JP2017179542A - 溶射用粉末およびこれを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法 - Google Patents

溶射用粉末およびこれを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法 Download PDF

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Abstract

【課題】アブレーダブル溶射皮膜に対して、接触する相手部材の凝着摩耗を抑制することができる溶射用粉末と、これを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法を提供する。【解決手段】溶射用粉末10はアブレーダブル溶射皮膜1を成膜するためのであって、溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11と合成マイカ粒子12からなり、合成マイカ粒子12は、溶射用粉末10の全体積に対して、40体積%以下含有されている。【選択図】図9

Description

本発明は、アブレーダブル特性を有した溶射皮膜を成膜するに好適な溶射用粉末およびこれを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法に関する。
従来、アブレーダブル特性を有した溶射皮膜(アブレーダブル溶射皮膜)では、航空機エンジンなどの規格に基づいて、一定の仕様の材料が用いられてきた。ここで、アブレーダブル特性とは、自身を摩耗させて相手部材を保護する特性のことである。近年では、例えば、ガスタービン、ジェットエンジンに、例えば耐熱温度が500℃を超すような耐熱性を有したアブレーダブル溶射皮膜の開発されてきた。
例えば、特許文献1には、以下に示すアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法が開示されている。この成膜方法では、まず、基材の表面に、Ni−5AlまたはNi−18.5Cr−6Alの粉末をプラズマ溶射する。次に、プラズマ溶射した面に、以下の第1粉末と第2粉末を混合した粉末をフレーム溶射する。第1粉末は、Crが3〜7重量%、Alが3〜7重量%、AlとSiOが6〜14重量%、Niが残りの重量%からなり、第2粉末は、Crが3〜7重量%、Alが3〜7重量%、AlとSiOが15〜30重量%、Niが残りの重量%からなる。
特開平10−140318号公報
しかしながら、特許文献1の如き技術では、成膜されたアブレーダブル溶射皮膜に対して相手部材が接触する際に、相手部材がアブレ―ダブル溶射皮膜に凝着し、相手部材の凝着摩耗が発生するおそれがあった。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、アブレーダブル溶射皮膜に接触する相手部材の凝着摩耗を抑制することができる溶射用粉末と、これを用いたアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法を提供することにある。
前記課題を鑑みて、本発明に係る溶射用粉末は、アブレーダブル溶射皮膜を成膜するための溶射用粉末であって、前記溶射用粉末は、NiCr系合金粒子と合成マイカ粒子からなり、前記合成マイカ粒子は、前記溶射用粉末の全体積に対して、40体積%以下含有されていることを特徴とする。また、この溶射用粉末を用いて、アブレーダブル溶射皮膜を成膜する方法では、前記溶射用粉末に含まれる前記合成マイカ粒子の一部を固相状態に維持しつつ、前記アブレーダブル溶射皮膜を成膜することを特徴とする。
本発明によれば、アブレ―ダブル溶射皮膜に合成マイカ粒子を残存させることにより、アブレーダブル溶射皮膜に接触する相手部材の凝着摩耗を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る溶射用粉末の模式的概念図である。 図1に示す溶射用粉末で成膜されたアブレーダブル溶射皮膜の模式的概念図である。 図2に示すアブレーダブル溶射皮膜に相手部材が接触したときの溶射皮膜の合成マイカ粒子の挙動を説明するための図である。 参考例1−1〜1−7および参考例2−1,2−2に係る、総合指数と溶射皮膜の硬さとの関係を示したグラフである。 参考例1−1〜1−7および参考例2−1,2−2に係る、総合指数と合成マイカ粒子の硬さとの関係を示したグラフである。 参考例1−1〜1−7および参考例2−1,2−2に係る、合成マイカ粒子の硬さと溶射皮膜の硬さとの関係を示したグラフである。 参考例1−5および参考例1−6に係る溶射皮膜の断面写真である。 被削性試験装置の模式図である。 実施例1〜4および比較例1〜6に係る溶射試験片の削れ深さと、チップ型試験片の摩耗量と、を示した図である。 被削性試験前後における、実施例4および比較例4に係る溶射試験片の表面のMoの分布をEPMA分析により分析した結果を示した図である。 実施例1〜1〜1−5、実施例2−1〜2−5、実施例3−1〜3−4、および比較例3、4に係る溶射試験片の削れ深さと、チップ型試験片の摩耗量と、を示した図である。 参考例3−1〜3−4および参考例4−1〜4−5に係るNiCr系合金材の120時間後のCrの酸化増量を示した図である。 参考例3−1〜3−4、参考例4−1のNiCr系合金粒子の硬さを示した図である。
以下に本発明の実施形態を図1〜3を参照しながら説明する。
1.溶射用粉末10について
図1は、本発明の実施形態に係る溶射用粉末10の模式的概念図である。
本実施形態に係る溶射用粉末10は、アブレーダブル溶射皮膜(以下、溶射皮膜という)を成膜するための溶射用粉末である。なお、アブレーダブル溶射皮膜とは、アブレーダブル特性を有した溶射皮膜のことである。
図1に示すように、溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11と合成マイカ粒子12からなる粉末であり、必要に応じて後述するh−BN粒子をさらに含む。溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11からなる粉末と合成マイカ粒子12からなる粉末とを混合し、これらを、樹脂などの結合剤で造粒した粒子からなる粉末である。
溶射用粉末10を溶射する際に、NiCr系合金粒子11と合成マイカ粒子12とが混合された状態で、基材に溶射することができるのであれば、溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11と合成マイカ粒子12とを混合した粉末であってもよい。また、溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11と合成マイカ粒子12とから造粒した造粒粉末の代わりに、クラッド法等により圧粉成形されたものであってもよい。
1−1.NiCr系合金粒子11について
NiCr系合金粒子11は、NiCr系合金からなる粒子であり、Crの含有量は特に限定されないが、NiCr系合金粒子に、粒子全体の質量に対して20〜50質量%の範囲でCrを含有していることが好ましい。これにより、NiCr系合金粒子の耐酸化性を向上させることができる。
NiCr系合金粒子11には、Al,Yなどをさらに含有していてもよい。例えば、NiCr系合金粒子11にAlを添加すれば、Crの含有量に拘わらず、NiCr系合金粒子11の耐酸化性を向上させることができる。NiCr系合金粒子11には、粒子全体の質量に対して、Alを、0.1〜5質量%含有していることが好ましい。これにより、NiCr系合金粒子11の硬さを高め過ぎずに、NiCr系合金粒子の耐酸化性を高めることができる。
また、後述する特性の溶射皮膜を成膜することができるのであれば、NiCr系合金粒子11の粒径は、特に限定されるものではないが、NiCr系合金粒子11の粒径は、たとえば、5〜150μmの範囲にあることが好ましい。なお、本明細書でいう「粒径」とは、レーザ回折式粒度分布測定法で測定された粒径のことをいい、このような粒径は、たとえば、JIS Z 2510に準拠した分級により得ることができる。
1−2.合成マイカ粒子12について
合成マイカ粒子12は、人工的に合成されたマイカからなる粒子のことであり、天然マイカからなる粒子とは異なる。一般的に、合成マイカは、天然マイカよりも融点が高い。合成マイカ粒子12は、溶射用粉末10の全体積に対して、40体積%以下含有されている。合成マイカ粒子12を溶射用粉末10の全体積に対して40体積%以下含有させることにより、成膜された溶射皮膜の強度を確保することができる。h−BN粒子を含まない場合、溶射用粉末10の全体積は、NiCr系合金粒子11、および合成マイカ粒子12の体積の合計値である。
なお、合成マイカ粒子12が、溶射用粉末10の全体積に対して、40体積%を超えた場合には、後述する発明者らの実験からも明らかなように、溶射皮膜の強度が低下し、溶射皮膜に相手部材が接触した際に、溶射皮膜が基材から剥離することがある。
合成マイカ粒子12は、溶射用粉末10に含有されていれば、溶射皮膜の被削性と、相手部材の耐摩耗性が向上するため、特にその下限値となる量は、限定されるものではない。合成マイカ粒子12は、溶射用粉末10の全体積に対して、20体積%以上含有されていることが好ましい。合成マイカ粒子12を溶射用粉末10の全体積に対して、20体積%以上含有することにより、後述するh−BN粒子を含有させなくても、相手部材の耐摩耗性をより向上させることができる。
ここで、本明細書でいう「体積%」は、溶射用粉末の各粒子を構成する材料の質量から、その比重を用いて算出した各粒子の材料の体積の比率である。例えば、溶射用粉末にh−BN粒子を含まない場合、溶射用粉末の全体積は、NiCr系合金粒子の総質量からその比重を用いて算出したNiCr系合金粒子の体積と、合成マイカ粒子の総質量からその比重を用いて算出した合成マイカ粒子の体積との合計値になる。NiCr系合金粒子および合成マイカ粒子の体積の比率は、算出された各粒子の体積を溶射用粉末の全体積で除算することにより得ることができる。
合成マイカ粒子12を構成する合成マイカとしては、例えば、フッ素金雲母(KMgAlSi10)、K四珪素雲母(KMg2.5Si10)、Na四珪素雲母(NaMg2.5Si10)、Naテニオライト(NaMgLiSi10)、Liテニオライト(LiMgLiSi10)などの合成マイカを挙げることができる。
これらの中でも、フッ素金雲母の融点は、他の材料のものに比べて高いため、合成マイカ粒子は、フッ素金雲母からなる粒子であることが好ましい。合成マイカ粒子12にフッ素金雲母からなる粒子を用いることにより、溶射皮膜の成膜時には、合成マイカ粒子12は溶融し難くなるため、合成マイカ粒子12の一部を固相状態に維持しつつ、より高い温度条件で溶射皮膜を成膜することができる。
また、後述する特性の溶射皮膜を成膜することができるのであれば、合成マイカ粒子12の粒径は、特に限定されるものではないが、合成マイカ粒子12の粒径は、たとえば5〜150μmの範囲にあることが好ましい。
1−3.h−BN粒子について
図1に示す溶射用粉末10には、h−BN粒子をさらに含んでいてもよい。h−BN粒子は、六方晶系の窒化ホウ素からなる粒子である。h−BN粒子は、溶射用粉末10を造粒する際に、NiCr系合金粒子11および合成マイカ粒子12と共に結合剤を介して結合されてもよい。
溶射用粉末10を溶射する際に、NiCr系合金粒子11および合成マイカ粒子12と共に、h−BN粒子が均一に混合された状態で、基材に溶射することができるのであれば、溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11、合成マイカ粒子12、およびh−BN粒子を混合した粉末であってもよい。また、溶射用粉末10は、NiCr系合金粒子11、合成マイカ粒子12、およびh−BN粒子から造粒した造粒粉末の代わりに、クラッド法等により圧粉成形されたものであってもよい。
溶射用粉末10がh−BN粒子を含有する場合、溶射用粉末10の全体積は、NiCr系合金粒子11、合成マイカ粒子12、およびh−BN粒子の体積の合計値である。第1の態様では、合成マイカ粒子12が、溶射用粉末の全体積に対して、30体積%以下含有されていることを前提に、h−BN粒子は、溶射用粉末の全体積に対して、15体積%以下含有されていることが好ましい。第2の態様では、合成マイカ粒子12が、溶射用粉末の全体積に対して、20体積%以下含有されていることを前提に、h−BN粒子は、溶射用粉末の全体積に対して、20体積%以下含有されていることが好ましい。h−BNは、グラファイトのように、固体潤滑性を有する材料であるので、このような範囲でh−BN粒子を含有することにより、溶射皮膜のアブレーダブル特性をさらに向上させることができる。
ここで、第1の態様では、溶射用粉末の全体積に対して、合成マイカ粒子を30体積%以下含有し、かつ、h−BN粒子を15体積%以下含有することにより、後述する発明者らの実験からも明らかなように、アブレーダブル特性を維持しつつ成膜された溶射皮膜の強度を確保することができる。同様に、第2の態様においても、溶射用粉末の全体積に対して、合成マイカ粒子を20体積%以下含有し、かつ、h−BN粒子を20体積%以下含有することにより、アブレーダブル特性を維持しつつ成膜された溶射皮膜の強度を確保することができる。なお、合成マイカ粒子およびh−BN粒子の割合が、これらの範囲から外れた場合には、溶射皮膜の強度が低下し、溶射皮膜に相手部材が接触した際に、溶射皮膜が基材から剥離することがある。
後述する特性の溶射皮膜を成膜することができるのであれば、h−BN粒子の粒径は、特に限定されるものではないが、h−BN粒子の粒径は、たとえば粒径で3〜30μmの範囲にあることが好ましい。
2.溶射皮膜1の成膜方法と溶射皮膜1の特性について
以下に、図2および図3を参照しながら、溶射皮膜1の成膜方法と溶射皮膜1の特性について説明する。図2は、図1に示す溶射用粉末10で成膜された溶射皮膜1の模式的概念図である。図3は、図2に示す溶射皮膜1に相手部材4が接触したときの溶射皮膜1の合成マイカ粒子12Aの挙動を説明するための図である。
本実施形態では、図1に示す溶射用粉末10を溶射装置(図示せず)に投入し、溶射用粉末10を用いて、図2に示すように、ターボチャージャのターボハウジングなどの基材3の表面に溶射皮膜1を成膜する。溶射用粉末10を溶射する際には、溶射用粉末10に含まれる合成マイカ粒子12の一部を固相状態に維持しつつ、溶射皮膜1を基材3に成膜する。
溶射方法としては、合成マイカ粒子12の一部を固相状態に維持することができる方法であれば、特にその方法は限定されるものではない。好ましい溶射方法としては、プラズマ溶射等の他の溶射に比べて、低温で溶射用粉末10を基材3に溶射することができるガスフレーム溶射法である。ガスフレーム溶射法で、溶射用粉末10を溶射することにより、溶射皮膜1を成膜する際に、合成マイカ粒子12の一部を固相状態に維持し易くなる。
なお、後述する確認試験1からも明らかなように、ガスフレーム溶射法で溶射用粉末10を溶射する際には、以下の(1)〜(4)の条件を調整することにより、合成マイカ粒子12の一部を固相状態に維持しつつ、溶射皮膜を成膜することができる。
(1)供給する燃焼ガスの供給流量(例えばCガスの供給流量)
(2)燃焼ガスに流速を向上させるためのノズル外周エア圧
(3)基材と溶射ガンとの溶射距離
(4)溶射用粉末の供給速度
図2に示すように、成膜時には、基材3の表面に、溶射用粉末10のNiCr系合金粒子11が溶融したNiCr系合金粒子11Aが堆積し、溶射用粉末10の合成マイカ粒子12の一部が溶融した合成マイカ粒子12Aが堆積し、これが溶射皮膜1となる。
より具体的には、成膜時には、合成マイカ粒子12の最外面の合成マイカが溶融し、その後これが凝固した殻部12bが、合成マイカ母材12aの表面に形成される。この結果、図2に示すように、合成マイカ粒子12AをNiCr系合金粒子11Aに溶着させるとともに、合成マイカ粒子12AをNiCr系合金粒子11Aの間に介在させた溶射皮膜1を成膜することができる。
ここで、図2に示すように、基材3に溶射皮膜1が成膜された溶射部材5(例えば、ターボチャージャのターボハウジング)に対して、相手部材(例えば、タービンホイール翼)4が接触した際には、溶射皮膜1が相手部材4に削られる。
この際に、図3に示すように、合成マイカ粒子12Aの合成マイカ母材12aとともに殻部12bが破砕する。合成マイカ母材12aは、劈開性を有した材料であるので、破砕時に、鱗片状の合成マイカ粒子12cとなり、この合成マイカ粒子12cが、相手部材4と接触する表面に、潤滑剤の如く広がる。これにより、溶射皮膜1に相手部材4がさらに接触したとしても、これらの間には鱗片状の合成マイカ粒子12cが存在するので、溶射皮膜1に対する相手部材4の凝着摩耗を抑制することができる。
〔確認試験1〕
まず、以下の参考例1−1〜1−7および参考例2−1,2−2に従って、以下の確認試験を行うことにより、溶射用粉末で溶射皮膜を成膜するための条件を確認した。
具体的には、ガスフレーム溶射装置(Castolin Eutectic社製、TERO−DYN3000)を用いて、以下に示す溶射用粉末を、幅25mm、長さ50mm、厚さ6mmの基材(JIS規格:S45C)の表面に溶射し、溶射皮膜を成膜した。
ここで、溶射用粉末として、以下の溶射用粉末A,Bを準備した。具体的には、溶射用粉末A,BのいずれのNiCr系合金粒子にも、Ni−20Cr合金(20質量%のCrに残部がNiおよび不可避不純物)からなる、粒径125μm以下に分級した粒子を準備した。
溶射用粉末Aには、合成マイカ粒子として、平均粒径を5μmに分級したフッ素金雲母(KMgAlSi10)を用いた。なお、フッ素金雲母の融点は、1375℃である。溶射用粉末Bには、このNiCr系合金粒子に対して、合成マイカ粒子として、平均粒径を5μmに分級したK四珪素雲母(KMg2.5Si10)を用いた。なお、K四珪素雲母(KMg2.5Si10)の融点は、1250℃である。
各溶射用粉末A,Bを、いずれも、これらの合成マイカ粒子が、溶射用粉末の全体積である、NiCr系合金粒子と合成マイカ粒子とを合わせた体積に対して、40体積%含有されるように、NiCr系合金粒子と合成マイカ粒子から、溶射用粉末A,Bを造粒した。
参考例1−1〜1−7では、溶射用粉末Aを用い、参考例2−1,2−2では、溶射用粉末Bを用いた。各参考例において、溶射皮膜を成膜する際には、基材と溶射ガンとの溶射距離を150mmにとなるように、溶射ガンを配置した。次に、酸素ガスおよびCガスを混合した混合ガスを溶射ガンに供給し、溶射ガンの先端でこのガスを燃焼させてフレームを形成するとともに、このフレームに溶射用粉末A,Bを供給した。なお、表1に示すように、各参考例では、成膜時に、酸素ガスの供給流量、Cガスの供給流量、溶射用粉末の供給速度を調整している。
ここで、(1)Cガスの供給流量、(2)ノズル外周のエア圧(3)基材と溶射ガンとの溶射距離、および(4)溶射用粉末の供給速度は、溶射用粉末の溶融状態に密接に関連する。したがって、これらの値を、溶射時にフレームから溶射用粉末に作用するエネルギの割合とし、以下の指数1〜4を設定した。
指数1は、Cガスの供給流量により設定された指数である。フレームのエネルギは、Cガスの供給流量に依存し、この供給流量が多いほど、フレームのエネルギが増大し、溶射用粉末が溶融し易くなる。指数1では、Cガスの供給流量が60L/分であるときを1として、各参考例のCガスの供給流量から、指数1を算出した。この結果を表1に示す。
指数2は、ノズル外周のエア圧により設定された指数である。フレームのエネルギは、ノズル外周のエア圧にも依存し、このエア圧が大きいほど、フレームの燃焼温度が低下し、溶射用粉末が溶融し難くなる。指数2では、溶射用粉末を圧送するエア圧が、2.8kg/cmであるときを1とした。各参考例では、エア圧が2.8kg/cmであるので、指数2はすべて1である。
指数3は、基材と溶射ガンとの溶射距離により設定された指数である。上述したガスフレーム溶射装置では、100〜200mmの範囲において、基材と溶射ガンとの溶射距離が長いほど、溶射用粉末がフレームに接触する時間が長くなるため、溶射用粉末が溶融し易くなる。指数3では、基材と溶射ガンとの溶射距離が、200mmであるときを1とし、150mmであるときを、0.85に設定した。各参考例では、基材と溶射ガンとの溶射距離が、150mmであるので、指数3はすべて0.85である。
指数4は、フレームに供給する溶射用粉末の供給速度により設定された指数である。溶射用粉末の供給速度が遅いほど、フレームに触れる溶射用粉末の量が少なく、溶射用粉末が溶融し易くなる。指数4では、溶射用粉末の供給速度58g/分であるときを1として、各参考例の供給速度を供給速度58g/分で除算することにより、指数4を算出した。この結果を表1に示す。
設定された指数1〜4を乗算した値を、総合指数とした。この結果を表1に示す。総合指数は、溶射時に溶射用粉末の溶融し易さを示す指数である。
各参考例の溶射皮膜のNiCr系合金粒子のビッカース硬さ(Hv:200g)を5カ所測定し、これらの平均値を、溶射皮膜の硬さ(皮膜硬さ)とした。各参考例の溶射皮膜の合成マイカ粒子(溶融したものも含む)のビッカース硬さ(Hv:5g)を5カ所測定し、これらの平均値を、合成マイカ粒子の硬さ(皮膜内マイカ硬さ)とした。これらの結果を表1に示す。
図4に、各参考例に係る、総合指数と溶射皮膜の硬さとの関係を示したグラフを示した。図5に、各参考例に係る、総合指数と合成マイカ粒子の硬さとの関係を示したグラフを示した。図6に、各参考例に係る、合成マイカ粒子の硬さと溶射皮膜の硬さとの関係を示したグラフに示した。
参考例1−5および参考例1−6の溶射皮膜の断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。図7は、参考例1−5および参考例1−6に係る溶射皮膜の断面写真である。
Figure 2017179542
(結果1)
図4に示すように、参考例1−1〜1−5の総合指数よりも大きい総合指数となる参考例1−6,1−7の溶射皮膜の硬さは、参考例1−1〜1−5のものよりも大きかった。参考例2−1,2−2の溶射皮膜の硬さは、参考例1−1〜1−7のものよりも大きかった。
図5に示すように、参考例1−1〜1−5の総合指数よりも大きい総合指数となる参考例1−6,1−7の合成マイカ粒子の硬さは、参考例1−1〜1−5のものよりも大きかった。参考例2−1,2−2の合成マイカ粒子の硬さは、参考例1−1〜1−7のものよりも大きかった。
図6に示すように、合成マイカ粒子の硬さの増加に伴い、溶射皮膜の硬さが大きくなった。
図7に示すように、参考例1−5の溶射皮膜では、合成マイカ粒子に特有の鱗片状の組織が残存し、溶射皮膜の断面はややポーラスであった。一方、参考例1−6では合成マイカ粒子に特有の鱗片状の組織はなく、合成マイカが溶融して凝固したものが緻密な塊となっていることがわかる。
図6の結果から、溶射皮膜の硬さは、合成マイカ粒子の硬さに依存するといえ、図7の結果から、参考例1−6,1−7の硬さが、参考例1−1〜1−5のものよりも大きかったのは、成膜時に合成マイカ粒子が溶融したことによると考えらえる。
また、参考例2−1,2−2では、溶射用粉末Bに含まれる合成マイカ粒子がK四珪素雲母である。K四珪素雲母の融点(1250℃)は、参考例1−1〜1−7で用いた溶射用粉末Aに含まれるフッ素金雲母の融点(1375℃)よりも低い。したがって、参考例1−6よりも総合指数が低い参考例2−1,2−2においても、成膜時に合成マイカ粒子が溶融したと考えられる。この結果、参考例2−1,2−2では、参考例1−1〜1−5のものに比べて、合成マイカ粒子(溶融して凝固したの)の硬さが高くなり、溶射皮膜の硬さも硬くなったと考えられる。
以上のことから、溶射用粉末の合成マイカ粒子に、融点の高いフッ素金雲母を用いれば、成膜時に合成マイカ粒子の鱗片状の組織を残存させ易く、この組織により、溶射皮膜の硬さの上昇をより好適に抑えることができると考えられる。この結果、後述する実施例で示すように、溶射皮膜により好適にアブレーダブル特性を付与することができると考えられる。
なお、参考例2−1,2−2では、合成マイカ粒子にK四珪素雲母を用いたが、K四珪素雲母の融点は、フッ素金雲母の融点よりも125℃低いだけである。したがって、例えば、図5に示す仮想線(破線)に沿って、総合指数をより低くなるように溶射条件を定めれば、K四珪素雲母を用いた場合であっても、固相状態を維持しつつ、合成マイカ粒子の鱗片状の組織を残存させることができると考えられる。
以上の確認試験の結果に基づいて、本発明の実施例を説明する。
〔実施例1〕
上述した確認試験における参考例1−5で示した条件(表1参照)で、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。確認試験1−5と相違する点は、合成マイカ粒子が、溶射用粉末に含まれるNiCr系合金粒子と合成マイカ粒子とを合わせた体積である、溶射用粉末の全体積に対して、10体積%以下含有されるように、NiCr系合金粒子と合成マイカ(フッ素金雲母)粒子から、溶射用粉末を造粒した点である。なお、この合成マイカ粒子の含有量の10体積%は、溶射用粉末に含まれるNiCr系合金粒子と合成マイカ粒子とを合わせた質量(溶射用粉末の全質量)に対して、2.5質量%に相当する。
〔実施例2〜4〕
実施例1と同じようにして、溶射試験片を作製した。実施例1と相違する点は、表2に示すように、溶射用粉末の全体積に対して、合成マイカ粒子の含有量を、順次、20体積%、30体積%、40体積%にした点である。なお、この合成マイカ粒子の含有量の、20体積%、30体積%、および40体積%は、溶射用粉末の全質量に対して、順次、3.5質量%、7.4質量%、17.7質量%に相当する。
〔比較例1,2〕
実施例1と同じようにして、溶射試験片を作製した。実施例1と相違する点は、表2に示すように、比較例1では、合成マイカ粒子を含有させていない点(0体積%)であり、比較例2では、合成マイカ粒子の含有量を、50体積%、にした点である。
〔比較例3〜5〕
実施例1と同じようにして、溶射皮膜を成膜した。実施例1と相違する点は、表2に示すように、合成マイカ粒子の代わりに、h−BN粒子を添加した点であり、溶射用粉末に含まれるNiCr系合金粒子とh−BN粒子とを合わせた体積(溶射用粉末の全体積)に対して、h−BN粒子を、順次、20体積%、25体積%、30体積%含有した点である。
〔比較例6〕
実施例1と同じようにして、溶射皮膜を成膜した。実施例1と相違する点は、NiCr系合金粒子の代わりに、Ni:13質量%、Cr:8質量%、残部がFeおよび不可避不純物からなる鉄系合金粒子を用いた点と、合成マイカ粒子の代わりに、h−BN粒子と、Al粒子とを用い、溶射用粉末に含まれる鉄系合金粒子、h−BN粒子、およびAl粒子とを合わせた全体積(溶射用粉末の全体積)に対して、h−BN粒子を、19.2体積%、Al粒子を8.8体積%、含有させた点である。
[被削性試験]
実施例1〜4および比較例1〜6の溶射試験片に対して、図8に示す被削性試験装置を用いて、被削性試験を行った。具体的には、相手部材として、自動車のターボチャージャのタービンホイールと同じ材料(Ni−13Cr−4Mo−2Nb−6Al−0.8Ti−0.1Zn−0.01B)のチップ型試験片51を準備し、これを電気炉52内のロータ53に2枚取付けた。次に、可動装置54に取付けた溶射試験片55を、チップ型試験片51に当接させた状態で、溶射試験片55の位置を固定した。次に、電気炉52内の温度を500℃まで昇温し、ロータ53の回転速度を1200rpmにし、チップ型試験片51の送り速度を0.05mm/秒で、10秒間、ロータ53を回転させた。
実施例1〜4および比較例1〜6の溶射試験片の溶射皮膜が削れた深さを、マイクロメータで測定し、実施例1〜4および比較例1〜6のチップ型試験片の摩耗量を、電子天秤を用いて測定した。これら結果を、表2および図9に示す。さらに、被削性試験前後の実施例4および比較例4の溶射皮膜の表面のMoの分布を、EPMAにより測定した。この結果を図10に示す。
Figure 2017179542
(結果2)
図9に示すように、合成マイカ粒子を含有していない比較例1の溶射試験片は、ほとんど削れておらず、チップ型試験片の摩耗量は、実施例1〜4に比べて多かった。ここで、実施例1〜4では、上述した確認試験の参考例1−5の条件で、溶射皮膜を成膜していることから、溶射皮膜には、劈開性を有した合成マイカ粒子(マイカの鱗片状の組織)が残存している。したがって、実施例1〜4では、溶射皮膜が削られた際には、鱗片状の組織を有した合成マイカ粒子が破砕されて、鱗片状の微細な合成マイカ粒子になると考えられる。この結果、後述するように、実施例1〜4では、溶射試験片の溶射皮膜の被削性を高めつつ、相手部材であるチップ型試験片の凝着摩耗を抑制することができたと考えらえる。
また、比較例2の溶射試験片では、溶射皮膜の強度が十分ではなく、被削性試験の途中で、溶射皮膜が剥離した。これは、比較例2の如く、合成マイカ粒子を50体積%含有させた場合、溶射皮膜に対して合成マイカ粒子が多すぎるため、溶射皮膜の強度が低下したと考えられる。このことから、合成マイカ粒子は、溶射用粉末の全体積に対して、40体積%以下含有されることにより、成膜された溶射皮膜の強度を確保することができると考えられる。
また、実施例1と比較例1を比較すると、実施例1の如く合成マイカ粒子を含有させれば、チップ型試験片の摩耗量が減少しているので、合成マイカ粒子を僅かな量を含んでいるだけで、このような効果が期待できると考えられる。なお、図9に示すように、実施例2〜4では、チップ型試験片の摩耗量が安定して少ない。このことから、合成マイカ粒子が、溶射用粉末の全体積に対して、20体積%以上含有されていることが好ましいといえる。
さらに、図9に示すように、合成マイカ粒子の代わりに、実施例2と同程度の量のh−BN粒子等を含有させた比較例3,6のチップ型試験片の摩耗量は、実施例2のものよりも多い。また、図10に示すように、試験後の比較例4の溶射皮膜には、Moが付着していたが、試験後の実施例4の溶射皮膜には、Moがほとんど付着していなかった。
このことから、比較例3、4、および6の溶射皮膜には、チップ型試験片の組成であるMoが凝着し、比較例3、4、および6のチップ型試験片は凝着摩耗により、実施例2のものよりもチップ型試験片の摩耗量が多くなったと考えらえる。実施例1〜4の如く、溶射皮膜の合成マイカ粒子を含有させることにより、溶射皮膜が削られた際には、鱗片状の組織を有した合成マイカ粒子が、微細な鱗片状の合成マイカ粒子となって表面に広がり、これが潤滑剤の如く作用し、チップ型試験片の凝着摩耗を抑制すると考えられる。
さらに、比較例5の溶射試験片では、溶射皮膜の強度が十分ではなく、被削性試験の途中で、溶射皮膜が剥離した。これは、比較例5の如く、h−BN粒子を30体積%含有させた場合、溶射皮膜に対してh−BN粒子の含有量が多すぎるため、溶射皮膜の強度が低下したと考えられる。ここで、上述したように、実施例4では、合成マイカ粒子の含有量を40体積%にした(30体積%を超えている)にも拘わらず、溶射皮膜の強度が確保されている。これは、溶射時に、合成マイカ粒子の外周部分が溶融してNiCr系合金粒子に溶着し、NiCr系合金粒子を合成マイカ粒子が支えているからであると考えられる。一方、h−BNは、融点が無く昇華するため、h−BN粒子は、合成マイカ粒子の如く、NiCr系合金粒子を支えることができない。このため、合成マイカ粒子は、h−BN粒子の含有量よりも多い含有量であっても、溶射皮膜の強度を確保することができる。
〔実施例1−1〜1−5〕
実施例1と同じようにして、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。実施例1−1は、実施例1と同じである。実施例1−2〜1−5が、実施例1と相違する点は、溶射用粉末に、平均粒径を5μmに分級したh−BN粒子をさらに含めた点である。具体的には、表3に示すように、実施例1−2〜1−5では、h−BN粒子が、溶射用粉末の全体積である、NiCr系合金粒子と合成マイカ粒子とh−BN粒子とを合わせた体積に対して、順次、5体積%、10体積%、15体積%、および20体積%含有されている点である。なお、このh−BN粒子の含有量の5体積%、10体積%、15体積%および20体積%は、溶射用粉末の全質量に対して、順次、1.5質量%、3.3質量%、4.9質量%、および6.9質量%に相当する。
〔比較例1−1〕
実施例1−1と同じようにして、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。比較例1−1が、実施例1−1と相違する点は、溶射用粉末に、平均粒径を5μmに分級したh−BN粒子をさらに含めた点である。具体的には、表3に示すように、比較例1−1では、h−BN粒子が、溶射用粉末の全体積に対して、25体積%含有されている点である。
〔実施例2−1〜2−5〕
実施例2と同じようにして、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。実施例2−1は、実施例2と同じである。実施例2−2〜2−5が、実施例2と相違する点は、溶射用粉末に、平均粒径を5μmに分級したh−BN粒子をさらに含めた点である。具体的には、表3に示すように、実施例2−2〜2−5では、h−BN粒子が、溶射用粉末の全体積に対して、順次、5体積%、10体積%、15体積%、および20体積%含有されている点である。なお、このh−BN粒子の含有量の5体積%、10体積%、15体積%および20体積%は、溶射用粉末の全質量に対して、順次、1.6質量%、3.4質量%、5.4質量%、および7.5質量%に相当する。
〔比較例2−1〕
実施例2−1と同じようにして、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。比較例2−1が、実施例2−1と相違する点は、溶射用粉末に、平均粒径を5μmに分級したh−BN粒子をさらに含めた点である。具体的には、表3に示すように、比較例2−1では、h−BN粒子が、溶射用粉末の全体積に対して、25体積%含有されている点である。
〔実施例3−1〜3−4〕
実施例3と同じようにして、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。実施例3−1は、実施例3と同じである。実施例3−2〜3−4が、実施例3と相違する点は、溶射用粉末に、平均粒径を5μmに分級したh−BN粒子をさらに含めた点である。具体的には、表3に示すように、実施例3−2〜3−4では、h−BN粒子が、溶射用粉末の全体積に対して、順次、5体積%、10体積%、および15体積%含有されている点である。なお、このh−BN粒子の含有量の5体積%、10体積%、および15体積%は、溶射用粉末の全質量に対して、順次、1.8質量%、3.7質量%、および5.9質量%に相当する。
〔比較例3−1,3−2〕
実施例3−1と同じようにして、基材の表面に溶射皮膜を成膜した溶射試験片を作製した。比較例3−1,3−2が、実施例3−1と相違する点は、溶射用粉末に、平均粒径を5μmに分級したh−BN粒子をさらに含めた点である。具体的には、表3に示すように、比較例3−1および比較例3−2では、h−BN粒子が、溶射用粉末の全体積に対して、順次、20体積%、25体積%含有されている点である。
[被削性試験]
実施例1〜1〜1−5、比較例1−1、実施例2−1〜2−5、比較例2−1、実施例3−1〜3−4、および比較例3−1、3−2の溶射試験片に対して、実施例1と同様に被削性試験を行った。この結果を表3および図11に示す。なお、図11には、比較例3および4の結果も合わせて示した。
Figure 2017179542
(結果3)
図11に示すように、実施例1〜1〜1−5、実施例2−1〜2−5、および実施例3−1〜3−4の場合にも、h−BN粒子の含有量が増加するに従って、溶射試験片の削れ深さが増加し、チップ型試験片の摩耗量が減少した。これは、h−BN粒子のh−BNは、グラファイトのように、固体潤滑性を有する材料であるからであると考えられる。
また、表3に示すように、比較例1−1、比較例2−1、および比較例3−1、3−2の溶射試験片では、溶射皮膜の強度が十分ではなく、被削性試験の途中で、溶射皮膜が剥離した。これらの比較例では、溶射皮膜に対してh−BN粒子が多すぎるため、溶射皮膜の強度が低下したと考えられる。
したがって、図11および表3に示すように、実施例1−1〜1−4、実施例2−1〜2−4、および実施例3−1〜3−4の結果から判断すると、溶射用粉末の全体積に対して、合成マイカ粒子が30体積%以下、かつh−BN粒子が15体積%以下含有されていれば、成膜される溶射皮膜の強度が確保されると考えられる。一方、実施例1−1〜1−5、および実施例2−1〜2−5の結果から判断すると、溶射用粉末の全体積に対して、合成マイカ粒子が20体積%以下、かつh−BN粒子が20体積%以下含有されていれば、成膜される溶射皮膜の強度が確保されると考えられる。
なお、図11に示すように、実施例1−5、実施例2−5、および比較例3の溶射皮膜は、いずれも溶射用粉末のh−BN粒子を20体積%含有している。しかしながら、実施例1−5、実施例2−5の溶射試験片は、比較例3のものに比べて、合成マイカ粒子を含んでいるため、溶射試験片の削れ深さが大きく、チップ型試験片の摩耗量が少なくなったと考えられる。
〔確認試験2〕
以下の参考例3−1〜3−4および参考例4−1〜4−5の材料を、以下の確認試験2を行うことにより、実施例1で用いたNiCr系合金粒子の好ましい組成を確認した。
[参考例3−1〜3−4]
参考例3−1〜3−4では、NiCr系合金粒子の素材として、順次、Crの含有量が、10質量%,20質量%,30質量%,50質量%、残部がNiおよび不可避不純物からなるNiCr合金材を準備した。
[参考例4−1〜4−5]
参考例4−1〜4−5では、NiCr系合金粒子の素材として、Alの含有量が5質量%であり、順次、Crの含有量が、9.5質量%、18質量%、19質量%、33.2質量%、47.5質量%であり、残部がNiおよび不可避不純物からなるNiCrAl合金材を準備した。
[高温酸化試験]
参考例3−1〜3−4および参考例4−1〜4−5の合金材を、加熱炉内に投入し、酸素ガス雰囲気下で、850℃、120時間加熱し、各合金材の酸化増量を測定した。なお、酸化増量は、試験前後の合金材の重量差を、合金材の表面積で除算した値である。この結果を、図12に示す。
[硬さ試験]
参考例3−1〜3−4および参考例4−1の合金材のビッカース硬さを、20℃、500℃、850℃の温度条件で測定した。なお、相手部材となるチップ型試験片と同じ材料のビッカース硬さを、参考例5として、20℃および500℃の温度条件で測定した。この結果を、図13に示す。
図12に示すように、参考例3−1の合金材は、参考例3−2〜3−4の合金材に比べて、酸化増量が多い。したがって、NiCr系合金粒子に含有されるCrの量が、20〜50質量%の範囲であれば、成膜時および成膜後の部材の使用時にNiCr系合金粒子は酸化し難いと言える。一方、Alを含有した参考例4−1〜4−5では、Crの含有量に拘わらず、酸化増量が少ない。
図13に示すように、参考例3−1〜3−4では、Crの含有量が増加するに従って、そのビッカース硬さも増加した。相手部材の材料である参考例5の材料のビッカース硬さよりも、参考例3−1〜3−4および参考例4−1の合金材の硬さの方が低いため、これらの合金材を、溶射用粉末のNiCr系合金粒子に好適に用いることができる。また、参考例3−1〜3−4の500℃における合金材のビッカース硬さの変化、および参考例4−1の500℃における合金材の硬さの結果から、参考例4−2〜4−5のビッカース硬さは、参考例5の材料(500℃)のものよりも、低くなると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
1:溶射皮膜、3:基材、4:相手部材、5:溶射部材、10:溶射用粉末、11,11A:NiCr系合金粒子、12,12A:合成マイカ粒子、12a:合成マイカ母材、12b:殻部。

Claims (7)

  1. アブレーダブル溶射皮膜を成膜するための溶射用粉末であって、
    前記溶射用粉末は、NiCr系合金粒子と合成マイカ粒子からなり、
    前記合成マイカ粒子は、前記溶射用粉末の全体積に対して、40体積%以下含有されていることを特徴とする溶射用粉末。
  2. 前記溶射用粉末は、h−BN粒子をさらに含み、
    前記合成マイカ粒子は、前記溶射用粉末の全体積に対して、30体積%以下含有されており、
    前記h−BN粒子は、前記溶射用粉末の全体積に対して、15体積%以下含有されていることを特徴とする請求項1に記載の溶射用粉末。
  3. 前記溶射用粉末は、h−BN粒子をさらに含み、
    前記合成マイカ粒子は、前記溶射用粉末の全体積に対して、20体積%以下含有されており、
    前記h−BN粒子は、前記溶射用粉末の全体積に対して、20体積%以下含有されていることを特徴とする請求項1に記載の溶射用粉末。
  4. 前記合成マイカ粒子は、フッ素金雲母からなる粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶射用粉末。
  5. 前記NiCr系合金粒子は、20〜50質量%の範囲でCrを含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶射用粉末。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶射用粉末を用いて、アブレーダブル溶射皮膜を成膜する方法であって、
    前記溶射用粉末に含まれる前記合成マイカ粒子の一部を固相状態に維持しつつ、前記アブレーダブル溶射皮膜を成膜することを特徴とするアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法。
  7. 前記溶射用粉末を用いた前記アブレーダブル溶射皮膜の成膜を、ガスフレーム溶射により行うことを特徴とする請求項6に記載のアブレーダブル溶射皮膜の成膜方法。
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