JP2017182179A - 制御システム - Google Patents

制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP2017182179A
JP2017182179A JP2016064148A JP2016064148A JP2017182179A JP 2017182179 A JP2017182179 A JP 2017182179A JP 2016064148 A JP2016064148 A JP 2016064148A JP 2016064148 A JP2016064148 A JP 2016064148A JP 2017182179 A JP2017182179 A JP 2017182179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
control
input
output
feedback loop
vibration mode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016064148A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6708925B2 (ja
Inventor
陽二 増井
Yoji Masui
陽二 増井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sinfonia Technology Co Ltd
Original Assignee
Sinfonia Technology Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sinfonia Technology Co Ltd filed Critical Sinfonia Technology Co Ltd
Priority to JP2016064148A priority Critical patent/JP6708925B2/ja
Publication of JP2017182179A publication Critical patent/JP2017182179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6708925B2 publication Critical patent/JP6708925B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Feedback Control In General (AREA)

Abstract

【課題】2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定に誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たな制御システムを実現する。【解決手段】制御対象1の出力を負帰還させるフィードバックループ6と、制御対象1をモデル化した際の入出力特性P^の逆特性1/P^を一部に有するフィードフォワード制御部4とを備え、この2自由度制御系の制御システムにおいて、制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、この内フィードバックループ5中に、制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、その振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより共振抑制制御装置Bを構成して、この共振抑制制御装置Bを含んだ新たな制御対象1dをモデル化した際の入出力特性Pd^の逆特性1/Pd^をフィードフォワード制御部4の逆特性とした。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の試験装置やサーボモータを始め、サーボ機器全般に適用される制御システムに関するものである。
サーボ機器の制御システムとして、フィードバック制御部とフィードフォワード制御部を備えた2自由度制御系のものが知られている(例えば特許文献1)。
この種の制御系システムは図8のように構成される。制御対象1は、例えば電動機によって駆動される機械装置である。この制御対象1の出力y(例えば機械系の検出位置)はフィードバックループ6を介して負帰還される。このフィードバック値と、前置補償器2が入力r(例えば位置指令)に基づいて生成する応答目標値との差分がフィードバック制御部3を介してフィードバック指令とされる。また、入力r(位置指令)からは、フィードフォワード制御部4を通じて制御系全体の目標特性が生成され、このフィードフォワード指令と前記フィードバック指令とが加算器aで加算されて制御対象1への指令となる。
制御対象1の伝達関数をP、そのモデルの伝達関数をP^、前置補償器2の目標特性をFとすると、フィードフォワード制御器4の伝達関数は、F/P^で与えられる。フィードバック制御部3の伝達関数はKである。
特開2008−310651号公報
ところで、このような2自由度制御系の場合は、制御対象の同定誤差がより大きく効いてくる。
例えば、フィードフォワード制御に利用される制御対象に関し、それが図9に示す3質点系であった場合、入出力特性は次の式で表わされる。
Figure 2017182179
つぎに実験結果からパラメータを求めるシステム同定の概要について説明する。入出力の周波数特性を測定した結果が図10の測定値の線であったとする。システム同定とは、システムPの実際の周波数特性から、同システムPを推定した数式P^を求める作業のことである。この数式P^による周波数特性が図10の推定値の線である。図11に拡大図を示すが、P≒P^であり誤差を有するものの、システム同定としては十分な同定結果を示している。
しかしながら、かかる同定誤差は、図8に示したフィードフォワード制御の一つである2自由度制御系に適用したときに問題となる。2自由度制御系を用いた制御システム全体の入出力y/rの周波数特性を図12に、その拡大したグラフを図13に示す。2自由度制御系において、P=P^のとき即ち測定値と推定値が一致したときの入出力特性を示す線と、PとP^に誤差があるときの入出力特性を示す線とを比較すると、周波数特性に誤差がある範囲でゲインの落ち込みを確認できる。つまり、システム同定の誤差に起因して、制御システム全体の周波数特性が目標の周波数特性からより大きく上下することが解析より明らかとなった。
本発明は、以上のような課題に着目し、2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定に誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たなモデル化誤差抑制対策を施した制御システムを実現することを目的としている。
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
すなわち、本発明の制御システムは、2以上の振動モードを有する制御対象の出力を負帰還させるフィードバックループと、前記制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を一部に有するフィードフォワード制御部とを備え、これらフィードバックループ及びフィードフォワード制御部を通じて前記制御対象への入力を生成する2自由度制御系の制御システムにおいて、前記制御対象の出力側と入力側を内フィードバックループで接続し、この内フィードバックループ中に、前記制御対象の一部の振動モードを抽出するフィルタと、当該振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部とを設けることにより共振抑制制御装置を構成して、この共振抑制制御装置を含んだ新たな制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を前記フィードフォワード制御部の逆特性としたことを特徴とする。
前述のように、制御対象をモデル化した際の誤差は、フィードフォワード制御にも影響するため、制御システム全体の入出力特性が目標の周波数特性から上下により大きくずれる。その原因は、二次遅れ系の減衰比が低い値のときほどモデル化誤差に起因してシステム全体の入出力特性のゲイン変動が大きくなることにある。
一方、前記制御対象に対しフィルタ及び減衰比調整部を有する内フィードバックループを形成して共振抑制制御装置を構成し、減衰比を大きくすると、ゲイン変動が抑えられるため、モデル化誤差があってもシステム全体の入出力特性に及ぼす影響を低減することができる。
具体的な適用対象としては、制御システムが、入力から目標応答特性に基づいて目標値を生成する前置補償器と、この前置補償器の目標値と制御対象の出力部から前記フィードバックループを介して負帰還させた出力値との差分に基づいてフィードバック指令を生成するフィードバック制御部とを備え、前記フィードフォワード制御部が制御対象をモデル化した際の逆特性と前置補償器の目標応答特性とに基づいてフィードフォワード指令を生成し、このフィードフォワード指令を前記フィードバック指令に加算して制御対象への指令となしているものが好適である。
簡単な手法によって、抽出する振動モード以外の振動モードを的確に取り除くためには、前記フィルタが、抽出する振動モード以外の振動モードに係る伝達関数の逆関数を用いて構成されていることが望ましい。
複数の振動モードに対して、各々適切な共振抑制制御を行うためには、前記入力部と前記出力部の間に、抽出する振動モードごとに前記内フィードバックループを並列的に設けていることが有効となる。
この場合、個々の振動モードのゲインが不明な場合には、複数の振動モードの総ゲインを各振動モードのゲインとしたときの逆関数を用いて各振動モードの内フィードバックループ中のフィルタを構成することが好適である。
以上説明した本発明によれば、2以上の共振モードを有する制御対象のシステム同定に誤差があっても、2自由度制御の制御システム全体の入出力特性に大きな影響がでないようにした、新たなモデル化誤差抑制対策を施した制御システムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る制御システムを示すブロック線図。 2次遅れ標準系におけるζと周波数特性の関係を示すグラフ。 同システムで用いる共振抑制制御装置を示すブロック線図。 一般的なフィードフォワード制御系の制御システムに対して、本装置を適用しない場合、本装置を適用した場合であって誤差がある場合と無い場合について、それぞれの入出力周波数特性を比較したグラフ。 図4の部分拡大図。 フィードフォワード制御の一つである2自由度制御系の制御システムに対して、本装置を適用しない場合、本装置を適用した場合であって誤差がある場合と無い場合について、それぞれの入出力周波数特性を比較したグラフ。 図6の部分拡大図。 フィードフォワード制御の一つである2自由度制御系の一般的な制御システムを示すブロック線図。 3質点系のモデルを示す図。 同モデルの周波数特性を測定値と推定値で対比して示すグラフ。 図10の部分拡大図。 図8の制御システムに対して、測定値と推定値が一致する場合、測定値と推定値が異なる場合について、それぞれの入出力周波数特性を示すグラフ。 図3の部分拡大図。
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
図1は図8と同様、2自由度制御系のシステム構成である。制御対象1は、例えば電動機によって駆動される機械装置である。この制御対象1の出力y(例えば機械系の検出位置)はフィードバックループ6を介して負帰還される。このフィードバック値と、前置補償器2が入力r(例えば位置指令)に基づいて生成する応答目標値との差分がフィードバック制御部3を介してフィードバック指令とされる。また、入力r(位置指令)からは、フィードフォワード制御部4を通じて制御系全体の目標特性が生成され、このフィードフォワード指令と前記フィードバック指令とが加算器aで加算されて制御対象1への指令となる。
制御対象1の伝達関数をP、そのモデルの伝達関数をP^、前置補償器2の目標特性をFとすると、フィードフォワード制御器4の伝達関数は、F/P^で与えられる。フィードバック制御部3の伝達関数はKである。
このような構成において、本実施形態はさらに、前記制御対象1に共振抑制制御装置Bを組み込んでいる。
この共振抑制制御装置Bは、前記制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、その内フィードバックループ5中に、前記制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、当該振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより構成されている。そして、この共振抑制制御装置Bによって図8の制御対象1(入出力特性P)は図1の制御対象1d(入出力特性Pd)となる。また、2自由度制御系に用いる図8の制御対象1の推定モデル入出力特性P^に対して、共振抑制制御装置Bを適用した図1の制御対象1dの推定モデル入出力特性をP^とする。
このような制御対象1dとすることで、共振抑制制御装置Bを用いないときの図8のモデル化誤差と、共振抑制制御装置Bを用いたときの図1のモデル化誤差は、
Figure 2017182179
とすることができる。これは減衰比ζをモデル化誤差が表れにくい領域に変更することにより可能となるものであり、以下に具体的に説明する。
先ず、図2に減衰比ζの違いによる二次遅れ標準形の周波数特性の違いを示す。図2(a)のようにζが0.05〜0.15と低い値のとき、ζが微小に変動すると周波数特性の変動は大きく表れる。かたや、図2(b)のようにζが0.65〜0.75と大きい値になると、ζが微小に変動しても周波数特性はほとんど変動しない。
これを、図8の制御対象1と図1の制御対象1dを比較しつつ説明する。先ず制御対象1、1dの入出力特性P、Pdに関して、
Figure 2017182179
とし、また、制御対象1、1dの推定モデル入出力特性P^、Pd^に関して、
Figure 2017182179
とする。
そして、ω=250としたときのゲインを表1に示す。因みに、減衰比はζ=0.08(真値)に対してζ^=0.1(推定値)の誤差があり、共振抑制制御装置Bを組み込んだ状態での減衰比の計算は、ζ=0.7175(真値)に対してζ^=0.725(推定値)の誤差がある。
これによる実際の入出力特性P、P^、Pd、Pd^の計算結果を表1に示す。
Figure 2017182179
この表より、
|P−P^|=2.37dB
|Pd−Pd^|=0.27dB
となって、(2)式が成立していることがわかる。このように、減衰比(減衰係数)が大きくなることで、入出力特性はモデル化誤差(減衰比ζの誤差)の影響を受け難くなることがわかる。
次に、3質点系に適用する場合の振動抑制制御装置Bの具体的な構成例を示す。
<実施例1>
1次、2次の振動モードの各々についてゲインK、Kを求めることができる場合、両振動モードの共振を抑える共振抑制制御装置Bのブロック線図を図3に示す。図示の内フィードバックループ5x、5yはそれぞれ微分フィードバック系であり、各ループ5x、5yにおける減衰比調整部51は微分要素sと微分係数KD1(KD2)によって構成され、一部の振動モードを抽出するフィルタ52(Fd1、Fd2)を各内フィードバックループ5x、5yにそれぞれ設けている。但し、
Figure 2017182179
である。この場合、Fd1は単純なPの逆関数であるが、Fd2については逆関数Pの振動抑制を適用した後の伝達関数を考慮して設計しているため、単純なPの逆関数ではないが、Pの逆関数を用いていることに変わりはない。
これにより、入出力特性は、
Figure 2017182179
これにより、それぞれの振動モードに対して、KD1やKD2によって減衰比を調整することができる。
このような調整を行った制御対象PまたはPdの周波数特性を図4に示す。本実施形態適用なしとは図8の構成を指し、本実施形態(誤差なし)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時に理想的であるPdを用いたもの(つまりモデル化誤差がなくPd=Pd^の場合)、本実施形態(誤差あり)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時にP^を用いたもの(つまりモデル化誤差を含みPd≒Pd^の場合)である。図4に見られるように、本実施形態適用なしに比べて、本実施形態を適用した場合は周波数特性が改善し、モデル化誤差の有無に拘らずほぼ周波数特性が一致している。この部分拡大図である図5を見ても明らかである。
共振抑制制御Bを用いることで、誤差ありと誤差なしの線が図10、図11に比べて一致しており、(2)式が奏効していることを確認できる。さらに、2自由度制御系を適用したシステム全体の入出力周波数特性(y/r)を図6に、その拡大図を図7に示す。ここでも、本実施形態適用なしとは図8の構成を指し、本実施形態(誤差なし)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時に理想的であるPdを用いたもの(つまりモデル化誤差がない場合のPd)、本実施形態(誤差あり)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時に理想的であるPdを用いたもの(つまりモデル化誤差がなくPd=Pd^の場合)、本実施形態(誤差あり)とは共振抑制制御装置Bを用いた図1の構成において共振抑制の制御設計時にP^を用いたもの(つまりモデル化誤差を含みPd≒Pd^の場合)である。従来の2自由度制御系の入出力特性を示した図12、図13よりも周波数特性の変動を抑えられている。
<実施例2>
次に、2次の振動モードの共振を抑える共振抑制制御装置Bを構築するにあたり、各振動モードのゲインK、Kを求めることができない場合について説明する。
先に示した数式(5a)〜(5e)、(6)は各振動モードのゲインを個別に求めることができる前提である。しかし、実験機の周波数特性から各振動モードのゲインを個別に切り分けて求めることが難しい場合がある。そこでPをP=KPと考える。Kは先で示すところのK=Kで、まとめて求められるゲインである。このときのFの簡易設計を示す。図3のブロック線図において、
Figure 2017182179
とすると、入出力特性は下記のようになる。
Figure 2017182179
これにより、それぞれの振動モードに対して、KD1やKD2によって減衰比を調整することが可能となる。
<実施例3>
さらに、複数の振動モードのうちの1つに起因して同定誤差による影響が大きく現われている場合には、その1つの振動モードの共振抑制を図ることでも効果が得られる。
例えば、図1において制御対象P=Pに対し、Pで生じる1次モードの振動を抑えたい場合、P・F=Pとなるように、Fを制御対象Pで生じる2次モードの振動の逆関数として、
Figure 2017182179
のフィルタを用いる。このフィルタFを用いることで、減衰比調整部51に入力される帰還値はP・P/P=PとなってPのみが抽出された形になり、入出力部間の周波数特性は、
Figure 2017182179
となる。これを見ると、1次の振動モードの周波数特性を表わす有理関数と2の次振動モードの周波数特性を表わす有理関数との積の形に分離され、1次振動モードのみに減衰係数ζの調整項が入っている。
つまり、フィルタFによって共振を抑制したい1次の振動モード以外の振動モード(2次の振動モード)を除去したうえで減衰比調整部51の微分器を通過することで、複数の振動モードが存在するプラントP(=P)に対しても、フィルタFによって所定の共振モード(1次モード)のみを抽出し、当該1次モードの振動に係る減衰比を係数Kを通じ調整することで、当該1次モードの振動に対し一般的な微分フィードバックによって共振抑制の効果を得ることができる。
<実施例4>
なお、上述した複数の振動モードに対してそれぞれ共振抑制を図る際、各振動モードのゲインがわかっているときも、各振動モードのゲインがわからないときも、それぞれ次のように簡易設計して共振抑制の効果を得ることができる。
Figure 2017182179
以上のように、本実施形態の制御システムは、2以上の振動モードを有する制御対象1の出力を負帰還させるフィードバックループ6と、制御対象1をモデル化した際の入出力特性P^の逆特性1/P^を一部に有するフィードフォワード制御部4とを備え、これらフィードバックループ6及びフィードフォワード制御部4を通じて制御対象1への入力を生成する2自由度制御系の制御システムにおいて、制御対象1の出力側と入力側を内フィードバックループ5で接続し、この内フィードバックループ5中に、制御対象1の一部の振動モードを抽出するフィルタ52と、その振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部51とを設けることにより共振抑制制御装置Bを構成して、この共振抑制制御装置Bを含んだ新たな制御対象1dをモデル化した際の入出力特性Pd^の逆特性1/Pd^をフィードフォワード制御部4の逆特性としたものである。
制御対象1をモデル化した際の減衰比ζの誤差は、フィードフォワード制御にも影響するため、制御システム全体の入出力特性が目標の周波数特性から上下により大きくずれ易い。その原因は、二次遅れ系の減衰比が低い値のときほどモデル化誤差に起因してシステム全体の入出力特性のゲイン変動が大きくなることに起因している。
これに対し、制御対象1に対しフィルタ52及び減衰比調整部51を有する内フィードバックループ5を形成して共振抑制制御装置Bを構成し、減衰比を大きくすると、減衰比ζに誤差があってもゲイン変動が抑えられるため、モデル化誤差がシステム全体の入出力特性に及ぼす影響を低減することができる。
具体的には、制御システムが、入力から目標応答特性に基づいて目標値を生成する前置補償器2と、この前置補償器2の目標値と制御対象1dの出力部から前記フィードバックループ5を介して負帰還させた出力値との差分に基づいてフィードバック指令を生成するフィードバック制御部3とを備え、フィードフォワード制御部4が制御対象1dをモデル化した際の逆特性と前置補償器2の目標応答特性とに基づいてフィードフォワード指令を生成し、このフィードフォワード指令を加算器aにおいてフィードバック指令に加算して制御対象1dへの指令となすものであり、前置補償器2の目標応答特性を忠実に再現でき、フィードバック制御部3における外乱設計も的確に反映させることのできるシステムを構築することができる。
特に、フィルタ52の特性Fdが、抽出する振動モード(例えば1次振動モード)以外の振動モード(例えば2次振動モード)に係る伝達関数の逆関数を用いて構成されているので、簡単な手法で、抽出する振動モード以外の振動モードを的確に取り除くことができる。
さらに、入力部と前記出力部の間を、抽出する振動モードごとに内フィードバックループ5x、5yで並列的に接続した構成によれば、複数の振動モードに対して、各々適切な共振抑制制御を行うことが可能となる。
特に、複数の振動モードからなる制御対象Pの総ゲインKを各振動モードのゲインKとしたときの逆関数を用いて各振動モードの内フィードバックループ中のフィルタを構成すれば、各振動モードのゲインK、Kが明確でないときにも、共振抑制制御装置Bを簡易設計することができる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は上述した実施形態のみに限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では機械系が直線系の多質点系である場合について説明したが、回転系の多質点系についても同様に適用することができる。
また、減衰係数調整部は、微分要素(=Ks)でなく、(12)式
Figure 2017182179
とローパスフィルタと組み合わせてもよい。
さらにまた、フィルタFの数式がノンプロパの場合は、以下のようにプロパにするための補助関数Fを用いてもよい。例えば、Pの逆関数に補助関数を乗じて、
Figure 2017182179
とすることができる。この場合、入出力関係は、
Figure 2017182179
となる。FのωがPに対して十分に高い周波数であれば、
Figure 2017182179
とできる。そして、このように、フィルタを、前記逆関数に補助関数を用いることでプロパな関数にできる。
その他の構成も、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。例えば、フィルタ52においてFd=1とし、実質的に減衰係数調整部51を有する内フィードバックループ(微分フィードバックループ)5のみとしても、本発明の準じた効果を期待することができる。
1…制御対象
1d…新たな制御対象
2…前置補償器
3…フィードバック制御部
4…フィードフォワード制御部
5(5x、5y)…内フィードバックループ
6…フィードバックループ
51…減衰比調整部
52…フィルタ
P、Pd…入出力特性(真値)
P^、Pd^…入出力特性(推定値)

Claims (5)

  1. 2以上の振動モードを有する制御対象の出力を負帰還させるフィードバックループと、
    前記制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を一部に有するフィードフォワード制御部とを備え、
    これらフィードバックループ及びフィードフォワード制御部を通じて前記制御対象への入力を生成する2自由度制御系の制御システムにおいて、
    前記制御対象の出力側と入力側を内フィードバックループで接続し、この内フィードバックループ中に、前記制御対象の一部の振動モードを抽出するフィルタと、当該振動モードの減衰比を調整する減衰比調整部とを設けることにより共振抑制制御装置を構成して、この共振抑制制御装置を含んだ新たな制御対象をモデル化した際の入出力特性の逆特性を前記フィードフォワード制御部の逆特性としたことを特徴とする制御システム。
  2. 制御システムが、入力から目標応答特性に基づいて目標値を生成する前置補償器と、この前置補償器の目標値と制御対象の出力部から前記フィードバックループを介して負帰還させた出力値との差分に基づいてフィードバック指令を生成するフィードバック制御部とを備え、前記フィードフォワード制御部が制御対象をモデル化した際の逆特性と前置補償器の目標応答特性とに基づいてフィードフォワード指令を生成し、このフィードフォワード指令を前記フィードバック指令に加算して制御対象への指令となす請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記フィルタが、抽出する振動モード以外の振動モードに係る伝達関数の逆関数を用いて構成されている請求項1に記載の共振抑制制御装置。
  4. 前記入力部と前記出力部の間を、抽出する振動モードごとに前記内フィードバックループで並列的に接続している請求項1〜3の何れかに記載の共振抑制制御装置。
  5. 複数の振動モードからなる制御対象の総ゲインを各振動モードのゲインとしたときの各々の伝達関数の逆関数を用いて各振動モードの内フィードバックループ中のフィルタを構成している請求項4に記載の共振抑制制御装置。


JP2016064148A 2016-03-28 2016-03-28 制御システム Active JP6708925B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016064148A JP6708925B2 (ja) 2016-03-28 2016-03-28 制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016064148A JP6708925B2 (ja) 2016-03-28 2016-03-28 制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017182179A true JP2017182179A (ja) 2017-10-05
JP6708925B2 JP6708925B2 (ja) 2020-06-10

Family

ID=60007327

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016064148A Active JP6708925B2 (ja) 2016-03-28 2016-03-28 制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6708925B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019095904A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 シンフォニアテクノロジー株式会社 無駄時間補償装置及びそれを備えた共振抑制制御装置
JP2019095903A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 シンフォニアテクノロジー株式会社 無駄時間補償装置及びそれを備えた共振抑制制御装置
CN113935147A (zh) * 2021-08-31 2022-01-14 海宁集成电路与先进制造研究院 含反馈子系统的时域模型计算方法、装置及终端设备

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019095904A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 シンフォニアテクノロジー株式会社 無駄時間補償装置及びそれを備えた共振抑制制御装置
JP2019095903A (ja) * 2017-11-20 2019-06-20 シンフォニアテクノロジー株式会社 無駄時間補償装置及びそれを備えた共振抑制制御装置
JP7032635B2 (ja) 2017-11-20 2022-03-09 シンフォニアテクノロジー株式会社 無駄時間補償装置及びそれを備えた共振抑制制御装置
JP7032636B2 (ja) 2017-11-20 2022-03-09 シンフォニアテクノロジー株式会社 無駄時間補償装置及びそれを備えた共振抑制制御装置
CN113935147A (zh) * 2021-08-31 2022-01-14 海宁集成电路与先进制造研究院 含反馈子系统的时域模型计算方法、装置及终端设备

Also Published As

Publication number Publication date
JP6708925B2 (ja) 2020-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5899547B2 (ja) 電動機の制御装置
KR101478450B1 (ko) 다변수 비선형 시스템의 제어를 위한 pid 가변 이득설계 방법
Wang et al. Experimental comparisons between implicit and explicit implementations of discrete-time sliding mode controllers: Towards chattering suppression in output and input signals
DE102012020271A1 (de) Anordnung und Verfahren zur Steuerung von Wandlern
JP2015076024A (ja) プラント制御装置の制御ゲイン最適化システム
Michałek Robust trajectory following without availability of the reference time-derivatives in the control scheme with active disturbance rejection
CN105652662B (zh) 一种窄带自适应滤波的压电结构振动主动控制方法
JP4973665B2 (ja) 電動機制御装置と出力フィルタ調整方法および出力フィルタ調整装置
JP2009245419A (ja) システム制御装置及びシステム制御方法
Silva et al. On the stability and controller robustness of some popular PID tuning rules
US20160124417A1 (en) Automatic gain adjustment support device
JP2017182179A (ja) 制御システム
CN110968118A (zh) 一种六自由度调整转台的控制方法
JP6281751B2 (ja) 位置制御システム
JP6813770B2 (ja) 共振抑制制御装置及びこれを利用した制御システム
JP2011172317A (ja) モータ制御装置
JP2017077077A (ja) シミュレータ、シミュレーションシステム、シミュレーション方法、および、プログラム
JP2018521373A5 (ja)
Laskawski et al. Sampling rate impact on the tuning of PID controller parameters
JP5585381B2 (ja) オートチューニング装置及びオートチューニング方法
Bošković et al. Novel tuning rules for PIDC controllers in automatic voltage regulation systems under constraints on robustness and sensitivity to measurement noise
Besançon-Voda Iterative auto-calibration of digital controllers: Methodology and applications
Gan et al. Multiple‐model adaptive robust dynamic surface control with estimator resetting
Doğruer et al. PID controller design for a fractional order system using bode’s ideal transfer function
JP2005223960A (ja) 電動機の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190212

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191227

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200306

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200421

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200504

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6708925

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250