JPWO2015041246A1 - 無アルカリガラス - Google Patents

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Abstract

本発明は、歪点が680〜735℃であり、50〜350℃での平均熱膨張係数が30×10−7〜43×10−7/℃であり、比重が2.60以下であり、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO2を58〜65%、Al2O3を18〜22%、B2O3を3〜8%、MgOを0〜1.3%、CaOを6.3〜10%、SrOを1.7〜5%、BaOを0.5〜5%、ZrO2を0〜2%、を含有し、MgO+CaO+SrO+BaOが12〜23%であり、MgO/CaOが0〜0.2であり、MgO/(SrO+BaO)が0〜0.4であり、SrO/BaOが1.2〜1.6である無アルカリガラスに関する。

Description

本発明は、無アルカリガラスに関する。より詳しくは、各種ディスプレイ用基板ガラスおよびフォトマスク用基板ガラス等として好適な、アルカリ金属酸化物を実質的に含有せず、フロート法またはフュージョン法にて成形が可能な無アルカリガラスに関する。
従来、各種ディスプレイ用ガラス板(ガラス基板)、特に表面に金属または酸化物等の薄膜を形成するガラス板に用いるガラスでは、以下に示す特性が要求されている。
(1)ガラスがアルカリ金属酸化物を含有している場合、アルカリ金属イオンが上記薄膜中に拡散して薄膜の膜特性を劣化させるため、実質的にアルカリ金属イオンを含まないこと。
(2)薄膜形成工程でガラス板が高温にさらされる際に、ガラス板の変形およびガラスの構造安定化に伴う収縮(熱収縮)を最小限に抑えうるように、歪点が高いこと。
(3)半導体形成に用いる各種薬品に対して充分な化学耐久性を有すること。特にSiOやSiNのエッチングのためのバッファードフッ酸(BHF:フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、ITOのエッチングに用いる塩酸を含有する薬液、金属電極のエッチングに用いる各種の酸(硝酸、硫酸等)、および、レジスト剥離液のアルカリ等に対して耐久性のあること。
(4)内部および表面に欠点(泡、脈理、インクルージョン、ピット、キズ等)がないこと。
上記の要求に加えて、近年では、以下のような状況にある。
(5)ディスプレイの軽量化が要求され、ガラス自身も比重の小さいガラスが望まれる。
(6)ディスプレイの軽量化が要求され、ガラス板の薄板化が望まれる。
(7)これまでのアモルファスシリコン(a−Si)タイプの液晶ディスプレイに加え、若干熱処理温度の高い多結晶シリコン(p−Si)タイプの液晶ディスプレイが作製されるようになってきた(a−Si:約350℃→p−Si:350〜550℃)ため、耐熱性が望まれる。
(8)液晶ディスプレイ作製の際の熱処理の昇降温速度を速くして、生産性を上げたり耐熱衝撃性を上げたりするために、ガラスの平均熱膨張係数の小さいガラスが求められる。
近年、スマートフォンに代表されるモバイル向けの中小型のディスプレイでは、高精細化が進み、上記要求が厳しくなってきている。
液晶ディスプレイパネル用ガラスとして、様々なガラス組成が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
日本国特開2001−172041号公報 日本国特開平5−232458号公報 日本国特開2012−41217号公報
特許文献1には無アルカリガラスが開示されている。特許文献1に開示される無アルカリガラスは、失透温度における粘度が低く製造方法に限定がある。
特許文献2にはBを0〜5モル%含有し、かつBaOを含有する無アルカリガラスが開示されているが、特許文献2に開示される無アルカリガラスは、50〜300℃での平均熱膨張係数が50×10−7/℃を超える。
特許文献3にはBを0.1〜4.5質量%含有し、かつBaOを5〜15質量%含有する無アルカリガラスが開示されているが、特許文献3に開示される無アルカリガラスは、50〜350℃での平均熱膨張係数が43×10−7/℃を超え、かつ比重が2.60を超える。
一方、ディスプレイをパネルにはめ込む際に、ガラス板に発生する応力によって生じる色ムラが問題となる。色ムラを抑制するには、ガラスの光弾性定数を小さくすることが有効と考えられる。
本発明の目的は、上記課題を解決することにある。すなわち、歪点が高く、低比重および低光弾性定数であり、薄くてもたわみにくく、かつ応力が加わっても色ムラ等の問題が発生しにくい、無アルカリガラスの提供である。
本発明は、歪点が680〜735℃であり、50〜350℃での平均熱膨張係数が30×10−7〜43×10−7/℃であり、比重が2.60以下であり、酸化物基準の質量百分率表示で、
SiOを58〜65%、
Alを18〜22%、
を3〜8%、
MgOを0〜1.3%、
CaOを6.3〜10%、
SrOを1.7〜5%、
BaOを0.5〜5%、
ZrOを0〜2%、を含有し、
MgO+CaO+SrO+BaOが12〜23%であり、MgO/CaOが0〜0.2であり、MgO/(SrO+BaO)が0〜0.4であり、SrO/BaOが1.2〜1.6である無アルカリガラスを提供する。
本発明の無アルカリガラスは、歪点が高く、低比重および低光弾性定数であり、薄くてもたわみにくく、かつ応力が加わっても色ムラ等の問題が発生しにくい。そのため、中小型のLCD、OLED、特にモバイル、デジタルカメラや携帯電話等の携帯型ディスプレイの分野で好適に使用できる。また、その他分野においてもガラス基板として使用できる。
以下、本発明の無アルカリガラスを説明する。
次に各成分の組成範囲について説明する。
SiOの含有量が58質量%(以下、単に%とする)未満では、歪点が充分に上がらず、かつ、平均熱膨張係数が増大し、比重が上昇する傾向がある。そのため、SiOの含有量は58%以上であり、好ましくは59%以上、より好ましくは60%以上である。SiOの含有量が65%超では、ガラスの溶解性が低下し、ヤング率が低下し、失透温度が上昇する傾向がある。そのため、SiOの含有量は65%以下であり、好ましくは64%以下、より好ましくは63%以下、さらに好ましくは62.5%以下、最も好ましくは62%以下62%以下である。
尚、「失透温度が上昇する」とは、失透温度における粘度が低くなることであり、溶融ガラスの温度が成形温度より高い状態において失透が起こりやくすなることである。
Alは、ヤング率を上げてたわみを抑制し、かつガラスの分相性を抑制し、平均熱膨張係数を下げ、歪点を上げ、破壊靱性値が向上してガラス強度を上げる。Alの含有量が18%未満ではこの効果があらわれにくく、また、他に平均熱膨張係数を増大させる成分を相対的に増加することになるため、結果的に平均熱膨張係数が大きくなる傾向がある。そのため、Alの含有量は18%以上であり、好ましくは18.5%以上、より好ましくは19%以上である。Alの含有量が22%超ではガラスの溶解性が悪くなる、また、失透温度を上昇させるおそれがある。そのため、Alの含有量は22%以下であり、好ましくは21.5%以下、より好ましくは21%以下である。
は、耐BHF性を改善し、かつガラスの溶解反応性をよくし、失透温度を低下させる。Bの含有量が3%未満ではこの効果があらわれにくく、耐BHF性が悪くなる傾向がある。そのため、Bの含有量は3%以上であり、好ましくは3.5%以上、より好ましくは4%以上である。Bの含有量が8%超では光弾性定数が大きくなり、応力が加わった場合に色ムラなどの問題が発生しやすくなる。また、Bが多すぎるとフッ酸エッチング処理(以下、「薄板化処理」ともいう)後のガラス板の表面粗さが大きくなり、薄板化処理後の強度が低くなる傾向がある。さらに歪点も低下する傾向がある。したがってBの含有量は8%以下であり、7.5%以下が好ましく、7%以下がより好ましい。
MgOは、比重を上げずにヤング率を上げるため、比弾性率を高くすることでたわみの問題を軽減でき、破壊靱性値が向上してガラス強度を上げる。また、アルカリ土類金属の中では平均熱膨張係数を高くせず、溶解性も向上させるという特徴を有する。しかし、ガラス組成中のAl含有量が18%以上となる場合にMgO含有量が多いと、失透温度が上昇しやすくなる。そのため、MgOの含有量は1.3%以下であり、1.2%以下が好ましく、1.1%以下がより好ましく、さらに好ましくは1.0%以下である。
CaOは、MgOに次いでアルカリ土類金属中では比弾性率を高くし、平均熱膨張係数を高くせず、かつ歪点を過大には低下させないという特徴を有し、MgOと同様に溶解性も向上させる。さらに、MgOより失透温度が高くなりにくく、ガラスの製造時に失透が問題となりにくいという特徴も有する。CaOの含有量が6.3%未満では、この効果があらわれず、失透温度が上昇しやすくなる。そのため、CaOの含有量は6.3%以上であり、好ましくは6.7%以上、より好ましくは7%以上である。CaOの含有量が10%超では平均熱膨張係数が高くなり、また失透温度が高くなり、ガラスの製造時に失透が問題となりやすくなる。そのため、CaOの含有量は10%以下であり、好ましくは9%以下、より好ましくは8.5%以下である。
SrOは、ガラスの失透温度を上昇させず、溶解性を向上させ、光弾性定数を低減するという特徴を有する。しかし、BaOよりもその効果が低く、比重を大きくする効果が勝るため、多く含有しないことが好ましい。
一方、上記無アルカリガラスでは、SrOの含有量が1.7%未満では溶解性が低下し、失透温度が上昇するおそれがある。そのため、SrOの含有量は1.7%以上であり、好ましくは2%以上である。SrOの含有量が5%超では比重が大きくなりやすく、また平均熱膨張係数が大きくなりやすい。そのため、SrOの含有量は5%以下であり、4.5%以下が好ましく、より好ましくは4%以下である。
BaOは、ガラスの失透温度を上昇させず、溶解性を向上させ、光弾性定数を低減するという特徴を有する。しかし、多く含有すると比重が大きくなり、平均熱膨張係数が大きくなる傾向がある。
一方、上記無アルカリガラスでは、BaOの含有量が0.5%未満では光弾性定数が大きくなり、溶解性が低下し、失透温度が上昇するおそれがある。そのため、BaOの含有量は0.5%以上であり、好ましくは1.0%以上、より好ましくは1.5%以上である。BaOの含有量が5%超では比重が大きくなり、平均熱膨張係数が大きくなるおそれがある。そのため、BaOの含有量は5%以下であり、4.5%以下が好ましく、より好ましくは4%以下である。
ZrOは、ヤング率を上げるために、ガラス溶解温度を低下させるために、また焼成時の結晶析出を促進するために、2%まで含有してもよい。ZrOの含有量が2%超ではガラスが不安定になる、またはガラスの比誘電率εが大きくなる傾向がある。ZrOの含有量は好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
なお、本発明において「実質的に含有しない」とは、原料等から混入する不可避的不純物以外には含有しないこと、すなわち、意図的に含有させないことを意味する。
MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量が合量で12%よりも少ないと、ガラス粘度が10dPa・sとなる温度T4が高くなり、板ガラス成形の際に成形設備のヒーターの寿命を短くするおそれがある。そのため、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量は合量で12%以上であり、13%以上が好ましく、14%以上がより好ましい。MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量が合量で23%よりも多いと、平均熱膨張係数を小さくできないおそれがある。そのため、MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量は合量で23%以下であり、21%以下が好ましく、19%以下がより好ましい。
MgO、CaO、SrOおよびBaOの含有量の合量が上記を満たし、かつ、下記の条件を満たす(MgO/CaO、MgO/(SrO+BaO)、SrO/BaOのそれぞれを特定の数値範囲とする)ことにより、失透温度を上昇させることなく、分相を抑制し、かつ、ヤング率および比弾性率を上昇させ、さらにガラス粘度、特にT4を下げることができる。
MgO/CaOを0.2以下とする。MgO/CaOは0.16以下が好ましい。
MgO/(SrO+BaO)を0.4以下とする。MgO/(SrO+BaO)は0.38以下が好ましく、0.36以下がより好ましく、0.27以下、0.25がさらに好ましく、0.23以下が最も好ましい。
SrO/BaOが1.2未満では比重、平均熱膨張係数が大きくなる傾向がある。そのため、SrO/BaOを1.2以上とする。好ましくは1.25以上、1.3以上、1.35以上、1.4以上である。SrO/BaOが1.6超では失透温度が上昇する傾向がある。そのため、SrO/BaOを1.6以下とする。好ましくは1.55以下、より好ましくは1.5以下である。
NaO、KO等のアルカリ金属酸化物を、実質的に含有しない。例えば、0.1%以下である。
なお、本発明の無アルカリガラスからなるガラス板をディスプレイ用ガラス板としてディスプレイ製造に用いたときに、ガラス板表面に設ける金属または酸化物等の薄膜の特性劣化を生じさせないために、本発明の無アルカリガラスはPを実質的に含有しないことが好ましい。さらに、ガラスのリサイクルを容易にするため、本発明の無アルカリガラスはPbO、As、Sbを実質的に含有しないことが好ましい。 ガラスの溶解性、清澄性、成形性を改善するため、本発明の無アルカリガラスにはZnO、Fe、SO、F、Cl、SnOを総量で2%以下、好ましくは1%以下、より好ましくは0.5%以下で含有してもよい。
本発明の無アルカリガラスの製造は、たとえば、以下の手順で実施できる。
上記各成分の原料をガラス組成中で目標含有量となるように調合し、これを溶解炉に連続的に投入し、1500〜1800℃に加熱して溶解して溶融ガラスを得る。得られた溶融ガラスを成形装置にて、所定の板厚のガラスリボンに成形し、このガラスリボンを徐冷後、切断することによって、本発明の無アルカリガラスからなる無アルカリガラス板を得ることができる。
本発明では、フロート法またはフュージョン法等にてガラス板に成形することが好ましく、特にフュージョン法にてガラス板に成形することが好ましい。フュージョン法を用いることにより、ガラス転移点付近の平均冷却速度が速くなり、得られたガラス板をフッ酸(HF)エッチング処理によりさらに薄膜化する際に、フッ酸(HF)エッチング処理した側の面におけるガラス板の表面粗さが小さくなりやすく、強度が向上しやすくなる。 大型の板ガラス(例えば一辺が2m以上)を安定して生産することを考慮すると、フロート法が好ましい。
本発明では、板厚0.7mm以下のガラス板に成形することが好ましい。板厚を薄くすることでディスプレイの軽量化が達成しやすくなる。成形により得られるガラス板の板厚は、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.4mm以下、よりさらに好ましくは0.35mm以下、特に好ましくは0.25mm以下、より特に好ましくは0.1mm以下、最も好ましくは0.05mm以下である。ただし、板厚0.005mm未満であると、本発明におけるガラス板をディスプレイ用ガラス板としてディスプレイ製造に用いる際、ディスプレイ製造時に実施されるデバイス工程で自重たわみが問題となる場合があるため、好ましくない。自重たわみを特に問題とする場合は、板厚は0.1mm以上であることが好ましく、0.2mm以上であることがより好ましい。
本発明において、本発明の無アルカリガラスからなる無アルカリガラス板の少なくとも1面を表面から深さ5μm以上フッ酸(HF)エッチング処理することが好ましい。上記エッチング処理により薄板化することにより、無アルカリガラス板(ガラス基板)を用いたディスプレイの厚さを低減することができ、かつディスプレイを軽量化することができる。
本発明の無アルカリガラスは、歪点が680℃以上735℃以下である。それにより、該無アルカリガラスをディスプレイ用ガラス板としてディスプレイ製造に用いた際、ディスプレイ製造時の熱収縮を抑えられる。好ましくは685℃以上、より好ましくは690℃以上であり、さらに好ましくは695℃以上である。歪点が680℃以上であると、高歪点を目的とする用途(例えば、OLED用のディスプレイ用基板または照明用基板)に適している。
但し、無アルカリガラスの歪点が高過ぎると、それに応じて成形装置の温度を高くする必要があり、成形装置の寿命が低下する傾向がある。このため、本発明の無アルカリガラスは、歪点が735℃以下である。
また、歪点と同様の理由で、本発明の無アルカリガラスは、ガラス転移点が好ましくは730℃以上であり、より好ましくは735℃以上であり、さらに好ましくは740℃以上である。
本発明の無アルカリガラスは、50〜350℃での平均熱膨張係数が30×10−7〜43×10−7/℃である。それにより、耐熱衝撃性が大きく、該無アルカリガラスをディスプレイ用ガラス板としてディスプレイ製造に用いたときにディスプレイの生産性を高くできる。本発明の無アルカリガラスは、平均熱膨張係数が35×10−7〜40×10−7/℃であることが好ましい。
さらに、本発明の無アルカリガラスは、比重が2.60以下であり、好ましくは2.59以下であり、より好ましくは2.58以下、さらに好ましくは2.56以下である。
本発明の無アルカリガラスは、比弾性率が29MNm/kg以上であることが好ましい。比弾性率が29MNm/kg未満では、自重たわみによる搬送トラブルや割れなどの問題が生じやすい。より好ましくは29.5MNm/kg以上、さらに好ましくは30MNm/kg以上、特に好ましくは30.5MNm/kg以上である。
本発明の無アルカリガラスは、ヤング率が74GPa以上であることが好ましく、より好ましくは74.5GPa以上、さらに好ましくは75GPa以上、特に好ましくは75.5GPa以上である。ヤング率は、超音波法により測定できる。
本発明の無アルカリガラスは、光弾性定数が31nm/MPa/cm以下であることが好ましい。
本発明の無アルカリガラスをディスプレイ用ガラス板として用いた場合、LCD製造工程やLCD装置使用時に発生した応力によって、ガラス板が複屈折性を有することにより、黒の表示がグレーになり、液晶ディスプレイのコントラストが低下する現象が認められることがある。光弾性定数を31nm/MPa/cm以下とすることにより、この現象を小さく抑えることができる。より好ましくは30.5nm/MPa/cm以下、さらに好ましくは30nm/MPa/cm以下、特に好ましくは29.5nm/MPa/cm以下、最も好ましくは29nm/MPa/cm以下である。
他の物性確保の容易性を考慮すると、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上であることが好ましい。
なお、光弾性定数は円盤圧縮法により測定波長546nmにて測定できる。
また、本発明の無アルカリガラスは、溶解性の目安となるガラス粘度が10ポアズ(dPa・s)となる温度T2が1780℃以下であることが好ましく、より好ましくは1750℃以下、さらに好ましくは1720℃以下である。それにより、溶解が比較的容易となる。
さらに、本発明の無アルカリガラスは、フロート成形性またはフュージョン成形性の目安となるガラス粘度が10ポアズ(dPa・s)となる温度T4が1360℃以下であることが好ましく、より好ましくは1350℃以下、さらに好ましくは1340℃以下、特に好ましくは1330℃以下である。
また、本発明の無アルカリガラスは、失透温度における粘度(失透粘度)が103.8ポアズ(dPa・s)以上であることが好ましい。これにより、フュージョン法またはフロート法による成形の際に失透が問題になりにくくなる。より好ましくは104.0ポアズ以上、さらに好ましくは104.2ポアズ以上、特に好ましくは104.4ポアズ以上、最も好ましくは104.6ポアズ以上である。
失透温度は、好ましくは1330℃以下、より好ましくは1325℃以下、さらに好ましくは1320℃以下、特に好ましくは1315℃以下である。
本発明における失透温度は、下記のように求める。白金製の皿に粉砕されたガラス粒子を入れ、一定温度に制御された電気炉中で17時間熱処理を行い、熱処理後に光学顕微鏡を用いて、ガラスの表面および内部に結晶が析出する最高温度と結晶が析出しない最低温度とを観察し、その平均値を失透温度とする。
失透温度における粘度は、前記失透温度におけるガラスの粘度を測定することで得られる。
また、本発明の無アルカリガラスは、熱処理時の収縮率(熱収縮率)が小さいことが好ましい。液晶パネル製造においては、アレイ側とカラーフィルター側では熱処理工程が異なる。そのため、特に高精細パネルにおいて、ガラスの熱収縮率が大きい場合、嵌合時にドットのずれが生じるという問題がある。
なお、熱収縮率の評価は次の手順で測定できる。ガラス板試料(酸化セリウムで鏡面研磨した長さ100mm×幅10mm×厚さ1mmの試料)をガラス転移点+100℃の温度で10分間保持した後、毎分40℃で室温まで冷却する。ここで試料の全長(長さ方向)L1を計測する。その後、毎時100℃で600℃まで加熱し、600℃で80分間保持し、毎時100℃で室温まで冷却し、再度試料の全長L2を計測する。600℃での熱処理前後での全長の差(L1−L2)と、600℃での熱処理前の試料全長L1と、の比(L1−L2)/L1を熱収縮率とする。上記評価方法において、熱収縮率は好ましくは120ppm以下、より好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは80ppm以下さらには60ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
(実施例:例1〜6および例9〜15、比較例:例7〜8)
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
各成分の原料を、ガラス組成が表1および表2に示す目標組成(ガラス組成(単位:質量%))になるように調合し、白金坩堝を用いて1600℃の温度で1時間溶解した。溶解後、カーボン板上に流し出し、ガラス転移点+30℃にて60分保持後、毎分1℃で室温まで冷却した。得られたガラスを鏡面研磨し、ガラス板を得て、各種評価を行った。
表1、2に、50〜350℃での平均熱膨張係数(単位:×10-7/℃)、比重、ヤング率(GPa)、歪点(単位:℃)、ガラス転移点(単位:℃)、比弾性率(MNm/kg)、T4(ガラス粘度が104dPa・sとなる温度、単位:℃)、T2(ガラス粘度が10dPa・sとなる温度、単位:℃)、失透温度(単位:℃)、失透温度における粘度(単位:dPa・s)、光弾性定数(単位:nm/MPa/cm)、熱収縮率(単位:ppm)を示す。それぞれの測定は、上述した方法で行った。
なお、表1中、括弧書で示した値は計算値である。
Figure 2015041246
Figure 2015041246
例7、例8のガラスは、本発明の無アルカリガラスには該当せず、SrOに対するBaOの比率が多いため、結果として平均熱膨張係数が大きく、比重が高い。
本発明を詳細に、また特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更や修正を加えることができることは、当業者にとって明らかである。
本出願は、2013年9月20日出願の日本特許出願2013−195793に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明により、歪点が高く、低比重および低光弾性定数であり、薄くてもたわみにくく、かつ応力が加わっても色ムラ等の問題が発生しにくい、無アルカリガラスを提供できる。

Claims (3)

  1. 歪点が680〜735℃であり、50〜350℃での平均熱膨張係数が30×10−7〜43×10−7/℃であり、比重が2.60以下であり、酸化物基準の質量百分率表示で、
    SiOを58〜65%、
    Alを18〜22%、
    を3〜8%、
    MgOを0〜1.3%、
    CaOを6.3〜10%、
    SrOを1.7〜5%、
    BaOを0.5〜5%、
    ZrOを0〜2%、を含有し、
    MgO+CaO+SrO+BaOが12〜23%であり、MgO/CaOが0〜0.2であり、MgO/(SrO+BaO)が0〜0.4であり、SrO/BaOが1.2〜1.6である無アルカリガラス。
  2. 光弾性定数が31nm/MPa/cm以下である請求項1に記載の無アルカリガラス。
  3. 失透温度における粘度が103.8ポアズ(dPa・s)以上である請求項1又は2に記載の無アルカリガラス。
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