガラス板12に積層されているマスク層4について説明する。
マスク層4は、内側ガラス板12の周縁の全周に沿って積層される周縁部41と、この周縁部41に連結され、内側ガラス板12の上辺の中央付近から下方に延びる矩形状の延在部42と、を備えている。延在部42の下端部には、台形状の開口43が形成されており、車内側に取り付けられた撮影装置2は、この開口43及び合わせガラス10を介して車外を撮影できるようになっている。また、上述した中間膜5のシェード領域51と非シェード領域52の境界53は、開口43を通過するように水平方向に延びている。
図2に示すように、上述したブラケット6は、マスク層4上に固定される。具体的には、ブラケット6は、開口を囲むような枠型状に形成され、両面テープ、接着剤などでマスク層4に固定される。そして、このブラケット6に、撮影装置2が支持され、開口43を通じて車外を撮影するように構成されている。また、図示を省略するが、ブラケット6には、撮影装置2が車内側から見えないようにカバーが取り付けられる。
次に、マスク層4の材料について説明する。マスク層4の材料は、車外からの視野を遮蔽可能であれば、実施の形態に応じて適宜選択されても良く、例えば、黒色、茶色、灰色、濃紺等の濃色のセラミックを用いてもよい。
マスク層4の材料に黒色のセラミックが選択された場合、例えば、内側ガラス板12の内面に、スクリーン印刷等で黒色のセラミックを積層し、各ガラス板11,12とともに積層したセラミックを加熱する。そしてセラミックが硬化すると、マスク層4が完成する。なお、各マスク層4に利用するセラミックは、種々の材料を利用することができる。例えば、以下の表1に示す組成のセラミックをマスク層4に利用することができる。
*1,主成分:酸化銅、酸化クロム、酸化鉄及び酸化マンガン
*2,主成分:ホウケイ酸ビスマス、ホウケイ酸亜鉛
<3.車載システム>
次に、図2及び図4を用いて、撮影装置2及び画像処理装置3を備える車載システムについて説明する。図4は、車載システムの構成を例示する。図4に例示されるように、本実施形態に係る車載システムは、上記撮影装置2と、当該撮影装置2に接続される画像処理装置3と、を備えている。
画像処理装置3は、撮影装置2により取得された撮影画像を処理する装置である。この画像処理装置3は、例えば、ハードウェア構成として、バスで接続される、記憶部31、制御部32、入出力部33等の一般的なハードウェアを有している。ただし、画像処理装置3のハードウェア構成はこのような例に限定されなくてよく、画像処理装置3の具体的なハードウェア構成に関して、実施の形態に応じて、適宜、構成要素の追加、省略及び追加が可能である。
記憶部31は、制御部32で実行される処理で利用される各種データ及びプログラムを記憶する(不図示)。記憶部31は、例えば、ハードディスクによって実現されてもよいし、USBメモリ等の記録媒体により実現されてもよい。また、記憶部31が格納する当該各種データ及びプログラムは、CD(Compact Disc)又はDVD(Digital Versatile Disc)等の記録媒体から取得されてもよい。更に、記憶部31は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。
上記のとおり、合わせガラス10は、垂直方向に対して傾斜姿勢で配置され、かつ、湾曲している。そして、撮影装置2は、そのような合わせガラス10を介して車外の状況を撮影する。そのため、撮影装置2により取得される撮影画像は、合わせガラス10の姿勢、形状、屈折率、光学的欠陥等に応じて、変形している。また、撮影装置2のカメラレンズに固有の収差も加わる。そこで、記憶部31には、このような合わせガラス10およびカメラレンズの収差によって変形した画像を補正するための補正データが記憶されていてもよい。
制御部32は、マイクロプロセッサ又はCPU(Central Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサと、このプロセッサの処理に利用される周辺回路(ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、インタフェース回路等)と、を有する。ROM、RAM等は、制御部32内のプロセッサが取り扱うアドレス空間に配置されているという意味で主記憶装置と呼ばれてもよい。制御部32は、記憶部31に格納されている各種データ及びプログラムを実行することにより、画像処理部321として機能する。
画像処理部321は、撮影装置2により取得される撮影画像を処理する。撮影画像の処理は、実施の形態に応じて適宜選択可能である。例えば、画像処理部321は、パターンマッチング等によって当該撮影画像を解析することで、撮影画像に写る被写体の認識を行ってもよい。本実施形態では、撮影装置2は車両前方の状況を撮影するため、画像処理部321は、更に、当該被写体認識に基づいて、車両前方に人間等の生物が写っていないかどうかを判定してもよい。そして、車両前方に人物が写っている場合には、画像処理部321は、所定の方法で警告メッセージを出力してもよい。また、例えば、画像処理部321は、所定の加工処理を撮影画像に施してもよい。そして、画像処理部321は、画像処理装置3に接続されるディスプレイ等の表示装置(不図示)に当該加工した撮影画像を出力してもよい。
入出力部33は、画像処理装置3の外部に存在する装置とデータの送受信を行うための1又は複数のインタフェースである。入出力部33は、例えば、ユーザインタフェースと接続するためのインタフェース、又はUSB(Universal Serial Bus)等のインタフェースである。なお、本実施形態では、画像処理装置3は、当該入出力部33を介して、撮影装置2と接続し、当該撮影装置2により撮影された撮影画像を取得する。
このような画像処理装置3は、提供されるサービス専用に設計された装置の他、PC(Personal Computer)、タブレット端末等の汎用の装置が用いられてもよい。
また、撮影装置2は、上述したように、ブラケット6に取り付けられる。したがって、この状態で、撮影装置2のカメラレンズの光軸が開口43を通過するように、撮影装置2のブラケット6への取付、及びブラケットのマスク層4への取付を調整する。また、ブラケット6には撮影装置2を覆うように、図示を省略するカバーが取り付けられる。したがって、撮影装置2は、合わせガラス10、ブラケット6、及びカバーで囲まれた空間内に配置され、車内側から見えないようなるとともに、車外側からも、マスク層4によって開口43を通して撮影装置2の一部しか見えないようになっている。そして、撮影装置2と上述した入出力部33とは、図示を省略するケーブルで接続され、このケーブルはカバーから引き出され、車内の所定の位置に配置された画像処理装置3に接続されている。
<4.ウインドシールドの製造方法>
次に、ウインドシールドの製造方法について説明する。まず、所定の形状に形成された外側ガラス板11及び内側ガラス板12に、マスク層4を積層する。続いて、これらのガラス板11,12が湾曲するように成形する。この方法は、特には限定されないが、例えば、公知のプレス成形により行うことができる。あるいは、成形型上に外側ガラス板11及び内側ガラス板12を重ねて配置した後、この成形型を加熱炉を通過させて加熱する。これによって、これらのガラス板11,12を自重により湾曲させることができる。
こうして、外側ガラス板11及び内側ガラス板12が成形されると、これに続いて、中間膜5を外側ガラス板11及び内側ガラス板12の間に挟んだ積層体を形成する。なお、中間膜5は、ガラス板11,12よりも大きい形状とする。
次に、この積層体を、ゴムバッグに入れ、減圧吸引しながら約70~110℃で予備接着する。予備接着の方法は、これ以外でも可能であり、次の方法を採ることもできる。例えば、上記積層体をオーブンにより45~65℃で加熱する。次に、この積層体を0.45~0.55MPaでロールにより押圧する。続いて、この積層体を、再度オーブンにより80~105℃で加熱した後、0.45~0.55MPaでロールにより再度押圧する。こうして、予備接着が完了する。
次に、本接着を行う。予備接着がなされた積層体を、オートクレーブにより、例えば、8~15気圧で、100~150℃によって、本接着を行う。具体的には、例えば、14気圧で135℃の条件で本接着を行うことができる。以上の予備接着及び本接着を通して、中間膜5が各ガラス板11,12に接着される。続いて、外側ガラス板11及び内側ガラス板12からはみ出した中間膜5を切断する。
<5.シート部材の合わせガラスの厚みへの影響>
シート部材8は、シェード領域51及び非シェード領域52の厚みと基本的には同じではあるが、例えば、シート部材8の厚みが、シェード領域51及び非シェード領域52の厚みと相違する場合には、これによって合わせガラス10の厚みに影響を及ぼすことが、本発明者により見出された。この点について、図5~図9を参照しつつ説明する。図5は図6のX-X線断面図、図6は合わせガラスの一部平面図、図7は図8のY-Y線断面図、図8は合わせガラスの一部平面図、図9は合わせガラスの一部平面図である。
例えば、図5に示すように、シート部材8の厚みが、シェード領域51及び非シェード領域52の厚みよりも大きい場合、つまり厚みの差による段差が生じる場合には、シート部材8が中間膜5の表面において突部を形成するが、外側ガラス板11は、突部を押し潰すように中間膜5に接するのでなく、この突部に沿うように外側ガラス板11が湾曲し、他の部分よりも厚みが大きくなることが見出された。なお、図5の例は、シート部材8が外側ガラス板11側に突出した例を示しているが、内側ガラス板12側に突出したり、あるいは両ガラス板11,12側に突出することも考えられる。
この場合、シート部材8とシェード領域51との境界には段差が生じるため、合わせガラス10の製造時には、外側ガラス板11と中間膜5との間には、空気が溜まる隙間Rが形成される可能性がある。このように、段差に空気が入り込むと、見栄えが悪くなるおそれがあるため、本実施形態においては、以下のように規定している。
まず、本発明者は、図9に示すように、シート部材8の中心点Mにおけるウインドシールドの厚みをH1、この中心点Mを通り水平方向に延びる仮想線L上で、シート部材8の縁部からの距離が400mmの地点Nにおけるウインドシールドの厚みをH2と規定したとき、H1がH2よりも大きい場合には(式(1))、図5に示すように、シート部材が中間膜5の表面において、突部を形成している可能性があることを見出した。
H1>H2 (1)
すなわち、シート部材8とシェード領域51(または非シェード領域52)との厚みの差を、製造後のウインドシールドから直接的に測定することはできないため、本発明者は、上記のようにH1,H2を計測することで、シート部材8とシェード領域51との厚みの差が存在し、上記のような突部が生じる可能性があることを見出した。この点は、後述するように、シート部材8によって凹部が形成される場合も同じである。
この場合において、図5及び図6に示すように、開口43の内縁の任意の点Aとシート部材8の外縁において、点Aからの距離が最短である点B、及び点Aから点Bを通過して延びる仮想線Kとマスク層4の延在部42の外縁とが交差する点C、を規定し、さらに、点Aと点Bとの間の距離をS1、点Bと点Cとの間の距離をS2と規定したとき、S1+S2が最小になる箇所において、以下の式(2)を充足するように構成している。なお、S1+S2が最小になる箇所は、マスク層4の形状やシート部材8の形状によるが、本実施形態においては、開口43の下端の角部(点A)とマスク層4の延在部42の縁部(点C)との間の箇所である。
S1<S2 (2)
これにより、延在部42において、シート部材8の外縁よりも外側の領域(点Bと点Cとの間の領域)が、大きくなるため、隙間Rがマスク層4に隠れ易くなり、これが車外及び車内から見えるのを抑制することができる。なお、式(2)を充足するには、例えば、シート部材8の大きさを調整したり、あるいは延在部42の幅(開口43の内縁から延在部42の外縁までの長さ)を調整すればよい。
なお、本発明者の検討の結果、上記隙間Rに溜まる泡は、条件にもよるため、種々の幅(シート部材8の外縁と直交する方向)の泡が確認されているが、これを隠すためには、S2は5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがさらに好ましく、20mm以上とすることがより好ましい。但し、S2が大きすぎると、マスク層4が大きくなり、ウインドシールドの視野が狭くなる。したがって、S2は、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがさらに好ましい。また、この観点から、S1+S2は10~100mmであることが好ましい。
また、本発明者は、特に、以下の式(3)を充足するときに、隙間Rが生じやすいことを見出した。したがって、以下の式(3)を充足する場合には、特に、式(2)を充足すれば、隙間Rが車外から見えるのを抑制することができる。
H1-H2>300μm (3)
ここで、厚みが2.0mmの外側ガラス板と、厚みが1.3mmの内側ガラス板と、厚みが0.76mm(シート部材8以外の厚み)の中間膜を有する合わせガラスを用いて本発明者が検討したところ、以下の通りであった。
表2において、H1-H2が負の場合には、後述する図7に示すように、シート部材8の厚みがシェード領域51(または非シェード領域52)よりも薄いと考えられる。また、H1-H2が0の場合には、シート部材8とシェード領域51(または非シェード領域52)との間に段差が生じていないと考えられる。したがって、泡は確認されていない。同様に、H1-H2が50μm及び-50μmである場合も、泡は確認されていない。すなわち、H1-H2の絶対値が大きくなるほど、段差が大きくなり、これによって隙間Rの幅が大きくなると考えられる。そして、隙間Rの幅が大きいと、泡が多く見える。特に、上記式(3)を充足すると泡が大きくなることが確認されている。
以上、シート部材8により中間膜5に突部を形成する場合について説明したが、続いて、シート部材8により、中間膜5に凹部が形成される場合について説明する。
例えば、図7に示すように、シート部材8の厚みが、シェード領域51及び非シェード領域52の厚みよりも小さい場合には、シート部材8が中間膜5の表面において凹部を形成するが、外側ガラス板11は、凹部を吸収するように中間膜5に接するのでなく、この凹部に沿うように外側ガラス板11が湾曲し、他の部分よりも厚みが小さくなることが見出された。なお、図7の例は、シート部材8が外側ガラス板11側において凹んでいる例を示しているが、内側ガラス板12側において凹んだり、あるいは両ガラス板11,12側において凹むことも考えられる。
この場合、シート部材8とシェード領域51との境界には段差が生じるため、合わせガラス10の製造時には、外側ガラス板11と中間膜5との間には、空気が溜まる隙間Rが形成される可能性がある。このように、段差に空気が入り込むと、見栄えが悪くなるおそれがあるため、本実施形態においては、以下のように規定している。
まず、本発明者は、上述したように、厚みH1,H2を規定したとき、H1がH2よりも小さい場合には(式(4))、図7に示すように、シート部材8が中間膜5の表面において、凹部を形成している可能性があることを見出した。
H1<H2 (4)
この場合において、図7及び図8に示すように、上述した点A,点B,点C,距離S1,距離S2を規定し、S1+S2が最小になる箇所において、以下の式(5)を充足するように構成している。
S1>S2 (5)
これにより、延在部42において、隙間Rが生じる領域(点Aと点Bとの間の領域)が、大きくなるため、隙間Rがマスク層4に隠れ、これが車外及び車内から見えるのを抑制することができる。なお、式(5)を充足するには、例えば、シート部材8の大きさを調整したり、あるいは延在部42の幅(開口43の内縁から延在部42の外縁までの長さ)を調整すればよい。
なお、本発明者の検討の結果、上記隙間Rに溜まる泡は、条件にもよるため、種々の幅(シート部材8の外縁と直交する方向)のものが確認されているが、これを隠すためには、S1は5mm以上とすることが好ましく、10mm以上とすることがさらに好ましく、20mm以上とすることがより好ましい。但し、S1が大きすぎると、開口43が小さくなる。したがって、S2は、50mm以下であることが好ましく、40mm以下であることがさらに好ましい。また、この観点から、S1+S2は10~100mmであることが好ましい。
また、本発明者は、特に、以下の式(6)を充足するときに、隙間Rが生じやすいことを見出した。したがって、以下の式(6)を充足する場合には、特に、式(5)を充足すれば、隙間Rが車外から見えるのを抑制することができる。
H2-H1>300μm (6)
なお、上記の例では、開口43の縁部の任意の一点Aについて検討したが、特に、開口43の両側辺及び下辺の90%以上において、上記式(2)及び式(5)を充足することが好ましく、全周において、これらの式を充足することがさらに好ましい。
<6.特徴>
以上説明したウインドシールドによれば、次のような効果を得ることができる。
(1)中間膜5にシェード領域51が形成されている場合でも、シェード領域51内に透明なシート部材8を嵌め込むことで、撮影装置2のカメラの光が通過する領域を形成することができる。したがって、シェード領域51により遮光や防眩を行いつつ、撮影装置2による撮影を支障を来さないようにすることができる。
(2)シート部材8の厚みが、シェード領域51あるいは非シェード領域52と異なる場合には、中間膜5の表面に突部あるいは凹部が形成されるため、これによって、シート部材8とシェード領域(あるいは非シェード領域52)との間に段差が生じる。このため、合わせガラスの製造時に、この段差に空気が溜まると、車外や車内から泡のように見えるおそれがある。そこで、本実施形態では、上述した式(2)または式(5)を充足することで、隙間Rが形成される領域をマスク層4で隠すことができ、空気(泡)が車外または車内から見えるのを抑制することができる。特に、マスク層4の形状は予め規定されていることが多く、それに伴ってS1+S2も規定されることが多いため、上記式(2)または式(5)を充足することには意義がある。
<7.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は適宜組み合わせることができる。
<7-1>
マスク層の形状は特には限定されず、種々の形状が可能である。すなわち、少なくとも撮影のための開口43が1以上形成されていればよく、開口の形状も特には限定されない。したがって、開口が2以上形成されていてもよい。
開口は、例えば、図10に示すように構成することができる。同図に示すように、開口43の開口周縁に沿う領域には、複数の円形状のドット(マスク片)435が所定間隔をおいて千鳥状に配置された開口周縁領域431がそれぞれ形成されている(拡大図参照)。すなわち、この開口周縁領域431はマスク層4と同じ材料(マスク材)で形成されているが、マスク層4と同じ材料の配置される割合よりも、密度が小さくなっている。この開口周縁領域431の幅、つまり開口43の周縁からの距離Zは、4mm以上であることが好ましく、6mm以上であることがさらに好ましい。また、開口周縁領域431において、ドット435が占める割合は、例えば、20~80%であることが好ましい。なお、これらドット435は、マスク層4と異なる材料で形成することができる。
このような開口周縁領域431を設ける理由は、以下の通りである。まず、セラミックで形成されたマスク層の熱膨張係数は、ガラスとは相違するため、熱の吸収による膨張量が相違する。そのため、ガラス板の成形時に、マスク層とともにガラス板を加熱すると、膨張量の差に起因して、マスク層と、これが形成されていない領域との境界付近に歪みが生じることが分かった。これにより、ガラス板を通して見える像が歪むという問題が生じていた。
そこで、本実施形態では、上記のように、ドットパターンで形成された開口周縁領域431を形成することで、この開口周縁領域431の熱膨張が、マスク層4に比べて小さくなるようにしている。これにより、マスク層4(開口の縁部)と開口内部との境界で熱膨張率が急激に変化するのを防止することができる。すなわち、セラミックの密度が大きいマスク層4(開口の縁部)から、セラミックの密度が小さい開口周縁領域431を介して、セラミックが形成されていない開口内部へ、セラミックの密度が遷移するため、熱膨張量の変化が緩やかになり、したがって、開口43の境界付近でガラス板11,12に歪みが生じるのを抑制することができる。そのため、撮影装置2によって取得された画像に歪みが生じるのを抑制することができる。
図10の例では、開口周縁領域431を千鳥状のドットパターンで形成したが、セラミックの密度を小さくできるものであれば、円形以外の矩形状、多角形状、異形状などであってもよく、これらを千鳥状、あるいは所定の間隔をおいて配置することができる。また、ドット435の大きさを変化させてもよい。また、線状のパターンを所定間隔おきに形成することができる。このほか、種々の形状のマスク片を所定間隔で配置することで開口周縁領域を形成することができる。例えば、ドットの大きさ、形状を変化させたり、あるいは開口周縁の形状を直線ではなく,曲線状にすることもできる。
なお、マスク層4が積層される外側ガラス板11及び内側ガラス板12において、開口周縁領域431の内周縁からさらに内側へ概ね4~6mmの領域は、加熱工程や徐冷工程に応じて多少の変化はあるものの、歪みが生じる可能性のある歪領域110である(この歪領域110よりも内側の領域が本発明の中央領域に相当する)。図10の例では、歪領域110の内縁を点線で示している。したがって、この歪領域100よりもさらに内側において撮影装置により画像を取得することが好ましい。なお、歪領域110の幅を大きく設定すると、撮影画像を取得するための中央領域が狭くなるため、歪領域110の幅は6mm以内に設定されることが好ましい。
<7-2>
上記実施形態では、外側ガラス板11と内側ガラス板12のマスク層4を同じ形状にし、且つ同じ位置に形成しているが、これに限定されない。すなわち、2つのマスク層4の各開口43を通じて撮影装置2による撮影ができるのであれば、両者の形状が完全に同じでなくてもよい。また、合わせガラス10は傾斜して設置されるため、開口43の位置を傾斜に合わせても多少ずらすこともできる。また、例えば、いずれかのマスク層を、周縁部41または延在部42のいずれか一方のみにすることができる。
<7-3>
上記実施形態では、外側ガラス板11の車内側の面、及び内側ガラス板12の車内側の面の両方にマスク層4を形成しているが、いずれか一方でもよい。但し、例えば、外側ガラス板11の車外側の面にマスク層4を形成すると、上述した空気が車内からは視認される可能性がある。
<7-4>
シート部材8の形状は特には限定されず、少なくとも開口43よりも大きく形成されていればよい。また、シート部材8が配置される位置も特には限定されず、少なくとも一部がシェード領域51と重なる位置であればよい。
<7-5>
マスク層4の複数の開口43を形成することもできる。例えば、図11に示すように、マスク層4の延在部42に複数の開口43を形成し、各開口43に対応するように中間膜5に貫通孔50を形成するとともに、各貫通孔50にシート部材8を嵌め込むことができる。この場合、複数のカメラ、センサなどが、各開口43に対応するように配置される。
なお、図12に示すように、隣接する開口43が近接している場合、例えば、隣接する開口43間の最短距離Lが、各開口43に対応するS2(隣接する開口の間で規定されるS2)の2倍よりも短い場合には、隣接するシート部材8を一体化するように形成することができる。
また、図13に示すように、シート部材8の内部に、全ての複数の開口43が配置されるようにすることができる。この場合、シート部材8の外縁付近に配置されている開口43において、上述した各式を充足することができる。なお、具体的な数値として、例えば、図13のS1を6mm未満、S2を6mm以上とすることができる。また、シート材は、例えば、横400mm×縦300mmの大きさまで大きくすることができる。この場合、すべての開口43の中で、S1+S2が最も小さい箇所で上記式(2)または(5)が充足されればよい。
<7-6>
上記実施形態では、本発明の情報取得装置として、撮影装置を用いたが、これに限定されるものではなく、種々の情報取得装置を用いることができる。すなわち、車外からの情報を取得するために、光の照射及び/または受光を行うものであれば、特には限定されない。例えば、車間距離を測定するセンサ、車間距離を測定するための可視光線及び/又は赤外線カメラ、光ビーコンなどの車外からの信号を受信する受光装置、道路の白線等を画像にて読み取る可視光線及び/又は赤外線を使用したカメラなど、種々の装置に適用することができる。また、マスク層4の開口の数は、情報取得装置の種類に応じて、適宜変更することができる。例えば、光の照射、及び受光をそれぞれ専用の開口を通して行うことができる。なお、情報取得装置はガラス板に接触していても接触していなくても良い。いずれにしても、ガラス板において、情報取得装置の光が通過する領域(情報取得領域)に電熱線が形成される。
<7-7>
本発明においては、情報取得装置に合わせて、合わせガラスを以下のように構成することができる。
1.可視範囲で動作するカメラシステムを用いる場合、合わせガラスのA光源の光透過率が70%未満となるようにすることができる。このように合わせガラスのA光源の光透過率が70%未満の場合、以下のような合わせガラスが用いられる。なお、A光源とは、国際照明委員会CIEの協約により規定されたA,B,Cの3種の標準光源の1つであり、A光源は色温度2854Kの普通のガス入りタングステン白熱電球である。
(i) 中間層(例えば、PVB)は暗く着色することができる(例えば、外側ガラス板11と内側ガラス板12はクリアガラスとすることができる)。
(ii) クリアガラスである各ガラス板11,12のFe2O3の含有量は例えば0.01~0.2wt%とすることができる。あるいは、Fe2O3の含有量が0.5wt~1wt%の着色ガラスの組み合わせ、または、Fe2O3の含有量が0.5~1.5wt%の着色ガラスとFe2O3の含有量が通常0.01~0.2wt%であるクリアガラスとの組み合わせとすることができる。
(iii) 合わせガラスの厚さは3~9mmである(各ガラス板11,12の厚さは0.7~4mmとすることができる)。
(iv) 開口43よりも大きいシート部材8が用いられる。
(v) この合わせガラスは、前側のウインドシールド、あるいは後側のリアガラスに用いることができる。
2.LiDARシステムを用いる場合、合わせガラスのA光源の光透過率が70%未満となるようにすることができる。合わせガラスのA光源の光透過率が70%未満の場合、以下のような合わせガラスが用いられる。
(i) 中間層(例えば、PVB)は暗く着色される(外側ガラス板11と内側ガラス板12はウルトラクリアガラスであることが好ましい)。
(ii) ウルトラクリアガラスである各ガラス板11,12のFe2O3の含有量は、例えば、0.1wt%未満であり、0.05wt%未満であることが好ましい。
(iii) 合わせガラスの厚さは3~9mm(各ガラス板11,12の厚さは0.7~4mmとすることができる)である。
(iv) 開口43よりも大きいシート部材8が用いられる。
(v) この合わせガラスは、前側のウインドシールド、あるいは後側のリアガラスに用いることができる。
3.LiDARシステムを用いる場合、合わせガラスのA光源の光透過率が70%を超えるようすることができる。合わせガラスのA光源の光透過率が70%を超える場合、以下のような合わせガラスが用いられる。
(i) 中間層(例えば、PVB)は吸収による太陽光制御特性を提供する(Ttsは例えば65%未満とすることができ、60%未満であることが好ましく、55%未満であることがさらに好ましい。)
(ii) 外側ガラス板11と内側ガラス板12はウルトラクリアガラス(Fe2O3の含有量は例えば0.1wt%未満であり、0.05wt%未満であることが好ましい)とすることができる。
(iii) 合わせガラスの厚さは3~9mmである(各ガラス板11,12の厚さは0.7~4mmとすることができる)。
(iv) 開口43よりも大きいシート部材8が用いられる。
(v) この合わせガラスは、前側のウインドシールド、あるいは後側のリアガラスに用いることができる。
なお、Ttsは、ISO13837に準拠して、分光光度計(日立ハイテク社製「U-4100」)を用いて、波長300nm~2500nmの透過率/反射率を測定することにより算出することができる。遮熱性をより一層高める観点から、Ttsは好ましくは70%以下、より好ましくは65%以下、更に好ましくは60%以下である。
<7-8>
上記実施形態では、本発明の合わせガラスをウインドシールドとして用いたが、これ以外にもリアガラス、サイドガラス等に用いることができる。あるいは、自動車以外の車両(列車等)にも用いることができる。
10 合わせガラス
11 外側ガラス板
12 内側ガラス板
2 撮影装置(情報取得装置)
4 マスク層
43 開口(情報取得領域)
5 中間膜
51 シェード領域
52 非シェード領域
8 シート部材

Claims (23)

  1. 光の照射及び/または受光を行うことで車外からの情報を取得する情報取得装置が配置可能な合わせガラスであって、
    外側ガラス板と、
    内側ガラス板と、
    前記外側ガラス板と内側ガラス板との間に配置される中間膜と、
    前記外側ガラス板の車内側の面及び前記内側ガラス板の車内側の面の少なくとも一方に積層されるマスク層と、
    を備え、
    前記中間膜は、
    着色されたシェード領域と、
    透明な非シェード領域と、
    前記シェード領域と前記非シェード領域とに亘って形成される少なくとも1つの貫通孔にそれぞれ嵌め込まれる、透明なシート部材と、
    を備え、
    前記マスク層は、前記シート部材と対応する位置に、当該シート部材の縁部よりも内側に形成される、少なくとも1つの開口を有し、
    前記情報取得装置の光が前記開口を通過するように構成され、
    前記シート部材の中心点における前記合わせの厚みをH1、及び前記中心点を通り水平方向に延びる仮想線上で、前記シート部材の縁部からの距離が400mmの地点における前記合わせガラスの厚みをH2と規定し、
    さらに、前記開口の内縁の任意の点Aと前記シート部材の外縁において、前記点Aからの距離が最短である点B、及び前記点Aから前記点Bを通過して延びる仮想線と前記マスク層の外縁とが交差する点C、を規定したとき、
    前記点Aと前記点Bとの間の距離をS1、前記点Bと前記点Cとの間の距離をS2と規定し、
    H1がH2よりも大きいとき、S1+S2が最小となる箇所において、S1がS2よりも小さくなるように構成され、
    H1がH2よりも小さいとき、S1+S2が最小となる箇所において、S1がS2よりも大きくなるように構成されている、合わせガラス。
  2. H1がH2よりも大きいとき、前記距離S2が5~50mmである、請求項1に記載の合わせガラス。
  3. H1がH2よりも小さいとき、前記距離S1が5~50mmである、請求項1に記載の合わせガラス。
  4. S1+S2は、100mm以下である、請求項2または3に記載の合わせガラス。
  5. 複数の前記開口が形成され、
    隣接する前記開口間の最短距離が、前記各開口に係るS2の合計よりも短いとき、前記各開口と対応する前記シート部材は一体的に形成される、請求項1から4のいずれかに記載の合わせガラス。
  6. 前記マスク層を形成するマスク材と前記ガラス板とは、熱膨張率が相違し、
    前記ガラス板と前記マスク層とはともに加熱されることで形成され、
    前記マスク層の前記開口の内周縁に沿う少なくとも一部の領域には、単位面積当たりの前記マスク材が配置されている割合が少ない開口周縁領域が形成されており、
    前記光は、前記開口周縁領域よりも内側の領域を通過するように構成されている、請求項1から5のいずれかに記載の合わせガラス。
  7. 前記開口周縁領域は、前記開口の内周縁の全周に亘って形成されている、請求項6に記載の合わせガラス。
  8. 前記合わせガラスにおける前記開口周縁領域の内部は、当該開口周縁領域の内周縁に沿う歪領域と、当該歪領域の内側に隣接する中央領域と、から構成され、
    前記光は、前記中央領域の全部または一部を通過するように構成されている、請求項6または7に記載の合わせガラス。
  9. 前記歪領域の幅は、6mm以下である、請求項8に記載の合わせガラス。
  10. 前記開口周縁領域は、前記マスク材で形成された複数のマスク片を備えており、
    前記複数のマスク片は互いに間隔をあけて配置されている、請求項6から9のいずれかに記載の合わせガラス。
  11. 前記各マスク片は、円形状に形成されている、請求項10に記載の合わせガラス。
  12. 前記マスク片は、千鳥状に配置されている、請求項10または11に記載の合わせガラス。
  13. 前記マスク層の少なくとも一部は黒色である、請求項6から12のいずれかに記載の合わせガラス。
  14. 前記マスク層、開口周辺領域、及び歪領域において、前記情報取得装置が取付けられる領域の少なくとも一部には、電磁波遮蔽膜が形成されている、請求項6から13のいずれかに記載の合わせガラス。
  15. 前記マスク層、開口周辺領域、及び歪領域の少なくとも一部は、第1の視野遮蔽膜、前記電磁波遮蔽膜、及び第2の視野遮蔽膜が、車外側から車内側へこの順で配置されていることで構成されている、請求項14に記載の合わせガラス。
  16. 前記シート部材は、一辺が100mm正方形よりも大きく、一辺が300mmの正方形よりも小さい、請求項1から15のいずれかに記載の合わせガラス。
  17. 前記中間膜は、複数の層により構成されている、請求項1から16のいずれかに記載の合わせガラス。
  18. 前記中間膜は、少なくとも、コア層と,当該コア層を挟む一対のアウター層と、を有し、
    前記コア層のヤング率が、20℃、100Hzにおいて20MPa以下である、請求項17に記載の合わせガラス。
  19. 2~4個の前記貫通孔が形成され、前記各貫通孔に前記シート部材が嵌め込まれている、請求項1から18のいずれかに記載の合わせガラス。
  20. 上下方向の断面が、楔形に形成されている、請求項1から19のいずれかに記載の合わせガラス。
  21. 前記外側ガラス板の厚みが前記内側ガラス板の厚みよりも小さい、請求項1から20のいずれかに記載の合わせガラス。
  22. ウインドシールドとして用いられる、請求項1から21のいずれかに記載の合わせガラス。
  23. リアガラスとして用いられる、請求項1から22のいずれかに記載の合わせガラス。
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