JP7032143B2 - 補強アンカー - Google Patents
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Description
特許文献1には、シールド掘削機で切削可能な切削壁を貫通させて引張り材によって所定の引張力が付与された状態で地盤に定着され、シールド掘削機によって切削可能で、引張り材の引張力を受けて切削壁の壁面に圧接する受圧板を備えた補強アンカーについて記載されている。
したがって、シールド掘進用の立坑壁への切削可能な補強アンカーの打設を確実に行うことができる。
したがって、シールド掘進用の立坑壁への切削可能な補強アンカーの打設を確実に行うことができる。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による補強アンカー1は、シールドトンネルの掘進工事で使用されるシールド掘削機2の発進部となる切削壁3を貫通させて所定の引張力が付与された状態で地盤に定着され、シールド掘削機2によって切削可能な材料により構成されている。
また、切削壁3は、ポリエステル樹脂をガラス長繊維や炭素繊維で強化した複合材料からなる掘削可能な複数のアンカー1、1、…により補強されている。
芯材34は、シールド掘削機2のカッター21によって切削可能な材料である硬質ウレタン樹脂をガラス長繊維により強化した柱状複合材料(施工現場の地盤や立坑の大きさによって特に限定されないが、例えば、600×300mmの積水化学工業株式会社、エスロンネオランバーFFU)の上下にH形鋼が継手及びボルトナット等を介して固定されて得られている。
ここで、アンカー材11とグリップ部材12とが引張り材を構成している。
そして、アンカー材11のうち突出端11a及び定着端11bを除く部分は、図7に示すように波付き硬質ポリエチレン管等のシース管15に挿通され、アンカー固定孔31に充填されるグラウト16に対して非定着の状態になっている。
なお、滑り止め部材5は、滑り止め部材5自体の許容応力度や受圧板4から受ける鉛直分力に基づいて予め設計された形状、大きさ、ボルト挿通孔52の孔径、位置が設計される。例えば、本実施の形態では、上下一対のボルト挿通孔52、52の上側に十分な余白(間隔)を設けるように設計することで、ボルト51で拘束されたボルト挿通孔52間の4面(図10に示す符号5A参照)で鉛直分力によるせん断に耐える構造とすることができる。なお、本実施の形態では、下側のボルト挿通孔52において、下側余白は上側余白より短い寸法に設定されている。
先ず、図1及び図2に示すように、施工された切削壁3のうち予め設定された複数の位置に切削壁3を貫通するとともに地盤Gに達する所定長のアンカー固定孔31を、削孔機を使用して削孔する。具体的には、切削壁3の芯材34、34同士(図3参照)の間のセメント硬化部において、削孔ドリルを用いて、例えば下方斜め5~45度の傾斜角度で穿孔する。
そして、切削壁3には、滑り止め部材5に形成されているボルト挿通孔52と同軸となるように切削壁3にボルト孔36を削孔する。切削壁3に削孔されるボルト孔36は、その孔長がボルト51の長さに対応していればよく、ボルト51が切削壁3に根入れされる適宜な長さに設定されている(図6参照)。なお、ボルト51及びボルト孔36は、場合によっては切削壁3より奥の地盤Gに到達するように設けられていてもよい。
その後、アンカー材11が挿入されたアンカー固定孔31に定着材(グラウト16)を注入する。このとき、シース管15の内側にグラウト16が浸入しないようにする。これにより、アンカー材11の先端側の定着端11b(図1及び図2参照)は、グラウト16の硬化に伴いアンカー固定孔31内で地盤Gと一体に固定され、定着される。
これにより複数のアンカー材11、11、…によって切削壁3を補強することができ、切削壁3が完成した状態となる。
そして、このように構成される切削壁3では、複数の補強アンカー1によって補強されているので、切削壁3が土水圧によって立坑30内側に撓んだりすることが抑えられる。
本実施の形態では、図7に示すように、切削壁3にボルト51によって固定された滑り止め部材5によって受圧板4の積層板41が下方から当接されて支持されているので、アンカー材11を緊張定着する際に切削壁3と積層板41との間で生じる滑りを抑制することができる。そのため、補強アンカー1を所定の位置に確実に打設することができ、補強アンカー1にアンカー材11の引張力(緊張力)が確実に付与されて切削壁3が補強される。
したがって、シールド掘進用の立坑壁30への切削可能な補強アンカー1の打設を確実に行うことができる。とくに、シールド外径が大きいときの立坑壁30の場合には、上述したように滑り止め部材5と受圧板4との間で滑りが生じやすいことから、上記の効果が大きい。
図11及び図12に示すように、第2の実施の形態による補強アンカー1Aは、滑り止め部材5を受圧板4と別体ではなく一体に設けた構成となっている。
すなわち、受圧板4の積層板41には、受圧板本体40よりも下方に延長されて一体に形成された滑り止め部材44が設けられている。滑り止め部44は、積層板41が受圧板本体40及び切削壁3の間に介在された状態で切削可能なボルト51により切削壁3に固定されている。滑り止め部材44におけるボルト51による固定位置は、積層板41の左右両側の下方位置で、それぞれ上下に間隔をあけて一対のボルト挿通孔52、52(ボルト51、51)が設けられている。
したがって、開口径が大きいシールド掘進用の立坑壁30への切削可能な補強アンカー1Aの打設を確実に行うことができる。
次に、第1変形例による補強アンカー1Bについて、図13及び図14を用いて説明する。
第1変形例による補強アンカー1Bは、受圧板4の積層板41と切削壁3の壁面3aとの間に不陸調整部材6を設けた構成となっている。不陸調整部材6は、例えば、布袋の中にグラウトを充填した材料が用いられ、切削壁3の構築時に生じる壁面3aの不陸(凹凸)を吸収することができる。
そのため、受圧板4(積層板41)を切削壁3の壁面3aに対して所定の姿勢で配置することができ、アンカー材11を緊張定着する際に、受圧板4がずれて滑り易くなることを防ぐことができる。また、アンカー力を受圧板4の背面の芯材34、34に伝達することができる。
例えば、上述した第1の実施の形態の滑り止め部材5では一対のボルト挿通孔52、52が上下方向に間隔をあけて配置された構成としているが、このような配置、数量であることに制限されることはない。例えば、シールド開口径が大きく、鉛直分力が大きくなる場合には、1つの滑り止め部材5におけるボルト51の本数を増やす構成とすればよい。例えば、図15に示す第2変形例のように3つのボルト挿通孔52(ボルト51)のそれぞれが互いに上下方向にずれた位置に千鳥状に配置されている構成とすることも可能である。また、図16に示す第3変形例のように4つのボルト挿通孔52(ボルト51)のそれぞれが互いに上下方向にずれた位置に千鳥状に配置されている構成とすることも可能である。
2 シールド掘削機
3 切削壁
3a 壁面
4 受圧板
5 滑り止め部材
6 不陸調整部材
11 アンカー材
12 グリップ部材
13 押さえナット
14 定着用膨張モルタル
30 立坑
31 アンカー固定孔
36 ボルト孔
40 受圧板本体
41 積層板
44 滑り止め部材
51 ボルト(固定部材、棒状部材)
52 ボルト挿通孔(貫通孔)
53 充填材
G 地盤
O 引張り軸
Claims (7)
- シールド掘削機で切削可能な切削壁を貫通させて引張り材によって所定の引張力が付与された状態で地盤に定着され、前記シールド掘削機によって切削可能な補強アンカーであって、
前記引張り材の引張力を受けて前記切削壁の壁面に圧接する受圧板と、
板状部材からなり、前記受圧板を下方から当接する滑り止め部材と、を備え、
前記滑り止め部材は、切削可能な固定部材により前記切削壁に固定され、
前記受圧板は、受圧板本体と、該受圧板本体及び前記切削壁の間に介在され前記切削壁の壁面に当接する積層板と、を有し、
前記滑り止め部材は、前記積層板を下方から当接した位置で前記切削壁に固定されていることを特徴とする補強アンカー。 - シールド掘削機で切削可能な切削壁を貫通させて引張り材によって所定の引張力が付与された状態で地盤に定着され、前記シールド掘削機によって切削可能な補強アンカーであって、
前記引張り材の引張力を受けて前記切削壁の壁面に圧接する受圧板を備え、
前記受圧板は、受圧板本体と、該受圧板本体及び前記切削壁の間に介在される積層板と、を有し、
前記積層板には、前記受圧板本体よりも下方に延長されて一体に形成された滑り止め部材が設けられ、
前記滑り止め部材は、前記積層板が前記受圧板本体と前記切削壁との間に介在された状態で切削可能な固定部材により前記切削壁に固定されていることを特徴とする補強アンカー。 - シールド掘削機で切削可能な切削壁を貫通させて引張り材によって所定の引張力が付与された状態で地盤に定着され、前記シールド掘削機によって切削可能な補強アンカーであって、
前記引張り材の引張力を受けて前記切削壁の壁面に圧接する受圧板と、
板状部材からなり、前記受圧板を下方から当接する滑り止め部材と、を備え、
前記滑り止め部材は、切削可能な固定部材により前記切削壁に固定され、
前記滑り止め部材には、厚さ方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記固定部材は、前記貫通孔に挿通可能なボルト又はピン材からなる棒状部材であり、
前記棒状部材が前記切削壁に打ち込まれていることを特徴とする補強アンカー。 - 前記貫通孔は、複数設けられ、それぞれが互いに上下方向にずれた位置に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の補強アンカー。
- 前記貫通孔と前記棒状部材との間に充填材が充填されていることを特徴とする請求項3又は4に記載の補強アンカー。
- シールド掘削機で切削可能な切削壁を貫通させて引張り材によって所定の引張力が付与された状態で地盤に定着され、前記シールド掘削機によって切削可能な補強アンカーであって、
前記引張り材の引張力を受けて前記切削壁の壁面に圧接する受圧板と、
板状部材からなり、前記受圧板を下方から当接する滑り止め部材と、を備え、
前記滑り止め部材は、切削可能な固定部材により前記切削壁に固定され、
前記滑り止め部材は、ガラス繊維補強発泡ウレタンから形成されており、含有されるガラス繊維の方向を前記受圧板の荷重方向に一致させて配置されていることを特徴とする補強アンカー。 - 前記受圧板と前記切削壁の壁面との間には、前記壁面の凹凸を吸収する不陸調整部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の補強アンカー。
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