JP2014240332A - ガラス基板の製造方法 - Google Patents

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Toru Kawamoto
徹 河本
雅弘 堀内
Masahiro Horiuchi
雅弘 堀内
三和 晋吉
Nobuyoshi Miwa
晋吉 三和
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Abstract

【課題】高温粘度の高いガラスであっても容易に溶融可能であり、尚且つガラス基板における泡欠陥の発生を抑制可能とするガラス基板の製造方法を提供することを課題とする。【解決手段】ケイ素源およびホウ素源を含むガラス原料を調合、溶融、および成形するガラス基板の製造方法であって、ケイ素源としてメディアン粒径D50が20〜80μmであり、粒径25μm未満の粒子の質量割合が60%未満、粒径150μm以上の粒子の質量割合が5%未満の粒度分布を有する珪砂を用い、ホウ素源として、オルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸の少なくとも何れかを含むホウ酸を、全ホウ素源のうち質量割合で80〜95%含むものを用いる。【選択図】なし

Description

本発明は、ガラス基板の製造方法に関し、具体的には有機EL(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイに好適なガラス基板の製造方法に関する。
従来から、液晶ディスプレイ等のフラットパネルディスプレイ、ハードディスク、フィルター、センサー等の基板として、ガラス基板が広く使用されている(例えば特許文献1)。近年では、従来の液晶ディスプレイに加えて、OLEDディスプレイが、自発光、高い色再現性、高視野角、高速応答、高精細等の理由から、盛んに開発されると共に、一部では既に実用化されている。また、スマートフォン等のモバイル機器のディスプレイは、小面積でありながら、多くの情報を表示することが要求されるため、超高精細の画面が必要になり、且つ動画表示も行うため、高速応答も必要になる。
OLEDディスプレイ、或いはLTPSで駆動する液晶ディスプレイが好適である。OLEDディスプレイは、画素を構成するOLED素子に電流が流れることで発光する。このため、駆動TFT素子として、低抵抗、高電子移動度の材料が使用される。この材料として、上記のLTPS以外に、IGZO(インジウム、ガリウム、亜鉛酸化物)に代表される酸化物TFTが着目されている。酸化物TFTは、低抵抗、高移動度であり、且つ比較的低温で形成が可能である。従来のp−Si・TFT、特にLTPSは、非結晶Si(a−Si)の膜を多結晶化する際に用いるエキシマレーザの不安定性に起因して、大面積のガラス基板に素子を形成する際にTFT特性がばらつき易く、TV用途等では、画面の表示ムラが生じ易かった。一方、酸化物TFTは、大面積のガラス基板に素子を形成する場合に、TFT特性の均質性に優れるため、有力なTFT形成材料として注目されており、一部では既に実用化されている。
高精細のディスプレイに用いられるガラス基板には、多くの要求特性がある。例えば、上記用途のガラス基板には歪点が高いことが求められる。ディスプレイの製造工程には、成膜、アニール等の工程が含まれ、これらの工程でガラス基板は数100℃に熱処理される。そのため、熱処理の際に、ガラス基板が熱収縮すると、パターンズレ等が発生し易くなる。よって、ガラス基板には、熱収縮し難いこと、特に歪点が高いことが求められる。このような要求に応じるべく種々のガラス組成およびその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開2012−121738号公報
しかしながら、一般的なディスプレイ用途のガラスは歪点が高いほど、高温粘度が高くなり、溶融したガラス生地の上部にSiO濃度の高いガラス質層が残存しやすく、均一なガラス融液となりにくい。このような異質な層を溶解するためには、ガラス原料を非常に高温で溶融する必要がある。そのため、製造のエネルギーコストが高くなり、また製造設備が劣化し易くなるという問題がある。また、高温溶融を行っても、異質な層を完全に溶解させることは難しい。また、高温粘度が高いと、溶融ガラス中から気泡が抜け難くなり、ガラス基板に泡欠陥が生じやすくなる。
本発明は、このような事情を考慮して成されたものであり、例えば高温粘度の高いガラスであっても容易に溶融可能であり、尚且つガラス基板における泡欠陥の発生を抑制可能とするガラス基板の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討の結果、ガラス基板の製造においてガラス原料等を以下のように規定することによって、上記課題が解決できることを見出し、本発明として提案するものである。
すなわち、本発明のガラス基板の製造方法は、ケイ素源およびホウ素源を含むガラス原料を調合、溶融、および成形するガラス基板の製造方法であって、ケイ素源としてメディアン粒径D50が20〜80μmであり、粒径25μm未満の粒子の質量割合が60%未満、粒径150μm以上の粒子の質量割合が5%未満の粒度分布を有する珪砂を用い、ホウ素源としてオルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸の少なくとも何れかを含み、全ホウ素源中のオルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸の合量の割合が80〜95質量%であることを特徴とする。
本発明のガラス基板の製造方法によれば、高温粘度の高いガラスであっても容易に溶融可能であり、尚且つガラス基板における泡欠陥の発生を抑制できる。具体的には、珪砂の粒度等を厳密に規制することにより、珪砂の溶け残りの原因となる凝集や過大粒の混入を防止し、ガラス原料を容易に且つ均質に溶融することができる。また、ホウ素源として含水ホウ酸を適量用いることによって、溶融ガラスの水分量を好適に調整し、ガラス原料を容易に且つ均質に溶融することができる。また、ガラスを均質に溶融することによって、溶融ガラス中の泡切れを良くし、ガラス基板における泡欠陥の発生を抑制できる。
また、本発明のガラス基板の製造方法では、ガラス基板の歪点が680℃以上となるようガラス原料を調合することが好ましい。
また、本発明のガラス基板の製造方法では、ガラス原料にアルミニウム源を含み、アルミニウム源として水酸化アルミニウムを含み、全アルミニウム源中の水酸化アルミニウムの割合が5〜100質量%であることが好ましい。
アルミニウム源として水酸化アルミニウムを適量用いることによって、溶融ガラスの水分量を好適に調整し、ガラス原料を容易に且つ均質に溶融することができる。また、ガラスを均質に溶融することによって、溶融ガラス中の泡切れを良くし、ガラス基板における泡欠陥の発生を抑制できる。
また、本発明のガラス基板の製造方法では、ガラス基板が、ガラス組成として酸化物換算の質量%でSiO 55〜70%、Al 16〜25%、B 0.1〜10%、MgO 0〜5%、CaO 3〜13%、SrO 0〜6%、BaO 0〜10%、ZrOを含有し、かつ実質的にアルカリ金属を含有しない、つまりアルカリ金属の含有量が0.5%以下となるよう、ガラス原料を調合することが好ましい。
以下、本発明の実施形態のガラス基板の製造方法について説明する。なお、各成分の含有範囲の説明において、%表示は質量%を指す。
まず、目標となるガラス組成となるようにシリカ源、硼酸源、アルミナ源、及びアルカリ土類金属源等となるガラス原料を混合してバッチを調製する。
目標ガラス組成として、例えば、酸化物基準の質量%で、SiO 55〜70%、Al 16〜25%、B 0.1〜10%、MgO 0〜5%、CaO 3〜13%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZrO 0〜5%であり、かつアルカリ金属酸化物の含有量が0.5%以下となるようにガラス原料を調合することが好ましい。このような目標ガラス組成とすることで、ディスプレイ用ガラス基板に要求される種々の特性を満足させることができる。なお、組成範囲を上記の通りとした理由は後述する。
以下、本発明において使用するガラス原料について説明する。
(シリカ源)
シリカ源としては、天然珪砂(SiO)や珪石粉を用いることができる。以下、天然珪砂および珪石粉を総称して珪砂と称する。シリカ原料は、未溶解泡やキャリーオーバーの原因となる微粉、或いは溶融性を悪化させる粗粒を極力含まないことが重要である。それゆえこれらのシリカ原料は、メディアン粒径D50が20〜80μm、好ましくは40〜80μm、さらに好ましくは60〜80μmである。また粒径25μm未満の微粉粒子の質量割合が60%未満、好ましくは30%未満、さらに好ましくは10%未満である。また粒径150μm以上の粒子の質量割合が5%未満、好ましくは2%未満、さらに好ましくは1%未満である。なおシリカ原料の粒度分布を上記範囲に調整するには、例えば以下の方法が採用できる。まずメディアン粒径D50が200〜300μm前後の珪砂をアルミナボールミルにて粉砕し、篩により分級する。この際、ボールミルによる粉砕時間及び使用する篩のメッシュサイズを選定することにより、得られるシリカ原料の粒度分布を調整することができる。シリカ原料のメディアン粒径D50、粒径25μm未満の粒子の質量割合及び粒径150μm以上の粒子の質量割合は、JIS:Z2601に基づく方法により、JISZ8801規定の篩を用いて測定することによって確認することができる。
(ホウ素源)
ホウ素源としては、オルトホウ酸(HBO)、メタホウ酸(HBO)、および四ホウ酸(H)等の含水ホウ酸塩、ならびに酸化ホウ素(B)等を用いることができる。オルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸を合量で、全ホウ素源のうち80〜95質量%含むものをホウ素源として用いる。80%よりも少ないと、溶融ガラス中の水分量が不足して高温粘度が上昇し、均質な溶融ガラスを得難くなる。95%より多いと、ガラス原料バッチ中の水分量が多くなりすぎてガラス原料が凝集し易くなる。なお、以下ではオルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸を総称して含水ホウ酸と呼ぶ。
(アルミナ源)
アルミナ源としては、アルミナ(Al)、及び水酸化アルミニウム(Al(OH))を用いることができる。アルミニウム源として、水酸化アルミニウムを、全アルミニウム源のうち質量割合で5〜100%含むものを用いることが好ましい。5%よりも少ないと溶融ガラス中の水分量が不足して高温粘度が上昇し、均質な溶融ガラスを得難くなる。
(アルカリ土類金属源)
アルカリ土類金属源としては、炭酸カルシウム(CaCO)、酸化マグネシウム(MgCO)、水酸化マグネシウム(Mg(OH))、硝酸バリウム(Ba(NO)、硝酸ストロンチウム(Sr(NO)等を用いることができる。
次に、目標組成において各成分の割合を上記のように限定した理由について説明する。 高精細のディスプレイに用いられるガラス基板には、多くの要求特性がある。特に、以下の(1)〜(7)の特性が要求される。上記ガラス組成によれば、これらの特性を同時に満たすことができる。
(1)ガラス中のアルカリ成分が多いと、熱処理中にアルカリイオンが成膜された半導体物質中に拡散し、膜の特性の劣化を招く。よって、アルカリ成分(特に、Li成分、Na成分)の含有量が少ないこと、望ましくは実質的に含有しないこと。
(2)フォトリソグラフィーエッチング工程では、種々の酸、アルカリ等の薬液が使用される。よって、耐薬品性に優れていること。
(3)成膜、アニール等の工程で、ガラス基板は数100℃に熱処理される。熱処理の際に、ガラス基板が熱収縮すると、パターンズレ等が発生し易くなる。よって、熱収縮し難いこと、特に歪点が高いこと。
(4)熱膨張係数が、ガラス基板上に成膜される部材(例えば、a−Si、p−Si)に近いこと。例えば、熱膨張係数が30〜45×10−7/℃であること。なお、熱膨張係数が45×10−7/℃以下であると、耐熱衝撃性も向上する。
(5)ガラス基板の撓みに起因する不具合を抑制するために、ヤング率(又は比ヤング率)が高いこと。
(6)泡、ブツ、脈理等の溶融欠陥を防止するために、溶融性に優れていること。
(7)ガラス基板中の異物発生を避けるために、耐失透性に優れていること。
以下、ガラス組成の各成分について説明する。
SiOの含有量は好ましくは55〜70%、より好ましくは58〜65%である。SiOの含有量が55%より少ないと、ガラスの歪点が低下し、ディスプレイ装置を製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や、熱収縮が起こりやすくなったりする。また熱膨張係数が大きくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなったり、耐熱衝撃性が低下しやすくなったりする。さらに、耐酸性も悪化する。一方、SiOの含有量が70%より多いと、ガラスの高温粘度が高くなり、ガラスの溶融や成形が困難となる。また、熱膨張係数が小さくなりすぎて、周辺材料の熱膨張係数との整合性が取りにくくなる。
Alの含有量が多すぎると、ガラスの歪点が低下し、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、Alの含有量が少なすぎると、ガラスの耐バッファードフッ酸性が低下したり、ガラスの液相温度が上昇してガラス基板の成形が困難になったりする。Al含有量の好適な範囲は16〜25%、より好ましくは16〜20%である。
は、ガラスの粘性を低下させ、かつガラスの溶融性を高める成分であるが、過剰に含有すると、ガラスの歪点が低くなり、ディスプレイを製造する際の熱処理工程で、ガラス基板が割れたり、熱変形や熱収縮が起こりやすくなったりする。一方、Bの含有量が少なすぎると、融剤としての効果を得難くなる。B含有量の好適な範囲は0.1〜10%、より好ましくは0.1〜7.5%、さらに好ましくは0.1〜6%である。
MgOは、ガラスの歪点を低下させずに、高温粘度を低下させて、ガラスの溶融性を改善する成分である。MgOの含有量が多すぎると、クリストバライトやエンスタタイトの失透ブツが発生しやすくなる傾向にある。さらに耐バッファードフッ酸性が低下し、フォトエッチング工程でガラス基板が侵食され、その反応生成物がガラス基板の表面に付着し、ガラス基板が白濁しやすくなる。MgO含有量の好適な範囲は0〜5%、より好ましくは0.2〜3%、さらに好ましくは0.5〜2.5%である。
CaOは、ガラスの歪点を低下させずに高温粘度のみを低下させて、ガラスの溶融性を改善する。CaOの含有量が多すぎると、耐バッファードフッ酸性が低下するとともに、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇する。CaOの含有量が少なすぎると高温粘度が上昇し溶融性が悪化し易くなる。CaO含有量の好適な範囲は3〜13%、より好ましくは2.5〜8%である。
SrOは、ガラスの耐薬品性と耐失透性を向上させる成分である。SrOの含有量が多すぎると、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇する。SrO含有量の好適な範囲は0〜10%、より好ましくは1.5〜4.5%である。
BaOは、ガラスの耐薬品性と耐失透性を向上させる成分である。BaOの含有量が多すぎると、ガラスの密度や熱膨張係数が上昇する。BaO含有量の好適な範囲は0〜10%、より好ましくは、1〜10%である。
ZrOは、ガラスの耐薬品性、特に耐酸性を改善し、ヤング率を向上させる成分である。ZrOの含有量が多すぎると、ガラスの液相温度が上昇し、ジルコンの失透ブツが出やすくなる。ZrO含有量の好適な範囲は0〜5%、より好ましくは0.1〜1%である。
また、目標ガラス組成において、上記の成分以外にもZnO、TiO、P、等を添加しても良い。
ZnOは、ガラスの耐バッファードフッ酸性を改善するとともに、ガラスの溶融性を改善する成分である。ZnOの含有量が多すぎると、ガラスが失透しやすくなったり、歪点が低下したりする。ZnO含有量の好適な範囲は0〜5%である。
TiOは、高温粘性を下げて溶融性を高め、また化学的耐久性を高める効果があるが、導入量が過剰になると、紫外線透過率が低下し易くなる。TiOの含有量は、好ましくは0〜5%以下である。なお、TiOを極少量導入(例えば0.001%以上)すると、紫外線による着色を抑制する効果が得られる。
は、歪点を高める成分であると共に、アノーサイト等のアルカリ土類アルミノシリケート系の失透結晶の析出を抑制し得る成分である。但し、Pを多量に含有させると、ガラスが分相し易くなる。Pの含有量は、好ましくは0〜5%である。
清澄剤として、As、Sb、SnO、SO、Fe、CeO、F、Cl、C、或いはAl、Si等の金属粉末等を用いることができる。これらの含有量は、合量で3%以下が好ましい。
AsやSbは、透過率に影響を与える成分であり、ガラス中に含有させるとガラス基板の透過率が低下しやすくなる。一方、SnOはガラス中に0.01〜2%含有させると、その還元効果により、ガラスの透過率を高めることができる。ただし環境保護の点から、清澄剤として、実質的にAsやSbを含有しないことが好ましい。ここで、「実質的にAsやSbを含有しない」とは、ガラス組成中のAsやSbの含有量が、各々0.1%(1000ppm)以下であることを意味する。以上の点を考慮すれば、清澄剤としてSnOを含有し、実質的にAs及びSbを含有しないことが好ましい。
SnOを0.01〜0.5%含む場合、Rhの含有量が多過ぎると、ガラスが着色し易くなる。したがって、Rhの含有量は、0〜0.0005%に制限することが好ましい。なお、Rhは、白金の製造容器から混入する可能性がある。
Feは、不純物としてガラス原料から混入する成分であるが、Feの含有量が多過ぎると、紫外線透過率が低下する恐れがある。紫外線透過率が低下すると、TFTを作製するフォトリソグラフィー工程や紫外線による液晶の配向工程で不具合が発生するおそれがある。一方、Feの含有量を少なくしようとすると、高純度の原料を用いる等の対応が必要となり、原料コストや製造コストが上昇する。よって、Feの含有量は0.001〜0.03%となるように調製することが好ましい。
本発明の方法で作製されるガラス基板が液晶ディスプレイ基板等に使用される場合、ガラス中にアルカリ金属酸化物(LiO、NaO、KO、特にLiO、NaO)を実質的に含有しないことが好ましい。アルカリ金属酸化物を実質的に含有しないとは、その含有量を0.5%以下に抑えるという意味である。アルカリ金属酸化物の含有量が合量で0.5%を超えると、基板上にTFTを成膜する際の熱処理時に、アルカリ金属が成膜されたTFT半導体物質中に拡散し、膜特性が劣化する。
上記以外にも、ガラス特性が損なわれない限り、種々の成分を添加可能である。例えばY、La、Nd等を添加しても良い。
目標ガラス組成は、得られるガラス基板の歪点が、680℃以上、690℃以上、特には700℃以上となるよう定めることが好ましい。
次いで調合したバッチ(及び必要に応じて、目標とするガラスと同じ組成のガラスカレット)を、溶融窯のガラス原料投入口から投入し、溶融、ガラス化する。溶融窯へのバッチの投入は、連続的に行われるが、断続的であってもよい。また溶融窯内でのバッチの溶融温度は1500〜1700℃程度である。このようにしてガラス原料を溶融し、溶融ガラスとする。なおガラスカレットとは、ガラスの製造の過程等で排出されるガラス屑である。
次に溶融ガラスを成形装置に供給し、所定の肉厚、表面品位を有するようにガラスを板状に成形する。成形方法としては、オーバーフローダウンドロー法を用いることが好ましい。オーバーフローダウンドロー法を用いることで、高い表面品位を有するガラス基板を連続的に容易に製造することができる。なお、スロットダウンドロー法やロールアウト法、フロート法等のその他の従来周知の板ガラス成形法を用いることも可能である。
このようにして作製されたガラス基板は、例えば、液晶ディスプレイやOLEDディスプレイ等のフラットパネルディスプレイの基板材料として用いられる。
以下、実施例に基いて本発明について詳細に説明する。 表1〜2は本発明の実施例(No.1〜8)と、比較例(No.9〜11)をそれぞれ示している。
まず、表1、2に記載のガラス組成となるように、ガラス原料を調合してガラスバッチを調製した。なお、シリカ源として、試料No.1〜4、6、8〜10は天然珪砂を、試料No.5、7は珪石粉を用いた。またこれらのシリカ原料は、表に示す粒度分布となるように調製したものを用いた。
上記ガラスバッチをフレキシブルコンテナバッグに詰めて常温で48時間以上保管した後、連続投入装置を用いて、高ジルコニア系耐火物からなる溶融炉に投入した。投入直前のバッチを観察し、最長部の寸法が20mm以上の固化原料が存在した場合に固化(バッチの凝集)が発生したと判定した。
投入したガラス原料を溶融窯内で、SnO2電極による直接通電加熱及び酸素燃焼加熱を併用して、1500〜1600℃で溶融した。続いて、溶融ガラスを清澄槽内で清澄均質化し、さらに調整槽内で成形に適した粘度に調整した。そして、調整した溶融ガラスをオーバーフローダウンドロー装置に供給し、板状に成形した後、切断することにより、0.7mm厚となるようガラスを成形し、1800mm×1500mmのサイズに切断することで試料ガラスとした。なお、溶融窯を出た溶融ガラスは、白金又は白金合金とのみ接触しながらオーバーフローダウンドロー装置へと供給される。
このようにして得られた試料ガラスを用いて、歪点を測定した。歪点は、ASTM C336の方法に基づいて測定した。
また、各試料ガラスについて、泡数を評価した。なお泡数は、ガラス基板表面を光学装置にて観察して最長径100μm以上の泡の個数をカウントし、該個数をガラス製品1t(トン)当りに換算して求めた。
試料No.9はシリカ原料において粒径25μm未満の粒子の含有量が70%と多いためキャリーオーバーが発生し、これに起因して泡数が本発明の実施例に比べ多かった。また、試料No.10はシリカ原料のメディアン粒径D50が100μmと大きいため原料の溶け残りに起因して、泡数が本発明の実施例に比べ多かった。また、試料No.11は、ホウ素源における含水ホウ酸の割合が100%と多いためバッチの固化が発生し、これに起因して泡数が本発明の実施例に比べ多かった。

Claims (5)

  1. ケイ素源およびホウ素源を含むガラス原料を調合、溶融、および成形するガラス基板の製造方法であって、
    前記ケイ素源としてメディアン粒径D50が20〜80μmであり、粒径25μm未満の粒子の質量割合が60%未満、粒径150μm以上の粒子の質量割合が5%未満の粒度分布を有する珪砂を用い、
    前記ホウ素源としてオルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸の少なくとも何れかを含み、全ホウ素源中のオルトホウ酸、メタホウ酸、および四ホウ酸の合量の割合が80〜95質量%であることを特徴とする、ガラス基板の製造方法。
  2. 前記ガラス基板の歪点が680℃以上となるよう前記ガラス原料を調合することを特徴とすることを特徴とする、請求項1に記載のガラス基板の製造方法。
  3. 前記ガラス原料にアルミニウム源を含み、
    前記アルミニウム源として水酸化アルミニウムを含み、全アルミニウム源中の水酸化アルミニウムの割合が5〜100質量%であることを特徴とする、請求項1または2に記載のガラス基板の製造方法。
  4. 前記ガラス基板が、ガラス組成として酸化物換算の質量%でSiO 55〜70%、Al 16〜25%、B 0.1〜10%、MgO 0〜5%、CaO 3〜13%、SrO 0〜10%、BaO 0〜10%、ZrO 0〜5%を含有し、かつアルカリ金属酸化物の含有量が0.5%以下になるよう、前記ガラス原料を調合することを特徴とする、請求項1から3の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。
  5. 前記ガラス基板をオーバーフローダウンドロー法により成形することを特徴とする、請求項1〜4の何れか1項に記載のガラス基板の製造方法。
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