JP2017181873A - 静電潜像現像用トナー - Google Patents
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Description
静電潜像現像用トナーが、トナーコアとシェル層とを備えるトナー粒子を複数含む。トナーコアは、結着樹脂及び脂肪酸エステルを含有する。シェル層は、トナーコアの表面を部分的に覆っている。トナー粒子の表層部に存在する成分を、下記のような抽出法で抽出して固形物として得た場合に、得られる固形物は、炭素数12以上22以下の直鎖カルボン酸及び/又はその誘導体を含有し、得られる固形物の量は、濾液1gあたり0.60mg以下である。上記抽出法では、濃度5.6質量%アンモニア水溶液25mLとエタノール0.5mLとの混合液中にトナー5gを分散させることによりトナー分散液を得て、得られたトナー分散液を、攪拌羽根を備えた容量100mLのビーカーに入れて、ビーカーを温度30℃のウォーターバスに入れた状態で、攪拌羽根を用いてビーカー内のトナー分散液を回転速度60rpmで2分間攪拌した後、ビーカーを温度65℃のウォーターバスに移して、攪拌羽根を用いてビーカー内のトナー分散液を回転速度60rpmでさらに3分間攪拌し、ウォーターバスからビーカーを取り出して、温度25℃の室温環境でトナー分散液を25℃まで冷却し、温度25℃のトナー分散液を濾過して濾液を得て、得られた濾液中の溶媒を留去して固形物(以下、抽出固形物と記載する)を得る。以下、こうした抽出法を、特定抽出法と記載する。また、炭素数12以上22以下の直鎖カルボン酸及びその誘導体を包括的に「特定カルボン酸化合物」と総称する場合がある。カルボン酸の誘導体の例としては、カルボン酸の、無水物、エステル、アンモニウム塩、又はアミドが挙げられる。
シェル層が、樹脂膜と、それぞれ樹脂膜よりも強い帯電性を有する複数の樹脂粒子とを含む。樹脂膜は、樹脂粒子よりも強い疎水性を有する。
熱可塑性樹脂の好適な例としては、スチレン系樹脂、アクリル酸系樹脂(より具体的には、アクリル酸エステル重合体又はメタクリル酸エステル重合体等)、オレフィン系樹脂(より具体的には、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等)、塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール、ビニルエーテル樹脂、N−ビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、又はウレタン樹脂が挙げられる。また、これら各樹脂の共重合体、すなわち上記樹脂中に任意の繰返し単位が導入された共重合体(より具体的には、スチレン−アクリル酸系樹脂又はスチレン−ブタジエン系樹脂等)を使用してもよい。
トナーコアは、結着樹脂及び離型剤(脂肪酸エステル)を含有する。また、トナーコアは、離型剤以外の内添剤(例えば、着色剤、電荷制御剤、及び磁性粉)を含有してもよい。
トナーコアでは、一般的に、成分の大部分(例えば、85質量%以上)を結着樹脂が占める。このため、結着樹脂の性質がトナーコア全体の性質に大きな影響を与えると考えられる。結着樹脂として複数種の樹脂を組み合わせて使用することで、結着樹脂の性質(より具体的には、水酸基価、酸価、Tg、又はTm等)を調整することができる。結着樹脂がエステル基、水酸基、エーテル基、酸基、又はメチル基を有する場合には、トナーコアはアニオン性になる傾向が強くなり、結着樹脂がアミノ基又はアミド基を有する場合には、トナーコアはカチオン性になる傾向が強くなる。トナーコアとシェル層との反応性を高めるためには、結着樹脂の水酸基価及び酸価の少なくとも一方が10mgKOH/g以上であることが好ましい。
トナーコアは、着色剤を含有してもよい。着色剤としては、トナーの色に合わせて公知の顔料又は染料を用いることができる。着色剤の量は、結着樹脂100質量部に対して1質量部以上20質量部以下であることが好ましい。
トナーコアは、離型剤として脂肪酸エステルを含有する。離型剤は、例えば、トナーの定着性又は耐オフセット性を向上させる目的で使用される。離型剤の好適な例としては、ドコサン酸ドコシル(化学式:C21H43C(=O)O−C22H45、カルボン酸の炭素数:22、アルキル基の炭素数:22);ドコサン酸ドコシルとドデカン酸(炭素数12)との混合物;ドコサン酸ドコシルとテトラデカン酸(炭素数14)との混合物;ドコサン酸ドコシルとヘキサデカン酸(炭素数16)との混合物;ドコサン酸ドコシルとオクタデカン酸(炭素数18)との混合物;ドコサン酸ドコシルとエイコサン酸(炭素数20)との混合物;ドコサン酸ドコシルとドコサン酸(炭素数22)との混合物が挙げられる。1種類の離型剤を単独で使用してもよいし、複数種の離型剤を併用してもよい。
トナーコアは、電荷制御剤を含有してもよい。電荷制御剤は、例えば、トナーの帯電安定性又は帯電立ち上がり特性を向上させる目的で使用される。トナーの帯電立ち上がり特性は、短時間で所定の帯電レベルにトナーを帯電可能か否かの指標になる。
トナーコアは、磁性粉を含有してもよい。磁性粉の材料としては、例えば、強磁性金属(より具体的には、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれら金属の1種以上を含む合金等)、強磁性金属酸化物(より具体的には、フェライト、マグネタイト、又は二酸化クロム等)、又は強磁性化処理が施された材料(より具体的には、熱処理により強磁性が付与された炭素材料等)を好適に使用できる。1種類の磁性粉を単独で使用してもよいし、複数種の磁性粉を併用してもよい。また、磁性粉からの金属イオン(例えば、鉄イオン)の溶出を抑制するためには、磁性粉を表面処理することが好ましい。
前述の「好適なシェル構成」を有するトナーでは、シェル層が、樹脂膜と、複数の樹脂粒子とを含む。複数の樹脂粒子はそれぞれ、樹脂膜よりも強い帯電性を有する。また、樹脂膜の疎水性は、それら樹脂粒子の各々の疎水性よりも強い。
シェル層中の樹脂膜を構成する樹脂としては、熱可塑性樹脂(より具体的には、前述の「好適な熱可塑性樹脂」等)が好ましく、1種以上のスチレン系モノマーと1種以上のアクリル酸系モノマーとの共重合体が特に好ましい。スチレン−アクリル酸系樹脂は、ポリエステル樹脂と比べて、疎水性が強い傾向がある。樹脂膜を構成する樹脂の好適な例としては、スチレンと(メタ)アクリル酸ブチルとの共重合体;スチレンと(メタ)アクリル酸ブチルと(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとの共重合体;スチレンと(メタ)アクリル酸ブチルとアクリロニトリルとの共重合体が挙げられる。
シェル層中の樹脂粒子を構成する樹脂としては、樹脂に帯電性を付与するための繰返し単位(例えば、窒素含有ビニル化合物に由来する繰返し単位、又はスルホ基(−SO3H)もしくはその塩を有する繰返し単位)を組み込んだ熱可塑性樹脂(より具体的には、前述の「好適な熱可塑性樹脂」等)が好ましい。以下、樹脂に帯電性を付与するための繰返し単位を、帯電性単位と記載する。
トナー母粒子の表面に外添剤を付着させてもよい。例えば、トナー母粒子と外添剤とを一緒に攪拌することで、物理的な力でトナー母粒子の表面に外添剤が付着(物理的結合)する。外添剤は、例えばトナーの流動性又は取扱性を向上させるために使用される。トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の量は、トナー母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下であることが好ましい。また、トナーの流動性又は取扱性を向上させるためには、外添剤の粒子径は0.01μm以上1.0μm以下であることが好ましい。
以下、前述の基本構成を有するトナーを製造する方法の一例について説明する。まず、トナーコアを準備する。続けて、液に、トナーコアと、シェル材料とを入れる。続けて、液中でシェル材料を反応させて、トナーコアの表面にシェル層を形成する。
好適なトナーコアを容易に得るためには、粉砕法によりトナーコアを製造することが好ましい。
イオン交換水に酸性物質(例えば、塩酸)を加えて、弱酸性(例えば、3以上5以下から選ばれるpH)の水性媒体を調製する。続けて、pHが調整された水性媒体に、トナーコアと、第1樹脂粒子のサスペンション(シェル層を構成する樹脂粒子の材料)と、第2樹脂粒子のサスペンション(シェル層を構成する樹脂膜の材料)とを添加する。第1樹脂粒子は第2樹脂粒子よりも強い帯電性を有する。また、第2樹脂粒子の疎水性は、第1樹脂粒子の疎水性よりも強い。
示差走査熱量計(セイコーインスツル株式会社製「DSC−6220」)を用いて、試料(例えば、樹脂)の吸熱曲線(縦軸:熱流(DSC信号)、横軸:温度)を求めた。続けて、得られた吸熱曲線から試料のTg(ガラス転移点)を読み取った。得られた吸熱曲線中の比熱の変化点(ベースラインの外挿線と立ち下がりラインの外挿線との交点)の温度が、試料のTg(ガラス転移点)に相当する。
高化式フローテスター(株式会社島津製作所製「CFT−500D」)に試料(例えば、樹脂)をセットし、ダイス細孔径1mm、プランジャー荷重20kg/cm2、昇温速度6℃/分の条件で、1cm3の試料を溶融流出させて、試料のS字カーブ(横軸:温度、縦軸:ストローク)を求めた。続けて、得られたS字カーブから試料のTm(軟化点)を読み取った。得られたS字カーブにおいて、ストロークの最大値をS1とし、低温側のベースラインのストローク値をS2とすると、S字カーブ中のストロークの値が「(S1+S2)/2」となる温度が、試料のTm(軟化点)に相当する。
試料(例えば、トナー)5mgに界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)1mLを添加して、混合物を得た。続けて、得られた混合物に対して超音波照射を行った。続けて、混合物をシース液(シスメックス株式会社製「パーティクルシース PSE−900A」)100mLで希釈して、希釈液を得た。その後、フロー式粒子像分析装置(シスメックス株式会社製「FPIA(登録商標)−3000」)を用いて、希釈液における試料の円形度(詳しくは、3000個の粒子の個数平均値)を測定した。
(トナーコアAの作製)
ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物(詳しくは、ビスフェノールAを骨格にしてエチレンオキサイドを付加したアルコール)に、多官能基を有する酸(詳しくは、テレフタル酸)を反応させることにより、酸価10mgKOH/g、水酸基価20mgKOH/g、Tm(軟化点)100℃、Tg(ガラス転移点)48℃のポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂100質量部と、着色剤(C.I.ピグメントブルー15:3、成分:銅フタロシアニン顔料)5質量部と、ドコサン酸ドコシル(和光純薬工業株式会社製)5質量部とを、FMミキサー(日本コークス工業株式会社製「FM−20B」)を用いて混合した。
トナーコアBの作製方法は、ドコサン酸ドコシルの代わりに、ドコサン酸ドコシルとドデカン酸(東京化成工業株式会社製)との混合物(ドコサン酸ドコシル:ドデカン酸の質量比=199:1)を使用した以外は、トナーコアAの作製方法と同じであった。
トナーコアCの作製方法は、ドコサン酸ドコシルとドデカン酸との混合物(質量比199:1)の代わりに、ドコサン酸ドコシルとテトラデカン酸(東京化成工業株式会社製)との混合物(ドコサン酸ドコシル:テトラデカン酸の質量比=199:1)を使用した以外は、トナーコアBの作製方法と同じであった。
トナーコアDの作製方法は、ドコサン酸ドコシルとドデカン酸との混合物(質量比199:1)の代わりに、ドコサン酸ドコシルとヘキサデカン酸(東京化成工業株式会社製)との混合物(ドコサン酸ドコシル:ヘキサデカン酸の質量比=199:1)を使用した以外は、トナーコアBの作製方法と同じであった。
トナーコアEの作製方法は、ドコサン酸ドコシルとドデカン酸との混合物(質量比199:1)の代わりに、ドコサン酸ドコシルとオクタデカン酸(東京化成工業株式会社製)との混合物(ドコサン酸ドコシル:オクタデカン酸の質量比=199:1)を使用した以外は、トナーコアBの作製方法と同じであった。
トナーコアFの作製方法は、ドコサン酸ドコシルとドデカン酸との混合物(質量比199:1)の代わりに、ドコサン酸ドコシルとエイコサン酸(東京化成工業株式会社製)との混合物(ドコサン酸ドコシル:エイコサン酸の質量比=199:1)を使用した以外は、トナーコアBの作製方法と同じであった。
トナーコアGの作製方法は、ドコサン酸ドコシルとドデカン酸との混合物(質量比199:1)の代わりに、ドコサン酸ドコシルとドコサン酸(東京化成工業株式会社製)との混合物(ドコサン酸ドコシル:ドコサン酸の質量比=199:1)を使用した以外は、トナーコアBの作製方法と同じであった。
(サスペンションAの調製)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコをウォーターバスにセットし、フラスコ内に、30℃のイオン交換水875mLと、アニオン界面活性剤(花王株式会社製「ラテムル(登録商標)WX」、成分:ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸ナトリウム、固形分濃度:26質量%)75mLとを入れた。その後、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を80℃に昇温させた後、その温度(80℃)に保った。続けて、80℃のフラスコ内容物に2種類の液(第1の液及び第2の液)をそれぞれ5時間かけて滴下した。第1の液は、スチレン17gと、アクリル酸n−ブチル3gとの混合液であった。第2の液は、過硫酸カリウム0.5gをイオン交換水30mLに溶かした溶液であった。続けて、フラスコ内の温度を80℃にさらに2時間保って、フラスコ内容物を重合させた。その結果、樹脂粒子のサスペンションA(固形分濃度:2質量%)が得られた。サスペンションAに含まれる樹脂粒子に関して、個数平均粒子径は32nmであり、Tg(ガラス転移点)は71℃であった。
温度計、冷却管、窒素導入管、及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコ内に、イソブタノール90gと、メタクリル酸メチル105gと、アクリル酸n−ブチル37gと、2−(メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロライド(Alfa Aesar社製)30gと、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)6gとを入れた。続けて、窒素雰囲気かつ温度80℃の条件で、フラスコ内容物を3時間反応させた。その後、フラスコ内に2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業株式会社製「VA−086」)3gを加えて、窒素雰囲気かつ温度80℃の条件で、フラスコ内容物をさらに3時間反応させて、重合体を含む液を得た。続けて、得られた重合体を含む液を、減圧雰囲気かつ温度150℃の条件で乾燥した。続けて、乾燥した重合体を解砕し、正帯電性樹脂を得た。
(シェル層の形成)
温度計及び攪拌羽根を備えた容量1Lの3つ口フラスコを準備し、フラスコをウォーターバスにセットした。続けて、フラスコ内にイオン交換水300mLを入れて、ウォーターバスを用いてフラスコ内の温度を30℃に保った。続けて、フラスコ内にパラトルエンスルホン酸を加えて、フラスコ内の水性媒体のpHを4に調整した。
上記のようにして得られたトナー母粒子の分散液を、ブフナー漏斗を用いてろ過(固液分離)した。その結果、ウェットケーキ状のトナー母粒子が得られた。その後、得られたウェットケーキ状のトナー母粒子をイオン交換水に再分散させた。さらに、分散とろ過とを5回繰り返して、トナー母粒子を洗浄した。
続けて、得られたトナー母粒子を、濃度50質量%のエタノール水溶液に分散させた。これにより、トナー母粒子のスラリーが得られた。続けて、連続式表面改質装置(フロイント産業株式会社製「コートマイザー(登録商標)」)を用いて、熱風温度45℃かつブロアー風量2m3/分の条件で、スラリー中のトナー母粒子を乾燥させた。その結果、トナー母粒子(粉体)が得られた。
上記乾燥後、トナー母粒子に外添を行った。詳しくは、容量10LのFMミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、トナー母粒子100質量部と乾式シリカ粒子(日本アエロジル株式会社製「AEROSIL(登録商標)REA90」)1質量部とを5分間混合することにより、トナー母粒子の表面に外添剤(シリカ粒子)を付着させた。その後、得られた粉体を、200メッシュ(目開き75μm)の篩を用いて篩別した。その結果、多数のトナー粒子を含むトナー(表1に示されるトナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−6)が得られた。
温度計及び攪拌羽根を備えた容量100mLのビーカー(トールビーカーではない、通常のガラス製ビーカー)に、濃度5.6質量%アンモニア水溶液25mLとエタノール0.5mLとの混合液を入れて、その混合液中に試料(トナー)5gを分散させることにより、トナー分散液を得た。続けて、そのビーカーを温度30℃のウォーターバスにセットした。ビーカーの高さの半分までビーカーをウォーターバスの湯(温度30℃の水)に浸した。続けて、ビーカーを温度30℃のウォーターバスに入れた状態で、攪拌羽根を用いてビーカー内のトナー分散液を回転速度60rpmで2分間攪拌した。続けて、ビーカーを温度65℃のウォーターバスに移した。ビーカーの高さの半分までビーカーをウォーターバスの湯(温度65℃の水)に浸した。そして、ビーカーを温度65℃のウォーターバスに入れた状態で、攪拌羽根を用いてビーカー内のトナー分散液を回転速度60rpmでさらに3分間攪拌した。その後、ウォーターバスからビーカーを取り出して、温度25℃の室温環境で20分間静置することにより、ビーカー内のトナー分散液を25℃まで冷却した。続けて、孔径10μmのメンブレンフィルターを用いてフラスコ内容物を濾過(固液分離)し、固相の洗浄は行わず、そのまま濾液を回収した。続けて、得られた濾液1g(詳しくは、濾液1gの入った容器)を恒温槽(オーブン)内に入れて、恒温槽を用いて、温度60℃で濾液を24時間乾燥(溶媒の留去)し、固形物(抽出固形物)を得た。続けて、得られた抽出固形物の質量を測定して、濾液1gあたりの抽出固形物の量を求めた。
・熱分解温度:加熱炉「600℃」、インターフェイス部「320℃」
・温度条件:40℃で15分間保持した後、速度14℃/分で320℃まで昇温し、320℃で15分間保持した。
・キャリアガス:ヘリウム(He)ガス
・カラムヘッド圧力:49.7kPa
・注入モード:スプリット注入(スプリット比1:50)
・キャリア流量:全流量「14.1mL/分」、カラム流量「1mL/分」、パージ流量「3mL/分」
各試料(表1に示されるトナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−6)の評価方法は、以下の通りである。
現像剤用キャリア(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製の「TASKalfa5550ci」用キャリア)100質量部と、試料(トナー)10質量部とを、ボールミルを用いて30分間混合して、評価用現像剤(2成分現像剤)を得た。
○(良い):現像スリーブ表面へのトナーの固着が見られなかった。
×(悪い):現像スリーブ表面へのトナーの固着が見られた。
トナーTA−1〜TA−12及びTB−1〜TB−6の各々について、耐付着性(トナー固着の有無)を評価した結果を、表2に示す。
11 トナーコア
12 シェル層
12a 樹脂粒子
12b 樹脂膜
Claims (13)
- 結着樹脂及び脂肪酸エステルを含有するコアと、シェル層とを備えるトナー粒子を、複数含む静電潜像現像用トナーであって、
前記シェル層は、前記コアの表面を部分的に覆い、
前記トナー粒子の表層部に存在する成分を所定の抽出法で抽出して固形物として得た場合に、得られる固形物は、炭素数12以上22以下の直鎖カルボン酸及び/又はその誘導体を含有し、得られる固形物の量は、濾液1gあたり0.60mg以下であり、
前記所定の抽出法では、濃度5.6質量%アンモニア水溶液25mLとエタノール0.5mLとの混合液中に前記トナー5gを分散させることによりトナー分散液を得て、得られたトナー分散液を、攪拌羽根を備えた容量100mLのビーカーに入れて、前記ビーカーを温度30℃のウォーターバスに入れた状態で、前記攪拌羽根を用いて前記ビーカー内の前記トナー分散液を回転速度60rpmで2分間攪拌した後、前記ビーカーを温度65℃のウォーターバスに移して、前記攪拌羽根を用いて前記ビーカー内の前記トナー分散液を回転速度60rpmでさらに3分間攪拌し、前記ウォーターバスから前記ビーカーを取り出して、温度25℃の室温環境で前記トナー分散液を25℃まで冷却し、温度25℃の前記トナー分散液を濾過して前記濾液を得て、得られた濾液中の溶媒を留去して前記固形物を得る、静電潜像現像用トナー。 - 前記コアは、粉砕法で作製された粉砕法コアである、請求項1に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアの表面領域のうち、前記シェル層が覆っている面積の割合は、50%以上95%以下である、請求項1又は2に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、前記結着樹脂の質量に対して1質量%以上10質量%以下の割合で、前記脂肪酸エステルとして、カルボン酸の炭素数が12以上22以下である直鎖カルボン酸エステルを含有する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記直鎖カルボン酸エステルは、カルボン酸の炭素数が20以上22以下であり、かつ、アルキル基の炭素数が20以上30以下である直鎖カルボン酸アルキルエステルである、請求項4に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、前記直鎖カルボン酸エステルの質量に対して0.1質量%以上2.0質量%以下の割合で、炭素数12以上22以下の直鎖カルボン酸をさらに含有する、請求項4又は5に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記コアは、前記結着樹脂としてポリエステル樹脂を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記所定の抽出法で得られる前記固形物は、多価カルボン酸及びその誘導体と多価アルコール及びその誘導体とからなる群より選択される1種以上の化合物をさらに含有する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記シェル層は、樹脂膜と、それぞれ前記樹脂膜よりも強い帯電性を有する複数の樹脂粒子とを含み、
前記樹脂膜は、前記樹脂粒子よりも強い疎水性を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。 - 前記樹脂膜を構成する樹脂のガラス転移点と、前記樹脂粒子を構成する樹脂のガラス転移点とはそれぞれ、60℃以上である、請求項9に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記樹脂粒子を構成する樹脂は、窒素を含有しない1種以上のビニル化合物と、1種以上の窒素含有ビニル化合物とを含む単量体の重合体である、請求項9又は10に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記樹脂膜を構成する樹脂は、スチレン系モノマーに由来する1種以上の繰返し単位と、(メタ)アクリル酸エステルに由来する1種以上の繰返し単位とを含む、請求項9〜11のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
- 前記トナー粒子の円形度は0.960以上0.980以下である、請求項1〜12のいずれか一項に記載の静電潜像現像用トナー。
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