JP2017186483A - 積層シート、接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法、及び半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる積層シートを提供する。【解決手段】本発明に係る積層シートは、半導体素子に接着層側から積層されて用いられる積層シートであり、金属材と、接着層とを備え、前記金属材の表面上に、前記接着層が配置されており、前記接着層は、硬化性化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含み、前記硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む。【選択図】図1
Description
本発明は、金属材と接着層とを備える積層シートに関する。また、本発明は、上記積層シートを用いる接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法、並びに半導体装置の製造方法に関する。
絶縁層の片面又は両面に、金属箔又は金属板が積層されている積層体が知られている。このような積層体は、例えば、発光ダイオード(LED)装置やパワー半導体等の発熱デバイス、並びに、該発熱デバイスを含むモジュール等において、使用時の温度上昇を抑えるために用いられている。
下記の特許文献1には、絶縁層と、絶縁層の両面に一体化された銅箔又は銅板とを備える積層体が開示されている。上記絶縁層の熱伝導率は4W/m・K以上である。上記絶縁層の両面に一体化された上記銅箔又は銅板の両者の合計の厚みは600μm以上である。
また、下記の特許文献2には、半導体素子に金属板が、熱伝導性接着剤によって接着されている積層体が開示されている。
また、従来、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得るために、ダイシングテープが用いられている。また、半導体チップを基板等に実装するために、半導体チップは、接着層付き半導体チップの形態で得られることがある。下記の特許文献3には、ダイシングテープを用いる接着層付き半導体チップの製造方法が開示されている。このダイシングテープを用いてダイシング工程を行うことにより、絶縁層付き半導体チップを得ることができる。なお、特許文献3では、ダイシング工程により、絶縁層に加えて、金属材を備える半導体チップを得ることは記載されていない。
特許文献1,2に記載の積層体では、絶縁層の硬化後にボイドが発生することがある。
また、特許文献1〜3には、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップを得るために、ダイシングテープを用いて、絶縁層(接着層)及び金属材付き半導体チップを得ることに関しては、特に記載されていない。
本発明の目的は、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる積層シートを提供することである。
また、本発明の目的は、ダイシング後の接着層及び金属材付き半導体チップの接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法を提供することである。
また、本発明の目的は、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる半導体装置の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面では、半導体素子に接着層側から積層されて用いられる積層シートであり、金属材と、接着層とを備え、前記金属材の表面上に、前記接着層が配置されており、前記接着層は、硬化性化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含み、前記硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む、積層シートが提供される。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記金属材の厚みが200μm以下であり、前記接着層の厚みが40μm以下である。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記金属材の材料が、銅又はアルミニウムである。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記半導体素子が、半導体チップ又は半導体ウェーハである。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記積層シートは、キャリアシートを備え、前記キャリアシートの表面上に、前記金属材又は前記接着層が配置されており、前記キャリアシートの大きさが、前記金属材よりも大きく、前記キャリアシートは、前記金属材の側面よりも側方に張り出している領域を有するか、又は、前記キャリアシートの大きさが、前記接着層よりも大きく、前記キャリアシートは、前記接着層の側面よりも側方に張り出している領域を有する。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記半導体素子が、半導体ウェーハであり、前記キャリアシートの表面上に、前記金属材が配置されており、前記キャリアシートが、前記半導体ウェーハ、前記接着層及び前記金属材をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにするためのダイシングテープである。
本発明に係る積層シートのある特定の局面では、前記半導体素子が、半導体チップであり、前記キャリアシートの表面上に、前記金属材又は前記接着層が配置されており、前記積層シートが、前記半導体チップの大きさで前記キャリアシートの表面上に配置されており、前記キャリアシートが、ダイシングテープ、離型処理表面を有するプラスチックフィルム、又は粘着剤層を表面に有するプラスチックフィルムである。
本発明の広い局面では、上述した積層シートを用いる接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法であって、前記積層シートの前記接着層の表面上に、前記半導体素子である半導体ウェーハを積層する工程と、前記半導体ウェーハ、前記接着層及び前記金属材をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにする工程と、前記キャリアシートから、接着層及び金属材付き半導体チップをピックアップする工程とを備える、接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法が提供される。
本発明の広い局面では、上述した積層シートを用いる接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法であって、半導体チップを基板上に実装する工程と、前記積層シートを前記キャリアシートからピックアップし、前記半導体チップの前記基板側と反対側の表面上に、前記積層シートを前記接着層側から積層する工程とを備える、半導体装置の製造方法が提供される。
本発明に係る積層シートは、半導体素子に接着層側から積層されて用いられる積層シートであって、金属材と、接着層とを備え、上記金属材の表面上に、上記接着層が配置されており、上記接着層は、硬化性化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含み、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含むので、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる。
本発明に係る接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法は、上記積層シートの上記接着層の表面上に、上記半導体素子である半導体ウェーハを積層する工程と、上記半導体ウェーハ、上記接着層及び上記金属材をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにする工程と、上記キャリアシートから、接着層及び金属材付き半導体チップをピックアップする工程とを備えるので、ダイシング後の接着層及び金属材付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。更に、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体チップを基板上に実装する工程と、上記積層シートを上記キャリアシートからピックアップし、上記半導体チップの上記基板側と反対側の表面上に、上記積層シートを上記接着層側から積層する工程とを備えるので、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る積層シートは、半導体素子に接着層側から積層されて用いられる。本発明に係る積層シートは、金属材と、接着層とを備える。本発明に係る積層シートでは、上記金属材の表面上に、上記接着層が配置されている。本発明に係る積層シートでは、上記接着層は、硬化性化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含む。本発明に係る積層シートでは、上記硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む。
本発明では、上記の構成が備えられているので、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる。例えば、半導体素子の表面上に接着層側から、積層シートが積層されかつ接着された後、接着層が硬化されたときに、接着界面において、ボイドの発生を抑えることができる。ボイドの発生を抑えることができる結果として、剥離を抑えることができる。
本発明に係る接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法は、上記積層シートの上記接着層の表面上に、上記半導体素子である半導体ウェーハを積層する工程(積層工程)と、上記半導体ウェーハ、上記接着層及び上記金属材をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにする工程(ダイシング工程)と、上記キャリアシートから、接着層及び金属材付き半導体チップをピックアップする工程(ピックアップ工程)とを備える。
本発明に係る接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法では、上記の構成が備えられているので、ダイシング後の接着層及び金属材付き半導体チップのピックアップ性を高めることができる。更に、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる。
本発明に係る半導体装置の製造方法は、半導体チップを基板上に実装する工程(実装工程)と、上記積層シートを上記キャリアシートからピックアップし、上記半導体チップの上記基板側と反対側の表面上に、上記積層シートを上記接着層側から積層する工程(積層工程)とを備える。この製造方法は、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップにする工程(ダイシング工程)を備えていてもよい。
本発明に係る半導体装置の製造方法では、上記の構成が備えられているので、接着層の硬化後にボイドの発生を抑えることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。なお、以下の図面において、大きさ、厚み及び形状等は、図示の便宜上、実際の大きさ、厚み及び形状等と異なる場合がある。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層シートを示す断面図である。
図1に示す積層シート1は、金属材11と、接着層12と、キャリアシート13とを備える。積層シート1は、キャリアシート13/金属材11/接着層12の積層構造を有する。
なお、積層シート1における接着層12の金属材11側とは反対の表面上に、離型シート21が配置されている。図1では、離型シート21付き積層シート1の積層体の形態で、積層シート1が用いられている。離型シート21と接着層12とは接している。積層シート1の使用時に、離型シート21は、接着層12から剥離される。なお、離型シート21は、備えられていなくてもよい。
金属材11のキャリアシート13側とは反対の表面上に、接着層12が配置されている。金属材11と接着層12とは接している。
接着層12は、エポキシ化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含む。接着層12に含まれる硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む。
本実施形態では、キャリアシート13は、ダイシングテープである。キャリアシート13は、半導体ウェーハをダイシングするために備えられている。キャリアシート13は、半導体ウェーハ、接着層12及び金属材11をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにするためのダイシングテープである。キャリアシート13の表面上に、金属材11が配置されている。キャリアシート13と金属材11とは接している。
金属材11及び接着層12はそれぞれ、半導体ウェーハ等の半導体素子に対応した形状であることが好ましい。例えば、半導体ウェーハ等の半導体素子が円形である場合に、金属材11及び接着層12はそれぞれ、円形であることが好ましい。金属材11と接着層12との大きさは同一であってもよく、異なっていてもよい。接着層12の大きさは、金属材11の大きさよりも大きくてもよい。
本実施形態では、キャリアシート13は、金属材11よりも大きい。キャリアシート13は、金属材11の側面よりも側方に張り出している領域を有する。キャリアシート13は、接着層12よりも大きい。キャリアシート13は、接着層12の側面よりも側方に張り出している領域を有する。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る積層シートを示す断面図である。
図2に示す積層シート1Aは、金属材11Aと、接着層12Aとを備える。積層シート1Aは、金属材11A/接着層12Aの積層構造を有する。このように、キャリアシートは備えらえていなくてもよい。また、キャリアシートが備えられていない場合に、接着層の金属材側とは反対の表面上に、離型シートが配置されていてもよい。
金属材11Aの表面上に、接着層12Aが配置されている。金属材11Aと接着層12Aとは接している。
接着層12Aは、エポキシ化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含む。接着層12Aに含まれる硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む。
本実施形態では、金属材11Aと接着層12Aとは、半導体素子である半導体チップの大きさに対応した大きさを有する。
上記キャリアシートの表面上に、上記金属材又は上記接着層が配置される。上記キャリアシートの大きさが、上記金属材よりも大きく、上記キャリアシートは、上記金属材の側面よりも側方に張り出している領域を有するか、又は、上記キャリアシートの大きさが、上記接着層よりも大きく、上記キャリアシートは、上記接着層の側面よりも側方に張り出している領域を有することが好ましい。上記キャリアシートの大きさが、上記金属材よりも大きくてもよく、上記接着層よりも大きくてもよく、上記金属材及び上記接着層の双方よりも大きくてもよい。
上記積層シートが、上記半導体チップの大きさで上記キャリアシートの表面上に配置されていてもよい。上記積層シートが、上記半導体チップの大きさとなるように、上記積層シートが予めカットされてもよい。上記キャリアシートが、ダイシングテープ、離型処理表面を有するプラスチックフィルム、又は粘着剤層を表面に有するプラスチックフィルムであることが好ましい。
図1に示す積層シート1を用いて、以下のようにして、接着層及び金属材付き半導体チップを得ることができる。
図3(a)及び(b)と図4(a)及び(b)とは、本発明の第1の実施形態に係る積層シートを用いて、接着層及び金属材付き半導体チップを得る各工程を説明するための断面図である。
先ず、図3(a)に示すように、積層シート1を用意し、キャリアシート13の接着層12の側面よりも側方に張り出している領域に、ダイシングリング31を貼り付ける。また、図1に示す離型シート21付き積層シート1において、接着層12から離型シート21を剥離して、積層シート1を得る。離型シート21を剥離することで、接着層12の表面が露出する。
次に、図3(b)に示すように、積層シート1の接着層12の表面上に、半導体素子である半導体ウェーハ32を積層する。半導体ウェーハ32は、接着層12側とは反対の表面上に、電極(図示せず)を有する。
本実施形態では、半導体ウェーハ32の下方に、金属材11が配置されているため、半導体ウェーハ32の反りを抑制することができる。半導体ウェーハ32の反りを抑制することで、ダイシング精度、ピックアップ性、及び実装精度をより一層高めることができる。また、近年、半導体ウェーハの薄型化が求められている。本実施形態では、半導体ウェーハ32の厚みが薄くても、半導体ウェーハ32の反りを抑制することができる。これに対して、半導体ウェーハの下方に金属材が配置されていない場合には、半導体ウェーハの反りが生じやすい傾向がある。
次に、図4(a)に示すように、半導体ウェーハ32、接着層12及び金属材11をダイシングし、接着層12X及び金属材11X付き半導体チップ32Xにする。半導体チップ32Xは、接着層12X側とは反対の表面上に、電極(図示せず)を有する。
ダイシング後に、キャリアシート13と金属材11Xとの剥離性を高める処理をしてもよい。例えば、光硬化性を有するキャリアシート13を用い、キャリアシート13の光硬化を進行させることで、キャリアシート13と金属材11Xとの剥離性を高めることができる。
次に、図4(b)に示すように、キャリアシート13から、接着層12X及び金属材11X付き半導体チップ32Xをピックアップする。キャリアシート13と金属材11Xとの界面で剥離される。本実施形態では、半導体チップ32Xの下方に、金属材11Xが配置されているため、半導体チップ32Xの反りを抑制することができる。
ピックアップされた接着層12X及び金属材11X付き半導体チップ32Xは、基板などに実装することができる。例えば、接着層12X及び金属材11X付き半導体チップ32Xは、接着層12X側から基板上に積層される。その後、リフロー工程や、フラックス洗浄工程や、半導体チップ32Xを封止するモールド工程等を適宜経て、半導体装置を得ることができる。
このように、個々の半導体チップに分割される前の半導体ウェーハに対して、積層シートを用いてもよい。
図2に示す積層シート1Aを用いて、以下のようにして、接着層及び金属材付き半導体チップを得ることができる。
図5に示すように、積層シート1Aの接着層12Aの表面上に、半導体素子である半導体チップ33Aを積層する。半導体チップ33Aは、接着層12A側とは反対の表面上に、電極(図示せず)を有する。本実施形態では、半導体チップ33Aの下方に、金属材11Aが配置されているため、半導体チップ33Aの反りを抑制することができる。
接着層12A及び金属材11A付き半導体チップ33Aは、基板などに実装することができる。例えば、接着層12A及び金属材11A付き半導体チップ33Aは、接着層12A側から基板上に積層される。その後、リフロー工程や、フラックス洗浄工程や、半導体チップ32Aを封止するモールド工程等を適宜経て、半導体装置を得ることができる。
このように、個々の半導体チップに対して、積層シートを用いてもよい。
図6(a)及び(b)は、本発明の第3の実施形態に係る積層シートを用いて、接着層及び金属材付き半導体チップを備える半導体装置を得る工程を説明するための断面図である。
図6(a)及び(b)に示すように、基板41上に半導体チップ33Bを実装し、半導体チップ33Bの基板41側とは反対側の表面上に、金属材11B及び接着層12Bを有する積層シート1Bを、接着層12B側から積層してもよい。この場合に、積層シート1Bの使用前に、半導体ウェーハをダイシングし、半導体チップ33Bを得る工程を行うことができる。また、積層シート1Bは、キャリアシートからピップアップして用いることができる。さらに、積層シート1Bは、半導体チップ33Bの大きさに予めカットされた状態で用いることができる。
上記積層シートでは、金属材と接着層とが一体化されていることが好ましい。
熱抵抗を効果的に低くし、かつ、接着性を効果的に高める観点からは、上記金属材の厚みは、好ましくは200μm以下、より好ましくは150μm以下、更に好ましくは110μm以下である。放熱性を高め、かつ半導体ウェーハの反りをより一層抑制する観点からは、上記金属材の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。
熱抵抗を効果的に低くし、接着層の硬化後のボイドの発生をより抑制する観点からは、上記接着層の厚みは、好ましくは40μm以下、より好ましくは35μm以下、更に好ましくは30μm以下、特に好ましくは20μm以下である。接着性を効果的に高める観点からは、上記接着層の厚みは、好ましくは1μm以上、より好ましくは3μm以上である。
積層シートの取扱性、ダイシング性及びピックアップ精度をより一層高める観点からは、上記キャリアシートの厚みは、好ましくは300μm以下、より好ましくは250μm以下、好ましくは5μm以上、より好ましくは10μm以上である。
以下、積層シートの他の詳細を説明する。
(金属材)
上記金属材は、金属箔又は金属板であることが好ましく、金属箔であることがより好ましい。
上記金属材は、金属箔又は金属板であることが好ましく、金属箔であることがより好ましい。
上記金属材の材料としては、アルミニウム、銅、金、及びグラファイトシート等が挙げられる。熱伝導性をより一層良好にする観点からは、上記金属材の材料は、金、銅又はアルミニウムであることが好ましく、銅又はアルミニウムであることがより好ましい。熱伝導性をより一層良好にする観点、並びにエッチング処理された金属材を容易に形成する観点からは、上記金属材は、銅であることがより好ましい。
(接着層)
上記接着層は、硬化性化合物(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)及び無機フィラー(D)を含む。
上記接着層は、硬化性化合物(A)、硬化剤(B)、硬化促進剤(C)及び無機フィラー(D)を含む。
上記硬化性化合物(A)として、分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)を用いてもよく、分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)を用いてもよく、分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)と、分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)との双方を用いてもよい。硬化性化合物(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(A1):
上記分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)としては、環状エーテル基を有する硬化性化合物が挙げられる。上記環状エーテル基としては、炭素数3以下の環状エーテル基が挙げられ、エポキシ基及びオキセタニル基等が挙げられる。上記環状エーテル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。硬化性化合物(A1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)としては、環状エーテル基を有する硬化性化合物が挙げられる。上記環状エーテル基としては、炭素数3以下の環状エーテル基が挙げられ、エポキシ基及びオキセタニル基等が挙げられる。上記環状エーテル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。硬化性化合物(A1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(A1)は、エポキシ基を有するエポキシ化合物(A1a)を含んでいてもよく、オキセタニル基を有するオキセタン化合物(A1b)を含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性及び耐電圧性をより高める観点からは、硬化性化合物(A1)は芳香族骨格を有することが好ましい。
上記芳香族骨格としては特に限定されず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性がより一層高くなる。
エポキシ基を有するエポキシ化合物(A1a)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンタン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、及びピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらの水素添加物又は変性物を用いてもよい。エポキシ化合物(A1a)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、及びジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、及び1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン、及び2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、及び4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、及び1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
オキセタニル基を有するオキセタン化合物(A1b)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、及びオキセタン変性フェノールノボラック等が挙げられる。オキセタン化合物(A1b)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、硬化性化合物(A1)は、環状エーテル基を2つ以上有することが好ましい。
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、硬化性化合物(A1)100重量%中、環状エーテル基を2つ以上有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上、100重量%以下である。硬化性化合物(A1)の合計100重量%中、環状エーテル基を2つ以上有する硬化性化合物の含有量は10重量%以上、100重量%以下であってもよい。また、硬化性化合物(A1)の全体が、環状エーテル基を2つ以上有する硬化性化合物であってもよい。
硬化性化合物(A1)の分子量は、10000未満である。硬化性化合物(A1)の分子量は、好ましくは200以上、より好ましくは1200以下、更に好ましくは600以下、特に好ましくは550以下である。硬化性化合物(A1)の分子量が上記下限以上であると、硬化物の表面の粘着性が低くなり、硬化性組成物の取扱性がより一層高くなる。硬化性化合物(A1)の分子量が上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。さらに、硬化物が固くかつ脆くなり難く、硬化物の接着性がより一層高くなる。
なお、本明細書において、硬化性化合物(A1)における分子量とは、重合体ではない場合、及び構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味し、重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
接着層の硬化後のボイドの発生をより一層抑制する観点からは、上記接着層は、硬化性化合物(A1)として、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、又はジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーを含むことが好ましい。
接着層の材料のうち、無機フィラーを除く材料100重量%中(接着層の材料が無機フィラーを含む場合には、無機フィラーを除く材料100重量%中、接着層の材料が無機フィラーを含まない場合には、全材料100重量%中)、硬化性化合物(A1)の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下、特に好ましくは60重量%以下、最も好ましくは50重量%以下である。硬化性化合物(A1)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の接着性及び耐熱性がより一層高くなる。硬化性化合物(A1)の含有量が上記上限以下であると、接着層の作製時の塗工性が高くなる。
硬化性化合物(A2):
硬化性化合物(A2)は、分子量が10000以上である硬化性化合物である。分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)は、一般にポリマーであり、上記分子量は、一般に重量平均分子量を意味する。
硬化性化合物(A2)は、分子量が10000以上である硬化性化合物である。分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)は、一般にポリマーであり、上記分子量は、一般に重量平均分子量を意味する。
硬化性化合物(A2)は、芳香族骨格を有していてもよい。この場合には、硬化物の耐熱性が高くなり、かつ硬化物の耐湿性も高くなる。硬化性化合物(A2)が芳香族骨格を有する場合には、硬化性化合物(A2)は、芳香族骨格をポリマー全体のいずれかの部分に有していればよく、主鎖骨格内に有していてもよく、側鎖中に有していてもよい。硬化物の耐熱性をより一層高くし、かつ硬化物の耐湿性をより一層高くする観点からは、硬化性化合物(A2)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。硬化性化合物(A2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記芳香族骨格としては特に限定されず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性がより一層高くなる。
硬化性化合物(A2)として、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂等が使用可能である。硬化性化合物(A2)は熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性化合物(A2)は硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性化合物(A2)は熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱硬化性樹脂であることも好ましい。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、特に限定されない。上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂、フタレート樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ケトン樹脂及びノルボルネン樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、アクリル樹脂、アミノ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂及びアミノアルキド樹脂等が挙げられる。上記アミノ樹脂としては、尿素樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。
硬化物の酸化劣化を抑え、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性をより一層高め、更に硬化物の吸水率をより一層低くする観点からは、硬化性化合物(A2)は、アクリル樹脂、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であることが好ましく、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂、又はエポキシ樹脂であることがより好ましく、アクリル樹脂又はフェノキシ樹脂であることが更に好ましい。上記アクリル樹脂は、側鎖にエポキシ基を有するアクリル樹脂であることが好ましい。特に、上記硬化性化合物(A2)としてフェノキシ樹脂又は側鎖にエポキシ基を有するアクリル樹脂を使用することにより、硬化物の耐熱性がより一層高くなり、かつ硬化物の耐冷熱サイクル特性がより一層高くなる。なお、硬化性化合物(A2)は、エポキシ基などの環状エーテル基を有していなくてもよい。
上記スチレン樹脂として、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、及びスチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体等が使用可能である。スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン重合体が好ましい。
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン及び3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
上記フェノキシ樹脂は、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格又はジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格又はビフェニル骨格を有することがより好ましく、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも1種の骨格を有することが更に好ましい。これらの好ましい骨格を有するフェノキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性が更に一層高くなる。
上記エポキシ樹脂は、上記フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂としては、スチレン骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
上記側鎖にエポキシ基を有するアクリル樹脂の市販品としては、例えばマープルーフG−0105SA、G−0130SP、G−0150M、G−0250SP、G−1005S、G−1005SA、G−1010S、G−2050M、G−01100、G−017581(日油社製)等が挙げられる。
硬化性化合物(A2)の分子量は10000以上である。硬化性化合物(A2)の分子量は、好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上、好ましくは1000000以下、より好ましくは250000以下である。硬化性化合物(A2)の分子量が上記下限以上であると、硬化物が熱劣化し難い。硬化性化合物(A2)の分子量が上記上限以下であると、硬化性化合物(A2)と他の成分との相溶性が高くなる。この結果、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
接着層の材料のうち、無機フィラーを除く材料100重量%中、硬化性化合物(A2)の含有量は好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、好ましくは70重量%以下、更に好ましくは60重量%以下である。硬化性化合物(A2)の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物の取扱性が良好になる。硬化性化合物(A2)の含有量が上記上限以下であると、無機フィラー(D)の分散が容易になる。
硬化剤(B):
上記接着層の材料は硬化剤(B)を含むことが好ましい。硬化剤(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記接着層の材料は硬化剤(B)を含むことが好ましい。硬化剤(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、芳香族骨格又は脂環式骨格を有することが好ましい。硬化剤(B)は、アミン硬化剤(アミン化合物)、イミダゾール硬化剤、フェノール硬化剤(フェノール化合物)又は酸無水物硬化剤(酸無水物)を含むことが好ましく、アミン硬化剤を含むことがより好ましい。上記酸無水物硬化剤は、芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物を含むか、又は、脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物を含むことが好ましい。
上記アミン硬化剤としては、ジシアンジアミド、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。硬化物と金属材との接着性をより一層高める観点からは、上記アミン硬化剤は、ジシアンジアミドであることがより一層好ましい。硬化性組成物の貯蔵安定性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、融点が180℃以上である硬化剤を含むことが好ましく、融点が180℃以上であるアミン硬化剤を含むことがより好ましい。
上記フェノール硬化剤としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、及びポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。硬化物の柔軟性及び硬化物の難燃性をより一層高める観点からは、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール硬化剤の市販品としては、MEH−8005、MEH−8010及びMEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH−903(三菱化学社製)、LA−7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれもDIC社製)、並びにPS6313及びPS6492(以上いずれも群栄化学社製)等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及びトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカシッドMTA−10、リカシッドMTA−15、リカシッドTMTA、リカシッドTMEG−100、リカシッドTMEG−200、リカシッドTMEG−300、リカシッドTMEG−500、リカシッドTMEG−S、リカシッドTH、リカシッドHT−1A、リカシッドHH、リカシッドMH−700、リカシッドMT−500、リカシッドDSDA及びリカシッドTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。これらの硬化剤の使用により、硬化物の柔軟性、並びに硬化物の耐湿性及び接着性がより一層高くなる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、リカシッドHNA及びリカシッドHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
硬化剤(B)は、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸であることも好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸の使用により、硬化物の耐水性が高くなる。
接着層の材料のうち、無機フィラーを除く材料100重量%中、硬化剤(B)の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上、好ましくは60重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。硬化剤(B)の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を充分に硬化させることが容易である。硬化剤(B)の含有量が上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な硬化剤(B)が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。
硬化促進剤(C):
上記接着層における硬化促進剤(C)は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む。
上記接着層における硬化促進剤(C)は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む。
上記イミダゾール化合物としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記亜リン酸化合物としては、例えば、亜リン酸、亜リン酸モノエステル、及び亜リン酸ジエステル等が挙げられる。上記亜リン酸化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記亜リン酸モノエステルとしては、例えば、亜リン酸モノメチル、亜リン酸モノエチル、亜リン酸モノブチル、亜リン酸モノラウリル、亜リン酸モノオレイル、亜リン酸モノフェニル、及び亜リン酸モノナフチル等が挙げられる。上記亜リン酸ジエステルとしては、例えば、亜リン酸ジメチル、亜リン酸ジエチル、亜リン酸ジブチル、亜リン酸ジラウリル、亜リン酸ジオレイル、亜リン酸ジフェニル、亜リン酸ジナフチル、亜リン酸ジ−o−トリル、亜リン酸ジ−m−トリル、亜リン酸ジ−p−トリル、亜リン酸ジ−p−クロロフェニル、亜リン酸ジ−p−ブロモフェニル、及び亜リン酸ジ−p−フルオロフェニル等が挙げられる。
接着層の材料のうち、無機フィラーを除く材料100重量%中、上記イミダゾール化合物と上記亜リン酸化合物との合計の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。上記イミダゾール化合物と上記亜リン酸化合物との合計の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を充分に硬化させることが容易であり、更にボイドの発生をより一層抑え、かつピックアップ性をより一層高めることができる。上記イミダゾール化合物と上記亜リン酸化合物との合計の含有量が上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な硬化促進剤(C)が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。
上記硬化促進剤(C)は、液状であることが好ましい。硬化促進剤が固体であると、接着層が均一に硬化せず、ボイドや剥離が発生の抑制効果が小さくなる傾向がある。
上記イミダゾール化合物と上記亜リン酸化合物との配合比率は特に限定されないが、上記イミダゾール化合物中のイミダゾール基に対する上記亜リン酸化合物中の水酸基のモル比は、好ましい下限が0.05、好ましい上限が3.3である。上記モル比が0.05以上であると、上記亜リン酸化合物中の水酸基によりイミダゾール基を安定化させることが容易になる。上記モル比が3.3以下であると、硬化促進剤としての硬化性が高くなる
上記イミダゾール化合物中のイミダゾール基に対する上記亜リン酸化合物中の水酸基のモル比のより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は3.2である。なお、亜リン酸化合物は、一般に亜リン酸型(トリヒドロキシ型)とホスホン酸型(ジヒドロキシ型)との互変異性を示すことが知られているが、本明細書中、亜リン酸化合物中の水酸基の数は、亜リン酸化合物の全てが亜リン酸型(トリヒドロキシ型)であることとして計算する。
上記イミダゾール化合物中のイミダゾール基に対する上記亜リン酸化合物中の水酸基のモル比のより好ましい下限は0.07、より好ましい上限は3.2である。なお、亜リン酸化合物は、一般に亜リン酸型(トリヒドロキシ型)とホスホン酸型(ジヒドロキシ型)との互変異性を示すことが知られているが、本明細書中、亜リン酸化合物中の水酸基の数は、亜リン酸化合物の全てが亜リン酸型(トリヒドロキシ型)であることとして計算する。
上記イミダゾール化合物と亜リン酸化合物とを含有する組成物の市販品としては、例えば、フジキュアー7000(T&K TOKA社製)等が挙げられる。
無機フィラー(D):
無機フィラー(D)の使用により、硬化物の熱伝導性、溶融粘度等を調整することができる。無機フィラー(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
無機フィラー(D)の使用により、硬化物の熱伝導性、溶融粘度等を調整することができる。無機フィラー(D)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
無機フィラー(D)は、シリカ、アルミナ、合成マグネサイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛又は酸化マグネシウムであることが好ましく、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、又は炭化ケイ素であることがより好ましい。これらの好ましい無機フィラーの使用により、硬化物の熱伝導性、溶融粘度等の調整がより一層容易になる。
無機フィラー(D)は、球状シリカ、破砕シリカ、球状アルミナ、破砕アルミナ又は窒化ホウ素であることがより好ましく、球状シリカ、球状アルミナ又は窒化ホウ素であることが更に好ましい。これらの好ましい無機フィラーの使用により、熱伝導性、溶融粘度等の調整がより一層容易になる。
無機フィラー(D)の新モース硬度は、好ましくは12以下、より好ましくは9以下である。無機フィラー(D)の新モース硬度が9以下であると、硬化物の加工性がより一層高くなる。
無機フィラー(D)は、球状のフィラー(球状フィラー)を含んでいてもよく、破砕されたフィラー(破砕フィラー)を含んでいてもよく、板状のフィラー(板状フィラー)を含んでいてもよい。無機フィラー(D)は、球状フィラーを含むことが特に好ましい。球状フィラーは高密度で充填可能であるため、球状フィラーの使用により硬化物の熱伝導性や溶融粘度の調整がより一層容易になる。
上記破砕フィラーとしては、破砕アルミナ及び破砕シリカ等が挙げられる。破砕フィラーは、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー又はボールミル等を用いて、塊状の無機物質を破砕することにより得られる。破砕フィラーの使用により、硬化物中のフィラーが、橋掛け又は効率的に近接された構造となりやすい。従って、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。また、破砕フィラーは、一般的に、通常のフィラーに比べて安価である。このため、破砕フィラーの使用により、硬化性組成物のコストが低くなる。
上記シリカは、破砕されたシリカ(破砕シリカ)であることが好ましい。上記破砕シリカの使用により、硬化物の耐湿性がより一層高くなる。
上記破砕フィラーの平均粒子径は、好ましくは10μm以下、より好ましくは5μm以下、好ましくは0.1μm以上である。破砕フィラーの平均粒子径が上記上限以下であると、硬化性組成物中に、破砕フィラーを高密度に分散させることが可能であり、硬化物の耐電圧性がより一層高くなる。破砕フィラーの平均粒子径が上記下限以上であると、破砕フィラーを高密度に充填させることが容易になる。
破砕フィラーのアスペクト比は特に限定されない。破砕フィラーのアスペクト比は、好ましくは1.5以上、好ましくは20以下である。アスペクト比が1.5未満のフィラーは、比較的高価であり、硬化性組成物のコストが高くなる。上記アスペクト比が20以下であると、破砕フィラーの充填が容易である。
上記破砕フィラーのアスペクト比は、例えば、デジタル画像解析方式粒度分布測定装置(日本ルフト社製「FPA」)を用いて、フィラーの破砕面を測定することにより求めることが可能である。
無機フィラー(D)の平均粒子径は特に限定されないが、好ましくは接着層の厚み未満、更に好ましくは接着層の厚みの1/2未満、更に好ましくは接着層の厚みの1/4未満である。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
接着層の材料100重量%中、無機フィラー(D)の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは97重量%以下、より好ましくは95量%以下である。無機フィラー(D)の含有量が上記下限未満及び上記上限を超えると、硬化物の熱伝導性や溶融粘度の調整が困難になる傾向がある。
他の成分:
上記接着層の材料は、上述した成分の他に、分散剤、キレート剤、酸化防止剤等の接着層に一般に用いられる他の成分を含んでいてもよい。
上記接着層の材料は、上述した成分の他に、分散剤、キレート剤、酸化防止剤等の接着層に一般に用いられる他の成分を含んでいてもよい。
(キャリアシート)
上記キャリアシートは、適宜の材料により形成することができる。上記キャリアシートは、熱硬化性成分、熱可塑性成分、及び光硬化性成分の何れを含んでいてもよい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記熱可塑性成分は、一般に熱可塑性樹脂を含む。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物と光重合開始剤とを含むことが好ましい。上記キャリアシートは、熱硬化性を有していてもよく、光硬化性を有していてもよい。
上記キャリアシートは、適宜の材料により形成することができる。上記キャリアシートは、熱硬化性成分、熱可塑性成分、及び光硬化性成分の何れを含んでいてもよい。上記熱硬化性成分は、熱硬化性化合物と熱硬化剤とを含むことが好ましい。上記熱可塑性成分は、一般に熱可塑性樹脂を含む。上記光硬化性成分は、光硬化性化合物と光重合開始剤とを含むことが好ましい。上記キャリアシートは、熱硬化性を有していてもよく、光硬化性を有していてもよい。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
接着層の材料として、以下の材料を用意した。
硬化性化合物(A1)
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート828US」)
(2)ナフタレン型液状エポキシ樹脂(DIC社製「EXA−4710」)
(3)3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ADEKA社製「EP−3900」)
(4)ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(ADEKA社製「EP−4088S」)
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート828US」)
(2)ナフタレン型液状エポキシ樹脂(DIC社製「EXA−4710」)
(3)3官能グリシジルアミン型エポキシ樹脂(ADEKA社製「EP−3900」)
(4)ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(ADEKA社製「EP−4088S」)
硬化性化合物(A2)
(1)エポキシ基含有アクリル樹脂(日油社製「マープルーフG−2050M」、Mw=250,000)
(2)エポキシ基含有スチレン樹脂(日油社製「マープルーフG−1010S」、Mw=100,000)
(3)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「E1256」、Mw=51,000)
(1)エポキシ基含有アクリル樹脂(日油社製「マープルーフG−2050M」、Mw=250,000)
(2)エポキシ基含有スチレン樹脂(日油社製「マープルーフG−1010S」、Mw=100,000)
(3)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「E1256」、Mw=51,000)
硬化剤(B)
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製「リカシッドMH−700」)
(2)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成社製「MEH−7851−S」)
(3)アリル骨格フェノール樹脂(三菱化学社製「YLH−903」)
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製「リカシッドMH−700」)
(2)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成社製「MEH−7851−S」)
(3)アリル骨格フェノール樹脂(三菱化学社製「YLH−903」)
硬化促進剤(C)
(1)イミダゾールと亜リン酸化合物とを含有する化合物(T&K TOKA社製「フジキュアー7000」)
(1)イミダゾールと亜リン酸化合物とを含有する化合物(T&K TOKA社製「フジキュアー7000」)
他の硬化促進剤
(1)液状イミダゾール(四国化成工業社製「2E4MZ」)
(2)固体イミダゾール(四国化成工業社製「2MA−OK」)
(1)液状イミダゾール(四国化成工業社製「2E4MZ」)
(2)固体イミダゾール(四国化成工業社製「2MA−OK」)
無機フィラー(D)
(1)50nmシリカ(球状シリカ、アドマテックス社製「YA050C−SM1」、平均粒径50nm)
(2)250nmシリカ(球状シリカ、アドマテックス社製「SO−C1」、平均粒子径250nm)
(3)1.5μmアルミナ(球状アルミナ、住友化学社製「AA−1.5」、平均粒子径1.5μm)
(1)50nmシリカ(球状シリカ、アドマテックス社製「YA050C−SM1」、平均粒径50nm)
(2)250nmシリカ(球状シリカ、アドマテックス社製「SO−C1」、平均粒子径250nm)
(3)1.5μmアルミナ(球状アルミナ、住友化学社製「AA−1.5」、平均粒子径1.5μm)
添加剤
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製「KBE403」)
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製「KBE403」)
溶剤
(1)メチルエチルケトン(MEK)
(1)メチルエチルケトン(MEK)
また、厚み20μmの銅箔を用意した。
(実施例1)
(1)接着層の作製
ホモディスパー型攪拌機を用い、下記の表1に示す配合成分を下記の表1に示す配合量に、溶剤であるMEKを適宜加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
(1)接着層の作製
ホモディスパー型攪拌機を用い、下記の表1に示す配合成分を下記の表1に示す配合量に、溶剤であるMEKを適宜加えて撹拌し、接着剤組成物を調製した。
上記接着剤組成物を離型PETシート(厚み50μm)に狙いの厚みに塗工し、90℃のオーブンにて30分乾燥し、溶剤を揮発させ、シート状の接着層を作製した。
(2)積層シートの作製
得られたシート状の接着層を金属材上に熱ラミネーターにて貼り合わせ、積層体を作製した。得られた積層体を打ち抜き加工又は超音波切断により所定のサイズに加工した。
得られたシート状の接着層を金属材上に熱ラミネーターにて貼り合わせ、積層体を作製した。得られた積層体を打ち抜き加工又は超音波切断により所定のサイズに加工した。
また、得られた積層体を、光硬化性を有するキャリアシート(ダイシングテープ、デンカ社製「UHP−110AT」、厚み110μm)の表面上に、金属材側から配置して、積層シートを得た。
(3)接着層及び金属材付き半導体チップの作製
厚み100μmの半導体ウェーハを用意した。図3(a)及び(b)、及び、図4(a)及び(b)に示す各工程を経て、上述した方法で、上記積層工程、ダイシング工程、及びピックアップ工程を行い、接着層及び金属材付き半導体チップを得た。
厚み100μmの半導体ウェーハを用意した。図3(a)及び(b)、及び、図4(a)及び(b)に示す各工程を経て、上述した方法で、上記積層工程、ダイシング工程、及びピックアップ工程を行い、接着層及び金属材付き半導体チップを得た。
(実施例2〜17及び比較例1〜9)
接着層の組成、及び積層シートの構成を以下のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着層、積層シート、及び、接着層及び金属材付き半導体チップを得た。
接着層の組成、及び積層シートの構成を以下のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、接着層、積層シート、及び、接着層及び金属材付き半導体チップを得た。
(評価)
リフロー評価(1):
接着層及び金属材付き半導体チップを基板に実装し、接着層を150℃で2時間硬化させた。接着層の硬化後に、各サンプルに対して吸湿処理(85℃85%RH、168時間)後にはんだリフロー処理(265℃、3回)を施し、半導体チップと接着層との界面におけるボイドの有無をSAT(超音波探傷装置)により評価した。ボイドの有無を以下の基準で判定した。なお、ボイドがある場合に、半導体チップと接着層との界面で剥離が生じやすい傾向があることを確認した。
リフロー評価(1):
接着層及び金属材付き半導体チップを基板に実装し、接着層を150℃で2時間硬化させた。接着層の硬化後に、各サンプルに対して吸湿処理(85℃85%RH、168時間)後にはんだリフロー処理(265℃、3回)を施し、半導体チップと接着層との界面におけるボイドの有無をSAT(超音波探傷装置)により評価した。ボイドの有無を以下の基準で判定した。なお、ボイドがある場合に、半導体チップと接着層との界面で剥離が生じやすい傾向があることを確認した。
[ボイドの有無の判定基準]
○:3回リフロー処理後ボイドなし
×:3回リフロー処理後ボイドあり
○:3回リフロー処理後ボイドなし
×:3回リフロー処理後ボイドあり
リフロー評価(2):
接着層及び金属材付き半導体チップを基板に実装し、接着層の硬化工程無しではんだリフロー処理(265℃、3回)を施し、半導体チップと接着層との界面におけるボイドの有無をSAT(超音波探傷装置)により評価した。ボイドの有無を以下の基準で判定した。なお、ボイドがある場合に、半導体チップと接着層との界面で剥離が生じやすい傾向があることを確認した。
接着層及び金属材付き半導体チップを基板に実装し、接着層の硬化工程無しではんだリフロー処理(265℃、3回)を施し、半導体チップと接着層との界面におけるボイドの有無をSAT(超音波探傷装置)により評価した。ボイドの有無を以下の基準で判定した。なお、ボイドがある場合に、半導体チップと接着層との界面で剥離が生じやすい傾向があることを確認した。
[ボイドの有無の判定基準]
○○:3回リフロー処理後ボイドなし
○:2回リフロー処理後ボイドなし、3回目でボイドあり
×:2回目までにボイドあり
○○:3回リフロー処理後ボイドなし
○:2回リフロー処理後ボイドなし、3回目でボイドあり
×:2回目までにボイドあり
接着層における組成を下記の表1に示す。接着層の構成及びの評価結果を下記の表2に示す。なお、接着層の作製時に、メチルエチルケトンを用いたが、接着層において、メチルエチルケトンは、揮発により除去されていた。
なお、実施例2〜17では、半導体チップの作製時に、チップ飛びが生じ難く、接着層及び金属材付き半導体チップを良好にピップアップすることができ、ピックアップ性に優れていた。
1,1A,1B…積層シート
11,11A,11B,11X…金属材
12,12A,12B,12X…接着層
13…キャリアシート
21…離型シート
31……ダイシングリング
32…半導体ウェーハ
32X…半導体チップ
33A,33B…半導体チップ
41…基板
11,11A,11B,11X…金属材
12,12A,12B,12X…接着層
13…キャリアシート
21…離型シート
31……ダイシングリング
32…半導体ウェーハ
32X…半導体チップ
33A,33B…半導体チップ
41…基板
Claims (9)
- 半導体素子に接着層側から積層されて用いられる積層シートであり、
金属材と、接着層とを備え、
前記金属材の表面上に、前記接着層が配置されており、
前記接着層は、硬化性化合物と、硬化剤と、硬化促進剤と、無機フィラーとを含み、
前記硬化促進剤は、イミダゾール化合物と亜リン酸化合物との双方を含む、積層シート。 - 前記金属材の厚みが200μm以下であり、
前記接着層の厚みが40μm以下である、請求項1に記載の積層シート。 - 前記金属材の材料が、銅又はアルミニウムである、請求項1又は2に記載の積層シート。
- 前記半導体素子が、半導体チップ又は半導体ウェーハである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層シート。
- キャリアシートを備え、
前記キャリアシートの表面上に、前記金属材又は前記接着層が配置されており、
前記キャリアシートの大きさが、前記金属材よりも大きく、前記キャリアシートは、前記金属材の側面よりも側方に張り出している領域を有するか、又は、前記キャリアシートの大きさが、前記接着層よりも大きく、前記キャリアシートは、前記接着層の側面よりも側方に張り出している領域を有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層シート。 - 前記半導体素子が、半導体ウェーハであり、
前記キャリアシートの表面上に、前記金属材が配置されており、
前記キャリアシートが、前記半導体ウェーハ、前記接着層及び前記金属材をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにするためのダイシングテープである、請求項5に記載の積層シート。 - 前記半導体素子が、半導体チップであり、
前記キャリアシートの表面上に、前記金属材又は前記接着層が配置されており、
前記積層シートが、前記半導体チップの大きさで前記キャリアシートの表面上に配置されており、
前記キャリアシートが、ダイシングテープ、離型処理表面を有するプラスチックフィルム、又は粘着剤層を表面に有するプラスチックフィルムである、請求項5に記載の積層シート - 請求項6に記載の積層シートを用いる接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法であって、
前記積層シートの前記接着層の表面上に、前記半導体素子である半導体ウェーハを積層する工程と、
前記半導体ウェーハ、前記接着層及び前記金属材をダイシングし、接着層及び金属材付き半導体チップにする工程と、
前記キャリアシートから、接着層及び金属材付き半導体チップをピックアップする工程とを備える、接着層及び金属材付き半導体チップの製造方法。 - 請求項7に記載の積層シートを用いる接着層及び金属材付き半導体装置の製造方法であって、
半導体チップを基板上に実装する工程と、
前記積層シートを前記キャリアシートからピックアップし、前記半導体チップの前記基板側と反対側の表面上に、前記積層シートを前記接着層側から積層する工程とを備える、半導体装置の製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2023120511A1 (ja) * | 2021-12-20 | 2023-06-29 | 東洋紡株式会社 | 接着剤組成物および積層体 |
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-
2016
- 2016-04-08 JP JP2016078191A patent/JP2017186483A/ja active Pending
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