JP2017065252A - 積層体及び積層体の製造方法 - Google Patents

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JP2017065252A JP2016169313A JP2016169313A JP2017065252A JP 2017065252 A JP2017065252 A JP 2017065252A JP 2016169313 A JP2016169313 A JP 2016169313A JP 2016169313 A JP2016169313 A JP 2016169313A JP 2017065252 A JP2017065252 A JP 2017065252A
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千鶴 金
Chizuru Kin
千鶴 金
崇至 鹿毛
Takashi Shikage
崇至 鹿毛
悠 三神
Yu Mikami
悠 三神
靖 乾
Yasushi Inui
靖 乾
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Hiroshi Maenaka
寛 前中
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Abstract

【課題】熱抵抗を低くすることができ、耐冷熱サイクル特性を高めることができる積層体を提供する。
【解決手段】本発明に係る積層体は、金属箔又は金属板である金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備え、前記第1の絶縁樹脂層が、前記金属材の第1の表面に積層されており、前記金属材の厚みが200μm以下であり、前記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しているか、又は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している。
【選択図】図1

Description

本発明は、絶縁樹脂層と、金属箔又は金属板とを備える積層体に関する。また、本発明は、絶縁樹脂層と、金属箔又は金属板とを備える積層体の製造方法に関する。
絶縁樹脂層の片面又は両面に、金属箔又は金属板が積層されている積層体が知られている。このような積層体は、例えば、発光ダイオード(LED)装置やパワー半導体等の発熱デバイス、並びに、該発熱デバイスを含むモジュール等において、使用時の温度上昇を抑えるために用いられている。
下記の特許文献1には、絶縁樹脂層と、絶縁樹脂層の両面に一体化された銅箔又は銅板とを備える積層板が開示されている。上記絶縁樹脂層の熱伝導率は4W/m・K以上である。上記絶縁樹脂層の両面に一体化された上記銅箔又は銅板の両者の合計の厚みは600μm以上である。
また、下記の特許文献2には、セラミック基板と、セラミック基板の両面に、銀−銅系ろう材層を介して接合された金属板とを備える積層体が開示されている。この積層体では、2つの金属板の間に、絶縁樹脂層ではなく、セラミック基板が配置されている。
特開2006−76263号公報 特開2014−118310号公報
特許文献1に記載の積層板では、熱抵抗を低くすることができなかったり、層間の接着性が低かったりする。特許文献1の実施例及び比較例で示された積層板の全てにおいて、十分に低い熱抵抗と、十分に高い接着性との双方が達成されていない。
また、特許文献2に記載のように、セラミック基板を用いれば、セラミック基板の線膨張率がかなり低いために、冷熱サイクル後などに、剥離が生じやすいという問題がある。
本発明の目的は、熱抵抗を低くすることができ、耐冷熱サイクル特性を高めることができる積層体及び積層体の製造方法を提供することである。
本発明の広い局面では、金属箔又は金属板である金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備え、前記第1の絶縁樹脂層が、前記金属材の第1の表面に積層されており、前記金属材の厚みが200μm以下であり、前記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しているか、又は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している、積層体が提供される。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記積層体は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しており、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の側面の一部が、前記金属材により被覆されている構成を備えるか、又は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している構成を備える。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の絶縁樹脂層の厚みが、20μm以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の絶縁樹脂層の厚みの、前記金属材の厚みに対する比が0.34以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の絶縁樹脂層の25℃での弾性率が0.1GPa以上、100GPa以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の絶縁樹脂層が、無機フィラーを含む。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記無機フィラーの平均粒子径が5μm以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の絶縁樹脂層のガラス転移温度が、150℃以上である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第1の絶縁樹脂層がプリプレグではない。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記積層体は、第2の絶縁樹脂層を備え、前記第2の絶縁樹脂層が、前記金属材の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層されており、前記第2の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記第2の絶縁樹脂層の厚みの、前記金属材の厚みに対する比が0.34以下である。
本発明に係る積層体のある特定の局面では、前記積層体は、半導体素子に積層されて用いられる積層体である。
本発明の広い局面によれば、上述した積層体の製造方法であって、超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前、又は超音波切断前の加工前の金属材と、超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前、又は超音波切断前の加工前の第1の絶縁樹脂層とを備え、前記加工前の第1の絶縁樹脂層が、前記加工前の金属材に積層されている加工前の積層体を用いて、前記加工前の積層体を打ち抜くか又は超音波切断することにより、金属箔又は金属板である金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備え、前記第1の絶縁樹脂層が、前記金属材の第1の表面に積層されており、前記金属材の厚みが200μm以下であり、前記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しているか、又は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している積層体を得る、積層体の製造方法が提供される。
本発明に係る積層体は、金属箔又は金属板である金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備え、上記第1の絶縁樹脂層が、上記金属材の第1の表面に積層されており、上記金属材の厚みが200μm以下であり、上記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しているか、又は、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出しているので、熱抵抗を低くすることができ、耐冷熱サイクル特性を高めることができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層体を示す断面図である。 図2は、本発明の第2の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係る積層体は、金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備える。上記金属材は、金属箔又は金属板である。本発明に係る積層体は、第2の絶縁樹脂層を備えるか又は備えていない。本発明に係る積層体は、第2の絶縁樹脂層を備えていてもよく、第2の絶縁樹脂層を備えていなくてもよい。
本発明に係る積層体では、上記第1の絶縁樹脂層が、上記金属材の第1の表面(一方の表面)に積層されている。本発明に係る積層体が上記第2の絶縁樹脂層を備える場合に、上記第2の絶縁樹脂層が、上記金属材の上記第1の表面とは反対の第2の表面(他方の表面)に積層されている。
本発明に係る積層体では、上記金属材の厚みが200μm以下である。本発明に係る積層体では、上記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下である。本発明に係る積層体では、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上(第1の突出距離1A)、かつ、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満(第1の突出距離1A)で突出しているか、又は、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上(第2の突出距離2A)、100μm以下(第2の突出距離2A)で突出している。
本発明に係る積層体は、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上(第1の突出距離1A)、かつ、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満(第1の突出距離1A)で突出している第1の構成を備えていてもよい。本発明に係る積層体は、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上(第2の突出距離2A)、100μm以下(第2の突出距離2A)で突出している第2の構成を備えていてもよい。本発明に係る積層体は、上記第1の構成と上記第2の構成との双方を備えていてもよい。上記第1の構成では、上記金属材は、外周縁に、上記第1の絶縁樹脂層側に向かって突出した突出部(突出部1a)を有する。上記第1の構成では、上記金属材の外周縁は、上記金属材と上記第1の絶縁樹脂層との積層方向に、上記第1の絶縁樹脂層側に向かって突出している。上記第2の構成では、上記金属材は、外周縁に、上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって突出した突出部(突出部2a)を有する。上記第2の構成では、具体的には、上記金属材の外周縁は、上記金属材と上記第1の絶縁樹脂層との積層方向に、上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって突出している。
本発明では、上記の構成が備えられているので、熱抵抗を低くすることができ、耐冷熱サイクル特性を高めることができる。本発明では、冷熱サイクルでの剥離防止性を高めることができ、冷熱サイクル後の接着性を高く維持することができる。
また、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出している場合に、接着性を高めることができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施形態を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
図1に示す積層体1は、金属材11と、第1の絶縁樹脂層12とを備える。金属材11は、金属箔又は金属板である。
第1の絶縁樹脂層12は、金属材11の第1の表面(一方の表面)に積層されている。
金属材11の厚みは200μm以下である。第1の絶縁樹脂層12の厚みは40μm以下である。積層体1では、金属材11の外周縁が第1の絶縁樹脂層12側とは反対側に10nm以上、100μm以下で突出している。金属材11は、第1の絶縁樹脂層12側とは反対側に突出した突出部を有する。
上記積層体では、第1の絶縁樹脂層と金属材とが一体化されていることが好ましい。上記積層体では、金属材の第2の表面(他方の表面)に第2の絶縁樹脂層が積層されていてもよい。この場合に、金属材と第2の絶縁樹脂層とが一体化されていることが好ましい。
図2は、本発明の第2の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
図2に示す積層体2は、金属材11aと、第1の絶縁樹脂層12と、第2の絶縁樹脂層13とを備える。金属材11aは、金属箔又は金属板である。
第1の絶縁樹脂層12は、金属材11aの第1の表面(一方の表面)に積層されている。第2の絶縁樹脂層13は、金属材11aの第2の表面(他方の表面)に積層されている。
金属材11aの厚みは200μm以下である。第1の絶縁樹脂層12の厚みは40μm以下である。積層体2では、金属材11aの外周縁が第1の絶縁樹脂層12側に向かって10nm以上、かつ、第1の絶縁樹脂層12の厚み未満で突出している。金属材11aは、外周縁に、第1の絶縁樹脂層12側に向かって突出した突出部を有する。金属材11aの外周縁の突出している先端は、第1の絶縁樹脂層12の金属材11a側とは反対の表面には至っていない。本実施形態では、第1の絶縁樹脂層12の側面の一部が、金属材11aにより被覆されており、具体的には、金属材11aの突出部により被覆されている。
上記積層体では、第1の絶縁樹脂層と金属材とが一体化されていることが好ましく、第1の絶縁樹脂層と金属材と第2の絶縁樹脂層とが一体化されていることが好ましい。
上記金属材の厚みは、200μm以下である。熱抵抗を効果的に低くし、かつ、接着性及び耐冷熱サイクル特性を効果的に高める観点からは、上記金属材の厚みは、好ましくは150μm以下、より好ましくは110μm以下である。放熱性を高める観点からは、上記金属材の厚みは、好ましくは10μm以上、より好ましくは15μm以上である。上記金属材の厚みは、突出部分を含む金属材の全体の厚みの平均である。
上記第1の絶縁樹脂層の厚みは、40μm以下である。熱抵抗を効果的に低くする観点からは、上記第1の絶縁樹脂層の厚みは、好ましくは30μm以下、より好ましくは20μm以下である。接着性及び耐冷熱サイクル特性を効果的に高める観点からは、上記第1の絶縁樹脂層の厚みは、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上である。上記第1の絶縁樹脂層の厚みは、第1の絶縁樹脂層の全体の厚みの平均である。
上記第2の絶縁樹脂層の厚みは、40μm以下であることが好ましい。熱抵抗を効果的に低くする観点からは、上記第2の絶縁樹脂層の厚みは、より好ましくは30μm以下、更に好ましくは20μm以下である。接着性及び耐冷熱サイクル特性を効果的に高める観点からは、上記第2の絶縁樹脂層の厚みは、好ましくは3μm以上、より好ましくは5μm以上である。上記第2の絶縁樹脂層の厚みは、第2の絶縁樹脂層の全体の厚みの平均である。
熱抵抗を効果的に低くする観点からは、上記第1の絶縁樹脂層の厚みの、上記金属材の厚みに対する比(第1の絶縁樹脂層の厚み/金属材の厚み)は、好ましくは0.34以下、より好ましくは0.3以下である。接着性及び耐冷熱サイクル特性を効果的に高める観点からは、上記比(第1の絶縁樹脂層の厚み/金属材の厚み)は、好ましくは0.1以上である。
上記第2の絶縁樹脂層の厚みの、上記金属材の厚みに対する比(第2の絶縁樹脂層の厚み/金属材の厚み)は、好ましくは0.34以下である。熱抵抗を効果的に低くする観点からは、上記比(第2の絶縁樹脂層の厚み/金属材の厚み)は、好ましくは0.3以下である。接着性及び耐冷熱サイクル特性を効果的に高める観点からは、上記比(第2の絶縁樹脂層の厚み/金属材の厚み)は、好ましくは0.1以上である。
上記突出部2aを有する積層体において、上記金属材の外周縁の上記第2の突出距離2Aは、10nm以上、100μm以下である。熱抵抗を効果的に低くする観点、及び耐冷熱サイクル特性を効果的に高める観点からは、上記第2の突出距離2Aは、好ましくは50nm以上、より好ましくは200nm以上であり、好ましくは50μm以下、より好ましくは30μm以下である。上記第2の突出距離2Aが上記下限以上であると、放熱性がより一層良好になり、熱抵抗を効果的に低くすることができる。上記第2の突出距離2Aが上記上限以下であると、接着性をより一層高め、耐冷熱特性を効果的に高めることができる。
上記突出部2aを有する積層体において、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって突出していてもよい。上記金属材は、外周縁に、上記第1の絶縁樹脂層側に向かって突出した突出部1aを有していてもよい。この場合に、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上(第1の突出距離1A)、かつ、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満(第1の突出距離1A)で突出していることが好ましい。接着時の樹脂のはみ出しをより一層抑制する観点からは、上記第1の突出距離1Aは、好ましくは1μm以上である。接着性をより一層良好にする観点からは、上記第1の突出距離1Aは、好ましくは上記第1の絶縁樹脂層の厚みの1/2以下である。第1の絶縁樹脂層の側面の一部が、金属材により被覆されていてもよい。金属材の突出部1aにより被覆されていてもよい。
接着性を効果的に高める観点からは、上記積層体は、上記突出部1aを有することが好ましい。上記突出部1aを有する積層体において、上記金属材の外周縁の上記第1の突出距離1Aは、10nm以上であるか、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満である。接着時の樹脂のはみ出しをより一層抑制する観点からは、上記第1の突出距離1Aは、好ましくは1μm以上である。接着性をより一層良好にする観点からは、上記第1の突出距離1Aは、好ましくは上記第1の絶縁樹脂層の厚みの1/2以下である。接着時に樹脂のはみ出しが抑制されることで、接着性を効果的に高め、及び冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑えることができる。
上記突出部1aを有する積層体において、上記金属材の外周縁が上記第2の絶縁樹脂層側に向かって突出していてもよい。上記金属材は、外周縁に、上記第2の絶縁樹脂層側に向かって突出した突出部2aを有していてもよい。この場合に、上記金属材の外周縁が上記第2の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上(第2の突出距離2A)、かつ、上記第2の絶縁樹脂層の厚み未満(第2の突出距離2A)で突出していることが好ましい。接着時の樹脂のはみ出しをより一層抑制する観点からは、上記第2の突出距離2Aは、好ましくは1μm以上である。接着性をより一層良好にする観点からは、上記第2の突出距離2Aは、好ましくは上記第2の絶縁樹脂層の厚みの1/2以下である。第2の絶縁樹脂層の側面の一部が、金属材により被覆されていてもよい。金属材の突出部2aにより被覆されていてもよい。
上記金属材の外周縁の上記第1の絶縁樹脂層側への突出部1aの先端は、尖っていることが好ましい。上記突出部1aの先端の角度(内角)は、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上であり、好ましくは60°以下、より好ましくは50°以下である。上記金属材の外周縁の上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側(又は上記第2の絶縁樹脂層側)への突出部2aの先端は、尖っていることが好ましい。上記突出部2aの先端の角度(内角)は、好ましくは5°以上、より好ましくは10°以上であり、好ましくは60°以下、より好ましくは50°以下である。
冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑える観点からは、上記第1の絶縁樹脂層の線膨張率の、上記金属材の線膨張率に対する比(第1の絶縁樹脂層の線膨張率/金属材の線膨張率)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下である。
冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑える観点からは、上記第2の絶縁樹脂層の線膨張率の、上記金属材の線膨張率に対する比(第2の絶縁樹脂層の線膨張率/金属材の線膨張率)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは0.6以上であり、好ましくは2以下、より好ましくは1.5以下である。
冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑える観点からは、上記第1の絶縁樹脂層の線膨張率は、好ましくは8ppm/℃以上、より好ましくは10ppm/℃以上であり、好ましくは40ppm/℃以下、より好ましくは30ppm/℃以下である。
冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑える観点からは、上記第2の絶縁樹脂層の線膨張率は、好ましくは8ppm/℃以上、より好ましくは10ppm/℃以上であり、好ましくは40ppm/℃以下、より好ましくは30ppm/℃以下である。
上記線膨張率は、熱機械分析装置を用いて、25℃からガラス転移温度までの条件で測定される。熱機械分析装置としては、島津製作所社製「TMA−60」等が挙げられる。
冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑える観点からは、上記第1の絶縁樹脂層の25℃での弾性率は好ましくは0.1GPa以上、より好ましくは0.5GPa以上であり、好ましくは100GPa以下、より好ましくは50GPa以下である。
冷熱サイクル後の剥離を効果的に抑える観点からは、上記第2の絶縁樹脂層の25℃での弾性率は好ましくは0.1GPa以上、より好ましくは0.5GPa以上であり、好ましくは100GPa以下、より好ましくは50GPa以下である。
上記弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて、25℃の条件で測定される。動的粘弾性測定装置としては、日立ハイテクサイエンス社製「DMS6100」等が挙げられる。
耐熱性をより一層高める観点、及び、冷熱サイクル後の剥離をより一層抑える観点からは、上記第1の絶縁樹脂層のガラス転移温度は好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上である。上記ガラス転移温度は高いほどよく、上記ガラス転移温度の上限は特に限定されない。
耐熱性をより一層高める観点、及び、冷熱サイクル後の剥離をより一層抑える観点からは、上記第2の絶縁樹脂層のガラス転移温度は好ましくは150℃以上、より好ましくは180℃以上である。上記ガラス転移温度は高いほどよく、上記ガラス転移温度の上限は特に限定されない。
上記ガラス転移温度は、動的粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製「DMS6100」)を用いて、5℃/分の昇温速度で測定される。
上記第1の絶縁樹脂層は、プリプレグであってもよく、プリプレグではなくてもよい。熱抵抗性をより一層良好にする観点からは、上記第1の絶縁樹脂層は、プリプレグではないことが好ましい。上記第2の絶縁樹脂層は、プリプレグであってもよく、プリプレグではなくてもよい。熱抵抗性をより一層良好にする観点からは、上記第2の絶縁樹脂層は、プリプレグではないことが好ましい。上記プリプレグでは、一般的に、不織布に絶縁樹脂が含浸されている。上記第1の絶縁樹脂層は、不織布を含まないことが好ましい。上記第2の絶縁樹脂層は、不織布を含まないことが好ましい。上記不織布は、ガラスクロスであってもよい。
本発明に係る積層体は、半導体素子に積層されて用いられる積層体であることが好ましい。この用途においては、本発明の効果がより一層効果的に発揮される。
以下、積層体の他の詳細を説明する。
(第1の絶縁樹脂層及び第2の絶縁樹脂層(絶縁樹脂層))
上記絶縁樹脂層の材料としては、硬化性化合物(A)及び硬化剤(B)等が挙げられる。上記絶縁樹脂層は、例えば、硬化性化合物及び熱硬化剤を含む硬化性組成物(絶縁樹脂層の材料)の硬化物である。また、上記絶縁樹脂層の材料は、無機フィラー(C)を含むことが好ましい。上記絶縁樹脂層は、無機フィラー(C)を含むことが好ましい。
上記硬化性化合物(A)として、分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)を用いてもよく、分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)を用いてもよく、分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)と、分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)との双方を用いてもよい。硬化性化合物(A)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(A1):
上記分子量が10000未満である硬化性化合物(A1)としては、環状エーテル基を有する硬化性化合物が挙げられる。上記環状エーテル基としては、エポキシ基及びオキセタニル基等が挙げられる。上記環状エーテル基を有する硬化性化合物は、エポキシ基又はオキセタニル基を有する硬化性化合物であることが好ましい。硬化性化合物(A1)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化性化合物(A1)は、エポキシ基を有するエポキシ化合物(A1a)を含んでいてもよく、オキセタニル基を有するオキセタン化合物(A1b)を含んでいてもよい。
硬化物の耐熱性及び耐電圧性をより高める観点からは、硬化性化合物(A1)は芳香族骨格を有することが好ましい。
上記芳香族骨格としては特に限定されず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性がより一層高くなる。
エポキシ基を有するエポキシ化合物(A1a)の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンタン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、及びピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらの水素添加物又は変性物を用いてもよい。エポキシ化合物(A1a)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型又はビスフェノールS型のビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、及びジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、及び1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン、及び2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、及び4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、及び1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
オキセタニル基を有するオキセタン化合物(A1b)の具体例としては、例えば、4,4’−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4−ベンゼンジカルボン酸ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メチル]エステル、1,4−ビス[(3−エチル−3−オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン、及びオキセタン変性フェノールノボラック等が挙げられる。オキセタン化合物(A1b)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、硬化性化合物(A1)は、環状エーテル基を2つ以上有することが好ましい。
硬化物の耐熱性をより一層良好にする観点からは、硬化性化合物(A1)100重量%中、環状エーテル基を2つ以上有する硬化性化合物の含有量は、好ましくは70重量%以上、より好ましくは80重量%以上であり、100重量%以下である。硬化性化合物(A1)の合計100重量%中、環状エーテル基を2つ以上有する硬化性化合物の含有量は10重量%以上、100重量%以下であってもよい。また、硬化性化合物(A1)の全体が、環状エーテル基を2つ以上有する硬化性化合物であってもよい。
硬化性化合物(A1)の分子量は、10000未満である。硬化性化合物(A1)の分子量は、好ましくは200以上であり、好ましくは1200以下、より好ましくは600以下、更に好ましくは550以下である。硬化性化合物(A1)の分子量が上記下限以上であると、硬化物の表面の粘着性が低くなり、硬化性組成物の取扱性がより一層高くなる。硬化性化合物(A1)の分子量が上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。さらに、硬化物が固くかつ脆くなり難く、硬化物の接着性がより一層高くなる。
なお、本明細書において、硬化性化合物(A1)における分子量とは、重合体ではない場合、及び構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味し、重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
絶縁樹脂層の材料のうち、溶剤及び無機フィラーを除く材料100重量%中(絶縁樹脂層の材料が溶剤を含まず無機フィラーを含む場合には、無機フィラーを除く材料100重量%中、絶縁樹脂層の材料が溶剤を含み無機フィラーを含まない場合には、溶剤を除く材料100重量%中、絶縁樹脂層の材料が溶剤を含まずかつ無機フィラーを含まない場合には、絶縁樹脂層の材料100重量%中)、硬化性化合物(A1)の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上であり、好ましくは90重量%以下、より好ましくは80重量%以下、更に好ましくは70重量%以下、特に好ましくは60重量%以下、最も好ましくは50重量%以下である。硬化性化合物(A1)の含有量が上記下限以上であると、硬化物の接着性及び耐熱性がより一層高くなる。硬化性化合物(A1)の含有量が上記上限以下であると、絶縁樹脂層の作製時の塗工性が高くなる。
硬化性化合物(A2):
硬化性化合物(A2)は、分子量が10000以上である硬化性化合物である。分子量が10000以上である硬化性化合物(A2)は、一般にポリマーであり、上記分子量は、一般に重量平均分子量を意味する。
硬化性化合物(A2)は、芳香族骨格を有することが好ましい。この場合には、硬化物の耐熱性が高くなり、かつ硬化物の耐湿性も高くなる。硬化性化合物(A2)が芳香族骨格を有する場合には、硬化性化合物(A2)は、芳香族骨格をポリマー全体のいずれかの部分に有していればよく、主鎖骨格内に有していてもよく、側鎖中に有していてもよい。硬化物の耐熱性をより一層高くし、かつ硬化物の耐湿性をより一層高くする観点からは、硬化性化合物(A2)は、芳香族骨格を主鎖骨格内に有することが好ましい。硬化性化合物(A2)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記芳香族骨格としては特に限定されず、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格及びビスフェノールA型骨格等が挙げられる。ビフェニル骨格又はフルオレン骨格が好ましい。この場合には、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性がより一層高くなる。
硬化性化合物(A2)として、熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂などの硬化性樹脂等が使用可能である。硬化性化合物(A2)は熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性化合物(A2)は硬化性樹脂であることが好ましい。硬化性化合物(A2)は熱可塑性樹脂であることが好ましく、熱硬化性樹脂であることも好ましい。
上記熱可塑性樹脂及び熱硬化性樹脂は、特に限定されない。上記熱可塑性樹脂としては特に限定されず、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂、フタレート樹脂、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ケトン樹脂及びノルボルネン樹脂等が挙げられる。上記熱硬化性樹脂としては特に限定されず、アミノ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂及びアミノアルキド樹脂等が挙げられる。上記アミノ樹脂としては、尿素樹脂及びメラミン樹脂等が挙げられる。
硬化物の酸化劣化を抑え、硬化物の耐冷熱サイクル特性及び耐熱性をより一層高め、更に硬化物の吸水率をより一層低くする観点からは、硬化性化合物(A2)は、スチレン樹脂、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であることが好ましく、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂であることがより好ましく、フェノキシ樹脂であることが更に好ましい。特に、フェノキシ樹脂又はエポキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。また、フェノキシ樹脂の使用により、硬化物の弾性率がより一層低くなり、かつ硬化物の耐冷熱サイクル特性がより一層高くなる。なお、硬化性化合物(A2)は、エポキシ基などの環状エーテル基を有していなくてもよい。
上記スチレン樹脂として、具体的には、スチレン系モノマーの単独重合体、及びスチレン系モノマーとアクリル系モノマーとの共重合体等が使用可能である。スチレン−メタクリル酸グリシジルの構造を有するスチレン重合体が好ましい。
上記スチレン系モノマーとしては、例えば、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−フェニルスチレン、p−クロロスチレン、p−エチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、2,4−ジメチルスチレン及び3,4−ジクロロスチレン等が挙げられる。
上記フェノキシ樹脂は、具体的には、例えばエピハロヒドリンと2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂、又は2価のエポキシ化合物と2価のフェノール化合物とを反応させて得られる樹脂である。
上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格、ビフェニル骨格、アントラセン骨格、ピレン骨格、キサンテン骨格、アダマンタン骨格又はジシクロペンタジエン骨格を有することが好ましい。上記フェノキシ樹脂は、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格、ビスフェノールA/F混合型骨格、ナフタレン骨格、フルオレン骨格又はビフェニル骨格を有することがより好ましく、フルオレン骨格及びビフェニル骨格の内の少なくとも1種の骨格を有することが更に好ましい。これらの好ましい骨格を有するフェノキシ樹脂の使用により、硬化物の耐熱性が更に一層高くなる。
上記エポキシ樹脂は、上記フェノキシ樹脂以外のエポキシ樹脂である。上記エポキシ樹脂としては、スチレン骨格含有エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、アダマンタン骨格を有するエポキシ樹脂、トリシクロデカン骨格を有するエポキシ樹脂、及びトリアジン核を骨格に有するエポキシ樹脂等が挙げられる。
硬化性化合物(A2)の分子量は10000以上である。硬化性化合物(A2)の分子量は、好ましくは30000以上、より好ましくは40000以上であり、好ましくは1000000以下、より好ましくは250000以下である。硬化性化合物(A2)の分子量が上記下限以上であると、硬化物が熱劣化し難い。硬化性化合物(A2)の分子量が上記上限以下であると、硬化性化合物(A2)と他の成分との相溶性が高くなる。この結果、硬化物の耐熱性がより一層高くなる。
絶縁樹脂層の材料のうち、溶剤及び無機フィラーを除く材料100重量%中、硬化性化合物(A2)の含有量は好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上であり、好ましくは60重量%以下、より好ましくは50重量%以下である。硬化性化合物(A2)の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物の取扱性が良好になる。硬化性化合物(A2)の含有量が上記上限以下であると、無機フィラー(C)の分散が容易になる。
硬化剤(B):
上記絶縁樹脂層の材料は硬化剤(B)を含むことが好ましい。硬化剤(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、芳香族骨格又は脂環式骨格を有することが好ましい。硬化剤(B)は、アミン硬化剤(アミン化合物)、イミダゾール硬化剤、フェノール硬化剤(フェノール化合物)又は酸無水物硬化剤(酸無水物)を含むことが好ましく、アミン硬化剤を含むことがより好ましい。上記酸無水物硬化剤は、芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物を含むか、又は、脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物を含むことが好ましい。
硬化剤(B)は塩基性の硬化剤を含むか、メラミン骨格もしくはトリアジン骨格を有するフェノール樹脂を含むか、又はアリル基を有するフェノール樹脂を含むことが好ましい。さらに、無機フィラー(C)の分散性を良好にし、更に硬化物の耐電圧性及び熱伝導性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は塩基性の硬化剤を含むことが好ましい。また、無機フィラー(C)の分散性をより一層良好にし、更に硬化物の耐電圧性及び熱伝導性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、アミン硬化剤を含むことがより好ましく、ジシアンジアミドを含むことが特に好ましい。上記イミダゾール硬化剤は、アミン硬化剤の1種でもある。また、硬化剤(B)は、ジシアンジアミドとイミダゾール硬化剤との双方を含むことも好ましい。これらの好ましい硬化剤の使用により、無機フィラー(C)の硬化性組成物中での分散性が高くなり、更に耐熱性、耐湿性及び電気物性のバランスに優れた硬化物が得られる。この結果、無機フィラー(C)の含有量が少なくても、熱伝導性がかなり高くなる。特にジシアンジアミドを用いた場合には、硬化物と金属材との接着性がかなり高くなる。
なお、硬化剤(B)が塩基性の硬化剤であるか否かは、硬化剤1gをアセトン5gと純水5gとを含む液10g中に入れ、80℃で1時間撹拌しながら加熱し、次に加熱後の液中の不溶成分をろ過によって除去して抽出液を得たときに、該抽出液のpHが塩基性であることにより判断される。
上記アミン硬化剤としては、ジシアンジアミド、イミダゾール硬化剤、ジアミノジフェニルメタン及びジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。硬化物と金属材との接着性をより一層高める観点からは、上記アミン硬化剤は、ジシアンジアミド又はイミダゾール硬化剤であることがより一層好ましい。硬化性組成物の貯蔵安定性をより一層高める観点からは、硬化剤(B)は、融点が180℃以上である硬化剤を含むことが好ましく、融点が180℃以上であるアミン硬化剤を含むことがより好ましい。
上記イミダゾール硬化剤としては、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−ウンデシルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−メチルイミダゾールイソシアヌル酸付加物、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール及び2−フェニル−4−メチル−5−ジヒドロキシメチルイミダゾール等が挙げられる。
上記フェノール硬化剤としては、フェノールノボラック、o−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、t−ブチルフェノールノボラック、ジシクロペンタジエンクレゾール、ポリパラビニルフェノール、ビスフェノールA型ノボラック、キシリレン変性ノボラック、デカリン変性ノボラック、ポリ(ジ−o−ヒドロキシフェニル)メタン、ポリ(ジ−m−ヒドロキシフェニル)メタン、及びポリ(ジ−p−ヒドロキシフェニル)メタン等が挙げられる。硬化物の柔軟性及び硬化物の難燃性をより一層高める観点からは、メラミン骨格を有するフェノール樹脂、トリアジン骨格を有するフェノール樹脂、又はアリル基を有するフェノール樹脂が好ましい。
上記フェノール硬化剤の市販品としては、MEH−8005、MEH−8010及びMEH−8015(以上いずれも明和化成社製)、YLH903(三菱化学社製)、LA−7052、LA−7054、LA−7751、LA−1356及びLA−3018−50P(以上いずれもDIC社製)、並びにPS6313及びPS6492(以上いずれも群栄化学社製)等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、例えば、スチレン/無水マレイン酸コポリマー、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸無水物、トリメリット酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、フェニルエチニルフタル酸無水物、グリセロールビス(アンヒドロトリメリテート)モノアセテート、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、及びトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられる。
上記芳香族骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、SMAレジンEF30、SMAレジンEF40、SMAレジンEF60及びSMAレジンEF80(以上いずれもサートマー・ジャパン社製)、ODPA−M及びPEPA(以上いずれもマナック社製)、リカシッドMTA−10、リカシッドMTA−15、リカシッドTMTA、リカシッドTMEG−100、リカシッドTMEG−200、リカシッドTMEG−300、リカシッドTMEG−500、リカシッドTMEG−S、リカシッドTH、リカシッドHT−1A、リカシッドHH、リカシッドMH−700、リカシッドMT−500、リカシッドDSDA及びリカシッドTDA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにEPICLON B4400、EPICLON B650、及びEPICLON B570(以上いずれもDIC社製)等が挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物は、多脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物もしくは該酸無水物の変性物、又はテルペン系化合物と無水マレイン酸との付加反応により得られる脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物であることが好ましい。これらの硬化剤の使用により、硬化物の柔軟性、並びに硬化物の耐湿性及び接着性がより一層高くなる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物としては、メチルナジック酸無水物、ジシクロペンタジエン骨格を有する酸無水物又は該酸無水物の変性物等も挙げられる。
上記脂環式骨格を有する酸無水物、該酸無水物の水添加物又は該酸無水物の変性物の市販品としては、リカシッドHNA及びリカシッドHNA−100(以上いずれも新日本理化社製)、並びにエピキュアYH306、エピキュアYH307、エピキュアYH308H及びエピキュアYH309(以上いずれも三菱化学社製)等が挙げられる。
硬化剤(B)は、メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸であることも好ましい。メチルナジック酸無水物又はトリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸の使用により、硬化物の耐水性が高くなる。
絶縁樹脂層の材料のうち、溶剤及び無機フィラーを除く材料100重量%中、硬化剤(B)の含有量は好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは1重量%以上であり、好ましくは40重量%以下、より好ましくは25重量%以下である。硬化剤(B)の含有量が上記下限以上であると、硬化性組成物を充分に硬化させることが容易である。硬化剤(B)の含有量が上記上限以下であると、硬化に関与しない余剰な硬化剤(B)が発生し難くなる。このため、硬化物の耐熱性及び接着性がより一層高くなる。
(無機フィラー(C))
無機フィラー(C)の使用により、硬化物の熱伝導性がかなり高くなる。無機フィラー(C)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物の熱伝導性をより一層高める観点からは、無機フィラー(C)の熱伝導率は好ましくは10W/m・K以上、より好ましくは15W/m・K以上、更に好ましくは20W/m・K以上である。無機フィラー(C)の熱伝導率の上限は特に限定されない。熱伝導率が300W/m・K程度である無機フィラーは広く知られており、また熱伝導率が200W/m・K程度である無機フィラーは容易に入手できる。
無機フィラー(C)は、アルミナ、合成マグネサイト、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛又は酸化マグネシウムであることが好ましく、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、酸化亜鉛又は酸化マグネシウムであることがより好ましい。これらの好ましい無機フィラーの使用により、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。
シリカ以外の無機フィラー(C)は、球状アルミナ、破砕アルミナ又は球状窒化アルミニウムであることがより好ましく、球状アルミナ又は球状窒化アルミニウムであることが更に好ましい。これらの好ましい無機フィラーの使用により、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。
無機フィラー(C)の新モース硬度は、好ましくは12以下、より好ましくは9以下である。無機フィラー(C)の新モース硬度が9以下であると、硬化物の加工性がより一層高くなる。
硬化物の加工性をより一層高める観点からは、無機フィラー(C)は、合成マグネサイト、結晶シリカ、酸化亜鉛、又は酸化マグネシウムであることが好ましい。これらの無機フィラーの新モース硬度は9以下である。
無機フィラー(C)は、球状のフィラー(球状フィラー)を含んでいてもよく、破砕されたフィラー(破砕フィラー)を含んでいてもよく、板状のフィラー(板状フィラー)を含んでいてもよい。無機フィラー(C)は、球状フィラーを含むことが特に好ましい。球状フィラーは高密度で充填可能であるため、球状フィラーの使用により硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。
上記破砕フィラーとしては、破砕アルミナ及び破砕シリカ等が挙げられる。破砕フィラーは、例えば、一軸破砕機、二軸破砕機、ハンマークラッシャー又はボールミル等を用いて、塊状の無機物質を破砕することにより得られる。破砕フィラーの使用により、硬化物中のフィラーが、橋掛け又は効率的に近接された構造となりやすい。従って、硬化物の熱伝導性がより一層高くなる。また、破砕フィラーは、一般的に、通常のフィラーに比べて安価である。このため、破砕フィラーの使用により、硬化性組成物のコストが低くなる。
上記シリカは、破砕されたシリカ(破砕シリカ)であることが好ましい。上記破砕シリカの使用により、硬化物の耐湿性がより一層高くなり、硬化物のプレッシャークッカーテストが行われたときに耐電圧性がより一層低下し難くなる。
上記破砕フィラーの平均粒子径は、好ましくは12μm以下、より好ましくは10μm以下であり、好ましくは1μm以上である。破砕フィラーの平均粒子径が上記上限以下であると、硬化性組成物中に、破砕フィラーを高密度に分散させることが可能であり、硬化物の耐電圧性がより一層高くなる。破砕フィラーの平均粒子径が上記下限以上であると、破砕フィラーを高密度に充填させることが容易になる。
破砕フィラーのアスペクト比は特に限定されない。破砕フィラーのアスペクト比は、好ましくは1.5以上、好ましくは20以下である。アスペクト比が1.5未満のフィラーは、比較的高価であり、硬化性組成物のコストが高くなる。上記アスペクト比が20以下であると、破砕フィラーの充填が容易である。
上記破砕フィラーのアスペクト比は、例えば、デジタル画像解析方式粒度分布測定装置(日本ルフト社製「FPA」)を用いて、フィラーの破砕面を測定することにより求めることが可能である。
無機フィラー(C)の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは40μm以下である。平均粒子径が上記下限以上であると、無機フィラー(C)を高密度で容易に充填できる。平均粒子径が上記上限以下であると、硬化物の耐電圧性がより一層高くなる。
また、接着性をより一層良好にする観点からは、無機フィラー(C)の平均粒子径は好ましくは5μm以下である。
上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
絶縁樹脂層の材料のうち、溶剤を除く材料100重量%中(絶縁樹脂層の材料が溶剤を含まない場合には、絶縁樹脂層の材料100重量%中、絶縁樹脂層の材料が溶剤を含む場合には、溶剤を除く材料100重量%中)、及び絶縁樹脂層100重量%中、無機フィラー(C)の含有量は好ましくは30重量%以上、より好ましくは50重量%以上であり、好ましくは97重量%以下、より好ましくは95量%以下である。無機フィラー(C)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物の熱伝導性が効果的に高くなる。
他の成分:
上記絶縁樹脂層の材料は、上述した成分の他に、溶剤、分散剤、キレート剤、及び酸化防止剤等の絶縁樹脂層に一般に用いられる他の成分を含んでいてもよい。
(金属材)
上記金属材の材料としては、アルミニウム、銅、金、及びグラファイトシート等が挙げられる。熱伝導性をより一層良好にする観点からは、上記金属材の材料は、金、銅又はアルミニウムであることが好ましく、銅又はアルミニウムであることがより好ましい。熱伝導性をより一層良好にする観点、並びにエッチング処理された金属材を容易に形成する観点からは、上記金属材は、銅であることがより好ましい。また、上記金属材は、金属箔であることが好ましい。
(積層体の製造方法)
本発明に係る積層体の製造方法では、超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前又は超音波切断前の加工前の金属材と、超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前又は超音波切断前の加工前の第1の絶縁樹脂層とを備え、上記加工前(上記打ち抜きプレス前又は超音波切断前)の第1の絶縁樹脂層が、上記加工前(上記打ち抜きプレス前又は超音波切断前)の金属材に積層されている加工前(打ち抜きプレス前又は超音波切断前)の積層体を用いて、上記加工前(上記打ち抜きプレス前又は超音波切断前)の積層体を打ち抜くか又は超音波切断する(打ち抜き加工又は超音波切断加工)。本発明に係る積層体の製造方法では、上記の打ち抜き加工又は超音波切断加工によって、金属箔又は金属板である金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備え、上記第1の絶縁樹脂層が、上記金属材の第1の表面に積層されており、上記金属材の厚みが200μm以下であり、上記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、上記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出している積層体を得るか、又は上記金属材の外周縁が上記第1の絶縁樹脂層とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している積層体を得る。
超音波切断前の第1の絶縁樹脂層側から、超音波切断前の金属材側に向かって、超音波切断をすることで、更に超音波切断条件を制御することにより、上記突出部2aを有する積層体を得ることができる。本発明に係る積層体の製造方法では、超音波切断加工を用いることが望ましい。
打ち抜きプレス前の第1の絶縁樹脂層側から、打ち抜きプレス前の金属材側に向かって、打ち抜き加工をすることで、更に打ち抜き加工条件を制御することにより、上記突出部1aを有する積層体を得ることができる。本発明に係る積層体の製造方法では、打ち抜き加工を用いることが望ましい。
超音波切断前の金属材側から、超音波切断前の第1の絶縁樹脂層側に向かって、超音波切断をすることで、更に超音波切断条件を制御することにより、上記突出部1aを有する積層体を得ることができる。本発明に係る積層体の製造方法では、超音波切断を用いることが望ましい。
打ち抜きプレス前の金属材側から、打ち抜きプレス前の第1の絶縁樹脂層側に向かって、打ち抜き加工をすることで、更に打ち抜き加工条件を制御することにより、上記突出部2aを有する積層体を得ることができる。本発明に係る積層体の製造方法では、超音波切断を用いることが望ましい。
本発明に係る積層体の製造方法では、打ち抜きプレス加工してもよく、超音波切断加工してもよい。本明細書において、「超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前又は超音波切断前の加工前」における「超音波切断」には、打ち抜きプレスは含まれない。打ち抜きプレス加工は、超音波での打ち抜きプレス加工であってもよく、超音波以外での打ち抜きプレス加工であってもよい。
なお、打ち抜き加工をしたとしても、上記突出部1a及び上記突出部2aが、上記第1の絶縁樹脂層側又は上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に10nm以上突出しない場合がある。打ち抜き加工条件を制御することにより、上記金属材の外周縁を上記第1の絶縁樹脂層側又は上記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に10nm以上突出させることができる。
上記突出距離1A及び上記突出距離2Aを制御する具体的な方法としては、打ち抜き加工時の加工速度を制御する方法、及び金型パンチとダイとのクリアランスを調整する方法等が挙げられる。また、上記突出部1aの先端の角度及び上記突出部2aの先端の角度を制御する具体的な方法としては、打ち抜き加工時の加工速度を制御する方法、及び金型パンチとダイのクリアランスを調整する方法等が挙げられる。
また、本発明に係る積層体の製造方法では、打ち抜きプレス前の金属材と、打ち抜きプレス前の第1の絶縁樹脂層と、打ち抜きプレス前の第2の絶縁樹脂層とを備え、上記打ち抜きプレス前の第1の絶縁樹脂層が、上記打ち抜きプレス前の金属材に積層されており、かつ、上記打ち抜きプレス前の第2の絶縁樹脂層が、上記打ち抜きプレス前の金属材に積層されている打ち抜きプレス前の積層体を打ち抜いてもよい(打ち抜き加工)。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
硬化性化合物(A1)
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート828US」、Mw=370)
(2)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート806L」、Mw=370)
(3)3官能グリシジルジアミン型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート630、Mw=300)
(4)フルオレン型エポキシ樹脂(大阪ガスケミカル社製「オンコートEX1011」、Mw=486)
(5)ナフタレン型液状エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON HP−4032D」、Mw=304)
硬化性化合物(A2)
(1)エポキシ基含有スチレン樹脂(日油社製「マープルーフG−1010S」、Mw=100,000、Tg=93℃)
(2)ビスフェノールA型フェノキシ樹脂(三菱化学社製「E1256」、Mw=51,000、Tg=98℃)
硬化剤(B)
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製「MH−700」)
(2)ビフェニル骨格フェノール樹脂(明和化成社製「MEH−7851−S」)
(3)アリル骨格フェノール樹脂(三菱化学社製「YLH903」)
(4)イソシアヌル変性固体分散型イミダゾール(イミダゾール系硬化促進剤、四国化成工業社製「2MZA−PW」)
無機フィラー(C)
(1)5μmアルミナ(破砕アルミナ、日本軽金属社製「LT300C」、平均粒子径5μm
(2)1.5μmアルミナ(球状アルミナ、住友化学社製「AA−1.5」、平均粒子径1.5μm)
(3)10μmアルミナ(球状アルミナ、デンカ社製「DAM−10」、平均粒子径10μm)
(4)窒化ホウ素(三井化学社製「MBN−010T」、平均粒子径0.9μm)
(5)窒化アルミニウム(三井化学社製「MAN−2A」、平均粒子径1.3μm)
添加剤
(1)エポキシシランカップリング剤(信越化学工業社製「KBE403」)
溶剤
(1)メチルエチルケトン
また、以下の金属材を用意した。
銅板:厚み300μm
銅板:厚み200μm
銅板:厚み150μm
銅板:厚み110μm
銅板:厚み70μm
銅板:厚み35μm
銅板:厚み17μm
銅板:厚み10μm
(実施例1)
(1)絶縁材料の作製
ホモディスパー型攪拌機を用い、下記の表1に示す配合成分を下記の表1に示す配合量で配合し、絶縁材料を調製した。
上記絶縁材料を離型PETシート(厚み50μm)に狙いの厚みに塗工し、90℃のオーブンにて30分乾燥し、溶剤を揮発させ、シート状の絶縁材料を作製した。
(2)積層体の作製
得られたシート状の絶縁材料(絶縁樹脂層)を金属板上に熱ラミネーターにて貼り合わせ、積層体を作製した。得られた積層体を打ち抜き加工又は超音波切断により所定のサイズに加工した。
(実施例2〜23及び比較例1〜4)
シート状の絶縁材料の組成、及び積層体の構成を以下の表1〜3のように変更したこと以外は実施例1と同様にして、積層体を作製した。
(評価)
(1)ガラス転移温度の測定
シート状の絶縁材料を、180℃で1時間硬化させて、硬化物を得た。
得られた硬化物のガラス転移温度を、動的粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製「DMS6100」)を用いて、5℃/分の昇温速度で測定した。
(2)弾性率の測定
シート状の絶縁材料を、180℃で1時間硬化させて、硬化物を得た。
動的粘弾性測定装置(日立ハイテクサイエンス社製「DMS6100」を用いて、25℃の条件で、硬化物(絶縁樹脂層)の弾性率を測定した。
(3)線膨張率の測定
シート状の絶縁材料を180℃で1時間硬化させて、硬化物を得た。
熱機械分析装置(島津製作所社製「TMA−60」)を用いて、25℃からガラス転移温度間の条件で、硬化物(絶縁樹脂層)の線膨張率、及び、金属材の線膨張率を測定した。
(4)熱伝導率の測定
シート状の絶縁材料を180℃で1時間硬化させて、硬化物を得た。
熱伝導率計(京都電子工業社製「迅速熱伝導率計QTM−500」)を用いて、硬化物(絶縁樹脂層)の熱伝導率を測定した。
(5)熱抵抗
積層体と同じサイズを有し、60℃に制御されており、かつ平滑な表面を有する発熱体を用意した。得られた積層体を、上記発熱体に1kgfの圧力で押し付け、発熱体の反対面の温度を熱伝対により測定することにより、熱抵抗を評価した。熱抵抗を以下の基準に従って判定した。
[熱抵抗の判定基準]
○○:発熱体と積層体の発熱体側とは反対の表面との温度差が5℃以下
○:発熱体と積層体の発熱体側とは反対の表面との温度差が5℃を超え、10℃以下
△:発熱体と積層体の発熱体側とは反対の表面との温度差が10℃を超え、30℃以下
×:発熱体と積層体の発熱体側とは反対の表面との温度差が30℃を超える
(6)冷熱サイクル後の剥離防止性
1cm角に加工された積層体を同サイズのシリコンウェハに130℃で5秒、1kgfの力で仮接着した。その後に180℃で1時間硬化を行い、評価用サンプルを得た。得られた評価用サンプル10個をエスペック社製「モデルTSB−51」で−40℃で5分〜+125℃で5分の冷熱サイクル試験を1000回行い、浮き及び剥離の発生を確認することにより、冷熱サイクル後の剥離防止性を評価した。冷熱サイクル後の剥離防止性を以下の基準に従って判定した。
[冷熱サイクル後の剥離防止性の判定基準]
○○:浮き又は剥離の発生なし
○:浮き又は剥離の発生1〜2個
△:浮き又は剥離の発生3〜5個
×:浮き又は剥離の発生6〜10個
(7)接着性
1cm角に加工された積層体を同サイズのシリコンウェハに130℃で5秒、1kgfの力で仮接着した。その後に180℃で1時間硬化を行い、評価用サンプルを得た。得られた評価用サンプルについて、万能型ボンドテスタ(ノードソン・アドバンスト・テクノロジー社製「シリーズ4000」)を用いてダイシェア強度を測定することにより、接着性を評価した。接着性を以下の基準に従って判定した。
[接着性の判定基準]
○○:ダイシェア強度が100N/cm以上
○:ダイシェア強度が50N/cm以上、100N/cm未満
△:ダイシェア強度が30N/cm以上、、50N/cm未満
×:ダイシェア強度が30N/cm未満
組成を下記の表1〜3に示す。積層体の構成及び積層体の評価結果を下記の表4〜6に示す。
Figure 2017065252
Figure 2017065252
Figure 2017065252
Figure 2017065252
Figure 2017065252
Figure 2017065252
1,2…積層体
11,11a…金属材
12…第1の絶縁樹脂層
13…第2の絶縁樹脂層

Claims (14)

  1. 金属箔又は金属板である金属材と、
    第1の絶縁樹脂層とを備え、
    前記第1の絶縁樹脂層が、前記金属材の第1の表面に積層されており、
    前記金属材の厚みが200μm以下であり、
    前記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、
    前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しているか、又は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している、積層体。
  2. 前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しており、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の側面の一部が、前記金属材により被覆されている構成を備えるか、又は、
    前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している構成を備える、請求項1に記載の積層体。
  3. 前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している、請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 前記第1の絶縁樹脂層の厚みが、20μm以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層体。
  5. 前記第1の絶縁樹脂層の厚みの、前記金属材の厚みに対する比が0.34以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層体
  6. 前記第1の絶縁樹脂層の25℃での弾性率が0.1GPa以上、100GPa以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層体。
  7. 前記第1の絶縁樹脂層が、無機フィラーを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層体。
  8. 前記無機フィラーの平均粒子径が5μm以下である、請求項7に記載の積層体。
  9. 前記第1の絶縁樹脂層のガラス転移温度が、150℃以上である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層体。
  10. 前記第1の絶縁樹脂層がプリプレグではない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層体。
  11. 第2の絶縁樹脂層を備え、
    前記第2の絶縁樹脂層が、前記金属材の前記第1の表面とは反対の第2の表面に積層されており、
    前記第2の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層体。
  12. 前記第2の絶縁樹脂層の厚みの、前記金属材の厚みに対する比が0.34以下である、請求項11に記載の積層体。
  13. 半導体素子に積層されて用いられる積層体である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層体。
  14. 請求項1〜13のいずれか1項に記載の積層体の製造方法であって、
    超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前、又は超音波切断前の加工前の金属材と、超音波での打ち抜きプレス前、超音波以外での打ち抜きプレス前、又は超音波切断前の加工前の第1の絶縁樹脂層とを備え、前記加工前の第1の絶縁樹脂層が、前記加工前の金属材に積層されている加工前の積層体を用いて、前記加工前の積層体を打ち抜くか又は超音波切断することにより、金属箔又は金属板である金属材と、第1の絶縁樹脂層とを備え、前記第1の絶縁樹脂層が、前記金属材の第1の表面に積層されており、前記金属材の厚みが200μm以下であり、前記第1の絶縁樹脂層の厚みが40μm以下であり、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側に向かって10nm以上、かつ、前記第1の絶縁樹脂層の厚み未満で突出しているか、又は、前記金属材の外周縁が前記第1の絶縁樹脂層側とは反対側に向かって10nm以上、100μm以下で突出している積層体を得る、積層体の製造方法。
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