本発明の一実施形態について、図面を用いて以下に説明する。本発明の実施形態では、表示装置として、液晶表示装置を例に挙げるが、本発明はこれに限定されず、例えば有機EL表示装置等であってもよい。
図1は、本実施形態に係る液晶表示装置の概略構成を示す図である。液晶表示装置1は、画像を表示する表示パネル10と、表示パネル10を駆動する駆動回路(データ線駆動回路20、ゲート線駆動回路30等)と、駆動回路を制御する制御回路40と、表示パネル10に背面側から光を照射するバックライト装置50とを含んで構成されている。駆動回路は、表示パネル10に設けられてもよい。
液晶表示装置1は、図2に示すように、表示面側が凹状となり背面側が凸状となるように湾曲した曲面状の外形、又は、図3に示すように、表示面側が凸状となり背面側が凹状となるように湾曲した曲面状の外形を有している。図2に示す液晶表示装置1では、薄膜トランジスタ基板(TFT基板100)を構成するガラス基板101には延伸応力が働き、カラーフィルタ基板(CF基板200)を構成するガラス基板201には圧縮応力が働く。図3に示す液晶表示装置1では、TFT基板100を構成するガラス基板101には圧縮応力が働き、CF基板200を構成するガラス基板201には延伸応力が働く。尚、詳細は後述するが、TFT基板100及びCF基板200の間には液晶層300が配置されており、TFT基板100及びCF基板200は、液晶層300を挟持しつつシール部60により互いに貼り付け固定されている。
図1に戻り、表示パネル10には、列方向に延在する複数のデータ線11と、行方向に延在する複数のゲート線12とが設けられている。各データ線11と各ゲート線12との各交差部には、薄膜トランジスタ13(TFT)が設けられている。各データ線11及び各ゲート線12は、液晶表示装置1の曲げ方向に応じて湾曲した形状(凸状)に形成される。上記曲げ方向とは、表示面に水平な方向であって、例えば行方向又は列方向をいう。例えば、上記曲げ方向が行方向の場合(図4参照)、データ線11は直線状に形成され、ゲート線12は湾曲状に形成される。また上記曲げ方向が列方向の場合(後述の図5参照)、データ線11は湾曲状に形成され、ゲート線12は直線状に形成される。
表示パネル10には、各データ線11と各ゲート線12との各交差部に対応して、複数の画素14がマトリクス状(行方向及び列方向)に配置されている。表示パネル10を構成するTFT基板100には、各画素14に対応して設けられた複数の画素電極15と、各画素14に共通する1つの共通電極16とが設けられている。共通電極16は、1つの画素14又は複数の画素14ごとに分割して配置されていてもよい。
制御回路40は、外部から入力された入力データ(同期信号、映像信号等)に基づき、データ線駆動回路20及びゲート線駆動回路30の駆動タイミングを制御するための各種の制御信号と、表示パネル10の表示領域に表示する画像に対応する画像データとを出力する。
データ線駆動回路20は、制御回路40から入力された制御信号及び画像データに基づいて、各データ線11にデータ信号(データ電圧)を出力する。
ゲート線駆動回路30は、外部から入力された電源電圧と、制御回路40から入力された制御信号とに基づいてゲート信号(ゲート電圧)を生成し、各ゲート線12に出力する。
図6は、表示パネル10の画素14の構成例を示す平面図である。図7は図6のA−A断面図であり、図8は図6のB−B断面図である。図6〜図8を参照しつつ、画素14の具体的な構成について説明する。
図6において、隣り合う2本のデータ線11と、隣り合う2本のゲート線12とで区画された領域が1つの画素14に相当する。各画素14には、薄膜トランジスタ13が設けられている。薄膜トランジスタ13は、絶縁膜102(図7、図8参照)上に形成された半導体層21と、半導体層21上に形成されたドレイン電極22及びソース電極23とを含んで構成されている(図6参照)。ドレイン電極22はデータ線11に電気的に接続されており、ソース電極23はスルーホール24を介して画素電極15に電気的に接続されている。
各画素14には、スズ添加酸化インジウム(ITO)等の透明導電膜からなる画素電極15が形成されている。画素電極15は、複数の開口部(スリット)を有しており、ストライプ状に形成されている。開口部の形状は限定されない。各画素14に共通して、表示領域全体にITO等の透明導電膜からなる1つの共通電極16が形成されている。共通電極16における、スルーホール24及び薄膜トランジスタ13のソース電極23に重なる領域には、画素電極15とソース電極23とを電気的に接続させるための開口部(図6の点線囲みに相当)が形成されている。
図7に示すように、表示パネル10は、TFT基板100と、CF基板200と、TFT基板100及びCF基板200の間に挟持される液晶層300と、を含んで構成されている。
TFT基板100では、ガラス基板101上にゲート線12(図8参照)が形成され、ゲート線12を覆うように絶縁膜102が形成されている。絶縁膜102上にはデータ線11(図7参照)が形成され、データ線11を覆うように絶縁膜103が形成されている。絶縁膜103上には共通電極16が形成され、共通電極16を覆うように絶縁膜104が形成されている。絶縁膜104上には画素電極15が形成され、画素電極15を覆うように配向膜105が形成されている。ガラス基板101におけるバックライト装置50側(液晶層300側とは反対側)の面(背面)には偏光板106が貼り付けられている。
CF基板200では、各画素14に対応して配置され、所定の光を透過する複数の光透過部202と、光の透過を遮断するブラックマトリクス203とが形成されている。複数の光透過部202は、例えば、赤色の着色部(赤色部)が形成され、赤色の光を透過する赤色光透過部と、緑色の着色部(緑色部)が形成され、緑色の光を透過する緑色光透過部と、青色の着色部(青色部)が形成され、青色の光を透過する青色光透過部と、を含んでいる。光透過部(着色部)の配列は、赤色光透過部、緑色光透過部、及び青色光透過部が列方向にこの順に繰り返し配列され、同一色の光透過部が行方向に配列する縦ストライプ配列でもよいし、赤色光透過部、緑色光透過部、及び青色光透過部が行方向にこの順に繰り返し配列され、同一色の光透過部が列方向に配列する横ストライプ配列でもよい。ブラックマトリクス203は、行方向及び列方向に隣り合う光透過部202の間の領域(境界部)に形成されている。ブラックマトリクス203の列方向に延在する部分の幅方向の中心線m1の位置は、データ線11の幅方向の中心線の位置と一致しており、ブラックマトリクス203の行方向に延在する部分の幅方向の中心線n1の位置は、ゲート線12の幅方向の中心線の位置と一致している。ブラックマトリクス203の具体的な構成は後述する。
光透過部202及びブラックマトリクス203を覆うようにオーバコート層204が形成されている。オーバコート層204上には配向膜205が形成されている。ガラス基板201における表示面側(液晶層300側とは反対側)の面(表面)には偏光板206が貼り付けられている。画素14を構成する各部の積層構造は、図7及び図8の構成に限定されるものではなく、周知の構成を適用することができる。
液晶層300には、液晶301が封入されている。液晶301は、誘電率異方性が負のネガ型液晶であってもよいし、誘電率異方性が正のポジ型液晶であってもよい。配向膜105,205は、ラビング配向処理が施された配向膜であってもよいし、光配向処理が施された光配向膜であってもよい。
上記のように、液晶表示装置1は、TFT基板100及びCF基板200に略平行な電界を液晶層300に印加する横電界方式の構成を有している。液晶表示装置1は、例えば、IPS(In Plane Switching)方式の構成を有している。なお、液晶表示装置1は、横電界方式に限定されず、例えばVA(Vertical Alignment)方式の構成を有してもよい。
液晶表示装置1の駆動方法を簡単に説明する。ゲート線12にはゲート線駆動回路30から走査用のゲート電圧(ゲートオン電圧、ゲートオフ電圧)が供給される。データ線11にはデータ線駆動回路20から映像用のデータ電圧が供給される。ゲート線12にゲートオン電圧が供給されると、薄膜トランジスタ13がオン状態になり、データ線11に供給されたデータ電圧が、ドレイン電極22及びソース電極23を介して画素電極15に伝達される。共通電極16には、共通電極駆動回路(図示せず)から共通電圧(Vcom)が供給される。共通電極16は、絶縁膜104を介して画素電極15に重なっており、画素電極15には、開口部(スリット)が形成されている。これにより、画素電極15から液晶層300を経て画素電極15の開口部を介して共通電極16に至る電界により液晶301が駆動する。液晶301が駆動して液晶層300を透過する光の透過率を制御することにより画像が表示される。液晶表示装置1の駆動方法は上記の方法に限定されず、周知の方法を適用することができる。
本実施形態に係る液晶表示装置1は、TFT基板100及びCF基板200の位置ずれに起因する表示ムラ等の表示品位の低下を抑える構成を有する。具体的には、例えば、ブラックマトリクス203の幅が、上記位置ずれが生じる領域に応じて異なる値に設定されている。以下、本実施形態に係るブラックマトリクス203の具体的な構成について説明する。
図9は、ブラックマトリクス203の全体構成を示す平面図である。ブラックマトリクス203は、全体として格子状に形成されており、平面的に見て少なくとも一部がデータ線11及びゲート線12に重なるように形成されている。ブラックマトリクス203に囲まれた領域が光透過部202となる。ここでは、液晶表示装置1の曲げ方向が行方向の場合(図4参照)を例に挙げる。図9には、ブラックマトリクス203の全体領域において、表示領域(表示画面)の行方向の中心部分である中央部と、表示画面を視認する際に行方向の左側端部となる左端部と、表示画面を視認する際に行方向の右側端部となる右端部と、中央部及び左端部の間の領域である左領域と、中央部及び右端部の間の領域である右端部とを示している。
図10は、図9に示すブラックマトリクス203の全体構成おいて左領域の一部を拡大した構成を示している。図11は、図9に示すブラックマトリクス203の全体構成おいて右領域の一部を拡大した構成を示している。
図10に示す左領域において、ブラックマトリクス203は、曲げ方向に直交する列方向に延在する列部分203aの行方向の幅Wbが、位置ずれ量に応じて異なるように設定されている。具体的には、位置ずれ量が最大となる領域(図15の最大位置ずれ領域)に最も近接する列部分203aの幅Wb1が最大となり、最大位置ずれ領域から左端部及び中央部に近づく程、列部分203aの幅Wbが狭くなるように設定されている。すなわち、ブラックマトリクス203の列部分203aの幅は、Wb1>Wb2>Wb3>Wb4、Wb1>Wb5>Wb6>Wb7、を満たすように設定されている。ブラックマトリクス203の列部分203aは行方向に等間隔(ピッチP1)で配置されている。また、列部分203aの行方向の幅の中心線m1の位置は、データ線11の行方向の幅の中心線の位置と一致している。よって、光透過部202(開口部)の行方向の幅は、Wc1<Wc2<Wc3、Wc4<Wc5<Wc6となる。
また、ブラックマトリクス203における、曲げ方向(ここでは行方向)に延在する行部分203bの幅は、互いに等しくなるように設定されている。ブラックマトリクス203の行部分203bは列方向に等間隔(ピッチP2)で配置されている。また、行部分203bの列方向の幅の中心線n1の位置は、ゲート線12の列方向の幅の中心線の位置と一致している。
図11に示す右領域では、図10に示した左領域の構成を中央部(図9参照)を中心にして左右対称となるように構成されている。すなわち、ブラックマトリクス203は、曲げ方向に直交する列方向に延在する列部分203aの行方向の幅Wbが、位置ずれ量に応じて異なるように設定されている。具体的には、位置ずれ量が最大となる領域(図15の最大位置ずれ領域)に最も近接する列部分203aの幅Wb1が最大となり、最大位置ずれ領域から右端部及び中央部に近づく程、列部分203aの幅Wbが狭くなるように設定されている。すなわち、ブラックマトリクス203の列部分203aの幅は、Wb1>Wb2>Wb3>Wb4、Wb1>Wb5>Wb6>Wb7、を満たすように設定されている。ブラックマトリクス203の列部分203aは行方向に等間隔(ピッチP1)で配置されている。また、列部分203aの行方向の幅の中心線m1の位置は、データ線11の行方向の幅の中心線の位置と一致している。よって、光透過部202(開口部)の行方向の幅は、Wc1<Wc2<Wc3、Wc4<Wc5<Wc6となる。
ブラックマトリクス203における、曲げ方向(ここでは行方向)に延在する行部分203bの構成は、図10に示した構成と同一である。
図12は、行方向に隣り合う3つの画素14の断面構成を示す図である。図12には、図10に示すブラックマトリクス203の一部を示している。図12に示すように、最大位置ずれ領域に最も近接する列部分203aが最大幅を有し、位置ずれ量が最大となる領域(図15の最大位置ずれ領域)に最も近接する列部分203aが最大幅Wb1を有し、左端部及び中央部に近づく程、列部分203aの幅Wbが狭くなる。また、列部分203aは、平面的に見てデータ線11に重なっている。上記構成によれば、ブラックマトリクス203は、上記位置ずれ量に応じた幅を有しているため、開口率を必要以上に低下させることなく、TFT基板100及びCF基板200の位置ずれによる光漏れ等を抑えることができる。
図13は、ブラックマトリクス203の幅と、位置ずれ量との関係を示すグラフである。図13では、曲げ方向が行方向の場合における、ブラックマトリクス203の列部分203aの行方向の幅Wbを示している。例えば、位置ずれが生じ難く位置ずれ量が最小となる中央部、左端部及び右端部では、列部分203aの幅Wbはt1であり、互いに等しくなっている。一方、位置ずれが生じ易く位置ずれ量が最大となる領域(左右の最大位置ずれ領域)では、列部分203aの幅Wbはt2となっている(t2>t1)。また、左右の領域において、最大位置ずれ領域から端部(左端部、右端部)までの位置ずれ量の変化の割合が、最大位置ずれ領域から中央部までの位置ずれ量の変化の割合よりも大きくなっている。そこで、ブラックマトリクス203の列部分203aの幅も、上記割合に応じて設定することが好ましい。例えば、図10において、幅Wb1を有する列部分203aの左側に配置される列部分203aの幅Wb2は、幅Wb1を有する列部分203aの右側に配置される列部分203aの幅Wb5よりも狭く(Wb2<Wb5)、幅Wb1を有する列部分203aの左側に配置される列部分203aの幅Wb3は、幅Wb1を有する列部分203aの右側に配置される列部分203aの幅Wb6よりも狭くなるように設定されている(Wb3<Wb6)。同様に、列部分203aの幅は、Wb4<Wb7となるように設定されている。図13には、一例として、列部分203aの幅Wb4,Wb7を示している。尚、ここでは、最大位置ずれ領域の中心から幅Wb4の中心までの距離D1と、最大位置ずれ領域の中心から幅Wb7の中心までの距離D2とが等しいと仮定する。このように、最大位置ずれ領域の中心からの距離が等しい左右の列部分203aの幅を比較したときに、端部側の列部分203aの幅が、中央部側の列部分203aの幅よりも狭くなっている。
図14は、ブラックマトリクス203の幅と、位置ずれ量との他の関係を示すグラフである。図14では、図13と同様に、曲げ方向が行方向の場合における、ブラックマトリクス203の列部分203aの行方向の幅Wbを示している。図14に示すように、中央部では、列部分203aの幅Wbはt1であり、左右の最大位置ずれ領域では、列部分203aの幅Wbはt2となっている(t2>t1)。また、左右の領域において、最大位置ずれ領域から端部(左端部、右端部)までは、列部分203aの幅Wbが一定となっている。図14に示す例によれば、端部の輝度が必要以上に高くなることを防ぐことができるため、左右の最大位置ずれ領域と左端部及び右端部との輝度差による表示品位の低下を抑えることができる。このように、最大位置ずれ領域における列部分203aの幅Wbは、中央部における列部分203aの幅Wbよりも広く、かつ、端部(左端部、右端部)における列部分203aの幅Wbと等しくなっていてもよい。
上記の例では、曲げ方向が行方向の場合を示したが、曲げ方向が列方向の場合は、同様の考えに基づき、ブラックマトリクス203の行方向に延在する行部分203bの幅を、位置ずれ量(図15参照)に応じて異なるように設定すればよい。また、曲げ方向に関わらず、ブラックマトリクス203の列方向に延在する列部分203aの幅と、行方向に延在する行部分203bの幅の両方を、位置ずれ量(図15参照)に応じて異なるように設定してもよい。
また、上記の例では、ブラックマトリクス203の列部分203aの行方向の幅の中心線m1の位置が、データ線11の行方向の幅の中心線の位置と一致している場合を示したが、両者の中心位置がずれていてもよい。例えば、図3に示す液晶表示装置1において、左領域に配置されるブラックマトリクス203の列部分203aの幅を、列部分203aの行方向の幅の中心線m1の位置が、データ線11の行方向の幅の中心線の位置よりも中央部側にずれるように設定し、右領域に配置されるブラックマトリクス203の列部分203aの幅を、列部分203aの行方向の幅の中心線m1の位置が、データ線11の行方向の幅の中心線の位置よりも中央部側にずれるように設定してもよい。なお、ブラックマトリクス203の列部分203aの行方向の幅の中心線m1の位置と、データ線11の行方向の幅の中心線の位置との関係は、視認方向や表示パネルのサイズ等を考慮して設定してもよい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で上記各実施形態から当業者が適宜変更した形態も本発明の技術的範囲に含まれることは言うまでもない。