JP2017179719A - 受圧構造体及び受圧構造体の施工方法 - Google Patents

受圧構造体及び受圧構造体の施工方法 Download PDF

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Yasuhiro Saito
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Abstract

【課題】法面や壁面などの地盤表面の受圧板接地面に不陸がある場合であっても、施工性の大幅な低下を招くことなく、且つ取扱性に優れ、好適に不陸を調整でき、また、受圧板に地盤反力を好適に作用させることを可能にする受圧構造体及びこれを用いた受圧構造体の施工方法を提供する。【解決手段】アンカー材2の頭部2a側に設けられた受圧板3と、受圧板3と地盤Gの表面の受圧板接地面G1との間に介設される不陸調整用の受圧補助材4とを備える。また、受圧補助材4は、平盤状に形成され、且つ、一面から他面の厚さ方向に貫通し、幾何学的に配設された複数の貫通孔を備え、地盤の不陸に応じて変形している。【選択図】図1

Description

本発明は、受圧構造体及び受圧構造体の施工方法に関する。
従来、法面や根切りした地盤の掘削壁面の安定化、地盤の補強を図る手法として、アンカー工(グラウンドアンカー工、ロックボルト工など)が多用されている。
このアンカー工(受圧構造体および受圧構造体の施工方法)では、削岩機やボーリングマシン等を用いて法面や掘削壁面からすべり面よりも深部の安定地盤に達するように挿入孔を穿孔掘削し、この挿入孔に鉄筋、ネジ棒鋼やPC鋼棒、PC鋼より線などのアンカー材を挿入する。そして、例えばセメントミルクなどのグラウト材を注入するなどしてアンカー材の先端部あるいは全体を地中に定着させ、さらに挿入孔から突出したアンカー材の頭部(後端部)を、圧力を作用させた状態で法面や掘削壁面に保持している。
また、グラウンドアンカー工では、PC鋼棒、PC鋼より線などのアンカー材を挿入孔に挿入し、先端部を地盤に定着させる。さらに、アンカー材の頭部を油圧ジャッキで引っ張りながら、アンカー材の頭部側から地盤側に向かって受圧板に圧力を作用させた状態で保持する。これにより、アンカー材に所定の引張力/緊張力を付与した状態で法面や掘削壁面に受圧板を介して保持させることができ、アンカー体に引張力を導入することによる地盤の締め付け・引き止めによって法面や掘削壁面の安定化を図り、且つ地盤を補強することができる。
ロックボルト工では、棒鋼のアンカー材であるロックボルトを挿入孔に挿入するとともに、グラウト材などによって挿入孔に挿入したロックボルトの全体を地盤に定着させた段階で、挿入孔から突出したロックボルトの頭部を、ナットを螺着するなどして受圧板に固定する。これにより、アンカー材のロックボルトを法面や掘削壁面に受圧板を介して保持させることができる。そして、地盤が変形しようとすると、ロックボルトに受動的に引張力が生じ、法面や掘削壁面の安定化を図り、地盤の補強効果を得ることができる。
ここで、アンカー体の施工時には、予め油圧ショベルなどの建設機械を用いて法面や掘削壁面などの地盤の表面を成形する。しかしながら、礫石が多い土質や、急傾斜、カーブ等の地形では法面や掘削壁面などの地盤の表面の受圧板接地面を平坦に成形することが難しい。
そして、受圧板接地面に不陸がある場合には、受圧板の裏面に作用する地盤反力が不均一になり、所望のアンカー効果が得られなくなるおそれがある。また、不陸によって受圧板の裏面の局部に地盤反力が集中荷重として作用することにより、受圧板にクラックなどの破損が生じるおそれもある。
これに対し、モルタルやコンクリートなどを不陸面に肉盛りするなどして不陸を平滑に調整する手法や、例えば、木質繊維材を混入した半硬化状態のセメント成形体の外表面に補強処理剤を塗布してなる不陸調整材などを予め受圧板と地盤表面の受圧板接地面の間に介装し、不陸を調整する手法が提案、実用化されている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
特開2000−345565号公報 特開平09−242071号公報
しかしながら、モルタルやコンクリートなどを肉盛り充填して不陸を調整する手法では、モルタルやコンクリートなどの充填作業に多大な時間と労力を要するため、アンカー工の工期の増大を招くという問題があった。
一方、上記従来の不陸調整材を不陸がある受圧板接地面に予め配置する手法においても、不陸調整材が受圧板等のアンカーの締め込み圧力で圧密して不陸を吸収するものであり、非常に崩れやすく、特に雨などによって崩れやすく、運搬、現場保管の際の取扱い性が悪いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑み、法面や壁面などの地盤表面の受圧板接地面に不陸がある場合であっても、施工性の大幅な低下を招くことなく、且つ取扱性に優れ、好適に不陸を調整でき、また、受圧板に地盤反力を好適に作用させることを可能にする受圧構造体及びこれを用いた受圧構造体の施工方法を提供することを目的とする。
本発明に係る受圧構造体は、地盤に形成された挿入孔に先端部が挿入されて地中に定着されるとともに、前記先端部の反対側になる頭部が前記挿入孔から突出するように配されたアンカー材と、前記アンカー材の頭部側に設けられた受圧板と、前記受圧板と前記地盤の表面の受圧板接地面との間に介設される不陸調整用の受圧補助材とを備えており、前記受圧補助材が、前記受圧板側となる一面から、前記地盤側となる他面までの厚さ方向に貫通し、幾何学的に配設された複数の貫通孔を備えて平板状に形成され、前記地盤の不陸に応じて変形していることを特徴とする。
この発明においては、受圧板接地面と受圧板の間に受圧補助材が介設されているため、アンカー材に引張力が作用するとともに、アンカー材の頭部側から受圧板に圧力が作用することにより、受圧板と地盤の受圧板接地面から受圧補助材に地盤反力として圧縮力を作用させることができる。そして、地盤の表面の受圧板接地面に不陸がある場合には、受圧補助材における不陸の凸部に接する部分に、不陸の凹部に接する部分よりも大きな圧縮力が作用することになり、所定の圧縮力が作用するとともに受圧補助材における不陸の凸部に接する部分を変形(塑性変形あるいは弾塑性変形)させることができる。
このように受圧補助材は、地盤の受圧板接地面に不陸がある場合であっても、受圧板の裏面に受圧補助材の表面(一面)全体を、受圧板接地面に受圧補助材の裏面(他面)全体をそれぞれ密着させることができ、受圧補助材を介して地盤反力を均一に受圧板に伝達することが可能になる。
また、受圧補助材が幾何学的に配設された複数の貫通孔を備えていることにより、言い換えれば、受圧補助材を構成する構成材によってハニカム構造などの幾何構造が形成されていることにより、確実に且つ精度よく所望の圧縮耐力を備えるように受圧補助材を形成することができ、且つ、従来の不陸調整材と比較し、容易に取り扱うことができる。
また、本発明に係る受圧構造体においては、前記受圧補助材が、平板状で帯状に形成され幅方向を前記厚さ方向となるようにして配され、互いに固定された固定部を有する複数の構成材を備え、前記貫通孔が複数の前記構成材により形成されていることが望ましい。
この発明においては、平板状で帯状の複数の構成材を固定部において一体に組み付けて受圧補助材が形成されていることによって、例えば構成材を折り畳んだ状態で現場に搬入し、現場において複数の構成材を用いて受圧補助材を容易に形成することができる。つまり、受圧補助材の運搬、現場等での保管管理を容易にすることができる。
さらに、本発明に係る受圧構造体においては、前記受圧補助材は、前記貫通孔が形成された基材と、前記基材に含浸した硬化剤とを備えることがより望ましい。
この発明においては、受圧板接地面の不陸と受圧板の間に受圧補助材を介設するとともに硬化剤を含浸させた後に、アンカー材に緊張力/引張力を導入して受圧補助材(基材)を変形させることができる。続いて、地盤の不陸を調整した後に、受圧補助材の基材に含浸させた硬化剤(硬化性の液体)が硬化することによって、所定の圧縮力を発現させ、受圧補助材の圧縮耐力を所望の圧縮耐力にすることができる。
本発明に係る受圧構造体の施工方法は、地盤を穿孔掘削して挿入孔を形成する挿入孔形成工程と、前記挿入孔にアンカー材の先端部を挿入するとともに、前記先端部の反対側になる頭部が前記地盤の表面から突出するように配置した状態で、前記アンカー材の先端部側を地中に定着させる地中定着工程と、厚さ方向に貫通し幾何学的に配設された複数の貫通孔を備えて平板状に形成された受圧補助材を、前記厚さ方向の一面側が表面に向き他面側が地盤の表面に向くように前記地盤の表面上に配置する受圧補助材配置工程と、前記受圧補助材の一面上に受圧板を配置する受圧板配置工程と、前記アンカー材の頭部を引っ張って前記アンカー材に所定の緊張力を付与しつつ、前記アンカー材の頭部側から前記地盤の表面に向かって前記受圧板に圧力を作用させた状態で保持する緊張力付与工程とを備えることを特徴とする。
この発明においては、受圧板接地面と受圧板の間に受圧補助材を介設するため、アンカー材に引張力を作用させるとともに、アンカー材の頭部側から受圧板に圧力を作用させることにより、受圧板と地盤の受圧板接地面から受圧補助材に地盤反力として圧縮力を作用させることができる。そして、地盤の表面の受圧板接地面に不陸がある場合には、受圧補助材における不陸の凸部に接する部分に、不陸の凹部に接する部分よりも大きな圧縮力が作用することになり、所定の圧縮力が作用するとともに受圧補助材における不陸の凸部に接する部分を変形(塑性変形あるいは弾塑性変形)させることができる。
このように受圧補助材は、地盤の受圧板接地面に不陸がある場合であっても、受圧板の裏面に受圧補助材の表面(一面)全体を、受圧板接地面に受圧補助材の裏面(他面)全体をそれぞれ密着させることができ、受圧補助材を介して地盤反力を均一に受圧板に伝達することが可能になる。
また、受圧補助材が幾何学的に配設された複数の貫通孔を備えていることにより、言い換えれば、受圧補助材を構成する構成材によって例えばハニカム構造などの幾何構造が形成されていることにより、確実に且つ精度よく所望の圧縮耐力を備えるように受圧補助材を形成することができ、且つ、従来の不陸調整材と比較し、容易に取り扱うことができる。
また、本発明に係る受圧構造体の施工方法においては、前記受圧補助材配置工程の後、前記受圧補助材に硬化性の液体を含浸させる硬化剤含浸工程を備え、前記緊張力付与工程は、前記硬化性の液体が硬化する前に実施することが望ましい。
この発明においては、受圧板接地面の不陸と受圧板の間に受圧補助材を介設した後に硬化性の液体(硬化剤)を含浸させることで、アンカー材に緊張力/引張力を導入して受圧補助材(基材)を地盤の不陸形状に沿って容易に変形させることができる。続いて、地盤の不陸を調整した後に、受圧補助材に含浸させた硬化性の液体(硬化剤)が硬化することによって、所定の圧縮力を発現させ、受圧補助材の圧縮耐力を所望の圧縮耐力にすることができる。
本発明の受圧構造体及び受圧構造体の施工方法によれば、法面や壁面などの地盤表面の受圧板接地面に不陸がある場合であっても、施工性の大幅な低下を招くことなく、且つ取扱性に優れ、好適に不陸を調整でき、また、好適に受圧板に地盤反力を作用させることが可能になる。
本発明の実施形態における受圧構造体を示す図である。 本発明の実施形態における受圧構造体の施工方法を示す図(1)である。 本発明の実施形態における受圧構造体の施工方法を示す図(2)である。 本発明の実施形態における受圧構造体の施工方法を示す図(3)である。 本発明の実施形態に係る受圧補助材を示す平面図(図3のX−X線矢視図に相当)である。
以下、図1〜図5を参照し、本発明の一実施形態に係る受圧構造体及び受圧構造体の施工方法について説明する。
図1に示すように、本実施形態の受圧構造体(受圧構造体の施工方法)Aは、地盤Gに形成された挿入孔1に先端部が挿入されたアンカー材2と、アンカー材2における先端部とは反対側の頭部に設けられた受圧板3と、受圧板3と地盤Gの表面(受圧板接地面G1)との間に介設された不陸調整用の受圧補助材4と、を備えている。
挿入孔1は、削岩機やボーリングマシンなどを用いて、滑り面よりも深部の安定地盤に達するように地盤Gに形成されている。また、挿入孔1内にロックボルトやPC鋼棒等のアンカー材2の先端部が挿入されているとともに、挿入孔1内にセメントミルク等のグラウト材を注入するなどして、アンカー材2は地中に定着されている。
地盤Gの表面(受圧板接地面G1)には、不陸調整用の受圧補助材4が配設されている。また、受圧補助材4の表面には受圧板3が配設されている。つまり、地盤Gと受圧板3との間に受圧補助材4が介設されている。そして、アンカー材2の頭部2aを引っ張るとともに、受圧板3をアンカー材2の頭部2a側から地盤G側に向かって圧力を作用させた状態で保持することにより受圧構造体Aが構成されている。
ここで、受圧構造体Aは、アンカー材2を斜面(法面)などの地盤Gの地中に定着するとともに、アンカー材2に発生した引張力(緊張力)を地中に分散させるためのものである。
受圧構造体Aは、複数枚の板体3aを積層してなる受圧板3と、最下方の板体3aと受圧板接地面G1との間に介設される不陸調整用の受圧補助材4とを備えている。受圧板3を構成する複数枚の板体3aは、例えば方形状に形成されており、平面視中心部分に挿通孔が形成され、互いの挿通孔を連通するように積層されている。
受圧板3を構成する複数の板体3aは、鋼製あるいは繊維強化プラスチックなどの樹脂製で、平面視略方形状の平板状に形成されている。これら複数の板体3aは、大きさが異なる略方形平板状の相似形でそれぞれ形成されている。
そして、受圧板3は、受圧板接地面G1側から離間する方向(上方)に向かうに従い漸次その大きさが小の板体3aが配されている。換言すれば、複数の板体3aをピラミッド状に積み重ねて構成されている。
受圧補助材4は、例えば、図5(a)〜図5(d)に示すように、帯状で平板状の構成材4aが複数組み合わせて構成されている。構成材4aは、ペーパーハニカム構造の一部をなす部材であり、壁面に相当する基材4dを備えており、該基材4dに囲まれた空間が貫通孔4bとして構成されている。また、基材4dの端部は、隣接する構成材4aと固定される固定部4cとなっている。構成材4aは運搬時および現場保管時には折り畳まれた状態、つまり、帯状で平板状の状態で保持されている。受圧補助材4は、帯状で平板状の構成材4aをその幅方向が厚さ方向となるように複数配置し、折り畳まれた状態の構成材4aの基材4d部分を拡幅した状態にする。その後、隣接された構成材4a,4aに形成された固定部4c,4c同士を互いに固定することにより受圧補助材4が構成されている。受圧補助材4は、構成材4aの貫通孔4bが開口する方向を厚さ方向の上下方向に向けつつ一体に組み合わせるなどして、所定の厚さを有し、且つ一面の上面から他面の下面に貫通した複数の貫通孔4bが形成された平板状部材として構成されている。貫通孔4bは、規則的に並列配置された略同径同大に形成されており、幾何形状(幾何構造)として構成されている。
幾何学的に配置された複数の貫通孔4bは、必ずしもその平面視形状を限定しなくてもよいが、平面視円形や、三角形、四角形、正六角形などの多角形であることが好ましい。受圧補助材4の圧縮強度を確保しやすい点から、幾何形状の複数の貫通孔4bを図5(a)のように平面視正六角形とし、受圧補助材4をハニカム構造で構成することがより好ましい。
また、受圧補助材4は、予め設定した所定の圧縮力を上回る圧縮力が厚さ方向に作用すると、この圧縮力が作用した部分の構成材4aが塑性変形(あるいは弾塑性変形)するように構成されている。
より具体的に、本実施形態において、受圧補助材4は、例えば、段ボール原紙、クラフト紙、紙器用板紙などの帯状で平板状の紙材を構成材4aとし、複数の構成材4aを複数の貫通孔4bを備えるように組み合わせ、幾何形状として形成されている。
また、ペーパーハニカムの受圧補助材4は、その幾何形状の複数の貫通孔4bの大きさ/間隔(目の粗さ)を特に限定する必要がないが、目(貫通孔)が粗すぎると圧縮強度が小さくなるため、目と目の中心間の最大距離L(図5(a)参照)を100mm以下にすることが好ましい。
さらに、受圧補助材4の厚さ(高さ)は、調整したい地盤表面の不陸の大きさに応じて設定すればよく、特に限定を必要としない。但し、調整したい不陸の大きさより高すぎると、圧縮強度が低下するため、特に紙材を用いて受圧補助材4を形成する場合には、調整したい不陸の大きさと同等から3cm程度大きい範囲で調整することが好ましい。
そして、本実施形態の受圧構造体Aを用いて、アンカー材2の頭部2a側から地盤Gに向かって受圧板3に圧力を作用させる場合には、圧縮に強い受圧補助材4のペーパーハニカムを硬化性の液体(液状の硬化剤)で濡らして軟化させた後に、受圧補助材4の上面に受圧板3を設置し、アンカー材2に引張力/緊張力を導入する。
このように受圧補助材4のペーパーハニカムを硬化性の液体(硬化剤)で濡らすことによって、ペーパーハニカムを一旦軟化させる。その後、受圧補助材4のペーパーハニカムが軟化した状態で受圧板3側から受圧補助材4に対して圧縮荷重を掛けることにより、受圧補助材4における不陸の凸部に配置された部分を(不陸の凹部に配置された部分に先行して)容易に潰すことができ、不陸形状に沿って受圧補助材4を変形させることができる。
そして、所定の時間が経過し、硬化性の液体が硬化すると、受圧補助材4が所望の耐力を発現する。
このように受圧補助材4の一部が潰れて不陸が調整された状態で硬化性の液体が硬化することにより、且つ受圧補助材4が幾何形状であることにより、所望の圧縮強度が発揮され、アンカー材2の引張力による圧縮荷重に耐え、受圧板3と受圧板接地面G1の間で地盤反力が好適に伝達される。すなわち、所望の圧縮強度を発揮する受圧補助材4によって不陸が調整されるため、地盤反力が受圧板3に均一に(略均一/好適に)作用することになる。
硬化性の液体(硬化剤)は特に限定する必要がないが、例えば、熱硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。また、セメントミルク、モルタル、CAモルタル(セメントアスファルトモルタル)などの水硬性材料と水とを混合させた材料を用いてもよい。但し、受圧補助材4が紙材で構成されている場合には、紙材に浸透して、紙材を軟化、硬化させる必要がある。このため、紙材に浸透しやすい粘度である必要があり、例えば粘度を5Pa・s(5000cP)以下にすることが好ましい。
次に、本実施形態の受圧構造体Aの施工方法について説明する。
図2に示すように、まず初めに地盤Gを穿孔掘削して挿入孔1を形成する(挿入孔形成工程)。続いて、挿入孔1にアンカー材2を頭部2aが地盤Gの表面から突出するように挿入配置し、挿入孔1にセメントミルク等のグラウト材を注入してアンカー材2を地中に定着させる(地中定着工程)。
続いて、図3に示すように、受圧補助材4をアンカー材2に挿通させつつ、地盤G(受圧板接地面G1)上に配置する(受圧補助材配置工程)。
続いて、受圧補助材4に硬化性の液体(硬化剤)を含浸させて、受圧補助材4を軟化させる(硬化剤含浸工程)。
続いて、図4に示すように、受圧補助材4の一面(表面)に受圧板3を配置する(受圧板配置工程)。このとき、受圧板3はアンカー材2に挿通させつつ複数の板体3aを配置することで構成されている。
そして、図1に示すように、この状態で、アンカー材2の頭部2aを引っ張ってアンカー材2に所定の緊張力を付与しつつ、アンカー材2の頭部2a側から地盤Gに向かって受圧板3に圧力を作用させた状態で保持する(緊張力付与工程)。なお、この緊張力付与工程は、硬化性の液体(硬化剤)が硬化する前に実施する。硬化性の液体(硬化剤)が硬化する前に、緊張力付与工程を行うことにより、受圧補助材4の他面は地盤Gの不陸形状に沿って変形し、その状態で受圧補助材4が硬化性の液体が硬化することにより所定の圧縮力を発現させ、受圧補助材4の圧縮耐力を所望の圧縮耐力にすることができる。
ここで、受圧板3の接地面積が2000mm×2000mm、受圧板3の設計アンカー力が1000kNの受圧構造体に対し、本実施形態の受圧補助材4(ペーパーハニカムの紙の種類を段ボール原紙、ペーパーハニカムの接地面積を2000mm×2000mm、ペーパーハニカムの貫通孔の幾何形状を正六角形、ペーパーハニカムの高さを100mm、ペーパーハニカムの目の間隔を20mm、硬化性液体の種類を不飽和ポリエステル樹脂(粘度0.3Pa・s(300cP)))を適用することによって、好適に不陸を調整できることが確認されている。
したがって、本実施形態の受圧構造体A及び受圧構造体Aの施工方法においては、受圧板接地面G1と受圧板3との間に受圧補助材4が介設されているため、アンカー材2に引張力が作用するとともに、アンカー材2の頭部2a側から地盤G側に向かって受圧板3を圧力を作用させることにより、受圧板3と地盤Gの受圧板接地面G1から受圧補助材4に地盤反力として圧縮力を作用させることができる。
そして、地盤Gの表面の受圧板接地面G1に不陸がある場合には、受圧補助材4における不陸の凸部に接する部分に不陸の凹部に接する部分よりも大きな圧縮力が作用することになり、硬化性の液体が硬化する前において、所定の圧縮力が作用するとともに受圧補助材4における不陸の凸部に接する部分を(凹部に接する部分に先行して)塑性変形あるいは弾塑性変形させることができる。そして、硬化性の液体が硬化することによって、基材4dを構成する紙材と一体となって変形が抑制され、地盤反力を受圧板3に好適に伝達させることができる。
このように受圧補助材4が所定の圧縮力が作用するとともに塑性変形あるいは弾塑性変形することにより、地盤Gの受圧板接地面G1に不陸がある場合であっても、受圧板3の裏面に受圧補助材4の上面(一面)全体を、受圧板接地面G1に受圧補助材4の下面(他面)全体をそれぞれ接触させることができ、受圧補助材4を介して地盤反力を均一に受圧板3に伝達することが可能になる。
また、受圧補助材4が幾何学的に配設された複数の貫通孔4bを備えていることにより、言い換えれば、受圧補助材4を構成する構成材4aによってハニカム構造などの幾何構造が形成されていることにより、確実に且つ精度よく所望の圧縮耐力を備えるように受圧補助材4を形成することができる。
また、本実施形態の受圧構造体A及び受圧構造体Aの施工方法においては、平板状で帯状の複数の構成材4aを一体に組み付けて受圧補助材4が形成されていることによって、受圧補助材4を折り畳めるように形成することができる。さらに、複数の構成材4aどうしを、固定部4cを介して互いに着脱可能にして受圧補助材4を形成することもできる。これにより、受圧補助材4の運搬、現場等での保管管理を容易にすることができる。
さらに、本実施形態の受圧構造体A及び受圧構造体Aの施工方法においては、アンカー材2に緊張力/引張力を導入して受圧補助材4を塑性変形あるいは弾塑性変形させ、地盤Gの不陸を調整した後に、受圧補助材4に含浸させた硬化性の液体が硬化することによって、所定の圧縮力を発現させ、受圧補助材4の圧縮耐力を所望の圧縮耐力にすることができる。
これにより、本実施形態の受圧構造体A及び受圧構造体Aの施工方法においては、受圧板3と法面や壁面などの受圧板接地面G1との間に幾何形状の受圧補助材4を介設するだけで、受圧板接地面G1に不陸がある場合であっても、施工性の大幅な低下を招くことなく、受圧板3に地盤反力を好適に作用させることが可能になる。
また、受圧補助材4は、所定の圧縮力が作用するとともに塑性変形あるいは弾塑性変形する幾何形状で形成されていることにより、従来の不陸調整材のように運搬時に崩れるようなことがない。
よって、本実施形態の受圧構造体A及び受圧構造体Aの施工方法によれば、法面や壁面などの地盤表面の受圧板接地面G1に不陸がある場合であっても、施工性の大幅な低下を招くことなく、且つ取扱性に優れ、好適に不陸を調整でき、また、好適に受圧板3に地盤反力を作用させることが可能になる。
以上、本発明に係る受圧構造体及び受圧構造体の施工方法の一実施形態について説明したが、本発明は上記の一実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、受圧板3が複数枚の板体3aを互いの挿通孔を連通させつつ積層して構成されているものとして説明を行ったが、本発明に係る受圧板3は特にその構成を限定する必要はない。例えば、1枚の板体3aで受圧板3を構成しても、同形同大の複数枚の板体3aで受圧板3を構成してもよい。
また、本発明に係る受圧補助材4を構成する構成材4aは、必ずしも紙材である必要はなく、スポンジなどの多孔質体や繊維で構成してもよい。さらに、紙材を用いて受圧補助材4を形成する場合(ペーパーハニカム)においても、特に紙の種類を限定する必要はない。
また、本実施形態では、受圧補助材4に硬化性の液体を含浸させた場合の説明をしたが、硬化性の液体は含浸させなくてもよい。受圧補助材4に硬化性の液体を含浸させてから、受圧補助体4をアンカー材2に挿通し地盤G(受圧板接地面G1)上に設置してもよい。
また、本実施形態では、受圧補助材4を複数の構成材4aを組み合わせることで形成した場合の説明をしたが、予め工場などで製造した所定の大きさの平板状の受圧補助材を用いてもよい。
また、本発明は、グラウンドアンカー工、ロックボルト工などのあらゆるアンカー工(アンカー体の受圧構造)にも適用可能である。
1 挿入孔
2 アンカー材
2a 頭部
3 受圧板
3a 板体
4 受圧補助材(不陸調整材)
4a 構成材(紙材)
4b 貫通孔
4c 固定部
4d 基材
A 受圧構造体

Claims (5)

  1. 地盤に形成された挿入孔に先端部が挿入されて地中に定着されるとともに、前記先端部の反対側になる頭部が前記挿入孔から突出するように配されたアンカー材と、
    前記アンカー材の頭部側に設けられた受圧板と、
    前記受圧板と前記地盤の表面の受圧板接地面との間に介設される不陸調整用の受圧補助材とを備えており、
    前記受圧補助材が、前記受圧板側となる一面から、前記地盤側となる他面までの厚さ方向に貫通し、幾何学的に配設された複数の貫通孔を備えて平板状に形成され、前記地盤の不陸に応じて変形していることを特徴とする受圧構造体。
  2. 請求項1記載の受圧構造体において、
    前記受圧補助材が、平板状で帯状に形成され幅方向を前記厚さ方向となるようにして配され、互いに固定された固定部を有する複数の構成材を備え、前記貫通孔が複数の前記構成材により形成されていることを特徴とする受圧構造体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の受圧構造体において、
    前記受圧補助材は、前記貫通孔が形成された基材と、前記基材に含浸した硬化剤とを備えることを特徴とする受圧構造体。
  4. 地盤を穿孔掘削して挿入孔を形成する挿入孔形成工程と、
    前記挿入孔にアンカー材の先端部を挿入するとともに、前記先端部の反対側になる頭部が前記地盤の表面から突出するように配置した状態で、前記アンカー材の先端部側を地中に定着させる地中定着工程と、
    厚さ方向に貫通し幾何学的に配設された複数の貫通孔を備えて平板状に形成された受圧補助材を、前記厚さ方向の一面側が表面に向き他面側が地盤の表面に向くように前記地盤の表面上に配置する受圧補助材配置工程と、
    前記受圧補助材の一面上に受圧板を配置する受圧板配置工程と、
    前記アンカー材の頭部を引っ張って前記アンカー材に所定の緊張力を付与しつつ、前記アンカー材の頭部側から前記地盤の表面に向かって前記受圧板に圧力を作用させた状態で保持する緊張力付与工程とを備えることを特徴とする受圧構造体の施工方法。
  5. 請求項4に記載の受圧構造体の施工方法において、
    前記受圧補助材配置工程の後、前記受圧補助材に硬化性の液体を含浸させる硬化剤含浸工程を備え、
    前記緊張力付与工程は、前記硬化性の液体が硬化する前に実施することを特徴とする受圧構造体の施工方法。
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