JP2017178767A - 結晶製造方法及び気相成長装置 - Google Patents

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Yusuke Mori
勇介 森
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完 今出
章雄 上田
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章雄 上田
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Junichi Takino
淳一 滝野
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Abstract

【課題】析出した多結晶デポ物を除去することで、高品質なIII族窒化物単結晶を成長させることができる結晶製造方法及び気相成長装置を提供する。
【解決手段】III族酸化物ガスと反応ガスとエッチングガスとを反応室101内に上流側から導入する工程と、反応室内でIII族酸化物ガスと反応ガスとを反応させて基板102上にIII族窒化物結晶102fを成長させるとともに、反応室内の析出物110gをエッチングガスでエッチングするエッチング工程とを含む。
【選択図】図1A

Description

本開示は、高品質なIII族窒化物単結晶を成長させることができる結晶製造方法及び気相成長装置に関するものである。
窒化物半導体は、バンドギャップが大きく、青紫〜緑色LED、又はレーザーなどの光デバイス、又はパワー半導体などの電子デバイスへの応用が盛んであり、広く利用されている。中でも窒化物半導体結晶基板上へのホモエピタキシャル成長光デバイス又は電子デバイスは、素子の特性を大きく向上させることから、大きく期待されている分野である。窒化物半導体結晶の製造方法として、III族酸化物を原料とする酸化物気相成長法が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。
この酸化物気相成長法における反応系は、以下に示す通りである。
GaO+2NH→2GaN+HO+2H (I)
生成されたGaOガスとアンモニアガスとをチャンバー内に導入して反応させることで、チャンバー内に設置されている基板上にGaN結晶を形成するものである。GaOを生成させる方法としては、Gaを加熱し、水素ガスと反応させることで生成する方法、又は、Gaメタルを加熱し、水と反応させることで生成する方法などが存在する(特許文献1引用)。
図9に、従来の酸化物気相成長装置の横方向及び上面からの構成例を示す。容器1101内に基板1102を配置するためのサセプタ1103が配置されている。サセプタ1103は、加熱機構及び回転機構を有している。III族原料であるGaOと、V族原料であるアンモニアガスとは、それぞれ、ノズル1104、1105を用いて、容器1101内に導入されている。III族原料用のノズル1104とアンモニア用のノズル1105との間には、原料のノズル近傍での混合を抑制するために、分離ガスノズル1106が具備されている。III族原料用のノズル1104とアンモニア用のノズル1105とから容器1101内に導入されたGaOガスとアンモニアガスとは、サセプタ1103の近傍にて混合され、式(I)に示された反応系により、基板1102上にGaN膜が形成される。導入されたガスは、排気口1107から排気される。
特開2009−234800号公報
しかしながら、従来例において、単結晶を成長させる基板1102以外の領域、特に基板1102の上流領域において式(I)で示される反応が発生してしまい、多結晶のIII窒化物(デポ物、すなわち、堆積物)が析出してしまう。特にサセプタ1103上の多結晶領域1110においては、顕著である。図10に、多結晶領域1110と基板1102の中心部とにおけるIII族窒化物の育成時間に対する膜厚依存性を示す。基板1102の膜厚は約100ミクロンで飽和し、それ以上の膜厚成長が確認されない。その一方で、基板1102上の膜厚の飽和時間を境に、多結晶領域1110の膜厚が急上昇している。これは、上流側の多結晶デポ物が、原料を急激に取り込むためと考えられる。すなわち、多結晶デポ物の影響で、基板1102に原料が到達しづらくなり、III族窒化物単結晶の成長が滞るのである。
また、多結晶デポ物の基板1102への飛散、及び多結晶部との段差の形成による原料ガスフローの乱れも、基板1102上のIII族窒化物単結晶の成長を阻害してしまう要因となる。
そこで、本開示では、析出した多結晶デポ物を除去することで、高品質なIII族窒化物単結晶を成長させることができる結晶製造方法及び気相成長装置を提供することを目的とする。
本開示に係る結晶製造方法は、III族酸化物ガスと反応ガスとエッチングガスとを反応室内に上流側から導入する工程と、
前記反応室内で前記III族酸化物ガスと前記反応ガスとを反応させて基板上にIII族窒化物結晶を成長させるとともに、前記反応室内の析出物を前記エッチングガスでエッチングするエッチング工程と、を含む。
本開示により、エッチングガスにより析出物をエッチングしながら、III族窒化物結晶の育成を行うことが可能となり、高品質なIII族窒化物単結晶を育成できる。
本開示の実施の形態1における酸化物気相成長装置の縦断面図 本開示の実施形態における酸化物気相成長装置の上面図 本開示の実施の形態1におけるClガス濃度分布の説明図 本開示の実施の形態1における酸化物気相成長装置の上面図 本開示の実施の形態1における酸化物気相成長装置の縦断面図 本開示の実施の形態1における酸化物気相成長装置の縦断面図 本開示の実施の形態1における酸化物気相成長装置の上面図 本開示の実施の形態1におけるClガスを用いた場合の成長駆動力を示した図 本開示の実施の形態1におけるHClガスを用いた場合の成長駆動力を示した図 従来の酸化物気相成長装置の縦断面図 従来の酸化物気相成長装置の上面図 従来の酸化物気相成長装置における上流部多結晶デポ領域と基板上におけるIII族窒化物の膜厚の時間依存性を示した図
以下、図面を参照して本開示における実施の形態1を詳細に説明する。
(実施の形態1)
本開示に係る結晶製造方法は、III族酸化物ガスと反応ガスとエッチングガスとを反応室内に導入する工程と、記III族酸化物ガスと前記反応ガスとを反応させて基板上にIII族窒化物結晶を成長させるとともに、前記反応室内の析出物を前記エッチングガスでエッチングするエッチング工程と、を含む。III族酸化物ガスと反応ガスとエッチングガスとをそれぞれ導入する順番は任意でよいとともに、いずれか2つ又はすべてを同時に導入してもよい。また、III族窒化物結晶の成長とエッチングとは、同時に行ってもよいし、III族窒化物結晶の成長とエッチングとを交互に行ってもよいし、所定時間だけ同時に行うようにしてもよい。
本開示において、導入するエッチングガスの例として、III族窒化物結晶の成長への影響を抑えるためにハロゲンガスを用いる。ハロゲンガスの例としては、Clガス又はHClガスを用いるのが望ましい。これは、III族窒化物結晶への影響を抑えられるからである。また、III族窒化物の例として、GaNを成長させる例を説明する。この際、III族酸化物ガスの例としてGaOガスを用い、反応ガスの例としてNHガスを用いる。
図1A及び図1Bに本実施の形態における結晶製造方法を実施可能な気相成長装置の縦方向断面図及び上面からの構成図を示す。本気相成長装置は、基板102を配置する反応室(例えば直方体の容器101)と、III族酸化物ガスを前記反応室101内に導入する導入する第1ノズル(例えばIII族酸化物ガスノズル105)と、反応ガスを前記反応室101内に導入する第2ノズル(例えば反応ガスノズル104)と、エッチングガスを前記反応室101内に導入する第3ノズル(例えばエッチングガスノズル109)と、基板102を保持するサセプタ103と、後述の本開示のいずれか1の結晶製造方法を実施するように気相成長装置のうちのノズルバルブ105v,104v,109vの開閉動作(ガス導入流量)、サセプタ103の温度と回転速度との制御パラメータのうちの少なくとも1つのパラメータを制御する制御部10と、を備える。制御部10は、メモリ及びプロセッサが備わり、所定の結晶製造方法のプログラムがメモリに記憶される。
容器101(反応室)内の中央部には、基板102を配置するためのサセプタ103が配置されている。サセプタ103は、基板102を加熱する加熱機構103h及び基板102を中心軸周りに回転させるモータなどの回転機構103mを有している。加熱機構103hによるサセプタ103の加熱温度と、回転機構103mによるサセプタ103の回転速度は、制御部10で制御される。加熱温度の例としては、1000℃以上かつ1500℃以下である。1000℃以上で結晶性の良い基板が成長する一方で1500℃を超えると窒化物膜の分解、剥離が顕著になるためである。また、回転速度の例としては、5rpm以上かつ20rpm以下である。この範囲内の回転速度で回転させることで、成長する膜の面内均一性向上とデポ物の効率的なエッチングとを実現できる。サセプタ103と基板102とは、同じ円形である。サセプタ103の中心部に基板102が載置される。サセプタ103は、基板102に比べて十分に大きなサイズをしており、具体的には、サセプタ103の直径は、基板102の直径よりも5mm以上かつ200mm以下の範囲で大きい。この範囲内とするのは、基板102の周囲のデポ物を十分に除去するためである。なお、基板102は、GaN単結晶を成長させるための種基板である。
GaNの原料となるGaOガスは、III族酸化物ガスノズル105から容器101内に導入される。図1Aでは、容器101の一端でかつ基板102から離れた上方側に、流量バルブ105vを有するIII族酸化物ガスノズル105が配置されている。
GaNのもう1つの原料となるアンモニアガスは、流量バルブ104vを有する反応ガスノズル104から容器101内に導入される。図1Aでは、容器101の一端でかつ基板102に近い下方側に反応ガスノズル104が配置されている。
図1Aでは、容器101の一端でかつ上下方向のIII族酸化物ガスノズル105と反応ガスノズル104との間には、III族酸化物ガスノズル105近傍と反応ガスノズル104近傍とでの2つの原料の混合を抑制するための分離ガスを導入する分離ガスノズル106が、具備される。分離ガスノズル106は、流量バルブ106vを有する。分離ガスの例としては、不活性ガスが好ましく、例えばAr又はNなどが挙げられる。
更に、図1Bに示すように、容器101の両側の側壁101aに沿ってエッチングガスをそれぞれ導入するエッチングガスノズル109を容器101の一端に備える。エッチングガスノズル109は、窒素とハロゲンガスとの混合気体をエッチングガスとして容器101内に導入する。
容器101内にIII族酸化物ガスノズル105と反応ガスノズル104とからそれぞれ導入されたGaOガスとアンモニアガスとは、サセプタ103の近傍にて混合され、式(I)に示された反応系により、基板102上にGaN膜102fが成長する。この際、基板102の外周に張り出して露出したサセプタ103の上面の円環状の多結晶領域110には、デポ物として、GaN多結晶110gが堆積する。なお、各図では、多結晶領域110を明示するために斜線で示す。
エッチングガスノズル109から導入されたハロゲンガスを含むエッチングガスは、サセプタ103が配置されている方向へと拡散し、基板102の外周でかつサセプタ103上に堆積された大略円環状の多結晶領域110のGaN多結晶110gをエッチングすることで、多結晶のデポ物(GaN多結晶110g)を除去する。これにより、デポ物であるGaN多結晶110gを除去し、高品質なGaN単結晶のGaN膜102fを基板102上に成長させることができる。
容器101内に各ノズル104,105,106,109からそれぞれ導入されたガスは、容器101の他端の排気口107から排気バルブ107vを介して排気される。つまり、容器101内には、各ノズル104,105,106,109の導入口と排気口107とを結ぶガス流路が形成され、当該ガス流路中にサセプタ103及び基板102が配される。この場合、ガス流路において、各ノズル104,105,106,109の導入口が位置する側を上流側とし、排気口107が位置する側を下流側とする。各ノズル104,105,106,109のバルブ104v,105v,106v,109vのガス導入流量及び排気バルブ107vの排気流量は、制御部10でそれぞれ独立して制御される。なお、図1A及び図1B以外の本開示に関する図では、簡略化のため、バルブ104v,105v,106v,109v及び排気バルブ107vの図示を省略している。
GaN単結晶の育成条件の例としては、サセプタ103の温度を1350℃とする。
GaOガスは、例えば、H=16.9Pa・m/sec及びN=6.9Pa・m/secの混合気体を、Gaの充填されたボックスを通して生成し、生成したGaOガスを容器101内にIII族酸化物ガスノズル105から導入する。よって、Gaの充填されたボックスとは、直方体の室であり、III族酸化物ガスノズル105を介して容器101と連結される。
例えば、アンモニアガスは30.42Pa・m/secであり、分離ガスはN=11.83Pa・m/secである。ガスの全流量は例えば77.74Pa・m/secである。
ハロゲンガスは例えばClガスであり、全流量の例えば約2%である1.69Pa・m/secを容器101内に導入する。基板102は例えばGaN基板であり、GaN膜102fを構成するGaN単結晶の育成速度は例えば15ミクロン/hである。
デポ物(GaN多結晶110g)をエッチングするに際し、基板102上の単結晶への影響を抑制するのが望ましい。このため、エッチング工程を、基板102の上流側に析出した析出物(デポ物)110gを、基板102の側方又は下流側の領域に移動させて、当該領域でデポ物110gを除去する工程を含むことが望ましい。サセプタ103は、回転するため、堆積したデポ物110gも、サセプタ103の回転に伴って上流側と下流側とを行き来する。この際、エッチングガス濃度が、基板102の側方又は下流側で高濃度となるように、エッチングガスを導入することで、前記のエッチング工程をより効率よく実現できる。すなわち、エッチングガスノズル109から導入されるエッチングガスの初速を、導入される原料ガス(III族酸化物ガスおよび反応ガス)の初速の例えば1.25倍に設定することで、エッチングガス濃度を基板102の側方又は下流側で高濃度にできる。これにより、より高品質なGaN単結晶のGaN膜102fを形成できる。
ここで、一例として、図2に、GaN単結晶のGaN膜102fを育成中のエッチングガスノズル109から導入されるClガスの分布を示す。図2は、容器101内部の上面から見た断面模式図である。図2より、エッチングガスノズル109から側壁(容器101の幅方向の一端面)101a沿いに導入されてサセプタ103上を通過したClガスが、下流側に向かって容器101の幅方向の中央付近まで拡散し、特に、多結晶領域110上で高い濃度を示していることがわかる。一方、サセプタ103の中央に配置された基板102上では、Cl濃度は低い値を示しており、多結晶領域110のGaN多結晶110gのみを選択的にエッチングできる構成であることがわかる。この構造により、多結晶のデポ物110gの析出を抑制し、良好な、例えば、400ミクロン厚のGaN単結晶のGaN膜102fを得ることができる。
なお、変形例として、図3に示すように、平面的に見て、エッチングガスの流路F1と、原料ガス(GaOガス及びNHガス)の流路F2との間に仕切壁108をそれぞれ配置してもよい。各仕切壁108の下端縁は、基板102とは全く接触しない位置でかつ、サセプタ103の上面に対して隙間をあけて配置され、サセプタ103の回転を阻害しないようにしている。エッチングガスは、2本の流路F1で流れており、これらの流路F1に挟まれた領域に原料ガスの流路F2が位置する。原料ガスの流路F2を規定するように一対の仕切壁108が配される。この場合、仕切壁108で囲われた領域内であって、かつ、原料ガスの流路F2中に、基板102が配される。サセプタ103は、仕切壁108で囲われた領域をはみ出て、エッチングガスの流路F1中にも位置する。
このような構成によれば、図1A及び図1Bの構成と比べて、容器101の側壁101a間の距離を仕切壁108間の距離まで半分程度に狭めることができる。GaN膜102fの育成条件の例としては、サセプタ103の温度を1350℃とし、GaOガスとしてはGaをH=8.45Pa・m/sec及びN=8.45Pa・m/secの混合気体にて還元して形成し、アンモニアとして15.21Pa・m/sec、分離ガスとしてN=5.915Pa・m/secが容器101内にそれぞれ導入する。
エッチング領域111には、流速が育成領域112と同じになるように、Clガス=1.69Pa・m/secとN=16.9Pa・m/secとの混合ガスを供給する。デポ物の堆積した多結晶領域110は、サセプタ103の回転により、仕切壁108の下端縁の下側を通り、エッチング領域111を通過する。その際に、デポ物の堆積した多結晶領域110のGaN多結晶110gがClガスでエッチングされる。本例では、Clガス分圧が約9%と、図10の結果にて示されているよりも十分高く、多結晶デポ物を効果的にエッチングすることが可能となる。これにより、基板102上のGaN育成膜のエッチングを最小限に抑制しながら、多結晶デポ物110gをエッチングし、良好なGaN膜102fを得ることができる。
また、図4に示す他の変形例のように、エッチングガスを、容器101の上面の斜め上方より導入してもよい。図4は、容器101の横方向からの模式的な縦断面図である。この場合、エッチングガスノズル109の先端は、サセプタ103の特に上流側と対向するように配置されている。
図4の構成におけるGaN結晶の育成条件の例としては、サセプタ103の温度を1350℃とする。例えば、GaOガスとしては、GaをH=16.9Pa・m/sec及びN=16.9Pa・m/secの混合気体にて還元して生成し、30.42Pa・m/secのアンモニアガスと分離ガスとして11.83Pa・m/secのNとを容器101内に導入する。例えば、エッチングガスは、全流量(77.74Pa・m/sec)の0.1vol%のClガス46sccmと1.61226Pa・m/secのNガスとの混合ガスである。この場合、図10に示したClガス濃度0.1vol%のラインと同等のΔGa駆動力となるため、基板102上のGaN膜102fの育成速度は、通常の7割程度となった。一方で、Clガスは、デポ物である多結晶領域110に直接吹き付けられるため、GaN基板102上の育成速度を70%以上に保ちつつ、上流部の多結晶領域110のGaN多結晶110gを効果的にエッチングすることが可能となる。
また、図5に示すさらに別の変形例のように、エッチングガスを、III族酸化物ガスノズル105と反応ガスノズル104との間の分離ガスノズル106から容器101内に導入してもよい。この場合、エッチングガスノズル109は、分離ガスノズル106と容器101に供給される前の上流側で連結されており、分離ガスノズル106を通して分離ガスとエッチングガスとが混合されたガスが容器101内に導入される。
図5の構成におけるGaN膜102fの育成条件の例としては、サセプタ103の温度を1350℃である。GaOガスの例は、GaをH=16.9Pa・m/sec及びN=16.9Pa・m/secの混合気体にて還元して生成される。アンモニアガスの例は流量として30.42Pa・m/secが、分離ガスの例は流量として11.83Pa・m/secが、それぞれ容器101内に導入される。この場合、ガスの全流量は77.74Pa・m/secである。エッチングガスは、全流量の0.1vol%分である0.07774Pa・m/secのClガスを容器101内に導入する。分離ガスは全流量として11.83Pa・m/secであるので11.83Pa・m/sec−0.07774Pa・m/sec=11.75395Pa・m/secはNガスである。これにより、基板102上のGaN膜102fの育成速度を70%以上に保ちつつ、上流部の多結晶領域110のGaN多結晶110gをエッチングすることが可能となる。
また、図6に示すまた別の変形例のように、エッチングガスを、エッチングガスノズルから基板102の下流側のサセプタ103に向けて直接噴射するように構成してもよい。この場合のGaN膜102fの育成条件の例としては、サセプタ103の温度を1350℃とする。GaOガスの例としては、GaをH=16.9Pa・m/sec及びN=16.9Pa・m/secの混合気体にて還元して形成する。アンモニアガスの例としては30.42Pa・m/sec、分離ガスの例としてはN=11.83Pa・m/secが容器101内に導入される。この際、ガスの総流量に対してエッチングガスの量は約2vol%と少ないことから、上流に配置されている基板102上のGaN膜102fの育成を阻害することなく、多結晶(析出物)110gを取り除くことが可能である。
なお、Clガス=1.69Pa・m/secにて十分なClガス濃度を保ちつつ、多結晶領域110に高濃度のClガスが到達する。これにより、高いエッチング効果を得ることが可能となる。
ここで、図7にエッチングガスとしてClガスを導入した場合のGaNの駆動力についてシミュレーション結果を示す。考慮した反応系としては、
1. GaO(ガス)+2NH(ガス)=2GaN(固体)+HO(ガス)+2H(ガス)
2. Ga(ガス)+NH(ガス)=GaN(固体)+1.5H(ガス)
3. GaCl(ガス)+NH(ガス)=GaN(固体)+HCl(ガス)+H(ガス)
4. GaCl(ガス)+2HCl(ガス)=GaCl(ガス)+H(ガス)
5. H(ガス)+Cl(ガス)=2HCl(ガス)
である。全圧力は常圧にて一定とし、育成温度に対してGaNの駆動力としてGaガス種(GaO、Ga、GaCl、GaCl)の分圧差の合計値ΔGaを算出した。図7より、Clガスの混入により、ΔGaが低下しており、1200℃の温度で0.1vol%のClガス分圧を供給することにより、30%のΔGa駆動力の低下が確認された。同様に、エッチングガスとしてHClガスを導入した場合の結果を、図8に示す。HClガスにおいては、Clガスに比べるとΔGa駆動力の低下量は減少するものの、0.2vol%のHClガス分圧を供給することにより、30%のΔGa駆動力の低下が確認された。
以上の結果より、ハロゲンガスとしてClガス及びHClガスがエッチングガスとして有効に働くことが確認できた。一方で、基板上でのハロゲンガス濃度が高すぎると、育成膜自体のエッチングも加速されてしまう。このため、Clガスの濃度は、0.01vol%以上かつ0.1vol%以下であることが望ましい。このような範囲とする理由は、ΔIII族元素(ΔGa)の駆動力を確保しつつ(図7参照)デポ物を効果的に除去するためである。また、HClガスの濃度は、0.02vol%以上かつ0.2vol%以下であることが好ましい。このような範囲とする理由は、ΔIII族元素(ΔGa)の駆動力を確保しつつ(図8参照)デポ物を効果的に除去するためである。これにより、III族窒化物結晶の育成速度を70%以上に保ちつつ、デポ物を効率的にエッチングできる。
また、Clガス又はHCLガスが良いが、その他のハロゲンガスとしてHF、F、CF、CHF、BCl、又は、BClなどをエッチングガスとして適用しても良い。
なお、III族元素としては、Gaの他に、In(インジウム)、Al(アルミニウム)、B(ボロン)、又はTl(タリウム)等がある。
なお、本実施の形態において、右側を上流とし、左側を下流として説明したが、左右を反転させた装置構成でもよい。
なお、GaなどのIII族元素の酸化物は、大気中で安定な材料であるため取り扱いが容易という利点がある。一方、GaなどのIII族元素の酸化物の代わりに、Ga等のIII族元素の金属を準備し、このIII族元素の金属に酸化性ガスを供給することで、III族酸化物ガスであるGaO等を発生させてもよい。なお、酸化性ガスとしては、HOガス、Oガス、COガス、又は、COガス等の酸化剤を適用できる。
なお、III族窒化物結晶は、化学式AlxGayInzN(式中、0≦x<1、0<y≦1、0≦z<1、及びx+y+z=1)で表される物質である。サセプタ103上の析出物(デポ物)も同じ物質である。
なお、析出物のエッチング工程は、III族窒化物単結晶を成長させる工程中に、所定時間毎に実施されるように設定しても良い。このように、エッチング工程を連続的ではなく、間欠的に行う理由は、基板102上のGaNへの影響を抑えるためである。この場合、GaN等のIII族窒化物結晶を成長させる工程は、エッチング工程が実施される所定時間よりも長い時間実施される。所定時間としては、例えば、30sec〜1000secである。
更に、エッチング工程は、III族窒化物結晶を成長させる工程中に実施される。これにより、高速にIII族窒化物結晶を成長させることができる。ただし、エッチング工程と成長工程とを交互に行う場合、すなわち、両者を同時に行わない場合は、より高品質なIII族窒化物結晶を得られる。
前記実施形態及び前記変形例によれば、反応室101内でIII族酸化物ガスと反応ガスとを反応させて基板102上にIII族窒化物結晶のGaN膜102fを成長させるとともに、反応室101内の析出物である多結晶デポ物110gをエッチングガスでエッチングして、析出した多結晶デポ物110gを除去することができ、高品質なIII族窒化物単結晶のGaN膜102fを成長させることができる。この結果、多結晶デポ物の影響により、III族窒化物単結晶の成長が滞るとともに成長が阻害されるといった従来の不具合を削減することができる。
なお、前記様々な実施形態又は変形例のうちの任意の実施形態又は変形例を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。また、実施形態同士の組み合わせ又は実施例同士の組み合わせ又は実施形態と実施例との組み合わせが可能であると共に、異なる実施形態又は実施例の中の特徴同士の組み合わせも可能である。
本開示に係る結晶製造方法及び気相成長装置は、析出した多結晶デポ物を除去することで、高品質なIII族窒化物単結晶を成長させることができて、高品質なIII族窒化物基板の提供が可能となるとともに、基板上に高性能なIII族窒化物デバイスの供給を可能とする。
101 容器
101a 容器の側壁
102 基板
102f GaN膜
103 サセプタ
103h 加熱機構
103m 回転機構
105 III族酸化物ガスノズル
105v バルブ
104 反応ガスノズル
104v バルブ
106 分離ガスノズル
106v バルブ
107 排気口
107v 排気バルブ
108 仕切壁
109 エッチングガスノズル
109v バルブ
110 多結晶領域
110g GaN多結晶
111 エッチング領域
112 育成領域
F1 エッチングガスの流路
F2 原料ガスの流路

Claims (13)

  1. III族酸化物ガスと反応ガスとエッチングガスとを反応室内に上流側から導入する工程と、
    前記反応室内で前記III族酸化物ガスと前記反応ガスとを反応させて基板上にIII族窒化物結晶を成長させるとともに、前記反応室内の析出物を前記エッチングガスでエッチングするエッチング工程と、を含む、結晶製造方法。
  2. 前記エッチング工程は、前記基板の上流側に析出した前記析出物を前記基板の側方又は下流側の領域に移動させて、当該領域で前記析出物を除去する工程を含む、請求項1に記載の結晶製造方法。
  3. 前記析出物は、前記基板を保持しかつ前記基板の周囲に張り出したサセプタの上面に付着しており、
    当該サセプタの回転により前記析出物を前記基板の側方又は下流側の領域に移動させることで、前記エッチング工程が実施される、請求項2に記載の結晶製造方法。
  4. 前記エッチング工程は、所定時間毎に実施され、
    前記III族窒化物結晶を成長させる工程は、前記所定時間よりも長い時間実施される、請求項2又は3に記載の結晶製造方法。
  5. 前記エッチング工程は、前記III族窒化物結晶を成長させる工程中に実施される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の結晶製造方法。
  6. 前記析出物は、化学式AlxGayInzN(式中、0≦x<1、0<y≦1、0≦z<1、及びx+y+z=1)で表される物質である、請求項1〜5のいずれか1つに記載の結晶製造方法。
  7. 前記エッチングガスは、ハロゲンガスである請求項6に記載の結晶製造方法。
  8. 前記エッチングガスは、Clガスである請求項7に記載の結晶製造方法。
  9. 前記Clガスの濃度は、0.01vol%以上かつ0.1vol%以下である、請求項8の結晶製造方法。
  10. 前記エッチングガスは、HClガスである請求項7の結晶製造方法。
  11. 前記HClガスの濃度は、0.02vol%以上かつ0.2vol%以下である、請求項10の結晶製造方法。
  12. 前記エッチングガスは、前記III族酸化物ガスを導入するノズルと前記反応ガスを導入するノズルとの間の位置に配置されたノズルから前記反応室内に導入される、請求項1の結晶製造方法。
  13. 基板を内部に配置する反応室と、
    III族酸化物ガスを前記反応室内に上流側から導入する導入する第1ノズルと、
    反応ガスを前記反応室内に上流側から導入する第2ノズルと、
    エッチングガスを前記反応室内に上流側から導入する第3ノズルと、
    前記基板を保持するサセプタと、
    前記反応室内で前記III族酸化物ガスと前記反応ガスとを反応させて前記基板上にIII族窒化物結晶を成長させるとともに、前記反応室内の析出物を前記エッチングガスでエッチングするように前記第1ノズルと前記第2ノズルと前記第3ノズルとからのガスの流量を制御する制御部と、を備える、気相成長装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021118262A (ja) * 2020-01-27 2021-08-10 株式会社東芝 半導体装置、半導体装置の製造方法、半導体装置の製造装置

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