JP2017182856A - 磁気記録媒体用ガラス基板およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体用ガラス基板およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気記録媒体用ガラス基板に求められる特性を実現しつつ、変形や熱収縮を抑制することができる磁気記録媒体用ガラス基板等を提供する。【解決手段】磁気記録媒体用ガラス基板は、SiO2、Al2O3を含有し、モル%表示で、B2O30〜8%、R2O 0.01〜0.8%を含有し、BaO/ROが0.05〜1であり、歪点が670℃以上である。ここで、ROは(MgO+CaO+SrO+BaO)を表しており、R2Oは(Li2O+Na2O+K2O)を表している。【選択図】なし

Description

本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法に関する。
磁気記録媒体は、記録密度の高密度化が求められている。この高記録密度化を実現するための各種磁気記録層の形成は、従来よりもガラス基板温度を高温にして行うことが多く、ガラス基板の変形や熱収縮の問題がより顕著になってきている。そのため、製造時のガラス基板の変形や熱収縮の抑制が課題となっている。
ガラス基板の熱収縮は、一般に、ガラス基板の歪点やTg(ガラス転移点)に代表される低温粘性域での特性温度(以下、低温粘性特性温度と記す)を高くすることで抑制することができる。歪点の高いガラスとしては、例えば、特許文献1に歪点が680℃以上の無アルカリガラスが開示されている。
特開2010-6649号公報
ガラス基板の歪点やTg(ガラス転移点)に代表される低温粘性特性温度を改善するためには、一般的に、ガラス中のSiO2やAl2O3の含有量を多くする必要がある(以下、本明細書では、「低温粘性特性温度」として、「歪点」を代表して記載する。)。磁気記録媒体用ガラス基板には、熱収縮の抑制に加えて、磁気記録媒体用として求められる特性がある。
そこで、本発明は、磁気記録媒体用ガラス基板に求められる特性を実現しつつ、変形や熱収縮を抑制することができる磁気記録媒体用ガラス基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本実施形態は以下の態様を有する。
[1]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第1の態様のガラス基板)は、SiO2、Al2O3を含有し、
モル%表示で、
B2O30〜8%、
R2O 0.01〜0.8%を含有し、
BaO/ROが0.05〜1であり、
歪点が670℃以上である、
ことを特徴としている。
ここで、ROは(MgO+CaO+SrO+BaO)を表しており、R2Oは(Li2O+Na2O+K2O)を表している。
[2]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第2の態様のガラス基板)は、
モル%表示で、
SiO2 60〜80%、
Al2O38〜20%、
B2O30〜8%、
R2O 0.01〜0.8%を含有し、
(SiO2+(2×Al2O3))/((2×B2O3)+RO+(10×R2O))が2.5以上であり、
BaO/ROが0.05〜1であり、
歪点が670℃以上である、
ことを特徴としている。
ここで、ROは(MgO+CaO+SrO+BaO)を表しており、R2Oは(Li2O+Na2O+K2O)を表している。
[3]
歪点が680℃以上である、
[1]又は[2]に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[4]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第3の態様のガラス基板)は、
SiO2、Al2O3を含有し、
モル%表示で、
MgO/(RO+ZnO)が0.1〜0.9であり、
歪点が700℃以上であり、
昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温し、その後、常温まで放冷した場合の下記式で示される熱収縮率が5ppm〜75ppmである、
ことを特徴としている。
ただし、(式)熱収縮率(ppm)={熱処理後のガラス基板の収縮量/熱処理前のガラス基板の長さ}×106
[5]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第4の態様のガラス基板)は、
SiO2、Al2O3を含有し、
モル%表示で、
BaO 1〜15%を含有し、
Sb2O3を実質的に含有せず、
歪点が700℃以上であり、
昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温し、その後、常温まで放冷した場合の下記式で示される熱収縮率が5ppm〜75ppmである、
ことを特徴としている。
ただし、(式)熱収縮率(ppm)={熱処理後のガラス基板の収縮量/熱処理前のガラス基板の長さ}×106
[6]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第5の態様のガラス基板)は、
モル%表示で、
SiO2 60〜80%、
Al2O38〜20%、
B2O30〜15%、
BaO 1〜15%を含有し、
MgO/(RO+ZnO)が0.1〜0.9であり、
歪点が700℃以上であり、
昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温し、その後、常温まで放冷した場合の下記式で示される熱収縮率が5ppm〜75ppmである、
ことを特徴としている。
ただし、(式)熱収縮率(ppm)={熱処理後のガラス基板の収縮量/熱処理前のガラス基板の長さ}×106
[7]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第6の態様のガラス基板)は、
SiO2、Al2O3を含有し、
モル%表示で、
B2O30〜7%、
BaO 1〜15%を含有し、
SiO2/Al2O3が6以下であり、
歪点が700℃以上である、
ことを特徴としている。
[8]
本発明の磁気記録媒体用ガラス基板(本発明の第7の態様のガラス基板)は、
モル%表示で、
SiO2 60〜80%、
Al2O310.5〜20%、
B2O30〜7%、
BaO 1〜15%を含有し、
As2O3を実質的に含有せず、
ROが10.0〜18.0%であり、
SiO2/Al2O3が3以上5.7以下であり、
SrO<0.25×CaOであり、
歪点が700℃以上である、
ことを特徴としている。
[9]
失透温度が1230℃以下である、
[1]〜[8]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[10]
歪点が740℃以下である、
[1]〜[9]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[11]
B2O3が4.0モル%未満である、
[1]〜[10]のいずれかに記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
[12]
所定の組成に調合したガラス原料を少なくとも直接通電加熱を用いて熔解する熔解工程と、
前記熔解工程にて熔解した熔融ガラスを平板状ガラスに成形する成形工程と、
前記平板状ガラスを徐冷する工程であって、前記平板状ガラスの熱収縮率を低減するように前記平板状ガラスの冷却条件を制御する徐冷工程と、を含む、
[1]〜[11]のいずれかに記載のガラス基板を製造する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
本発明によれば、磁気記録媒体用ガラス基板に求められる特性を実現しつつ、変形や熱収縮を抑制することができる。
本願明細書において、ガラスの組成は特に断らない限り、含有量はモル%(mol%)で表示し、含有量を%で表示しているものはモル%を意味する。ガラス組成を構成する成分の比はモル比で表示する。
以下、本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板の実施形態について説明する。
SiO2は、ガラスの骨格成分であり、従って、必須成分である。含有量が少なくなると、歪点が低下し、熱膨張係数が増加する傾向がある。また、SiO2含有量が少なすぎると、ガラス基板を低密度化するのが難しくなる。また、SiO2含有量が少なすぎると、(1)ガラス転移点及び歪点が低下する、(2)化学耐久性が低下する、(3)熱膨張係数が大きくなり、熱収縮率を小さくできない、という傾向もある。熱膨張係数が大きくなりすぎると、耐熱衝撃性が低下し、磁気記録層成膜時の生産性が低下する。一方、SiO2含有量が多すぎると、熔融ガラスの比抵抗が上昇し、熔融温度が著しく高くなり熔解が困難になる傾向がある。SiO2含有量が多すぎると、失透温度が上昇し、耐失透性が低下する傾向もある。さらに、SiO2含有量が多すぎると、エッチングレートが遅くなる。このような観点から、SiO2の含有量は、60〜80mol%の範囲であることが好ましい。SiO2の含有量は、より好ましくは64〜73mol%あるいは65〜75mol%、より一層好ましくは66〜72mol%、さらにより一層好ましくは67〜71mol%の範囲である。
Al2O3は、歪点を高くする必須成分である。Al2O3含有量が少なすぎると、ガラス転移点及び歪点が低下する。さらに、Al2O3含有量が少なすぎると、ヤング率及び酸によるエッチングレートも低下する傾向がある。また、含有量が少なすぎると、比弾性率(ヤング率/密度)が低下する、という傾向もある。一方、Al2O3含有量が多すぎると、ガラスの失透温度が上昇して、耐失透性が低下するので、成形性が悪化する傾向がある。このような観点から、Al2O3の含有量は8〜20mol%の範囲である。Al2O3の含有量は、好ましくは10〜17mol%、より好ましくは10.5〜17mol%、より好ましくは11〜15mol%、さらに好ましくは12〜15mol%の範囲である。
B2O3は、ガラスの高温粘性を低下させ、熔融性を改善する成分である。即ち、熔融温度近傍での粘性を低下させるので、熔解性を改善する。また、失透温度を低下させる成分でもある。B2O3含有量が少ないと、熔解性及び耐失透性が低下する傾向がある。B2O3含有量が多すぎると、ガラス転移点、歪点及びヤング率が低下する。また、ガラス成形時のB2O3の揮発により、失透が生じやすくなる。特に、歪点が高いガラスは、成型温度が高くなる傾向にあるため、上記揮発が促進され、失透の生成が顕著な問題となる。また、ガラス熔解時のB2O3の揮発により、ガラスの不均質が顕著となり、脈理が発生しやすくなる。このような観点から、B2O3含有量は、0〜15mol%であり、好ましくは0〜8mol%であり、より好ましくは0〜7mol%であり、さらに好ましくは0.1〜6mol%、一層好ましくは1〜5mol%、より一層好ましくは1.5〜4.5mol%の範囲である。
MgOは、熔解性を向上させる成分である。また、アルカリ土類金属の中では密度を増加させにくい成分であるので、その含有量を相対的に増加させると、低密度化を図りやすくなる。含有させることで、熔融ガラスの比抵抗及び熔融温度を低下できる。また、ヤング率・比弾性率を向上させることができる。ヤング率が高いと、破壊靭性が向上し、ガラス基板の薄板化が求められる磁気記録媒体用基板ガラスに好適である。ヤング率は、73GPa以上が好ましく、78GPa以上がより好ましく、80GPa以上がさらに好ましい。比弾性率が高いと、ハードディスクドライブの回転時の反りやたわみを低減し、磁気記録媒体の高密度化に対応できる。比弾性率は、30GPa・cm3/g以上が好ましく、31GPa・cm3/g以上がより好ましく、33GPa・cm3/g以上がさらに好ましい。但し、MgOの含有量が多すぎると、ガラスの失透温度が急激に上昇するため、特に成形工程で失透しやすくなる。また、MgOの含有量が多すぎると、(1)熱膨張係数が大きくなり、熱収縮率を小さくできない、(2)化学耐久性が低下する、という傾向もある。このような観点から、MgO含有量は、0〜15mol%であり、好ましくは1〜15mol%、より好ましくは0〜6mol%、さらに好ましくは1〜6mol%の範囲である。あるいは、MgO含有量は、0〜15mol%であることが好ましく、より好ましくは0〜6mol%、さらに好ましくは1〜6mol%の範囲である。
CaOは、ガラスの失透温度を急激に上げることなくガラスの熔解性を向上させるのに有効な成分である。また、アルカリ土類金属酸化物の中では密度を増加させにくい成分であるので、その含有量を相対的に増加させると、低密度化を図りやすくなる。含有量が少な過ぎると、熔融ガラスの比抵抗の上昇及び耐失透性低下が生じる傾向がある。CaO含有量が少なすぎると、(1)ヤング率が低下する、(2)失透温度が上昇する、(3)溶解性が低下する、という傾向もある。一方、CaO含有量が多すぎると、熱膨張係数が増加し、密度が上昇する傾向がある。また、CaO含有量が多すぎると、比弾性率が低下するという傾向もある。このような観点から、CaO含有量は、0〜20mol%であり、好ましくは1〜15mol%、より好ましくは2〜11mol%、さらに好ましくは4〜9mol%の範囲である。
SrOは、ガラスの失透温度を下げることができる成分である。SrOは、必須ではないが、含有させると、耐失透性および熔解性が向上する。しかし、SrO含有量が多すぎると、密度が上昇してしまう。このような観点から、SrO含有量は、0〜15mol%であり、好ましくは0〜8mol%であり、より好ましくは0〜3mol%、さらに好ましくは0〜1mol%、一層好ましくは0〜0.5mol%の範囲であり、より一層好ましくは実質的に含有させない。
BaOは、ガラスの失透温度および熔融ガラスの比抵抗を効果的に下げることができる必須成分である。BaOを含有させると、耐失透性および熔解性が向上する。しかし、BaOの含有量が多すぎると、密度が上昇してしまう。また、BaO含有量が多すぎると、(1)ヤング率及び比弾性率が低下する、(2)熱膨張係数が大きくなり、熱収縮率を小さくできない、という傾向もある。また、環境負荷の観点、および熱膨張係数が増大する傾向があることから、BaO含有量は、0〜15mol%あるいは0.1〜15mol%であり、好ましくは1〜15mol%であり、より好ましくは1〜10mol%、さらに好ましくは1.5〜6mol%の範囲である。
Li2O及びNa2Oは、ガラスの熱膨張係数を大きくして熱処理時に基板を破損したりするおそれのある成分である。また、歪点を低下させる成分でもある。一方、熔融ガラスの比抵抗を低下させることができるので、含有させることで熔解槽が侵食されることを抑制できる。以上の観点からLi2Oの含有量は、0〜0.5mol%であることが好ましく、より好ましくは実質的に含有させない。Na2Oの含有量は、0〜0.5mol%であることが好ましく、より好ましくは0〜0.2mol%である。なお、Na2Oは、Li2Oと比較して歪点を低下させにくい成分であることから、Na2O>Li2Oであることが好ましい。なお、ガラス基板から溶出して特性を劣化させることを防止するという観点からは、Li2O及びNa2Oは、実質的に含有させないことが好ましい。
K2Oは、ガラスの塩基性度を高め、清澄性を促進させる成分である。また、熔融ガラスの比抵抗を低下させる成分である。含有させると、熔融ガラスの比抵抗が低下するため、熔解槽を構成する耐火物に電流が流れてしまうことを防止でき、熔解槽が侵食されることを抑制できる。また、熔解槽を構成する耐火物がジルコニアを含有する場合、熔解槽が侵食されて、熔解槽から熔融ガラスへジルコニアが溶出してしまうことを抑制できるため、ジルコニアに起因する失透も抑制できる。また、熔解温度近傍におけるガラス粘性を低下させるので、熔解性と清澄性が向上する。一方、K2O含有量が多すぎると、熱膨張係数増大及び歪点低下の傾向がある。このような観点から、K2O含有量は、好ましくは0〜0.8mol%、より好ましくは0.01〜0.5mol%、さらに好ましくは0.1〜0.3mol%の範囲である。
ZrO2およびTiO2は、ガラスの歪点を向上させる成分である。ZrO2およびTiO2は、ガラスの化学的耐久性および耐熱性を向上させる成分である。ZrO2およびTiO2は、必須成分ではないが、含有させることでTgや歪点(低温粘性特性温度)の上昇および耐酸性向上を実現できる。ZrO2を含有させると、(1)ヤング率を向上させる、(2)ガラス点移転及び歪点を向上させる、という傾向もある。しかし、ZrO2量およびTiO2量が多くなりすぎると、失透温度が著しく上昇するため、耐失透性が低下する傾向がある。特に、ZrO2は融点が高く難熔なため、原料の一部が熔解槽の底部に堆積するといった問題を引き起こす。これらの未熔解の成分がガラス素地に混入するとインクルージョンとしてガラスの品質悪化を引き起こす。また、TiO2は、ガラスを着色させる成分なので、磁気記録媒体用基板には好ましくない。このような観点から、本実施形態のガラス基板では、ZrO2およびTiO2の含有量は、それぞれ、0〜5mol%が好ましく、より好ましくは0〜2mol%の範囲であり、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
ZnOは、熔解性を向上させる成分である。但し、必須成分ではない。ZnO含有量が多くなりすぎると、失透温度が上昇し、歪点が低下し、密度が上昇する傾向がある。このような観点から、ZnO含有量は、好ましくは0〜5mol%、より好ましくは0〜2mol%の範囲であり、実質的に含有しないことがさらに好ましい。
P2O5は、高温粘性を低下させ、熔解性を向上させる成分である。但し、必須成分ではない。P2O5含有量が多すぎると歪点が低下する。また、ガラス熔解時のP2O5の揮発により、ガラスの不均質が顕著となり、脈理が発生しやすくなる。このような観点から、P2O5含有量は、好ましくは0〜3mol%、より好ましくは0〜1mol%、さらに好ましくは0〜0.5mol%の範囲であり、実質的に含有しないことが一層好ましい。
本実施形態のガラス基板は清澄剤を含むことができる。清澄剤としては、環境への負荷が小さく、ガラスの清澄性に優れたものであれば特に制限されないが、例えば、Sn、Fe、Ce、Tb、Mo、SbおよびWの金属酸化物の群から選ばれる少なくとも1種を挙げることができる。清澄剤としては、SnO2が好適である。清澄剤の含有量は、少なすぎると泡品質が悪化し、多くなりすぎると失透や着色などの原因となる場合がある。清澄剤の含有量は、清澄剤の種類やガラスの組成にもよる。例えば、SnO2、Fe2O3及びSb2O3の合量は、0.05〜0.50mol%であることが好ましく、0.05〜0.20mol%であることがより好ましい。
SnO2は1600℃以上でも清澄効果が得られる清澄剤であり、Li2O、Na2O及びK2Oを微量にしか含有できない磁気記録媒体用ガラス基板(例えば、Li2O、Na2O及びK2Oの合量が0.01〜0.8mol%)の製造に使用できる数少ない清澄剤である。しかし、SnO2は自ら失透を生じやすい成分であるとともに、他の成分の失透の生成を促進する成分のため、失透を抑制する観点からは、多量に添加することは好ましくない。
また、歪点が高いガラス(例えば、歪点が670℃以上のガラスあるいは700℃以上のガラス)は、歪点が低いガラス(例えば、歪点が670℃未満のガラスあるいは700℃未満のガラス)と比較して失透温度が高くなりやすい傾向にあるため、失透を抑制するために、成形工程における熔融ガラスの温度を歪点が低いガラスと比較して高くしなくてはならない場合がある。ここで、オーバーフローダウンドロー法で用いられる成形体は、耐クリープ性・耐熱性という観点から、ジルコニアを含有する耐火物を含んで構成されることが好ましい。成形方法としてオーバーフローダウンドローを採用する場合、成形工程における熔融ガラスの温度を高くしようとするほど、成形体の温度も上昇させる必要がある。しかし、成形体の温度が高くなると、成形体からジルコニアが溶出し、当該ジルコニアの失透が生じやすくなるという問題がある。また、特にSnO2を多く含有するガラスでは、このジルコニアに起因するSnO2の失透、SnO2に起因するジルコニアの失透が生じやすい傾向にある。
さらに、歪点が高いガラス(例えば、歪点が670℃以上のガラスあるいは700℃以上のガラス)は、歪点が低いガラス(例えば、歪点が670℃未満のガラスあるいは700℃未満のガラス)と比較して、ガラス原料を熔解する温度も高くなりやすい傾向にある。ここで、熔解工程を行う熔解槽は、耐侵食性の観点から、ジルコニアを含有する高ジルコニア系耐火物を含んで構成されることが好ましい。また、エネルギー効率の観点から、電気熔融あるいは電気熔融と他の加熱手段の組み合わせで、ガラス原料を熔解することが好ましい。しかし、本実施形態に記載されたような高歪点であり、かつLi2O、Na2O及びK2Oを微量にしか含有できないガラスを熔解する場合、熔融ガラスの比抵抗が大きいため、高ジルコニア系耐火物に電流が流れてしまい、熔融ガラス中にジルコニアが溶出してしまうという問題が生じやすくなる。ジルコニアが溶出してしまうと、上述したジルコニアの失透およびSnO2の失透が生じやすい傾向にある。
つまり、ジルコニア及びSnO2の失透を抑制するという観点からも、本実施形態のガラス基板においては、SnO2は0.5mol%を超えて含有させることは好ましくない。このような観点から、SnO2含有量は、例えば、0以上0.5mol%未満であることが好ましく、0.01〜0.5mol%が好ましく、より好ましくは0.01〜0.2mol%、さらに好ましくは0.03〜0.15mol%、一層好ましくは0.05〜0.12 mol%の範囲である。
Fe2O3は、清澄剤としての働きを有する以外に、熔融ガラスの比抵抗を低下させる成分である。高温粘性が高く、難熔解性のガラスにおいては、熔融ガラスの比抵抗を低下させるために含有させることが好ましい。しかし、Fe2O3含有量が多くなりすぎると、ガラスが着色し、透過率が低下する。そのためFe2O3含有量は、0〜0.1mol%の範囲であり、好ましくは0〜0.05mol%、より好ましくは0.001〜0.05mol%、さらに好ましくは0.003〜0.05mol%、一層好ましくは0.005〜0.03mol%の範囲である。
本実施形態において清澄剤は、SnO2とFe2O3を組合せて用いることが好ましい。失透抑制の観点からは、SnO2を多く含有させることは好ましくないことは上述の通りである。しかし、清澄効果を十分に得るためには清澄剤を所定値以上含有させることが求められる。そこで、SnO2とFe2O3を併用することで、SnO2の含有量を失透が生じるほど多くせずに、十分な清澄効果を得、泡の少ないガラス基板を製造することができる。SnO2とFe2O3の合量は、好ましくは0.05〜0.2mol%の範囲であり、より好ましくは0.07〜0.2mol%、さらに好ましくは0.08〜0.18mol%、一層好ましくは0.09〜0.15mol%の範囲である。
SnO2とFe2O3の合量に対するSnO2の含有量のモル比(SnO2/(SnO2+Fe2O3))は、大きすぎると失透が生じやすくなり、小さすぎると十分な清澄効果を得られなくなり、ガラスが着色してしまう場合がある。そのため、好ましくは0.6〜0.95の範囲であり、より好ましくは0.65〜0.9の範囲である。
本実施形態のガラス基板は、環境負荷の問題から、As2O3は実質的に含有しないことが好ましい。本実施形態のガラス基板は、環境負荷の問題から、Sb2O3は、好ましくは0〜0.5mol%(0を含む)、より好ましくは0〜0.3mol%、さらに好ましくは0〜0.05mol%の範囲であることが好ましく、実質的に含有しないことがより一層好ましい。
本実施形態のガラス基板は、環境上の理由からPbO及びFは実質的に含有しないことが好ましい。
なお、本明細書において、「実質的に含有せず」とは、前記ガラス原料にこれら成分の原料となる物質を用いないことを意味し、他の成分のガラス原料に不純物として含まれる成分、熔解槽、成形体等の製造装置からガラスへ溶出する成分の混入を排除するものではない。
SiO2の含有量とAl2O3の含有量の2倍との合量であるSiO2+(2×Al2O3)は少なすぎると、歪点が低下する傾向があり、多すぎると、耐失透性が悪化する傾向がある。そのためSiO2+(2×Al2O3)は、100mol%以下であることが好ましく、好ましくは75〜100mol%、より好ましくは80〜100mol%、さらに好ましくは92〜98mol%の範囲である。
SiO2の含有量とAl2O3の1/2の含有量との差SiO2-(1/2×Al2O3)は、値が大きすぎると、エッチングレートが低下するおそれがある。このような観点から、SiO2-(1/2×Al2O3)は、69mol%以下であることが好ましく、より好ましくは65mol%未満である。一方、SiO2-(1/2×Al2O3)は、値が小さすぎると耐失透性が低下するおそれがある。このような観点から、SiO2-(1/2×Al2O3)は、好ましくは45mol%〜69mol%、さらに好ましくは55mol%以上65mol%未満、一層好ましくは60〜64mol%である。
モル比SiO2/Al2O3は、値が大きすぎると、エッチングレートが低下するおそれがある。このような観点から、モル比SiO2/Al2O3は、10未満であることが好ましく、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは5.7以下あるいは5.7未満である。一方、SiO2/Al2O3は、値が小さすぎると耐失透性の低下するおそれがある。このような観点から、モル比SiO2/Al2O3は、3.5以上10未満であることが好ましく、より好ましくは4.0〜6.0、さらに好ましくは4.5以上5.7未満の範囲である。あるいは、モル比SiO2/Al2O3は、3.0〜5.7であることが好ましく、3.5〜5.7であることがより好ましく、さらに好ましくは4.0〜5.7、一層好ましくは4.5〜5.6の範囲である。
なお、SiO2+(2×Al2O3)の値が近似している組成を有するガラスでは、エッチングレートはSiO2/Al2O3に、より顕著に依存する。高歪点、耐失透性、エッチングレートを両立させるという観点からは、SiO2+(2×Al2O3)が75〜100mol%であり、かつ、SiO2/Al2O3が3.5以上10未満であることが好ましく、より好ましくは、SiO2+(2×Al2O3)が92〜98mol%であり、かつ、SiO2/Al2O3が4.0〜6.0の範囲であることが好ましい。
B2O3とP2O5の合量であるB2O3+P2O5は、少なすぎると熔解性が低下する傾向があり、多すぎるとB2O3+P2O5のガラスの不均質が顕著となり、脈理が発生しやすくなり、歪点が低下する傾向がある。そのためB2O3+P2O5は、好ましくは0〜15mol%、好ましくは0〜8 mol%、より好ましくは0〜7mol%、さらに好ましくは0.1〜6mol%、一層好ましくは1〜5mol%、より一層好ましくは1.5〜4.5mol%の範囲である。
MgO、CaO、SrO及びBaOは、熔融ガラスの比抵抗及び熔融温度を低下させ、熔解性を向上させる成分である。MgO、CaO、SrO及びBaOの含有量の合量であるMgO+CaO+SrO+BaO(以下、ROと示す)が少なすぎると、熔解性が悪化する。ROが多すぎると、歪点およびヤング率が低下し、密度及び熱膨張係数が上昇する。このような観点から、ROは、好ましくは5〜25mol%の範囲であり、より好ましくは8〜18mol%、さらに好ましくは10〜18mol%、一層好ましくは10〜17mol%の範囲である。
モル比(SiO2+(2×Al2O3))/(2×B2O3)+RO)は、主に歪点と耐失透性の指標となる。値が小さすぎると、歪点が低下する。一方、値が大きすぎると、熔解性および耐失透性が低下する。そのため、モル比(SiO2+(2×Al2O3))/(2×B2O3)+RO)は、好ましくは2.8〜20、より好ましくは3.1〜20、さらに好ましくは3.1〜15、一層好ましくは3.5〜10、より一層好ましくは3.7〜7の範囲である。
歪点を低下させすぎずに、効果的に失透温度を低下させるために、あるいは、歪点を低下させすぎずに、かつ、比抵抗を増大させすぎずに、効果的に失透温度を低下させるために、BaO/ROは、0.05〜1であり、より好ましくは0.05〜0.6、さらに好ましくは0.1〜0.5の範囲である。
密度を増大させすぎずに、効果的に失透温度を低下させるために、CaO/ROは、好ましくは0.1〜0.8、より好ましくは0.2〜0.7、さらに好ましくは0.2〜0.6、一層好ましくは0.2〜0.5の範囲である。
モル比MgO/(RO+ZnO)は耐失透性と熔解性の指標となる。MgO/(RO+ZnO)は、好ましくは0.1〜1、より好ましくは0.1〜0.9、さらに好ましくは0.1〜0.85、一層好ましくは0.15〜0.7、より一層好ましくは0.15〜0.6の範囲である。これらの範囲とすることで、耐失透性と熔解性を両立することができる。さらに、低密度化を図ることができる。
SiO2の含有量が少なく(例えば、SiO2の含有量80mol%以下)、かつ、Al2O3の含有量が多い(例えば、Al2O3の含有量8mol%以上)ガラスの失透温度を効果的に低下させるために、SrO<0.25×CaOであることが好ましい。つまり、CaO含有量の0.25倍よりも、SrO含有量が少なくなることが好ましく、より好ましくはSrO<0.2×CaOであり、さらに好ましくはSrO<0.1×CaOである。あるいは、モル比SrO/ROは、0〜0.1であることが好ましい。
Li2O、Na2O及びK2Oは、ガラスの塩基性度を高め、清澄剤の酸化を容易にして、清澄性を発揮させる成分である。また、熔融温度における粘性を低下させ、熔解性を向上させる成分である。また、熔融ガラスの比抵抗を低下させる成分でもある。Li2O、Na2O及びK2Oは、含有させると、熔融ガラスの比抵抗が低下し、清澄性および熔解性が向上する。特に、熔解槽を構成する耐火物に電流が過度に流れてしまうことを防止でき、熔解槽が侵食されることを抑制できる。また、熔解槽がジルコニアを含有する場合、熔解槽からガラスへのジルコニアの溶出を抑制できるため、ジルコニアに起因する失透も抑制できる。また、熔解ガラスの粘性を低下させるので、熔解性と清澄性が向上する。しかし、Li2O、Na2O及びK2Oの含有量の合量が多すぎると、ガラス基板から溶出して特性を劣化させるおそれがある。また、歪点が低下し、熱膨張係数が増大する傾向がある。Li2O、Na2O及びK2Oの含有量の合量(以下、R2Oと示す)は、0〜0.8mol%であり、より好ましくは0.01〜0.8mol%であり、さらに好ましくは0.01〜0.5mol%、一層好ましくは0.1〜0.4mol%、より一層好ましくは0.2〜0.3mol%である。
K2Oは、Li2OやNa2Oと比較して、分子量が大きいため、ガラス基板から溶出しにくい。そのため、Li2OやNa2OよりもK2Oを多く含有させることが好ましい。Li2O及びNa2Oの割合が大きいと、ガラス基板から溶出して特性を劣化させるおそれが強くなる。モル比K2O/R2Oは、好ましくは0.5〜1、より好ましくは0.6〜1、さらに好ましくは0.65〜1、一層好ましくは0.7〜1の範囲である。
モル比(SiO2+(2×Al2O3))/((2×B2O3)+RO+(10×R2O))は、主に歪点と熔解性の指標となる。値が小さすぎると、歪点が低下する。そのため、モル比(SiO2+(2×Al2O3))/((2×B2O3)+RO+(10×R2O))は、2.5以上であり、好ましくは3.0以上の範囲である。一方、値が大きすぎると、熔解性および耐失透性が低下する。そのため、モル比((SiO2+(2×Al2O3))/((2×B2O3)+RO+(10×R2O))は、好ましくは2.5〜22、より好ましくは3.0〜10の範囲である。(SiO2+(2×Al2O3))/((2×B2O3)+RO+(10×R2O))は、3.5〜7であることが
好ましい。
RE2O3とは、希土類金属酸化物の合量であり、希土類金属酸化物としては、Sc2O3、Y2O3、La2O3、Pr2O3、Nd2O3、Sm2O3、Eu2O3、Gd2O3、Tb2O3、Dy2O3、Ho2O3、Er2O3、Tm2O3、Yb2O3、Lu2O3が例として挙げられる。RE2O3は、密度及び熱膨張係数を増加させる成分である。また、コストも高い成分である。そのため、RE2O3は、0以上1.0mol%未満(0を含む)であり、より好ましくは0〜0.5mol%(0を含む)の範囲であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
密度及び熱膨張係数の増加を防ぎ、かつコストを低減させるという観点からは、Y2O3及びLa2Oは、実質的に含有しないことが好ましい。
本実施形態のガラス基板は失透温度が、好ましくは1280℃以下、より好ましくは1250℃以下、さらに好ましくは1210℃以下である。失透温度が低いほど、オーバーフローダウンドロー法でガラス板の成形がしやすくなる。オーバーフローダウンドロー法を適用することで、ガラス基板表面を研磨する工程を省略することができるので、ガラス基板の表面品質を向上できる。また、生産コストも低減することができる。失透温度が高すぎると、失透が生じやすいのでオーバーフローダウンドロー法への適用が難しくなる傾向がある。
本実施形態のガラス基板は、100℃〜300℃における平均熱膨張係数(100-300℃)が、50.0×10-7-1以下であり、28.0〜50.0×10-7-1であることが好ましく、より好ましくは33.0〜46.0×10-7-1、さらに好ましくは33.0〜45.0×10-7-1、一層好ましくは35.0以上43.0×10-7-1未満、より一層好ましくは38.0〜43.0×10-7-1の範囲である。熱膨張係数が大きいと、熱処理工程において、熱衝撃や熱収縮率が増大する傾向がある。また、熱膨張係数が大きいと、熱収縮率を低減することが困難となる。また、熱膨張係数が大きいと、耐熱衝撃性が低下し、磁気記録層成膜時の生産性が低下する。なお、熱膨張係数が大きくても小さくても、ガラス基板上に形成される金属、薄膜などの周辺材料と熱膨張係数との整合がとりにくくなり、周辺部材が剥離してしまう虞がある。
一般にガラス基板は歪点が低いと、磁気記録媒体製造時の熱処理工程において熱収縮が生じやすくなる。本実施形態のガラス基板は、歪点が、670℃以上であり、より好ましくは700℃以上、さらに好ましくは710℃以上である。
本実施形態のガラス基板は熱収縮率が、90ppm以下あるいは75ppm以下であることが好ましい。熱収縮率が大きくなり過ぎると、高密度な磁気記録媒体を実現できなくなる。熱収縮率を所定範囲に制御するためには、ガラス基板の歪点を670℃以上あるいは700℃以上とすることが好ましい。なお、熱収縮率を0ppmにしようとすると、徐冷工程を極めて長くすることや、徐冷、切断工程後に熱収縮低減処理(オフライン徐冷)を施すことが求められるが、この場合、生産性が低下し、コストが高騰してしまう。生産性およびコストを鑑みると、熱収縮率は、例えば、3〜90ppm、3〜75ppm、あるいは5〜75ppmであることが好ましく、より好ましくは5ppm〜60ppm、さらに好ましくは10ppm〜55ppm、一層好ましくは15ppm〜50ppmである。
尚、熱収縮率は、ガラス基板を昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温(降温速度は、約2.7℃/分)し、その後、常温まで放冷する熱処理を施された後の下記式で示される。
熱収縮率(ppm)={熱処理前後のガラスの収縮量/熱処理前のガラスの長さ}×106
このとき、「熱処理前後のガラスの収縮量」とは、「熱処理前のガラスの長さ−熱処理後のガラスの長さ」である。
本実施形態のガラス基板は密度が、ガラス基板の軽量化及び磁気記録媒体の軽量化という観点から、好ましくは3.0g/cm3以下、より好ましくは2.8g/cm3以下、さらに好ましくは2.65g/cm3以下である。密度が高くなり過ぎると、ガラス基板の軽量化が困難となり、磁気記録媒体の軽量化も図り難くなる。
ガラスの転移点(以下、Tgと記載)が低くなると、磁気記録媒体製造の熱処理工程において熱収縮が生じやすくなる傾向がある。また、Tgが低すぎると、磁気記録媒体製造時に熱変形が生じやすく、熱収縮も生じやすくなる。Tgが高いと製造プロセスにおいてガラスの仮想温度が上昇しやすい用途(例えば、板厚0.7mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.3mm以下、さらに好ましくは0.1mm以下の磁気記録媒体用ガラス基板)に適している。板厚0.7mm以下、さらには0.5mm以下、さらには0.3mm以下、さらには0.1mm以下の板ガラスの成形では、成形時の引き出し速度が速くなる傾向があるため、ガラスの仮想温度が上昇し、ガラスの熱変形が増大しやすい。この場合、高ガラス転移点ガラスであると、熱変形を抑制することができる。本実施形態のガラス基板はTgが、好ましくは720℃以上、より好ましくは750℃以上、さらに好ましくは760℃以上である。ガラス基板のTgを上記範囲にするには、本実施形態のガラス基板の組成の範囲において、例えば、SiO2及びAl2O3等の成分を多めにする、あるいはB2O3、RO、R2Oの成分を少なくすることが適当である。
本実施形態のガラスは粘度が102.5[dPa・s]を示す温度(以下、熔融温度と記す。)が、好ましくは1680℃以下であり、より好ましくは1500〜1680℃の範囲、さらに好ましくは1520〜1660℃、一層好ましくは1560〜1640℃の範囲である。熔融温度が低いガラスは、歪点が低くなりやすい。歪点を高くするには、熔融温度もある程度高くする必要がある。但し、熔融温度が高いと、熔解槽への負荷が大きくなる。また、エネルギーを大量に使用するため、コストも高くなる。また、ガラス熔解に電気熔解を適用する場合、ガラスではなく、熔解槽を形成する耐熱煉瓦に電流が流れてしまい、熔解槽が破損してしまうことがある。ガラスの熔融温度を上記範囲にするには、本実施形態のガラス基板の組成の範囲において、粘度を低下させる、例えば、B2O3、RO等の成分を上述した範囲で含有することが適当である。
本実施形態のガラス基板を製造する際の熔融ガラスは比抵抗(1550℃における)が、好ましくは30〜700Ω・cm、より好ましくは30〜400Ω・cm、さらに好ましくは30〜300Ω・cm、一層好ましくは50〜300Ω・cmの範囲である。比抵抗が小さくなりすぎると、熔解に必要な電流値が過大になり、設備上の制約がでる場合がある。また、電極の消耗が多くなる傾向もある。熔融ガラスの比抵抗が大きくなりすぎると、ガラスではなく、熔解槽を形成する耐熱煉瓦に電流が流れてしまい、熔解槽が熔損してしまう場合もある。熔融ガラスの比抵抗は、主に、RO、R2O、Fe2O3の含有量をコントロールすることで、上記範囲に調整で
きる。
本実施形態のガラス基板を構成するガラスは、エッチングレートが50μm/h以上であることが好ましい。エッチングレートが速くなると、生産性が向上する。特に、ガラス基板のエッチングを行い、軽量化を図る場合には、エッチングレートが生産性を左右する。しかし、エッチングレートが高くなりすぎると磁気記録媒体製造時の生産性は向上するものの、ガラスの耐失透性が低下してしまう。また、熱収縮率も増大しやすくなる。エッチングレートは好ましくは60〜140μm/h、より好ましくは65〜120μm/h、さらに好ましくは70〜120μm/hである。ガラスのエッチングレートを高めるためには、SiO2-(1/2×Al2O3)あるいはSiO2/Al2O3の値を小さくすればよい。本実施形態においては、上記エッチングレートは以下の条件で測定したものと定義する。本明細書におけるエッチングレート(μm/h)とは、ガラス基板を、HF濃度1mol/kg、HCl濃度5mol/kgとなるように調整した40℃のエッチング液に1時間浸漬した場合の、単位時間(1時間)当たりのガラス基板の一方の表面の厚み減少量(μm)である。
本実施形態のガラス基板は板厚が、例えば、0.01〜1.1mm、あるいは0.01〜0.7mmの範囲であることができる。但し、この範囲に限定する意図ではない。板厚は、例えば、0.01〜0.5mm、0.01〜0.5mmの範囲であることもできる。ガラス板の厚さが薄すぎると、ガラス基板自体の強度が低下する。例えば、磁気記録媒体製造時の破損が生じやすくなる。板厚が厚すぎると、薄型化が求められる磁気記録媒体には好ましくない。また、ガラス基板の重量が重くなるため、磁気記録媒体の軽量化が図りがたくなる。さらに、記録層成膜後にガラス基板のエッチング処理を行う場合には、エッチング処理量が多くなり、コストと時間がかかってしまう。
本実施形態のガラス基板は、磁気記録媒体用ガラス基板に好適である。中でも、高密度が求められる磁気記録媒体用ガラス基板に好適である。
<ガラス基板の製造方法>
本実施形態の磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法は、所定の組成に調合したガラス原料を、例えば、少なくとも直接通電加熱を用いて、熔解する熔解工程と、前記熔解工程にて熔解した熔融ガラスを平板状ガラスに成形する成形工程と、前記平板状ガラスを徐冷する徐冷工程と、を有する。
特に、前記徐冷工程は、前記平板状ガラスの熱収縮率を低減するように前記平板状ガラスの冷却条件を制御する工程であることが好ましい。
[熔解工程]
熔解工程においては、所定の組成を有するように調合したガラス原料を、例えば、直接通電加熱及び/又は燃焼加熱を用いて熔解する。ガラス原料は、公知の材料から適宜選択できる。エネルギー効率の観点から、熔解工程では、ガラス原料を、少なくとも直接通電加熱を用いて熔解することが好ましい。また、熔解工程を行う熔解槽は、高ジルコニア系耐火物を含んで構成されることが好ましい。上記所定の組成は、例えば、ガラスの各成分に関して上述した含有量を満たす範囲で適宜調整できる。
[成形工程]
成形工程では、熔解工程にて熔解した熔融ガラスを平板状ガラスに成形する。平板状ガラスへの成形方法は、例えば、ダウンドロー法、特にオーバーフローダウンドロー法が好適であり、平板状ガラスとしてガラスリボンが成形される。その他、フロート法、リドロー法、ロールアウト法などを適用できる。ダウンドロー法を採用することにより、フロート法など他の成形方法を用いた場合に比べ、得られたガラス基板の主表面が雰囲気以外とは非接触である自由表面で形成されるために、極めて高い平滑性を有しており、成形後のガラス基板表面の研磨工程が不要となるために、製造コストを低減することができ、さらに生産性も向上させることができる。さらに、ダウンドロー法を使用して成形したガラス基板の両主表面は均一な組成を有しているために、エッチング処理を行った際に、成型時の表裏に関係なく均一にエッチングを行うことができる。
[徐冷工程]
徐冷時の条件を適宜調整することでガラス基板の熱収縮率をコントロールすることができる。特に、前記平板状ガラスの熱収縮率を低減するように前記平板状ガラスの冷却条件を制御することが好ましい。ガラス基板の熱収縮率は上述のように、90ppm以下であり、好ましくは75ppm以下、より好ましくは5〜75ppmである。このような数値の熱収縮率を持つガラス基板を製造するためには、例えば、ダウンドロー法を使用する場合は、平板状ガラスとしてのガラスリボンの冷却速度を、Tgから(Tg−100℃)の温度範囲内において、30〜300℃/分とするように徐冷を行うことが好ましい。冷却速度が速すぎると、熱収縮率を十分低減することができない。一方、冷却速度が遅すぎると、生産性が低下すると共に、ガラス製造装置(徐冷炉)が大型化してしまうという問題が生じる。冷却速度の好ましい範囲は、30〜300℃/分であり、50〜200℃/分がより好ましく、60〜120℃/分がさらに好ましい。冷却速度を30〜300℃/分とすることで、本実施形態のガラス基板をより確実に製造することができる。なお、徐冷工程の下流で平板状ガラスを切断した後に、別途オフラインで徐冷を行うことでも熱収縮率は低下させることができるが、この場合、徐冷工程を行う設備の他に、別途オフラインで徐冷を行う設備が必要となる。そのため、上述したように、オフライン徐冷を省略することができるように、徐冷工程において熱収縮率を低減できるように制御したほうが、生産性及びコストの観点からも好ましい。なお、本明細書では、ガラスリボンの冷却速度とは、ガラスリボンの幅方向中央部の冷却速度を示すものとする。
以下、本実施形態を実施例に基づいてさらに詳細に説明する。但し、本実施形態は実施例に限定されるものではない。下記に示す実施例、比較例では、以下説明する物性を計測した。
(歪点)
ビーム曲げ測定装置(東京工業株式会社製)を用いて測定を行い、ビーム曲げ法(ASTM C−598)に従い、計算により歪点を求めた。
(失透温度)
ガラスを粉砕し、2380μmのふるいを通過し、1000μmのふるい上に留まったガラス粒を白金ボートに入れた。この白金ボートを、1050〜1380℃の温度勾配をもった電気炉内に
5時間保持し、その後、炉から取り出して、ガラス内部に発生した失透を50倍の光学顕微鏡にて観察した。失透が観察された最高温度を、失透温度とした。
(1550℃での比抵抗)
熔融ガラスの比抵抗は、HP社製 4192A LF インピーダンス・アナライザーを用いて、四端子法にて測定し、前記測定結果より1550℃での比抵抗値を算出した。
(100〜300℃の範囲における平均熱膨張係数αおよびTgの測定方法)
示差熱膨張計(Thermo Plus2 TMA8310)を用いて測定した。この時の昇温速度は5℃/分とした。測定結果を元に100〜300℃の温度範囲における平均熱膨張係数およびTgを求めた。
(熱収縮率)
熱収縮率は、90mm〜200mm×15〜30mm×0.5〜1mmの大きさのガラスについて、ケガキ線法で求めた。熱収縮測定の熱処理としては、エアサーキュレーション炉(Nabertherm製N120/85HA)を用いて、室温から10℃/分で昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温(降温速度約2.7℃/分)し、その後、エアサーキュレーション炉の扉を半開きし、室温まで放冷した。
熱収縮率(ppm)={熱処理でのガラスの収縮量/熱処理前のガラスのケガキ線間距離}×106
なお、ガラス原料を白金ルツボで熔解した後に鉄板上に流し出し、冷却固化して得たガラスの熱収縮を測定する場合は、0.7mmの厚さとなるように切断・研削・研磨を施し、電気炉を用いて、Tg+15℃の温度で30分間保持した後、4分間で炉外へ取り出したガラスを用いた。このときのTg+15〜150℃の範囲の平均冷却速度は100〜200℃/分であった。
(密度)
ガラスの密度は、アルキメデス法によって測定した。
(エッチングレート)
エッチングレート(μm/h)は、ガラス(12.5mmx20mmx0.7mm)を、HF濃度1mol/kg、HCl濃度5mol/kgとなるように調整した40℃のエッチング液(200mL)に1時間浸漬した場合の厚み減少量(μm)を測定し、単位時間(1時間)当たりのガラス基板の一方の表面の厚み減少量(μm)を算出することで求めた。
以下、実施例及び比較例の組成と評価について、ガラス基板(A)〜(C)の3つの形態に分けて説明する。
(ガラス基板(A):実施例1〜60、比較例1〜3)
表1〜4に示すガラス組成になるように、実施例1〜60、比較例1〜3のガラスを以下の手順に従って作製した。得られたガラスについて、歪点、失透温度、Tg、100〜300℃の範囲における平均熱膨張係数(α)、熱収縮率、密度、エッチングレートを求めた。
表1〜4に示すガラス組成となるように、各成分の原料を調合して熔解、清澄、成形を行った。
上記のように得られたガラスのうち実施例1〜60は、熱収縮率が90ppm以下であった。また、1550℃における熔融ガラスの比抵抗も700Ω・cm以下であった。また、直接通電加熱を用いてガラス原料を熔解し、オーバーフローダウンドロー法でガラス基板を製造した場合にも、同様の結果が得られた。したがって、これらのガラスを用いることで、オーバーフローダウンドロー法により、磁気記録媒体に用いることが可能な、ガラス基板を製造することができる。
一方、比較例1〜3は、1550℃における熔融ガラスの比抵抗は700Ω・cm以下であったものの、歪点が670℃未満であった。さらに、比較例1は、熱収縮率が90ppmをはるかに超えていた。
(ガラス基板(B):実施例101〜148及び比較例101)
表5〜7に示すガラス組成になるように、実施例101〜148及び比較例101のガラスを以下の手順に従って作製した。得られたガラスについて、歪点、失透温度、Tg、100〜300℃の範囲における平均熱膨張係数(α)、熱収縮率、密度、エッチングレートを求めた。
表5〜7に示すガラス組成となるように、各成分の原料を調合して熔解、清澄、成形を行った。
上記のように得られた実施例101〜148のガラスは、熱収縮率が5〜75ppmであった。また、失透温度も1280℃以下であった。これに対して、MgO/(RO+ZnO)が0.95である比較例101では、熱収縮率が5〜75ppmであったが、失透温度が1280℃超であった。
また、直接通電加熱を用いてガラス原料を熔解してオーバーフローダウンドロー法でガラス基板を製造した場合にも、同様の結果が得られた。したがって、実施例101〜148のガラスを用いることで、オーバーフローダウンドロー法により、磁気記録媒体に用いることが可能な、ガラス基板を製造することができる。
(ガラス基板(C):実施例201〜255および比較例201〜203)
表8〜11に示すガラス組成になるように、実施例201〜255および比較例201〜203のガラスを以下の手順に従って作製した。得られたガラスについて、歪点、失透温度、Tg、100〜300℃の範囲における平均熱膨張係数(α)、熱収縮率、密度、エッチングレートを求めた。
表8〜11に示すガラス組成となるように、各成分の原料を調合して熔解、清澄、成形を行った。
上記のように得られたガラスは、歪点が700℃以上であった。また、エッチングレートも50μm/h以上であった。したがって、これらのガラスを用いることで、オーバーフローダウンドロー法により、磁気記録媒体に用いることが可能な、ガラス基板を製造することができる。
SiO2/Al2O3が6.0以下の実施例201〜255および比較例203では、エッチングレートが65(μm/h)以上であり、良好であった。一方、SiO2/Al2O3が6.0を超える比較例201、202では、エッチングレートが62(μm/h)以下であり、良好ではなかった。
B2O3の含有量が7%以下の実施例1〜55および比較例1、2では、歪点が700℃よりも高かった。失透温度は1100℃以上であった。
一方、B2O3の含有量が12.0%の比較例203では、失透温度が1050℃に低下したものの、歪点が660℃に低下した。

Claims (12)

  1. SiO2、Al2O3を含有し、
    モル%表示で、
    B2O30〜8%、
    R2O 0.01〜0.8%を含有し、
    BaO/ROが0.05〜1であり、
    歪点が670℃以上である、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
    ここで、ROは(MgO+CaO+SrO+BaO)を表しており、R2Oは(Li2O+Na2O+K2O)を表している。
  2. モル%表示で、
    SiO2 60〜80%、
    Al2O38〜20%、
    B2O30〜8%、
    R2O 0.01〜0.8%を含有し、
    (SiO2+(2×Al2O3))/((2×B2O3)+RO+(10×R2O))が2.5以上であり、
    BaO/ROが0.05〜1であり、
    歪点が670℃以上である、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
    ここで、ROは(MgO+CaO+SrO+BaO)を表しており、R2Oは(Li2O+Na2O+K2O)を表している。
  3. 歪点が680℃以上である、
    請求項1又は2に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  4. SiO2、Al2O3を含有し、
    モル%表示で、
    MgO/(RO+ZnO)が0.1〜0.9であり、
    歪点が700℃以上であり、
    昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温し、その後、常温まで放冷した場合の下記式で示される熱収縮率が5ppm〜75ppmである、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
    (式)
    熱収縮率(ppm)={熱処理後のガラス基板の収縮量/熱処理前のガラス基板の長さ}×106
  5. SiO2、Al2O3を含有し、
    モル%表示で、
    BaO 1〜15%を含有し、
    Sb2O3を実質的に含有せず、
    歪点が700℃以上であり、
    昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温し、その後、常温まで放冷した場合の下記式で示される熱収縮率が5ppm〜75ppmである、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
    (式)
    熱収縮率(ppm)={熱処理後のガラス基板の収縮量/熱処理前のガラス基板の長さ}×106
  6. モル%表示で、
    SiO2 60〜80%、
    Al2O38〜20%、
    B2O30〜15%、
    BaO 1〜15%を含有し、
    MgO/(RO+ZnO)が0.1〜0.9であり、
    歪点が700℃以上であり、
    昇温速度で10℃/分昇温させ、550℃で2時間保持し、55分かけて400℃まで降温し、その後、常温まで放冷した場合の下記式で示される熱収縮率が5ppm〜75ppmである、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
    (式)
    熱収縮率(ppm)={熱処理後のガラス基板の収縮量/熱処理前のガラス基板の長さ}×106
  7. SiO2、Al2O3を含有し、
    モル%表示で、
    B2O30〜7%、
    BaO 1〜15%を含有し、
    SiO2/Al2O3が6以下であり、
    歪点が700℃以上である、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
  8. モル%表示で、
    SiO2 60〜80%、
    Al2O310.5〜20%、
    B2O30〜7%、
    BaO 1〜15%を含有し、
    As2O3を実質的に含有せず、
    ROが10.0〜18.0%であり、
    SiO2/Al2O3が3以上5.7以下であり、
    SrO<0.25×CaOであり、
    歪点が700℃以上である、
    磁気記録媒体用ガラス基板。
  9. 失透温度が1230℃以下である、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  10. 歪点が740℃以下である、
    請求項1〜9のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  11. B2O3が4.0モル%未満である、
    請求項1〜10のいずれか1項に記載の磁気記録媒体用ガラス基板。
  12. 所定の組成に調合したガラス原料を少なくとも直接通電加熱を用いて熔解する熔解工程と、
    前記熔解工程にて熔解した熔融ガラスを平板状ガラスに成形する成形工程と、
    前記平板状ガラスを徐冷する工程であって、前記平板状ガラスの熱収縮率を低減するように前記平板状ガラスの冷却条件を制御する徐冷工程と、を含む、
    請求項1〜11のいずれか1項に記載のガラス基板を製造する磁気記録媒体用ガラス基板の製造方法。
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