JP2017179411A - 薄膜形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】基材に均一な膜厚の蒸着膜を形成することができる薄膜形成装置を提供する。【解決手段】所定の搬送方向に搬送される基材の被成膜面に蒸着膜を形成する薄膜形成装置であり、蒸着膜の原料となる原料ガスの流量を調節する流量制御弁76を搬送方向と直交する方向である幅方向に複数有し、原料ガスを供給するガス供給部73と、ガス供給部73よりも搬送方向の下流側にあり、幅方向の蒸着膜の膜厚分布を計測する膜厚計測手段8と、流量制御弁76および膜厚計測手段8の動作の制御を行う制御部9と、を備え、薄膜形成時、制御部9は、膜厚計測手段8による計測結果にもとづいて複数の流量制御弁76を個別に制御する。【選択図】図2

Description

本発明は、帯状の基材上に薄膜を形成するための薄膜形成装置であり、基材を搬送させながら成膜部を通過させることにより、基材上に均一な膜厚の薄膜を形成するための薄膜形成装置に関するものである。
近年では、プラスチックフィルムの表面に例えば酸化防止、水分浸入防止等を目的としたバリア膜を形成したバリアフィルムが使用されている。
このようなバリアフィルムは、下記特許文献1に示す薄膜形成装置によって形成されている。例えば図5に示すように、薄膜形成装置100は、メインロールチャンバ101と、このメインロールチャンバ101内に収容されるメインロール102と、帯状の基材103を繰り出す巻出しロール104と基材103を巻き取る巻取りロール105とを備えており、巻出しロール104から送出された基材103をメインロール102に沿うように当接させ、そして巻取りロール105によって巻き取ることにより、所定の張力をかけながら基材103を搬送するようになっている。そして、メインロール102に対向するように成膜部106がメインロール102の周方向に形成されており、この成膜部106にはガス供給部107と電極108が設けられており、また、ガス供給部107の基材103と対向する部分には基材の幅方向(図5におけるY軸方向)にわたって複数のガス供給口107aが設けられ、幅方向に関して基材103に略均等に薄膜の原料ガスが供給される。ガス供給部107から薄膜の原料ガスを供給した状態で電極108に高周波電圧を印加することにより、原料ガスはプラズマ状態となり、プラズマCVD法によって基材103に蒸着膜が形成される。このような薄膜形成装置100において、巻出しロール104から供給された基材103がメインロール102に沿わせた状態で成膜部106を通過することにより、基材103上に蒸着膜が形成される。
特開2001−303249号公報
しかし、上記の薄膜形成装置では、均一な膜厚の蒸着膜が得られないおそれがあった。具体的には、ガス供給部107の複数のガス供給口107aからの原料ガスの流量には偏りが生じやすく、たとえばガス供給部107の幅方向中央部に外部から原料ガスを流し込んだ場合、幅方向中央側のガス供給口107aの方が端部側のガス供給口107aよりも原料ガスの流量が多くなるため、基材103に形成された蒸着膜の膜厚も図6に示すように幅方向中央部の方が端部よりも厚くなるおそれがあった。また、長尺の基材103に連続して蒸着膜を形成する間、成膜部107内の環境が変化するおそれがあり、原料ガスの流量をずっと同じとしていても蒸着膜の膜厚が変化する可能性があるといった問題があった。
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされたものであり、基材に均一な膜厚の蒸着膜を形成することができる薄膜形成装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために本発明の薄膜形成装置は、所定の搬送方向に搬送される基材の被成膜面に蒸着膜を形成する薄膜形成装置であり、前記蒸着膜の原料となる原料ガスの流量を調節する流量制御弁を前記搬送方向と直交する方向である幅方向に複数有し、当該原料ガスを供給するガス供給部と、前記ガス供給部よりも前記搬送方向の下流側にあり、前記幅方向の前記蒸着膜の膜厚分布を計測する膜厚計測手段と、前記流量制御弁および前記膜厚計測手段の動作の制御を行う制御部と、を備え、薄膜形成時、前記制御部は、前記膜厚計測手段による計測結果にもとづいて複数の前記流量制御弁を個別に制御することを特徴としている。
上記薄膜形成装置によれば、基材に均一な膜厚の蒸着膜を形成することができる。具体的には、薄膜形成時、制御部は、膜厚計測手段による計測結果にもとづいて複数の流量制御弁を個別に制御することにより、幅方向の原料ガスの流量に偏りが生じないようにすると同時に、薄膜形成時に成膜環境が変化してもそれに対応するようにリアルタイムで流量制御弁を制御して基材に均一な膜厚の蒸着膜が形成できるようにすることができる。
また、前記基材は帯状であり、両端がロールに巻かれ、片方の当該ロールから送り出され、もう片方の当該ロールが巻き取ることにより、基材が連続的に搬送されると良い。
このようにいわゆるロールトゥロールによって長尺の基材を搬送して基材全体に対して薄膜の形成を行う場合、途中で成膜環境が変化する可能性が高くなるため、成膜環境に対応できることは非常に効果的である。
また、基材を挟んで前記ガス供給部と反対側にあり、基材の前記被成膜面と反対側の面と接触することにより成膜中の基材を支持するメインロールを有し、当該メインロールの温度を調節するロール温度調節手段を前記幅方向に複数有していても良い。
こうすることにより、幅方向におけるメインロールの温度分布も制御してさらに容易に均一な膜厚の蒸着膜を形成することができる。
本発明の薄膜形成装置によれば、基材に均一な膜厚の蒸着膜を形成することができる。
本発明の一実施形態における薄膜形成装置を表す概略図である。 本実施形態におけるガス供給部を表す概略図である。 本発明の薄膜形成装置によって得られる薄膜の膜厚分布を示すグラフである。 本実施形態におけるメインロールを表す概略図である。 従来の実施形態における薄膜形成装置を表す概略図である。 従来の薄膜形成装置によって得られた薄膜の膜厚分布を示すグラフである。
本発明に係る実施の形態を図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態における薄膜形成装置1の概略図である。
薄膜形成装置1は、基材上に表面処理を行って薄膜を形成するためのものであり、例えば、プラスチックフィルム上に酸化防止、水分浸入防止を目的としたバリア膜を形成し、食品用の保護フィルム、フレキシブル太陽電池等に使用される。具体的には、フレキシブル太陽電池の場合には、プラスチックフィルム等の帯状基材上に各電極層及び光電変換層等で構成される太陽電池セルが形成された後、薄膜形成装置1により太陽電池セル上に薄膜を複数層形成してバリア膜を形成する。これにより、太陽電池セルに水分の浸入が効果的に防止され、酸化特性に優れたフレキシブル太陽電池を形成することができる。
この薄膜形成装置1は、基材2を送り出す巻出しロール3と、供給された基材2を巻き取る巻取りロール4と、巻出しロール3と巻取りロール4との間に配置されるメインロール5と、これらを収容するメインロールチャンバ6と、薄膜を形成する成膜部7とを有しており、巻出しロール3から送り出された基材2をメインロール5の外周面に沿わせて搬送させつつ、成膜部7を通過させることにより、基材2上に薄膜が形成され、巻取りロール4で巻き取られるようになっている。
また、薄膜形成装置1はさらに膜厚計測手段8および制御部9を有し、膜厚計測手段8によって計測された基材2上の薄膜の膜厚に応じて制御部9は成膜部7のガス供給部73からのガス流量を制御する。
巻出しロール3および巻取りロール4は略円筒形状の芯部31および芯部41を有しており、これら芯部31および芯部41には基材2が巻き付けられ、これら芯部31および芯部41を回転駆動させることにより、基材2を送り出し、または巻き取ることができる。すなわち、図示しない制御装置により芯部31および芯部41の回転が制御されることにより、基材2の送り出し速度もしくは巻き取り速度を増加及び減少させることができる。具体的には、基材2が下流側から引張力を受けた状態で上流側の芯部を回転させることにより基材2が下流側に送り出され、適宜、この上流側の芯部にブレーキをかけることにより基材2が撓むことなく一定速度で送り出されるようになっている。また、下流側の芯部の回転が調節されることにより、送り出された基材2が撓むのを抑えつつ、逆に基材2が必要以上の張力がかからないようにして巻き取ることができるようになっている。
ここで、基材2は、一方向に延びる薄板状の長尺体であり、厚み0.01mm〜0.2mm 幅5mm〜2000mmの平板形状を有する長尺体が適用される。また、材質として、特に限定しないが、たとえばPETなどの樹脂フィルムが好適に用いられる。
このように、上記の巻出しロール3と巻取りロール4とが一対となり、一方が基材2を送り出し、他方が前記送り出し速度と同じ巻き取り速度で基材2を巻き取ることによって、基材2にかかる張力を所定の値で維持しながら基材2を図1の矢印で示す方向(搬送方向)に搬送することが可能である。
メインロール5は、成膜の際に基材2の姿勢を保ちつつ、上流側の巻出しロール3から供給された基材2を下流側の巻取りロール4に搬送するための搬送部である。メインロール5は、巻出しロール3と巻取りロール4との間に配置されており、芯部31及び芯部41よりも大径の略円筒形状に形成されている。メインロール5の外周面は、周方向に曲率が一定の曲面で形成されており、図示しない制御装置により芯部31及び芯部41の回転に応じて駆動制御され、巻出しロール3から送り出された基材2は、所定の張力が負荷された状態でメインロール5の外周面に沿って搬送される。すなわち、メインロール5の外周面に基材2が沿った状態でメインロール5が巻出しロール3及び巻取りロール4の回転に応じて回転することにより、基材2は、基材2全体が張った状態で、その表面が成膜部7に対向する姿勢で巻出しロール3から巻取りロール4へ搬送されるようになっている。
このように基材2が張った状態で搬送され、薄膜が形成されることにより、薄膜形成時の基材2のばたつきを防ぐことができ、基材2に積層される薄膜の膜厚精度が向上するとともに基材2のばたつきによるパーティクルの発生を防ぐことができる。また、メインロール5の曲率半径を大きくすることにより、基材2がより平坦に近い状態で支持されながら成膜が行われるため、薄膜形成後の基材2に反りが生じることを防ぐことができる。
また、メインロール5の基材2が巻き付かない部分は、後述する温度調節手段51と対向し、メインロール5の温度が基材2への薄膜の形成に適した温度となるように調節されている。
メインロールチャンバ6は、メインロール5を収容しチャンバ内の圧力を一定に保持するためのものである。メインロールチャンバ6には、真空ポンプ61が接続されており、この真空ポンプ61を作動させることにより、メインロールチャンバ6内の圧力を制御できるようになっている。
なお、本実施形態では、巻出しロール3及び、巻取りロール4がメインロールチャンバ6内に収容されているが、これらをメインロールチャンバ6の外に設ける構成であってもよい。本実施形態のようにこれらをメインロールチャンバ6内に設けることで、基材2や薄膜形成後の基材2(成膜基材)を大気に曝すことから保護することができる。
成膜部7は、蒸着法により基材2上に蒸着膜である薄膜を形成するためのものであり、本実施形態では蒸着法の一種であるプラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法により基材2上に薄膜を形成している。
各成膜部7は、メインロール5の外径側に間仕切り部62を配置することにより形成されている。具体的には、メインロール5の外径側に2つの間仕切り部62がメインロール5の外周面に向かって設けられていることにより、各間仕切り部62とメインロールチャンバ6の壁面とで成膜部7の隔壁部が構成されて、メインロール5上の基材2の膜形成面(メインロール5と対向している面と反対側の面)の一部を囲み、当該膜形成面の一部との間に閉空間を形成する成膜部7が形成される形態となっている。
これにより、メインロール5に沿って巻出しロール3から巻取りロール4へ基材2が搬送されると、成膜部7により基材2の膜形成面側の表面に薄膜が形成されるようになっている。
なお、本実施形態では間仕切り部62が基材2と干渉して基材2が破損することを防ぐために、メインロール5上の基材2と間仕切り部62の端部との間には若干の隙間が設けられるように構成されている。したがって、成膜部7と基材2との間に形成される空間は厳密的には閉空間では無いが、本説明ではこのように若干の隙間がある空間であっても閉空間と呼ぶこととする。
成膜部7には、真空ポンプ71が接続されており、真空ポンプ71を作動させることにより、各成膜部7内を所定の圧力に設定できるようになっている。本実施形態では、原料ガスを供給する前に所定の圧力になるまで成膜部7内を減圧する。
また、これらの成膜部7は、基材2に対する表面処理として、前述の通りプラズマCVD法を用いた成膜源が設けられている。すなわち、成膜部7には、図示しない高周波電源に接続されて成膜部7内の閉空間にプラズマを発生させるための略U字型のプラズマ電極72が設けられるとともに、基材2と対向する複数のガス供給口を有するガス供給部73が設けられ、ガス供給部73は薄膜形成装置1の外部からのガス供給手段である原料ガス配管が接続されている。これにより基材2が成膜部7を通過する際に基材2の膜形成面側の表面に所定の薄膜が形成される。すなわち、ガス供給部73から成膜部7内に原料ガスが供給された状態で、高周波電源によってプラズマ電極72に高周波電圧が印加されることにより、プラズマ電極72の周辺にプラズマが発生し、このプラズマによって原料ガスが励起されて成膜部7内がプラズマ雰囲気となり、基材2の膜形成面側の表面に所定の薄膜が形成される。たとえば、原料ガスとしてHMDS(ヘキサメチルジシラザン)ガス及びアルゴンガス、水素ガスを供給することにより、密着性の高いSi化合物膜が形成され、また、原料ガスとしてHMDS及び酸素ガスが供給されることにより、緻密でバリア性の高いSiO2膜が形成される。
図2は、ガス供給部73を表す概略図であり、断面図である。
ガス供給部73には、薄膜形成装置1の外部からのガス供給手段である原料ガス配管74と接続された分岐流路が設けられ、各分岐流路の先端部の開口は、基材2の搬送方向と直交する方向である幅方向(Y軸方向)に複数並んで配列されたガス供給口75となっている。
各ガス供給口75はメインロール5の外周面に対向するように配置されており、基材2が搬送される際、基材2の被成膜面と対向する。そして、原料ガス配管74から供給された原料ガスが上記分岐流路を経由して各ガス供給口75から一斉に吐出されることにより、幅方向に関して基材2の被成膜面全体に万遍なく原料ガスを供給することができ、被成膜面の全体に蒸着膜を形成することができる。また、本実施形態においてガス供給部73のY軸方向の寸法は、基材2の幅方向の寸法と略同一である。
また、分岐流路の途中には、幅方向に複数の流量制御弁76が設けられている。図2の実施形態では、原料ガス配管74と連結された流路が5つに分岐し、それぞれの流路に流量制御弁76a乃至76eが1つずつ設けられ、各流量制御弁76を経由した流路はさらに分岐し、各ガス供給口75が形成される。
ここで、各流量制御弁76によって、ガス供給口75から吐出される原料ガスの流量を調節することができ、また、各流量制御弁76を個別に制御することにより、ガス供給口75から吐出される原料ガスの流量が幅方向全体にわたって均一になるように調節することができる。たとえば、ガス供給部73の端にあたる分岐流路は他の部位の分岐流路よりも原料ガスの流量が少なくなる傾向があるため、流量制御弁76aと流量制御弁76eは流量制御弁76b乃至76dよりもガスが流れやすくしておく(弁の開度を大きくしておく)ことにより、ガス供給口75から吐出される原料ガスの流量が幅方向全体にわたって均一にすることができる。
また、流量制御弁76a乃至76eはそれぞれ配線を経由して制御部9と接続されており、制御部9によって流量制御弁76a乃至76eの開度が個別に制御される。
また、本実施形態では図2に示すように流量制御弁76a、76b、76d、76eはそれぞれ2つのガス供給口75から吐出される原料ガスの流量を制御しているのに対し、流量制御弁76cは上記4つの流量制御弁76よりも多い8つのガス供給口75から吐出される原料ガスの流量を制御するようにしている。これは、ガス供給部73の中央部にあたるガス供給口75は比較的ガス流量が安定しており、隣接するガス供給口75同士での細かな流量調節は必要無いからである。このように各流量制御弁76に割り当てられるガス供給口75の数に差異を設けることにより、ガス供給口75から吐出される原料ガスの流量が幅方向全体にわたって均一にするための流量制御弁76の個数を最小限にすることができ、制御を容易にすることができる。なお、これに限らず各流量制御弁76に割り当てられるガス供給口75の数を同一にしても構わない。
膜厚計測手段8は、ガス供給部73を含む成膜部7よりも搬送方向の下流側に設けられている。膜厚計測手段9は、本実施形態ではたとえばX線式膜厚計といった膜厚を非接触式で測定可能なセンサを有し、図示しない駆動装置に取り付けられて幅方向(Y軸方向)に移動可能なように設けられいる。そして、センサがY軸方向に移動しながら動作することにより基材2上の薄膜の膜厚を幅方向の全長にわたって計測する。この計測結果は、膜厚計測手段8と配線で接続されている制御部9に出力される。
制御部9は、本実施形態ではCPUおよびRAMやROMを有するコンピュータであり、膜厚計測手段8によって計測された膜厚データをもとに、幅方向の膜厚分布データを作成する機能、また、流量制御弁76a乃至76eの開度を制御する機能、また、巻出しロール2、メインロール5など回転駆動部が接続されたロールの回転速度を制御するための機能、また、成膜装置7の印加電圧を制御する機能などを実行するプログラムが記憶されている。
また、制御部9は、ハードディスクや、RAMまたはROMなどのメモリからなる、各種情報を記憶する記憶装置を有しており、たとえば基材Wの搬送速度、成膜時の印加電圧情報、薄膜形成開始時の流量制御弁76a乃至76eの開度、基材2に形成すべき薄膜の膜厚などの設定データがこの記憶装置に記憶される。
以上の薄膜形成装置1において基材2の搬送が開始し、成膜部7によって被成膜面(メインロール5と接触する面と反対側の面)に薄膜が形成されると、その後薄膜は膜厚計測手段8まで搬送され、幅方向(Y軸方向)にわたって膜厚が測定される。
ここで、制御部9は、膜厚計測手段8の計測結果にもとづいてフィードバック制御を行い、流量制御弁76a乃至76eの開度を調整する。つまり、膜厚計測手段8の膜厚の計測結果に応じて、制御部9は、流量制御弁76a乃至76eのそれぞれに対して制御信号を出力し、流量制御弁76a乃至76eのそれぞれの開度を調整する。
次に、本発明の薄膜形成装置によって得られる薄膜の膜厚分布を図3に示す。
薄膜の設定膜厚が図3の実線の通り与えられているのに対し、ある時点でのは膜厚計測手段8による膜厚計測結果が鎖線の通りであった場合、制御部9はこの測定結果にもとづき流量制御弁76にフィードバックをかける。たとえば、流量制御弁76a、76eの開度を大きくしてガス供給部73の端部のガス流量を大きくすることによって膜厚を厚くするように制御し、また、流量制御弁76b、76c、76dの開度を小さくしてガス供給部73の中央部のガス流量を小さくすることによって膜厚を薄くするように制御し、以後に形成される薄膜の膜厚分布が図3の実線の通りとなるようにする。
このような制御部9によるフィードバック制御を薄膜形成時に常時実施することにより、幅方向の膜厚分布が設定値から逸脱しないように連続して薄膜を形成することができる。すなわち、均一な膜厚の薄膜を形成することができる。
特に本実施形態のようにロールトゥロールによって長尺の基材2を搬送して基材2全体に対して薄膜の形成を行う場合、成膜部7の内部、プラズマ電極72、ガス供給部73へ薄膜が堆積したり、連続成膜にともなって成膜部7の内部温度が上昇するなど、途中で成膜環境が変化する可能性が高くなり、また、ロールトゥロールで成膜した場合、もし途中で成膜不良が生じた場合、ロール一反分全てが不良と判断されるおそれがあるため、成膜環境の変化に対応してリアルタイムに流量制御弁76の開度を調節して常に均一な膜厚を形成する成膜条件を形成できることは非常に効果的である。
また、本実施形態では薄膜形成装置1は温度調節手段51をさらに有している。温度調節手段51は、メインロール5の基材2が巻き付かない位置においてメインロール5の外周面と対向し、メインロール5の温度が基材2への薄膜の形成に適した温度となるように調節されている。
本実施形態における温度調節手段を図4に示す。温度調節手段51は、本実施形態ではメインロール5と離間してメインロール5を加熱もしくは冷却するヒータもしくはクーラーであり、メインロール5の幅方向(Y軸方向)にわたって複数配列されている。図4の実施形態では、5つの温度調節手段51(温度調節手段51a乃至51e)が配列され、また、これら5つの温度調節手段51の配置されている幅がメインロール5の幅方向寸法と略同一となるように配列しており、メインロール5上のたとえば図4に鎖線で示すように分割された領域をそれぞれの温度調節手段51が加熱もしくは冷却する。
また、各温度調節手段51はそれぞれ配線を経由して制御部9と接続されており、制御部9によって各温度調節手段51による加熱量(冷却量)が個別に制御される。
ここで、仮にメインロール5を一つの温度調節手段で温度調節した場合、温度調節手段による温度調節の効果はメインロール5の両端部では弱く、メインロール5の温度分布が幅方向にわたって不均一になるおそれがある。この場合、たとえ前記ガス供給部73から供給されるガス流量が幅方向にわたって均一であったとしても基材2に形成される薄膜の膜厚は不均一になる可能性がある。
そこで、本実施形態のように温度調節手段をメインロール5の幅方向に複数設け、Y軸方向の端部に近い温度調節手段51であるほど加熱量(冷却量)が大きくなるように個別に制御することにより、メインロール5の温度分布を幅方向にわたって均一にし、薄膜の形成に影響を及ぼさないようにしている。
一方、本実施形態のように温度調節手段51を複数設けることはせずに一つの温度調節手段でメインロール5を温度調節する場合であっても、メインロール5のY軸方向の寸法を基材2の幅方向の寸法よりも充分大きくすることにより、メインロール5のうち比較的温度が均一であるY軸方向中央部のみを基材2の搬送にあて、均一な膜厚の薄膜を形成させ易くすることも可能ではあるが、幅広のメインロール5を収納できるだけの容積が薄膜形成装置1に求められるため、装置のフットプリントが増大する。また、本実施形態大きくなったメインロール5を任意の温度にするために温度調節手段51の出力を本実施形態よりも大きくする必要が生じるため、好ましくない。
また、本実施形態ではメインロール5において図4に鎖線で示すように分割された各領域の温度を計測する図示しない温度計測手段が設けられており、これら温度計測手段も配線を経由して制御部9に接続されている。これにより、制御部9は常時メインロール5の各部位の温度を把握し、メインロール5の温度分布が幅方向にわたって均一となるように温度調節手段51a乃至51eをフィードバック制御することができる。
ここで、制御部9は、メインロール5の温度分布を幅方向にわたって均一とするにとどまらず、膜厚計測手段8による計測結果により膜厚が不均一になったと判断された場合に、ガス流量に加えてメインロール5の温度分布を調節することによって膜厚が均一になるようにフィードバック制御を行うようにしても良い。
以上の薄膜形成装置により、基材に均一な膜厚の蒸着膜を形成することが可能である。
ここで、本発明の薄膜形成装置は、図示する形態に限らず本発明の範囲内において他の形態のものであってもよい。たとえば、上記の実施形態では全てのガス供給口が流量制御弁を経て原料ガスが供給されるようになっているが、たとえばガス流量が安定している幅方向中央部のガス供給口には流量制御弁を経ずに原料ガスが供給されるようになっていても良い。
また、上記の実施形態では成膜部は1つであるが、複数の成膜部を有し、基材上に薄膜を積層しても良い。たとえば、2つの成膜部において基材上にSi化合物膜とSiO2膜とを重ねて形成させることにより、密着性が良くかつバリア性が高いバリア膜を形成することができる。この場合、膜厚計測手段はそれぞれの成膜部で薄膜を形成した後に膜厚を計測できるように配置することが望ましい。
また、上記実施形態では膜厚計測手段は一つのセンサを幅方向に移動させながら膜厚を計測するものであるが、センサが幅方向に沿って複数設けられ、基材2上の薄膜の膜厚を幅方向に沿って複数箇所計測するものであっても良い。
また、上記実施形態では温度調節手段はメインロールの外周面と対向するヒータもしくはクーラーであるが、これに限らず、メインロールの内部に冷媒もしくは熱媒を循環させる手段であっても良い。
また、上記の実施形態では巻出しロールから基材を送り出し、巻取りロールで基材を巻取ることにより基材を搬送する、いわゆるロールトゥロールによって基材を搬送する形態で説明を行っているが、枚葉の基材2を搬送し、その表面に薄膜を形成する場合にも本発明を適用することができる。
1 薄膜形成装置
2 基材
3 巻出しロール
4 巻取りロール
5 メインロール
6 メインロールチャンバ
7 成膜部
8 膜厚計測手段
9 制御部
31 芯部
41 芯部
51 温度調節手段
51a 温度調節手段
51b 温度調節手段
51c 温度調節手段
51d 温度調節手段
51e 温度調節手段
61 真空ポンプ
62 間仕切り部
71 真空ポンプ
72 プラズマ電極
73 ガス供給部
74 ガス配管
75 ガス供給口
76 流量制御弁
76a 流量制御弁
76b 流量制御弁
76c 流量制御弁
76d 流量制御弁
76e 流量制御弁
100 薄膜形成装置
101 メインロールチャンバ
102 メインロール
103 基材
104 巻出しロール
105 巻取りロール
106 成膜部
107 ガス供給部
107a ガス供給口
108 電極

Claims (3)

  1. 所定の搬送方向に搬送される基材の被成膜面に蒸着膜を形成する薄膜形成装置であり、
    前記蒸着膜の原料となる原料ガスの流量を調節する流量制御弁を前記搬送方向と直交する方向である幅方向に複数有し、当該原料ガスを供給するガス供給部と、
    前記ガス供給部よりも前記搬送方向の下流側にあり、前記幅方向の前記蒸着膜の膜厚分布を計測する膜厚計測手段と、
    前記流量制御弁および前記膜厚計測手段の動作の制御を行う制御部と、
    を備え、
    薄膜形成時、前記制御部は、前記膜厚計測手段による計測結果にもとづいて複数の前記流量制御弁を個別に制御することを特徴とする、薄膜形成装置。
  2. 前記基材は帯状であり、両端がロールに巻かれ、片方の当該ロールから送り出され、もう片方の当該ロールが巻き取ることにより、基材が連続的に搬送されることを特徴とする、請求項1に記載の薄膜形成装置。
  3. 基材を挟んで前記ガス供給部と反対側にあり、基材の前記被成膜面と反対側の面と接触することにより成膜中の基材を支持するメインロールを有し、当該メインロールの温度を調節するロール温度調節手段を前記幅方向に複数有していることを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載の薄膜形成装置。
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