JP2017186880A - 鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造 - Google Patents

鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造 Download PDF

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Abstract

【課題】下階柱となる鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とを作業性良く堅固に接合でき、かつ柱梁接合部の耐力が大きい鉄筋コンクリ−ト柱・鉄骨梁接合構造を提供する。【解決手段】鉄筋コンクリート柱1からなる下階柱の上端と、鉄骨梁3とを接合する鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造である。鉄骨梁3の上下のフランジ3aの高さ位置にそれぞれ位置するダイアフラム5と、これら上下のダイアフラム5を互いに連結し鉄骨梁3のウェブ3bとそれぞれ接合可能な複数のウェブ接合部位4aを有する継手部連結材4とを備える。継手部連結材4の複数のウェブ接合部位4aで囲まれた内部空間Sにコンクリートが充填される。【選択図】図6

Description

この発明は、鉄筋コンクリート柱からなる下階柱の上端と、鉄骨梁とを接合する鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に関し、さらに鉄骨柱からなる上階柱と接合する鉄筋コンクリート柱・鉄骨柱・鉄骨梁接合構造としても適用され得る接合構造に関する。
図35は、物流施設などに採用される、柱をRC造、梁をS造とした構造(以下、「RCS構造」と称す)の建物躯体の従来例を示す。この種の建物の柱において、一般階は鉄筋コンクリート柱21とされているが、最上階だけを鉄骨柱24とすることがある。最上階は折板などからなる軽量の屋根が載るだけであり、負担する荷重が小さいため、コスト削減のために鉄骨柱とされる。また、最上階の鉄骨柱24は、支持すべき荷重が小さいため、300mm角程度のH形鋼や角パイプで足り、鉄骨梁23の梁幅は300mm程度が一般的であるため、図35のXXXVI部を図36の斜視図で示すように、鉄骨梁23の上に鉄骨柱24を梁幅内に納まるように載せた接合構造とすることができる。
特開2012−162864号公報
上記のような物流施設の建物において、さらなるコスト削減のため、中間階の柱についても鉄骨柱とすることが望まれている。物流施設の場合、1階は出入り口等を設けるプラン上、ブレースが入れられず、鉄骨造ラーメン構造では剛性が不足するため、RC造の柱がほぼ必須である。1階以外の中間階では外周部にはほぼブレースを入れることが出来るため、ブレース併用の鉄骨造とすることができる。
しかし、図37に示すように、中間階の柱を鉄骨柱22とする場合、この鉄骨柱22は床スラブやその上の積載荷重を支持する必要があり、耐力の関係上、鉄骨梁23の梁幅を超える外径、例えば550mm程度の鉄骨柱22が必要となる。
このような梁幅を超える鉄骨柱22を、最上階と同様に同図のように鉄骨梁23の上面に設置した場合、下階柱である鉄筋コンクリート柱21に続く柱梁接合部21aの耐力が不足するという課題が生じる。また、このような梁幅を超える鉄骨柱22と鉄骨梁23とを接合する適切な接合構造自体が無かった。これらのことから、中間階を鉄骨造とする工法が実現できなかった。
また、従来のRCS構造の建物躯体では、上階柱を鉄骨柱とする場合に限らず、最上階のように上階柱がない場合や、上階柱が鉄筋コンクリート柱である場合にも、鉄筋コンクリート柱に鉄骨梁を接合する部分一般において、その接合作業の作業性や堅固な固定の面で課題を有していた。
この発明の目的は、下階柱となる鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とを作業性良く堅固に接合でき、かつ柱梁接合部の耐力が大きい鉄筋コンクリ−ト柱・鉄骨梁接合構造を提供することである。
この発明の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造は、鉄筋コンクリート柱からなる下階柱の上端と、上下にフランジが位置する姿勢で配置された鉄骨梁とを接合する鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造であって、
前記鉄骨梁の前記上下のフランジの高さ位置にそれぞれ位置するダイアフラムと、これら上下のダイアフラムを互いに連結し前記鉄骨梁のウェブとそれぞれ接合可能な複数のウェブ接合部位を有する継手部連結材とを備え、前記継手部連結材の前記複数のウェブ接合部位で囲まれた内部空間にコンクリートが充填されている。
この構成によると、上下のダイアフラムおよび継手部連結材からなる継手材を介して、鉄筋コンクリート柱からなる下階柱と鉄骨梁とが接合される。具体的には、下階柱の上端の上に継手材が設けられ、この継手材の上下のダイアフラムの外側面に直接に、または継手部連結材の外側面における上下のダイアフラムの高さ位置に、鉄骨梁の上下のフランジの端面がそれぞれ接合されると共に、継手部連結材のウェブ接合部位の外側面に鉄骨梁のウェブの端面が接合される。このように継手材の外側面に鉄骨梁の端面を接合するため、鉄骨梁の接合作業が容易であり、例えば溶接ロボット等で接合することも容易である。鉄骨梁に作用する水平力が上下のダイアフラムに受けられるため、継手部連結材の剛性不足の問題を生じることなく堅固に接合できる。
継手部連結材の複数のウェブ接合部位で囲まれた内部空間にコンクリートが充填されているため、柱梁接合部でのコンクリートの断面欠損が無い。また、前記内部空間にコンクリートを充填することで、継手部連結材の面外変形が抑制される。これらのことから、十分な柱梁接合部耐力が得られる。
この発明において、前記上下のダイアフラムは前記継手部連結材よりも外径寸法が大きく、かつ前記上下のダイアフラム間に前記継手部連結材が配置されていてもよい。
この場合、継手部連結材よりも上下のダイアフラムが水平方向に突出しており、上下のダイアフラムの外側面に鉄骨梁の上下のフランジの端面がそれぞれ接合される。上側のダイアフラムの上方に継手部連結材が突出していないので、上側のダイアフラムの上面に任意の形状および寸法の上階柱を接合することができる。
上側のダイアフラムの上面に接合される上階柱は、前記継手部連結材以下の外径の鉄骨柱であってもよく、あるいは前記継手部連結材より大きい外径の鉄骨柱であってもよい。
何れの場合も、上階柱に作用する軸方向荷重が、上側のダイアフラムを介して継手部連結材に良好に伝達される。
この発明において、前記継手部連結材の水平断面の形状は、前記複数のウェブ接合部位が互いに繋がっている閉鎖形状であってもよい。
継手部連結材の水平断面の形状が閉鎖形状である場合、継手部連結材の周囲にコンクリートが打設されなくても、継手部連結材の前記内部空間にコンクリートを充填することができる。
また、前記継手部連結材の水平断面の形状が、前記複数のウェブ接合部位が互いに離れている開放形状であってもよい。
継手部連結材の水平断面の形状が開放形状である場合、継手部連結材の内部空間内のコンクリートが開放部分から外部に流れ出ないように、継手部連結材の周囲にコンクリートを打設する必要がある。反面、継手部連結材の隣合うウェブ接合部位間の開放部分からコンクリートを流し込んで内部空間に充填するため、内部空間へのコンクリートの回りが良いという利点がある。また、必然的に継手部連結材の周囲にコンクリートが存在するため、継手部連結材の径が小さく、内部空間のコンクリート量が少なくても、柱梁接合部の十分な耐力を確保することができる。
この発明において、前記継手部連結材における前記複数のウェブ接合部位のうち少なくとも一つのウェブ接合部位には前記鉄骨梁の前記ウェブが接合されず、この前記鉄骨梁の前記ウェブが接合されない前記ウェブ接合部位の外側面に上下にフランジが位置する姿勢で配置された補強鉄骨が設けられていてもよい。
建物の端部や角部に配置される鉄筋コンクリート柱の柱梁接合部では、継手部連結材における複数のウェブ接合部位のうち鉄骨梁のウェブが接合されないウェブ接合部位が存在する。このような鉄骨梁のウェブが接合されないウェブ接合部位に補強鉄骨を設けることにより、下階柱となる鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とをより堅固に接合できる。また、上階柱として鉄骨柱を用いる場合にも、その鉄骨柱の下端を下階柱である鉄筋コンクリートの上に安定良く十分な支持強度で支持することができる。
この発明において、前記継手部連結材は、隣合う板部同士が互いに接するように複数の角パイプが格子状に組み合わされたものであってもよい。
この構成であると、格子状に組み合わされた複数の角パイプの各板部のうちの外周部に位置する板部が継手部連結材の外郭部を成し、外周部以外に位置する各板部が前記外郭部の内側に配置された交差形補強部を成す。これにより、交差形補強部が継手部連結材の内部抵抗要素として効率的に効き、継手部連結材の耐力を維持しつつ剛性を高めることができる。
また、前記継手部連結材は、前記複数のウェブ接合部位からなる外郭部と、この外郭部の内側に配置された交差形補強部とを有し、前記交差形補強部は、平面視で互いに垂直に交差する複数の板部からなり、これらの板部の各端部が前記外郭部の前記各ウェブ接合部位の内面にそれぞれ接合されていてもよい。前記外郭部の水平断面の形状は、前記複数のウェブ接合部位が互いに繋がっている閉鎖形状であってもよく、前記複数のウェブ接合部位が互いに離れている開放形状であってもよい。
この構成であると、交差形補強部が継手部連結材の内部抵抗要素として効率的に効き、継手部連結材の耐力を維持しつつ剛性を高めることができる。
この発明の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造は、鉄筋コンクリート柱からなる下階柱の上端と、上下にフランジが位置する姿勢で配置された鉄骨梁とを接合する接合構造であって、前記鉄骨梁の前記上下のフランジの高さ位置にそれぞれ位置するダイアフラムと、これら上下のダイアフラムを互いに連結し前記鉄骨梁のウェブとそれぞれ接合可能な複数のウェブ接合部位を有する継手部連結材とを備え、前記継手部連結材の前記複数のウェブ接合部位で囲まれた内部空間にコンクリートが充填されているため、下階柱となる鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とを作業性良く堅固に接合でき、かつ柱梁接合部の耐力が大きい。
この発明の一実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造が適用されるRCS構造の建物躯体を示す斜視図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す斜視図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造における鉄骨柱より上方部分を省略して図示した斜視図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造における下階柱および根巻きの省略状態の斜視図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す平面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す縦断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手材を示す斜視図である。 この発明の他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す斜視図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造における鉄骨柱より上方部分を省略して図示した斜視図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造における下階柱および根巻きの省略状態の斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す平面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す縦断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手材を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す平面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す縦断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す縦断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す縦断面図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手材を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手材を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手材を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手部連結材を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手部連結材を示す斜視図である。 この発明のさらに他の実施形態にかかる鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を示す水平断面図である。 同鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造に用いられる継手部連結材を示す斜視図である。 RCS構造の建物躯体の従来例を示す斜視図である。 図35におけるXXXVI部を拡大して示す斜視図である。 図36における鉄骨柱をこれより大径の鉄骨柱に置き換えた場合を示す斜視図である。
この発明の一実施形態を図1ないし図7と共に説明する。図1はこの実施形態の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造が適用されるRCS構造の建物躯体を示し、図2はその鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造の斜視図を示す。
図1の建物躯体は、例えば物流施設などに適用される。この建物躯体は、各柱につき、1階は鉄筋コンクリート柱1とされ、中間階および最上階は鉄骨柱2,10とされている。各梁は鉄骨梁3とされている。中間階では各階毎に鋼材のブレース11が設けられている。ブレース11は、図示の例では上端が鉄骨梁3に接合され、下端が鉄骨柱2に接合されている。1階の隣合う鉄筋コンクリート柱1,1間は、ブレースは設けられず、建物の部位によっては、トラック出入り用の開口とされる。
各使用部材の種類例および寸法を示すと、前記中間階の鉄骨柱2は例えば角パイプとされ、最上階の鉄骨柱10は角パイプまたはH形鋼等の形鋼とされる。鉄骨梁3はH形鋼とされる。中間階の鉄骨柱2は、1階の鉄筋コンクリート柱1より小径でかつ鉄骨梁3のフランジ幅(以下単に「幅」と称す)より大径とされる。例えば、鉄骨梁3の幅が300mmの場合、中間階の鉄骨柱2は外寸が550mm角程度とされる。
最上階の鉄骨柱10は、折板屋根等の屋根材を支持しており、鉄骨梁3と同じく外寸が300mmとされる。そのため、最上階の鉄骨柱10の下端と鉄骨梁3との接合は、図36の従来例で説明した構成と同様に、鉄骨梁3上に鉄骨柱10を設置する鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造とされている。ただし、最上階の鉄骨柱10の下に続く柱は中間階の鉄骨柱2であり、接合部にコンクリートは設けられていない。
図2は、図1のII部である柱梁接合部1aの鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を拡大して示す。同柱梁接合部1aは、上階の鉄骨柱2の接合も行っており、鉄筋コンクリート柱・鉄骨柱・鉄骨梁接合構造を構成している。すなわち同図は、鉄筋コンクリート柱1からなる下階柱(1階柱)の上端部と、鉄骨梁3と、前記中間階の柱である上階柱(2階柱)の下端部とを接合する構造を示す。
鉄骨梁3は鉄筋コンクリート柱1から四方に延びている。各鉄骨梁3は前記のようにH形鋼であり、上下にフランジ3a,3aが位置し、ウェブ3bが立姿勢となるように設けられている。
柱梁接合部1aには、図3のように継手材Tが埋め込み状態に設けられる。この実施形態の継手材Tは、図7に示すように、角パイプからなる継手部連結材4と、この継手部連結材4の内周面の上下端付近にそれぞれ突合せ溶接で接合された上下のダイアフラム5,5とで構成される。上下のダイアフラム5,5は、図3のように鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とを接合した状態で、鉄骨梁3の上下のフランジ3a,3aの高さとなる位置に設けられている。
図7において、継手部連結材4としては、前記鉄骨梁3の幅以上で鉄筋コンクリート柱1より細く(図5参照)、ここでは550mm角程度の外径の角パイプが用いられている。角パイプからなる継手部連結材4は、四方の各板部が、鉄骨梁3のウェブ3bを接合可能なウェブ接合部位4aとされる。この継手部連結材4の水平断面の形状は、4つのウェブ接合部位4aが互いに繋がった閉鎖形状である。よって、上下のダイアフラム5,5と継手部連結材4とで囲まれた閉鎖空間である内部空間Sが形成されている。上下のダイアフラム5,5の突合せ溶接を可能にし、かつ上下のダイアフラム5,5と鉄骨梁3の上下のフランジ3a,3aの高さが一致するように、継手部連結材4の長さは鉄骨梁3の梁成より若干長くされている(図6参照)。
下側のダイアフラム5には、コンクリート充填孔5aが設けられている。このコンクリート充填孔5aは、後で前記内部空間Sにコンクリートを充填するための孔である。コンクリート充填孔5aは、専用に設けられたものであってもよく、他の目的で開けられている孔を利用してもよい。他の目的で開けられている孔とは、例えば継手部連結材4にダイアフラム5,5を溶接で接合するときにガス抜き目的で開けられた孔である。上側のダイアフラム5に空気抜き用の孔(図示せず)を設けてもよい。
図3に示すように、下階柱の上端の上に継手材Tが配置される。そして、図5の平面図で示すように、継手材Tの継手部連結材4の各ウェブ接合部位4aに、鉄骨梁3の端面がそれぞれ溶接で接合される。具体的には、図6の縦断面図に示すように、継手部連結材4のウェブ接合部位4aに鉄骨梁3の端面が接合される。その際、上下のダイアフラム5,5と上下のフランジ3a,3aとの高さを一致させて、鉄骨梁3が接合される。
なお、継手材Tに鉄骨梁3を接合する段階では、下階柱にコンクリートが打設されておらず、継手材Tおよび鉄骨梁3は下階柱用の型枠または他の支持部材(図示せず)によって支持されている。
継手材Tに鉄骨梁3を接合後、下階柱用の型枠(図示せず)にコンクリートを打設し、鉄筋コンクリート柱1が形成される。このコンクリート打設時に、下側のダイアフラム5に設けられたコンクリート充填孔5aからコンクリートが継手材Tの前記内部空間Sに充填される。コンクリート打設後、コンクリートが固化した時点で前記型枠または支持部材が外される。
継手材T上には、図4に斜視図で示すように上階柱となる鉄骨柱2が設けられ、継手材Tの継手部連結材4と溶接で接合されている。同図の例では、上階柱となる鉄骨柱2は、継手部連結材4と同径で、かつ肉厚も同じ角パイプが用いられている。
上階柱となる鉄骨柱2の下部の周囲には、図2のように柱下部補強体6が設けられる。柱下部補強体6は、この鉄骨柱2に作用する曲げ力に対して鉄骨柱2の下部を補強する部材である。この例では、柱下部補強体6は、下階柱である1階の鉄筋コンクリート柱1から一体に続く鉄筋コンクリート製の根巻きとされている。この根巻きとなる曲げ補強体6の鉄筋19は、1階の鉄筋コンクリート柱1から上下方向に延びる複数本の主筋19aと、これら複数本の主筋19aの周囲に位置する帯筋19bとでなる。
また、この実施形態では、下階柱である鉄筋コンクリート柱1における鉄骨梁3の高さ位置の部分、つまり梁成に対応する高さ範囲の部分を打設するために、図4のようにふさぎ板7が捨て型枠として配置されている。ふさぎ板7は鋼板等からなり、互いに直角に配置される隣り合う各2つの鉄骨梁3、3の間に跨がって水平断面L字状に設けられる。ふさぎ板7の両側端は各鉄骨梁3に溶接により接合されている。なお、前記ふさぎ板7を省略して、一般的な型枠を配置することで、鉄筋コンクリート柱1における、鉄骨梁3が位置する高さの部分まで打設して、鉄骨梁3が鉄筋コンクリート柱1に埋め込まれるようにしても良い。
この構成の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造によると、継手材Tの外側面に鉄骨梁3の端面を接合するため、接合作業が容易であり、例えば溶接ロボット等で接合することも容易である。継手材Tには鉄骨梁3の上下のフランジ3a,3aの高さに位置する上下のダイアフラム5,5が設けられているため、継手部連結材4の剛性不足の問題を生じることなく堅固に接合できる。継手部連結材4は下階柱である鉄筋コンクリート柱1より細い角パイプであるため、継手部連結材4と下階柱との間の応力伝達も良好に行える。このように、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とを作業性良く堅固に接合できる。
継手部連結材4の複数のウェブ接合部位4aで囲まれた内部空間Sにコンクリートが充填されているため、柱梁接合部1aでのコンクリートの断面欠損が無い。また、前記内部空間Sにコンクリートを充填することで、継手部連結材4の面外変形が抑制される。これらのことから、柱梁接合部1aの耐力が向上する。このため、この実施形態のように、この構成の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を複数階建ての建物における下層階の柱梁接合部に適用した場合、上層階からの軸方向荷重に対して十分な耐力が得られる。
この実施形態では、継手材Tの周囲にもコンクリートが打設されているが、この実施形態に使用されている継手材Tのように、継手部連結材4の水平断面の形状が閉鎖形状である場合、継手材Tの周囲にコンクリートが打設されていなくても、内部空間Sにコンクリートを充填することが可能である。但し、柱梁接合部1aの耐力を考慮すると、継手材Tの周囲にコンクリートを打設するのが望ましい。
また、上階柱は継手部連結材4と同径の断面寸法の角パイプからなる鉄骨柱2とされているため、上階柱である鉄骨柱2に作用する軸方向荷重が継手部連結材4に良好に伝達される。
このように、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とを上記のように作業性良く堅固に接合できるうえ、上階柱となる鉄骨柱2が鉄骨梁3の幅より太くても、応力伝達上で支障が生じることなく上階柱2と鉄骨梁3との接合が行える。
また、この実施形態では、継手材T上に、上階柱として継手材Tの継手部連結材4以下の外径の鉄骨柱2が接合されているので、RCS構造の建物躯体において、上階柱となる鉄骨柱2の外径(ここでは550mm角程度)が鉄骨梁3の幅(ここでは300mm)より大径であっても、上階柱となる鉄骨柱2からの軸力と曲げを柱梁接合部から下階柱となる鉄筋コンクリート柱1へスムーズに伝達できる。
図8は、この発明の他の実施形態を示す。この実施形態の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造では、先の実施形態において、上階柱となる鉄骨柱2の下端部の一側面とその側面の向かう方向に延びる鉄骨梁3の前記鉄骨柱2に近い一端部上面との間に跨がって、ブレース取付用のガセットプレート8を溶接により接合している。その他の構成は、先の実施形態の場合と同様である。
このように、上階柱となる鉄骨柱2の下端部の一側面とその側面の向かう方向に延びる鉄骨梁3の前記鉄骨柱2に近い一端部上面との間に跨がって、ブレース取付用のガセットプレート8を接合することにより、上階をブレース付きの鉄骨造とすることができ、十分な剛性を確保することができる。
図9は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造では、図1〜図7に示した先の実施形態において、前記継手部連結材4の3つのウェブ接合部位4aに前記鉄骨梁3の端面が接合され、残りの1つのウェブ接合部位4aに、先端が前記下階柱である鉄筋コンクリート柱1の側面と同じ水平位置まで延びるアーム状の補強鉄骨9の基端が接合されて下階柱に埋め込まれている。補強鉄骨9の先端は、鉄筋コンクリート柱1の側面に対して多少の出入りがあっても良い。前記補強鉄骨9は、例えば鉄骨梁3と同じ断面形状で同寸法のH形鋼からなる。その他の構成は、図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
このように、鉄骨梁3が継手部連結材4の3つのウェブ接合部位4aから三方にT字状に延びる場合でも、鉄筋コンクリート柱1の上端部内における鉄骨梁3が位置しない1方向の部分に、基端が前記継手部連結材4の残りの1つのウェブ接合部位4aに接合されたアーム状の補強鉄骨9を埋め込むことにより、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とをより堅固に接合できる。また、上階柱として鉄骨柱2を用いる場合にも、その鉄骨柱2の下端を下階柱である鉄筋コンクリート1の上に安定良く十分な支持強度で支持することができる。
図10は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造では、図1〜図7に示した先の実施形態において、前記継手部連結材4の2つのウェブ接合部位4aに前記鉄骨梁3の端面が接合され、継手部連結材4の残りの2つのウェブ接合部位4aに、先端が前記下階柱である鉄筋コンクリート柱1の側面と同じ水平位置まで延びるアーム状の補強鉄骨9の基端がそれぞれ接合されて下階柱に埋め込まれている。その他の構成は、図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合も、鉄筋コンクリート柱1の上端部内における鉄骨梁3が位置しない2方向の部分に、基端が前記継手部連結材4の残りの2つのウェブ接合部位4aに接合されたアーム状の補強鉄骨9をそれぞれ埋め込むことにより、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とをより堅固に接合できる。また、上階柱として鉄骨柱2を用いる場合にも、その鉄骨柱2の下端を下階柱である鉄筋コンクリート1の上に安定良く十分な支持強度で支持することができる。
図11ないし図17は、この発明のさらに他の実施形態を示す。図11はその鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造の斜視図を示す。この鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造では、図1〜図7に示した先の実施形態とは継手材の形態が異なり、図17に示す継手材Tが使用される。この継手材Tは、角パイプからなる継手部連結材4の上下端面に、上下のダイアフラム5,5がそれぞれ接合されている。ダイアフラム5,5の接合は、継手部連結材4の外周面とダイアフラム5,5の下面または上面との間の突合せ溶接で行われる。ダイアフラム5,5の外径は、継手部連結材4より若干大きくされている。
図15の縦断面図および図16の水平断面図に示すように、鉄骨梁3の上下のフランジ3a,3aがダイアフラム5,5の外側面に溶接により接合され、かつ鉄骨梁3のウェブ3bが継手部連結材4の各ウェブ接合部位4aの外側面に溶接により接合されている。上下のダイアフラム5,5と継手部連結材4とで囲まれた閉鎖空間である内部空間Sには、コンクリートが充填されている。内部空間Sへのコンクリートの充填は、図1〜図7の実施形態の場合と同様に、下階柱である鉄筋コンクリート柱1へのコンクリート打設時に、下側のダイアフラム5に設けられたコンクリート充填孔5aから行われる。
上階柱となる鉄骨柱2は、上側のダイアフラム5の上面に溶接により接合される。図12は上階の鉄骨柱2を省略した状態を示し、図13は上階の鉄骨柱2を接合した状態を斜視図で示している。その他の構成は、図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
この実施形態の場合も、継手材Tに、鉄骨梁3の上下のフランジ3a,3aの位置する高さにそれぞれ位置して上下のダイアフラム5,5が設けられているため、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とを作業性良く堅固に接合できる。また、継手材Tの内部空間Sにコンクリートが充填されており、柱梁接合部1aでのコンクリートの断面欠損が無く、かつ継手部連結材4の面外変形が抑制されるため、柱梁接合部1aの耐力が向上する。
また、この実施形態でも、継手材T上に、上階柱として前記継手部パイプ4以下の外径の鉄骨柱2が接合されているので、RCS構造の建物躯体において、上階柱となる鉄骨柱2の外径(ここでは550mm角程度)が鉄骨梁3の幅(ここでは300mm)より大径であっても、上階柱となる鉄骨柱2からの軸力と曲げを柱梁接合部から下階柱となる鉄筋コンクリート柱1へスムーズに伝達できる。
図18は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造では、図11〜図17に示した先の実施形態において、前記継手材Tの継手部連結材4における3つのウェブ接合部位4aに前記鉄骨梁3の端面が接合され、継手部連結材4の残りの1つのウェブ接合部位4aに、先端が前記下階柱である鉄筋コンクリート柱1の側面と同じ水平位置まで延びるアーム状の補強鉄骨9の基端が接合されて下階柱に埋め込まれている。その他の構成は、図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
この場合も、図9の実施形態の場合と同様に、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とをより堅固に接合できる。また、上階柱として鉄骨柱2を用いる場合にも、その鉄骨柱2の下端を下階柱である鉄筋コンクリート1の上に安定良く十分な支持強度で支持することができる。
図19は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構では、図11〜図17に示した先の実施形態において、前記継手材Tの継手部連結材4における2つのウェブ接合部位4aに前記鉄骨梁3の端面が接合され、継手材Tの残りの2つのウェブ接合部位4aに、先端が前記下階柱である鉄筋コンクリート柱1の側面と同じ水平位置まで延びるアーム状の補強鉄骨9の基端がそれぞれ接合されて下階柱に埋め込まれている。その他の構成は、図1〜図7に示した先の実施形態の場合と同様である。
この場合も、図10の実施形態の場合と同様に、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とをより堅固に接合できる。また、上階柱として鉄骨柱2を用いる場合にも、その鉄骨柱2の下端を下階柱である鉄筋コンクリート1の上に安定良く十分な支持強度で支持することができる。
図20は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図11〜図17の実施形態において、継手材T上に接合された上階柱2が、角パイプであって、継手材Tの継手部連結材4よりも小径である例を示す。この構成の場合も、上階柱2が継手部連結材4と同じ径である場合と同様に、下階柱となる鉄筋コンクリート柱1と鉄骨梁3とを作業性良く堅固に接合できる。その他の構成効果は、図11〜図17に示す実施形態と同様である。
図21は、この発明のさらに他の実施形態を示す。この実施形態は、図11〜図17の実施形態において、継手材T上に接合された上階柱2が、角パイプであって、継手材Tの継手部連結材4よりも径が大きい例を示す。この構成の場合、継手部連結材4が小径であるため、継手材Tの内部空間Sに充填されるコンクリートの量が少ない。しかし、継手材Tの周囲に1階柱である鉄筋コンクリート柱1に続くコンクリート部分が存在するため、柱梁接合部1aでのコンクリートの欠損がなく、柱梁接合部1aの耐力が低下しない。
図22は、この発明のさらに他の実施形態を示す。鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造では、各鉄骨梁3が、上下のダイアフラム5,5の四方に接合されたアーム状の基端部梁部材3Aと、この基端部梁部材3Aに突き合わせ溶接された一般部梁部材3Bとで構成される。基端部梁部材3Aは、下階柱である鉄筋コンクリート柱1の側面と同じであるか、または僅かに突出する程度の長さである。基端部梁部材3Aは、鉄骨梁3の本数にかかわらずに四方に設けられ、鉄骨梁3が3〜1方のみに設けられる場合は、残りの基端部梁部材3Aは、図9の例と共に前述した補強梁9として用いられる。
上記各実施形態では、継手材Tの継手部連結材4が角パイプからなっているが、継手部連結材4が角パイプ以外であってもよい。例えば図24に示すように、継手部連結材4を丸パイプとしてもよい。図の例の継手材Tは、上下のダイアフラム5,5が継手部連結材4の上下端面にそれぞれ接合されたタイプのものであり、上下のダイアフラム5,5は、継手部連結材4よりも径が大きい四角形の平面形状とされている。図23は、上記継手材Tを使用した鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造の水平断面図である。他の構成は、図11〜図17に示す実施形態と同様である。
継手部連結材4は、断面形状が四角形以外の多角形、楕円、その他の形状であるパイプとしてもよい(図示せず)。パイプからなる継手部連結材4は、水平断面の形状が、複数のウェブ接合部位4aが互いに繋がった閉鎖形状である。継手部連結材4が閉鎖形状であると、継手部連結材4の周囲にコンクリートが打設されなくても、継手部連結材4の内部空間Sにコンクリートを充填することができるという利点がある。
図23、図24の例は、継手部連結材4の上下端面に上下のダイアフラム5,5がそれぞれ接合されたタイプの継手材Tを示すが、継手部連結材の内周面の上下端付近に上下のダイアフラムが接合されたタイプの継手材についても、継手部連結材の形状を任意に選択することができる。以下に示す各例についても同様である。
図25に示す鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造には、図26に示す継手材Tが使用される。この継手材Tは、上下のダイアフラム5,5を連結する継手部連結材4が4枚の平鋼4bで構成されている。4枚の平鋼4bは、仮想の正方形の各辺の位置にそれぞれ配置されており、全体で角部が除去された角柱状をしている。隣合う平鋼4b間の部分は開放している。4枚の平鋼4bは、それぞれがウェブ接合部位4aを成す。他の構成は、図11〜図17に示す実施形態と同様である。
図27に示す鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造には、図28に示す継手材Tが使用される。この継手材Tは、上下のダイアフラム5,5を連結する継手部連結材4が4枚の溝形鋼4cで構成されている。4枚の溝形鋼4cは、溝面が内側を向くようにそれぞれ配置されている。隣合う溝形鋼4c間の部分は開放している。4枚の溝形鋼4cは、それぞれがウェブ接合部位4aを成す。他の構成は、図11〜図17に示す実施形態と同様である。
上記の図26に示す継手材Tおよび図28に示す継手材Tは、継手部連結材4の水平断面の形状が、複数のウェブ接合部位4aが互いに離れている開放形状である。このような開放形状である場合、内部空間S内のコンクリートが隣合うウェブ接合部位4a間の開放部分から外部に流れ出ないように、図25、図27に示すように、継手部連結材4の周囲にコンクリートを打設する必要がある。反面、前記開放部分からコンクリートを流し込んで内部空間Sに充填するため、内部空間Sへのコンクリートの回りが良いという利点がある。また、必然的に継手部連結材4の周囲にコンクリートが存在するため、継手部連結材4の径が小さく、内部空間Sのコンクリート量が少なくても、柱梁接合部1aの十分な耐力を確保することができる。
次に、継手部連結材4の剛性を向上させる構成について説明する。
図29に示す鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造の継手部連結材4は、図30に示すように、隣合う板部21a同士が互いに接するように複数の角パイプ21が格子状に組み合わされている。図30の例では、4本の角パイプ21が2×2の配置で組み合されているが、角パイプ21の配置はこれに限らない。例えば、3×3の配置や4×4の配置としてもよい。また、下階の鉄筋コンクリート柱1や上階の鉄骨柱2(図1参照)の断面形状が長方形である場合、角パイプ21の配置を例えば2×3のようにしてもよい。
このように複数の角パイプ21からなる継手部連結材4は、格子状に組み合わされた複数の角パイプ21の各板部21aにより、平面形状長方形の外郭部22と、この外郭部22の内側に配置された交差形補強部23とが構成される。外郭部22の各辺をそれぞれ構成する2つの板部21aが、鉄骨梁3(図1参照)のウェブ3bが接合されるウェブ接合部位4aを成す。外郭部22の肉厚は板部1枚分の肉厚であり、交差形補強部23の肉厚は板部2枚分の肉厚である。この継手部連結材4の構成であると、交差形補強部23が外郭部22の内部抵抗要素として効率的に効き、継手部連結材4の耐力を維持しつつ剛性が高められる。
図31に示す鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造の継手部連結材4は、図32に示すように、角パイプからなる外郭部24と、この外郭部24の内側に配置された交差形補強部25とからなる。外郭部24の各板部24aが、鉄骨梁3(図1参照)のウェブ3bが接合されるウェブ接合部位4aを成す。交差形補強部25は、平面視で互いに垂直に交差する板部25aからなり、これら板部25aの端部が外郭部24のウェブ接合部位4aの内面にそれぞれ接合されている。つまり、外郭部24の水平断面の形状は、各ウェブ接合部位4aが互いに繋がった閉鎖形状である。
この継手部連結材4の構成も、前記同様に、交差形補強部25が外郭部24の内部抵抗要素として効率的に効き、継手部連結材4の耐力を維持しつつ剛性が高められる。
図33に示す鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造の継手部連結材4は、図34に示すように、4枚の平鋼26aで構成された外郭部26と、この外郭部26の内側に配置された交差形補強部27とからなる。4枚の平鋼26aは仮想の正方形の各辺の位置にそれぞれ配置されており、外郭部26は全体で角部が除去された角柱状をしている。隣合う平鋼26a間の部分は開放している。4枚の平鋼26a、それぞれがウェブ接合部位4aを成す。つまり、外郭部26の水平断面の形状は、各ウェブ接合部位4aが互いに離れている開放形状である。交差形補強部27は、平面視で互いに垂直に交差する板部27aからなり、これら板部27aの端部が平鋼26aからなるウェブ接合部位4aの内面にそれぞれ接合されている。
この継手部連結材4の構成も、前記同様に、交差形補強部27が外郭部26の内部抵抗要素として効率的に効き、継手部連結材4の耐力を維持しつつ剛性が高められる。
なお、上記した各実施形態では、下階柱である鉄筋コンクリート柱1と、鉄骨梁3と、上階柱である鉄骨柱2との接合部について説明したが、この発明は例えば建物の最上階の場合のように鉄骨梁の上に上階柱がない場合に、図3のように下階柱となる鉄筋コンクリート柱1だけが鉄骨梁3に接合されて上階柱がない状態を最終構造として適用することもできる。また、図2の接合構造において、上階柱の鉄骨柱2を鉄筋コンクリート柱1に置き換えた接合構造、つまり下階柱も上階柱も共に鉄筋コンクリート柱である場合にもこの発明の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造を適用可能である。
1…鉄筋コンクリート柱(下階柱)
2…鉄骨柱(上階柱)
3…鉄骨梁
3a…フランジ
3b…ウェブ
4…継手部連結材
4a…ウェブ接合部位
5…ダイアフラム
9…補強鉄骨
21…角パイプ
21a…板部
24…外郭部
25…交差形補強部
25a…板部
26…外郭部
27…交差形補強部
27a…板部
S…内部空間
T…継手材

Claims (10)

  1. 鉄筋コンクリート柱からなる下階柱の上端と、上下にフランジが位置する姿勢で配置された鉄骨梁とを接合する鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造であって、
    前記鉄骨梁の前記上下のフランジの高さ位置にそれぞれ位置するダイアフラムと、これら上下のダイアフラムを互いに連結し前記鉄骨梁のウェブとそれぞれ接合可能な複数のウェブ接合部位を有する継手部連結材とを備え、前記継手部連結材の前記複数のウェブ接合部位で囲まれた内部空間にコンクリートが充填された鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  2. 請求項1に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記上下のダイアフラムは前記継手部連結材よりも外径寸法が大きく、かつ前記上下のダイアフラム間に前記継手部連結材が配置された鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  3. 請求項2に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、上側の前記ダイアフラムの上に、前記継手部連結材以下の外径の鉄骨柱からなる上階柱が接合された鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  4. 請求項2に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、上側の前記ダイアフラムの上に、前記継手部連結材より大きい外径の鉄骨柱からなる上階柱が接合された鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記継手部連結材の水平断面の形状が、前記複数のウェブ接合部位が互いに繋がっている閉鎖形状である鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記継手部連結材の水平断面の形状が、前記複数のウェブ接合部位が互いに離れている開放形状である鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記継手部連結材における前記複数のウェブ接合部位のうち少なくとも一つのウェブ接合部位には前記鉄骨梁の前記ウェブが接合されず、この前記鉄骨梁の前記ウェブが接合されない前記ウェブ接合部位の外側面に上下にフランジが位置する姿勢で配置された補強鉄骨が設けられている鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  8. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記継手部連結材は、隣合う板部同士が互いに接するように複数の角パイプが格子状に組み合わされたものである鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  9. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記継手部連結材は、前記複数のウェブ接合部位からなる外郭部と、この外郭部の内側に配置された交差形補強部とを有し、前記外郭部の水平断面の形状が、前記複数のウェブ接合部位が互いに繋がっている閉鎖形状であり、前記交差形補強部は、平面視で互いに垂直に交差する複数の板部からなり、これらの板部の各端部が前記外郭部の前記各ウェブ接合部位の内面にそれぞれ接合されている鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
  10. 請求項1ないし請求項7のいずれか1項に記載の鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造において、前記継手部連結材は、前記複数のウェブ接合部位からなる外郭部と、この外郭部の内側に配置された交差形補強部とを有し、前記外郭部の水平断面の形状が、前記複数のウェブ接合部位が互いに離れている開放形状であり、前記交差形補強部は、平面視で互いに垂直に交差する複数の板部からなり、これらの板部の各端部が前記外郭部の前記各ウェブ接合部位の内面にそれぞれ接合されている鉄筋コンクリート柱・鉄骨梁接合構造。
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