JP2017187147A - 転がり軸受 - Google Patents

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Takashi Shimokawa
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Abstract

【課題】摩擦トルクを上昇させずに、軸受内部の気流通過を抑制することができる転がり軸受を提供すること。【解決手段】外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受において、前記冠型保持器は、前記外輪の内周面との最短距離及び前記内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下である構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、転がり軸受に関し、より詳細には、各玉を均等配置するための冠型保持器を有する転がり軸受に関する。
図6に示すように、従来の転がり軸受1は、外輪2と、内輪3と、外輪2と内輪3との両軌道溝21、31間に介在された複数の玉4と、複数の玉4を均等配置するための冠型保持器5と、軸受内部を外部から密封するための密封装置6と、を備える。また、転がり軸受1において、軸受の寿命、トルク、回転安定性、音響性能等の性能を向上させるため、グリースなどの潤滑剤が使用されている。
転がり軸受1では、潤滑剤からの発塵が、軸受内部を通過する気流によって軸受外部に運ばれると、軸受外部の環境を汚染する虞があった。特に、転がり軸受1が適用される磁気記憶装置(HDD)においては、稼働時に軸受内部に強い空気の流れが発生する。また、軸受が運動することで軸受内部のグリースが攪拌されて、グリース内の油分が微量な粒子となる。この粒子が外部に放出され、軸受外部の環境が汚染されると、データの読み込みや書き込みに不都合が発生することがあり、故障を招く虞がある。
また、従来の転がり軸受では、上述した軸受内部の気流通過を抑えるため、密封装置6として、接触型のシールや、図6に示すような非接触型の金属製シールドが設けられている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2014−148992号公報
ところで、接触型のシールは、ゴムなどの弾性部材により形成されたリップ部を備えており、このリップ部が内輪の外周に接触し、軸受内部を密封状態として、軸受を通過する気流を抑制することができる。しかしながら、軸受の回転時にシールのリップ部と軸受内輪との間で摺動が生じて、摩擦トルクが上昇し、軸受の回転性能に悪影響を与えてしまう。
一方、非接触型の金属製シールドを使用する場合、内輪とシールドとの間の隙間を通常よりも小さくすることにより気流を抑制するも考えられるが、シールドは加締めまたは止め輪で外輪に固定する必要があるため、同心度の確保が難しく、内輪とシールドとの隙間を均一に周方向において接触しない程度に小さくするには限界がある。
本発明は、以上の課題を鑑みてなされたものであり、その目的は、低コストな手段により、摩擦トルクを上昇させずに、軸受内部の気流通過を抑制することにより、潤滑剤からの発塵が軸受外部に流出することを防止できる転がり軸受を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(1) 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
前記冠型保持器は、その円環状の基部において外径側又は内径側に向かって延在する少なくとも一つのフランジを有し、
前記フランジの径方向における表面には、少なくとも一つの突起部が設けられていることを特徴とする転がり軸受。
(2) 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
前記冠型保持器は、その円環状の基部における外径側又は内径側に、先端部から軸方向端面まで延びる円錐面を持った少なくとも一つの円環状の角部を有することを特徴とする転がり軸受。
(3) 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
前記冠型保持器は、前記外輪の内周面との最短距離及び前記内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下であり、
前記冠型保持器は、その円環状の基部において外径側又は内径側に向かって延在するフランジを有し、
前記最短距離の少なくとも一方は、前記冠型保持器のフランジとの間に規定されることを特徴とする転がり軸受。
(4) 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
前記冠型保持器は、前記外輪の内周面との最短距離及び前記内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下であり、
前記冠型保持器は、その円環状の基部の外径面と内周面の少なくとも一方を、柱部の外径面又は内径面と一様外径とし、
前記最短距離の少なくとも一方は、前記冠型保持器の基部の外径面又は内径面との間に規定されることを特徴とする転がり軸受。
(5) 前記冠型保持器の最外径面と前記外輪の内周面との径方向距離と、前記冠型保持器の最内径面と前記内輪の外周面との径方向距離との総和は、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間の径方向距離の30%以下であることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の転がり軸受。
本発明の転がり軸受によれば、冠型保持器は、その円環状の基部において外径側又は内径側に向かって延在する少なくとも一つのフランジを有し、フランジの径方向における表面には、少なくとも一つの突起部が設けられている。したがって、冠型保持器の形状に特徴を持たせて、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制するため、密封装置を用いて気流通過を抑制する場合より低コストである。
さらに、本発明の転がり軸受によれば、冠型保持器は、その円環状の基部における外径側又は内径側に、先端部から軸方向端面まで延びる円錐面を持った少なくとも一つの円環状の角部を有する。したがって、冠型保持器の形状に特徴を持たせて、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制するため、密封装置を用いて気流通過を抑制する場合より低コストである。
また、本発明の転がり軸受によれば、冠型保持器は、外輪の内周面との最短距離及び内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下であるので、冠型保持器と内輪・外輪の間の隙間を小さくすることにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。また、冠型保持器は、その円環状の基部において外径側又は内径側に向かって延在する少なくとも一つのフランジを有し、最短距離の少なくとも一方は、冠型保持器のフランジとの間に規定される。したがって、冠型保持器の形状に特徴を持たせて気流通過を抑制するため、密封装置を用いて気流通過を抑制する場合より低コストである。
また、本発明の転がり軸受によれば、冠型保持器は、外輪の内周面との最短距離及び内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下であるので、冠型保持器と内輪・外輪の間の隙間を小さくすることにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。また、冠型保持器は、その円環状の基部の外径面と内周面の少なくとも一方を、柱部の外径面又は内径面と一様外径とし、最短距離の少なくとも一方は、冠型保持器の基部の外径面又は内径面との間に規定される。したがって、冠型保持器の形状に特徴を持たせて気流通過を抑制するため、密封装置を用いて気流通過を抑制する場合より低コストである。
本発明の第1実施形態による転がり軸受を示す断面図。 本発明の第2実施形態による転がり軸受を示す断面図。 本発明の第3実施形態による転がり軸受を示す断面図。 本発明の第4実施形態による転がり軸受を示す断面図。 本発明の第4実施形態の変形例による転がり軸受を示す断面図。 従来の転がり軸受の冠型保持器の形状を示す断面図。
以下、本発明に係る転がり軸受の各実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下において、説明の便宜のため、各実施形態において同一の構成には同一の符号を付し、重複する説明は割愛する。
(第1実施形態)
図1に示すように、転がり軸受1は、例えば、磁気記憶装置(HDD)のピボット軸受として用いられ、外輪2と、内輪3と、外輪2の外輪軌道溝21と内輪3の内輪軌道溝31との間に介在された複数の玉4と、を有する。
また、転がり軸受1には、玉4に対して軸方向一方側(図1の左側)に配置される円環状の基部51と、基部51から軸方向に所定の間隔で延出し、先端に爪部53を有する柱部52とを有する合成樹脂製の冠型保持器5が備えられている。冠型保持器5は、隣り合う柱部52と、これら柱部52との間の基部51とによって各ポケットを構成し、複数の玉4を周方向において均等配置する。
転がり軸受1の内部にはグリースなどの潤滑剤が封入されている。また、転がり軸受1の軸方向両端部には、軸受外部からの異物の侵入を防止すると同時に軸受内部からの潤滑剤の漏れを防ぐためのシールド(密封装置)6が備えられている。
第1実施形態による転がり軸受1では、冠型保持器5の基部51において、外径側及び内径側に向かって延在し、軸方向に所定の幅の外径面55a、内径面56aを持ったフランジ55、56が設けられている。そして、フランジ55の外径面55aと外輪2の内周面22との最短距離及びフランジ56の内径面56aと内輪3の外周面32との最短距離、即ち、径方向隙間がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下となっている。
フランジ55の外径面55aと外輪2の内周面22との最短距離またはフランジ56の内径面56aと内輪3の外周面32との最短距離が0.1mmを超える場合は、軸受を通過する気流を効果的に抑制することができない。一方、フランジ55の外径面55aと外輪2の内周面22との最短距離またはフランジ56の内径面56aと内輪3の外周面32との最短距離が0.02mm未満である場合は、冠型保持器5が外輪2の内周面22または内輪3の外周面32に接触しやすくなり、摩擦トルクが上昇してしまう虞がある。
したがって、フランジ55の外径面55aと外輪2の内周面22との最短距離及びフランジ56の内径面56aと内輪3の外周面32との最短距離を、いずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下にすることにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。また、本発明は冠型保持器5の形状により気流通過を抑制するため、低コストな転がり軸受を得る事ができる。
また、本実施形態では、冠型保持器5の最外径面(本実施形態では、フランジ55の外径面55a)と外輪2の内周面22との径方向距離と、冠型保持器5の最内径面(本実施形態では、フランジ56の内径面56a)と内輪3の外周面32との径方向距離との総和が、外輪2の内周面22と内輪3の外周面32との間の径方向距離の30%以下に設定されることが好ましい。これにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。
即ち、冠型保持器5の半径方向肉厚をA,(外輪2の内周面22の半径−内輪3の外周面32の半径)をBとすると、
冠型保持器の最外径面と外輪の内周面との径方向距離と、冠型保持器の最内径面と内輪の外周面との径方向距離との総和/外輪の内周面と内輪の外周面との間の径方向距離=[1−A/B]×100(%)となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態による転がり軸受を説明する。なお、第2実施形態による転がり軸受は、冠型保持器5の形状以外は第1実施形態と同一であるため、以下においては、冠型保持器5についてのみ詳しく説明する。
第2実施形態による転がり軸受1では、図2に示すように、冠型保持器5の基部51に、外径側及び内径側の双方に向かって延在するフランジ55、56が設けられており、また、本発明のフランジの径方向における表面である、外径側フランジ55の外径面55aと内径側フランジ56の内径面56aにそれぞれリング状の突起部57a、57bが設けられている。そして、外径側に設けられた突起部57aの先端部と外輪2の内周面22との最短距離及び内径側に設けられた突起部57bの先端部と内輪3の外周面32との最短距離はいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下である。例えば、フランジ55の外径面55aと外輪2の内周面22の径方向隙間が0.03mmであった場合に、0.01mm程度の高さの突起部57aが設けられ、突起部57aの先端と外輪2の内周面22との距離を0.02mmにしてもよい。
したがって、例えば、外径側フランジ55の外径面55aと外輪2の内周面22との距離及び内径側フランジ56の内径面56aと内輪3の外周面32との距離をいずれも0.03mm以上且つ0.1mm以下とし、突起部57a、57bの先端部と外輪2の内周面22及び内輪3の外周面32との各最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下となるように、突起部57a,57bの高さを設定してもよい。
なお、外径側フランジ55の外径面55aと内径側フランジ56の内径面56aの上に、本実施形態のようなリング状の突起部57a、57bを設ける代わりに、3〜12個の突起部57a、57bが円周方向に所定の間隔で設けられてもよい。
また、従来のようなフランジが設けられていない冠型保持器5に直接突起部57a,57bを設け、突起部57a,57bの先端部とその対向する軌道輪の面の最短距離が0.02mm以上且つ0.1mm以下となるように構成してもよい。
本実施形態は、冠型保持器5の突起部57a,57bにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。また、冠型保持器5の突起部57a,57bが外輪2の内周面22または内輪3の外周面32に接触したとしても、突起部57a,57bの先端部のみが点接触するため、第1実施形態と比べて接触面積が著しく減少する。その結果、接触による摩擦トルクも小さくなる。
また、本実施形態においても、冠型保持器5の最外径面(本実施形態では、突起部57aの先端部)と外輪2の内周面22との径方向距離と、冠型保持器5の最内径面(本実施形態では、突起部57bの先端部)と内輪3の外周面32との径方向距離との総和は、外輪2の内周面22と内輪3の外周面32との間の径方向距離の30%以下に設定されることが好ましい。即ち、[1−A/B]×100(%)≦30%。
なお、本実施形態は、上述した径方向隙間の規定や、[1−A/B]×100(%)の範囲を満たすことが好ましいが、これに限定されるものではない。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態による転がり軸受を説明する。なお、第3実施形態による転がり軸受は、冠型保持器5の形状以外は第1実施形態と同一であるため、以下においては、冠型保持器5についてのみ詳しく説明する。
第3実施形態による転がり軸受1は、図3に示すように、冠型保持器5の基部51における外径側及び内径側に、先端部から軸方向端面まで延びる円錐面54cを持った円環状の角部54a、54bをそれぞれ有する。そして、外径側の角部54aの先端部と外輪2の内周面22との最短距離及び内径側の角部54bの先端部と内輪3の外周面32との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下である。
本実施形態は、角部54a、54bにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。また、冠型保持器5の角部54a、54bが外輪2の内周面22または内輪3の外周面32に接触したとしても、角部54a、54bの先端部のみが接触するため、第1実施形態と比べて接触面積が著しく減少する。その結果、接触による摩擦トルクも小さくなる。
また、本実施形態においても、冠型保持器5の最外径面(本実施形態では、角部54a)と外輪2の内周面22との径方向距離と、冠型保持器5の最内径面(本実施形態では、角部54b)と内輪3の外周面32との径方向距離との総和は、外輪2の内周面22と内輪3の外周面32との間の径方向距離の30%以下に設定されることが好ましい。即ち、[1−A/B]×100(%)≦30%。
なお、本実施形態においても、上述した径方向隙間の規定や、[1−A/B]×100(%)の範囲を満たすことが好ましいが、これに限定されるものではない。
なお、本実施形態の変形例として、図4に示すように、本実施形態の角部54a、54bは、第1及び第2実施形態のようなフランジ55、56を有するような構成において適用されてもよい。このような角部54a,54bは、基部51の軸方向端面の面取り部と同時に設けることができ、製造コストを抑制することができる。また、この場合、角部54a,54bの位置は、基部51の幅方向中間部よりも外側にずれており、射出成形の際に金型から離型しやすく、さらに、製造コストを抑制することができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態による転がり軸受を説明する。なお、第4実施形態による転がり軸受は、冠型保持器5の形状以外は第1実施形態と同一であるため、以下においては、冠型保持器5についてのみ詳しく説明する。
第4実施形態による転がり軸受1は、図5に示すように、基部51の外径面51aが柱部52の外径面と一様外径を有し、内径面51bも柱部52の内径面も一様外径を有する。ただし、本実施形態による冠型保持器5は、基部51の外径面55aと外輪2の内周面22との最短距離及び基部51の内径面51bと内輪3の外周面32との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下である。
また、本実施形態においても、冠型保持器5の最外径面(本実施形態では、基部51の外径面51a)と外輪2の内周面22との径方向距離と、冠型保持器5の最内径面(本実施形態では、基部51の内径面51b)と内輪3の外周面32との径方向距離との総和は、外輪2の内周面22と内輪3の外周面32との間の径方向距離の30%以下に設定されることが好ましい。即ち、[1−A/B]×100(%)≦30%。
これにより、摩擦トルクを上昇させずに、気体が軸受内部を通過する流路を絞って、軸受内部の気流通過を抑制することができる。また、本発明は冠型保持器5の形状により気流通過を抑制するため、低コストな転がり軸受を提供することができる。
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形、改良等が可能である。
例えば、本発明による転がり軸受1の冠型保持器5の形状は、上記の実施形態に限定されない。上記実施形態の冠型保持器5では、外輪2の内周面22に最も近い部位と、内輪3の外周面32に最も近い部位とが、いずれも同様の構成を有しているが、本発明は、これに限定されるものではない。即ち、冠型保持器5において外輪2の内周面22に最も近い部位と外輪2の内周面22との距離(すなわち、冠型保持器5と外輪2の内周面22との最短距離)が0.02mm以上且つ0.1mm以下であり、且つ冠型保持器5において内輪3の外周面32に最も近い部位と内輪3の外周面32との距離(すなわち、冠型保持器5と内輪3の外周面32との最短距離)が0.02mm以上且つ0.1mm以下であればよい。例えば、外輪2の内周面22に最も近い部位と、内輪3の外周面32に最も近い部位とは、上記第1〜第4実施形態のいずれかを組み合わせたものであってもよい。
また、本発明において、保持器の案内方式は、玉案内、内輪案内、外輪案内のいずれに限定されるものではない。
さらに、本発明による転がり軸受は、例えば磁気記憶装置(HDD)に用いられるピボット軸受であってもよいが、本発明はこれに限定されず、その他のいかなる種類の転がり軸受であってもよい。
また、本発明の転がり軸受がピボット軸受として適用される場合、通常、一対の転がり軸受は、軸方向に並んで軸に嵌合させて使用される。このような場合、転がり軸受は、冠型保持器5の円環状の基部51は、玉4に対して軸方向内側(各転がり軸受が軸方向に互いに対向する側)に配置されてもよいし、軸方向外側に配置されてもよい。また、各転がり軸受は、軸方向内側となるシールドを設けない構成であってもよい。
1 転がり軸受
2 外輪
22 外輪内周面
3 内輪
32 内輪外周面
4 玉
5 冠型保持器
51 基部
52 柱部
55、56 フランジ
6 シールド

Claims (5)

  1. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
    前記冠型保持器は、その円環状の基部において外径側又は内径側に向かって延在する少なくとも一つのフランジを有し、
    前記フランジの径方向における表面には、少なくとも一つの突起部が設けられていることを特徴とする転がり軸受。
  2. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
    前記冠型保持器は、その円環状の基部における外径側又は内径側に、先端部から軸方向端面まで延びる円錐面を持った少なくとも一つの円環状の角部を有することを特徴とする転がり軸受。
  3. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
    前記冠型保持器は、前記外輪の内周面との最短距離及び前記内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下であり、
    前記冠型保持器は、その円環状の基部において外径側又は内径側に向かって延在するフランジを有し、
    前記最短距離の少なくとも一方は、前記冠型保持器のフランジとの間に規定されることを特徴とする転がり軸受。
  4. 外輪と、内輪と、前記外輪と前記内輪との間に介在された複数の玉と、前記複数の玉を均等配置するための冠型保持器と、を備える転がり軸受であって、
    前記冠型保持器は、前記外輪の内周面との最短距離及び前記内輪の外周面との最短距離がいずれも0.02mm以上且つ0.1mm以下であり、
    前記冠型保持器は、その円環状の基部の外径面と内周面の少なくとも一方を、柱部の外径面又は内径面と一様外径とし、
    前記最短距離の少なくとも一方は、前記冠型保持器の基部の外径面又は内径面との間に規定されることを特徴とする転がり軸受。
  5. 前記冠型保持器の最外径面と前記外輪の内周面との径方向距離と、前記冠型保持器の最内径面と前記内輪の外周面との径方向距離との総和は、前記外輪の内周面と前記内輪の外周面との間の径方向距離の30%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の転がり軸受。
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