JP2017185943A - ハイブリッド自動車 - Google Patents

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Abstract

【課題】不要に長い期間、エンジンの出力が大きく制限されることを抑制する。
【解決手段】エンジンが始動されたときにエンジンの冷却水温が所定温度よりも低いときには、出力上限値Pemaxを、バルブ温度Tvが高いときに低いときより大きくなり、且つ、推定付着量Wadが小さいときには大きいときより大きくなり、且つ、アルコール濃度Dalが大きいときには小さいときより大きくなるように設定する(S110〜S130)。これにより、不要に長い期間、エンジン22から出力するパワーが大きく制限されることを抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ハイブリッド自動車に関する。
従来、この種のハイブリッド自動車としては、エンジンと、モータ(モータジェネレータ)と、を備えるものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。エンジン,モータは、走行用の動力を出力している。この自動車では、エンジン水温が閾値より低い場合には、エンジンの要求パワーを小さくしてエンジンから出力するパワーを小さくし、モータから出力するパワーを大きくする。これにより、吸気ポートの内壁や吸気バルブの壁面に付着した燃料に起因するスモークの発生を抑制している。
特開2014−196013号公報
上述のハイブリッド自動車では、エンジン水温が閾値より低い場合には、エンジン自体の温度に拘わらず、一律にエンジンからの出力を制限している。エンジン本体の温度の上昇に対して、エンジン水温は上昇するまでにある程度の時間を要する。したがって、エンジン水温が低温であっても、エンジン自体の温度がある程度上昇している場合がある。エンジン自体の温度が上昇すると、吸気ポートの内壁や吸気バルブの壁面に付着する燃料が少なくなり、エミッションの発生も少ない。そのため、エンジン水温が閾値より低い場合に、一律にエンジンからの出力を制限すると、エンジン自体の温度が上昇しても出力を制限することになり、不要に長い期間、エンジンの出力が大きく制限されることになってしまう。
本発明のハイブリッド自動車は、不要に長い期間、エンジンの出力が大きく制限されることを抑制することを主目的とする。
本発明のハイブリッド自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明のハイブリッド自動車は、
走行用のエンジンと、
走行用のモータと、
前記エンジンが始動されたときに前記エンジンを冷却する冷却水の温度が所定温度より低い低水温始動時には、前記冷却水の温度が前記所定温度以上であるときよりも低い出力上限値で制限された要求パワーを前記エンジンから出力しながら走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、
を備えるハイブリッド自動車であって、
前記制御手段は、前記低水温始動時において、前記エンジンの吸気バルブの温度が高いときには低いときより前記出力上限値を大きくする、
を備えることを要旨とする。
この本発明のハイブリッド自動車は、エンジンが始動されたときにエンジンを冷却する冷却水の温度が所定温度より低い低水温始動時には、冷却水の温度が所定温度以上であるときよりも低い出力上限値で制限された要求パワーをエンジンから出力しながら走行するようにエンジンとモータとを制御する。そして、低水温始動時において、エンジンの吸気バルブの温度が高いときには低いときより出力上限値を大きくする。これにより、吸気バルブの温度が高いときには低いときよりエンジンから出力するパワーの制限を緩和する。吸気バルブの温度が高いときには、吸気バルブの温度が低いときより吸気ポートや吸気バルブに付着する燃料の量が少なくなり、エミッションの発生が少ない。したがって、吸気バルブの温度が高いときには低いときよりエンジンから出力するパワーの制限を緩和することにより、不要に長い期間、エンジンから出力するパワーが大きく制限されることを抑制することができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記制御手段は、前記低水温始動時において、前記出力上限値を、前記吸気バルブの温度が高いときには低いときより大きくなり、且つ、前記吸気バルブの壁面の燃料の付着量の推定値が小さいときには大きいときより大きくなるように設定してもよい。吸気バルブの温度と付着量の推定値に基づいて出力上限値を設定することにより、吸気バルブの温度のみに基づいて出力上限値を設定する場合に比べて、より適正に出力上限値を設定することができる。これにより、不要に長い期間、エンジンから出力するパワーが大きく制限されることをより適正に抑制することができる。
こうした本発明のハイブリッド自動車において、前記エンジンは、アルコールを含む燃料によって運転可能であり、前記制御手段は、前記出力上限値を、前記吸気バルブの温度が高いときには低いときより大きくなり、且つ、前記吸気バルブの壁面の燃料の付着量の推定値が多いときには少ないときより大きくなり、且つ、前記燃料のアルコール濃度が高いときには低いときより大きくなるように設定してもよい。燃料のアルコール濃度が高いときには、低いときより吸気ポートや吸気バルブに付着する燃料の量が少なくなる。したがって、吸気バルブの温度と付着量の推定値と燃料のアルコール濃度とに基づいて出力上限値を設定することにより、吸気バルブの温度のみに基づいて出力上限値を設定する場合に比べて、より適正に出力上限値を設定することができる。これにより、不要に長い期間、エンジンから出力するパワーが大きく制限されることをより適正に抑制することができる。
本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 エンジン22の構成の概略を示す構成図である。 HVECU70により実行される出力上限値設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。 バルブ温度設定用マップの一例を示す説明図である。 パワー抑制マップの一例を示す説明図である。 オフセット補正用マップの一例を示す説明図である。 比較例のハイブリッド自動車と実施例のハイブリッド自動車20におけるエンジン22から実際に出力するパワー(エンジン出力)とバルブ温度Tvと冷却水温Twとエンジン運転フラグFenとの時間変化の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、エンジン22と、プラネタリギヤ30と、モータMG1,MG2と、インバータ41,42と、バッテリ50と、ハイブリッド用電子制御ユニット(以下、「HVECU」という)70と、を備える。
エンジン22は、ガソリンとアルコールとの混合燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されている。図2は、エンジン22の構成の概略を示す構成図である。エンジン22は、図示するように、エアクリーナ122によって清浄された空気を吸気ポート123に配置されたスロットルバルブ124を介して吸入すると共に燃料噴射弁126から燃料を噴射して、空気と燃料とを混合する。そして、この混合気を吸気バルブ128を介して燃焼室(筒内)に吸入する。そして、吸入した混合気を点火プラグ130による電気火花によって爆発燃焼させて、そのエネルギによって押し下げられるピストン132の往復運動をクランクシャフト26の回転運動に変換する。燃焼室(筒内)からの排気は、一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC),窒素酸化物(NOx)の有害成分を浄化する浄化触媒(三元触媒)を有する浄化装置134を介して外気に排出される。エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、「エンジンECU」という)24によって運転制御されている。
エンジンECU24は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROM,データを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。
エンジンECU24には、エンジン22を運転制御するのに必要な各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。各種センサからの信号としては、クランクシャフト26の回転位置を検出するクランクポジションセンサ140からのクランク角θcrやエンジン22の冷却水の温度を検出する水温センサ142からの冷却水温Tw、スロットルバルブ124のポジションを検出するスロットルバルブポジションセンサ146からのスロットル開度TH、吸気管に取り付けられたエアフローメータ148からの吸入空気量Qa、燃料タンク127に取り付けられたアルコール濃度センサ129からのアルコール濃度Dalを挙げることができる。
エンジンECU24からは、エンジン22を運転制御するための各種制御信号が出力ポートを介して出力されている。各種制御信号としては、スロットルバルブ124のポジションを調節するスロットルモータ136への駆動制御信号や燃料噴射弁126への駆動制御信号、イグナイタと一体化されたイグニッションコイル138への駆動制御信号を挙げることができる。
エンジンECU24は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってエンジン22を運転制御する。また、エンジンECU24は、必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをHVECU70に出力する。エンジンECU24は、クランク角θcrに基づいて、クランクシャフト26の回転数、すなわち、エンジン22の回転数Neを演算している。また、エンジンECU24は、燃料噴射弁126への駆動制御信号に基づいて、燃料噴射弁126から燃料噴射された燃料の総量である燃料噴射量Vfを演算している。なお、燃料噴射量Vfは、エンジン22の運転が停止されたときに値0にリセットされる。
図1に示すように、プラネタリギヤ30は、シングルピニオン式の遊星歯車機構として構成されている。プラネタリギヤ30のサンギヤには、モータMG1の回転子が接続されている。プラネタリギヤ30のリングギヤには、駆動輪38a,38bにデファレンシャルギヤ37を介して連結された駆動軸36が接続されている。プラネタリギヤ30のキャリヤには、ねじれ要素としてのダンパ28を介してエンジン22のクランクシャフト26が接続されている。
モータMG1は、例えば同期発電電動機として構成されており、上述したように、回転子がプラネタリギヤ30のサンギヤに接続されている。モータMG2は、例えば同期発電電動機として構成されており、回転子が駆動軸36に接続されている。インバータ41,42は、電力ライン54を介してバッテリ50と接続されている。モータMG1,MG2は、モータ用電子制御ユニット(以下、「モータECU」という)40によって、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子がスイッチング制御されることにより、回転駆動される。
モータECU40は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。モータECU40には、モータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの回転位置θm1,θm2が入力ポートを介して入力されている。
モータECU40からは、インバータ41,42の図示しない複数のスイッチング素子へのスイッチング制御信号などが出力ポートを介して出力されている。モータECU40は、HVECU70と通信ポートを介して接続されており、HVECU70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の駆動状態に関するデータをHVECU70に出力する。モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からのモータMG1,MG2の回転子の回転位置θm1,θm2に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2を演算している。
バッテリ50は、例えばリチウムイオン二次電池やニッケル水素二次電池として構成されており、上述したように、電力ライン54を介してインバータ41,42と接続されている。バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、「バッテリECU」という)52によって管理されている。
バッテリECU52は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。バッテリECU52には、電圧センサ51aからの電池電圧Vbや電流センサ51bからの電池電流Ib,温度センサ51cからの電池温度Tbが入力ポートを介して入力されている。また、バッテリECU52は、HVECU70と通信ポートを介して接続されている。
HVECU70は、図示しないが、CPUを中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に、処理プログラムを記憶するROMやデータを一時的に記憶するRAM,入出力ポート,通信ポートを備える。HVECU70には、各種センサからの信号が入力ポートを介して入力されている。HVECU70に入力される信号としては、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号やシフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP、アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc、ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP、車速センサ88からの車速Vを挙げることができる。
HVECU70は、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24,モータECU40,バッテリECU52と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された第1実施例のハイブリッド自動車20では、ハイブリッド走行モード(HV走行モード),電動走行モード(EV走行モード)などの走行モードで走行する。HV走行モードは、エンジン22の運転とモータMG1,MG2の駆動とを伴って走行する走行モードである。EV走行モードは、エンジン22を運転停止すると共にモータMG2を駆動して走行する走行モードである。
HV走行モードでは、HVECU70は、まず、アクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Accと車速センサ88からの車速Vとに基づいて、走行に要求される(駆動軸36に出力すべき)要求トルクTr*を設定する。続いて、要求トルクTr*に駆動軸36の回転数Npを乗じて、走行に要求される走行用パワーPdrv*を計算する。ここで、駆動軸36の回転数Npとしては、モータMG2の回転数Nm2,車速Vに換算係数を乗じて得られる回転数などを用いることができる。そして、走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*(バッテリ50から放電するときが正の値)を減じて、車両に要求される要求パワーPe*を計算する。次に、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、受信した目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御,開閉タイミング制御などを行なう。エンジン22の燃料噴射制御では、エンジンECU24は、空燃比を理論空燃比とするように目標燃料噴射量(1回の燃料噴射量の目標値)を設定し、目標燃料噴射量の燃料が噴射されるように燃料噴射弁126を制御する。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このHV走行モードでは、要求パワーPe*が停止用閾値Pstop以下に至ったときなどに、エンジン22の停止条件が成立したと判断し、エンジン22の運転を停止して、EV走行モードに移行する。
EV走行モードでは、HVECU70は、まず、HV走行モードと同様に、要求トルクTr*を設定する。続いて、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定する。そして、バッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、モータMG2のトルク指令Tm2*を設定してモータECU40に送信する。そして、トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。このEV走行モードでの走行時には、HV走行モードでの走行時と同様に計算した要求パワーPe*が始動用閾値Pstart以上に至ったときなどエンジン22の始動条件が成立したときに、エンジン22を始動してHV走行モードでの走行に移行する。
エンジン22を始動してHV走行モードでの走行を開始した後に、エンジン22の冷却水温Twが所定温度Tref(例えば、50℃,55℃,60℃など)以下であるときには、上述のHV走行モードにおいて、走行用パワーPdrv*からバッテリ50の充放電要求パワーPb*を減じたものを仮要求パワーPetmpに設定する。ここで、所定温度Trefは、エンジン22が十分に暖機されているか否かを判定するための閾値である。そして、仮要求パワーPetmpと出力上限値Pemaxとのうちの小さいほうの値(仮要求パワーPetmpを出力上限値Pemaxで制限した値)を要求パワーPe*に設定して、要求パワーPe*がエンジン22から出力されると共にバッテリ50の入出力制限Win,Woutの範囲内で要求トルクTr*が駆動軸36に出力されるように、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*,モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を設定する。出力上限値Pemaxについては後述する。そして、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*をエンジンECU24に送信すると共に、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信する。エンジンECU24は、エンジン22の目標回転数Ne*および目標トルクTe*を受信すると、受信した目標回転数Ne*および目標トルクTe*に基づいてエンジン22が運転されるように、エンジン22の吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御,開閉タイミング制御などを行なう。モータECU40は、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*を受信すると、モータMG1,MG2がトルク指令Tm1*,Tm2*で駆動されるようインバータ41,42のスイッチング素子のスイッチング制御を行なう。こうした制御により、エンジン22から出力するパワーの上限を低くして、エンジン22の暖機が十分ではないことに起因するエミッションの悪化を抑制している。
次に、こうして構成されたハイブリッド自動車20の動作、特に、出力上限値Pemaxを設定する際の動作について説明する。図3は、HVECU70により実行される出力上限値設定処理ルーチンの一例を示すフローチャートである。本ルーチンは、エンジン22を始動してHV走行モードでの走行を開始した後に、冷却水温Twが所定温度Tref以下であるときに、所定時間(例えば、数msecなど)毎に繰り返し実行される。
本ルーチンが実行されると、HVECU70は、燃料噴射量Vfやエンジン運転時間teo、吸入空気量Qa、アルコール濃度Dalを入力する処理を実行する(ステップS100)。燃料噴射量Vfは、エンジンECU24から通信により入力している。エンジン運転時間teoは、HV走行モードを継続している時間であって、HV走行モードからEV走行モードへ移行したときに値0にリセットされる。吸入空気量Qaは、エアフローメータ148により検出されたものをエンジンECU24を介して通信により入力している。アルコール濃度Dalは、アルコール濃度センサ129により検出されたものをエンジンECU24を介して通信により入力している。
続いて、入力された燃料噴射量Vfとエンジン運転時間teoとを用いて吸気バルブ128のバルブ温度Tvを設定する(ステップS110)。バルブ温度Tvの設定は、燃料噴射量Vfとエンジン運転時間teoとを用いて次式(1)によりエンジン投入熱量Eenを演算し、エンジン投入熱量Eenとバルブ温度設定用マップとを用いて行なわれる。式(1)中、「Rge」は、燃料1gを燃焼させたときに発生するエネルギとして予め定められた値である。「Rge」は、燃料の種類毎に値が異なる。「ηen」は、エンジン22の熱効率として予め定められた値である。図4は、バルブ温度設定用マップの一例を示す説明図である。バルブ温度設定用マップは、予め実験や解析などにより導出したエンジン投入熱量Eenとバルブ温度Tvとの関係を示している。バルブ温度Tvは、エンジン投入熱量Eenが与えられるとバルブ温度設定用マップから対応するバルブ温度Tvを導出して設定される。
Een=Vf・Rge・(1-ηen)・teo ・・・(1)
続いて、吸入空気量Qaを用いて推定付着量Wadを設定する(ステップS120)。推定付着量Wadは、予め実験や解析などにより吸入空気量Qaと推定付着量Wadとの関係を付着量設定用マップとして求めておき、吸入空気量Qaと付着量設定用マップとから対応する推定付着量Wadを導出して設定される。
こうしてバルブ温度Tvを設定すると、バルブ温度Tvと推定付着量Wadとアルコール濃度Dalとに基づいて出力上限値Pemaxを設定して(ステップS130)、本ルーチンを終了する。出力上限値Pemaxは、バルブ温度Tvと推定付着量Wadとに基づくベース値Pebに、アルコール濃度Dalに基づくオフセット値dpeを加えた値として設定される。
ベース値Pebは、予め実験や解析などにより、バルブ温度Tvと推定付着量Wadとベース値Pebとの関係をパワー抑制マップとしてHVECU70の図示しないROMに記憶しておき、バルブ温度Tvと推定付着量Wadとが与えられるとパワー抑制マップから対応するベース値Pebを導出して設定する。図5は、パワー抑制マップの一例を示す説明図である。ベース値Pebは、図示するように、バルブ温度Tvが高いときには低いときより大きくなり、且つ、推定付着量Wadが小さいときには大きいときより大きくなるように設定される。すなわち、ベース値Pebは、バルブ温度Tvが高いほど大きくなり、推定付着量Wadが小さいほど大きくなるように設定される。
オフセット量dpeは、予め実験や解析などにより、アルコール濃度Dalとオフセット量dpeとの関係をオフセット補正用マップとしてHVECU70の図示しないROMに記憶しておき、アルコール濃度Dalが与えられるとオフセット補正用マップから対応するオフセット量dpeを導出して設定する。図6は、オフセット補正用マップの一例を示す説明図である。オフセット量dpeは、図示するように、アルコール濃度Dalが大きいときには小さいときより大きくなるように設定される。すなわち、オフセット量dpeは、アルコール濃度Dalが大きいほど大きくなるように設定される。
このようにベース値Peb,オフセット量dpeを設定することにより、出力上限値Pemaxは、バルブ温度Tvが高いほど大きくなり、推定付着量Wadが小さいほど大きくなり、アルコール濃度Dalが大きいほど大きくなるように設定される。こうして出力上限値Pemaxを設定することにより、バルブ温度Tvが高いほど、且つ、推定付着量Wadが小さいほど、且つ、アルコール濃度Dalが大きいほど、エンジン22の要求パワーPe*の上限値が大きくなり、エンジン22から出力するパワーの制限が緩和される。これにより、エネルギ効率の低下の抑制やドライバビリティの低下の抑制を図ることができる。また、エンジン22からの出力を制限するとモータMG2から出力が増加し、バッテリ50の負荷が増加するが、こうしたバッテリ50の負荷の増加を抑制することができるから、バッテリ50の寿命の低下を抑制することができる。
図7は、比較例のハイブリッド自動車と実施例のハイブリッド自動車20におけるエンジン22から実際に出力するパワー(エンジン出力)とバルブ温度Tvと冷却水温Twとエンジン運転フラグFenとの時間変化の一例を示す説明図である。比較例のハイブリッド自動車20では、バルブ温度Tvに拘わらず出力上限値Pemaxを一定の値としている。エンジン運転フラグFenは、エンジン22が運転されているか否かを示すフラグであって、HV走行モードのときには値1に設定され、EV走行モードのときには値0に設定される。
エンジン22を運転すると、エンジン22自体の温度は比較的迅速に上昇するのに対して、冷却水温Twの上昇はある程度の時間を要する。そのため、HV走行モードでの走行とEV走行モードでの走行とが短い時間に繰り返されると、エンジン22の1回の運転時間が短いため、冷却水温Twは比較的低い状態で推移し、バルブ温度Tvは徐々に上昇していく。バルブ温度Tvが高くなると、吸気ポート123や吸気バルブ128に付着する燃料が少なくなる。比較例のハイブリッド自動車では、冷却水温Twが低い場合、バルブ温度Tvに拘わらず出力上限値Pemaxを一定の値とするから、エンジン22から出力するパワーが比較的長い期間大きく制限される。実施例のハイブリッド自動車20では、バルブ温度Tvが高いときには低いときより大きくなるように出力上限値Pemaxを設定するから、出力上限値Pemaxが徐々に高くなり、エンジン22からの出力制限が緩和され、エンジン22から出力するパワーが徐々に大きくなる。したがって、不要に長い期間、エンジン22から出力するパワーが大きく制限されることを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、さらに、推定付着量Wadが小さいほど大きくなり、アルコール濃度Dalが大きいほど大きくなるように、出力上限値Pemaxを設定する。エンジン22から比較的大きなパワーを出力する場合、推定付着量Wadが小さいときには大きいときよりエミッションの悪化が小さく、アルコール濃度Dalが大きいときには小さいときより、エミッションの悪化が小さい。したがって、推定付着量Wadが小さいほど大きくなり、アルコール濃度Dalが大きいほど大きくなるように、出力上限値Pemaxを設定することにより、バルブ温度Tvのみに基づいて出力上限値Pemaxを設定する場合と比較すると、より適正に、出力上限値Pemaxを設定することができる。これにより、不要に長い期間、エンジン22から出力するパワーが大きく制限されることをより適正に、抑制することができる。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、出力上限値Pemaxを、バルブ温度Tvが高いときに低いときより大きくなり、且つ、推定付着量Wadが小さいときには大きいときより大きくなり、且つ、アルコール濃度Dalが大きいときには小さいときより大きくなるように設定することにより、不要に長い期間、エンジン22から出力するパワーが大きく制限されることをより適正に抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、アルコール濃度Dalとバルブ温度Tvと推定付着量Wadとに基づいて出力上限値Pemaxを設定しているが(ステップS100〜S130)、ステップS100、S120の処理を実行せずに、バルブ温度Tvのみに基づいて出力上限値Pemaxを設定してもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、ステップS110の処理で、燃料噴射量Wadとエンジン運転時間teoとに基づいてバルブ温度Tvを設定しているが、エンジン運転時間teoのみに基づいてバルブ温度Tvを設定していもよい。この場合、バルブ温度Tvは、エンジン運転時間teoが長いときには短いときより高くなるように、すなわち、エンジン運転時間teoが長いほど高くなるように設定するのが望ましい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22をガソリンとアルコールとの混合燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成しているが、ガソリンを含むがアルコールを含まない燃料を用いて動力を出力する内燃機関として構成されていもよい。
実施例では、本発明を、エンジン22とモータMG1,MG2とプラネタリギヤ30とを備えるハイブリッド自動車に適用する場合について例示しているが、走行用のパワーを出力するエンジンと、走行用のパワーを出力するモータと、を備えるハイブリッド自動車であれば、如何なるものに適用しても構わない。
実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、エンジン22が「エンジン」に相当し、モータMG2が「モータ」に相当し、エンジンECU24とモータECU40とHVECU70とが「制御手段」に相当する。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、ハイブリッド自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 プラネタリギヤ、36 駆動軸、37 デファレンシャルギヤ、38a,38b 駆動輪、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、51a 電圧センサ、51b 電流センサ、51c 温度センサ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、70 ハイブリッド用電子制御ユニット(HVECU70)、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、122 エアクリーナ、123 吸気ポート、124 スロットルバルブ、126 燃料噴射弁、127 燃料タンク、128 吸気バルブ、129 アルコール濃度センサ、130 点火プラグ、132 ピストン、134 浄化装置、136 スロットルモータ、138 イグニッションコイル、140 クランクポジションセンサ、142 水温センサ、146 スロットルバルブポジションセンサ、148 エアフローメータ、MG1,MG2 モータ。

Claims (1)

  1. 走行用のパワーを出力するエンジンと、
    走行用のパワーを出力するモータと、
    前記エンジンが始動されたときに前記エンジンを冷却する冷却水の温度が所定温度より低い低水温始動時には、前記冷却水の温度が前記所定温度以上であるときよりも低い出力上限値で制限された要求パワーを前記エンジンから出力しながら走行するように前記エンジンと前記モータとを制御する制御手段と、
    を備えるハイブリッド自動車であって、
    前記制御手段は、前記低水温始動時において、前記エンジンの吸気バルブの温度が高いときには低いときより前記出力上限値を大きくする、
    ハイブリッド自動車。
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