JP2017184426A - 三相モータの駆動回路および駆動方法、プリンタ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動回路100は、モータ202を駆動する。回転数予測部40は、モータ202の回転数の予測値を示す回転数予測情報S4を生成する。制御信号発生器10は、第1モードと第2モードが切りかえ可能であり、(i)第1モードにおいて120度通電方式による制御信号S2を生成し、(ii)第2モードにおいて、回転数予測情報S4にもとづいて180度通電方式による制御信号S2を生成する。駆動段20は、制御信号発生器10からの制御信号S2にもとづいてモータ202を駆動する。シーケンサ30は、モータ202の駆動開始後の第1期間T1の間、制御信号発生器10を第1モードにセットし、第1期間の終了後の第2期間の間、制御信号発生器10を第2モードにセットする。
【選択図】図2
Description
三相モータの回転数が最終的な目標値に近づいてくると、加速中の第2期間に比べてモータの回転数の変化は小さくなり、直前に測定した回転数と現在の実際の回転数は実質的に一致する。そこで第3期間では、回転数検出情報を利用することで、より適切な駆動波形を生成でき、制御を安定化できる。
「一体集積化」とは、回路の構成要素のすべてが半導体基板上に形成される場合や、回路の主要構成要素が一体集積化される場合が含まれ、回路定数の調節用に一部の抵抗やキャパシタなどが半導体基板の外部に設けられていてもよい。
回路を1つのチップ上に集積化することにより、回路面積を削減することができるとともに、回路素子の特性を均一に保つことができる。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、電気的な接続状態に影響を及ぼさない他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
ω120°=Vm120°/Kt120°×{1−e(−t/τ120°)} …(1)
ω180°=Vm180°/Kt180°×{1−e(−t/τ180°)} …(2)
Vm120°、Vm180°はそれぞれ、モータに印加される駆動電圧S3U〜S3Wの実効値である。Kt120、Kt180°は120度通電、180度通電におけるトルク定数である。τ120°、τ180°は、120度通電、180度通電におけるモータの回転数の一次遅れ系の応答式における時定数である。tは時間である。
あるいは回転数予測部40は、演算器を含み、式(2)を実際に演算することにより、回転数情報S4を生成してもよい。
実施の形態では、回転数予測部40は、起動開始からの時間にもとづいて、式(2)にしたがって回転数予測情報S4を生成した。この場合、モータ202の負荷が、設計時に想定した基準負荷から逸脱した場合に、回転数予測情報S4と実際の回転数が合致しなくなるおそれがある。そこで制御信号発生器10は、回転数予測情報S4が示す回転数と、回転数検出情報S6が示す回転数の誤差が許容値を超えると、所定の処理あるいはシーケンスを実行してもよい。たとえば制御信号発生器10は、一旦、モータ202を停止した後に、第1モードφ1に戻り、再始動してもよい。
起動開始からの経過時間のみにもとづいて回転数予測情報S4を生成すると、時間の経過と共に誤差が累積され、正確な回転数検出が難しくなる。そこで回転数予測部40は、ある時刻の回転数の実測値にもとづいて、次の時刻の回転数を予測してもよい。従来あるいは第3モードでは、ある時刻の回転数の実測値が、次の時刻の回転数としてそのまま使用されるのであり、それは異なることに留意されたい。つまり回転数予測部40は、現在の回転数検出情報S6にもとづいて、次の回転数を予測してもよい。回転数予測部40は、現在の回転数検出情報S6と、次の回転数の予測値を対応付けるテーブルを含んでもよい。
図7の駆動回路100aにおいて、積分アンプ78に代えて、チャージポンプ回路を設けてもよい。この場合、速度ディスクリミネータ76は、速度誤差に応じて加速パルスACC、減速パルスDECを生成する。チャージポンプ回路は、キャパシタと、加速パルスACCに応答してキャパシタを充電し、減速パルスDECに応じてキャパシタを放電する充放電回路と、を含みうる。キャパシタに生ずる電圧が、速度制御信号S9に対応する。
図7では、モータ202の回転数を指示する速度指令値が外部からのクロック信号CLKREFを説明したが、本発明はそれに限定されない。速度指令値は、その電圧レベルが回転数の目標値であるアナログ電圧であってもよい。この場合、アナログ電圧の形式で、モータ202の速度検出値を生成し、エラーアンプによりアナログの速度指令値とアナログの速度検出値の誤差を増幅してもよい。このように速度に関するフィードバック制御の方式は特に限定されない。
駆動回路100は、外部からモータ202の速度指令値(トルク指令値)を受け、オープンループでモータ202を駆動してもよい。この場合、速度指令値を、それに応じたデューティ比を有するPWM信号に変換し、PMW信号にもとづいてモータ202をPWM駆動すればよい。速度指令値そのものをPWM信号としてもよい。
シーケンサ30は、起動開始から所定時間τの経過するまでの間を、第1期間T1としてもよい。所定時間τは、120度通電方式でモータ202を駆動したときに、回転数が第1所定値ω1に到達するのに要する時間である。
実施の形態ではホール素子204〜208を備える制御システム200について説明したが本発明はそれには限定されない。ホール素子は、U〜W相のいずれか1相のみに設けられてもよい。
回転数検出回路50による回転数の検出方法は特に限定されない。図7に示したようにモータ202がFG着磁され、FG信号が生成される場合、回転数検出回路50は、FG信号にもとづいて回転数検出情報S6を生成してもよい。あるいは駆動回路100が、逆起電力にもとづくゼロクロスを検出するためのコンパレータを備える場合、BEMFコンパレータの出力の周期にもとづいて回転数検出情報S6を生成してもよい。
実施の形態では、120度通電方式から180度通電方式への切りかえを説明したが本発明はそれに限定されない。たとえば、第2モードにおける正弦波通電方式として、150度通電方式を採用してもよく、180度、150度その他の、正弦波あるいは疑似正弦波の駆動方式を用いることができる。
モータ202の種類は特に限定されず、冷却装置に用いられるファンモータでもよい。
Claims (16)
- 三相モータを駆動するモータ駆動回路であって、
前記三相モータの回転数の予測値を示す回転数予測情報を生成する回転数予測部と、
第1モードと第2モードが切りかえ可能であり、(i)第1モードにおいて120度通電方式による制御信号を生成し、(ii)第2モードにおいて、前記回転数予測情報にもとづいて180度通電方式または150度通電方式による制御信号を生成する制御信号発生器と、
前記制御信号発生器からの制御信号にもとづいて前記三相モータを駆動する駆動段と、
前記三相モータの駆動開始後の第1期間の間、前記制御信号発生器を第1モードにセットし、前記第1期間の終了後の第2期間の間、前記制御信号発生器を第2モードにセットするシーケンサと、
を備えることを特徴とするモータ駆動回路。 - 前記三相モータの実際の回転数を示す回転数検出情報を生成する回転数検出回路をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載のモータ駆動回路。
- 前記制御信号発生器は、前記第1モードおよび前記第2モードに加えて、(iii)前記回転数検出情報にもとづいて180度通電方式または150度通電方式による制御信号を生成する第3モードが選択可能であり、
前記シーケンサは、前記第2期間の終了後の第3期間において、前記制御信号発生器を第3モードにセットすることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動回路。 - 前記回転数予測部は、起動開始からの経過時間にもとづいて、前記回転数を予測することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のモータ駆動回路。
- 前記回転数予測部は、現在の前記回転数検出情報にもとづいて、次の前記回転数を予測することを特徴とする請求項2または3に記載のモータ駆動回路。
- 前記シーケンサは、起動開始から、前記回転数検出情報が示す前記モータの実際の回転数が第1所定値に達するまでの間を、前記第1期間とすることを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動回路。
- 前記シーケンサは、起動開始から所定時間の経過するまでの間を、前記第1期間とすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のモータ駆動回路。
- 前記シーケンサは、前記回転数検出情報が示す前記モータの実際の回転数と第2所定値との誤差が許容量より小さくなると、前記第2期間から前記第3期間に遷移することを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動回路。
- 前記三相モータに近接して配置されるホール素子からのホール信号を比較するホールコンパレータをさらに備え、
前記回転数検出回路は、前記ホールコンパレータの出力にもとづいて、前記回転数検出情報を生成することを特徴とする請求項2または3に記載のモータ駆動回路。 - 前記三相モータは、FG着磁されており、
前記モータ駆動回路は、
前記三相モータからのFG信号に応じた周波数を有する内部クロック信号と、外部から前記モータの回転数を指示する入力クロックを受け、それらの周波数の誤差に応じた加速信号および減速信号を生成する速度ディスクリミネータと、
前記加速信号および減速信号を積分する積分アンプと、
前記積分アンプの出力信号に応じたデューティ比を有するパルス幅変調信号を生成するパルス幅変調器と、
をさらに備えることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載のモータ駆動回路。 - 前記制御信号発生器は、180度通電方式で使用される波形データを生成する波形データ生成部を含み、
前記波形データの生成速度が、前記第2モードにおいて前記回転数予測情報に応じており、前記第3モードにおいて前記回転数検出情報に応じていることを特徴とする請求項3に記載のモータ駆動回路。 - 前記シーケンサは、前記第2モードにおいて、前記回転数検出情報が示す前記三相モータの実際の回転数と、前記回転数予測情報が示す回転数との誤差が許容量を超えると、所定のシーケンスを実行することを特徴とする請求項2に記載のモータ駆動回路。
- 1つの半導体基板に一体集積化されることを特徴とする請求項1から11のいずれかに記載のモータ駆動回路。
- 三相モータと、
前記三相モータを駆動する請求項1から12のいずれかに記載のモータ駆動回路と、
前記三相モータが取り付けられる紙送り機構と、
を備えることを特徴とするプリンタ装置。 - 三相モータの駆動方法であって、
起動開始後、第1期間の間、前記三相モータを矩形波通電で駆動するステップと、
前記第1期間に続く第2期間の間、前記三相モータの回転数の予測値を示す回転数予測情報を生成するステップと、
前記第2期間の間、前記回転数予測情報に応じて前記三相モータを正弦波通電で駆動するステップと、
を備えることを特徴とする駆動方法。 - 前記第2期間に続く第3期間において、前記三相モータの実際の回転数を示す回転数検出情報を生成するステップと、
前記第3期間において、前記回転数検出情報に応じて前記三相モータを、正弦波通電で駆動するステップと、
をさらに備えることを特徴とする請求項15に記載の駆動方法。
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