JP2017179675A - 排ガス浄化装置用保持材の製造方法、およびそれに用いられる打抜型セット - Google Patents
排ガス浄化装置用保持材の製造方法、およびそれに用いられる打抜型セット Download PDFInfo
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Abstract
【課題】打抜型の上向き押圧により無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く際に、受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができ、打抜作業を円滑且つ精度よく行うことが可能な排ガス浄化装置用保持材の製造方法、及びそれに用いられる打抜型セットの提供。【解決手段】打抜型上に無機繊維成形体11を載置し、無機繊維成形体11の上方に受け板5を配置し、打抜型1及び受け板5を、両者が接近する方向に相対的に移動させて無機繊維成形体11を押圧して、無機繊維成形体11から排ガス浄化装置用保持材12を打抜く排ガス浄化装置用保持材12の製造方法であって、受け板5は、打抜型1側表面の水接触角が75°以上であり、打抜型1は、打抜基板6と、打抜基板6に対して垂直に設けられた打抜刃3と、打抜基板6上の打抜刃3内に配置された弾性体とを有する排ガス浄化装置用保持材の製造方法。【選択図】図3
Description
本発明は、シート状の無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く排ガス浄化装置用保持材の製造方法に関する。
セラミックファイバーに代表される無機繊維の成形体は、工業用断熱材、耐火材、パッキン材等の高温の状態に暴露される用途に用いられてきたが、近年では自動車の排ガス浄化装置用のクッション材(保持材)、すなわち、触媒担体または粒子フィルタを金属製のケーシングに収容する際に、触媒担体または粒子フィルタに巻回され、触媒担体または粒子フィルタとケーシングとの間に介装される排ガス浄化装置用保持材としても注目されている。
排ガス浄化装置用保持材の製造方法としては、例えば打抜型を用いて、特許文献1に記載されるような連続無機繊維ブランケットから、所定の形状を有する保持材を打抜く方法が知られている。例えば特許文献2には、打抜基板上に垂直方向に突出してなる打抜刃を備え、打抜基板上に25%圧縮荷重が25kPa〜120kPaの弾性変形可能な弾性体が接着された、排ガス処理体の保持シール材用打抜板を用いて、シート状の無機質繊維マットから所定形状の保持シール材を打抜く方法が提案されている。
特許文献2に開示される保持材の打抜き方法は、受け板上に無機質繊維マットを載置し、上記無機質繊維マットの上方に配置した保持シール材用打抜板を受け板に向けて降下して無機質繊維マットを押圧することにより、保持シール材の打抜きを行う方法である。この方法では、無機質繊維マットの厚み方向において、上側から下側に向かって打抜刃が侵入する。以下、このような、無機質繊維マットの上方から打抜型により押圧される打抜き方式を、下向き押圧方式と称する。
一方、本発明者等は、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、上記無機繊維成形体の上方に受け板を配置して、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧することにより、排ガス浄化装置用保持材を打抜く方法を採用している。この方法では、無機繊維成形体を載置した状態で上記打抜型を上記受け板側に移動させ、若しくは、上記受け板を上記打抜型側に移動させることで、無機繊維成形体の厚み方向において、下側から上側に向かって打抜刃が侵入する。以下、このような、無機繊維成形体の下方から打抜型により押圧される打抜き方式を、上向き押圧方式と称する。
上向き押圧方式によれば、無機繊維成形体の自重が打抜型に向けて常にかかるため、下向き押圧方式を用いる場合と比較して、押圧が小さくても無機繊維成形体を打抜くことができる。そのため、無機繊維成形体が打抜型に埋もれにくく、押出性が良好となる。したがって、切り出された排ガス浄化装置用保持材を傷つけることなく、打抜型の打抜刃内から容易に取り出すことができるという利点がある。
上向き押圧方式によれば、無機繊維成形体の自重が打抜型に向けて常にかかるため、下向き押圧方式を用いる場合と比較して、押圧が小さくても無機繊維成形体を打抜くことができる。そのため、無機繊維成形体が打抜型に埋もれにくく、押出性が良好となる。したがって、切り出された排ガス浄化装置用保持材を傷つけることなく、打抜型の打抜刃内から容易に取り出すことができるという利点がある。
しかし、上向き押圧方式の打抜方法を用いて無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く場合、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が上方の受け板に付着して剥がれにくいため、以下のような課題を生じる。
すなわち、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材は、自動化回収装置等の回収手段により打抜型から回収され、検査工程や梱包現場に搬送される。このとき、回収手段は、打抜型上の定位置にある排ガス浄化装置用保持材を回収するように設定されているところ、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が上方の受け板に付着してしまうと、付着したままである又は付着後自重で落下することで設定外の位置にあるため、回収手段により回収することができず、該自動化回収装置にエラーが生じてしまう。また、打抜作業を行うたびに、作業者が手動で受け板に付着した排ガス浄化装置用保持材を回収しなければならず、次の工程に移行するまでに手間を要する。
このため、打抜いた排ガス浄化装置用保持材を次の工程に円滑に搬送できないという課題を有する。
すなわち、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材は、自動化回収装置等の回収手段により打抜型から回収され、検査工程や梱包現場に搬送される。このとき、回収手段は、打抜型上の定位置にある排ガス浄化装置用保持材を回収するように設定されているところ、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が上方の受け板に付着してしまうと、付着したままである又は付着後自重で落下することで設定外の位置にあるため、回収手段により回収することができず、該自動化回収装置にエラーが生じてしまう。また、打抜作業を行うたびに、作業者が手動で受け板に付着した排ガス浄化装置用保持材を回収しなければならず、次の工程に移行するまでに手間を要する。
このため、打抜いた排ガス浄化装置用保持材を次の工程に円滑に搬送できないという課題を有する。
また、排ガス浄化装置用保持材の製造に用いられる無機繊維成形体としては、経時による無機繊維の飛散を防ぐために、無機繊維にバインダー等を添着させたバインダー含有無機繊維成形体が用いられることがある。
しかし、バインダー含有無機繊維成形体を用いる場合、含有するバインダーにより、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が受け板にさらに付着しやすくなり、さらに、バインダーや打抜き時に飛散した無機繊維等の付着により、受け板表面が汚染されてしまう。
そして、打抜き操作を連続して行うと、受け板表面の汚染が酷くなり、また、汚染した受け板を使用し続けることで、打抜く際の無機繊維成形体の平坦性が保てなくなり、打抜き精度が低下してしまうという課題も有する。
しかし、バインダー含有無機繊維成形体を用いる場合、含有するバインダーにより、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が受け板にさらに付着しやすくなり、さらに、バインダーや打抜き時に飛散した無機繊維等の付着により、受け板表面が汚染されてしまう。
そして、打抜き操作を連続して行うと、受け板表面の汚染が酷くなり、また、汚染した受け板を使用し続けることで、打抜く際の無機繊維成形体の平坦性が保てなくなり、打抜き精度が低下してしまうという課題も有する。
このように、上向き押圧方式の打抜方法を用いて無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く場合、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が上方の受け板に付着することで、打抜き作業を円滑に行うことが困難である。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、打抜型の上向き押圧により無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く際に、受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができ、打抜作業を円滑且つ精度よく行うことが可能な排ガス浄化装置用保持材の製造方法、およびそれに用いられる打抜型セットを提供することを主目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明は、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、上記無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く排ガス浄化装置用保持材の製造方法であって、上記受け板は、上記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、上記打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする排ガス浄化装置用保持材の製造方法を提供する。
本発明によれば、受け板の打抜型側表面が所定値以上の水接触角を示すことから、打抜型および受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧したときに、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材が受け板表面に付着しにくくなる。これにより、排ガス浄化装置用保持材の付着に因る受け板表面の汚染を防ぐことができ、また、排ガス浄化装置用保持材の搬送を容易に行うことができる。さらに、打抜型が弾性体を有することで、嵩密度が比較的高い無機繊維成形体であっても、精度良く打抜くことができる。このため、打抜き作業を円滑且つ精度よく行うことが可能となる。
上記発明においては、上記受け板が、基板と、上記基板の上記打抜型側表面に配置された撥水層とを有していてもよい。
上記発明においては、上記弾性体の25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内であることが好ましい。打抜型の弾性体が比較的柔らかいものであることにより、嵩密度が比較的高い無機繊維成形体を用いる場合であっても、排ガス浄化装置用保持材の打抜きを高精度で行うことができ、また打抜き時の性状劣化を抑制することができる。このため、本発明により製造される排ガス浄化装置用保持材を用いて排ガス浄化装置を作製した場合には、位置ずれ、隙間の発生等を抑制することができ、排ガス浄化装置用保持材の保持力を高めることができるからである。
上記発明においては、上記無機繊維成形体が有機バインダーを含有していてもよい。
また、本発明は、受け板および打抜型を有する打抜型セットであって、上記受け板は、上記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、上記打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする打抜型セットを提供する。
本発明によれば、受け板の打抜型側表面が所定値以上の水接触角を示すことから、無機繊維成形体に対して上側に受け板を配置し、下側に打抜型を配置して、排ガス浄化装置用保持材の打抜きを行う場合に、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材が受け板表面に付着しにくく、また、受け板表面が汚染されにくい。さらに、打抜型が弾性体を有することで、嵩密度が比較的高い無機繊維成形体の場合であっても、精度良く打抜くことができる。このため、本発明の打抜型セットは、排ガス浄化装置用保持材の製造に用いることで、打抜き作業を円滑且つ精度よく行うことが可能となる。
上記発明においては、上記弾性体の25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内であることが好ましい。打抜型の弾性体が比較的柔らかいものであることにより、嵩密度が比較的高い無機繊維成形体を用いる場合であっても、排ガス浄化装置用保持材の打抜きを高精度で行うことができ、また打抜き時の性状劣化を抑制することができる。このため、本発明の打抜型セットは、排ガス浄化装置用保持材の製造に用いることで、打抜き作業をより円滑且つ精度よく行うことが可能となる。
本発明によれば、無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く際に、受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができ、打抜き作業を円滑且つ精度よく行うことが可能であるという効果を奏する。
以下、本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法、およびそれに用いられる打抜型セットについて詳細に説明する。
A.排ガス浄化装置用保持材の製造方法
本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法は、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、上記無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く排ガス浄化装置用保持材の製造方法であって、上記受け板は、上記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、上記打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする。
本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法は、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、上記無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く排ガス浄化装置用保持材の製造方法であって、上記受け板は、上記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、上記打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする。
本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法について、図面を参照して説明する。
図1は本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法に用いられる打抜型セットの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、打抜型セット10は、受け板5および打抜型1を有する。受け板5は、打抜型1側表面の水接触角が75°以上である。図1に示す受け板5は、基板6と、基板6の打抜型1側表面に配置された撥水層7とを有している。また、打抜型1は、打抜基板2と、打抜基板2の溝2aに嵌め込まれ、垂直に設けられた帯状の打抜刃3と、打抜基板2上の打抜刃3内に配置された弾性体4とを有している。
図2は、本発明における打抜型の一例を示す概略平面図であり、図1中の打抜型1は図2のA−A線断面図に相当する。
図1は本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法に用いられる打抜型セットの一例を示す概略断面図である。図1に示すように、打抜型セット10は、受け板5および打抜型1を有する。受け板5は、打抜型1側表面の水接触角が75°以上である。図1に示す受け板5は、基板6と、基板6の打抜型1側表面に配置された撥水層7とを有している。また、打抜型1は、打抜基板2と、打抜基板2の溝2aに嵌め込まれ、垂直に設けられた帯状の打抜刃3と、打抜基板2上の打抜刃3内に配置された弾性体4とを有している。
図2は、本発明における打抜型の一例を示す概略平面図であり、図1中の打抜型1は図2のA−A線断面図に相当する。
図3(a)〜(c)は本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法の一例を示す工程図であり、図1に示す打抜型セットを用いた例である。
まず、図3(a)に示すように、打抜型セットの打抜型1上に無機繊維成形体11を載置する。続いて、打抜型1および無機繊維成形体11の上方に、撥水層7が打抜型1側を向くようにして、受け板5を配置する。
次に、打抜型1および受け板5を、両者が接近する方向に相対的に移動させて無機繊維成形体11を押圧する。図3(a)に示す例では、打抜刃3の刃先が受け板5に接触するまで打抜型1を受け板5に向かって移動させている。このとき、無機繊維成形体11は打抜型1により下方から押圧されているが、弾性体4が厚み方向に圧縮され、打抜刃3で無機繊維成形体11が厚み方向にさらに押圧されることで、無機繊維成形体11が打抜かれる(図3(b))。
次に、図3(c)に示すように、打抜型1を下方に移動させ、元の位置に戻す。この際、弾性体4の弾性変形により、切り出された排ガス浄化装置用保持材12は打抜刃3内から押し出され、打抜型1上に載置される。
その後、排ガス浄化装置用保持材12は、自動化回収装置等の回収手段により、回収され、検査工程や梱包現場に搬送される。
まず、図3(a)に示すように、打抜型セットの打抜型1上に無機繊維成形体11を載置する。続いて、打抜型1および無機繊維成形体11の上方に、撥水層7が打抜型1側を向くようにして、受け板5を配置する。
次に、打抜型1および受け板5を、両者が接近する方向に相対的に移動させて無機繊維成形体11を押圧する。図3(a)に示す例では、打抜刃3の刃先が受け板5に接触するまで打抜型1を受け板5に向かって移動させている。このとき、無機繊維成形体11は打抜型1により下方から押圧されているが、弾性体4が厚み方向に圧縮され、打抜刃3で無機繊維成形体11が厚み方向にさらに押圧されることで、無機繊維成形体11が打抜かれる(図3(b))。
次に、図3(c)に示すように、打抜型1を下方に移動させ、元の位置に戻す。この際、弾性体4の弾性変形により、切り出された排ガス浄化装置用保持材12は打抜刃3内から押し出され、打抜型1上に載置される。
その後、排ガス浄化装置用保持材12は、自動化回収装置等の回収手段により、回収され、検査工程や梱包現場に搬送される。
本発明によれば、受け板の打抜型側表面が所定値以上の水接触角を示すことから、打抜型および受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧したときに、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材が受け板表面に付着しにくくなる。これにより、排ガス浄化装置用保持材の付着に因る受け板表面の汚染を防ぐことができ、また、排ガス浄化装置用保持材の搬送を容易に行うことができる。
さらに、打抜型が弾性体を有することで、嵩密度が比較的高い無機繊維成形体であっても、精度良く打抜くことができる。
詳しくは、排ガス浄化装置の組み立て方法としては、一体型のケーシングに、触媒担体または粒子フィルタに保持材を装着した状態で圧力をかけて収容するスタッフィング法(圧入法)が最も簡便で一般的であるが、この手法は保持材とケーシングとの間で摩擦が発生し、保持材が剥離してしまうことが懸念される。
そのため、無機繊維成形体はニードリング処理が施され、ある程度嵩密度が高いことが望ましいとされる。
詳しくは、排ガス浄化装置の組み立て方法としては、一体型のケーシングに、触媒担体または粒子フィルタに保持材を装着した状態で圧力をかけて収容するスタッフィング法(圧入法)が最も簡便で一般的であるが、この手法は保持材とケーシングとの間で摩擦が発生し、保持材が剥離してしまうことが懸念される。
そのため、無機繊維成形体はニードリング処理が施され、ある程度嵩密度が高いことが望ましいとされる。
このような無機繊維成形体を用いる場合に、打抜型の弾性体として比較的柔らかい弾性体を選択することで、図3(b)に示したように、無機繊維成形体11を打抜く際に、弾性体4が圧縮されやすく、弾性体4から打抜刃3が突出し、打抜刃3を無機繊維成形体11の厚み方向に進入させることができる。これにより、無機繊維成形体11を精度良く打抜くことができる。また、無機繊維成形体11に過度の圧縮荷重がかかるのを抑えることができ、打抜き時に無機繊維成形体11が圧潰され崩壊するのを抑制することができる。
このように、本発明の製造方法によれば、無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く際の、受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができ、打抜き作業を円滑且つ精度よく行うことが可能となる。
なお、本発明において、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させるとは、受け板に向かって打抜型を移動させてもよく、打抜型に向かって受け板を移動させてもよい。中でも、本発明においては、上記打抜型を上記受け板側に移動させることが好ましい。
また、本発明において、「受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができる」とは、無機繊維成形体を押圧して打抜いた後、上記打抜型および上記受け板を、両者が離反する方向に相対的に移動させるときに、移動と共に排ガス浄化装置用保持材が受け板から剥がれること、若しくは、移動の際に排ガス浄化装置用保持材が受け板表面に一旦付着しても、10秒以内に打抜型側へ落下すること、すなわち、受け板表面での付着状態の保持時間が10秒以内であることをいう。中でも、排ガス浄化装置用保持材が受け板表面に一旦付着しても、瞬時に打抜型側へ落下することが好ましい。瞬時とは、受け板表面に無機繊維成形体が付着してから、その付着状態の保持時間が1秒〜3秒程度であることをいう。
以下、本発明の排ガス浄化装置用保持材の製造方法について説明する。
1.受け板
本発明における受け板は、打抜型側表面の水接触角が75°以上である。
本発明における受け板は、打抜型側表面の水接触角が75°以上である。
上記受け板は、打抜型側表面の水接触角が75°以上であればよく、中でも80°以上であることが好ましく、特に85°以上であることが好ましい。なお、上記水接触角の上限としては、通常120°以下、好ましくは105℃以下とすることができる。
水接触角を上記範囲内に設定することで、受け板の打抜型側表面の表面自由エネルギーを低くすることができるため、その結果、打抜き後における受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができるからである。なお、上記水接触角が上記範囲よりも下回ると、受け板の打抜型側表面の表面自由エネルギーが高くなり、受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材が付着することになる。
水接触角を上記範囲内に設定することで、受け板の打抜型側表面の表面自由エネルギーを低くすることができるため、その結果、打抜き後における受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材の付着を抑制することができるからである。なお、上記水接触角が上記範囲よりも下回ると、受け板の打抜型側表面の表面自由エネルギーが高くなり、受け板側への上記排ガス浄化装置用保持材が付着することになる。
水接触角は、純水の静的接触角をいうものであり、JIS R3257に準拠したθ/2法により測定することができる。具体的には、受け板の打抜型側表面上に純水20μLの液滴を滴下し、着滴60秒以内に、図4で示すように、水滴31の左右端点Eと頂点Tを結ぶ直線Lの、受け板5表面に対する角度θ1を求め、これを2倍にすることで、水接触角θ2(θ2=2θ1)を求めることができる。
水接触角θ2は、受け板の表面上に着滴した状態を写真で撮影後、その写真を拡大して直読または画像解析により算出することができる。測定装置としては、例えば、自動接触角計 DM−501(協和界面科学株式会社製)を用いることができる。
水接触角θ2は、受け板の表面上に着滴した状態を写真で撮影後、その写真を拡大して直読または画像解析により算出することができる。測定装置としては、例えば、自動接触角計 DM−501(協和界面科学株式会社製)を用いることができる。
上記受け板は、打抜型側表面の水接触角が所定値を示せばよく、その構造としては、例えば、基板と、上記基板の打抜型側表面に配置された撥水層とを有する積層板であってもよく、撥水性材料により構成された、単一層からなる撥水性材料板であってもよい。また、上記受け板は、打抜刃の刃先を傷つけない程度の硬度を有することが好ましい。
以下、上記受け板の各構造について説明する。
以下、上記受け板の各構造について説明する。
(1)積層板の場合
上記積層板は、基板と、上記基板の打抜型側表面に配置された撥水層とを有する。上記受け板が積層板である場合、受け板の水接触角とは、撥水層表面での水接触角をいう。
上記積層板は、基板と、上記基板の打抜型側表面に配置された撥水層とを有する。上記受け板が積層板である場合、受け板の水接触角とは、撥水層表面での水接触角をいう。
撥水層の構成材料としては、上述の水接触角を示す層を形成することが可能な材料であればよく、例えば、ポリプロピレン(θ2=88°)若しくはポリエチレン(θ2=85°)等のポリオレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA、θ2=115°)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP、θ2=114°)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE、θ2=96°)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE、θ2=101°)等のフッ素系樹脂が挙げられる。
撥水層の厚みは、上述の水接触角を示し、打抜刃の刃先を傷つけず、打抜板の強度に影響のない厚みであれば特に限定されない。
上記基板は、撥水層を支持し、無機繊維成形体が打抜型により下方から押圧されたときに、上記無機繊維成形体の平面を保持することができ、打抜刃の刃先を傷つけないものであれば特に限定されず、例えばポリプロピレン樹脂等の樹脂基板や、ゴム、発泡体、繊維等を積層した積層板、金属板等を用いることができる。
上記基板は、撥水層を支持し、無機繊維成形体が打抜型により下方から押圧されたときに、上記無機繊維成形体の平面を保持することができ、打抜刃の刃先を傷つけない強度を有することが好ましく、その板厚については、特に限定されない。
上記積層板の製造方法としては、例えば、基材の片面上に上記樹脂を含む撥液層形成用塗工液を塗布して撥水層を形成する方法が挙げられる。塗布方法としては、例えば、スピンコート法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、ブレードコート法、グラビア印刷法、スリットコート法、インクジェット法、フレキソ印刷法等の一般的な方法を用いることができる。
(2)撥水性材料板の場合
上記撥水性材料板は、撥水性材料により構成された単層体である。
上記撥水性材料は、上記の水接触角を示すことが可能な材料であればよく、受け板に要求される強度等に応じて適宜選択することができる。上記撥水性材料としては、例えば上述の「(1)積層板の場合」の項で説明した撥水層の構成材料に用いられる樹脂が挙げられる。
上記撥水性材料板の板厚は、所望の硬度を有することが可能な大きさであれば、特に限定されない。
上記撥水性材料板は、撥水性材料により構成された単層体である。
上記撥水性材料は、上記の水接触角を示すことが可能な材料であればよく、受け板に要求される強度等に応じて適宜選択することができる。上記撥水性材料としては、例えば上述の「(1)積層板の場合」の項で説明した撥水層の構成材料に用いられる樹脂が挙げられる。
上記撥水性材料板の板厚は、所望の硬度を有することが可能な大きさであれば、特に限定されない。
(3)その他
受け板は、打抜型側表面に微細凹凸を有していてもよい。積層体の撥水層や上記撥水性材料板により、受け板の打抜型側表面は所望の水接触角を有することができるが、撥水層や撥水性材料板による撥水性が得られにくい場合であっても、打抜型側表面に微細凹凸を有することで、上記の水接触角を示すように調整が可能となる。
受け板は、打抜型側表面に微細凹凸を有していてもよい。積層体の撥水層や上記撥水性材料板により、受け板の打抜型側表面は所望の水接触角を有することができるが、撥水層や撥水性材料板による撥水性が得られにくい場合であっても、打抜型側表面に微細凹凸を有することで、上記の水接触角を示すように調整が可能となる。
上記の場合、受け板の打抜型側表面は、所定の水接触角を示すことが可能な表面粗さを有していればよく、例えば、受け板の打抜型側表面の算術平均粗さをRaが5μm〜55μmの範囲内であることが好ましく、中でも15μm〜35μmの範囲内であることが好ましい。算術平均粗さは、JIS B0601の規格に基づき測定することができる。
受け板の打抜型側表面に微細凹凸を付す方法としては、例えば、受け板の打抜型側表面に対して表面処理を行い、微細凹凸を形成する方法が挙げられる。上記表面処理としては、例えばウェットブラスト、ドライブラスト等のサンドブラスト処理、サンドペーパー、ベルトサンダー、ワイヤブラシ等による表面処理、型押し処理、レーザー処理、研磨処理、エッチング処理等が挙げられる。
2.無機繊維成形体
本発明における無機繊維成形体は、無機繊維の不織布状の集合体である。本発明においては、シート状の無機繊維成形体が用いられる。シート状の無機繊維成形体には、例えばマット、ブランケット等と称される形状も含まれる。
本発明における無機繊維成形体は、無機繊維の不織布状の集合体である。本発明においては、シート状の無機繊維成形体が用いられる。シート状の無機繊維成形体には、例えばマット、ブランケット等と称される形状も含まれる。
無機繊維成形体を構成する無機繊維としては、特に限定されるものではなく、例えばシリカ、アルミナ/シリカ、これらを含むジルコニア、スピネル、チタニア等の単独、または複合繊維が挙げられる。中でもアルミナ/シリカ系繊維が好ましく、特に結晶質アルミナ/シリカ系繊維が好ましい。アルミナ/シリカ系繊維のアルミナ/シリカの組成比(重量比)は60〜98/40〜2の範囲内であることが好ましく、さらに好ましくは70〜74/30〜26の範囲内である。
無機繊維の平均繊維径は3μm〜8μmの範囲内、特に5μm〜6μmの範囲内であることが好ましい。無機繊維の平均繊維径が大きすぎると無機繊維成形体の反発力が失われ、小さすぎると空気中に浮遊する発塵量が多くなるおそれがある。
また、無機繊維成形体は、組み付け作業中の繊維飛散を防止すること等を目的として、バインダーを含有していてもよい。
バインダーとしては、有機バインダーおよび無機バインダーのいずれも用いることができる。また、有機バインダーおよび無機バインダーを組み合わせて用いてもよい。
バインダーとしては、有機バインダーおよび無機バインダーのいずれも用いることができる。また、有機バインダーおよび無機バインダーを組み合わせて用いてもよい。
中でも、本発明は、上記無機繊維成形体が有機バインダーを含有する場合において、より高い効果を奏することが可能である。
撥水性を示す受け板は、通常、撥水性の高い有機材料で構成される、若しくは、撥水性の有機材料で構成された層が表面に形成されている等、受け板表面に有機材料を含んでおり、有機バインダーと親和性が高いため、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が受け板の表面により付着しやすい。これに対し、本発明においては、表面の水接触角が所定値以上である受け板を用いるため、無機繊維成形体が有機バインダーを含有していても、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材は受け板側へ付着しにくくなるからである。
撥水性を示す受け板は、通常、撥水性の高い有機材料で構成される、若しくは、撥水性の有機材料で構成された層が表面に形成されている等、受け板表面に有機材料を含んでおり、有機バインダーと親和性が高いため、打抜いた排ガス浄化装置用保持材が受け板の表面により付着しやすい。これに対し、本発明においては、表面の水接触角が所定値以上である受け板を用いるため、無機繊維成形体が有機バインダーを含有していても、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材は受け板側へ付着しにくくなるからである。
有機バインダーとしては、例えば各種のゴム、水溶性高分子化合物、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等を使用することができる。中でも、アクリルゴム、ニトリルゴム等の合成ゴム;カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール等の水溶性高分子化合物;またはアクリル樹脂が好ましい。特に、アクリルゴム、ニトリルゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、アクリルゴムに含まれないアクリル樹脂が好ましい。これらの有機バインダーは、有機バインダー液の調製または入手が容易であり、また無機繊維成形体への塗布操作も簡単であり、比較的低含有量としても十分な厚み拘束力を発揮し、得られる成形体が柔軟で強度に優れ、使用温度条件下で容易に分解または焼失されることから好適に使用することができる。有機バインダーは、1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
無機バインダーとしては、例えば無機酸化物を挙げることができ、具体的にはアルミナ、スピネル、ジルコニア、マグネシア、チタニア、カルシア、および上記無機繊維と同質の組成を有する材料が挙げられる。無機バインダーは、1種単独で用いてもよく2種以上を混合して用いてもよい。
無機酸化物の粒径は、例えば1μm以下とすることができる。
無機酸化物の粒径は、例えば1μm以下とすることができる。
上記無機繊維成形体の目付量は、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、1000g/m2〜3000g/m2の範囲内であることが好ましく、中でも1150g/m2〜2800g/m2の範囲内、特に1200g/m2〜2600g/m2の範囲内であることが好ましい。無機繊維成形体の目付量が少なすぎると、無機繊維成形体の強度や、断熱性、クッション性等が不十分となる場合がある。一方で、無機繊維成形体の目付量が多すぎると、無機繊維成形体が厚くなり、排ガス浄化装置用保持材の組み付けが困難になる、クッション性が強すぎて触媒担体を破壊するおそれがある、コストが高くなる等のおそれがある。
上記無機繊維成形体は、ニードリング処理を施されていることが好ましい。上記無機繊維成形体の嵩密度が高くなり、耐剥離性が高く、キャニング(圧入)不良が起きにくく、また、引張強度が強くなるからである。
無機繊維形成体がニードリング処理を施されているとき、ニードル密度としては、例えば、2打/cm2〜200打/cm2の範囲内であることが好ましく、中でも10打/cm2〜150打/cm2の範囲内、特に20打/cm2〜100打/cm2の範囲内、さらには25打/cm2〜50打/cm2の範囲内であることが好ましい。ニードル密度が低すぎると、無機繊維成形体としての厚みの均一性が低下し、かつ剥離性が低下する場合があり、高すぎると、繊維を傷め、焼成後に飛散し易くなるおそれがある。
無機繊維形成体がニードリング処理を施されているとき、ニードル密度としては、例えば、2打/cm2〜200打/cm2の範囲内であることが好ましく、中でも10打/cm2〜150打/cm2の範囲内、特に20打/cm2〜100打/cm2の範囲内、さらには25打/cm2〜50打/cm2の範囲内であることが好ましい。ニードル密度が低すぎると、無機繊維成形体としての厚みの均一性が低下し、かつ剥離性が低下する場合があり、高すぎると、繊維を傷め、焼成後に飛散し易くなるおそれがある。
無機繊維成形体の嵩密度としては、例えば、0.140g/cm3以上0.250g/cm3以下の範囲内であることが好ましい。無機繊維成形体の嵩密度が低すぎると、剥離性が低下し、キャニング時のトラブルとなるおそれがあり、一方、嵩密度が高すぎても、無機繊維成形体のクッション性の低下や、無機繊維重量が増えるためコスト高になるおそれがある。
無機繊維成形体の厚みとしては、特に限定されるものではなく、用途等に応じて適宜選択され、例えば2mm〜50mm程度とすることができる。
無機繊維成形体は、枚葉であってもよく長尺であってもよい。長尺の無機繊維成形体の場合には、ロールツーロール方式で無機繊維成形体を打抜くことができ、生産性を向上させることができる。
無機繊維成形体の製造方法としては、公知の任意の方法を採用することができる。上記製造方法は、無機繊維成形体のニードリング処理を行うニードリング処理工程を有することが好ましい。無機繊維同士が絡んだ強固な無機繊維成形体を製造できるだけでなく、無機繊維成形体の厚みを調整することが可能となるからである。無機繊維成形体のニードリング処理方法は、公知の任意の方法を採用することができる。
また、バインダーを含有する無機繊維成形体の製造方法としては、例えば無機繊維成形体にバインダー液を塗布し、乾燥させる方法が挙げられる。塗布方法としては、例えばスプレー法、浸漬法、キスコート法等を挙げることができる。
3.打抜型
本発明に用いられる打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有する。
以下、打抜型における各構成について説明する。
本発明に用いられる打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有する。
以下、打抜型における各構成について説明する。
(1)弾性体
本発明に用いられる弾性体を構成する弾性材料としては、弾性変形可能であれば特に限定されるものではなく、例えば有機繊維、無機繊維等から構成される不織布またはフェルト、あるいは発泡体等が挙げられる。中でも、繊維の付着、排ガス浄化装置用保持材との繊維の絡みつき等がないことから、発泡体が好ましい。
本発明に用いられる弾性体を構成する弾性材料としては、弾性変形可能であれば特に限定されるものではなく、例えば有機繊維、無機繊維等から構成される不織布またはフェルト、あるいは発泡体等が挙げられる。中でも、繊維の付着、排ガス浄化装置用保持材との繊維の絡みつき等がないことから、発泡体が好ましい。
発泡体としては、例えば、ポリウレタン発泡体、ポリエステル発泡体、メラミン樹脂発泡体、フェノール樹脂発泡体、ポリエチレン発泡体、ポリプロピレン発泡体、ポリスチレン発泡体、天然ゴム発泡体、合成ゴム発泡体、エラストマー発泡体等が挙げられる。上記発泡体の中でも、ポリウレタン発泡体、合成ゴム発泡体が好ましい。合成ゴム発泡体は、繰り返しの圧縮に対するヘタリが小さいため好ましい。合成ゴム発泡体としては、例えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM)発泡が好適に用いられる。
本発明において、特に好ましくはポリウレタン発泡体である。
本発明において、特に好ましくはポリウレタン発泡体である。
弾性材料は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、弾性体は単層であってもよく、同一または異なる種類の弾性材料を積層させたものであってもよい。
上記弾性体は、25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内であることが好ましく、好ましくは13kPa〜25kPaの範囲内、さらに好ましくは15kPa〜22kPaの範囲内である。25%圧縮荷重が小さすぎると弾性体の反発力が弱く、打抜き後に打抜刃内から排ガス浄化装置用保持材を押し出すことが困難になる。一方、25%圧縮荷重が大きすぎると、排ガス浄化装置用保持材を打抜く際に無機繊維成形体が必要以上に打抜型側に押し付けられるために、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材が受け板に付着する可能性が高くなる。当該傾向は、排ガス浄化装置用保持材が有機バインダーを含有する場合に、より顕著となる。また打抜精度が低下したり打抜き後の排ガス浄化装置用保持材の性状が劣化したりするおそれがある。
なお、25%圧縮荷重は、ASTM(米国材料試験協会)規格 D1056に準拠して測定した値である。
なお、25%圧縮荷重は、ASTM(米国材料試験協会)規格 D1056に準拠して測定した値である。
詳しくは、図5(a)〜(b)に示すように、打抜型51の弾性体54の25%圧縮荷重が上記の範囲よりも大きく、比較的硬い弾性体である場合には、無機繊維成形体56を打抜型51の弾性体54と受け板55との間に挟んだ状態で、上向き押圧方式で打抜く際、弾性体54が圧縮されにくく弾性体54から打抜刃53が突出しにくい。弾性体54から打抜刃53を突出させるためにさらに押圧すると、弾性体54だけでなく無機繊維成形体56も圧縮される。無機繊維成形体56が圧縮されると嵩密度が高くなるため、無機繊維成形体56に打抜刃53が進入しにくくなる。
そのため、付与された押圧力は分散され、無機繊維成形体56の厚み方向だけでなく面内方向にも力が作用する。無機繊維成形体56は打抜型51の弾性体54と受け板55との間に挟まれているものの、打抜型51および受け板55に固定されているわけではないため、無機繊維成形体56に面内方向の力が作用すると、無機繊維成形体56は位置がずれてしまう。また、帯状の打抜刃53に水平方向の力が作用すると、打抜刃53の刃先がたわむおそれもある。この場合、図5(c)に示すように、切り出された排ガス浄化装置用保持材57の切断面が斜めになる等、打抜精度が低下する。また、無機繊維成形体56が過度に圧縮されることで、繊維が座屈し無機繊維成形体56が破壊されたり、切り出された排ガス浄化装置用保持材57の厚みや面圧等の性状が劣化したりするおそれがある。
このため、本発明においては、弾性体の25%圧縮荷重が上述の範囲内であることが好ましいのである。
そのため、付与された押圧力は分散され、無機繊維成形体56の厚み方向だけでなく面内方向にも力が作用する。無機繊維成形体56は打抜型51の弾性体54と受け板55との間に挟まれているものの、打抜型51および受け板55に固定されているわけではないため、無機繊維成形体56に面内方向の力が作用すると、無機繊維成形体56は位置がずれてしまう。また、帯状の打抜刃53に水平方向の力が作用すると、打抜刃53の刃先がたわむおそれもある。この場合、図5(c)に示すように、切り出された排ガス浄化装置用保持材57の切断面が斜めになる等、打抜精度が低下する。また、無機繊維成形体56が過度に圧縮されることで、繊維が座屈し無機繊維成形体56が破壊されたり、切り出された排ガス浄化装置用保持材57の厚みや面圧等の性状が劣化したりするおそれがある。
このため、本発明においては、弾性体の25%圧縮荷重が上述の範囲内であることが好ましいのである。
弾性体4は、図2に例示したように打抜基板2上の打抜刃3内に配置されていればよいが、図6に例示するように打抜基板2上の打抜刃3内だけでなく打抜刃3の外周に配置されていてもよい。後者の場合、シート状の無機繊維成形体が配置される領域全体に弾性体を配置することができる。
また、弾性体と打抜刃との間には隙間があることが好ましい。隙間があることで、摩擦抵抗をなくすことができるからである。この場合、弾性体と打抜刃の側面との間の隙間は、0mm超10mmの範囲内であることが好ましい。隙間が大きすぎると、弾性体と打抜刃の側面との間に無機繊維成形体が入り込み、切り出される排ガス浄化装置用保持材の性状が劣化したり、打抜き後に打抜刃内から排ガス浄化装置用保持材が押し出されにくくなったりするおそれがある。
弾性体は打抜基板に固定されていてもよく、固定されていなくてもよい。固定方法としては、例えば両面テープ、接着剤等により貼付する方法が挙げられる。
弾性体の厚みは、通常、打抜基板表面からの打抜刃の突出高さよりも大きい。具体的には、弾性体の厚みは、無機繊維成形体の厚みや、打抜刃の突出高さに応じて異なるが、弾性体の厚みと打抜基板表面からの打抜刃の突出高さとの差が0mm超10mm以下の範囲内であることが好ましく、0mm超5mm以下の範囲内であることがより好ましい。弾性体の厚みが打抜刃の突出高さよりも薄いと繰り返しの打抜きにより弾性体にヘタリが生じ、打抜き後に打抜刃内から排ガス浄化装置用保持材が押し出されにくくなるおそれがある。一方、弾性体の厚みが打抜刃の突出高さよりも厚すぎると、打抜き時に無機繊維成形体が圧縮変形し、切り出される排ガス浄化装置用保持材の性状が劣化するおそれがある。
弾性体の無機繊維成形体に接触する側の表面の形状は、無機繊維成形体を精度良く打抜くことができれば特に限定されるものではなく、例えば平面状であってもよく、曲面状、凹凸面状等であってもよい。
(2)打抜刃
本発明における打抜刃としては、例えば帯状の金属刃が折り曲げ加工されたものを挙げることができ、具体的にはトムソン刃を用いることができる。
打抜刃は打抜基板に対して垂直に設けられていればよく、例えば一方の側面に配置され、無機繊維成形体を打抜く刃部と、他方の側面に配置され、打抜基板の溝や孔に嵌め込まれる固定部とを有するものを挙げることができる。
打抜刃は打抜基板に固定されている。固定方法としては、例えば打抜刃の固定部を打抜基板の溝や孔に嵌め込む方法や、ネジ、ボルト等の連結具を用いて固定する方法が挙げられる。
本発明における打抜刃としては、例えば帯状の金属刃が折り曲げ加工されたものを挙げることができ、具体的にはトムソン刃を用いることができる。
打抜刃は打抜基板に対して垂直に設けられていればよく、例えば一方の側面に配置され、無機繊維成形体を打抜く刃部と、他方の側面に配置され、打抜基板の溝や孔に嵌め込まれる固定部とを有するものを挙げることができる。
打抜刃は打抜基板に固定されている。固定方法としては、例えば打抜刃の固定部を打抜基板の溝や孔に嵌め込む方法や、ネジ、ボルト等の連結具を用いて固定する方法が挙げられる。
打抜刃は、切り出される排ガス浄化装置用保持材の平面視形状と同一の形状を有するものであり、打抜刃の形状は目的とする排ガス浄化装置用保持材の平面視形状に応じて適宜決定される。
打抜刃の厚みは、例えば0.5mm〜1.5mm程度とすることができ、好ましくは0.8〜1.2mmの範囲内、より好ましくは1.0mmである。打抜刃の厚みが薄すぎると、刃折れ等が生じ耐久性が低下するおそれがある。一方、厚みが厚すぎると、折り曲げ加工が困難となるとともに、切り出される排ガス浄化装置用保持材の形状が変化したり、打抜き後に排ガス浄化装置用保持材が押し出されにくくなったりするおそれがある。
打抜基板表面からの打抜刃の突出高さは、無機繊維成形体の厚みや材質等により適宜選択される。
打抜基板表面からの打抜刃の突出高さは、無機繊維成形体の厚みや材質等により適宜選択される。
(3)打抜基板
本発明における打抜基板は打抜刃および弾性体を支持する部材であり、上記打抜基板としては、ベニア板等の木製打抜基板や金属打抜基板を用いることができる。
また、打抜基板は打抜刃を固定するための溝や孔を有していてもよい。上記溝や孔は、打抜刃が配置される領域の全てに形成されていてもよく、一部に形成されていてもよい。溝および孔の形成方法としては、例えばレーザー加工等が挙げられる。
本発明における打抜基板は打抜刃および弾性体を支持する部材であり、上記打抜基板としては、ベニア板等の木製打抜基板や金属打抜基板を用いることができる。
また、打抜基板は打抜刃を固定するための溝や孔を有していてもよい。上記溝や孔は、打抜刃が配置される領域の全てに形成されていてもよく、一部に形成されていてもよい。溝および孔の形成方法としては、例えばレーザー加工等が挙げられる。
4.打抜き方法
本発明においては、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、打抜型および無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く。すなわち、本発明においては、上向き押圧方式の打抜方法が用いられる。上向き押圧方式の打抜方法を用いることの利点については、既に説明した通りである。
中でも本発明においては、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、打抜型および無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型を上記受け板側に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く方法が好適に用いられる。
本発明においては、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、打抜型および無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く。すなわち、本発明においては、上向き押圧方式の打抜方法が用いられる。上向き押圧方式の打抜方法を用いることの利点については、既に説明した通りである。
中でも本発明においては、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、打抜型および無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型を上記受け板側に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く方法が好適に用いられる。
本発明においては、無機繊維成形体が載置される打抜型を搬送装置と組み合わせてもよい。無機繊維成形体の打抜きを連続的に行うことができるからである。
また、本発明においては、無機繊維成形体を複数枚積層させて、上向き押圧方式の打抜方法により打抜いてもよい。一度の打抜作業により排ガス浄化装置用保持材を複数枚切り出すことができるからである。
また、本発明においては、無機繊維成形体を複数枚積層させて、上向き押圧方式の打抜方法により打抜いてもよい。一度の打抜作業により排ガス浄化装置用保持材を複数枚切り出すことができるからである。
打抜型または受け板の昇降速度、押圧力等の打抜条件については、使用する無機繊維成形体の目付量やニードリング処理の有無、厚み等に応じて適宜選択することができる。
5.排ガス浄化装置用保持材
本発明により得られる排ガス浄化装置用保持材12としては、一般的な形状を有ればよく、例えば図7(a)に示すように、平面視形状が矩形状である本体部13と、本体部13の一方の短辺側に設けられた凸部14と、本体部13の他方の短辺側に設けられ、凸部14と嵌合する凹部15とを有する形状が挙げられる。
排ガス浄化装置用保持材12は、例えば図7(b)に示すように触媒担体21に巻回され、図7(c)に示すように排ガス浄化装置20の金属製のケーシング22内に装着され、使用される。
本発明により得られる排ガス浄化装置用保持材12としては、一般的な形状を有ればよく、例えば図7(a)に示すように、平面視形状が矩形状である本体部13と、本体部13の一方の短辺側に設けられた凸部14と、本体部13の他方の短辺側に設けられ、凸部14と嵌合する凹部15とを有する形状が挙げられる。
排ガス浄化装置用保持材12は、例えば図7(b)に示すように触媒担体21に巻回され、図7(c)に示すように排ガス浄化装置20の金属製のケーシング22内に装着され、使用される。
排ガス浄化装置は、例えば触媒担体または粒子フィルタと、触媒担体または粒子フィルタを収容する金属製のケーシングと、触媒担体または粒子フィルタおよびケーシングの間に介装された保持材とを備えるものである。具体的には、触媒コンバータやディーゼルパティキュラーフィルタ(DPF)が挙げられる。
排ガス浄化装置の構成は特に限定されるものではなく、排ガス浄化装置用保持材は、上記の構成を備える一般的な排ガス浄化装置に適用することができる。
排ガス浄化装置の構成は特に限定されるものではなく、排ガス浄化装置用保持材は、上記の構成を備える一般的な排ガス浄化装置に適用することができる。
B.打抜型セット
本発明の打抜型セットは、受け板および打抜型を有する打抜型セットであって、上記受け板は、上記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、上記打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする。
本発明の打抜型セットは、受け板および打抜型を有する打抜型セットであって、上記受け板は、上記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、上記打抜型は、打抜基板と、上記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、上記打抜基板上の上記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする。
先に述べた図1は、本発明の打抜型セットの一例を示す概略断面図である。
本発明の打抜型セットは、プレス機において、受け板を上側に配置し、打抜型を下側に配置して用いられる。
本発明によれば、受け板の打抜型側表面が所定値以上の水接触角を示すことから、無機繊維成形体に対して上側に受け板を配置し、下側に打抜型を配置して排ガス浄化装置用保持材の打抜きを行う場合に、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材が受け板表面に付着しにくく、また、受け板表面が汚染されにくい。さらに、打抜型が弾性体を有することで、嵩密度が比較的高い無機繊維成形体の場合であっても、精度良く打抜くことができる。このため、本発明の打抜型セットは、排ガス浄化装置用保持材の製造に用いることで、打抜き作業を円滑且つ精度よく行うことが可能となる。
なお、打抜型セットを構成する打抜型および受け板については、上記「A.排ガス浄化装置用保持材の製造方法」の項で詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に参考実施例および参考比較例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[接触角の測定方法]
各種受け板に、注射器を使用して純水を20μl滴下させ、着滴60秒以内に液適に光を照射し、真横から撮像して該受け板表面及び液滴の撮影画像を得た。得られた写真を拡大して直読することで、図4で示すように水滴31の左右端点Eと頂点Tを結ぶ直線Lの、受け板5表面に対する角度θ1を求め、これを2倍にすることで、水接触角θ2(θ2=2θ1)を求めた。
各種受け板に、注射器を使用して純水を20μl滴下させ、着滴60秒以内に液適に光を照射し、真横から撮像して該受け板表面及び液滴の撮影画像を得た。得られた写真を拡大して直読することで、図4で示すように水滴31の左右端点Eと頂点Tを結ぶ直線Lの、受け板5表面に対する角度θ1を求め、これを2倍にすることで、水接触角θ2(θ2=2θ1)を求めた。
[弾性体の25%圧縮荷重の測定方法]
弾性体の25%圧縮荷重は、ASTM規格 D1056に準じて測定した。
弾性体の25%圧縮荷重は、ASTM規格 D1056に準じて測定した。
[参考実施例1] 万能試験機(ミネベア株式会社製)の加圧板に、受け板としてポリカーボネート(PC)板を両面テープで固定し、一方の試料台には下から弾性体A(材質:EPDM発泡体、25%圧縮荷重:34.3kPa)、排ガス浄化装置用保持材(三菱樹脂社製 マフテック(登録商標)、嵩密度0.159g/m、有機バインダー濃度4%)を重ねた。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、76°であった。
次に、加圧板を以下の条件で作動させて、サイクル終了までの排ガス浄化装置用保持材の受け板への付着(吸着)の有無および状況を確認した。
(条件)
・加圧板上昇下降速度:200[mm/min]
・加圧:0.8[kN]
・サイクル:50[回]
結果を表1に示す。
(条件)
・加圧板上昇下降速度:200[mm/min]
・加圧:0.8[kN]
・サイクル:50[回]
結果を表1に示す。
[実施例2]
参考実施例1において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、ポリエチレン(PE)板を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、85°であった。結果を表1に示す。
参考実施例1において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、ポリエチレン(PE)板を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、85°であった。結果を表1に示す。
[参考比較例1]
参考実施例1において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、ポリ塩化ビニル(PVC)板を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、72°であった。結果を表1に示す。
参考実施例1において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、ポリ塩化ビニル(PVC)板を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、72°であった。結果を表1に示す。
[参考比較例2]
参考実施例1において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、ポリアクリル(PMMA)板を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、68°であった。結果を表1に示す。
参考実施例1において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、ポリアクリル(PMMA)板を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。該受け板の試料台側の表面(打抜型側表面)の水接触角は、上記記載の方法で測定した所、68°であった。結果を表1に示す。
[参考実施例3]
参考実施例1において、弾性体として弾性体A(材質EPDM発泡体、25%圧縮荷重:34.3kPa)の代わりに、弾性体B(材質:ポリウレタン発泡体、25%圧縮荷重:19.6kPa)を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
参考実施例1において、弾性体として弾性体A(材質EPDM発泡体、25%圧縮荷重:34.3kPa)の代わりに、弾性体B(材質:ポリウレタン発泡体、25%圧縮荷重:19.6kPa)を用いたこと以外は、参考実施例1と同様に行なった。結果を表1に示す。
[参考実施例4]
参考実施例3において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、参考実施例2で用いたポリエチレン(PE)板を用いたこと以外は、参考実施例3と同様に行なった。結果を表1に示す。
参考実施例3において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、参考実施例2で用いたポリエチレン(PE)板を用いたこと以外は、参考実施例3と同様に行なった。結果を表1に示す。
[参考比較例3]
参考実施例3において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、参考比較例1で用いたポリ塩化ビニル(PVC)板を用いたこと以外は、参考実施例3と同様に行なった。結果を表1に示す。
参考実施例3において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、参考比較例1で用いたポリ塩化ビニル(PVC)板を用いたこと以外は、参考実施例3と同様に行なった。結果を表1に示す。
[参考比較例4]
参考実施例3において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、参考比較例2で用いたポリアクリル(PMMA)板を用いたこと以外は、参考実施例3と同様に行なった。結果を表1に示す。
参考実施例3において、受け板としてポリカーボネート(PC)板の代わりに、参考比較例2で用いたポリアクリル(PMMA)板を用いたこと以外は、参考実施例3と同様に行なった。結果を表1に示す。
[評価]
上記結果から、受け板の表面の水接触角が75°以上の参考実施例1〜4は、参考比較例1〜4に比べて受け板への排ガス浄化装置用保持材の吸着が抑制された。特に、受け板をポリエチレン(PE)板とし、弾性体を弾性体B(材質:ポリウレタン発泡体、25%圧縮荷重:19.6kPa)とした参考実施例4では、排ガス浄化装置用保持材が受け板に吸着せず、顕著な効果を示した。これにより、受け板の水接触角を75°以上にすることで、受け板への排ガス浄化装置用保持材の吸着が抑制されることが示唆された。
また、受け板の表面の水接触角が75°以上であり、さらに、弾性体の25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内、特に、13kPa以上25kPa以下である場合(参考実施例3および4)、受け板への排ガス浄化装置用保持材の吸着が抑制されることが明らかとなった。
上記結果から、受け板の表面の水接触角が75°以上の参考実施例1〜4は、参考比較例1〜4に比べて受け板への排ガス浄化装置用保持材の吸着が抑制された。特に、受け板をポリエチレン(PE)板とし、弾性体を弾性体B(材質:ポリウレタン発泡体、25%圧縮荷重:19.6kPa)とした参考実施例4では、排ガス浄化装置用保持材が受け板に吸着せず、顕著な効果を示した。これにより、受け板の水接触角を75°以上にすることで、受け板への排ガス浄化装置用保持材の吸着が抑制されることが示唆された。
また、受け板の表面の水接触角が75°以上であり、さらに、弾性体の25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内、特に、13kPa以上25kPa以下である場合(参考実施例3および4)、受け板への排ガス浄化装置用保持材の吸着が抑制されることが明らかとなった。
以上の結果から、表面の水接触角が75°以上である受け板を用いることで、打抜型上に無機繊維成形体を載置し、上記無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、上記打抜型および上記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて上記無機繊維成形体を押圧して、上記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く際に、打抜かれた排ガス浄化装置用保持材が受け板に吸着されるのを抑制することができることが示唆された。
よって、参考実施例等から、本発明の製造方法が有用であることが判った。
よって、参考実施例等から、本発明の製造方法が有用であることが判った。
1 … 打抜型
2 … 打抜基板
2a … 溝
3 … 打抜刃
4 … 弾性体
5 … 受け板
6 … 基板
7 … 撥水層
10 … 打抜型セット
11 … 無機繊維成形体
12 … 排ガス浄化装置用保持材
2 … 打抜基板
2a … 溝
3 … 打抜刃
4 … 弾性体
5 … 受け板
6 … 基板
7 … 撥水層
10 … 打抜型セット
11 … 無機繊維成形体
12 … 排ガス浄化装置用保持材
Claims (6)
- 打抜型上に無機繊維成形体を載置し、前記無機繊維成形体の上方に受け板を配置し、
前記打抜型および前記受け板を、両者が接近する方向に相対的に移動させて前記無機繊維成形体を押圧して、前記無機繊維成形体から排ガス浄化装置用保持材を打抜く排ガス浄化装置用保持材の製造方法であって、
前記受け板は、前記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、
前記打抜型は、打抜基板と、前記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、前記打抜基板上の前記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする排ガス浄化装置用保持材の製造方法。 - 前記受け板が、基板と、前記基板の前記打抜型側表面に配置された撥水層とを有することを特徴とする請求項1に記載の排ガス浄化装置用保持材の製造方法。
- 前記弾性体の25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排ガス浄化装置用保持材の製造方法。
- 前記無機繊維成形体が有機バインダーを含有することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の排ガス浄化装置用保持材の製造方法。
- 受け板および打抜型を有する打抜型セットであって、
前記受け板は、前記打抜型側表面の水接触角が75°以上であり、
前記打抜型は、打抜基板と、前記打抜基板に対して垂直に設けられた打抜刃と、前記打抜基板上の前記打抜刃内に配置された弾性体とを有することを特徴とする打抜型セット。 - 前記弾性体の25%圧縮荷重が10kPa以上35kPa以下の範囲内であることを特徴とする請求項5に記載の打抜型セット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016072042A JP2017179675A (ja) | 2016-03-31 | 2016-03-31 | 排ガス浄化装置用保持材の製造方法、およびそれに用いられる打抜型セット |
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2016
- 2016-03-31 JP JP2016072042A patent/JP2017179675A/ja active Pending
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