JP2017178790A - スルホニウム塩、電解液およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、スルホニウム塩、電解液およびリチウムイオン二次電池に関する。
室温において液体状態を取る塩はイオン液体と呼ばれ、アンモニウム塩に代表されるような窒素原子をカチオンとした構造のものが多数報告されている。しかしながら、アンモニウム塩は比較的融点、粘度が高く、室温付近で粘度の低い液体となる構造はほんの一部である。
加えて、窒素原子をカチオンとしたイオン液体は、還元安定性が低く、リチウム二次電池、電気二重層キャパシター、燃料電池あるいは色素増感型太陽電池、または蓄電用デバイス向け電解質、電解液あるいは添加剤としての応用に関し大きな障害となっている。
広範な温度範囲で液体状態であるイオン液体としては、硫黄原子をカチオンとしたスルホニウム塩が知られている。(特許文献1参照)
しかしながら、スルホニウム塩はアンモニウム塩に比べ、特に高温での耐久性で劣るという問題があった。
本発明は上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、高温耐久性に優れたスルホニウム塩、電解液およびリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るスルホニウム塩は、下記化学式(1)で示されることを特徴とする。
これによれば、スルホニウム塩の高温耐久性が向上する。
本発明に係るスルホニウム塩は、さらに前記一価のアニオンがBF4 −、ClO4 −、PF6 −、N(SO2CF3)2 −、N(SO2F)2 −、N(CN)2 −の少なくとも一種を含むことが好ましい。
これによれば、スルホニウム塩の還元分解を抑制するのに好適なアニオンであり、高温での耐久が向上する。
本発明に係る電解液は、前記スルホニウム塩を含むことが好ましい。
これによれば、スルホニウム塩の還元分解が抑制され、電池を構成した際の高温でのサイクル特性が向上する。
また、本発明に係るリチウムイオン二次電池は、正極と、負極と、前記正極と前記負極の間に位置するセパレータと、前記電解液を有することを特徴とする。
これによれば、高温でのサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が提供される。
本発明によれば、高温耐久性に優れたスルホニウム塩が提供される。
また、本発明によれば、高温でのサイクル特性に優れたリチウムイオン二次電池が提供される。
以下、図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
<スルホニウム>
本実施形態に係るスルホニウム塩は、化学式(1)で示される。
本実施形態に係るスルホニウム塩は、化学式(1)で示される。
スルホニウム塩は結合価が3であるため、アンモニウム塩やホスホニウム塩に比べて立体的に疎である。このため、特に高温では求核反応による分解が生じやすく、耐久性が悪かった。本実施形態に係るスルホニウム塩は安定な環状構造を主骨格に有することで、反応遷移状態の活性化エネルギーが高くなり、上記の還元分解反応が高温でも抑制される。
置換基Rは、アルキル基またはフルオロアルキル基であることが好ましく、直鎖のアルキル基またはフルオロアルキル基であることがより好ましい。この場合、高温耐久性が向上する。
炭素数は3〜6が好ましく、3〜4がより好ましい。この場合、置換基Rの脱離に伴う分解が抑えられ、高温耐久性が向上する。
一価のアニオンは、PF6 −、N(SO2CF3)2 −、N(SO2F)2 −であることが好ましい。この場合、高温耐久性が向上する。
上記スルホニウム塩の一般的な合成法は次の通りである。
まず、環状スルフィドとアルキルハライドとを混合し、必要に応じて加熱を行うことで3級スルホニウムハライドとする。なお、オートクレーブ等を用いて加圧下で反応させてもよい。得られたスルホニウムハライドを、水等の極性溶媒中に溶解し、ヘキサフルオロリン酸等の必要とするアニオン種を発生させる試薬と反応させてアニオン交換反応を行い、所望のスルホニウム塩を得ることができる。
<リチウムイオン二次電池>
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える積層体30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード60とを備える。
図1に示すように、本実施形態に係るリチウムイオン二次電池100は、互いに対向する板状の負極20及び板状の正極10と、負極20と正極10との間に隣接して配置される板状のセパレータ18と、を備える積層体30と、リチウムイオンを含む電解質溶液と、これらを密閉した状態で収容するケース50と、負極20に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード62と、正極10に一方の端部が電気的に接続されると共に他方の端部がケースの外部に突出されるリード60とを備える。
負極20は、負極集電体22と、負極集電体22上に形成された負極活物質層24と、を有する。また、正極10は、正極集電体12と、正極集電体12上に形成された正極活物質層14と、を有する。セパレータ18は、負極活物質層24と正極活物質層14との間に位置している。
<正極>
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極集電体)
正極集電体12は、導電性の板材であればよく、例えば、アルミニウム又はそれらの合金、ステンレス等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(正極活物質層)
正極活物質層14は、正極活物質、正極用バインダー、及び、必要に応じた量の正極用導電助剤から主に構成されるものである。
正極活物質層14は、正極活物質、正極用バインダー、及び、必要に応じた量の正極用導電助剤から主に構成されるものである。
(正極活物質)
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6 −)のドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn2O4)、及び、化学式:LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、LiNixCoyAlzO2(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物が挙げられる。
正極活物質としては、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)、又は、該リチウムイオンのカウンターアニオン(例えば、PF6 −)のドープ及び脱ドープを可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、リチウムマンガンスピネル(LiMn2O4)、及び、化学式:LiNixCoyMnzMaO2(x+y+z+a=1、0≦x≦1、0≦y≦1、0≦z≦1、0≦a≦1、MはAl、Mg、Nb、Ti、Cu、Zn、Crより選ばれる1種類以上の元素)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV2O5)、オリビン型LiMPO4(ただし、Mは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素又はVOを示す)、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)、LiNixCoyAlzO2(0.9<x+y+z<1.1)等の複合金属酸化物が挙げられる。
(正極用バインダー)
正極用バインダーは、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質層14と正極用集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等が挙げられる。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物と、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩とを複合化させたもの等が挙げられる。
正極用バインダーは、正極活物質同士を結合すると共に、正極活物質層14と正極用集電体12とを結合している。バインダーは、上述の結合が可能なものであればよく、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のフッ素樹脂や、セルロース、スチレン・ブタジエンゴム、エチレン・プロピレンゴム、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等を用いてもよい。また、バインダーとして電子伝導性の導電性高分子やイオン伝導性の導電性高分子を用いてもよい。電子伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリアニリン等が挙げられる。イオン伝導性の導電性高分子としては、例えば、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポリエーテル系高分子化合物と、LiClO4、LiBF4、LiPF6等のリチウム塩とを複合化させたもの等が挙げられる。
正極活物質層14中のバインダーの含有量は特に限定されないが、添加する場合には正極活物質の質量に対して0.5〜5質量部であることが好ましい。
(正極用導電助剤)
正極用導電助剤は、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
正極用導電助剤は、正極活物質層14の導電性を良好にするものであれば特に限定されず、公知の導電助剤を使用できる。例えば、黒鉛、カーボンブラック等の炭素系材料や、銅、ニッケル、ステンレス、鉄等の金属微粉、ITO等の導電性酸化物が挙げられる。
<負極>
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極集電体)
負極集電体22は、導電性の板材であればよく、例えば、銅等の金属薄板(金属箔)を用いることができる。
(負極活物質層)
負極活物質層24は、負極活物質、負極用バインダー、及び、必要に応じた量の負極用導電助剤から主に構成されるものである。
負極活物質層24は、負極活物質、負極用バインダー、及び、必要に応じた量の負極用導電助剤から主に構成されるものである。
(負極活物質)
負極活物質としても、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)を可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、グラファイト、ハードカーボン等の炭素系材料、酸化シリコン(SiOx)金属シリコン(Si)等の珪素系材料、チタン酸リチウム(LTO)等の金属酸化物、リチウム、スズ、亜鉛等の金属材料が挙げられる。
負極活物質としても、リチウムイオンの吸蔵及び放出、リチウムイオンの脱離及び挿入(インターカレーション)を可逆的に進行させることが可能であれば特に限定されず、公知の電極活物質を使用できる。例えば、グラファイト、ハードカーボン等の炭素系材料、酸化シリコン(SiOx)金属シリコン(Si)等の珪素系材料、チタン酸リチウム(LTO)等の金属酸化物、リチウム、スズ、亜鉛等の金属材料が挙げられる。
(負極用バインダー)
負極用バインダーとしては特に限定は無く、上記で記載した正極用バインダーと同様のものを用いることができる。
負極用バインダーとしては特に限定は無く、上記で記載した正極用バインダーと同様のものを用いることができる。
(負極用導電助剤)
負極用導電助剤としては特に限定は無く、上記で記載した正極用導電助剤と同様のものを用いることができる。
負極用導電助剤としては特に限定は無く、上記で記載した正極用導電助剤と同様のものを用いることができる。
<電解液>
本実施形態に係る電解液は、化学式(1)で示されるスルホニウム塩を含むものである。
本実施形態に係る電解液は、化学式(1)で示されるスルホニウム塩を含むものである。
上記スルホニウム塩は結合価が3であるため、アンモニウム塩やホスホニウム塩に比べて立体的に疎である。このため、特に求核反応による還元分解が生じやすく、耐久性が悪かった。本実施形態に係るスルホニウム塩は安定な環状構造を主骨格に有することで、反応遷移状態の活性化エネルギーが高くなり、上記の還元分解反応が抑制される。これにより、高温でのサイクル特性を改善することができる。
更に、分解抑制の観点から、化学式(1)における一価のアニオンがPF6 −、N(SO2CF3)2 −、N(SO2F)2 −の少なくとも一種を含むことが好ましい。
電解質は、リチウムイオン二次電池の電解質として用いられるリチウム塩であれば特に限定は無く、例えば、LiPF6、LiBF4、リチウムビスオキサレートボラート等の無機酸陰イオン塩、LiCF3SO3、(CF3SO2)2NLi、(FSO2)2NLi等の有機酸陰イオン塩等を用いることができる。
以上、本発明に係る好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[合成実施例1]
(中間化合物の合成)
Ar雰囲気下、PFA製の耐圧容器に乾燥エタノール200mL、テトラヒドロチオフェン(原料A)1.00mol、ヨードメチル(原料B)1.00molを投入して封をした後、75℃で24時間反応させた。反応後の溶液を濃縮した後、エタノール−ジエチルエーテル混合溶媒で再結晶を行い、0.925molのS−メチルテトラヒドロチオフェニウムアイオダイド(中間化合物)を得た。
(中間化合物の合成)
Ar雰囲気下、PFA製の耐圧容器に乾燥エタノール200mL、テトラヒドロチオフェン(原料A)1.00mol、ヨードメチル(原料B)1.00molを投入して封をした後、75℃で24時間反応させた。反応後の溶液を濃縮した後、エタノール−ジエチルエーテル混合溶媒で再結晶を行い、0.925molのS−メチルテトラヒドロチオフェニウムアイオダイド(中間化合物)を得た。
(スルホニウム塩の合成)
中間化合物0.500molを水300mLに溶解させ、次いでリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(原料C)0.450molを徐々に加えた。この溶液を一晩撹拌し、得られた溶液を水−ジクロロメタンで分液を行った。有機相を回収、乾燥し、0.470molのS−メチルテトラヒドロチオフェニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(スルホニウム塩)を得た。
化合物の同定は核磁気共鳴分析装置(JEOL ECA−500)で行なった。スペクトルデータを表3に示す。
中間化合物0.500molを水300mLに溶解させ、次いでリチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(原料C)0.450molを徐々に加えた。この溶液を一晩撹拌し、得られた溶液を水−ジクロロメタンで分液を行った。有機相を回収、乾燥し、0.470molのS−メチルテトラヒドロチオフェニウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(スルホニウム塩)を得た。
化合物の同定は核磁気共鳴分析装置(JEOL ECA−500)で行なった。スペクトルデータを表3に示す。
(スルホニウム塩の高温耐久性の測定)
上記スルホニウム塩を、TG−DTA測定装置(リガク Thermo plus TG 812)でAr雰囲気下、300℃まで昇温し、重量減少率((初期重量−300℃時点重量)/初期重量×100)を測定した。結果を表5に示す。
上記スルホニウム塩を、TG−DTA測定装置(リガク Thermo plus TG 812)でAr雰囲気下、300℃まで昇温し、重量減少率((初期重量−300℃時点重量)/初期重量×100)を測定した。結果を表5に示す。
[合成実施例2〜22]
(中間化合物の合成)
原料A、Bとして表1,2に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、中間化合物を得た。
(中間化合物の合成)
原料A、Bとして表1,2に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、中間化合物を得た。
合成実施例2〜22で合成したスルホニウム塩に対し、実施例1に記載されるスルホニウム塩の高温耐久性の測定を実施した結果を表5に示す。実施例1同様、化学式(1)においてn=1である実施例2〜13、および、n=2である実施例19〜21は側鎖の種類によらず良好な高温耐久性を示した。また、アニオンを変えた実施例14〜18、および、実施例22も同様に良好な高温耐久性を示した。
(スルホニウム塩の合成)
原料Cとして表3,4に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、スルホニウム塩を得た。化合物のスペクトルデータを表3,4に示す。
原料Cとして表3,4に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、スルホニウム塩を得た。化合物のスペクトルデータを表3,4に示す。
[合成比較例1,2]
(中間化合物の合成)
原料A、Bとして表2に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、中間化合物を得た。
(中間化合物の合成)
原料A、Bとして表2に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、中間化合物を得た。
(スルホニウム塩の合成)
原料Cとして表4に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、スルホニウム塩を得た。化合物のスペクトルデータを表4に示す。
原料Cとして表4に示す化合物を用いた以外は実施例1と同様にして、スルホニウム塩を得た。化合物のスペクトルデータを表4に示す。
合成比較例1,2で合成したスルホニウム塩に対し、実施例1に記載されるスルホニウム塩の高温耐久性の測定を実施した結果を表5に示す。主骨格が環状で無い比較例1は実施例1に対し、高温耐久性が悪化した。また、主骨格が環状であっても、長鎖の側鎖を有する比較例2では高温耐久性が悪化した。
[実施例1]
(電極の作製)
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NCM):カーボンブラック:PVDF=80:10:10(質量%)の比率となるように混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に均一に分散させたスラリーを、厚さ20μmのアルミ金属箔上に塗布後、NMPを蒸発させることで正極シートを得た。同様に、グラファイト:PVDF=90:10(質量%)の比率となるように混合し、NMP中に分散させたスラリーを厚さ16μmの銅箔上に塗布することで負極シートを得た。
(電極の作製)
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2(NCM):カーボンブラック:PVDF=80:10:10(質量%)の比率となるように混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)中に均一に分散させたスラリーを、厚さ20μmのアルミ金属箔上に塗布後、NMPを蒸発させることで正極シートを得た。同様に、グラファイト:PVDF=90:10(質量%)の比率となるように混合し、NMP中に分散させたスラリーを厚さ16μmの銅箔上に塗布することで負極シートを得た。
(電解液の作製)
合成実施例1で作製したスルホニウム塩に1mol/LとなるようにLiPF6を溶解させ、電解液を調整した。
合成実施例1で作製したスルホニウム塩に1mol/LとなるようにLiPF6を溶解させ、電解液を調整した。
(評価用リチウムイオン二次電池の作製)
上記で作製した正極および負極と、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、上記で調製した電解液を注入した後、真空シールし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
上記で作製した正極および負極と、それらの間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを挟んでアルミラミネートパックに入れ、このアルミラミネートパックに、上記で調製した電解液を注入した後、真空シールし、評価用のリチウムイオン二次電池を作製した。
(高温サイクル容量維持率の測定)
上記で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、電圧範囲を2.5Vから4.2Vまでとし、1C=170mAとしたときの0.05Cでの電流値で充放電を行い、初期放電容量を求めた。続いて、0.5Cの電流値で充放電を1サイクルとし、45℃で300サイクルの充放電を行い、高温サイクル容量維持率(45℃300サイクル時放電容量/初期放電容量×100)を求めた。この値が高いほど、サイクルに伴う電解液の分解が抑制されていることを意味する。得られた結果を表5に示す。
上記で作製した評価用リチウムイオン二次電池について、二次電池充放電試験装置(北斗電工株式会社製)を用い、電圧範囲を2.5Vから4.2Vまでとし、1C=170mAとしたときの0.05Cでの電流値で充放電を行い、初期放電容量を求めた。続いて、0.5Cの電流値で充放電を1サイクルとし、45℃で300サイクルの充放電を行い、高温サイクル容量維持率(45℃300サイクル時放電容量/初期放電容量×100)を求めた。この値が高いほど、サイクルに伴う電解液の分解が抑制されていることを意味する。得られた結果を表5に示す。
[実施例2〜22]
電解液の作製で用いたスルホニウム塩を、合成実施例2〜22で作製したスルホニウム塩を用いた以外は実施例1と同様として、実施例2〜22の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたスルホニウム塩を、合成実施例2〜22で作製したスルホニウム塩を用いた以外は実施例1と同様として、実施例2〜22の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
実施例2〜22の評価用リチウムイオン二次電池に対し、実施例1に記載される高温サイクル容量維持率の測定を実施した結果を表5に示す。実施例1同様、化学式(1)においてn=1である実施例2〜13、および、n=2である実施例19〜21は側鎖の種類によらず良好な高温サイクル容量維持率を示した。また、アニオンを変えた実施例14〜18、および、実施例22も同様に良好な高温サイクル容量維持率を示した。
[比較例1,2]
電解液の作製で用いたスルホニウム塩を、合成比較例1,2で作製したスルホニウム塩を用いた以外は実施例1と同様として、比較例1,2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
電解液の作製で用いたスルホニウム塩を、合成比較例1,2で作製したスルホニウム塩を用いた以外は実施例1と同様として、比較例1,2の評価用リチウムイオン二次電池を作製した。
比較例1,2の評価用リチウムイオン二次電池に対し、実施例1に記載されるサイクル容量維持率の測定を実施した結果を表5に示す。主骨格が環状で無い比較例1は実施例1に対し、サイクル容量維持率が悪化した。また、主骨格が環状であっても、長鎖の側鎖を有する比較例2ではサイクル容量維持率が悪化した。
本発明により、高温耐久性に優れたスルホニウム塩が提供される。
10…正極、12…正極集電体、14…正極活物質層、18…セパレータ、20…負極、22…負極集電体、24…負極活物質層、30…積層体、50…ケース、60,62…リード、100…リチウムイオン二次電池。
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Cited By (1)
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