JP2017186641A - アルミニウム合金板及びアルミニウム合金板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】MgとSiとの合計含有量が1.2%超である特定の組成のAl−Mg−Si系アルミニウム合金板の示差走査熱分析曲線において、150〜230℃の温度範囲内に高さAが3〜10μW/mgである吸熱ピークと、230℃以上、330℃未満の温度範囲内に高さBが20〜50μW/mgである発熱ピークとを、これらの互いのピーク高さの比B/Aが特定の範囲となるように存在させて、成形性と焼付塗装硬化性に優れさせる。
【選択図】図1
Description
規定している。
このため、このような高温での焼付け塗装硬化処理において、長時間の室温時効後のAl−Mg−Si系アルミニウム合金板に、良好な成形性と高いBH性とを兼備させるには、未だ改善の余地があった。
また、良好な成形性と前記高温での焼付け塗装硬化処理における高いBH性とを兼備させた上で、更に、前記低温での焼付け塗装硬化処理においても高いBH性を得ることも、未だ改善の余地があった。
すなわち、互いに相矛盾すると言える、伸び、高温BH性、低温BH性をともに兼備させる技術課題には、未だ改善の余地があった。
この結果、長時間の室温時効後であっても高い伸びを得るためには、150〜230℃の温度範囲内での示唆熱曲線の吸熱ピークに相当するクラスタが一定以上必要であることを知見した。
また、焼付け塗装硬化処理における焼付け処理温度が、高温から低温まで大きく異なったとしても、いずれの焼付け処理温度でも高いBH量を得るためには、示唆熱曲線の吸熱ピークに相当するクラスタを少なくする、または230℃〜330℃の温度範囲の発熱ピークに相当するクラスタを多くすることを知見した。
すなわち、150〜230℃の温度範囲内での示唆熱曲線の吸熱ピークと230℃〜330℃の温度範囲の発熱ピークを精緻に制御することにより、長時間の室温時効後であっても、高い伸びを得るとともに、焼付け処理温度が、高温から低温まで大きく異なったとしても、いずれの焼付け処理温度でも高いBH性が得られることを知見した。
また、焼付塗装硬化条件(人工時効処理条件)の特に温度によって、高いBH性を得るための、示差熱曲線が異なることを知見し、175℃以下の比較的低い焼付塗装温度では、180℃以上の比較的高温の焼付塗装温度と比較して、より精緻に示差熱曲線を制御する必要があることも知見した。
先ず、本発明アルミニウム合金板の化学成分組成について、各元素の限定理由を含めて、以下に説明する。なお、各元素の含有量の%表示は全て質量%の意味である。
この観点から、本発明アルミニウム合金板の化学成分組成は、質量%で、Mg:0.3〜1.5%、Si:0.6〜1.5%を各々含有するとともに、前記Mg含有量とSi含有量との合計が1.2%超であり、残部がAl及び不可避的不純物からなるものとする。
SiはMgとともに、固溶強化と、焼付け塗装処理などの人工時効処理時に、強度向上に寄与するMg−Si系析出物などの時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、必要な強度(耐力)を得るための必須の元素である。
Si含有量が少なすぎると、焼付け塗装処理前(人工時効熱処理前)の固溶Si量が減少し、Mg−Si系析出物の生成量が不足するため、BH性が著しく低下し、強度が不足する。一方、Si含有量が多すぎると、粗大な晶出物および析出物が形成されて、延性が低下し、素材板圧延の際の割れの原因となる。したがって、Siの含有量は0.6〜1.5%の範囲、好ましくは、0.7〜1.5%の範囲とする。
MgもSiとともに、固溶強化と、焼付け塗装処理などの人工時効熱処理時に、強度向上に寄与するMg−Si系析出物などの時効析出物を形成して、時効硬化能を発揮し、必要な強度を得るための必須の元素である。Mg含有量が少なすぎると、焼付け塗装処理前の固溶Mg量が減少し、Mg−Si系析出物の生成量が不足するため、BH性が著しく低下し、強度が不足する。一方、Mg含有量が多すぎると、冷間圧延時にせん断帯が形成されやすくなり、素材板圧延時の割れの原因となる。したがって、Mgの含有量は0.3〜1.5%の範囲、好ましくは0.4〜0.8%の範囲とする。
これらの元素は、共通して板を高強度化させる効果があるので、本発明では同効元素と見なせ、必要により選択的に含有させるが、その具体的な機構には、共通する部分も、異なる部分も勿論ある。
これら記載した以外の、Ti、Bなどのその他の元素は不可避的な不純物である。Tiは、Bとともに、粗大な化合物を形成して機械的特性を劣化させる。ただ、微量の含有によって、アルミニウム合金鋳塊の結晶粒を微細化する効果もあるので、6000系合金としてJIS規格などで規定する範囲での各々の含有を許容する。この許容量の例として、Tiは0.1%以下、好ましくは0.05%以下とする。また、Bは0.03%以下とする。ちなみに、本発明では、前記特許文献4で必須としているSnは添加しない。Snを添加した場合には、後述する好ましい板の製造条件とした場合に、却ってMg−Siクラスタを減少させ、本発明で規定する吸熱ピークや発熱ピークを生成できず、人工時効硬化能が不足して、必要な強度が得られなくなる可能性がある。
以上の合金組成を前提に、本発明では、アルミニウム合金板の組織を、この板を素材とする部材における人工時効析出物の存在状態を予め示す指標として、示差走査熱分析で得られたDSC(示差走査熱分析曲線:DSCプロファイル)により規定する。
すなわち、本発明は、長時間の室温時効後であっても、良好な成形性と、主たる対象とする比較的高温の焼付け塗装硬化処理での高いBH性は勿論、比較的低温での焼付け塗装硬化処理においても高いBH性とを兼備するために、示差走査熱分析で得られたDSC(示差走査熱分析曲線:DSCプロファイル)により規定する。
この比較的高温の焼付塗装硬化処理条件とは、例えば、加熱温度180〜230℃、加熱保持時間10〜30分の条件で焼付け塗装硬化処理されることを言い、従来の比較的低温短時間の焼付け塗装硬化処理の加熱温度の、高くても175℃とは、特に加熱温度において区別される。
また、前記比較的高温の場合だけでなく、比較的低温のBH性においても、高い伸びと両立させるために、アルミニウム合金板の人工時効処理される前のDSCにおいて、150〜230℃の温度範囲内に高さAが、好ましくは3〜8μW/mgである吸熱ピークを存在させるとともに、230℃以上、330℃未満の温度範囲内に高さBが、好ましくは20〜40μW/mgである発熱ピークを存在させ、かつ、前記発熱ピーク高さBと前記吸熱ピーク高さAの比B/Aが3.5超、15.0未満であることとする。更に、より好ましくは、前記吸熱ピークの高さAが3〜7μW/mgであり、前記発熱ピークの高さBが20〜35μW/mgであることとする。
前記DSCの発熱ピークにより特定された組織の制御は、後述する通り、アルミニウム合金冷延板を、溶体化および焼入れ処理後1時間以内に、30℃〜60℃の温度域で5時間以上、500時間以下保持する、低温長時間の予備時効処理を施して行う。
また、比較低温でのBH性を高くするためには、後述する通り、前記溶体化および焼入れ処理後1時間以内に、100℃〜300℃の温度域で5秒以上、300秒以下保持する、高温短時間の予備時効処理を施した上で、前記予備時効処理までを施して行う。このため、圧延板の、前記自動車部材として既に規格化されている6000系アルミニウム合金組成を大きく変更することなく、また、常法による圧延工程を大きく変更することなく、制御できる利点がある。
本発明の6000系アルミニウム合金板は、鋳塊を均熱処理後に熱間圧延され、更に冷間圧延された冷延板であって、更に溶体化処理などの調質が施される、常法によって製造される。即ち、鋳造、均質化熱処理、熱間圧延の通常の各製造工程を経て製造され、板厚が2〜10mm程度であるアルミニウム合金熱延板とされる。次いで、冷間圧延されて板厚が3mm以下の冷延板とされる。
先ず、溶解、鋳造工程では、上記6000系成分組成範囲内に溶解調整されたアルミニウム合金溶湯を、連続鋳造法、半連続鋳造法(DC鋳造法)等の通常の溶解鋳造法を適宜選択して鋳造する。ここで、本発明の規定範囲内にクラスタを制御するために、鋳造時の平均冷却速度について、液相線温度から固相線温度までを30℃/分以上と、できるだけ大きく(速く)することが好ましい。このような、鋳造時の高温領域での温度(冷却速度)制御を行わない場合、この高温領域での冷却速度は必然的に遅くなる。すると、この高温領域での温度範囲で粗大に生成する晶出物の量が多くなって、鋳塊の板幅方向、厚さ方向での晶出物のサイズや量のばらつきも大きくなる。この結果、本発明の範囲に前記DSCを制御することができなくなる可能性が高くなる。
熱間圧延は、圧延する板厚に応じて、鋳塊(スラブ)の粗圧延工程と、仕上げ圧延工程とから構成される。これら粗圧延工程や仕上げ圧延工程では、リバース式あるいはタンデム式などの圧延機が適宜用いられる。
この熱延板の冷間圧延前の焼鈍は必要ではないが、実施しても良い。
冷間圧延では、上記熱延板を圧延して、所望の最終板厚の冷延板(コイルも含む)に製作する。但し、結晶粒をより微細化させるためには、冷間圧延率は60%以上であることが望ましく、また前記焼鈍と同様の目的で、冷間圧延パス間で中間焼鈍を行っても良い。
冷間圧延後、溶体化処理と、これに続く、室温までの焼入れ処理を行う。この溶体化焼入れ処理について、Mg、Siなどの各元素の十分な固溶量を得るためには、500℃以上、溶融温度以下の溶体化処理温度に加熱することが望ましい。
このような溶体化処理後に焼入れ処理して室温まで冷却した後、1時間以内に冷延板を予備時効処理(再加熱処理)することが好ましい。この予備時効処理は、前記DSCのピークにより特定された組織の制御のために、常法よりも、低温、長時間として、30℃〜60℃の温度域で5時間以上、500時間以下保持する、低温長時間の予備時効処理を施して行うことが好ましい。これによって、MgとSiのバランスが良いMg−Siクラスタが形成され、前記DSCのピークにより特定された組織となる。したがって、低温長時間の予備時効処理によって、高い伸びと比較的高温でのBH性が兼備できる。
アルミニウム合金板の具体的な製造条件は、前記予備時効処理条件を除き、各例とも以下の通り共通(同じ)とした。表1に示す各組成のアルミニウム合金鋳塊を、DC鋳造法により共通して溶製した。この際、各例とも共通して、鋳造時の平均冷却速度について、液相線温度から固相線温度までを50℃/分とした。続いて、必要により面削を施した後の鋳塊を、550℃×10時間の均熱処理をした後、その温度で熱間粗圧延を開始し、その後、終了温度を250〜360℃の間とする熱間仕上圧延を行って熱間圧延板とした。この熱間圧延板を、加工率67%の冷間圧延を行い、厚さ1.0mmの冷延板とした。
前記供試板の板厚中央部の3箇所における組織の前記DSCを測定し、これら3箇所の平均値にて、この板のDSC(示差走査熱分析曲線)において、吸熱ピークの温度(℃)と高さ(μW/mg)、発熱ピークの温度(℃)と高さ(μW/mg)とを、各々測定した。なお、この結果を示した表2では、便宜的に150〜230℃の温度範囲内の吸熱ピークを単に「吸熱ピーク」、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピークを「発熱ピーク」としている。
前記供試板の機械的特性として、0.2%耐力(As耐力)と破断伸び(%)を引張試験により求めた。また、これらの各供試板を各々共通して、前記自動車部材へのプレス成形を模擬した2%のストレッチ後に、高温での塗装焼付硬化処理として185℃×20分、また、低温での塗装焼付硬化処理として170℃×20分の、各人工時効硬化処理を各々施した後(BH後)の、供試板の0.2%耐力(AB耐力)を引張試験により求めた。そして、これら0.2%耐力同士の差(耐力の増加量)から各供試板のBH性を評価した。BH後の0.2%耐力は、高温での塗装焼付硬化処理(185℃×20分)では190MPa以上、低温での塗装焼付硬化処理(170℃×20分)では最低でも160MPa以上、好ましくは180MPa以上で合格とし、プレス成形性の評価であるに破断伸びは25%以上で合格とした。なお、プレス成形性の評価である破断伸びは、24%と25%との、わずか1%の違いが、例えば、自動車のアウタパネルの形状が先鋭化あるいは複雑化したコーナー部やキャラクターラインを、ひずみやしわがなく、美しく鮮鋭な曲面構成で成形できるかどうかに大きく影響する。
具体的には、最低でも26%以上の高い破断伸びと、最低でも192MPa以上の高温(185℃×20分)のBH性と、最低でも162MPa以上の低温(170℃×20分)のBH性を有している。
更に、表2の発明例同士の比較において、高温短時間の予備時効処理を施した上で、直ちに前記低温長時間の予備時効処理を施した発明例2は、高温短時間の予備時効処理を施さず、低温長時間の予備時効処理のみを施した発明例1に比して、比較的低温でのBH性が高くなっている。同じく、高温短時間の予備時効処理を施した上で、直ちに前記低温長時間の予備時効処理を施した発明例6、7、8は、高温短時間の予備時効処理を施さず、低温長時間の予備時効処理のみを施した発明例3、4、5に比して、合金組成の違いにもよるが、比較的低温でのBH性が平均的に高くなっている。
これは、発明例2、6、7、8が、高温短時間の予備時効処理を更に付加することで、DSCにおける150〜230℃の温度範囲内の吸熱ピーク高さAを、好ましい範囲(3〜8μW/mg)や、より好ましい範囲(3〜7μW/mg)、同じくDSCにおける230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピークの高さBを、好ましい範囲(20〜40μW/mg)や、より好ましい範囲(20〜35μW/mg)に、より精緻に制御できていることによる。
比較例2は、低温側の予備時効処理の時間が短すぎる。このため、150〜230℃の温度範囲内に吸熱ピークが存在するものの、その高さAが10μW/mgを超えて高すぎ、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピーク高さBも50μW/mgを超えて高すぎる。
比較例3は、低温側の予備時効処理の温度が高すぎる。このため、150〜230℃の温度範囲内に高さAが3〜10μW/mgである吸熱ピークが存在するものの、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピーク高さBが20μW/mg未満と低すぎる。
比較例4は、低温側の予備時効処理の時間が長すぎる。このため、150〜230℃の温度範囲内に吸熱ピークが存在するものの、その高さAが3μW/mg未満と低すぎ、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピーク高さBも20μW/mg未満と低すぎる。比較例5は、高温側の予備時効処理の時間が長すぎる。このため、150〜230℃の温度範囲内に吸熱ピークが存在するものの、その高さAが3μW/mg未満と低すぎ、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピーク高さBも20μW/mg未満と低すぎる。
比較例6は、低温側の予備時効処理の温度が高すぎる。このため、150〜230℃の温度範囲内に吸熱ピークが存在するものの、その高さAが3μW/mg未満と低すぎ、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピーク高さBとの比B/Aが15.0を超えて大きすぎる。
比較例8は、表1の合金8であり、Siが少なすぎ、MgとSiの合計含有量も少なすぎる。このため、150〜230℃の温度範囲内に吸熱ピークが存在するものの、その高さAが3μW/mg未満と低すぎ、230℃以上、330℃未満の温度範囲内の発熱ピーク高さBも20μW/mg未満と低すぎる。
Claims (7)
- 質量%で、Mg:0.3〜1.5%、Si:0.6〜1.5%を各々含有するとともに、前記Mg含有量とSi含有量との合計が1.2%超であり、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金板であって、この板の示差走査熱分析曲線において、150〜230℃の温度範囲内に高さAが3〜10μW/mgである吸熱ピークが存在するとともに、230℃以上、330℃未満の温度範囲内に高さBが20〜50μW/mgである発熱ピークが存在し、かつ前記発熱ピーク高さBと前記吸熱ピーク高さAとの比B/Aが3.5超、15.0未満であることを特徴とする成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板。
- 前記吸熱ピークの高さAが3〜8μW/mgであり、前記発熱ピークの高さBが20〜40μW/mgである請求項1に記載の成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板。
- 前記アルミニウム合金板が、更に、質量%で、Cu:0.02〜0.8%、Fe:0.05〜0.5%、Mn:0.05〜0.3%、Zr:0.04〜0.1%、Cr:0.04〜0.3%、V:0.02〜0.1%、Ag:0.01〜0.1%、Zn:0.01〜0.3%のうちの一種または二種以上を含有する請求項1または2に記載の成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板。
- 質量%で、Mg:0.3〜1.5%、Si:0.6〜1.5%を各々含有するとともに、前記Mg含有量とSi含有量との合計が1.2%超であり、残部がAl及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金冷延板を、溶体化および焼入れ処理後1時間以内に、30℃〜60℃の温度域で5時間以上、500時間以下保持する、低温長時間の予備時効処理を施すことによって、この板の人工時効処理される前の示差走査熱分析曲線において、150〜230℃の温度範囲内に高さAが3〜10μW/mgである吸熱ピークを存在させるとともに、230℃以上、330℃未満の温度範囲内に高さBが20〜50μW/mgである発熱ピークを存在させ、かつ前記発熱ピーク高さBと前記吸熱ピーク高さAとの比B/Aを3.5超、15.0未満としたことを特徴とする成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
- 前記アルミニウム合金板が、更に、質量%で、Cu:0.02〜0.8%、Fe:0.05〜0.5%、Mn:0.05〜0.3%、Zr:0.04〜0.1%、Cr:0.04〜0.3%、V:0.02〜0.1%、Ag:0.01〜0.1%、Zn:0.01〜0.3%のうちの一種または二種以上を含有する請求項4記載の成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
- 前記溶体化および焼入れ処理後1時間以内に、100℃〜300℃の温度域で5秒以上、300秒以下保持する高温短時間の予備時効処理を施した上で、前記低温長時間の予備時効処理までを施す、請求項4または5に記載の成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
- 前記アルミニウム合金板が、成形された後で塗装され、加熱温度180〜230℃、加熱保持時間10〜30分の条件で焼付け塗装硬化処理される請求項4乃至6のいずれか1項に記載の成形性と焼付け塗装硬化性に優れたアルミニウム合金板の製造方法。
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