JP2017179744A - 支柱基礎 - Google Patents

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Akio Ogura
晃雄 小椋
典彦 梶村
Norihiko Kajimura
典彦 梶村
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Abstract

【課題】スパイラル杭を引く抜く方向に作用する引張力に対して特に支柱の揺動方向に応じて対抗することが可能な支柱基礎を提供する。
【解決手段】支柱3の下端に設けられたベースプレート4と、ベースプレート4に形成された複数の長孔と、平鋼からスパイラル状に捻じられてなると共に長孔に差し込まれて地中に捻じ込まれるスパイラル杭とを備え、長孔は、平面視で支柱3の揺動し得る方向に対して略直交すると共に支柱3を通過する揺動ラインの両側にそれぞれ1箇所以上に亘り設けられ、その長手方向の角度は、揺動ラインに対して45°以上135°以下であることを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、平鋼からスパイラル状に捻じられてなるスパイラル杭を、単杭又は群杭として地中に打ち込んで支柱の基礎を構成する支柱基礎に関するものである。
従来よりフェンスは、互いに間隔を空けて立設された支柱間にフェンスパネルやメッシュを架設することで構成される。その支柱の下端は、通常はベースプレート上に立設され、ベースプレートに設けられた支持杭を地盤中に打ち込むことで支柱を地表において安定的に固定することができる。このような支持杭の一種として、コンクリート等のような養生期間が必要なく短時間で安価に施工できるスパイラル杭が知られている。
例えば、特許文献1の開示技術によれば、平鋼からスパイラル状に捻じられてなるスパイラル杭をコンクリート基礎に埋設し、その間隙には砕石を落とし込むと共に、地面から突出された平鋼に対して支柱を取り付けた例が開示されている。
しかしながら、この特許文献1の開示技術によれば、1本の支柱に対してその軸方向が一致する方向に設けられた1本のスパイラル杭で対抗する構成としている。このため、スパイラル杭を引く抜く方向に作用する軸力に上手く対抗することができないという問題点があった。またコンクリート基礎をその都度地中に作りこむ必要が生じることから、施工労力の負担が増大してしまうという問題点もあった。
また特許文献2において、支柱を立設するためのコンクリートの基礎に長孔を開け、これに平鋼からスパイラル状に捻られたスパイラル杭をこの長孔に通して地面に捻じ込んで固定する技術が開示されている。この特許文献2に開示されている実施の形態においては、長孔をコンクリート基礎の4隅に設け、その中心に広告塔の足を固定するものである。
しかしながら、この特許文献2の開示技術によれば、広告塔の足が、風や地震等によりどの方向に揺動する可能性があるのか何ら言及されていなく、しかも揺動方向に対してスパイラル杭が挿通される長孔の長手方向がどのように配列しているか何ら言及がなされていない。このため、仮に広告塔の足の揺動方向に対して長孔の長手方向が強軸方向とならない場合には、かかるスパイラル杭を引く抜く方向に作用する引張力に対抗することができなくなる。
更に特許文献3には、頭部に板体を溶接したスパイラル状の杭を、平鋼の矩形状の孔に挿通させて地面に捻じ込む技術が開示されている。この平鋼はL字状に折り曲げられて、上方に立ち上げられた短片には穴が形成され、さらにその穴に挿通された紐によりテントの支柱を結びつける形態である。
確かにこの特許文献3の開示技術も支柱の基礎をスパイラル杭で構成するものであるが、あくまでテントの支柱に結びつけることを想定するものであり、どの方向に揺動する可能性があるのか何ら言及されていなく、しかも揺動方向に対してスパイラル杭が挿通される矩形状の穴の長手方向がどのように配列しているか何ら言及がなされていない。このため、仮にテントの支柱の揺動方向に対して長孔の長手方向が強軸方向とならない場合には、かかるスパイラル杭を引く抜く方向に作用する軸力に対抗することができなくなる。
特開2005−139614号公報 特開2003−171944号公報 特開2006−152632号公報
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、平鋼からスパイラル状に捻じられてなるスパイラル杭を、単杭又は群杭として地中に打ち込んで支柱の基礎を構成する支柱基礎において、スパイラル杭を引く抜く方向に作用する引張力に対して特に支柱の揺動方向に応じて対抗することが可能な支柱基礎を提供することにある。
第1発明に係る支柱基礎は、複数のスパイラル杭により支持される支柱基礎であって、支柱の下端に設けられたベースプレートと、上記ベースプレートに形成された複数の長孔と、平鋼からスパイラル状に捻じられてなると共に上記長孔に差し込まれて地中に捻じ込まれるスパイラル杭とを備え、上記長孔は、平面視で上記支柱の揺動し得る方向に対して略直交すると共に上記支柱を通過する揺動ラインの両側にそれぞれ1箇所以上に亘り設けられ、その長手方向の角度は、上記揺動ラインに対して45°以上135°以下であることを特徴とする。
第2発明に係る支柱基礎は、第1発明において、上記支柱は、フェンスが取り付けられ、上記揺動ラインは、上記フェンスの延長方向であることを特徴とする。
第3発明に係る支柱基礎は、第1発明又は第2発明の何れかにおいて、上記支柱が上記揺動し得る方向に揺動した場合には、上記ベースプレートにおける揺動ラインを隔てた何れか一端側を支点とし、その他端側の上記長孔に差し込まれたスパイラル杭に引張力を負荷させることで当該揺動に対抗することを特徴とする。
第4発明に係る支柱基礎は、複数のスパイラル杭により支持される支柱基礎であって、支柱の下端に設けられたベースプレートと、上記ベースプレートに形成された複数の長孔と、平鋼からスパイラル状に捻じられてなると共に上記長孔に差し込まれて地中に捻じ込まれるスパイラル杭とを備え、上記長孔は、その長手方向の延長線が平面視で上記支柱を通過するように放射状に配向されていることを特徴とする。
上述した構成からなる本発明によれば、支柱3が何れに傾いた場合においても、これに対してスパイラル杭を介して、スパイラル状の平鋼の表面と土との摩擦力、並びに土中のせん断抵抗力の2つの力で対抗することができる。これは、スパイラル杭の回転を抑制できる構成としている点に加えて、支柱の揺動しようとする力に対して、ベースプレートの何れか一方の端縁が支点となり、他方の端縁側にあるスパイラル杭に対して引張応力のみが作用する構成としていることによる。これは、予め支柱の揺動方向を見極めた上で、その揺動ラインを境界にした各領域にそれぞれ1以上のスパイラル杭を挿通させる構成としているためである。
従って、本発明によれば、フェンスが風や地震、さらには動物や人間による接触等を始め、何らかの外力を受けた結果、支柱が揺動しようとする力が作用した場合においても、スパイラル杭が地中から引き抜けてしまうのを防止することができることから、支柱の基礎が不安定になり、倒壊してしまうのを防止することができ、しかも支柱の揺動そのものを防止することが可能となる。
また、本発明によれば各長孔からそれぞれ延長される延長線が平面視で支柱を通過する場合も同様に、スパイラル杭は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなり、スパイラル杭の引き抜きに対して強固に抵抗することが可能となる。
本発明を適用した支柱基礎の表側から視認した状態を示す斜視図である。 本発明を適用した支柱基礎の正面図である。 本発明を適用した支柱基礎の拡大斜視図である。 本発明を適用した支柱基礎の平面図である。 ベースプレートにつき図4をA方向から視認した状態を示す側面図である。 長孔の長手方向Xの角度を、揺動ラインに対して90°とした例を示す図である。 スパイラル杭をベースプレートに固定する方法について説明するための図である。 長孔の長手方向Xの角度を揺動ラインに対して45°以上135°以下の範囲に設定した他の例を示す図である。 ベースプレートを平面視でほぼ三角形に近い形状とし、長孔を3箇所に亘り設けた例を示す図である。 ベースプレート上において支柱を中心に長孔を4箇所に亘り設けた例を示す図である。 ベースプレート上において支柱を中心に長孔を4箇所に亘り設けた例において長孔の配置を不規則にした例を示す図である。
以下、本発明を適用した支柱基礎を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明をする。
図1は、本発明を適用した支柱基礎1の表側から視認した状態を示す斜視図である。本発明を適用した支柱基礎1は、以下において、フェンス2を架設する支柱3を支持するための基礎として適用される場合を例に挙げて説明をする。
支柱基礎1は、支柱3と、支柱3の下端が主柱継手41を介して取り付けられるベースプレート4と、ベースプレート4を地盤に固定するためのスパイラル杭5とを備えている。
支柱3は、図1中A方向に向けて互いに所定間隔をおいて立設されている。支柱3は、断面形状は、円形状、矩形状或いは角部に曲率を持たせた矩形状等、いかなる形状で構成されていてもよい。またこの支柱3は、金属製の管体で構成される場合のみならず、例えばH形鋼や溝形鋼等の形鋼で具現化されるものであってもよい。図1中A方向に向けて間隔をおいて立設された支柱3間には例えば金網等のフェンス2が架設されている。
主柱継手41は、図2に示す正面図に示すようにベースプレート4に対して略垂直方向に立設される。主柱継手41の下端がベースプレート4に溶接により固着されている。主柱継手41は、図3に示す拡大斜視図、図4に示す平面図に示すように、平面形態が、支柱3の外形形状に応じたものとされており、支柱3を嵌合可能な形状とされ、或いは支柱3により嵌合可能な形状とされている。この主柱継手41は、かかる平面形態に限定されるものではなく、少なくとも支柱3に対して添接可能な形状とされていれば、例えば平板のみで構成されていてもよい。
主柱継手41は、長手方向がこの立設方向となるように長孔形状とされたボルト孔42a〜42cが複数段に亘って形成されている。このようにして立設された主柱継手41に対して支柱3を嵌合させ、或いは支柱3を添接させる。そして、この支柱3に形成された図示しないボルト孔と、主柱継手41に形成されたボルト孔42a〜42cに対してボルト49を挿通させ、図示しないナットによりこれを螺着することにより固定する。
なお、本発明を適用した支柱基礎1において主柱継手41の構成は必須ではなく、省略するようにしてもよい。かかる場合には、この支柱3における下端を直接ベースプレート4に対して溶接により固着させるようにしてもよいし、他の周知のいかなる手段を介してベースプレート4に取り付けられていてもよい。
ベースプレート4は、金属板に対して機械的な加工を施すことにより整形されるものである。このベースプレート4の略中央には、上述した主柱継手41が立設されている。この主柱継手41に取り付けられる支柱3は、上述したようにA方向に向けて間隔をおいて形成され、その間に架設されるフェンス2は、A方向に向けて延長されている。このため、風や地震、さらには動物や人間による接触等を始め、何らかの外力を受けた場合には、フェンス2が仮にパネル状に形成されていると仮定したとき、図1に示す面外方向に向けて揺動しようとする。逆にこのフェンス2が何らかの外力を受けた場合にこのフェンス2に対して面内方向に揺動することは殆ど考えられず、面外方向に揺動するものと考えるのが自然である。その結果、この支柱3の揺動しようとする方向(以下、揺動方向という。)は、図4中A方向に対して略直交する方向とされる。この支柱3の揺動方向は、支柱3間に架設されるフェンス2の延長方向に応じて特定することができる。但し、この支柱3の揺動方向は、必ずしもこのA方向に対して略直交する方向にのみ揺動しようとする場合に限定されるものではなく、他の方向に向けて揺動しようとする場合もありえることは勿論である。このため、支柱3の揺動方向は、一方向のみに支柱3が揺れ動く場合に限定されるものではなく、支柱3が複数の方向に揺動する場合も含まれる。この支柱3が実際に揺動するか否かに関係なく、揺動する可能性のある方向は全て揺動方向に含まれるものとなる。
図4に示すように、ベースプレート4において、平面視で支柱3の揺動方向に対して略直交する共に、支柱3を通過するラインを、揺動ラインと定義する。この揺動ラインは、支柱3が上述した揺動方向に向けて交互に揺れ動いた場合において、支柱3をこの揺動の中心となり、揺動ラインを境にして揺動しようとすることとなる。
図5は、ベースプレート4につき図4をA方向から視認した状態を示す側面図である。支柱3が揺動方向に向けて交互に揺れ動いたとき、この揺動ラインを介して隔てられたベースプレート4におけるP領域、Q領域は、地盤に対して交互に近接、離間することとなる。即ち、支柱3が図中R方向に傾いているときにはベースプレート4におけるP領域が地盤に対して押圧することとなり、押圧力P1が作用することとなる。またベースプレート4におけるQ領域は、地盤に対して離間する方向に作用することとなり、Q1方向に向けて離間しようとする力が作用することとなる。その結果、ベースプレート4のP領域における端縁4aが支点となり、Q領域の端縁4bがQ1方向に向けて離間しようとする力が作用することとなる。
一方、支柱3が図中S方向に傾いているときにはベースプレート4におけるQ領域が地盤に対して押圧することとなり、押圧力Q2が作用することとなる。またベースプレート4におけるP領域は、地盤に対して離間する方向に作用することとなり、P2方向に向けて離間しようとする力が作用することとなる。その結果、ベースプレート4のQ領域における端縁4bが支点となり、P領域の端縁4aがP2方向に向けて離間しようとする力が作用することとなる。
図6はベースプレート4の平面図を示しているが、このようなベースプレート4における揺動ラインを跨いだP領域、Q領域において、それぞれ長孔44が設けられている。即ち、ベースプレート4のP領域に1以上の長孔44が設けられており、揺動ラインを跨いでQ領域に1以上の長孔44が設けられている。またベースプレート4には、挿通孔45が長孔44の近傍において設けられている。
長孔44は、断面略長方形状とされ、長手方向に向けて延長された形状とされている。この長孔44の長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して、それぞれ45°以上135°以下とされている。図6の例は、この長孔44の長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して90°とされている場合を示している。
なお、P領域において2以上の長孔44が形成されている場合には、少なくともそのうち1つの長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して上述した角度の範囲とされていればよく、P領域において全ての長孔44の長手方向がこのような角度の範囲とされている必要はない。Q領域において2以上の長孔44が形成されている場合も同様に少なくとも1つが上述した角度の範囲とされていればよい。
スパイラル杭5は、図5に示すように上下に長い帯状の平鋼を長手方向である上下方向に沿った鉛直軸で捻ってスパイラル状に形成したものである。このスパイラル杭5は、一般に杭径30mm〜150mm程度の大きさとされている。このスパイラル杭5の上端には、反力板51が設けられている。
反力板51は、スパイラル杭5を構成する平鋼に対して垂直となるように、例えば溶接等により取り付けられている。反力板51は、断面多角形状、又は断面円形状の板材(平鋼)からなる。この反力板51には、曲長孔52が1箇所又は2箇所以上に亘り形成されている。この曲長孔52は、図4に示すようにスパイラル杭5を構成する平鋼の取り付け位置5aを挟むようにして2箇所に設けられていることが望ましい。これにより、何れの曲長孔52からボルトを挿通させて固定することが可能となるためである。この曲長孔52は、反力板51の中心から曲率を持たせた状態で折り曲げられた形状で構成されている。
このようなスパイラル杭5によりベースプレート4を固定する際には、図7に示すように、スパイラル杭5の下端をベースプレート4における長孔44に挿通させる。長孔44の長手方向及び短径方向のサイズを、このスパイラル杭5の断面よりも径大に設定しておくことにより、スパイラル杭5の長孔44への挿通が可能となる。次に、このスパイラル杭5の上端に取り付けられた反力板51を例えば金槌、小槌等で叩くことにより、スパイラル杭5を地中に向けて捻りながら打設していく。その結果、図3、5に示すように地中にこのスパイラル杭5を埋設することができ、その上端にある反力板51は、ベースプレート4に係止されることとなる。また、反力板51に設けられた曲長孔52並びにベースプレート4における挿通孔45とが合わせ込まれた上で、これにボルト56を挿通する。これにより、反力板51、ひいてはこれに取り付けられているスパイラル杭5の回転を防止することができる。さらにベースプレート4における挿通孔45を雌ネジにより形成するようにしてもよい。これにより、挿通させたボルト56をこの挿通孔45に螺着させて固定することができ、反力板51及びスパイラル杭5の回転をより強固に防止することが可能となる。
次に、上述のようにして配設された支柱基礎1の動作について説明をする。上述したように支柱3が揺動方向に向けて交互に揺れ動こうとする力が作用したとき、この揺動ラインを介して隔てられたベースプレート4におけるP領域、Q領域は、交互に地盤に対して押圧され、また離間しようとする力が作用することとなる。予め支柱3を通過する揺動ラインを見極め、この揺動ラインを境界にしてP領域、Q領域を設けたベースプレート4を設計することで初めて実現できる効果である。またP領域においては、少なくとも1以上のスパイラル杭5が挿通された上で地中に打ち込まれており、Q領域には少なくとも1以上のスパイラル杭5が挿通された上で地中に打ち込まれている。
その結果、図5に示すように、支柱3が図中R方向に傾いているときにはベースプレート4のP領域における端縁4aが支点となり、Q領域の端縁4bがQ1方向に向けて離間しようとする力が作用することとなるが、このときには、Q領域に挿通された上で地中に打ち込まれたスパイラル杭5bに上向きの引張応力が作用することとなる。しかしながら、このスパイラル杭5bは、上述したように、反力板51における曲長孔52並びにベースプレート4における挿通孔45に挿通されているボルト56によりその回転が防止できる機構とされている。このため、スパイラル杭5bに対して上向きの引張応力が作用した場合には、スパイラル杭5bを構成するスパイラル状の平鋼の表面と土との摩擦力がこれに対抗することとなる。これに加えてスパイラル杭5bに対し上向きの引張応力が作用した場合には、このスパイラル杭5bの中に入り込んでいる土D1と、その周囲にある土D2との間でせん断力τ1が作用することとなる。しかしながら、土D1と土D2とは互いに土中において一体化されており、このようなせん断力τ1が作用した場合においても、これに対して強固に対抗することが可能となる。最終的にこの土D1と土D2との間に作用するせん断力τ1に勝る引張応力がこのスパイラル杭5bに作用しない限り、スパイラル杭5bは地中から上方に向けて引き抜くことができない。
また、支柱3が図中S方向に傾いているときにはベースプレート4のQ領域における端縁4bが支点となり、P領域の端縁4aがP2方向に向けて離間しようとする力が作用することとなるが、このときには、P領域に挿通された上で地中に打ち込まれたスパイラル杭5aに上向きの引張応力が作用することとなる。しかしながら、このスパイラル杭5aは、上述したように、反力板51における曲長孔52並びにベースプレート4における挿通孔45に挿通されているボルト56によりその回転が防止できる機構とされている。このため、スパイラル杭5aに対して上向きの引張応力が作用した場合には、スパイラル杭5aを構成するスパイラル状の平鋼の表面と土との摩擦力がこれに対抗することとなる。これに加えてスパイラル杭5aに対し上向きの引張応力が作用した場合には、このスパイラル杭5aの中に入り込んでいる土D3と、その周囲にある土D2との間でせん断力τ2が作用することとなる。しかしながら、土D3と土D2とは互いに土中において一体化されており、このようなせん断力τ2が作用した場合においても、これに対して強固に対抗することが可能となる。最終的にこの土D3と土D2との間に作用するせん断力τ2に勝る引張応力がこのスパイラル杭5aに作用しない限り、スパイラル杭5aは地中から上方に向けて引き抜くことができない。
このようにして、支柱3がR方向、S方向の何れに傾いた場合においても、これに対してスパイラル杭5a、5bを介して、スパイラル状の平鋼の表面と土との摩擦力、並びにせん断力τ1、τ2に対する土中の抵抗力の2つの力で対抗することができる。これは、スパイラル杭5a、5bの回転を抑制できる構成としている点に加えて、支柱3のR方向又はS方向の揺動しようとする力に対して、ベースプレート4の何れか一方の端縁が支点となり、他方の端縁側にあるスパイラル杭5に対して引張応力のみが作用する構成としていることによる。これは、予め支柱3の揺動方向を見極めた上で、その揺動ラインを境界にしたP領域、Q領域にそれぞれ1以上のスパイラル杭5を挿通させる構成としているためである。
従って、本発明によれば、フェンス2が風や地震、さらには動物や人間による接触等を始め、何らかの外力を受けた結果、支柱3が揺動しようとする力が作用した場合においても、スパイラル杭5が地中から引き抜けてしまうのを防止することができることから、支柱3の基礎が不安定になり、倒壊してしまうのを防止することができ、しかも支柱3の揺動そのものを防止することが可能となる。
更に本発明によれば、図6に示すように長孔44の長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して90°とされている。換言すれば、スパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向となるようにベースプレート4に挿通されていることとなる。その結果、揺動ラインを介して支柱3が揺動方向に向けて揺動しようとする力が作用した場合、揺動方向に対して強軸方向となるように挿入されたスパイラル杭5がこれに対して強固に抵抗することができ、ひいてはスパイラル杭5の引き抜きを防止することが可能となる。
なおこの長孔44の長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して90°とされている場合に限定されるものではない。少なくともこの長孔44の長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して45°以上135°以下とされていれば、スパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなり、スパイラル杭5の引き抜きに対して強固に抵抗することが可能となる。
また、本発明によれば、図6に示すように、各長孔44の長手方向Xの延長線が支柱3を通過するものであってもよい。ここでいう長孔44の長手方向Xの延長線とは、図6に示す矢印のX方向のみならず、図中点線に示すように、長孔44の両側端から延長される延長線までも含む概念である。このような延長線の少なくとも一つが平面視で支柱3を通過するものであれば、スパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなり、スパイラル杭5の引き抜きに対して強固に抵抗することが可能となる。
図8は、長孔44の長手方向Xの角度は、揺動ラインに対して45°以上135°以下の範囲に設定した他の例を示している。図8(a)は、長孔44の長手方向Xの揺動ラインに対する角度θを、P領域にある一の長孔44は45°に、Q領域にある一の長孔44は135°に設定した例である。このような形態においても、長孔44に挿通されたスパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなる。図8(b)は、長孔44の長手方向Xの揺動ラインに対する角度θを、P領域にある一の長孔44、Q領域にある一の長孔44につき、ともに45°に設定した例である。このような形態においても、長孔44に挿通されたスパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなる。
図8(a)、(b)の例によれば、各長孔44の両側端から延長される延長線の少なくとも一つが平面視で支柱3を通過するように構成されて、平面視で放射状に配列させている。このため、スパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなり、スパイラル杭5の引き抜きに対して強固に抵抗することが可能となる。
図9は、ベースプレート4を平面視でほぼ三角形に近い形状とし、長孔44を3箇所に亘り設けた例を示している。揺動ラインαに対して長孔44−1は、長手方向Xの角度θがほぼ90°であり、長孔44−2は、長手方向Xの角度θが135°であり、長孔44−3は、長手方向Xの角度θがほぼ45°である。即ち、揺動ラインαを介して設けられた1以上の各長孔44が、揺動ラインαに対して45°以上135°以下とされているため、上述した効果を奏することとなる。
この図9の例において仮に揺動ラインβであった場合、この揺動ラインβの両側には、長孔44−2、44−3が設けられている。そして、この揺動ラインβを境にして両側に設けられた1以上の各長孔44−2、44−3が、揺動ラインβに対して45°以上135°以下とされているため、上述した効果を奏することとなる。このように、揺動ラインαであっても、揺動ラインβであっても、これを境にして両側に設けられた1以上の各長孔44が存在するため、これらの長孔44に挿通されたスパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなる。仮に支柱3の揺動方向が一方向に限定されず、様々な方向に揺れ動く可能性がある場合には、揺動ラインもこれに応じて変化することとなるが、かかる場合においても長孔44を3つ以上に亘り配設することにより、上述した効果を奏することとなる。
図9の例によれば、各長孔44−1、44−2、44−3から延長される延長線が平面視で支柱3を通過するように構成されて、平面視で放射状に配列させている。このため、スパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなり、スパイラル杭5の引き抜きに対して強固に抵抗することが可能となる。
図10は、ベースプレート4上において支柱3を中心に長孔44を4箇所に亘り設けた例を示している。これら長孔44は、平面視でその長手方向Xが支柱3の中心を通過するように角度調整されている。換言すれば長孔44の長手方向が、平面視で支柱3を略中心として放射状に配向するように角度調整されている。この長孔44−1〜44−4は、揺動ラインαに対しては、何れも45°以上135°以下とされているため、上述した効果を奏することとなる。揺動ラインβに対しては、これを境に両側に設けられた長孔44のうち、長孔44−2、44−3が45°以上135°以下とされている。このため、上述した条件を満たすこととなる。また、揺動ラインγに対しては、これを境に両側に設けられた長孔44のうち、長孔44−1、44−4が45°以上135°以下とされている。このため、上述した条件を満たすこととなる。
このようにして揺動ラインが変化する場合においても、これを境にして両側に設けられた1以上の各長孔44が存在し、しかもこれが揺動ラインに対して45°以上135°以下とされているため、上述した条件を満たすこととなる。この図10の形態においては、支柱3を中心にして揺動ラインが360°いかなる方向に配向する場合においても、そのいかなる揺動ラインに対して必ずこれを境に両側に設けられた長孔44でかつ角度θが45°以上135°以下とされているものが存在する。従って支柱3の揺動方向がいかなる方向であっても上述した効果を奏することとなる。特に平面視でその長手方向Xが支柱3の中心を通過するように角度調整されていることで、これが実現可能となる。特に支柱3間においてフェンスを架設しない場合で、例えばポールとして使用する場合には、いかなる方向に揺動する可能性もあるが、長孔44に挿通されたスパイラル杭5は、いかなる揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなる。
図10の例によれば、各長孔44−1〜44−4からそれぞれ延長される延長線が平面視で支柱3を通過するように構成されて、平面視で放射状に配列させている。このため、スパイラル杭5は、揺動方向に対して強軸方向に近い挙動を示すこととなり、スパイラル杭5の引き抜きに対して強固に抵抗することが可能となる。
なお、長孔44は、規則的に配置されている場合に限定されるものではなく、図11に示すように長孔44が不規則に設けられるものであってもよい。かかる形態においても、揺動ラインαに対しては、長孔44−2と、44−3、44−4とが揺動ラインαに対してこれを境に両側に設けられ、角度θが45°以上135°以下とされているため、上述した条件を満たすものとなる。一方、また揺動ラインβに対しては、長孔44−2と、44−3とが揺動ラインβに対してこれを境に両側に設けられ、角度θが45°以上135°以下とされているため、上述した条件を満たすものとなる。この図11の形態においては、支柱3を中心にして揺動ラインが360°いかなる方向に配向する場合において、全て上述した条件を満たすものではないが、少なくとも一部の方向に対しては、強軸方向に近い挙動を示すこととなる。
なお、長孔44の揺動ラインに対する角度θが45°以上135°以下とされている場合を例に挙げて説明をしたが、長孔44の揺動ラインに対する角度θが85°以上95°以下とされていることにより、更に強軸方向に近い挙動を示すこととなり、望ましいものといえる。
1 支柱基礎
2 フェンス
3 支柱
4 ベースプレート
5 スパイラル杭
41 主柱継手
42 ボルト孔
44 長孔
45 挿通孔
49、56 ボルト
51 反力板
52 曲長孔

Claims (4)

  1. 複数のスパイラル杭により支持される支柱基礎であって、
    支柱の下端に設けられたベースプレートと、上記ベースプレートに形成された複数の長孔と、平鋼からスパイラル状に捻じられてなると共に上記長孔に差し込まれて地中に捻じ込まれるスパイラル杭とを備え、
    上記長孔は、平面視で上記支柱の揺動し得る方向に対して略直交すると共に上記支柱を通過する揺動ラインの両側にそれぞれ1箇所以上に亘り設けられ、その長手方向の角度は、上記揺動ラインに対して45°以上135°以下であること
    を特徴とする支柱基礎。
  2. 上記支柱は、フェンスが取り付けられ、
    上記揺動ラインは、上記フェンスの延長方向であること
    を特徴とする請求項1記載の支柱基礎。
  3. 上記支柱が上記揺動し得る方向に揺動した場合には、上記ベースプレートにおける揺動ラインを隔てた何れか一端側を支点とし、その他端側の上記長孔に差し込まれたスパイラル杭に引張力を負荷させることで当該揺動に対抗すること
    を特徴とする請求項1又は2項記載の支柱基礎。
  4. 複数のスパイラル杭により支持される支柱基礎であって、
    支柱の下端に設けられたベースプレートと、上記ベースプレートに形成された複数の長孔と、平鋼からスパイラル状に捻じられてなると共に上記長孔に差し込まれて地中に捻じ込まれるスパイラル杭とを備え、
    上記各長孔は、その長手方向の延長線が平面視で上記支柱を通過するように放射状に配向されていること
    を特徴とする支柱基礎。
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JP7470625B2 (ja) 2020-11-25 2024-04-18 Jfe建材株式会社 支柱及び支柱の設置方法

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