JP2017188612A - 電子部品の製造方法および電子部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 素子または基板への表面電極の接合強度が高い電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】 基板1を準備する工程と、基板1の表面に表面電極2(ランド電極2a、配線電極2b)を形成する工程と、を備え、表面電極2を形成している途中、または、表面電極2を形成した後に、表面電極2および基板1の少なくとも一方に、電磁波を照射し、表面電極2に含まれる金属の一部を基板1に拡散させる工程を、更に備えるようにした。
【選択図】 図1

Description

本発明は電子部品の製造方法に関し、更に詳しくは、素子または基板への表面電極の接合強度が高い電子部品の製造方法に関する。
また、本発明は電子部品に関し、更に詳しくは、素子または基板への表面電極の接合強度が高い電子部品に関する。
素子の表面に表面電極(端子電極)が形成された電子部品や、基板の表面に配線電極、ランド電極等の表面電極が形成された電子部品(基板を使用した基板部品)が、電子機器等に広く使用されている。
近年、電子機器等においては、市場ニーズとして、小型化が求められる傾向にある。そして、この電子機器等への小型化への要求に伴い、電子機器等に使用される電子部品に対しても、小型化が求められている。
電子部品を小型化した場合、素子や基板に対する表面電極の接合強度の不足が問題になる場合があった。すなわち、電子部品を小型化するために、素子や基板を小型化した場合、必然的に表面電極の面積も小さくしなければならならず、素子や基板と表面電極との絶対的な接合面積の不足が問題になる場合があった。
たとえば、素子の表面に実装用の表面電極が形成されたチップ状の電子部品を、リフローはんだ等により基板に実装した実装構造において、従来の大きさの電子部品であれば問題のなかった程度の外力が加わることによって、小型化された電子部品においては、素子から表面電極が剥離してしまう場合があった。すなわち、素子と表面電極との絶対的な接合面積が不足することにより、素子から表面電極が剥離してしまう場合があった。
この問題を解決する方法として、表面電極を形成する前に、素子や基板の表面をエッチングして、表面粗さを大きくする方法があった。すなわち、素子や基板と表面電極との接合面積の不足を、素子や基板の表面の表面粗さを大きくし、素子や基板と表面電極との単位面積当たりの接合強度を高めることによって補い、表面電極が素子や基板から剥離してしまうのを防止する方法があった。
一方、分野の異なる光学部品等の技術領域において、カルコゲナイドガラスに対して金属をドーピングする技術が研究されている。
たとえば、非特許文献1(「東海大学大学院 平成25年度博士論文 カルコゲナイドガラスのフォトドーピングに関する研究」)には、そのようなカルコゲナイドガラスに対する金属のドーピング技術が開示されている。
非特許文献1の方法では、たとえば、次の方法でドーピングをおこなう。まず、ガラス基板を準備する。次に、ガラス基板の表面に、真空蒸着等により、たとえば非晶質GeS膜(カルコゲナイドガラス膜)を形成する。次に、必要に応じて、非晶質GeS膜をアニールする。次に、非晶質GeS膜の表面に、真空蒸着等により、たとえばAg膜を形成する。次に、光を照射して、Ag膜のAgを非晶質GeS膜にドーピングする。
金属(Ag)がドーピングされたカルコゲナイドガラス(非晶質GeS)は、光学的性質等が変化する。そして、その性質を利用して、光学部品等を作製することができる。たとえば、カルコゲナイドガラスに金属を線路状にドーピングすることにより、そのドーピングされた部分を光導波路として使用することができる。
「東海大学大学院 平成25年度博士論文 カルコゲナイドガラスのフォトドーピングに関する研究」(東海大学大学院 総合理工学研究所 総合理工学専攻 村上佳久)
素子や基板と表面電極との接合強度を高めるために、素子や基板の表面を予めエッチングしたうえで、素子や基板に表面電極を形成する上述した従来の方法には、次のような問題があった。
まず、素子や基板の表面にエッチングを施すことにより、電子部品の電気的特性が劣化してしまう虞があった。たとえば、電子部品がキャパシタである場合には、容量が低下してしまう虞があった。
また、素子や基板の表面にエッチングを施すことにより、電子部品の耐湿性が劣化してしまう虞があった。
更に、素子や基板の表面にエッチングを施すことにより、形成された表面電極の表面にピット(微細な窪み)が発生し、電子部品の表面電極に外観不良が発生する虞があった。
本発明は、上述した従来の問題を解決するためになされたものである。その手段として、本発明の電子部品の製造方法は、素子を準備する工程と、素子の表面に表面電極を形成する工程と、を備え、表面電極を形成している途中、または、表面電極を形成した後に、表面電極および素子の少なくとも一方に電磁波を照射し、表面電極に含まれる金属成分の一部を素子に拡散させる工程を更に備えるようにした。
また、上述した従来の問題を解決するために、別の本発明の電子部品の製造方法(請求項2に記載された電子部品の製造方法)は、基板を準備する工程と、基板の表面に表面電極を形成する工程と、を備え、表面電極を形成している途中、または、表面電極を形成した後に、表面電極および基板の少なくとも一方に電磁波を照射し、表面電極に含まれる金属の一部を基板に拡散させる工程を更に備えるようにした。
すなわち、本発明の電子部品の製造方法は、上述したカルコゲナイドガラスに対する金属のドーピング技術に着想を得たものであり、表面電極を形成している途中、または、表面電極を形成した後に、表面電極(および/または素子、基板)に電磁波を照射し、表面電極に含まれる金属成分の一部を素子または基板に拡散させることにより、素子または基板と表面電極との接合強度を高めるようにした。なお、接合強度は、表面電極の金属の一部が素子または基板に僅かに拡散するだけで高まるため、素子や基板の材質は、ドーピング効率の高いカルコゲナイドガラスには限定されず、セラミック、ガラスセラミック、非カルコゲナイドのガラス等、種々の材質を選択することができる。
表面電極に含まれる金属には、たとえば、Ag、CuおよびNiから選ばれる1種以上の金属を選択することができる。
上述したとおり、素子または基板の主成分には、たとえば、セラミック、ガラスセラミックおよびガラスのいずれかを選定することができる。
電磁波の波長は、たとえば、330nm以上、550nm以下とすることができる。この場合には、素子または基板と表面電極との接合強度を十分に高めることができる。
表面電極への電磁波の照射時間は、たとえば、10分以上、60分以下でとすることができる。この場合には、素子または基板と表面電極との接合強度を十分に高めることができる。また、表面電極の品質が劣化することもない。
表面電極に照射される電磁波は、たとえば、レーザーによって励起されたもの、または、高圧水銀灯によって励起された後にバンドパスフィルタを透過したものを使用することができる。
なお、表面電極は、金属からなるナノ微粒子が保護分子層によって被覆されたナノインクを使って形成しても良い。
また、上述した従来の問題を解決するために、本発明の電子部品は、表面電極に含まれる金属の一部が、素子または基板に拡散されたものとした。
本発明の電子部品の製造方法によれば、素子または基板への表面電極の接合強度を高めることができる。
また、本発明の電子部品は、素子または基板への表面電極の接合強度が高い。
図1(A)は、第1実施形態にかかるセラミック多層基板100を示す斜視図である。図1(B)は、セラミック多層基板100の使用方法の一例を示す斜視図である。 図2(A)〜(C)は、それぞれ、実験1、実験2における基板と表面電極との接合強度の測定方法を示す説明図(斜視図)である。 第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200を示す斜視図である。 実験3における素子と表面電極との接合強度の測定方法を示す説明図(斜視図)である。 第3実施形態にかかるセラミック基板300を示す斜視図である。
以下、図面とともに、本発明を実施するための形態について説明する。
なお、各実施形態は、本発明の実施の形態を例示的に示したものであり、本発明が実施形態の内容に限定されることはない。また、異なる実施形態に記載された内容を組合せて実施することも可能であり、その場合の実施内容も本発明に含まれる。また、図面は、実施形態の理解を助けるためのものであり、必ずしも厳密に描画されていない場合がある。たとえば、描画された構成要素ないし構成要素間の寸法の比率が、明細書に記載されたそれらの寸法の比率と一致していない場合がある。また、明細書に記載されている構成要素が、図面において省略されている場合や、個数を省略して描画されている場合などがある。
[第1実施形態]
図1(A)に、第1実施形態にかかる電子部品として、セラミック多層基板100を示す。
セラミック多層基板100は、基板1を備える。基板1は、低温同時焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)を主成分とする複数のセラミック層1aが積層されたものからなる。
基板1の上側主面の表面には、ランド電極2a、配線電極2bからなる表面電極2が形成されている。ランド電極2aとは、セラミック多層基板100に、他の電子部品を実装するための電極である。配線電極2bとは、たとえば、ランド電極2aどうしを接続する電極である。
また、基板1の下側主面の表面には、図示しないが、実装用電極2cからなる表面電極2が形成されている。実装用電極2cとは、セラミック多層基板100を、他の基板等に実装するための電極である。
本実施形態においては、表面電極2は、Cuを主成分とする金属からなり、更に表面に、第1層がNiめっき層、第2層がSnめっき層からなる2層のめっき層が形成されている。
基板1の内部には、図示しないが、内部電極として、セラミック層1aの層間に、配線電極、キャパシタ電極、インダクタ電極が形成され、セラミック層1aを貫通して、ビア電極が形成されている。本実施形態においては、内部電極は、Cuを主成分とする金属からなる。そして、キャパシタ電極によりキャパシタが形成され、インダクタ電極によりインダクタが形成されている。なお、これらのキャパシタやインダクタは必須のものではなく、いずれか一方、あるいは両方を省略することもできる。
次に、セラミック多層基板100の使用方法の一例について説明する。
セラミック多層基板100は、たとえば、図1(B)に示すように、基板1の上側主面に形成されたランド電極2aに、電子部品3a、3b、3cが実装されて、電子部品モジュールを作製するのに使用される。作製された電子部品モジュールは、電子部品3a、3b、3cや、基板1の内部に形成されたキャパシタやインダクタによって、所望の電子回路が構成されている。なお、基板1の内部に形成される素子は、キャパシタやインダクタには限定されず、抵抗やその他の素子であっても良い。また、基板1に実装される電子部品3a、3b、3cの種類や個数も任意である。
次に、セラミック多層基板100の製造方法の一例について説明する。
まず、低温同時焼成セラミック(LTCC:Low Temperature Co-fired Ceramics)を準備する。具体的には、たとえば、アルミナ・セラミックにガラス成分を混合したガラスセラミック粉末を準備する。
次に、低温同時焼成セラミック粉末にバインダ、溶剤等を混合し、セラミックラリーを作製する。
次に、セラミックラリーを使い、たとえばドクターブレード法によって、複数のセラミックグリーンシートを作製する。
次に、セラミックグリーンシートに、必要に応じて、たとえばレーザーを照射する等して、ビア電極用の穴を形成する。続いて、セラミックグリーンシートの主面に、Cuを主成分とする導電性ペーストを塗布し、必要に応じて、所望のパターンからなる電極を形成する。このとき、同時に、ビア電極用の穴に導電性ペーストを充填する。なお、導電性ペーストの主成分は、Cuに代えて、Ag、Ni等、他の種類の金属であっても良い。あるいは、これらの金属を含む合金であっても良い。
次に、複数のセラミックグリーンシートを、所望の順番に積層し、加圧して一体化し、未焼成の積層体を作製する。
次に、未焼成の積層体を、所定のプロファイルで焼成して、基板1を作製する。基板1の上側主面の表面には、ランド電極2a、配線電極2bからなる表面電極2が形成されている。また、基板1の下側主面の表面には、実装用電極2cからなる表面電極2が形成されている。
次に、Cuを主成分とする金属からなる表面電極2の上に、更に、表面電極2の一部として、電解めっきによりめっき層を形成する。まず、第1層としてNiめっき層を形成し、続いて、第2層としてSnめっき層を形成する。
次に、表面電極2に電磁波を照射し、表面電極2に含まれる金属(Cu)の一部を、基板1に拡散させる。電磁波の照射は、表面電極2と基板1との両方に対しておこなっても良く、あるいは、表面電極2の代わりに基板1に対しておこなっても良い。
本実施形態においては、InGaAlN系半導体レーザーダイオードによって励起された、波長405.0nmの電磁波を、表面電極2に対して照射する。
なお、電磁波の波長は任意であるが、330nm以上、550nm以下であることが好ましい。すなわち、本実施形態にかかるセラミック多層基板100の製造に先立ち、照射する電磁波の波長を決定するために、以下に説明する実験1を実施した。
(実験1)
第1実施形態のセラミックグリーンシートと同じセラミックグリーンシートを複数作製した。次に、複数のセラミックグリーンシートを積層し、加圧して、8個の未焼成の積層体を作製した。なお、各セラミックグリーンシートには、ビア電極用の穴は形成しなかった。また、最上層に積層されたセラミックグリーンシートの上側主面の全面にCuを主成分とする導電性ペーストを塗布したが、他のセラミックグリーンシートには導電性ペーストを塗布しなかった。次に、8個の未焼成の積層体を、第1実施形態と同じプロファイルで焼成し、表面に表面電極12が形成された基板11を作製した。次に、表面電極12上に、更に表面電極12の一部として、電解めっきにより、Niめっき層を形成し、続いてNiめっき層の上にSnめっき層を形成し、試料1〜8にかかる8個のセラミック多層基板を得た。完成したセラミック多層基板の基板11の寸法は、縦が40mm、横が40mm、厚みが10mmであった。なお、表面電極12の、Cuを主成分とする金属部分の厚みは20μm、めっき層の厚みは2層の合計で5.0μmであった。
次に、試料2〜8にかかるセラミック多層基板の表面電極12に対し、それぞれ、波長の異なる電磁波を900秒照射した。なお、試料1にかかるセラミック多層基板の表面電極12に対しては、電磁波を照射しなかった。表1に、各試料にかかるセラミック多層基板に照射した電磁波の波長と、その電磁波の励起方法(励起手段)を示す。
Figure 2017188612
次に、電磁波を照射した後の、各試料にかかるセラミック多層基板の、表面電極12の外観と、基板11と表面電極12との接合強度とを評価した。
表面電極12の外観の評価は、1000倍の顕微鏡で表面電極を観察し、僅かでもピット(微小な窪み)が発生しているものを×(不可)とし、ピットが全く発生していないものを○(良)とした。各試料の評価結果を表1に示す。
接合強度の評価は、次のように実施した。まず、図2(A)に示すように、各試料にかかるセラミック多層基板の表面電極12に、基板に至る切り込み13をマトリックス状に形成し、表面電極12に、25個の2mm×2mmの正方形の区画14を形成した。次に、図2(B)に示すように、25個の区画14を含む表面電極12上に、粘着テープ(ニチバン社製「セロテープCT24」(セロテープは登録商標))13を貼着し、気泡ができないよう配慮して、指先で10秒間押圧した。次に、図2(C)に示すように、粘着テープ15を表面電極12に対して垂直となるように強く引っ張り、粘着テープ15を表面電極12から剥離させた。そして、剥離後の表面電極12を目視によって観察し、1個の区画14でも表面電極12が基板11から剥離したものを×(不可)とし、表面電極12が基板11から全く剥離しなかったものを○(良)とした。各試料の評価結果を表1に示す。
表1に示すように、表面電極12の外観は、電磁波を照射しなかった試料1はもちろん、電磁波を照射した全試料2〜8においても良好であった。すなわち、電磁波の波長に関わらず、電磁波を照射したことにより表面電極に含まれる金属が基板に拡散しても、表面電極の外観が劣化することはなかった。
一方、接合強度については、電磁波の波長によって優劣が発生した。まず、電磁波を照射しなかった試料1においては、良好な密着性は得られなかった。また、波長193.0nmの電磁波を照射した試料2と、632.8nmの電磁波を照射した試料8も、良好な密着性が得られなかった。これに対し、波長337.1nm〜546.1nmの電磁波を照射した試料3〜7においては、良好な密着性が得られた。
以上の、表面電極12の外観と、基板11と表面電極12との接合強度の評価結果から、照射する電磁波の波長は、330nm以上、550nm以下程度が好ましいことが分かった。そこで、本実施形態においては、照射する電磁波の波長を、上記の好ましい範囲に含まれる405.0nmに設定した。
また、電磁波を照射する時間は任意であるが、600秒以上、3600秒以下であることが好ましい。すなわち、本実施形態にかかるセラミック多層基板100の製造に先立ち、電磁波を照射する時間を決定するために、以下に説明する実験2を実施した。
(実験2)
実験1と同じ方法により、試料11〜16にかかる6個のセラミック多層基板を作製した。
次に、試料12〜16にかかるセラミック多層基板の表面電極12に対し、それぞれ、照射時間を300〜7200秒の間で変化させて、波長405.0nmの電磁波を照射した。なお、試料11にかかるセラミック多層基板に対しては、電磁波を照射しなかった。表2に、各試料にかかるセラミック多層基板に電磁波を照射した時間を示す。なお、波長405.0nmの電磁波は、InGaAlN系半導体レーザーダイオードによって励起させた。
Figure 2017188612
次に、電磁波を照射した後の、各試料にかかるセラミック多層基板の、表面電極12の外観と、基板11と表面電極12との接合強度とを評価した。評価は、実験1と同じ方法によった。評価結果を表2に示す。
表2に示すように、表面電極12の外観は、電磁波を照射しなかった試料11、および、300〜3600秒間、電磁波を照射した試料12〜15においても良好であった。しかしながら、7200秒間、電磁波を照射した試料16は×(不可)であった。これは、長時間、電磁波を照射したことにより、表面電極12中のCuの基板11への拡散が進み過ぎ、表面電極12の外観が劣化してしまったものと考えられる。
また、接合強度についても、電磁波の照射時間によって優劣が発生した。まず、電磁波を照射しなかった試料1においては、良好な密着性は得られなかった。また、300秒間、電磁波を照射した試料12も、良好な密着性が得られなかった。これに対し、600〜7200秒間、電磁波を照射した試料13〜167においては、良好な接合強度が得られた。
以上の、表面電極12の外観と、基板11と表面電極12との接合強度の評価結果から、電磁波を照射する時間は、600秒以上、3600秒以下程度が好ましいことが分かった。そこで、本実施形態においては、電磁波を照射する時間を、上記好ましい範囲に含まれる900秒に設定した。
波長405.0nmの電磁波を、900秒間、表面電極2に対して照射した第1実施形態にかかるセラミック多層基板100は、表面電極2に含まれる金属成分(Cu)が基板1に拡散しており、表面電極2が基板1に対して高い接合強度で接合されている。
[第1実施形態の変形例1]
上記第1実施形態においては、Cuを主成分とする表面電極2の上に、更に、表面電極2の一部として、電解めっきにより、Niめっき層と、Snめっき層を形成してから、表面電極2に電磁波の照射をおこなった。
変形例1では、これに代えて、Cuを主成分とする表面電極2に電磁波を照射してから、Cuを主成分とする表面電極2の上に、更に、表面電極2の一部として、電解めっきによりめっき、Niめっき層と、Snめっき層を形成した。
変形例1においては、めっき層(Niめっき層、Snめっき層)が、電磁波を照射することにより影響を受けることを回避することができる。
[第1実施形態の変形例2]
上記第1実施形態においては、基板1(セラミック層1a)の材料に、たとえば、アルミナ・セラミックにガラス成分を混合した、低温同時焼成セラミック(LTCC)を使用した。
変形例2では、これに代えて、基板1(セラミック層1a)の材料に、アルミナを主成分とするセラミックを使用した。
アルミナを主成分とするセラミックを使用した場合には、低温同時焼成セラミックを使用した場合に比べて高温で焼成する必要があるため、基板1の内部の内部電極に、融点が比較的に低いCuを使用することができない。そこで、変形例2においては、基板1の内部の内部電極に、Mo、Wなど、融点が比較的に高いものを使用した。
なお、変形例2においても、基板1の表面の表面電極2には、Cuを主成分として使用した。そのため、変形例2においては、焼成により基板1を作製した後に、基板1の表面にCuを主成分とする導電性ペーストを所望の形状に印刷し、焼付けて、表面電極2を形成した。そして、その後、Cuを主成分とする表面電極2の上に、更に、表面電極2の一部として、電解めっきによりめっき、Niめっき層と、Snめっき層を形成し、続いて、表面電極2に電磁波を照射した。
[第2実施形態]
図3に、第2実施形態にかかる電子部品として、積層セラミックコンデンサ200を示す。
積層セラミックコンデンサ200は、直方体からなる素子21を備える。素子21は、チタン酸バリウムを主成分とするセラミックからなる、複数の誘電体セラミック層21aが積層されたものからなる。
素子21の一方の端部の表面に、表面電極(端子電極)22aが形成されている。また、素子21の他方の端部の表面に、表面電極(端子電極)22bが形成されている。
本実施形態においては、表面電極22a、22bは、Cuを主成分とする金属からなり、更に表面に、第1層がNiめっき層、第2層がSnめっき層からなる2層のめっき層が形成されている。
素子21の内部においては、誘電体セラミック層21aの層間に、図示しないが、たとえばNiを主成分とする、複数の内部電極が形成されている。内部電極は、たとえば、交互に、表面電極22aと、表面電極22bとに引き出されている。
次に、積層セラミックコンデンサ200の製造方法の一例について説明する。
まず、チタン酸バリウムを主成分とするセラミック粉末を準備する。
次に、セラミック粉末にバインダ、溶剤等を混合し、セラミックラリーを作製する。
次に、セラミックラリーを使い、たとえばドクターブレード法によって、複数のセラミックグリーンシートを作製する。
次に、セラミックグリーンシートの主面に、Agを主成分とする導電性ペーストを塗布する。
次に、複数のセラミックグリーンシートを、所望の順番に積層し、加圧して一体化し、未焼成の積層体を作製する。
次に、未焼成の積層体を、所定のプロファイルで焼成して、素子21を作製する。なお、作製された素子の両端には、それぞれ、内部電極(図示せず)が引き出されている。
次に、素子21の両端に、それぞれ、Cuを主成分とする導電性ペーストを塗布する。続いて、導電性ペーストを所定の温度で焼付けて、素子21の両端に、表面電極22a、22bを形成する。
次に、Cuを主成分とする金属からなる表面電極22a、22bの上に、更に、表面電極22a、22bの一部として、電解めっきによりめっき層を形成する。まず、第1層としてNiめっき層を形成し、続いて、第2層としてSnめっき層を形成する。
次に、表面電極22a、22bに電磁波を照射し、表面電極22a、22bに含まれる金属(Cu)の一部を、素子21に拡散させる。電磁波の照射は、表面電極22a、22bと基板21との両方に対しておこなっても良く、あるいは、表面電極22a、22bの代わりに基板21に対しておこなっても良い。
本実施形態においては、InGaAlN系半導体レーザーダイオードによって励起された、波長405.0nmの電磁波を、表面電極22a、22bに対して600秒間、照射する。
以上により、第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200が完成する。
積層セラミックコンデンサ200の素子21と表面電極22a、22bとの接合強度を確認するために、次の実験3を実施した。
(実験3)
比較のために、比較例にかかる積層セラミックコンデンサを準備した。比較例にかかる積層セラミックコンデンサは、上述した第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200の製造工程から、電磁波を照射する工程のみを省略して作製されたものである。
まず、第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200を、図4に示すように、テスト基板51に形成されたランド電極52にリフローはんだによって実装した。
次に、テスト基板51に実装された積層セラミックコンデンサ200に、横方向から10Nの力を5秒間かけた。
同様に、比較例にかかる積層セラミックコンデンサを、テスト基板51に形成されたランド電極52にリフローはんだによって実装した。続いて、テスト基板51に実装された比較例にかかる積層セラミックコンデンサに、横方向から10Nの力を5秒間かけた。
横方向からの力をかけた後の、積層セラミックコンデンサ200の素子21と表面電極22a、22bとの接合部分を観察した。素子21と表面電極22a、22bとの接合部分に、剥離は見られなかった。
これに対し、横方向からの力をかけた後の、比較例にかかる積層セラミックコンデンサにおいては、素子と表面電極との接合部分に剥離が見られた。
第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200は、表面電極22a、22bに電磁波を照射したことによって、表面電極22a、22bに含まれる金属(Cu)の一部が素子21に拡散し、素子21と表面電極22a、22bとの接合強度が向上したものと考えられる。
[第2実施形態の変形例]
上記第2実施形態においては、Cuを主成分とする表面電極22a、22bの上に、更に、表面電極22a、22bの一部として、電解めっきにより、Niめっき層と、Snめっき層を形成してから、表面電極22a、22bに電磁波の照射をおこなった。
変形例では、これに代えて、Cuを主成分とする表面電極22a、22bに電磁波を照射してから、Cuを主成分とする表面電極22a、22bの上に、更に、表面電極22a、22bの一部として、電解めっきによりめっき、Niめっき層と、Snめっき層を形成した。
変形例においては、めっき層(Niめっき層、Snめっき層)が、電磁波を照射することにより影響を受けることを回避することができる。
[第3実施形態]
図5に、第3実施形態にかかる電子部品として、セラミック基板300を示す。
セラミック基板300は、矩形、板状の基板31の表面に、ランド電極32a、配線電極32bからなる表面電極32が形成されたものからなる。
本実施形態においては、基板31の材質に、アルミナを主成分とするセラミックを使用した。また、表面電極32の主成分にAgを使用した。
次に、セラミック基板300の製造方法の一例について説明する。
まず、アルミナを主成分とするセラミックからなる基板31を準備する。アルミナを主成分とするセラミックからなる基板31は、たとえば、広く市場において流通しているものを使用することができる。
次に、基板31の表面に、表面電極32を形成する。本実施形態においては、図5(B)に示す、Agナノ微粒子33aが、ポリビニルピロリドンからなる保護分子層33bによって被覆されたナノインク33を用意し、インクジェットノズル(図示せず)によってナノインク33を基板31の表面に噴射して塗布し、所望のパターン形状からなる表面電極32(ランド電極32a、配線電極32b)を形成する。
次に、表面電極32(ランド電極32a、配線電極32b)が形成された基板31を、所定の温度で加熱し、ナノインク33を基板31に定着させる。より具体的には、基板31を加熱することにより、ナノインク33の保護分子層33bが分解し、Agナノ微粒子33aが基板31の表面に定着する。
次に、表面電極32に電磁波を照射し、表面電極32に含まれる金属(Ag)の一部を、基板31に拡散させる。本実施形態においては、InGaAlN系半導体レーザーダイオードによって励起された、波長405.0nmの電磁波を、表面電極32に対して600秒間、照射する。
以上により、第3実施形態にかかるセラミック基板300が完成する。
金属からなるナノ微粒子が保護分子層によって被覆されたナノインクを使った表面電極の形成方法は、インクジェットノズル等によって、微細なパターン形状や、複雑なパターン形状を形成することができるという長所を備えている。しかしながら、この方法には、基板と表面電極との接合強度が低いという課題があった。本実施形態のように、表面電極32に電磁波を照射し、表面電極32に含まれる金属(Ag)の一部を基板31に拡散させれば、基板31と表面電極32との接合強度を、十分に実用に耐える程度にまで向上させることができる。
以上、第1実施形態にかかるセラミック多層基板100、第2実施形態にかかる積層セラミックコンデンサ200、第3実施形態にかかるセラミック基板300について、それぞれ説明した。しかしながら、本発明が上述した内容に限定されることはなく、発明の趣旨に沿って種々の変更をなすことができる。
たとえば、本発明の電子部品の種類は、セラミック多層基板、積層セラミックコンデンサ、セラミック基板には限定されず、他の種々の電子部品を構成することができる。
また、表面電極に含まれる金属成分は、CuやAgには限定されず、Ni等、他の種類の金属であっても良い。
また、素子や基板の材質も、セラミックやガラスセラミックには限定されず、ガラス等、他の種類のものであっても良い。
更に、表面電極に照射する電磁波の波長や、照射時間等は任意であり、上述した内容には限定されない。
1・・・基板
1a・・・セラミック層
2・・・表面電極
2a・・・ランド電極
2b・・・配線電極
3a、3b、3c・・・基板1に実装された電子部品
21・・・素子
22a、22b・・・表面電極
31・・・基板
32a・・・ランド電極
32b・・・配線電極
33・・・ナノインク
33a・・・Agナノ微粒子
33b・・・保護分子層
100・・・セラミック多層基板(電子部品)
200・・・積層セラミックコンデンサ(電子部品)
300・・・セラミック基板(電子部品)

Claims (10)

  1. 素子を準備する工程と、
    前記素子の表面に表面電極を形成する工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、
    前記表面電極を形成している途中、または、前記表面電極を形成した後に、前記表面電極および前記素子の少なくとも一方に電磁波を照射し、前記表面電極に含まれる金属成分の一部を前記素子に拡散させる工程を更に備えた電子部品の製造方法。
  2. 基板を準備する工程と、
    前記基板の表面に表面電極を形成する工程と、を備えた電子部品の製造方法であって、
    前記表面電極を形成している途中、または、前記表面電極を形成した後に、前記表面電極および前記基板の少なくとも一方に電磁波を照射し、前記表面電極に含まれる金属の一部を前記基板に拡散させる工程を更に備えた電子部品の製造方法。
  3. 前記表面電極に含まれる金属が、Ag、CuおよびNiから選ばれる1種以上の金属である、請求項1または2に記載された電子部品の製造方法。
  4. 前記素子、または、前記基板が、セラミック、ガラスセラミックおよびガラスのいずれか1つを主成分とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
  5. 前記電磁波の波長が、330nm以上、550nm以下である、請求項1ないし4のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
  6. 前記表面電極への前記電磁波の照射時間が、600秒以上、3600秒以下である、請求項1ないし5のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
  7. 前記表面電極に照射される電磁波が、レーザーによって励起されたものである、または、高圧水銀灯によって励起された後にバンドパスフィルタを透過したものである、請求項1ないし6のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
  8. 前記表面電極が、金属からなるナノ微粒子が保護分子層によって被覆されたナノインクを使って形成される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載された電子部品の製造方法。
  9. 素子の表面に表面電極が形成された電子部品であって、
    前記表面電極に含まれる金属の一部が前記素子に拡散された電子部品。
  10. 基板の表面に表面電極が形成された電子部品であって、
    前記表面電極に含まれる金属の一部が前記基板に拡散された電子部品。
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