JP2017189720A - 異物除去装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】対象物品に付着していた異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを低減できる異物除去装置を提供する。【解決手段】異物除去装置1は、第1方向D1にエアを吐出する第1吐出口21を有し、ハウジング10の開口11に隣接する第1空間S11内に第1エアカーテンAC11を形成する第1スリットエアノズル20と、第1吐出口21側を向いて配置された第1異物収集口15と、第1方向D1に交差する第2方向D2にエアを吐出する第2吐出口31を有し、第1空間S11に対しハウジング10の内側に隣接する第2空間S12内に第2エアカーテンAC12を形成する第2スリットエアノズル30と、第2吐出口31側を向いて配置された第2異物収集口17とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、異物除去装置に関する。詳細には、エアブローにより、対象物品の表面に付着している異物の除去を行う異物除去装置に関する。
従来、エアブローにより対象物品の表面に付着している異物の除去を行う異物除去装置として、様々なものが提案されている。例えば、特許文献1には、対象物品(基板)の入口または出口となる開口を有するハウジング(本体)と、入口から出口に向かってハウジング内を移動する対象物品に対し、エアを吐出して、対象物品に付着している異物を除去するエアブローノズル(シャワーノズル)とを備える異物除去装置(ダスト除去装置)が開示されている。
実開平2−126113号公報
特許文献1の異物除去装置は、さらに、ハウジングの内部空間のうちハウジングの開口に隣接する部分空間内において、上方から下方に向けて壁状にエアを吐出してエアカーテンを形成するエアノズルを備えている。このエアカーテンは、エアブローノズルから吐出したエアによって、対象物品に付着している異物を吹き飛ばした後、当該異物が開口に向かって飛散した場合に、当該異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを防止する目的で形成される。
しかしながら、特許文献1の異物除去装置では、対象物品に付着していた異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを、適切に防止できないことがあった。具体的には、例えば、異物が肉薄の平板形状である場合において、当該異物の厚み方向がエアカーテンの気流方向に直交する姿勢で当該異物がエアカーテン内に進入したときは、当該異物がエアカーテンの気流を受ける面積が極めて小さくなるため、エアカーテンの気流に乗らずに、エアカーテンを通過して外部に飛散することがあった。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、対象物品に付着していた異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを低減できる異物除去装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、エアブローにより対象物品の異物除去を行う異物除去装置において、前記対象物品の入口または出口となる開口を有するハウジングと、前記入口から前記出口に向かって前記ハウジング内を移動する前記対象物品に対し、エアを吐出して、前記対象物品に付着している異物を除去するエアブローノズルと、前記開口の軸線方向に直交する第1方向にエアを吐出する第1吐出口を有し、前記ハウジングの内部空間のうち前記ハウジングの前記開口に隣接する第1空間内に、前記第1吐出口から吐出したエアによって第1エアカーテンを形成する第1スリットエアノズルと、前記第1吐出口との間に前記第1空間を挟んで位置し、前記第1方向を向く前記第1吐出口側を向いて配置された第1異物収集口と、前記開口の軸線方向に直交し且つ前記第1方向に交差する第2方向にエアを吐出する第2吐出口を有し、前記ハウジングの内部空間のうち前記第1空間に対し前記ハウジングの内側に隣接する第2空間内に、前記第2吐出口から吐出したエアによって第2エアカーテンを形成する第2スリットエアノズルと、前記第2吐出口との間に前記第2空間を挟んで位置し、前記第2方向を向く前記第2吐出口側を向いて配置された第2異物収集口と、を備え、前記第1エアカーテン及び前記第2エアカーテンは、前記開口の平面視で、前記開口の全体と重なる異物除去装置である。
上述の異物除去装置は、ハウジングの開口(対象物品の入口または出口)の軸線方向に直交する第1方向にエアを吐出する第1吐出口(細長いスリット形状をなす第1吐出口)、を有する第1スリットエアノズルを備える。この第1スリットエアノズルは、ハウジングの内部空間のうち開口に隣接する部分である第1空間内に、第1吐出口から吐出したエアによって第1エアカーテン(壁状の第1気流)を形成する。なお、開口の軸線方向とは、開口(開口を形成する孔)の軸線(中心軸線)に沿う方向をいう。
さらに、上述の異物除去装置は、第1スリットエアノズルの第1吐出口との間に第1空間を挟んで位置し(ハウジングの開口よりも第1方向の側に位置し)、第1方向を向く第1吐出口側を向いて設けられた(第1吐出口と向き合って配置された)第1異物収集口(集塵口)を備える。
さらに、上述の異物除去装置は、ハウジングの開口の軸線方向に直交し且つ第1方向に交差する(例えば、直交する)第2方向にエアを吐出する第2吐出口、を有する第2スリットエアノズルを備える。この第2スリットエアノズルは、ハウジングの内部空間のうち第1空間に対しハウジングの内側に隣接する第2空間内に、第2吐出口から吐出したエアによって第2エアカーテン(壁状の第2気流)を形成する。
さらに、上述の異物除去装置は、第2スリットエアノズルの第2吐出口との間に第2空間を挟んで位置し(ハウジングの開口よりも第2方向の側に位置し)、第2方向を向く第2吐出口側を向いて設けられた(第2吐出口と向き合って配置された)第2異物収集口(集塵口)を備える。
なお、第1エアカーテン及び第2エアカーテンは、開口の平面視で(ハウジングの外部から開口を軸線方向に平面視すると)、開口の全体と重なるように形成される。
また、第1エアカーテンの気流方向は、開口の平面視で、第2エアカーテンの気流方向と交差する方向となる。
また、エアブローノズルは、例えば、ハウジングの内部空間のうち第2空間よりもハウジングの内側に位置する空間部分において、対象物品に対しエアを吐出して、対象物品に付着している異物を除去する。エアブローノズルは、例えば、ハウジングの内部空間のうち第2空間よりもハウジングの内側に位置する空間部分に配置される。
以上のような構成を有する異物除去装置では、エアブローノズルから吐出したエアによって、対象物品に付着している異物を吹き飛ばした後、当該異物が開口に向かって飛散した場合に、当該異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを低減することができる。
具体的には、エアブローノズルから吐出したエアによって対象物品の表面から吹き飛ばされ、ハウジングの内側から開口に向かって飛散してきた異物は、第2空間内(第2エアカーテン内)に進入した後、第2エアカーテンの気流に乗って第2異物収集口に向かって進行し、第2異物収集口内に集められる。これにより、当該異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを防止できる。
但し、例えば、異物が肉薄の細長平板形状である場合において、当該異物の厚み方向が第2方向(第2エアカーテンの気流方向)に直交する姿勢で当該異物が第2空間内に進入したときは、当該異物が第2エアカーテンの気流を受ける面積が極めて小さくなるため、第2エアカーテンを通過する可能性がある。
しかしながら、当該異物が第2エアカーテンを通過した場合でも、当該異物は、第1空間内(第1エアカーテン内)に進入した後、第1エアカーテンの気流に乗って第1異物収集口に向かって進行し、第1異物収集口内に集められる。第1エアカーテンの気流方向は、第2エアカーテンの気流方向と交差する方向(例えば、直交する方向)であるため、第2エアカーテン内よりも第1エアカーテン内のほうが、当該異物が気流を受ける面積を大きくすることができ、当該異物を第1エアカーテンの気流に乗せて第1方向に進行させることができるからである。
以上説明したように、異物除去装置では、エアブローノズルから吐出したエアによって、対象物品に付着している異物を吹き飛ばした後、当該異物が開口に向かって飛散した場合に、当該異物が開口を通じてハウジングの外部に飛散するのを低減することができる。
なお、第1異物収集口には、当該第1異物収集口の外側から内側に向かう吸引力をかけるのが好ましい。この吸引力は、例えば、第1異物収集口に連結した外部の集塵機によってかけることができる。第2異物収集口についても同様とするのが好ましい。
また、第1方向(第1スリットエアノズルの第1吐出口からエアを吐出する方向、すなわち第1吐出口の向き)は、第2方向(第2スリットエアノズルの第2吐出口からエアを吐出する方向、すなわち第2吐出口の向き)に対し、30〜90°の角度をなす方向とするのが好ましく、さらには、60〜90°の範囲内の角度をなす方向とするのがより好ましく、特に、90°の角度をなす方向とするのが良い。なお、第1エアカーテンの気流と第2エアカーテンの気流とは立体交差(両者の間に間隙を空けて交差)する。
実施形態にかかる異物除去装置の概略図(側面視)である。 同異物除去装置の他の概略図(開口正面視)である。 同異物除去装置の他の概略図(上面視)である。 第1エアカーテン及び第2エアカーテンの説明図である。 第1エアカーテンの作用効果を説明する図である。 図5の異物において第2エアカーテンの気流を受ける面を示す図ある。 図5の異物において第1エアカーテンの気流を受ける面を示す図ある。 第1エアカーテンの作用効果を説明する他の図である。 実施形態にかかる異物除去工程を説明する図(側面視)である。 実施形態にかかる異物除去工程を説明する図(上面視)である。 実施形態にかかる異物除去工程を説明する他の図(側面視)である。 実施形態にかかる異物除去工程を説明する他の図(上面視)である。 実施形態にかかる異物除去工程を説明する他の図(側面視)である。 実施形態にかかる異物除去工程を説明する他の図(上面視)である。 スリットエアノズルの吐出口のスリット幅と異物通過率との相関図である。 第1方向と第2方向とがなす角度と、異物通過率との相関図である。 第1エアカーテンと第2エアカーテンとの間に発生する渦気流(空気の渦)の説明図である。 変形形態にかかる異物除去装置の説明図である。
(実施形態)
以下、本発明を具体化した実施形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施形態において異物除去の対象となるワークW(対象物品)は、例えば、二次電池の部品である。具体的には、二次電池のケースを封口する電池蓋と、当該電池蓋に取り付けられた電極端子や電流遮断機構等を含む蓋組立体が挙げられる。二次電池の部品では、短絡防止の観点から、異物(金属粉等)の除去の必要性が高い。さらに、組み立て前の個々の部品の段階で洗浄したとしても、組み立て時に異物が再び付着する可能性があり、組み立て後に異物除去を行う必要性が高い。
図1は、実施形態にかかる異物除去装置1の概略図(側面視透視図)であり、ハウジング10の内部の構成を説明する図である。図2は、異物除去装置1の他の概略図(第1開口11の軸線方向に見た正面視)である。図3は、異物除去装置1の他の概略図(上面視透視図)であり、ハウジング10の内部の構成を説明する図である。図4は、第1エアカーテンAC11,AC21及び第2エアカーテンAC12,AC22の説明図である。
本実施形態の異物除去装置1は、図1に示すように、箱状(筒状)のハウジング10と、ハウジング10の内部に配置された複数のエアブローノズル60とを備える。ハウジング10は、エアブローの対象物品であるワークWの入口となる第1開口11と、ワークWの出口となる第2開口12とを有する。エアブローノズル60は、第1開口11(入口)から第2開口12(出口)に向かってハウジング10内を移動するワークWに対し、エアAIRを吐出して、ワークWに付着している異物を除去する(吹き飛ばす)。
さらに、異物除去装置1は、ワークWを搬送する搬送装置70を備える。この搬送装置70は、ワークWを保持する保持部材73と、ハウジング10の第1開口11及び第2開口12を通じてハウジング10の内部を挿通する(通り抜ける)レール部材71とを備える。保持部材73は、ワークWを保持した状態で、図示しないアクチュエータによって、レール部材71に沿って搬送方向DH(図1において右方向)に搬送される(移動する)。これにより、ワークWが、第1開口11(入口)から第2開口12(出口)に向かってハウジング10内を移動する。なお、本実施形態では、搬送方向DHは、第1開口11及び第2開口12の軸線方向(軸線AXに沿う方向)のうち第1開口11から第2開口12に向かう方向に一致する。
また、ハウジング10の天井部(上面部)には、第3開口13が形成されている。この第3開口13には、ハウジング10の外部に設けられた図示しない送風機が接続されている。さらに、ハウジング10の底部(下面部)のうち第3開口13と対向する位置には、第4開口14が形成されている。この第4開口14には、ハウジング10の外部に設けられた図示しない集塵機が接続されている。この集塵機(図示なし)によって、第4開口14を通じて、ハウジング10内のエアがハウジング10の外部に向かって吸引される。
これにより、異物除去装置1では、ハウジング10の内部(第3開口13と第4開口14との間)において、第3開口13から第4開口14に向かう気流(ダウンフロー)を発生させることができる。このため、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによってワークWの表面から吹き飛ばされた異物を、ダウンフローによって第4開口14に集め、第4開口14を通じて外部の集塵機(図示なし)で収集することができる。
さらに、異物除去装置1は、第1開口11(ワークWの入口)側に、第1スリットエアノズル20を備える。この第1スリットエアノズル20は、ハウジング10内において第1開口11(ワークWの入口)よりも上方に設けられている。第1スリットエアノズル20は、ハウジング10の第1開口11(ワークWの入口)の軸線方向(第1開口11の軸線AXに沿う方向、図1及び図3において左右方向)に直交する第1方向D1(図1及び図2において下方)にエアAIRを吐出する第1吐出口21(細長いスリット形状をなす吐出口)を有する。第1吐出口21は、第1方向D1を向いている。なお、本実施形態では、第1方向D1は、鉛直方向下方に一致する。
この第1スリットエアノズル20は、ハウジング10の内部空間Sのうち第1開口11(ワークWの入口)に隣接する空間部分である第1空間S11(図1及び図3において二点鎖線で囲んだ空間)内に、第1吐出口21から吐出したエアAIRによって第1エアカーテンAC11(壁状の気流)を形成する(図1参照)。なお、第1エアカーテンAC11は、第1開口11の平面視で(図2に示すように、ハウジング10の外部から第1開口11を軸線方向に平面視すると)、第1開口11の全体と重なるように形成される(図4参照)。
さらに、異物除去装置1のハウジング10は、第1スリットエアノズル20の第1吐出口21の鉛直方向下方に位置する第1異物収集口15(集塵口)を備える(図1参照)。この第1異物収集口15は、第1開口11(ワークWの入口)よりも鉛直方向下方に形成されている。より具体的には、第1異物収集口15は、第1スリットエアノズル20の第1吐出口21との間に第1空間S11を挟んで位置し、第1方向D1(図1において下方)を向く第1吐出口21側(図1において上側)を向いて配置されている(第1吐出口21と向き合って配置されている)。
さらに、異物除去装置1は、第2スリットエアノズル30を備える。この第2スリットエアノズル30は、ハウジング10内において第1開口11(ワークWの入口)よりも側方に設けられている。第2スリットエアノズル30は、第2方向D2(図2において左方向)にエアAIRを吐出する第2吐出口31(細長いスリット形状をなす吐出口)を有する。第2方向D2は、ハウジング10の第1開口11(ワークWの入口)の軸線方向(第1開口11の軸線AXに沿う方向、図1及び図3において左右方向)に直交し、且つ、第1方向D1に交差する(具体的には直交する)方向である。第2吐出口31は、第2方向D2を向いている。
この第2スリットエアノズル30は、ハウジング10の内部空間Sのうち第1空間S11に対しハウジング10の内側(図1及び図3において右側)に隣接する第2空間S12(図1及び図3において二点鎖線で囲んだ空間)内に、第2吐出口31から吐出したエアAIRによって第2エアカーテンAC12(壁状の気流)を形成する。なお、第2エアカーテンAC12は、第1開口11の平面視で(図2に示すように、ハウジング10の外部から第1開口11を軸線方向に平面視すると)、第1開口11の全体と重なるように形成される(図4参照)。
さらに、異物除去装置1のハウジング10は、第2スリットエアノズル30の第2吐出口31の正面に位置する第2異物収集口17(集塵口)を備える。この第2異物収集口17は、第2スリットエアノズル30の第2吐出口31との間に第2空間S12を挟んで位置し、第2方向D2(図3において上方向)を向く第2吐出口31側(図3において下側)を向いて配置されている(第2吐出口31と向き合って配置されている)。
なお、第1エアカーテンAC11と第2エアカーテンAC12とは、図4に示すように、第1開口11の平面視で(ハウジング10の外部から第1開口11を軸線方向に平面視すると)、第1開口11の全体と重なるように形成される。また、第1エアカーテンAC11の気流方向は、第1開口11の平面視で、第2エアカーテンAC12の気流方向と交差する方向となる。但し、第1エアカーテンAC11と第2エアカーテンAC12とは、互いが衝突(接触)しないように、第1開口11の軸線方向に離間して、立体交差している。
また、エアブローノズル60は、ハウジング10の内部空間Sのうち第2空間S12よりもハウジング10の内側(図1において右側)に位置する空間部分において、ワークWに対しエアAIRを吐出して、ワークWに付着している異物を除去する。エアブローノズル60は、ハウジング10の内部空間Sのうち第2空間S12よりもハウジング10の内側(図1において右側)に位置する空間部分に配置されている。
以上のような構成を有する異物除去装置1では、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによって、ワークWに付着している異物を吹き飛ばした後、当該異物が第1開口11(ワークWの入口)に向かって飛散した場合に、当該異物が第1開口11を通じてハウジング10の外部に飛散するのを低減することができる。
具体的には、図3に示すように、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによってワークWの表面から吹き飛ばされ、ハウジング10の内側から第1開口11に向かって飛散してきた異物FMは、第2空間S12内(第2エアカーテンAC12内)に進入すると、第2エアカーテンAC12の気流に乗って第2異物収集口17に向かって進行し、第2異物収集口17内に集められ、第2異物収集口17に接続された図示しない外部の集塵機に吸引される。これにより、当該異物FMが第1開口11を通じてハウジング10の外部に飛散するのを防止できる。
但し、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによってワークWの表面から吹き飛ばされた異物FMが、第2エアカーテンAC12を通過してしまう場合もあり得る。例えば、図5に示すように、異物FMが肉薄の細長平板形状である場合において、当該異物FMの厚み方向が第2方向D2(第2エアカーテンAC12の気流方向)に直交する姿勢で当該異物が第2空間S12内(第2エアカーテンAC12内)に進入したときは、当該異物FMが第2エアカーテンAC12の気流を受ける面積が極めて小さくなる。図6には、異物FMが第2エアカーテンAC12の気流を受ける面M2を示しており、面M2の面積は極めて小さい。このような場合、異物FMが第2エアカーテンAC12を通過する可能性がある。なお、図5では、説明のために異物FMを大きく記載しているが、実際の異物FMは、微細な粉体(金属粉など)である。図6〜図8においても同様である。
しかしながら、当該異物FMが第2エアカーテンAC12を通過した場合でも、当該異物FMは、図5に示すように、第1空間S11内(第1エアカーテンAC11内)に進入した後、第1エアカーテンAC11の気流に乗って第1異物収集口15に向かって進行し、第1異物収集口15内に集められる。その理由は、第1エアカーテンAC11の気流方向は、第2エアカーテンAC12の気流方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)であるため、第2エアカーテンAC12内よりも第1エアカーテンAC11内のほうが、当該異物FMが気流を受ける面積を大きくすることができるからである。図7には、異物FMが第1エアカーテンAC11の気流を受ける面M1を示しており、面M1の面積は面M2の面積(図6参照)に比べて極めて大きい。このため、当該異物FMを、第1エアカーテンAC11の気流に乗せて第1方向D1に進行させることができ、第1異物収集口15内に集めて、第1異物収集口15に接続された図示しない外部の集塵機に吸引させることができる。これにより、当該異物FMが第1開口11を通じてハウジング10の外部に飛散するのを防止できる。
以上説明したように、本実施形態の異物除去装置1では、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによって、ワークW(対象物品)に付着している異物FMを吹き飛ばした後、当該異物FMが第1開口11(ワークWの入口)に向かって飛散した場合に、当該異物FMが第1開口11を通じてハウジング10の外部に飛散するのを低減することができる。
さらに、異物除去装置1は、第2開口12(ワークWの出口)側に、第1スリットエアノズル40を備える。この第1スリットエアノズル40は、ハウジング10内において第2開口12(ワークWの出口)よりも上方に設けられている。第1スリットエアノズル40は、ハウジング10の第2開口12(ワークWの出口)の軸線方向(図1及び図3において左右方向)に直交する第1方向D1(図1及び図2において下方)にエアAIRを吐出する第1吐出口41(細長いスリット形状をなす吐出口)を有する。第1吐出口41は、第1方向D1を向いている。
この第1スリットエアノズル40は、ハウジング10の内部空間Sのうち第2開口12に隣接する空間部分である第1空間S21(図1及び図3において二点鎖線で囲んだ空間)内に、第1吐出口41から吐出したエアAIRによって第1エアカーテンAC21(壁状の気流)を形成する(図1参照)。なお、第1エアカーテンAC21は、第2開口12の平面視で(ハウジング10の外部から第2開口12を軸線方向に平面視すると)、第2開口12の全体と重なるように形成される(図4参照)。
さらに、異物除去装置1のハウジング10は、第1スリットエアノズル40の第1吐出口41の鉛直方向下方に位置する第1異物収集口16(集塵口)を備える(図1参照)。この第1異物収集口16は、第2開口12(ワークWの出口)よりも鉛直方向下方に形成されている。より具体的には、第1異物収集口16は、第1スリットエアノズル40の第1吐出口41との間に第1空間S21を挟んで位置し、第1方向D1(図1において下方)を向く第1吐出口41側(図1において上側)を向いて配置されている(第1吐出口41と向き合って配置されている)。
さらに、異物除去装置1は、第2開口12(ワークWの出口)側に、第2スリットエアノズル50を備える。この第2スリットエアノズル50は、ハウジング10内において第2開口12よりも側方に設けられている。第2スリットエアノズル50は、ハウジング10の第2開口12の軸線方向(図1及び図3において左右方向)に直交し、且つ、第1方向D1に交差する(具体的には直交する)第2方向D2(図3において上方向)にエアAIRを吐出する第2吐出口51(細長いスリット形状をなす吐出口)を有する。第2吐出口51は、第2方向D2を向いている。
この第2スリットエアノズル50は、ハウジング10の内部空間Sのうち第1空間S21に対しハウジング10の内側(図1及び図3において左側)に隣接する第2空間S22(図1及び図3において二点鎖線で囲んだ空間)内に、第2吐出口51から吐出したエアAIRによって第2エアカーテンAC22(壁状の気流)を形成する。なお、第2エアカーテンAC22は、第2開口12の平面視で(ハウジング10の外部から第2開口12を軸線方向に平面視すると)、第2開口12の全体と重なるように形成される(図4参照)。
さらに、異物除去装置1のハウジング10は、第2スリットエアノズル50の第2吐出口51の正面に位置する第2異物収集口18(集塵口)を備える。この第2異物収集口18は、第2スリットエアノズル30の第2吐出口31との間に第2空間S22を挟んで位置し、第2方向D2(図3において上方向)を向く第2吐出口51側(図3において下側)を向いて配置されている(第2吐出口51と向き合って配置されている)。
なお、第1エアカーテンAC21と第2エアカーテンAC22とは、図4に示すように、第2開口12の平面視で(ハウジング10の外部から第2開口12を軸線方向に平面視すると)、第2開口12の全体と重なるように形成される。また、第1エアカーテンAC21の気流方向は、第2開口12の平面視で、第2エアカーテンAC22の気流方向と交差する方向となる。但し、第1エアカーテンAC21と第2エアカーテンAC22とは、互いが衝突(接触)しないように、第2開口12の軸線方向に離間して、立体交差している。
また、エアブローノズル60は、ハウジング10の内部空間Sのうち第2空間S22よりもハウジング10の内側(図1において左側)に位置する空間部分において、ワークWに対しエアAIRを吐出して、ワークWに付着している異物を除去する。エアブローノズル60は、ハウジング10の内部空間Sのうち第2空間S22よりもハウジング10の内側(図1において左側)に位置する空間部分に配置されている。
以上のような構成を有する異物除去装置1では、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによって、ワークWに付着している異物を吹き飛ばした後、当該異物が第2開口12(ワークWの出口)に向かって飛散した場合に、当該異物が第2開口12を通じてハウジング10の外部に飛散するのを低減することができる。
具体的には、図3に示すように、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによってワークWの表面から吹き飛ばされ、ハウジング10の内側から第2開口12に向かって飛散してきた異物FMは、第2空間S22内(第2エアカーテンAC22内)に進入すると、第2エアカーテンAC22の気流に乗って第2異物収集口18に向かって進行し、第2異物収集口18内に集められ、第2異物収集口18に接続された図示しない外部の集塵機に吸引される。これにより、当該異物FMが第2開口12を通じてハウジング10の外部に飛散するのを防止できる。
但し、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによってワークWの表面から吹き飛ばされた異物FMが、第2エアカーテンAC12を通過してしまう場合もあり得る。例えば、図8に示すように、異物FMが肉薄の細長平板形状である場合において、当該異物FMの厚み方向が第2方向D2(第2エアカーテンAC22の気流方向)に直交する姿勢で当該異物が第2空間S22内(第2エアカーテンAC22内)に進入したときは、当該異物FMが第2エアカーテンAC22の気流を受ける面積が極めて小さくなるため(図6参照)、異物FMが第2エアカーテンAC12を通過する可能性がある。
しかしながら、当該異物FMが第2エアカーテンAC12を通過した場合でも、当該異物FMは、図8に示すように、第1空間S21内(第1エアカーテンAC21内)に進入した後、第1エアカーテンAC21の気流に乗って第1異物収集口16に向かって進行し、第1異物収集口16内に集められる。その理由は、第1エアカーテンAC21の気流方向は、第2エアカーテンAC22の気流方向と交差する方向(具体的には、直交する方向)であるため、第2エアカーテンAC22内よりも第1エアカーテンAC21内のほうが、当該異物FMが気流を受ける面積を大きくすることができるからである(図7参照)。このため、当該異物FMを、第1エアカーテンAC21の気流に乗せて第1方向D1に進行させることができ、第1異物収集口16内に集めて、図示しない外部の集塵機に吸引させることができる。これにより、当該異物FMが第2開口12を通じてハウジング10の外部に飛散するのを防止できる。
以上説明したように、本実施形態の異物除去装置1では、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによって、ワークW(対象物品)に付着している異物FMを吹き飛ばした後、当該異物FMが第2開口12(ワークWの出口)に向かって飛散した場合に、当該異物FMが第2開口12を通じてハウジング10の外部に飛散するのを低減することができる。
次に、異物除去装置1を用いた異物除去工程について説明する。図9及び図10は、実施形態にかかる異物除去工程を説明する図であり、ワークWが第1開口11を通じてハウジング10内に進入するときの状態を示している。なお、図9は側面視、図10は上面視である。また、図11及び図12は、実施形態にかかる異物除去工程を説明する他の図であり、ハウジング10内においてワークWの洗浄(異物除去)が行われているときの状態を示している。なお、図11は側面視、図12は上面視である。また、図13及び図14は、実施形態にかかる異物除去工程を説明する他の図であり、ワークWが第2開口12を通じてハウジング10の外に退出するときの状態を示している。なお、図13は側面視、図14は上面視である。
まず、保持部材73により保持されたワークWは、レール部材71に沿って搬送方向DH(図9及び図10において右方向)に搬送され(移動し)、第1開口11(入口)を通じてハウジング10内に進入してゆく。このとき、第1スリットエアノズル20,40及び第2スリットエアノズル30,50からのエアの吐出は停止されており、第1エアカーテンAC11,AC21、及び、第2エアカーテンAC12,AC22は形成されていない。また、エアブローノズル60からのエアの吐出も停止されている。一方、ハウジング10の第3開口13から第4開口14に向かう気流(ダウンフロー)は発生させている(図9及び図10参照)。なお、ダウンフローの風速は、例えば、6m/s程度に設定される。
その後、ワークWが、ハウジング10内に進入して、所定の洗浄開始位置に到達すると、第1スリットエアノズル20,40及び第2スリットエアノズル30,50からエアAIRの吐出を開始して、第1エアカーテンAC11,AC21、及び、第2エアカーテンAC12,AC22を形成する(図11及び図12参照)。さらに、エアブローノズル60からのエアAIRの吐出も開始して、第1開口11(入口)から第2開口12(出口)に向かってハウジング10内を移動するワークWに対し、エアAIRを吐出して、ワークWに付着している異物FMを除去する(吹き飛ばす)。
なお、第1スリットエアノズル20,40の第1吐出口21,41及び第2スリットエアノズル30,50の第2吐出口31,51から吐出されるエアの吐出圧は、例えば、80kPaに設定される。この場合、第1スリットエアノズル20,40の第1吐出口21,41及び第2スリットエアノズル30,50の第2吐出口31,51における風速は、200m/s程度になる。また、エアブローノズル60から吐出されるエアの吐出圧は、例えば、50kPaに設定される。この場合、エアブローノズル60の吐出口における風速は、160m/s程度になる。
このとき、エアブローノズル60から吐出したエアAIRによってワークWの表面から吹き飛ばされた異物FMは、ハウジング10の第3開口13から第4開口14に向かうダウンフローによって第4開口14に集められ、第4開口14を通じて外部の集塵機(図示なし)に吸引される(図11参照)。但し、ダウンフローによって第4開口14内に収集されることなく、ハウジング10の第1開口11に向かって飛散し、第2空間S12内(第2エアカーテンAC12内)に進入した異物FMは、第2エアカーテンAC12の気流に乗って第2異物収集口17に向かって進行し、第2異物収集口17内に集められ、図示しない外部の集塵機に吸引される(図12参照)。さらに第2エアカーテンAC12を通過して、第1空間S11内(第1エアカーテンAC11内)に進入した異物FMは、第1エアカーテンAC11の気流に乗って第1異物収集口15に向かって進行し、第1異物収集口15内に集められ、図示しない外部の集塵機に吸引される(図11参照)。これにより、異物FMが第1開口11を通じてハウジング10の外部に飛散するのを防止できる。
あるいは、ダウンフローによって第4開口14内に収集されることなく、ハウジング10の第2開口12に向かって飛散し、第2空間S22内(第2エアカーテンAC22内)に進入した異物FMは、第2エアカーテンAC22の気流に乗って第2異物収集口18に向かって進行し、第2異物収集口18内に集められ、図示しない外部の集塵機に吸引される(図12参照)。さらに第2エアカーテンAC22を通過して、第1空間S21内(第1エアカーテンAC21内)に進入した異物FMは、第1エアカーテンAC21の気流に乗って第1異物収集口16に向かって進行し、第1異物収集口16内に集められ、図示しない外部の集塵機に吸引される(図11参照)。これにより、異物FMが第2開口12を通じてハウジング10の外部に飛散するのを防止できる。
その後、ハウジング10内を搬送方向DHに移動するワークWが、所定の洗浄終了位置に到達すると、エアブローノズル60からのエアAIRの吐出を停止する。そして、ワークWが第2開口12を通じてハウジング10の外に退出するときは、第1スリットエアノズル20,40及び第2スリットエアノズル30,50からのエアAIRの吐出を停止して、第1エアカーテンAC11,AC21、及び、第2エアカーテンAC12,AC22の形成を停止する(図13及び図14)。ワークWが第2開口12を通じてハウジング10の外に退出することで、異物除去工程が終了する。
(スリットエアノズルの吐出口スリット幅及び吐出圧の好ましい値の検討)
次に、第1スリットエアノズル20,40の第1吐出口21,41及び第2スリットエアノズル30,50の第2吐出口31,51のスリット幅の好ましい値を検討した。また、第1スリットエアノズル20,40の第1吐出口21,41及び第2スリットエアノズル30,50の第2吐出口31,51から吐出されるエアの吐出圧の好ましい値も検討した。なお、本実施形態では、第1スリットエアノズル20,40及び第2スリットエアノズル30,50は、いずれも同等のスリットエアノズルであるため、ここでは、1つのスリットエアノズル(第2スリットエアノズル30)について実験を行った。
具体的には、まず、ワークWを用意し、その重量(第1重量とする)を測定する。次いで、このワークWに対し、意図的に異物を付着させた後、当該ワークWの重量(第2重量とする)を測定する。そして、第2重量から第1重量を差し引いた値を、付着異物重量とする。
次いで、当該ワークWを、異物除去装置により洗浄(エアブローノズル60から吐出したエアで異物除去)した。但し、本実験で使用した異物除去装置は、実施形態の異物除去装置1と比較して、ハウジングの第2開口が存在せず(閉塞されている)、第1開口側には、スリットエアノズルとして第2スリットエアノズル30のみを設けている点が異なっている。従って、本実験では、第2スリットエアノズル30によって第2エアカーテンAC12を形成した状態で、エアブローノズル60からエアを吐出して、ワークWを洗浄(ワークWから異物を除去)した。
本実験用の異物除去装置によりワークWを洗浄したときに、第2エアカーテンAC12を通過してハウジングの第1開口からハウジングの外部に飛散した異物を収集し、その重量を測定した。当該重量(第2エアカーテンAC12を通過してハウジングの外部に飛散した異物の重量)を、通過異物重量とする。そして、以下の演算式により、異物通過率(ワークに付着させた異物のうち第1開口を通じてハウジングの外部に飛散した異物の割合)を求めた。
異物通過率(%)=(通過異物重量/付着異物重量)×100
なお、本実験では、第2スリットエアノズル30として、第2吐出口31のスリット幅を、0.1mm、0.5mm、1.0mm、2.0mmと異ならせた、4種類の第2スリットエアノズル30を用意した。そして、それぞれの第2スリットエアノズル30で第2エアカーテンAC12を形成した場合について、異物通過率を求めている。但し、4種類の第2スリットエアノズル30について、それぞれ、エアの吐出圧を、30kPa、50kPa、80kPaの3種類に異ならせている。本実験の結果を図15に示す。なお、図15の相関図では、「第2スリットエアノズル30の第2吐出口31のスリット幅」を横軸とし、「異物通過率」を縦軸としている。
図15からわかるように、吐出圧が高いほど、異物通過率を低下させることができる。従って、吐出圧は、80kPaとするのが好ましいといえる。
さらに、吐出圧80kPaとした場合において、スリット幅を大きくするほど、異物通過率を低下させることができるが、0.5mm以上の範囲では、異物通過率の値は大きく変わらない。一方、スリット幅を大きくするほど、エア消費量は増大し、エネルギー費が増大する。費用対効果を考慮すると、スリット幅は0.5mmとするのが好ましいといえる。
ところで、図15からわかるように、いずれの条件としても、異物通過率を0%にすることができなかった。その理由は、ハウジングの第1開口側に、スリットエアノズルとして、第2スリットエアノズル30しか設けていないからであると考えられる。すなわち、前述したように、図5に示すように、異物FMが肉薄の細長平板形状である場合において、当該異物FMの厚み方向が第2方向D2(第2エアカーテンAC12の気流方向)に直交する姿勢で当該異物が第2空間S12内(第2エアカーテンAC12内)に進入したときは、当該異物FMが第2エアカーテンAC12の気流を受ける面積が極めて小さくなる。このため、当該異物FMが、第2エアカーテンAC12の気流に乗ることなく、第2エアカーテンAC12を通過して、第1開口を通じてハウジングの外部に飛散したと考えられる。
(2つのスリットエアノズルの好ましい配置条件の検討)
次に、先の実験結果を踏まえて、先の実験で使用した異物除去装置に対し、ハウジングの第1開口側に、スリットエアノズルとして、第2スリットエアノズル30に加えて、第1スリットエアノズル20を設けた異物除去装置を用いて、先の実験と同様にして実験を行い、前述のようにして異物透過率を求めた。すなわち、第2スリットエアノズル30によって第2エアカーテンAC12を形成すると共に、第1スリットエアノズル20によって第1エアカーテンAC11を形成した状態で実験を行い、前述のようにして異物透過率を求めた。なお、第1スリットエアノズル20の第1吐出口21及び第2スリットエアノズル30の第2吐出口31のスリット幅は、いずれも0.5mmとしている。また、エア吐出圧は、共に80kPaとしている。
なお、本実験では、第1方向D1(第1スリットエアノズル20の第1吐出口21からエアを吐出する方向、すなわち第1吐出口21の向き)に対し、第2方向D2(第2スリットエアノズル30の第2吐出口31からエアを吐出する方向、すなわち第2吐出口31の向き)がなす角度を、0°、30°、60°、90°の4種類に異ならせたそれぞれの場合について、異物通過率を求めている。但し、第1方向D1及び第2方向D2は、いずれも、第1開口11の軸線方向に直交する方向としている。また、第1方向D1は、鉛直方向下方に固定している。本実験結果を図16に示す。なお、図16の相関図では、「第1方向D1に対し第2方向D2がなす角度」を横軸とし、「異物通過率」を縦軸としている。
図16からわかるように、第1方向D1と第2方向D2とのなす角度を大きくするにしたがって、異物通過率を低下させることができる。
詳細には、なす角度を0°とした場合(第2スリットエアノズル30からのエア吐出方向である第2方向D2を、第1スリットエアノズル20からのエア吐出方向である第1方向と同じにした場合)は、異物低下率は約18%となり、先の実験で第2スリットエアノズル30により第2エアカーテンAC12のみを形成した(図15参照)場合と比べて、異物透過率はあまり変わらなかった。
これに対し、なす角度を30°とすることで、異物透過率を約10%にまで低下させることができた。さらに、なす角度を60°とすることで、異物透過率を約3%にまで低下させることができた。そして、なす角度を90°とすることで、異物通過率を0%にすることができた。すなわち、第1方向D1と第2方向D2とのなす角度を90°として、第1エアカーテンAC11と第2エアカーテンAC12とを形成した状態で、ワークWの異物除去を行うことで、第1開口11を通じてハウジングの外部に異物が飛散するのを防止することができた。この結果より、第1方向D1は、第2方向D2に対し、30〜90°の角度をなす方向とするのが好ましく、さらには、60〜90°の範囲内の角度をなす方向とするのがより好ましく、特に、90°の角度をなす方向とするのが良いといえる。
(変形形態)
次に、本発明の変形形態について説明する。
実施形態の異物除去装置1では、図17に示すように、第1エアカーテンAC21と第2エアカーテンAC22との間に、渦気流V(空気の渦)が発生することがあった。同様に、第1エアカーテンAC11と第2エアカーテンAC12との間にも、渦気流(空気の渦)が発生することがあった。
第1エアカーテンAC21と第2エアカーテンAC22との間に渦気流Vが発生していると、エアブローノズル60から吐出したエアによってワークWの表面から吹き飛ばされた異物が、第2エアカーテンAC22を通過した場合、渦気流Vにトラップ(捕捉)されて、第1エアカーテンAC21の気流によって第1異物収集口16内に収集できなくなる虞がある。このような状態で、異物除去を終えたワークWが第2開口12に接近すると、除去した異物が再びワークWに付着する虞がある。このため、渦気流Vの発生を防止する手段を設けることが好ましい。
渦気流Vは、図17に示すように、第1エアカーテンAC21と第2エアカーテンAC22との間の空間(間隙G)のうち、第1スリットエアノズル40の第1吐出口41と第2スリットエアノズル50の第2吐出口51の両方に近い箇所(空間部分SAとする)に発生する。すなわち、渦気流Vは、第1エアカーテンと第2エアカーテンとの間の空間(間隙G)のうち、第1エアカーテンの上流側で且つ第2エアカーテンの上流側である空間部分SAに発生する。従って、この空間部分SAにおいて、第1方向D1または第2方向D2に向けてエアを吐出して気流を発生させることで、気流を整流化して、渦気流Vの発生を防止することができると考えられる。
そこで、本変形形態では、図18に示すように、ハウジング10の第2開口12側で、第2方向D2にエアAIRを吐出する渦対策エアノズル90を、複数設けた。この渦対策エアノズル90は、第1エアカーテンAC21と第2エアカーテンAC22との間の空間(間隙G)のうち、第1エアカーテンAC21の上流側で且つ第2エアカーテンAC22の上流側である空間部分SA内に、第2方向D2に向かう気流を発生させる。
さらに、ハウジング10の第1開口11側にも、第2方向D2にエアAIRを吐出する渦対策エアノズル90を、複数設けた。この渦対策エアノズル90は、第1エアカーテンAC11と第2エアカーテンAC12との間の空間(間隙)のうち、第1エアカーテンAC11の上流側で且つ第2エアカーテンAC12の上流側である空間部分SA内に、第2方向D2に向かう気流を発生させる。
このような渦対策エアノズル90を設けることで、渦気流Vの発生を防止することができる。
なお、本変形形態では、渦対策エアノズルとして、第2方向D2にエアを吐出して、空間部分SA内を第2方向D2に進む気流を発生させる渦対策エアノズル90を設けたが、渦対策エアノズルとして、第1方向D1にエアを吐出して、空間部分SA内を第1方向D1に進む気流を発生させる渦対策エアノズルを設けるようにしても良い。
また、図18には、第1スリットエアノズル40と第2スリットエアノズル50と渦対策エアノズル90とを、別個独立で設けた例を示した。しかしながら、第1スリットエアノズル40と第2スリットエアノズル50と渦対策エアノズル90とを一体にした(ユニット化した)ノズルユニットを設けるようにしても良い。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は前記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、実施形態では、ハウジング10の第1開口11(入口)側と第2開口12(出口)側の両方に、第1スリットエアノズル及び第2スリットエアノズルを設けた。しかしながら、本発明では、第1開口11(入口)側及び第2開口12(出口)側のいずれか一方に、第1スリットエアノズル及び第2スリットエアノズルを設けるようにしても良い。
また、実施形態では、ワークWがハウジング10内に進入した後、第1エアカーテンAC11,AC21、及び、第2エアカーテンAC12,AC22の形成を開始し、ワークWがハウジング10の外に退出するときには、第1エアカーテンAC11,AC21、及び、第2エアカーテンAC12,AC22の形成を終了するようにしたが、このような態様に限定されない。例えば、異物除去装置を作動させている期間は、常に、第1エアカーテンAC11,AC21、及び、第2エアカーテンAC12,AC22を形成しているようにしても良い。
1 異物除去装置
10 ハウジング
11 第1開口(入口)
12 第2開口(出口)
15,16 第1異物収集口
17,18 第2異物収集口
20,40 第1スリットエアノズル
21,41 第1吐出口
30,50 第2スリットエアノズル
31,51 第2吐出口
60 エアブローノズル
70 搬送装置
90 渦対策エアノズル
AIR エア
AC11,AC21 第1エアカーテン
AC12,AC22 第2エアカーテン
AX 開口の軸線
D1 第1方向
D2 第2方向
DH ワークの搬送方向(移動方向)
FM 異物
S ハウジングの内部空間
S11,S21 第1空間
S12,S22 第2空間
W ワーク(対象物品)

Claims (1)

  1. エアブローにより対象物品の異物除去を行う異物除去装置において、
    前記対象物品の入口または出口となる開口を有するハウジングと、
    前記入口から前記出口に向かって前記ハウジング内を移動する前記対象物品に対し、エアを吐出して、前記対象物品に付着している異物を除去するエアブローノズルと、
    前記開口の軸線方向に直交する第1方向にエアを吐出する第1吐出口を有し、前記ハウジングの内部空間のうち前記ハウジングの前記開口に隣接する第1空間内に、前記第1吐出口から吐出したエアによって第1エアカーテンを形成する第1スリットエアノズルと、
    前記第1吐出口との間に前記第1空間を挟んで位置し、前記第1方向を向く前記第1吐出口側を向いて配置された第1異物収集口と、
    前記開口の軸線方向に直交し且つ前記第1方向に交差する第2方向にエアを吐出する第2吐出口を有し、前記ハウジングの内部空間のうち前記第1空間に対し前記ハウジングの内側に隣接する第2空間内に、前記第2吐出口から吐出したエアによって第2エアカーテンを形成する第2スリットエアノズルと、
    前記第2吐出口との間に前記第2空間を挟んで位置し、前記第2方向を向く前記第2吐出口側を向いて配置された第2異物収集口と、を備え、
    前記第1エアカーテン及び前記第2エアカーテンは、前記開口の平面視で、前記開口の全体と重なる
    異物除去装置。
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