JP6187475B2 - 無アルカリガラス基板 - Google Patents

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    • C03C3/091Glass compositions containing silica with 40% to 90% silica, by weight containing boron containing aluminium

Description

本発明は、無アルカリガラス基板に関する。より詳しくは、各種ディスプレイ用基板ガラスおよびフォトマスク用基板ガラス等として好適な、アルカリ金属酸化物を実質上含有せず、フロート法またはオーバーフローダウンドロー法にて成形が可能な無アルカリガラス基板に関する。
従来、各種ディスプレイ用ガラス板(ガラス基板)、特に表面に金属または酸化物等の薄膜を形成するガラス板に用いるガラス基板では、以下に示す特性が要求されてきた。
(1)ガラスがアルカリ金属酸化物を含有している場合、アルカリ金属イオンが上記薄膜中に拡散して薄膜の膜特性を劣化させるため、実質的にアルカリ金属イオンを含まないこと。
(2)薄膜形成工程でガラス板が高温にさらされる際に、ガラス板の変形およびガラスの構造安定化に伴う収縮(熱収縮)を最小限に抑えうるように、歪点が高いこと。
(3)半導体形成に用いる各種薬品に対して化学耐久性を有すること。特にSiOやSiNのエッチングのためのバッファードフッ酸(BHF:フッ酸とフッ化アンモニウムの混合液)、ITOのエッチングに用いる塩酸を含有する薬液、金属電極のエッチングに用いる各種の酸(硝酸、硫酸等)、レジスト剥離液のアルカリ等に対して耐久性のあること。
(4)内部および表面に欠点(泡、脈理、インクルージョン、ピット、キズ等)がないこと。
上記の要求に加えて、近年では、以下のような状況にある。
(5)ディスプレイの軽量化が要求され、ガラス自身も比重の小さいガラスが望まれる。
(6)ディスプレイの軽量化が要求され、ガラス板の薄板化、ヤング率向上が望まれる。
(7)これまでのアモルファスシリコン(a−Si)タイプの液晶ディスプレイに加え、若干熱処理温度の高い多結晶シリコン(p−Si)タイプの液晶ディスプレイが作製されるようになってきた(a−Si:約350℃→p−Si:350〜550℃)ため、耐熱性が望まれる。
(8)液晶ディスプレイ作製熱処理の昇降温速度を速くして、生産性を上げ、耐熱衝撃性を上げるために、ガラスの平均熱膨張係数の小さいガラスが求められる。
一方、スマートフォンに代表されるモバイル向けの中小型のディスプレイでは、高精細化が進み、上記要求が厳しくなってきている。
例えば、特許文献1〜3の無アルカリガラスが提案されている。
日本国特開2001−172041号公報 日本国特開平5−232458号公報 日本国特開2012−41217号公報
特許文献1には光弾性定数が小さい無アルカリガラスが開示されているが、失透温度における粘性が低く、成形温度が高く製造方法に限定がある、あるいは、低比重、高い歪点、低い平均熱膨張係数等の要求を満たさない問題がある。
特許文献2にはBを0〜5モル%含有し、かつBaOを含有する無アルカリガラスが開示されているが、平均熱膨張係数が高い。
特許文献3にはBを0.1〜4.5質量%含有し、かつBaOを5〜15質量%含有する無アルカリガラスが開示されているが、平均熱膨張係数が高い。
ディスプレイをパネルにはめ込む際にガラス板に発生する応力によって生じる色ムラが問題となる。色ムラを抑制するには、ガラスの光弾性定数を小さくすることが必要であり、そのためには、ガラス中のBの濃度を下げる、あるいは、BaO濃度を上げることが有効である。
本発明の目的は、上記欠点を解決することにある。すなわち、歪点が高く、低比重であり、低光弾性定数を有し、ヤング率が高く、かつ応力が加わっても色ムラ等の問題が発生しにくい、無アルカリガラス基板の提供である。
本発明は、歪点が685℃以上750℃以下、50〜350℃での平均熱膨張係数が35×10−7〜43×10−7/℃、比重が2.50〜2.80、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上29nm/MPa/cm未満、粘度が10dPa・sとなる温度(T)が1250℃以上1350℃未満であり、
酸化物基準のモル百分率表示で、
SiOを63〜68%、
Alを12.2%以上14%以下、
を0.5%以上3%未満、
MgOを6.5〜13%、
CaOを0〜4%、
SrOを0〜9%、
BaOを0〜10%、それぞれ含み、かつ、
MgO+CaO+SrO+BaOが15〜20%、
SrO+BaOが4〜10%である無アルカリガラス基板1を提供する。
また、本発明は、歪点が685℃以上750℃以下、50〜350℃での平均熱膨張係数が35×10−7〜43×10−7/℃、比重が2.50〜2.80、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上29nm/MPa/cm未満、粘度が10dPa・sとなる温度(T)が1250℃以上1335℃以下であり、
酸化物基準のモル百分率表示で、
SiOを63〜67%、
Alを12.2%以上14%以下、
を3%以上4.3%未満、
MgOを7〜13%、
CaOを0〜9%、
SrOを0〜3%、
BaOを0〜7%、それぞれ含み、かつ、
MgO+CaO+SrO+BaOが15〜20%、
CaOが(6×B−21)〜(6×B−14)%、
SrO+BaOが(−6×B+19)〜(−6×B+28)%である無アルカリガラス基板2を提供する。
本発明の無アルカリガラス基板は、歪点が高く、低比重であり、低光弾性定数を有し、ヤング率が高く、かつ応力が加わっても色ムラ等の問題が発生しにくい。そのため、中小型のLCD、OLED、特にモバイル、デジタルカメラや携帯電話等の携帯型ディスプレイの分野で使用される無アルカリガラス基板として好適である。また磁気ディスク用無アルカリガラス基板としても使用できる。
本発明において、高歪点、低い平均熱膨張係数および低い粘性を満たしつつ、光弾性定数を小さい無アルカリガラスとするためには、Bの含有量により、その他の各成分を特定の含有量とすればよいこと、より具体的には、Bの含有量が0.5%以上3%未満の場合と、3%以上4.3%未満の場合とで(酸化物基準のモル百分率表示で)、アルカリ土類金属酸化物の含有割合を変化させる必要があることを本発明者等は知見として得た。
以下、本発明の無アルカリガラス基板を説明する。
<1>無アルカリガラス基板の組成
(無アルカリガラス基板1(Bの含有量が0.5%以上3%未満の場合))
次に上記無アルカリガラス基板1の場合の各成分の組成範囲について説明する。
SiOは光弾性定数を小さくするために含有量は少ないほうが好ましい。しかし、63モル%(以下、単に%とする)未満では、歪点が充分に上がらず、かつ、平均熱膨張係数が高くなり、比重が上昇する傾向がある。好ましくは64%以上、より好ましくは65%以上である。68%超では、ガラスの溶解性が低下し、ヤング率が低下し、失透温度が上昇し、光弾性定数が増加する傾向がある。好ましくは67%以下、より好ましくは66%以下である。
Alはヤング率を上げてたわみを抑制し、かつガラスの分相性を抑制し、平均熱膨脹係数を下げ、歪点を上げ、破壊靱性値が向上してガラス強度を上げるが、12.2%未満ではこの効果があらわれにくく、また、他に平均熱膨張係数を高くする成分を相対的に増加することになるため、結果的に平均熱膨張係数が高くなる傾向がある。好ましくは12.5%以上、より好ましくは13%以上である。14%超ではガラスの溶解性が悪くなる、また、失透温度を上昇させるおそれがある。好ましくは13.8%以下、より好ましくは13.5%以下である。
は、ガラスの溶解反応性をよくし、失透温度を低下させる。歪点、失透特性、低粘性、高歪点のバランスを考慮すると0.5%以上、好ましくは1%以上、より好ましくは1.5%以上、さらに好ましくは2%以上、より特に好ましくは2.5%以上である。低光弾性化と高歪点化の容易さの点から3%未満とする。2.5%以下が好ましく、より好ましくは2.0%以下である。
MgOは、比重を上げずにヤング率を上げるため、比弾性率を高くすることでたわみを小さくでき、破壊靱性値が向上してガラス強度を上げる。また、アルカリ土類金属酸化物の中でMgOは平均熱膨張係数を過大には高くせず、溶解性も向上させるが、6.5%未満では、この効果があらわれにくい。好ましくは7%以上、より好ましくは7.5%以上、さらに好ましくは8%以上、特に好ましくは8.5%以上、より特に好ましくは9%以上、最も好ましくは9.5%以上、より最も好ましくは10%以上である。13%超では失透温度が高くなり、ガラスの製造時に失透が問題となりやすくなる。好ましくは12.5%以下、より好ましくは12%以下、さらに好ましくは11.5%以下、特に好ましくは11%以下である。
CaOは、MgOに次いでアルカリ土類金属酸化物中では比弾性率を高くし、平均熱膨張係数を過大には高くせず、かつ歪点を過大には低下させないという特徴を有し、MgOと同様に溶解性も向上させ、MgOより失透温度が高くなりにくく、ガラスの製造時に失透が問題となりにくい。4%超では平均熱膨張係数が高くなり、また失透温度が高くなり、ガラスの製造時に失透が問題となりやすく、無アルカリガラス基板1の組成においては光弾性定数を低下させる効果が弱くなる。好ましくは3.5%以下、より好ましくは3%以下、さらに好ましくは2.5%以下、よりさらに好ましくは2%以下、特に好ましくは1.5%以下、より特に好ましくは1%以下、最も好ましくは0.5%以下であり、より最も好ましくは実質的に含有しないことである。
なお、本発明において「実質的に含有しない」とは、原料等から混入する不可避的不純物以外には含有しないこと、すなわち、意図的に含有させないことを意味する。
SrOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させ、光弾性定数を低減するという特徴を有するが、BaOよりもその効果が低く、比重を大きくする効果が勝るため、多く含有しないことが好ましいため、9%以下とする。比重が大きくなりやすく、また平均熱膨張係数が高くなりやすい点から、好ましくは8%以下、より好ましくは7%以下、さらに好ましくは6%以下、特に好ましくは5%以下である。
BaOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させ、光弾性定数を低減するという特徴を有するが、多く含有すると比重が大きくなり、平均熱膨張係数が高くなる傾向がある。
好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。10%超では比重が大きくなり、平均熱膨張係数が高くなるおそれがある。好ましくは9.5%以下、より好ましくは9%以下、さらに好ましくは8.5%以下、特に好ましくは8%以下である。
SrO+BaOは、光弾性定数を低減するという特徴を有するため合量で4%以上含有させる。好ましくは5%以上、さらに好ましくは6%以上、さらに好ましくは7%以上含有する。比重が大きくなり、平均熱膨張係数が高くなり、歪点が低くなり、TやTが高くなることを回避するため、SrO+BaOは10%以下とする。好ましくは9%以下である。さらに好ましくは8%以下とする。
の含有量が0.5%以上3%未満の場合、歪点に余裕があるためSrO+BaOをなるべく多くして光弾性定数を低減させるのが効果的である。ただし、SrO+BaOを多くするとTやTが高くなるため、溶解性を向上させ、MgOは多く含有させたままにしておく必要がある。したがって、結果的にCaOの含有量が非常に少なくなることを本発明者らは見出した。
MgO、CaO、SrO、BaOは合量で15%よりも少ないと、光弾性定数が大きくなり、また溶解性が低下する傾向がある。MgO、CaO、SrO、BaOの合量は光弾性定数を小さくする目的で多く含有することが好ましいことから、より好ましくは16%以上、さらに好ましくは16.5%以上である。20%よりも多いと、平均熱膨張係数を低くできず、歪点が低くなるおそれがある。好ましくは19.5%以下、さらに好ましくは19.0%以下である。
NaO、KO等のアルカリ金属酸化物は、実質的に含有しない。例えば、0.1%以下である。
ZrOは、ヤング率を上げ、ガラス溶融温度を低下させるために、または焼成時の結晶析出を促進するために、2%まで含有してもよい。2%超ではガラスが不安定になる、またはガラスの比誘電率εが大きくなる傾向がある。好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
なお、本発明の無アルカリガラス基板1からなるガラス板を用いたディスプレイ製造時にガラス板表面に設ける金属または酸化物等の薄膜の特性劣化を生じさせないために、ガラスはPを実質的に含有しないことが好ましい。さらに、ガラスのリサイクルを容易にするため、ガラスはPbO、As、Sbは実質的に含有しないことが好ましい。
ガラスの溶解性、清澄性、成形性を改善するため、無アルカリガラス基板1にはZnO、Fe、SO、F、Cl、SnOを総量で5%以下添加できる。好ましくは総量で1%以下、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.15%以下、特に好ましくは0.1%以下ガラス内に含有できる。ZnOは実質的に含有しないことが好ましい。
(無アルカリガラス基板2(Bの含有量が3%以上4.3%未満の場合))
次に上記無アルカリガラス基板2の場合の各成分の組成範囲について説明する。
SiOは光弾性定数を小さくするために含有量は少ないほうが好ましい。しかし、63モル%(以下、単に%とする)未満では、歪点が充分に上がらず、かつ、平均熱膨張係数が高くなり、比重が上昇する傾向がある。好ましくは64%以上である。67%超では、ガラスの溶解性が低下し、ヤング率が低下し、失透温度が上昇し、光弾性定数が増加する傾向がある。好ましくは66%以下である。
Alはヤング率を上げてたわみを抑制し、かつガラスの分相性を抑制し、平均熱膨脹係数を下げ、歪点を上げ、破壊靱性値が向上してガラス強度を上げるが、12.2%未満ではこの効果があらわれにくく、また、他に平均熱膨張係数を高くする成分を相対的に増加することになるため、結果的に平均熱膨張係数が高くなる傾向がある。好ましくは12.5%以上、より好ましくは13%以上である。14%超ではガラスの溶解性が悪くなる、また、失透温度を上昇させるおそれがある。好ましくは13.5%以下である。
は、ガラスの溶解反応性をよくし、失透温度を低下させるが、無アルカリガラス基板2の組成においては4.3%超では歪点が低下し、応力が加わった場合に色ムラなどの問題が発生しやすくなるため4.3%未満とする。軽量化、低失透温度化、低粘性化の点からは3%以上とし、好ましくは3.5%以上とする。また、低光弾性化と高歪点化の点から4%以下が好ましく、3.7%以下がより好ましい。
MgOは、比重を上げずにヤング率を上げるため、比弾性率を高くすることでたわみを小さくでき、破壊靱性値が向上してガラス強度を上げる。また、アルカリ土類金属酸化物の中では平均熱膨張係数を過大には高くせず、溶解性も向上させるが、無アルカリガラス基板2の組成において7%未満では、この効果があらわれにくく、失透温度が問題になりやすくなる。好ましくは7.5%以上、より好ましくは8%以上、さらに好ましくは8.5%以上である。13%超では失透温度が高くなり、ガラスの製造時に失透が問題となりやすくなる。好ましくは12.5%以下、より好ましくは12%以下である。
CaOは、MgOに次いでアルカリ土類金属酸化物中では比弾性率を高くし、平均熱膨張係数を過大には高くせず、かつ歪点を過大には低下させないという特徴を有し、MgOと同様に溶解性も向上させ、MgOより失透温度が高くなりにくく、ガラスの製造時に失透が問題となりにくい。無アルカリガラス基板2の組成においては、高歪点、低平均熱膨張係数、低粘性の点から、好ましくは1%以上、より好ましくは2%以上、さらに好ましくは3%以上である。9%超では平均熱膨張係数が高くなり、また失透温度が高くなり、ガラスの製造時に失透が問題となりやすくなる。好ましくは8%以下、より好ましくは7.5%以下である。
の含有量が3%以上4.3%未満の場合、歪点に余裕がないためアルカリ土類金属酸化物中では歪点を低下させてしまうSrO+BaOを徐々に減量して歪点を確保する必要がある。低粘性化と低失透温度を保持することを考慮するとSrO+BaOを減量した分をMgOとCaOに振り分ける必要があるが、この際、光弾性定数を低減させるためにMgOよりはCaOに振り分ける方が効果的である。このとき、TとTを低く抑えておく必要があるため、失透温度が許す限りMgOを多く含有させたままにしておく必要がある。したがって、結果的にBの含有量が増加するに従って、SrO+BaOが減量し、CaOの含有量が増加することになる。
すなわち、高歪点、低平均熱膨張係数および低粘性を満たしつつ、光弾性定数を小さくするために、CaOの含有量を(6×B−21)%以上(6×B−14)%以下とする。
高歪点、低平均熱膨張係数の点から、CaOの含有量は、好ましくは(6×B−15)%以下、より好ましくは(6×B−16)%以下、さらに好ましくは(6×B−17)%以下である。なお、CaOの含有量は0以上である。
低光弾性定数、低粘性の点から、CaOの含有量は、好ましくは(6×B−20)%以上、より好ましくは(6×B−19)%以上、さらに好ましくは(6×B−18)%以上である。
SrOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させ、光弾性定数を低減するという特徴を有するが、BaOよりもその効果が低く、比重を大きくする効果が勝るため、多く含有しないことが好ましいため、3%以下とする。低比重、および、低平均熱膨張係数の点から、好ましくは2.5%以下、より好ましくは2%以下である。
BaOは、ガラスの失透温度を上昇させず溶解性を向上させ、光弾性定数を低減するという特徴を有するが、多く含有すると比重が大きくなり、平均熱膨張係数が高くなる傾向がある。7%超では比重が大きくなり、平均熱膨張係数が高くなるおそれがある。好ましくは6%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは4%以下、特に好ましくは3%以下である。また0%以上であり、好ましくは0.5%以上、より好ましくは1%以上、さらに好ましくは1.5%以上である。
高歪点、低平均熱膨張係数および低粘性を満たしつつ、光弾性定数を小さくするために、SrOとBaOとの合量は(−6×B+19)%以上(−6×B+28)%以下とする。
光弾性をなるべく小さくすべきとの点から、SrOとBaOとの合量を(−6×B+19)%以上とする。好ましくは(−6×B+20)%以上である。
高歪点、低膨張係数、低粘性を維持すべきとの点から、(−6×B+28)%以下とする。好ましくは(−6×B+27)%以下、より好ましくは(−6×B+26)%以下である。なお、SrOとBaOとの合量は0以上である。
MgO、CaO、SrO、BaOは合量で15%よりも少ないと、光弾性定数が大きくなり、また溶解性が低下する傾向がある。より好ましくは16%以上、さらに好ましくは17%以上である。20%よりも多いと、平均熱膨張係数を小さくできないという難点が生じるおそれがある。好ましくは19.5%以下、さらに好ましくは19%以下である。
無アルカリガラス基板2においても、無アルカリガラス基板1と同様に、NaO、KO等のアルカリ金属酸化物は、実質的に含有しない。例えば、0.1%以下である。
ZrOは、ヤング率を上げるために、ガラス溶融温度を低下させるために、または焼成時の結晶析出を促進するために、2%まで含有してもよい。2%超ではガラスが不安定になる、またはガラスの比誘電率εが大きくなる傾向がある。好ましくは1.5%以下、より好ましくは1.0%以下、さらに好ましくは0.5%以下であり、実質的に含有しないことが特に好ましい。
その他の成分、P、PbO、As、Sbについても無アルカリガラス基板1と同様に実質的に含有しないことが好ましい。
ガラスの溶解性、清澄性、成形性を改善するため、無アルカリガラス基板2にはZnO、Fe、SO、F、Cl、SnOを総量で5%以下添加できる。好ましくは、1%以下、より好ましくは0.5%以下含有できる。ZnOは実質的に含有しないことが好ましい。
<2>無アルカリガラス基板の製造
本発明の無アルカリガラス基板の製造は、たとえば、以下の手順で実施する。
各成分の原料を目標成分(上記無アルカリガラス基板1、2)になるように調合し、これを溶解炉に連続的に投入し、1500〜1800℃に加熱して溶融して溶融ガラスを得る。この溶融ガラスを成形装置にて、所定の板厚のガラスリボンに成形し、このガラスリボンを徐冷後切断することによって、無アルカリガラス基板を得ることができる。
本発明では、フロート法またはオーバーフローダウンドロー法等、特にオーバーフローダウンドロー法にてガラス基板に成形することが好ましい。なお大型のガラス基板(例えば一辺が2m以上)を安定して成形することを考慮するとフロート法が好ましい。
本発明のガラスの板厚は、好ましくは0.7mm以下、より好ましくは0.5mm以下、さらに好ましくは0.3mm以下、特に好ましくは0.1mm以下である。
<3>無アルカリガラス基板の物性
(無アルカリガラス基板1)
本発明の無アルカリガラス基板1は、歪点が685℃以上、好ましくは690℃以上、より好ましくは700℃超750℃以下である。それにより、該無アルカリガラス基板1を用いたディスプレイ製造時の熱収縮を抑えられる。より好ましくは705℃以上、さらに好ましくは710℃以上であり、特に好ましくは715℃以上、最も好ましくは720℃以上である。歪点が685℃以上、好ましくは690℃以上、より好ましくは700℃超であると、高歪点を目的とする用途(例えば、OLED用のディスプレイ用基板または照明用基板、あるいは板厚100μm以下の薄板のディスプレイ用基板または照明用基板)に適している。
但し、無アルカリガラス基板の歪点が高過ぎると、それに応じて成形装置の温度を高くする必要があり、成形装置の寿命が低下する傾向がある。このため、本発明の無アルカリガラス基板1は歪点が750℃以下であり、好ましくは745℃以下、より好ましくは740℃以下、さらに好ましくは735℃以下、特に好ましくは730℃以下、最も好ましくは725℃以下である。
また、歪点と同様の理由で、本発明の無アルカリガラス基板1は、ガラス転移点が750℃以上であることが好ましく、より好ましくは755℃以上であり、さらに好ましくは760℃以上であり、特に好ましくは765℃以上であり、より特に好ましくは770℃以上であり、最も好ましくは775℃以上である。製造設備の高熱に対する劣化抑止、トラブル回避、コスト削減の点からガラス転移点は810℃以下であることが好ましく、より好ましくは795℃以下であり、さらに好ましくは790℃以下であり、特に好ましくは785℃以下であり、最も好ましくは780℃以下である。
また、本発明の無アルカリガラス基板1は、50〜350℃での平均熱膨張係数が35×10−7〜43×10−7/℃である。それにより、耐熱衝撃性が大きく、該無アルカリガラス基板1を用いたディスプレイ製造時の生産性を高くできる。本発明の無アルカリガラス基板1において、好ましくは36×10−7/℃以上、より好ましくは37×10−7/℃以上である。耐熱衝撃性の点から、好ましくは40×10−7/℃以下、より好ましくは39×10−7/℃である。
さらに、本発明の無アルカリガラス基板1は、比重が2.80以下であり、好ましくは2.75以下である。低い光弾性定数を確保する点から比重は2.50以上であり、好ましくは2.55以上であり、より好ましくは2.60以上であり、さらに好ましくは2.65以上であり、特に好ましくは2.70以上である。
また、本発明の無アルカリガラス基板1は、比弾性率が29MNm/kg以上であることが好ましい。29MNm/kg未満では、自重たわみによる搬送トラブルや割れなどの問題が生じやすい。より好ましくは30MNm/kg以上、さらに好ましくは30.5MNm/kg以上、特に好ましくは31MNm/kg以上である。
また、本発明の無アルカリガラス基板1は、ヤング率が76GPa以上であることが好ましく、より好ましくは77GPa以上、さらに好ましくは78GPa以上、特に好ましくは79GPa以上である。諸物性を満足させるためヤング率は90GPa以下であることが好ましく、より好ましくは89GPa以下、さらに好ましくは88GPa以下、特に好ましくは87GPa以下である。
また、本発明の無アルカリガラス基板1は、光弾性定数が29nm/MPa/cm未満である。
LCD製造工程やLCD装置使用時に発生した応力によって、ディスプレイに使用されたガラス板が複屈折性を有することにより、黒の表示がグレーになり、液晶ディスプレイのコントラストが低下する現象が認められることがある。光弾性定数を29nm/MPa/cm未満とすることにより、この現象を小さく抑えることができる。より好ましくは28.5nm/MPa/cm以下、さらに好ましくは28nm/MPa/cm以下、特に好ましくは27.5nm/MPa/cm以下、最も好ましくは27nm/MPa/cm以下である。
他の物性確保の容易性を考慮すると、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上であり、好ましくは25.5nm/MPa/cm以上、より好ましくは26nm/MPa/cm以上、さらに好ましくは26.5nm/MPa/cm以上である。 なお、光弾性定数は円盤圧縮法により測定波長546nmにて測定できる。
また、本発明の無アルカリガラス基板1は、粘度ηが10ポイズ(dPa・s)となる温度Tが1710℃未満であることが好ましく、より好ましくは1700℃以下、さらに好ましくは1690℃以下、特に好ましくは1680℃以下、最も好ましくは1670℃以下である。それにより、溶解が比較的容易となる。低平均熱膨張係数、高歪点の確保の点から、Tは1600℃以上が好ましく、より好ましくは1620℃以上であり、さらに好ましくは1630℃以上、特に好ましくは1640℃以上、より特に好ましくは1650℃以上、最も好ましくは1660℃以上である。
さらに、本発明の無アルカリガラス基板1は、粘度ηが104ポイズとなる温度Tが1350℃未満であり、好ましくは1340℃以下、より好ましくは1330℃以下、さらに好ましくは1320℃以下、特に好ましくは1310℃以下である。低平均熱膨張係数、高歪点の確保の点から、Tは1250℃以上であり、好ましくは1260℃以上、より好ましくは1270℃以上、さらに好ましくは1280℃以上、特に好ましくは1290℃以上、最も好ましくは1300℃以上である。
また、本発明の無アルカリガラス基板1は、失透温度が1200℃以上1370℃未満であることが好ましい。失透温度は、諸物性を満足させるために、1220℃以上がより好ましく、さらに好ましくは1240℃以上、特に好ましくは1260℃以上、最も好ましくは1280℃以上である。また、製造設備の高熱に対する劣化抑止、トラブル回避、コスト削減の点から、より好ましくは1350℃以下、さらに好ましくは1330℃以下、特に好ましくは1310℃以下、最も好ましくは1290℃以下である。
本発明における失透温度は、白金製の皿に粉砕されたガラス粒子を入れ、一定温度に制御された電気炉中で17時間熱処理を行い、熱処理後の光学顕微鏡観察によって、ガラスの表面および内部に結晶が析出する最高温度と結晶が析出しない最低温度との平均値である。
なお、本発明の無アルカリガラス基板1は、熱処理時の収縮量が小さいことが好ましい。液晶パネル製造においては、アレイ側とカラーフィルター側では熱処理工程が異なる。そのため、特に高精細パネルにおいて、ガラスの熱収縮率が大きい場合、嵌合時にドットのずれが生じるという問題がある。なお、熱収縮率の評価は次の手順で測定できる。試料をガラス転移点+100℃の温度で10分間保持した後、毎分40℃で室温まで冷却する。ここで試料の全長(L0とする)を計測する。次に、毎時100℃で600℃まで加熱し、600℃で80分間保持し、毎時100℃で室温まで冷却し、再度試料の全長を計測し、600℃での熱処理前後における試料の収縮量(ΔLとする)を計測する。熱処理前の試料全長と収縮量の比(ΔL/L0)を熱収縮率とする。上記評価方法において、熱収縮率は好ましくは100ppm以下、より好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下さらには55ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
(無アルカリガラス基板2)
本発明の無アルカリガラス基板2は、歪点が685℃以上、好ましくは690℃以上、より好ましくは700℃超750℃以下である。それにより、該無アルカリガラス基板2を用いたディスプレイ製造時の熱収縮を抑えられる。より好ましくは705℃以上である。歪点が685℃以上、好ましくは690℃以上、より好ましくは700℃超であると、高歪点を目的とする用途(例えば、OLED用のディスプレイ用基板または照明用基板、あるいは板厚100μm以下の薄板のディスプレイ用基板または照明用基板)に適している。
但し、無アルカリガラス基板の歪点が高過ぎると、それに応じて成形装置の温度を高くする必要があり、成形装置の寿命が低下する傾向がある。このため、本発明の無アルカリガラス基板2は歪点が730℃以下であり、好ましくは720℃以下である。
また、歪点と同様の理由で、本発明の無アルカリガラス基板2は、ガラス転移点が740℃以上であることが好ましく、より好ましくは750℃以上であり、さらに好ましくは760℃以上である。製造設備の高熱に対する劣化抑止、トラブル回避、コスト削減の点からガラス転移点は790℃以下であることが好ましく、より好ましくは780℃以下である。
また、本発明の無アルカリガラス基板2は、50〜350℃での平均熱膨張係数が35×10−7〜43×10−7/℃である。それにより、耐熱衝撃性が大きく、該無アルカリガラス基板2を用いたディスプレイ製造時の生産性を高くできる。本発明の無アルカリガラス基板2において、好ましくは36×10−7/℃以上である。耐熱衝撃性の点から、好ましくは40×10−7/℃以下、より好ましくは39×10−7/℃以下である。
さらに、本発明の無アルカリガラス基板2は、比重が2.80以下であり、好ましくは2.65以下であり、より好ましくは2.60以下である。低い光弾性定数を確保する点から比重は2.50以上である。
また、本発明の無アルカリガラス基板2は、比弾性率が29MNm/kg以上であることが好ましい。29MNm/kg未満では、自重たわみによる搬送トラブルや割れなどの問題が生じやすい。より好ましくは30MNm/kg以上、さらに好ましくは30.5MNm/kg以上、特に好ましくは31MNm/kg以上である。
また、本発明の無アルカリガラス基板2は、ヤング率が76GPa以上であることが好ましく、より好ましくは78GPa以上、さらに好ましくは80GPa以上、特にさらに好ましくは82GPa以上である。諸物性を満足させるために、ヤング率は88GPa以下であることが好ましく、より好ましくは87GPa以下、さらに好ましくは86GPa以下、特に好ましくは85GPa以下である。
また、本発明の無アルカリガラス基板2は、光弾性定数が29nm/MPa/cm未満である。
LCD製造工程やLCD装置使用時に発生した応力によって、ディスプレイに使用されたガラス板が複屈折性を有することにより、黒の表示がグレーになり、液晶ディスプレイのコントラストが低下する現象が認められることがある。光弾性定数を29nm/MPa/cm未満とすることにより、この現象を小さく抑えることができる。より好ましくは28.5nm/MPa/cm以下、さらに好ましくは28nm/MPa/cm以下である。
他の物性確保の容易性を考慮すると、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上、好ましくは26nm/MPa/cm以上であり、より好ましくは26.5nm/MPa/cm以上である。
なお、光弾性定数は円盤圧縮法により測定波長546nmにて測定できる。
また、本発明の無アルカリガラス基板2は、粘度ηが102ポイズ(dPa・s)となる温度Tが1730℃以下が好ましく、より好ましくは1710℃以下、さらに好ましくは1690℃以下、特に好ましくは1670℃以下、最も好ましくは1650℃以下である。それにより、溶解が比較的容易となる。低平均熱膨張係数、高歪点の確保の点から、Tは1600℃以上が好ましく、より好ましくは1610℃以上である。
さらに、本発明の無アルカリガラス基板2は、粘度ηが104ポイズとなる温度Tが1335℃以下であり、好ましくは1330℃以下、より好ましくは1310℃以下、さらに好ましくは1290℃以下である。低平均熱膨張係数、高歪点の確保の点から、Tは1250℃以上であり、好ましくは1260℃以上である。
また、本発明の無アルカリガラス基板2は、失透温度が1200℃以上1350℃以下であることが好ましい。失透温度は、諸物性を満足させるために、1220℃以上がより好ましい。また、同様に製造設備の高熱に対する劣化抑止、トラブル回避、コスト削減の点から、より好ましくは1330℃以下、さらに好ましくは1310℃以下、特に好ましくは1290℃以下である。
本発明における失透温度は、白金製の皿に粉砕されたガラス粒子を入れ、一定温度に制御された電気炉中で17時間熱処理を行い、熱処理後の光学顕微鏡観察によって、ガラスの表面および内部に結晶が析出する最高温度と結晶が析出しない最低温度との平均値である。
なお、本発明の無アルカリガラス基板2は、熱処理時の収縮量が小さいことが好ましい。液晶パネル製造においては、アレイ側とカラーフィルター側では熱処理工程が異なる。そのため、特に高精細パネルにおいて、ガラスの熱収縮率が大きい場合、嵌合時にドットのずれが生じるという問題がある。なお、熱収縮率の評価は次の手順で測定できる。試料をガラス転移点+100℃の温度で10分間保持した後、毎分40℃で室温まで冷却する。ここで試料の全長(L0とする)を計測する。次に、毎時100℃で600℃まで加熱し、600℃で80分間保持し、毎時100℃で室温まで冷却し、再度試料の全長を計測し、600℃での熱処理前後における試料の収縮量(ΔLとする)を計測する。熱処理前の試料全長と収縮量の比(ΔL/L0)を熱収縮率とする。上記評価方法において、熱収縮率は好ましくは100ppm以下、より好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下さらには55ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。
(実施例:例1〜8、19、20(無アルカリガラス基板1)、例9〜12、21〜27(無アルカリガラス基板2)、比較例:例13〜18)
以下、実施例および製造例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例および製造例に限定されない。
各成分の原料を、表1および表2に示す目標組成になるように調合し、白金坩堝を用いて1600℃の温度で1時間溶解した。溶解後、カーボン板上に流し出し、ガラス転移点+30℃にて1時間保持後、1℃/分で冷却を行い、徐冷した。得られたガラスを鏡面研磨し、ガラス板を得て、下記の各種評価を行う。
こうして得られた各例のガラス基板について、50〜350℃における平均熱膨張係数(単位:×10−7/℃)、歪点、ガラス転移点(Tg)(単位:℃)、比重、ヤング率、T、T、失透温度、光弾性定数(測定波長546nm)、及び熱収縮量を表1、2に示す。表中、カッコ内の物性値は計算値である。
Figure 0006187475
Figure 0006187475
例13のガラス基板はCaOの含有量、および、SrOとBaOとの合量が上記無アルカリガラス基板1、2のどちらにも該当せず、結果として光弾性定数が高い。例14のガラス基板は、SrOとBaOとの合量が上記無アルカリガラス基板1、2のどちらにも該当せず、結果として光弾性定数が高い。
例15のガラス基板はSiO、MgO、SrOが上記無アルカリガラス基板2に該当せず、結果として光弾性定数とT、Tが悪い。例16のガラス基板はSiOが上記無アルカリガラス基板2に該当せず、結果として光弾性定数とT、Tが悪い。例17のガラス基板は、MgO、CaOが上記無アルカリガラス基板2に該当せず、結果として光弾性定数が悪い。例18のガラス基板は、SrOとBaOとの合量が上記無アルカリガラス基板1、2のどちらにも該当せず、結果として粘度が高い。
本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本出願は、2012年12月5日出願の日本特許出願2012−266106に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明により、歪点が高く、低比重、低光弾性定数であり、かつ応力が加わっても色ムラ等の問題が発生しにくい無アルカリガラス基板を提供できる。

Claims (8)

  1. 歪点が685℃以上750℃以下、50〜350℃での平均熱膨張係数が35×10−7〜43×10−7/℃、比重が2.50〜2.80、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上29nm/MPa/cm未満、粘度が10dPa・sとなる温度(T)が1250℃以上1350℃未満であり、
    酸化物基準のモル百分率表示で、
    SiOを63〜68%、
    Alを12.2%以上14%以下、
    を0.5%以上3%未満、
    MgOを6.5〜13%、
    CaOを0〜4%、
    SrOを0〜9%、
    BaOを0〜10%、それぞれ含み、かつ、
    MgO+CaO+SrO+BaOが15〜20%、
    SrO+BaOが4〜10%である無アルカリガラス基板。
  2. ガラス転移点温度が750〜810℃である請求項1に記載の無アルカリガラス基板。
  3. 失透温度が1200℃以上1370℃未満であり、
    粘度が10dPa・sとなる温度(T)が1600℃以上1710℃未満である請求項1又は2に記載の無アルカリガラス基板。
  4. ヤング率が76〜90GPaである請求項1〜3のいずれか一項に記載の無アルカリガラス基板。
  5. 歪点が685℃以上750℃以下、50〜350℃での平均熱膨張係数が35×10−7〜43×10−7/℃、比重が2.50〜2.80、光弾性定数が25nm/MPa/cm以上29nm/MPa/cm未満、粘度が10dPa・sとなる温度(T)が1250℃以上1335℃以下であり、酸化物基準のモル百分率表示で、
    SiOを63〜67%、
    Alを12.2%以上14%以下、
    を3%以上4.3%未満、
    MgOを7〜13%、
    CaOを0〜9%、
    SrOを0〜3%、
    BaOを0〜7%、それぞれ含み、かつ、
    MgO+CaO+SrO+BaOが15〜20%、
    CaOが(6×B−21)〜(6×B−14)%、
    SrO+BaOが(−6×B+19)〜(−6×B+28)%である無アルカリガラス基板。
  6. ガラス転移点温度が740〜790℃である請求項5に記載の無アルカリガラス基板。
  7. 失透温度が1200℃以上1350℃未満であり、
    粘度が10dPa・sとなる温度(T)が1600〜1730℃である請求項5又は6に記載の無アルカリガラス基板。
  8. ヤング率が76〜88GPaである請求項5〜7のいずれか一項に記載の無アルカリガラス基板。
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