JP2017188264A - 液体処理用エキシマランプ - Google Patents
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Abstract
Description
その構造が図8に示されていて、紫外線照射装置20は、水銀・アルゴンプラズマ21により紫外線を発生し石英管22を介して放射するようにしている。この装置では、電源安定器からフィラメント23へ電気を供給することでプラズマ21を生成している。排水の処理槽24の内壁は、紫外線の透過性に優れる透明の石英ジャケット25により形成されている。石英管22と石英ジャケット25との間には若干の空間が存在する。そして汚水26は処理槽24の下方より流入させ、断面ドーナツ状の流路を上昇し、この間に石英管22から放射される紫外線によって分解処理され、処理水27は上方より流出させるようにしている。
この装置においては、水銀の発光を利用し、波長が185nm及び254nmの紫外線を照射している。
これらの物質を分解するためには、さらに短波長である、例えば、Xeエキシマの発光である172nmやKrエキシマの発光である147nmの真空紫外線を照射する必要がある。
ところが、特許文献1における紫外線光源を外部電極構造のエキシマランプに置き換えた場合、例えば、172nmの紫外線を利用しようとすると、この172nmの紫外線は、周囲の空気によって吸収されてしまうため、エキシマランプの周囲を窒素ガスなどの不活性ガスに置換しなければならないという煩雑な構造となってしまう。
図9にその断面構造が示されていて、このエキシマランプ30は、外側管32と内側管33とからなる放電容器31を有し、外側管32の外側に外側電極34を配設し、内側管33の内側に透明内側電極35を配設することにより、外側管32と内側管33との間を放電空間とし、更に、この内側管33の外側に蛍光体膜36を形成したものである。そして、被処理液体を内側管33内に流し、放電容器31の内側管33を通して内部に放射される紫外線によって処理するものである。
また、電極自体が被処理液体によって侵食損耗されてしまい、長期間にわたって性能を維持することが困難である。
そして、細い内側管33の内部に電極35を設ける作業自体が極めて煩雑かつ困難である。
更には、内側管33の外表面上に蛍光体36が塗布されていると、蛍光体は発光もする一方で、紫外線を吸収してしまうので、この蛍光体36を通しての内側管33内への照射では、172nm等の短波長の真空紫外線は有効に照射されない。
また、前記外側管と前記内側管とは、前記外側管の両端部において溶着により取り付けられており、前記内側管は、両取付け端部において、長手方向中央部の外径より拡径されていることを特徴とする。
また、前記外側管は、紫外線透過性の材料からなり、前記外側電極は、紫外線を反射させる材料からなることを特徴とする。
また、前記外側管の内側に紫外線反射膜が設けられていることを特徴とする。
また、前記外側管の内側に蛍光体膜が設けられていることを特徴とする。
また、前記紫外線反射膜の内側に蛍光体膜が設けられていることを特徴とする。
また、前記内側管が複数本設けられていることを特徴とする。
また、前記外側管および/または前記内側管が、扁平四角筒状であることを特徴とする。
また、外側管の外側に対の電極を配置したので、電極の装着作業が簡便なものとなっている。
また、短波長紫外線の液体中での到達距離(飛程)が短いことを考慮すれば、内側管は本来的に細径とならざるを得ず、バーナーによる外側管との溶着作業時に、加熱により更に内径が縮小してしまい、管が閉塞してしまう恐れがあるが、本発明においては、内側管と外側管との溶着部位である、内側管の両取付け端部において中央部よりも拡径することにより、内側管が閉塞してしまうという心配もない。
前記内側管4は、外側管3を貫通する形で配置され、外側管3の両端部で内側管4と溶着されている。これにより、前記外側管3と前記内側管4との間には密閉された放電空間Sが形成され、この放電空間S内にキセノンガスなどの放電ガスが充填されている。
前記外側管3は誘電体材料からなり、例えばガラスが用いられるが、必ずしも紫外線透過性である必要はない。そして、図1(B)に示すように、この外側管3の外側(外表面)には高圧側電極5と、低圧側電極6が対向するように設けられている。これら一対の高圧側電極5および低圧側電極6は、導電性材料を印刷したものや板状の金属板などが用いられる。
上記において、外側管3として紫外線透過性材料、例えば、合成石英ガラスを用いた場合には、高圧側電極5および低圧側電極6として紫外線を反射させる材料、例えばアルミ板などの金属板を採用することで、電極として働くと共に、外側管3を透過してくる紫外線を反射して放電空間S内に戻す紫外線反射部材としても機能させることができる。
高圧側電極5と低圧側電極7間での放電により放電空間Sで発生した紫外線は、内側管4を透過してその内部に放射される。
かかる構成によれば、内側管4の内部、即ち、液体流路中には電極などの介在物が存在しないので、被処理液体中に異物が混入することがない。
また、短波長の真空紫外線は液中(水中)での到達距離(飛程)が短いので、この内側管4は、細径であることが望ましく、例えば、内径φ2mm程度である。このように細い内側管4の内側(内面)に内側電極を備えるという複雑な作業がなく、外側管3の外側での電極装着作業ですみ、作業性が極めて向上する。
そして、放電空間S内で発生した紫外線を紫外線反射膜7によって反射して、内側管4内に効率的に出射できる。
また、この第1の実施例では、内側管4には放電空間S内の不純ガスを吸着するゲッター10が配置されている。
放電空間2でのエキシマ放電により発生した真空紫外線をこの蛍光体8で他の波長、例えば、230nm、220nm、190nm付近に主波長をもつ紫外線に変換し、被処理液体に照射することができる。これらの波長は被処理液体に含有される物質に応じて適宜選択され、場合によっては、エキシマ放電による172nmの真空紫外線と、蛍光体8による、例えば、220nmの紫外線の両者を照射するようにすることもできる。
なお、図2の第2の実施例、図3の第3の実施例においても、外側管3は紫外線透過性である必要はなく、ここにも、溶融石英ガラスが使用できる。
図5(A)に示す第5の実施例では、外側管3は円筒形状であり、内側管4が扁平四角筒状である。
図5(B)に示す第6の実施例では、外側管3が扁平四角筒状であり、内側管4が円筒形状である。
図5(C)に示す第7の実施例では、外側管3および内側管4の両者が扁平四角筒形状である。
つまり、1本の外側管3に対して、複数本、この例では2本、の内側管4、4が貫通するように設けられている。勿論、内側管4は2本に限られず、それ以上の3本、4本であってもよい。
このような配置とすることにより、多量の被処理液体を処理することができる。
内側管4に照射されてその内部に侵入する真空紫外線は、内部を流れる水などの被処理液体によって吸収されるため、その到達距離が短い。そのため、被処理液体に十分な紫外線を照射するためには、内側管4をあまり大径にすることができず、例えば、その内径はφ2mm程度である。
このため、放電容器の成形工程において外側管3と内側管4の端部を加熱溶融すると、内側管4の内径が縮小して、管が閉塞してしまうことがある。
この実施例では、内側管4の両取付け端部4a、4aが拡径されているため、溶着時に内側管4が若干縮小するようなことがあっても、閉塞してしまうことがない。
また、溶着作業においても、小径な内側管4ではその取扱いが難しいが、溶着取付け部4a、4aを拡径することでその作業性が向上する。
そして、外側管の外側に電極を設けるものであるので、細径の内側管の内側に電極を設ける従来技術と比較してその装着作業が大幅に簡略化されるとともに、電極面積を大きなものとすることができて、高入力とすることができる。
また、内側管と外側管との溶着部位である、内側管の両取付け端部において中央部よりも拡径することにより、内側管が縮小して閉塞してしまうという恐れもない。
2 放電容器
3 外側管
4 内側管
4a (拡径)取付け端部
5 高圧側電極
6 低圧側電極
7 紫外線反射膜
8 蛍光体
10 ゲッター
S 放電空間
Claims (8)
- 誘電体からなる外側管と、該外側管の内部に配置され、内部を被処理液体が流れる紫外線透過性の内側管とからなり、
前記外側管と前記内側管との間に放電ガスが充填された放電空間が形成されてなる放電容器を有する液体処理用エキシマランプにおいて、
前記外側管の外側に高圧側電極および低圧側電極が対向して配設されていることを特徴とする液体処理用エキシマランプ。 - 前記外側管と前記内側管とは、前記外側管の両端部において溶着により取り付けられており、前記内側管は、両取付け端部において、長手方向中央部の外径より拡径されていることを特徴とする請求項1に記載の液体処理用エキシマランプ。
- 前記外側管は、紫外線透過性の材料からなり、前記外側電極は、紫外線を反射させる材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体処理用エキシマランプ。
- 前記外側管の内側に紫外線反射膜が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液体処理用エキシマランプ。
- 前記外側管の内側に蛍光体膜が設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の液体処理用エキシマランプ。
- 前記紫外線反射膜の内側に蛍光体膜が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の液体処理用エキシマランプ。
- 前記内側管が複数本設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の液体処理用エキシマランプ。
- 前記外側管および/または前記内側管が、扁平四角筒状であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の液体処理用エキシマランプ。
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