JP2017188310A - 保護素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】保護素子のヒューズエレメントの硫化腐食を防止し、かつ、金属構造材が厚膜で残留しても溶断時間を短縮できるヒューズエレメントを実現し、もってそれを用いた保護素子を提供する。
【解決手段】ヒューズエレメント10は、金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材11と、この中間構造材の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材12と、さらに中間構造材のもう一方の面に可溶金属からなる接合材13とを備え、中間構造材は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、被覆材は、中間構造材より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、接合材は、接合作業温度で溶融し、かつ、第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複合金属材からなる保護素子用のヒューズエレメントおよびそれを利用した電気・電子機器の保護素子に関する。
近年、モバイル機器など小型電子機器の急速な普及に伴い、搭載する電源の保護回路に実装される保護素子も小型薄型のものが使用されている。例えば、二次電池パックの保護回路には、表面実装部品(SMD)のチップ保護素子が好適に利用される。これらチップ保護素子には、被保護機器の過電流により生ずる過大発熱を検知し、または周囲温度の異常過熱に感応して、所定条件で内蔵するヒータ等の加熱によって強制的にヒューズを作動させ電気回路を遮断する非復帰型保護素子がある。該保護素子は、機器の安全を図るために、保護回路が機器に生ずる異常を検知すると信号電流により抵抗素子を発熱させ、その発熱で可溶合金からなるヒューズ素子(ヒューズエレメントとも言う)を溶断させて回路を遮断するか、あるいは過電流によってヒューズ素子を溶断させて回路を遮断できる。
このような保護素子に適用されるヒューズ素子には、例えば、特許文献1に記載されるように、無鉛金属複合材のヒューズエレメントであって、この保護素子を外部回路板に表面実装する際のはんだ付け作業温度において、溶融可能な易融性の低融点金属材と、液相の低融点金属材に溶解可能な難融性の金属構造材とから成り、低融点金属材と金属構造材とを一体成形することで、はんだ付け作業で液相化した低融点金属材を固相の金属構造材ではんだ付け作業が終わるまで支えて保持することを特徴とするヒューズエレメントがある。このヒューズエレメントの低融点金属材と金属構造材とは互いに固着成形され、はんだ付け作業の熱で液相化した低融点金属材を該作業温度で固相の金属構造材で、一定時間溶断しないように界面張力を利用して付着させ支えて保持しながら、液相の低融点金属材でヒューズエレメントを保護素子の電極パターンに接合できるように工夫されている。そして、少なくともはんだ付け作業の間、ヒューズエレメントの形状を維持してヒューズエレメントがはんだ付け作業温度で誤動作するのを防止する。この保護素子は、被保護装置に実装されるとヒューズエレメントの金属構造材が、はんだ付けの熱で媒質である低融点金属材中に拡散または溶解され希薄化しているので、設置環境の異常過熱や内蔵する抵抗発熱素子のヒータ加熱により容易に消失し、以後溶断を妨げることなく動作できるようになっている。
従来、上述した保護素子のヒューズエレメントを構成する可溶合金は、Ag、CuまたはAg合金、Cu合金からなる金属構造材の露出面を片面に有するので、硫黄ガスに弱く硫化腐食しやすく、例えば、梱包材の微量アウトガスなどにより、極端な場合には保管輸送中にヒューズエレメントが断線したり、保護素子の電極パターンの間に銀または銅硫化物などの腐食生成物が延びて隣接パターンとつながりショートしたりし易いという課題があった。
パワーラインの電流を遮断する働きをする保護素子の電気抵抗値は、できる限り小さい方が電気エネルギーの損失が少なく好ましい。その点、ヒューズエレメントに低電気抵抗材のAg、CuまたはAg合金、Cu合金の金属構造材を有することは、実に好都合である。しかし、Ag材やCu材などの金属構造材は、比較的溶融温度が高く保護素子の動作温度で可融しないので、低融点金属材への溶解または拡散が不充分で厚膜で残留した場合に、従来のヒューズエレメントでは、溶断に余分な時間を要したり極端な場合に溶断不良となったりする恐れがあり、電気抵抗値を下げるために金属構造材を十分に厚く設けることができなかった。また、保護素子のヒューズエレメントや電極基板などの小型化・薄型化の進展に伴い、より薄板のヒューズエレメントを用いた場合は、金属構造材を厚くできないため、金属構造材が液相の低融点金属材に過度に拡散または溶解されて薄層化してしまい、ヒューズエレメントを電極パターンに接合する際に、ヒューズエレメントが変形したり、金属構造材表面が波打ってしまったりしてエレメント取付の出来ばえが悪くなる欠点があった。このため後工程でヒューズエレメントをキャップ状の蓋体で覆って被覆する際、ヒューズエレメントの変形が著しい場合には、蓋体を水平に取り付けることができなかったり、所定の取り付け位置からずれたりして蓋体の載置作業が妨げられ組立不良の原因となっていた。
特開2015−079608号公報
したがって、本発明の目的は、上述の問題点を解消するために提案されたものであり、保護素子のヒューズエレメントの硫化腐食を防止し、かつ、Ag材やCu材などで構成された金属構造材を厚膜化でき、しかも溶断時間を短縮できるヒューズエレメントを実現し、もってそれを用いた保護素子を提供することにある。また、併せて保護素子の小型薄型化にさらに適応したヒューズエレメントを実現する。
本発明によると、金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材と、この中間構造材の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材と、さらに中間構造材のもう一方の面に可溶金属からなる接合材とを備え、中間構造材は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、被覆材は、中間構造材より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、接合材は、接合作業温度で溶融し、かつ、第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有するヒューズエレメントが提供される。中間構造材、被覆材および接合材の溶融温度は、高い温度の順に、第1の溶融温度>第2の溶融温度≧第3の溶融温度の順となる。
本発明の別の観点によると、上記ヒューズエレメントを用いた保護素子が提供される。本発明に係る保護素子は、該ヒューズエレメントとパターン電極を有する絶縁基板とを準備する準備工程、絶縁基板に接合フラックスを塗布する接合フラックス塗布工程、接合フラックスを塗布した絶縁基板またはヒューズエレメントのパターン電極と接合材とを互いに接触させて絶縁基板に載置するマウント工程、ヒューズエレメントを載置した絶縁基板を183℃以上400℃未満の接合作業温度で接合材を溶融させてパターン電極に一括接合させる接合工程、接合したヒューズエレメントに動作用の溶断フラックスを塗布する溶断フラックス塗布工程、溶断フラックスを塗布した絶縁基板上のヒューズエレメントをキャップ状蓋体で覆ってパッケージングするパッケージング工程により組み立てられる。本発明に係るヒューズエレメントは、絶縁基板の表面に設けたパターン電極に接合され、保護素子のヒューズエレメントとして使用される。このヒューズエレメントは、予め接合フラックスを塗布したヒューズエレメントの接合材と絶縁基板のパターン電極とを互いに接触させて絶縁基板に載置し、前述の接合作業温度で接合材を溶融させることによりパターン電極に一括接合される。その際、溶融した接合材はヒューズエレメントとパターン電極とを接合させる。中間構造材は、接合作業温度で固体を維持するのでヒューズエレメントの形状を保ったまま被覆材および接合材中に一部を拡散または溶解させながら、液相の接合材によってパターン電極に固着される。その後、ヒューズエレメントに溶断フラックスを塗布し、その上をキャップ状蓋体で覆ってパッケージングし保護素子とする。その後、この保護素子は、例えば二次電池などの保護回路等に実装され、最高温度が183℃以上300℃以下程度の温度ではんだ付けされることとなる。このはんだ付けの熱で、保護素子に内蔵されたヒューズエレメントの中間構造材は、被覆材および接合材に、再び拡散または溶解されるが、溶断誤動作することなくヒューズエレメントの形状を保ったまま実装できる。
本発明に係る保護素子は、絶縁基板と、該絶縁基板の表面に設けた複数のパターン電極と、このパターン電極に電気接続したヒューズエレメントとを備え、ヒューズエレメントは、金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材と、この中間構造材の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材と、該中間構造材のもう一方の面に可溶金属からなる接合材とをさらに備え、中間構造材は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、被覆材は、中間構造材より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、接合材は、接合作業温度で溶融し、かつ、第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有することを特徴とする保護素子が提供される。この保護素子は、その絶縁基板に必要に応じて抵抗発熱素子を設けてもよい。
本発明のヒューズエレメントは、Ag、Cuまたはその合金から構成された中間構造材の少なくとも上下面を、硫化し難い被覆材と接合材で覆っているのでヒューズエレメントの変色や硫化腐食を防止できる。また、中間構造材の上下を、溶食性の接合材と拡散媒質の被覆材でサンドイッチ状に挟んであるので、金属構造材が厚膜で残留しても中間構造材の両面から溶融拡散を助長して確実に溶断させることができる。従って、ヒューズエレメントの中間構造材の膜厚を従来よりも厚くすることができるので、保護素子の低電気抵抗化に寄与する。中間構造材は、互いに異なる被覆材と接合材とに挟まれており、しかも、被覆材の溶融温度を、接合材の溶融温度以上にした構成を採っているため、接合材が被覆材より先に溶けて絶縁基板のパターン電極と接合し始め、その後で被覆材が溶けてゆくので、ヒューズエレメントを薄板化しても接合材の接合温度でヒューズエレメント板が波打ったりカールしたりするのを防ぎ、より一層の保護素子の小型薄型化に寄与できる。この被覆材は、ヒューズエレメントの動作温度で溶融すれば、必ずしも接合作業で溶融しなくてもよい。接合作業で溶融しない被覆材にすると、さらにヒューズエレメント板面は変形し難くなる。
本発明のヒューズエレメントは、予め接合フラックスを塗布した絶縁基板またはヒューズエレメントのパターン電極と接合材とを互いに接触させて絶縁基板に載置され、前述の接合作業温度で接合材を溶融させることによりパターン電極に一括接合される。溶融した接合材はヒューズエレメント自身とパターン電極とを接合させる。中間構造材は、接合工程において接合作業温度で固体を維持するので、ヒューズエレメントの板状を保ったまま溶融した接合材と、拡散媒質である被覆材とに溶融または拡散しながら、液相の接合材によってパターン電極に固着され、所定の動作温度で溶断する。
本発明に係るヒューズエレメント10を表し、このヒューズエレメント10は、中間構造材の上面に被覆材、下面に接合材を積層した三層複合金属材からなる。 本発明に係る保護素子の部品部材を分解した斜視図を示す。 本発明の実施例2の保護素子20であり、(a)は(b)のd−d線に沿ってキャップ状蓋体を切断した平面図を示し、(b)は(a)のD−D線に沿った断面図を示し、(c)はその下面図を示す。 本発明の実施例3の保護素子30であり、(a)は(b)のd−d線に沿ってキャップ状蓋体を切断した平面図を示し、(b)は(a)のD−D線に沿った断面図を示し、(c)はその下面図を示す。 本発明の実施例4の保護素子40であり、(a)は(b)のd−d線に沿ってキャップ状蓋体を切断した平面図を示し、(b)は(a)のD−D線に沿った断面図を示し、(c)はその下面図を示す。
本発明に係るヒューズエレメント10は、図1に示すように、金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材11と、この中間構造材11の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材12と、さらに中間構造材11のもう一方の面に可溶金属からなる接合材13とを備え、中間構造材11は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、被覆材12は、中間構造材11より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、接合材13は、接合作業温度で溶融し、かつ、第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有することを特徴とする。
このヒューズエレメント10の中間構造材11は、接合作業温度で被覆材12および接合材13の固相または液相に拡散若しくは溶解しやすい金属材からなるが、少なくとも接合作業の間、ヒューズエレメント10が溶断しないよう形状を支えて保持する構造材として機能する。ヒューズエレメント10の被覆材12は、中間構造材11の露出面を覆って腐食性ガスや水分から遮蔽するとともに、第2の溶融温度未満の温度においては、中間構造材11と共にヒューズエレメント10が溶断しないよう保持する構造材の機能し、第2の溶融温度以上の温度においては、液相と成って中間構造材11を溶食してヒューズエレメント10が動作可能な状態にする機能を有する。被覆材12は、このヒューズエレメント10の所定の溶断温度で溶融できれば、接合作業では必ずしも溶融せずともよい。ヒューズエレメント10の接合材13は、このヒューズエレメント10を保護素子の絶縁基板に設けたパターン電極に接合するロウ材またははんだ材として機能するとともに、第3の溶融温度以上の温度で中間構造材11を溶食してヒューズエレメント10を動作可能の状態にする機能を有する。接合材13は、接合作業時に溶融することはもとより、ヒューズエレメント10の所定の溶断温度においても溶融する。
中間構造材11には、183℃以上400℃未満の接合作業温度において固体を維持できる拡散性の溶質金属、例えばAg、Cuまたはこれらを50質量%以上含む合金が好適に利用できる。そして、中間構造材11の片面に設ける被覆材12は、例えばSnまたはSn合金(一例を挙げるとSn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Cu合金、Sn−Zn合金、Sn−Sb合金など)が好適である。さらに、中間構造材11のもう一方の面に設ける接合材13は、例えばSn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Cu合金、Sn−Zn合金、Sn−Sb合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−In合金、Sn−Zn−Al合金、Sn−Zn−Bi合金、Zn−Al合金または前記合金にAu、Ni、Ge、Ga、Mg、Pをさらに添加した合金などが利用できる。中間構造材11の表面に被覆材12および接合材13を設ける手段は、特に限定されず中間構造材11に被覆材12および接合材13を固着できればよい。例えば、被覆材12および接合材13はクラッド、めっき、溶融コート、圧着、ロジンなどの可融性樹脂による接着などの手段で中間構造材11の表面に固着できる。また、本発明に係るヒューズエレメントは、接合材12の積層界面に予め接合フラックスを内蔵させた複合金属材としてもよい。
本発明に係る保護素子は、上述したヒューズエレメント10を用いて製造される。図2ないし図5の保護素子を製造できれば、その製造方法は特定の工法に限定されない。例えば、上記ヒューズエレメント10と、パターン電極を有する絶縁基板とを準備する準備工程、ヒューズエレメントまたは絶縁基板に接合フラックスを塗布する接合フラックス塗布工程、接合フラックスを適用した絶縁基板のパターン電極とヒューズエレメントの接合材とを互いに接触させて絶縁基板に載置するマウント工程、ヒューズエレメントを載置した絶縁基板を183℃以上400℃未満の接合作業温度で接合材を溶融させてパターン電極に一括接合させる接合工程、接合したヒューズエレメントに動作用の溶断フラックスを塗布する溶断フラックス塗布工程、溶断フラックスを塗布した絶縁基板上のヒューズエレメントをキャップ状の蓋体で覆ってパッケージングするパッケージング工程により組み立てられる。例えば、予め接合フラックスを塗布したヒューズエレメント10は、その接合材13と、絶縁基板のパターン電極22とを互いに接触させて絶縁基板21に載置され、最高温度が183℃以上400℃未満の温度プロファイルに設定されたリフロー炉に通し接合材13を溶融させることによりパターン電極22に一括接合される。このとき溶融した接合材13は、中間構造材11およびパターン電極22に相互拡散され中間構造材11とパターン電極22とを接合させる。中間構造材11は、リフロー温度で固体を維持するので形状を保ったままパターン電極22に接合される。その後、接合したヒューズエレメント10に動作用の溶断フラックスを塗布し、絶縁基板上のヒューズエレメント10をキャップ状蓋体25で覆ってパッケージングして保護素子とする。
上述の接合工程に適用される加熱手段は、絶縁基板に載置したヒューズエレメントを該作業温度に一括加熱できれば、どのような方法、装置を用いても差し支えない。例えば、高温バッチ炉を用いた加熱、ホットプレートを用いた加熱、リフロー炉を用いた加熱などが好適に利用できる。また、接合フラックス塗布工程は、接合工程の加熱下においてパターン電極とヒューズエレメントの金属材表面の酸化膜等を除去し接合表面を活性化する目的で予め接合フラックスを塗布するもので、パターン電極とヒューズエレメントの金属材表面を活性化できるのであれば、他の活性化手段を代替使用でき、接合フラックス塗布工程を省略または代替することができる。例えば、水素還元炉、蟻酸還元炉など活性化ガスを用いたリフロー炉を用いる場合には、接合フラックス塗布工程を省略しても差し支えない。また、ヒューズエレメントの積層面に予め接合フラックスを内蔵させた場合も、接合フラックス塗布工程を省略して差し支えない。
本発明に係る保護素子は、該ヒューズエレメントを利用した保護素子であり、図2に示すように、絶縁基板21と、この絶縁基板21の表面に設けた複数のパターン電極22と、このパターン電極22に電気接続したヒューズエレメント10と、このヒューズエレメント10の上部を覆ったキャップ状蓋体25とを備え、ヒューズエレメント10は、金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材11と、この中間構造材11の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材12と、さらに中間構造材11のもう一方の面に可溶金属からなる接合材13を備え、中間構造材11は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、被覆材12は、中間構造材11より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、接合材13は、接合作業温度で溶融し、かつ、第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有することを特徴とする。
本発明の保護素子の絶縁基板は、耐熱性の絶縁基板、例えば、ガラスエポキシ基板、BT(Bismaleimide Triazine)基板、テフロン(登録商標)基板、セラミック基板、ガラス基板などからなり、絶縁基板の片面に必要に応じて抵抗発熱素子を設けてもよい。この抵抗発熱素子は必要に応じて絶縁コーティングを施す。キャップ状蓋体は、絶縁基板およびヒューズエレメントの上部を覆って所望のキャビティ空間を保持できればよく、形状、材質を制限するものではないが、例えば、キャップ状蓋体には、ドーム状樹脂フイルム材、プラスチック材、セラミック材などが好適に利用できる。
本発明のヒューズエレメント10は、その接合材13と、保護素子の絶縁基板に設けたパターン電極とを互いに接触させて所定の接合作業温度で接合材を溶融させ保護素子に接合される。本発明の保護素子は、その後、電気装置等の回路上に、再度、任意の温度ではんだ付け実装される。この間の加熱によってヒューズエレメントの中間構造材11と、被覆材12または接合材13との界面に、互いの金属材が拡散あるいは溶解した拡散層が形成されるが、生成した拡散層はヒューズエレメントの溶断動作に影響しない。
本発明に係る実施例1のヒューズエレメント10は、図1に示すように、厚さ5μmのAgからなる第1の溶融温度が962℃の中間構造材11と、この中間構造材11の上面に厚さ3μmのSnからなる第2の溶融温度が232℃の被覆材12と、さらに中間構造材11の下面に、厚さ87μmのSn−3Ag−0.5Cu合金からなる第3の溶融温度が219℃の接合材13とを電気めっきにより設けた複合材で構成される。
本発明に係る保護素子は、実施例1のヒューズエレメント10を利用した保護素子であり、図2に示すように、ヒューズエレメント10は、予め接合フラックス(図示せず)を塗布したヒューズエレメント10の接合材13と、絶縁基板21のパターン電極22とを互いに接触させて絶縁基板21に載置され、温度プロファイルを余熱温度180〜190℃で滞留時間45秒、225℃以上の滞留時間30秒ピーク温度235℃に設定したリフロー炉に通し接合材13を溶融させることによりパターン電極22に一括接合した後、接合したヒューズエレメント10に溶断フラックスを塗布し、絶縁基板上のヒューズエレメントを耐熱プラスチック製の蓋体25で覆って、このキャップ状の蓋体25と絶縁基板21とをエポキシ系樹脂で固定して保護素子とする。
本発明に係る実施例2の保護素子30は、図3に示すように、アルミナ・セラミック製の絶縁基板21と、この絶縁基板21の上下面に設けた複数のAg合金製パターン電極22と、絶縁基板21の上面のパターン電極22に電気接続したヒューズエレメント10と、このヒューズエレメント10の上部を覆って絶縁基板21に固着した液晶ポリマー製のキャップ状蓋体25とを備え、ヒューズエレメント10は、厚さ5μmのAgからなる第1の溶融温度が962℃の中間構造材11と、この中間構造材11の上面に厚さ3μmのSnからなる第2の溶融温度が232℃の被覆材12と、さらに中間構造材11の下面に、厚さ87μmのSn−3Ag−0.5Cu合金からなる第3の溶融温度が219℃の接合材13とを設けた複合金属材からなり、接合材13を溶融してパターン電極22に接合してある。パターン電極22は、基板上下面のパターン電極22を電気接続するAg合金のハーフ・スルーホール23を有する。
本発明に係る実施例3の保護素子30は、実施例1のヒューズエレメント10を利用した保護素子であり、図4に示すように、アルミナ・セラミック製の絶縁基板31と、この絶縁基板31の上下面に設けた複数のAg合金製パターン電極32と、このパターン電極32と電気接続され絶縁基板31の下面に設けた抵抗発熱素子34と、該絶縁基板31の上面のパターン電極32に電気接続したヒューズエレメント10と、このヒューズエレメント10の上部を覆って絶縁基板31に固着した液晶ポリマー製のキャップ状蓋体35とを備え、ヒューズエレメント10は、厚さ5μmのAgからなる第1の溶融温度が962℃の中間構造材11と、この中間構造材11の上面に厚さ3μmのSnからなる第2の溶融温度が232℃の被覆材12と、さらに中間構造材11の下面に、厚さ87μmのSn−3Ag−0.5Cu合金からなる第3の溶融温度が219℃の接合材13とを設けた複合金属材からなり、接合材13を溶融してパターン電極32に接合してある。パターン電極32は、基板上下面のパターン電極32を電気接続するAg合金のハーフ・スルーホール33を有する。図示しないが、抵抗発熱素子34の表面はガラス・オーバーグレーズを施している。
本発明に係る実施例4の保護素子40は、保護素子30を変形した保護素子である。図5に示すように、アルミナ・セラミック製の絶縁基板41と、この絶縁基板41の上下面に設けた複数のAg合金製パターン電極42と、このパターン電極42と電気接続され絶縁基板41の上面に設けた抵抗発熱素子44と、この抵抗発熱素子44に当接して絶縁基板41の上面のパターン電極42に電気接続したヒューズエレメント10と、このヒューズエレメント10の上部を覆って絶縁基板41に固着した液晶ポリマー製の蓋体45とを備え、ヒューズエレメント10は、厚さ5μmのAgからなる第1の溶融温度が962℃の中間構造材11と、この中間構造材11の上面に厚さ3μmのSnからなる第2の溶融温度が232℃の被覆材12と、さらに中間構造材11の下面に、厚さ87μmのSn−3Ag−0.5Cu合金からなる第3の溶融温度が219℃の接合材13とを設けた複合金属材からなり、接合材13を溶融してパターン電極42に接合してある。パターン電極42は、基板上下面のパターン電極42を電気接続するAg合金のハーフ・スルーホール43を有する。図示しないが、実施例4の抵抗発熱素子44の表面はガラス・オーバーグレーズを施している。
なお、実施例2ないし実施例4の保護素子は、絶縁基板上下面のパターン電極を電気接続する配線手段は、ハーフ・スルーホール23、33および43に替えて該基板を貫通した導体スルーホールや、平面電極パターンによる表面配線に変更してもよい。
本発明のヒューズエレメントは、リフローなど全体加熱溶融により保護素子に組込み搭載できる。さらに、このヒューズエレメントを用いた本発明の保護素子は、他の表面実装部品と共に再びリフロー・ソルダリングにより電気回路基板にはんだ付け実装されて、電池パックなど2次電池の保護装置に利用できる。
10・・・ヒューズエレメント、
11・・・中間構造材、
12・・・被覆材、
13・・・接合材、
20、30、40・・・保護素子、
21、31、41・・・絶縁基板、
22、32、42・・・パターン電極、
23、33、43・・・ハーフ・スルーホール、
34、44・・・抵抗発熱素子、
25、35、45・・・蓋体。

Claims (11)

  1. 金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材と、この中間構造材の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材と、さらに前記中間構造材のもう一方の面に可溶金属からなる接合材とを備え、前記中間構造材は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、前記被覆材は、前記中間構造材より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、前記接合材は、前記接合作業温度で溶融し、かつ、前記第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有することを特徴とするヒューズエレメント。
  2. 前記中間構造材は、Ag、Cuまたはこれらを50質量%以上含む合金を用いたことを特徴とする請求項1に記載のヒューズエレメント。
  3. 前記被覆材は、SnまたはSn合金を用いたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載のヒューズエレメント。
  4. 前記接合材は、Sn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Cu合金、Sn−Zn合金、Sn−Sb合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−In合金、Sn−Zn−Al合金、Sn−Zn−Bi合金、Zn−Al合金または前記合金にAu、Ni、Ge、Ga、Mg、Pをさらに添加した合金の群から選択された少なくとも1つの金属材を用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一つに記載のヒューズエレメント。
  5. 前記接合作業温度が183℃以上400℃未満の請求項1ないし請求項4の何れか1つに記載のヒューズエレメント。
  6. 絶縁基板と、この絶縁基板の表面に設けた複数のパターン電極と、このパターン電極に電気接続したヒューズエレメントと、このヒューズエレメントの上部を覆った蓋体とを備え、前記ヒューズエレメントは、金属に拡散または溶解し易い固体金属からなる中間構造材と、この中間構造材の少なくとも片面に可溶性の金属からなる被覆材と、さらに前記中間構造材のもう一方の面に可溶金属からなる接合材とを備え、前記中間構造材は、接合作業温度を超える第1の溶融温度を有し、前記被覆材は、前記中間構造材より溶融温度が低い第2の溶融温度を有し、前記接合材は、前記接合作業温度で溶融し、かつ、前記第2の溶融温度以下の第3の溶融温度を有することを特徴とする保護素子。
  7. 前記絶縁基板は、さらに抵抗発熱素子を設けたことを特徴とする請求項6に記載の保護素子。
  8. 前記中間構造材は、Ag、Cuまたはこれらを50質量%以上含む合金を用いたことを特徴とする請求項6または請求項7に記載の保護素子。
  9. 前記被覆材は、SnまたはSn合金を用いたことを特徴とする請求項6ないし請求項8の何れか一つに記載の保護素子。
  10. 前記接合材は、Sn−Ag合金、Sn−Bi合金、Sn−Cu合金、Sn−Zn合金、Sn−Sb合金、Sn−Ag−Bi合金、Sn−Ag−Cu合金、Sn−Ag−In合金、Sn−Zn−Al合金、Sn−Zn−Bi合金、Zn−Al合金または前記合金にAu、Ni、Ge、Ga、Mg、Pをさらに添加した合金の群から選択された少なくとも1つの金属材を用いたことを特徴とする請求項6ないし請求項9の何れか一つに記載の保護素子。
  11. 前記接合作業温度が183℃以上400℃未満の請求項6ないし請求項10の何れか一つに記載の保護素子。
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