JP2017177879A - 自動車のルーフユニット、およびルーフユニットを備えた自動車の製造方法 - Google Patents

自動車のルーフユニット、およびルーフユニットを備えた自動車の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】焼付塗装工程後のルーフパネルに残留変形が生じることを抑止した自動車のルーフユニット、および当該ルーフユニットを備えた自動車の製造方法を提供する。【解決手段】ルーフ構造体10は、アルミニウム製のルーフパネル30およびルーフリインフォース40と、金属製の弾性支持部50と、を備える。ルーフパネル30およびルーフリインフォース40は、鋼製のルーフサイドレールに接合される。弾性支持部50は、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間に介在し、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間隔の増減に応じて弾性変形可能とされる。焼付塗装工程時のルーフパネル30およびルーフリインフォース40の熱膨張および熱収縮に応じて、弾性支持部50が変形する。【選択図】図2A

Description

本発明は、自動車のルーフユニット、およびルーフユニットを備えた自動車の製造方法に関する。
従来、自動車のルーフ構造(ルーフユニット)として、ループパネルを備えたものが知られている。特許文献1に記載された技術では、自動車の軽量化のために、ルーフパネルがアルミニウムによって構成されている。一方、自動車の車体構造の主たる部分(特に、ルーフサイドレール)には鋼材が使われている。
特許文献1に記載された技術において、ルーフサイドレールにルーフパネルを接合する際、異材接合が必要になる。更に、焼付塗装工程時に鋼材とアルミニウム材(ここで、アルミニウム材とは、純アルミニウム材とアルミニウム合金材を含めた総称である)の線膨張係数の差に起因して、両者の接合箇所およびその近傍に熱変形が生じる。この熱変形は、焼付塗装工程後も残留し、ルーフパネルの形状精度に悪影響を与えることがある。
このようなルーフパネルの変形を抑止するために、ルーフパネルを支持するルーフリインフォースもアルミニウム化した上で、このルーフリインフォースの車体幅方向(長手方向)に、上述した熱膨張差を吸収する屈曲部を設けた技術が知られている(例えば、特許文献2参照)。また、ルーフリインフォースもアルミニウム化した上で、さらにこのルーフリインフォースに開口を設けた技術が知られている(例えば、特許文献3参照)。
特開2005−21959号公報 特許第5094623号公報 特開2009−143407号公報
上記のようなルーフリインフォースは、一般的に熱硬化型接着樹脂としてのマスチック接着樹脂(以下、単に「マスチック樹脂」とも言う)によって、ルーフパネルに接合される。このようなマスチック樹脂は、焼付塗装工程において接着されたルーフパネルに残留変形を生じさせ、ルーフパネルの形状精度に悪影響を与えることがある。さらに、特許文献2および3に記載された技術のように、ルーフリインフォースをアルミニウム化した場合、ルーフサイドレールとルーフパネルとの間の熱膨張差による上記の問題の多少の改善は認められるものの、マスチック樹脂によってルーフパネルに残留変形が残るという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、焼付塗装工程後のルーフパネルに残留変形が生じることを抑止した自動車のルーフユニット、および当該ルーフユニットを備えた自動車の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る自動車のルーフユニットは、自動車の車室内を囲むボディーのうち車体幅方向に間隔をおいて配置され車体前後方向に延びる一対の鋼製のルーフサイドレールに接合される、自動車のルーフユニットであって、前記一対のルーフサイドレールに接合されるアルミニウム製のルーフパネルと、前記車体幅方向に延びるように配置され、前記ルーフパネルを下方から支持し、両端側において前記一対のルーフサイドレールおよび前記ルーフパネルに接合されるアルミニウム製のルーフリインフォースと、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に介在し、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて弾性変形可能な金属製の弾性支持部と、を有することを特徴とする。
本構成によれば、金属製の弾性支持部は、ルーフパネルとルーフリインフォースとの間に介在され、ルーフパネルとルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて弾性変形可能とされる。このため、鋼製のルーフサイドレールとアルミニウム製のルーフパネルおよびルーフリインフォースとの間で焼付塗装中の熱膨張量が異なる場合であっても、ルーフパネルとルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて、弾性支持部が弾性変形する。このため、ルーフパネルとルーフリインフォースとがマスチック樹脂のみによって接着される場合と比較して、焼付塗装工程後のルーフパネルに残留変形が生じることが抑止される。
上記の構成において、前記車体幅方向と交差し前記車体前後方向に沿った断面で見た場合、前記ルーフリインフォースは、前記ルーフパネルに対向して配置される一対のフランジと、前記一対のフランジを接続し前記ルーフパネルに対して下方に間隔をおいて配置された凹部と、を備え、前記弾性支持部は、前記一対のフランジと前記ルーフパネルとの間にそれぞれ配置されることが望ましい。
本構成によれば、ルーフリインフォースのフランジとルーフパネルとの対向部分を利用して、弾性支持部を配置することができる。
上記の構成において、前記弾性支持部は、前記ルーフリインフォースの一部からなることが望ましい。
本構成によれば、ルーフリインフォースの一部を利用して、弾性支持部を形成することができる。また、弾性支持部とルーフリインフォースとの接着部が削減されるため、弾性支持部がルーフリインフォースの変位に応じて安定して弾性変形することができる。
上記の構成において、前記ルーフリインフォースの前記車体前後方向の端部を曲げた態様の曲げ部からなることが望ましい。
本構成によれば、ルーフリインフォースに曲げ部が配置されることで、弾性変形可能な弾性支持部を容易に形成することができる。
上記の構成において、前記弾性支持部は、前記ルーフリインフォースと別体とされていることが望ましい。
本構成によれば、弾性支持部がルーフリインフォースの一部からなる場合と比較して、ルーフリインフォースとは異なる材料で弾性支持部を形成することができる。このため、ルーフパネルとルーフリインフォースとの間隔の部分的な増減に応じて、好ましいばね係数を備えた弾性支持部が配置可能とされる。
上記の構成において、前記一対のフランジ間で前記凹部の上方を覆うように前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に配置され、前記ルーフリインフォースに接合される補強材を更に有し、前記弾性支持部は、前記補強材と一体とされていることが望ましい。
本構成によれば、補強材が凹部の上方を閉じることで閉空間が形成され、ルーフリインフォースの曲げ強度を向上させることができ、側面衝突時の車体の変形の抑制に有効である。また、補強材の一部を利用して、弾性支持部を形成することができる。
上記の構成において、前記弾性支持部は、前記補強材の前記車体前後方向の端部を曲げた態様の曲げ部からなることが望ましい。
本構成によれば、補強材に曲げ部が配置されることで、弾性変形可能な弾性支持部を容易に形成することができる。
上記の構成において、前記弾性支持部は、前記車体幅方向に間隔をおいて複数配置されていることが望ましい。
本構成によれば、車体幅方向に沿ってルーフパネルとルーフリインフォースとの間隔の増減が部分的に異なる場合でも、複数の弾性支持部の弾性変形によって焼付塗装工程後のルーフパネルに残留変形が生じることが抑止される。
上記の構成において、前記弾性支持部と前記ルーフパネルとは、接着樹脂によって接合されていることが望ましい。
本発明の他の局面に係る自動車の製造方法は、車体幅方向に間隔をおいて配置され車体前後方向に延びる一対の鋼製のルーフサイドレールを含み、車室内を囲むボディーと、前記一対のルーフサイドレールに接合されるルーフユニットと、を有する自動車の製造方法であって、前記ルーフユニットとして、前記一対のルーフサイドレール間に配置されるアルミニウム製のルーフパネルと、前記車体幅方向に延びるように前記ルーフパネルの下方に配置されるアルミニウム製のルーフリインフォースと、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に介在し、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて弾性変形可能な金属製の弾性支持部と、を準備する準備工程と、前記ルーフリインフォースの前記車体幅方向の両端側において、前記ルーフリインフォース、前記一対のルーフサイドレールおよび前記ルーフパネルを接合する接合工程と、前記ボディーおよび前記ルーフユニットに焼付塗装を行う塗装工程と、を有することを特徴とする。
本構成によれば、鋼製のルーフサイドレールとアルミニウム製のルーフパネルおよびルーフリインフォースとの間で焼付塗装工程中の熱膨張量が異なる場合であっても、ルーフパネルとルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて、弾性支持部が弾性変形する。このため、ルーフパネルとルーフリインフォースとがマスチック樹脂のみによって接着される場合と比較して、焼付塗装工程後のルーフパネルに残留変形が生じることが抑止される。
上記の構成において、前記ルーフリインフォースの前記車体幅方向に沿って延びる端部に予め曲げ加工を施すことで、前記弾性支持部を形成する弾性支持部形成工程を更に有することが望ましい。
本構成によれば、ルーフリインフォースに曲げ加工が施されることで、弾性変形可能な弾性支持部を容易に形成することができる。
上記の構成において、前記準備工程において、前記ルーフユニットとして、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に配置され、前記ルーフリインフォースに接合される補強材を更に準備し、前記補強材の前記車体幅方向に沿って延びる端部に予め曲げ加工を施すことで、前記弾性支持部を形成する弾性支持部形成工程を更に有することが望ましい。
本構成によれば、補強材に曲げ加工が施されることで、弾性変形可能な弾性支持部を容易に形成することができる。
本発明によれば、焼付塗装工程後のルーフパネルに残留変形が生じることを抑止した自動車のルーフユニット、および当該ルーフユニットを備えた自動車の製造方法が提供される。
本発明の第1実施形態に係る自動車のルーフユニット周辺の斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るルーフリインフォースの斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るルーフパネルおよびルーフリインフォースの断面図である。 本発明の第1実施形態に係る弾性支持部の配置を示した上面図である。 本発明の第1実施形態に係るルーフユニットを備えた自動車において、焼付塗装工程中のルーフパネルおよびルーフリインフォースの様子を示した断面図(A)、(B)、(C)である。 本発明の第2実施形態に係るルーフリインフォースおよび補強材の斜視図である。 本発明の第2実施形態に係るルーフリインフォースおよび補強材の一部を拡大した上面図である。 本発明の第2実施形態に係るルーフパネル、ルーフリインフォースおよび補強材の断面図である。 本発明の第2実施形態に係る補強材の配置を示した上面図である。 本発明の第2実施形態に係るルーフユニットを備えた自動車において、焼付塗装工程中のルーフパネルおよびルーフリインフォースの様子を示した断面図(A)、(B)、(C)である。 本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォースの斜視図である。 本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォースの斜視図である。 本発明の変形実施形態に係るルーフパネルおよびルーフリインフォースの断面図である。 本発明の変形実施形態に係る弾性支持部の配置を示した上面図である。 本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォースの斜視図である。 本発明の変形実施形態に係るルーフパネルおよびルーフリインフォースの断面図である。 本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォースの斜視図である。 本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォースおよび補強材の一部を拡大した上面図である。 本発明の変形実施形態に係る補強材の配置を示した上面図である。 従来のルーフリインフォースの斜視図である。 従来のルーフパネルおよびルーフリインフォースの断面図である。 マスチック樹脂のばね特性を説明するためのモデル図である。 マスチック樹脂の厚さとばね定数との関係を示すグラフである。 従来のルーフユニットを備えた自動車において、焼付塗装工程中のルーフパネルおよびルーフリインフォースの様子を示した断面図(A)、(B)、(C)である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るルーフ構造体10を備えた自動車1の斜視図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本発明に係るルーフ構造体10の構造を説明するために便宜上示すものであり、ルーフ構造体10を備えた自動車1の使用態様などを限定するものではない。
自動車1は、ルーフ構造体10(ルーフユニット)と、ルーフサイドレール20と、を備える。ルーフサイドレール20は、自動車1の車室内を囲むボディーの一部である。ルーフサイドレール20は鋼製であり、前後方向に延びるとともに、車体幅方向(左右方向)に間隔をおいて一対配置されている。ルーフ構造体10は、一対のルーフサイドレール20に接合されるユニットである。ルーフ構造体10は、ルーフパネル30と、ルーフリインフォース40と、を備える。
ルーフパネル30は、一対のルーフサイドレール20に接合される板状の部材である。本実施形態では、ルーフパネル30は、アルミニウム製からなる。なお、ここでいうアルミニウム製とは、純アルミニウム製およびアルミニウム合金製を含む。
ルーフリインフォース40は、車体幅方向(左右方向)に延びるように配置され、ルーフパネル30を下方から支持し、ルーフパネル30を補強するルーフパネル補強材として機能する。ルーフリインフォース40は、その両端側において一対のルーフサイドレール20及び/又はルーフパネル30にスポット溶接等の溶融接合やリベット等の機械的接合で取り付けられる(図3(A)の接合部G1参照)。本実施形態では、ルーフリインフォース40は、前後方向に間隔をおいて複数(図1では2つ)配置されている。
図2Aは、本実施形態に係るルーフリインフォース40の斜視図である。図2Bは、本実施形態に係るルーフパネル30およびルーフリインフォース40の断面図である。図2Cは、本実施形態に係る後記の弾性支持部50の配置を示した上面図である。なお、図2Cでは、ルーフリインフォース40が3つ配置されている。また、図2Cでは、前後方向に延びるルーフパネル30の中心線CLを境に、ルーフパネル30の右側部分が示されている。
図2Aの通り、ルーフリインフォース40は、ルーフパネル30側に向かって凸になるように左右方向に沿って湾曲している。また、図2Bの通り、左右方向(車体幅方向)と交差し前後方向(車体前後方向)に沿った断面で見た場合、ルーフリインフォース40は、略U字形状を備えている。詳しくは、ルーフリインフォース40は、凹部41と、一対のフランジ42と、ルーフリインフォース接合部43(図2A)と、を備えている。一対のフランジ42は、ルーフリインフォース40の前後方向の両端部に配置され、左右方向に沿って長く延びている。また、凹部41は、一対のフランジ42を接続し、ルーフパネル30に対して下方に間隔をおいて配置されている。凹部41は、フランジ42に接続され、上下方向に延びる一対の壁部と、一対の壁部を接続する底部からなる。ルーフリインフォース接合部43は、一対のフランジ42の左右方向の両端部にそれぞれ配置されている。ルーフリインフォース接合部43は、後記のとおり、ルーフサイドレール20及び/又はルーフパネル30に一体的に接合される。
更に、ルーフ構造体10は、弾性支持部50を備える。弾性支持部50は、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間に介在し、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との上下方向における間隔の増減に応じて弾性変形可能とされる。なお、本実施形態では、弾性支持部50は、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間で圧縮変形されている。ただし、本発明は、このように弾性支持部50が圧縮変形された態様に限定されるものではない。図2A、図2Bに示すように、弾性支持部50は、一対のフランジ42とルーフパネル30との間にそれぞれ配置されている。また、図2A、図2Cに示すように、本実施形態では、弾性支持部50は、左右方向に間隔をおいて複数配置されており、前側のフランジ42に備えられた弾性支持部50と、後側のフランジ42に備えられた弾性支持部50とは、互い違いとなるように配置されている。
また、弾性支持部50は、ルーフリインフォース40の一部からなり、詳しくは、ルーフリインフォース40の前後方向の端部を曲げた態様の曲げ部からなる。より詳しくは、弾性支持部50は、ルーフリインフォース40の製造段階で、フランジ42から前後に突設された突片が、前後方向の内側に向かってそれぞれU字状に曲げ加工されることで形成される。そして、図2Bに示すように、ルーフパネル30と弾性支持部50とは、接着樹脂60によって接着される。一例として、接着樹脂60は、接着テープの態様からなる。この結果、ルーフパネル30とフランジ42との間の間隔が変化すると、弾性支持部50が弾性変形可能とされる。なお、図2Bの断面図は、図2Aのルーフリインフォース40を、左右方向の所定の箇所で切断して示している。このため、図2Bでは、前方の弾性支持部50および接着樹脂60を実線で示し、後方の弾性支持部50および接着樹脂60を破線で示している。以下の図面においても、同様の理由から、必要に応じて一部の部材を破線で示している。
図9Aは、従来のルーフリインフォース40Zの斜視図である。図9Bは、従来のルーフパネル30Zおよびルーフリインフォース40Zの断面図である。図10は、マスチック樹脂のばね特性を説明するためのモデル図である。図11は、マスチック樹脂の厚さδとばね定数kとの関係を示すグラフである。図12(A)乃至図12(C)は、従来のルーフユニットを備えた自動車において、焼付塗装工程中のルーフパネル30Zおよびルーフリインフォース40Zの様子を示した断面図である。このような従来のルーフユニットを備えた自動車は、鋼製のルーフサイドレール20Zと、アルミニウム製のルーフパネル30Zと、アルミニウム製のルーフリインフォース40Zとを備える。
図12(A)の通り、ルーフパネル30Zは、ルーフパネル接合部31Zを備える。また、ルーフサイドレール20Zは、ルーフサイドレールアウター21Zと、ルーフサイドレールインナー22Zとが組み合わされることで構成される。また、ルーフサイドレール20Zは、ルーフサイドレール接合部23Zを備える。
図9A、図9Bの通り、ルーフリインフォース40Zは、凹部41Zと、フランジ42Zと、ルーフリインフォース接合部43Zと、を備える。図12(A)に示すように、ルーフリインフォース40Zの長手方向(左右方向)の両端部において、ルーフパネル接合部31Zおよびルーフリインフォース接合部43Zが、接合部G1においてスポット溶接等の溶融接合やリベット等の機械的接合で取り付けられる。また、ルーフサイドレールアウター21Zおよびルーフサイドレールインナー22Zは、ルーフサイドレール接合部23Zに配置された接合部G2において、スポット溶接等の溶融接合やリベット等の機械的接合で取り付けられる。
一方、ルーフリインフォース40Zのフランジ42Zとルーフパネル30Zとは、公知のマスチック樹脂61によって接着される(図9B、図12(A))。一例として、マスチック樹脂61は、略円柱状に配置される。マスチック樹脂61は、自動車の焼付塗装時の熱を利用して硬化する。このようなマスチック樹脂61の荷重特性は、50%モジュラスσ50(MPa)(50%引張りひずみでの応力)で与えられる。図10より、フランジ42Zとルーフパネル30Zとの間に配置されるマスチック樹脂61の厚さδ(mm)、円柱状のマスチック樹脂61の直径d(mm)、断面積A(mm)、とした場合、厚さδに応じたマスチック樹脂61の等価ばね係数k(N/mm)は、式1で定義される。
Figure 2017177879
ここで、50%モジュラスσ50=1.0(MPa)、マスチック樹脂61の直径d=20(mm)とした場合のマスチック樹脂61の厚さδと、ばね定数kとの関係が図11に示される。図11の通り、マスチック樹脂61の厚さδが小さくなると、マスチック樹脂61のばね係数kが急激に大きくなり、マスチック樹脂61が硬くなることがわかる。
図12(A)は、前述の従来の自動車においてルーフサイドレール20Z、ルーフパネル30Zおよびルーフリインフォース40Zの焼付塗装前の状態であり、図12(B)は、同焼付塗装中の状態であり、図12(C)は、同焼付塗装を終えた冷却後の状態を示している。図12(B)および図12(C)では、図12(A)における各部材の位置がそれぞれ破線で示されている。焼付塗装時には、約180度から200度の高温状態が20分ほど継続される。なお、加熱温度は、これらの範囲に限定されるものではなく、例えば、150度から200度の範囲に設定されてもよい。
図12(A)から図12(B)への変化より、鋼製のルーフサイドレール20Zの熱膨張量と比較して、アルミニウム製のルーフパネル30Zおよびルーフリインフォース40Zの熱膨張量は、およそ2倍となる。これらの部材は、接合部G1において互いに接合されているため、ルーフパネル30Zおよびルーフリインフォース40Zの車体幅方向への膨張が、接合部G1、G2においてルーフサイドレール20Zによって規制される。このため、アルミニウム製のルーフパネル30Zでは、車体前後方向および車体幅方向の熱膨張分の釣り合いから、ルーフサイドレール20Zに近い側が車体上方向に大きく持ち上がり、車体中央部分(CL側)は平坦な変形モードとなっている。一方、車幅方向に長く延びるルーフリインフォース40Zでは、車体中央部分が最も高くなるように車体上方向に変形している。この結果、図12(B)に示すように、焼付塗装工程の熱膨張時には、車体中央部分におけるルーフパネル30Zとルーフリインフォース40Zのフランジ42Zとの間の隙間が、熱膨張前と比較して著しく狭くなる。また、場合によっては、ルーフパネル30Zとルーフリインフォース40Zとが接触することもある。この結果、両者の間に介在するマスチック樹脂61の厚さδも小さくなるため、車体中央部分のマスチック樹脂61は極めて硬いばね特性kを備えることとなる。
このように硬く変化したマスチック樹脂61は、焼付塗装工程後の冷却によっても、その特性が戻りにくい。この結果、図12(C)に示すように、ルーフパネル30Zの車体中央部分において、マスチック樹脂61による残留変形部X(熱ひずみ)が生じ、ルーフパネル30Zが部分的に窪んでしまう。
本実施形態では、このように問題を解決するために、ルーフ構造体10が前述の弾性支持部50を備えている。図3(A)乃至図3(C)は、本実施形態に係るルーフ構造体10を備えた自動車1において、焼付塗装工程中のルーフパネル30およびルーフリインフォース40の様子を示した断面図である。前述のルーフパネル30は、ルーフパネル接合部31を備える。また、ルーフサイドレール20は、ルーフサイドレールアウター21と、ルーフサイドレールインナー22とが組み合わされることで構成されている。また、ルーフサイドレール20は、ルーフサイドレール接合部23を備える。そして、図3(A)に示すように、ルーフリインフォース40の長手方向(左右方向)の両端部において、ルーフパネル接合部31およびルーフリインフォース接合部43が、接合部G1においてスポット溶接等の溶融接合やリベット等の機械的接合で取り付けられる。また、ルーフサイドレールアウター21およびルーフサイドレールインナー22は、ルーフサイドレール接合部23に配置された接合部G2において、スポット溶接等の溶融接合やリベット等の機械的接合で取り付けられる。なお、ルーフパネル30(図1)のうち、前後方向においてルーフリインフォース40が配置されていない領域では、ルーフパネル接合部31(図3(A))がルーフサイドレール接合部23に対して同様に接合されている。
図3(A)は、本実施形態に係るルーフサイドレール20、ルーフパネル30およびルーフリインフォース40の焼付塗装前の状態であり、図3(B)は、同焼付塗装中の状態であり、図3(C)は、同焼付塗装を終えた冷却後の状態を示している。図3(B)および図3(C)では、図3(A)における各部材の位置がそれぞれ破線で示されている。図3(B)では、図12(B)で示される場合と同様に、アルミニウム製のルーフパネル30では、車体前後方向および車体幅方向の熱膨張分の釣り合いから、ルーフサイドレール20に近い側が車体上方向に大きく持ち上がり、車体中央部分(CL側)は平坦な変形モードとなっている。一方、車幅方向に長く延びるルーフリインフォース40では、車体中央部分が最も高くなるように車体上方向に変形している。この結果、車体中央部分におけるルーフパネル30とルーフリインフォース40のフランジ42との間の隙間が、熱膨張前と比較して著しく狭くなる。しかしながら、本実施形態では、弾性支持部50が、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との上下方向における間隔の増減に応じて弾性変形可能とされる。また、弾性支持部50は、金属製(本実施形態では、アルミニウム製)のため、焼付塗装工程中の熱によって弾性支持部50のばね特性が著しく大きくなることがない。このため、図3(B)の状態では、車幅方向外側の弾性支持部50よりも車体中央部分の弾性支持部50の方が、圧縮変形した状態となっている。そして、図3(C)に示される冷却状態では、ルーフパネル30およびルーフリインフォース40の熱収縮に追従するように、それぞれの弾性支持部50が復元する。この結果、図12(C)に示されるような残留変形部Xがルーフパネル30に形成されることが抑止される。
また、本実施形態では、ルーフリインフォース40のフランジ42とルーフパネル30との対向部分を利用して、弾性支持部50を配置することができる(図2B)。更に、弾性支持部50は、車体幅方向に間隔をおいて複数配置されている(図2A、図2C)。このため、車体幅方向に沿ってルーフパネル30とルーフリインフォース40との間隔の増減が部分的に異なる場合でも、複数の弾性支持部50の弾性変形によって焼付塗装工程後のルーフパネル30に残留変形が生じることが抑止される。
また、本実施形態では、ルーフリインフォース40の一部を利用して、弾性支持部50を形成することができる(図2B)。このため、弾性支持部50とルーフリインフォース40のフランジ42との接着部が削減され、接着部の影響を受けることなく、弾性支持部50がルーフリインフォース40の変位に応じて安定して変形することができる。また、ルーフリインフォース40のフランジ42に曲げ部(図2B)が配置されることで、弾性変形可能な弾性支持部50を容易に形成することができる。
更に、本実施形態では、弾性支持部50とルーフパネル30とは、接着樹脂60によって接合されている。接着樹脂60は、マスチック樹脂のみからなる接着剤とは異なる特性を備え、マスチック樹脂と比較して圧縮変形による著しい硬化特性を生じることがない。このため、ルーフパネル30とルーフリインフォース40とがマスチック樹脂のみによって接着される場合と比較して、接着樹脂部分(接着樹脂60)が弾性変形する必要がなく、マスチック樹脂に求められていた接着機能と弾性変形機能とを分離することができる。また、弾性支持部50がルーフパネル30に加わった衝撃の一部を吸収することができる。
なお、本実施形態に係るルーフ構造体10を備えた自動車1の製造方法では、ルーフ構造体10を準備する準備工程と、所定の接合工程および塗装工程が設けられる。準備工程では、ルーフ構造体10として、一対のルーフサイドレール20間に配置されるアルミニウム製のルーフパネル30と、車体幅方向に延びるようにルーフパネル30の下方に配置されるアルミニウム製のルーフリインフォース40と、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間に介在し、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間隔の増減に応じて弾性変形可能な金属製の弾性支持部50と、が準備される。また、接合工程では、ルーフリインフォース40の車体幅方向の両端側において、ルーフリインフォース40、一対のルーフサイドレール20およびルーフパネル30が接合される。そして、塗装工程では、ルーフサイドレール20を含む自動車1のボディーおよびルーフ構造体10に焼付塗装が施される。この際、鋼製のルーフサイドレール20とアルミニウム製のルーフパネル30およびルーフリインフォース40との間で焼付塗装工程中の熱膨張量が異なる場合であっても、ルーフパネル30とルーフリインフォース40との間隔の増減に応じて、弾性支持部50が弾性変形する。このため、ルーフパネル30とルーフリインフォース40とがマスチック樹脂のみによって接着される場合と比較して、焼付塗装工程後のルーフパネル30に残留変形が生じることが抑止される。また、上記の自動車1の製造方法では、ルーフリインフォース40の車体前後方向の端部に予め曲げ加工を施すことで、弾性支持部50を形成する弾性支持部形成工程が更に設けられることが望ましい。
次に、本発明の第2実施形態に係るルーフ構造体10A(図4C)について説明する。図4Aは、本実施形態に係るルーフリインフォース40Aおよび補強板45(補強材)の斜視図である。図4Bは、本実施形態に係るルーフリインフォース40Aおよび補強板45の一部を拡大した上面図である。図4Cは、本実施形態に係るルーフパネル30、ルーフリインフォース40Aおよび補強板45の断面図である。また、図4Dは、本実施形態に係る補強板45の配置を示した上面図である。更に、図5(A)乃至図5(C)は、本実施形態に係るルーフ構造体10Aを備えた自動車において、焼付塗装工程中のルーフパネル30およびルーフリインフォース40Aの様子を示した断面図である。なお、本実施形態では、先の第1実施形態と比較して、ルーフ構造体10Aが補強板45を備える点で相違する。このため、以下では当該相違点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。また、図4A乃至図5(C)では、先の第1実施形態に係る部材と同様の機能を備える部材については、第1実施形態に係る部材の符号の末尾にAを付して示している。
図4A乃至図5(C)の通り、ルーフ構造体10Aは、前述のルーフパネル30と、ルーフリインフォース40Aと、補強板45と、を備える。ルーフリインフォース40Aは、凹部41Aと、フランジ42Aと、ルーフリインフォース接合部43Aと、を備える(図4A、図4C)。
補強板45は、上面視で正方形形状(矩形形状)を備えたアルミニウム製の板材である。なお、他の実施形態において、補強板45は他の金属材料からなるものでもよい。図4A、図4Dに示すように、補強板45は、左右方向に間隔をおいて複数配置されている。また、図4Cに示すように、補強板45は、一対のフランジ42A間で凹部41Aの上方を覆うように、ルーフパネル30とルーフリインフォース40Aとの間に配置される。そして、本実施形態では、補強板45は、図4Bの4か所の接着部Pにおいて、ルーフリインフォース40Aに接合される。
また、本実施形態では、補強板45が弾性支持部50Aを備える。すなわち、本実施形態では、弾性支持部50Aがルーフリインフォース40Aとは別体とされ、補強板45と一体とされている。特に、弾性支持部50Aは、補強板45のうち左右方向において隣接する2箇所の接着部Pの間に配置され、補強板45の車体前後方向の端部を曲げた態様の曲げ部からなる。この際、補強板45の製造段階において、補強板45の端縁から前後に突設された突片がそれぞれU字状に曲げ加工されることで、弾性支持部50Aが形成される。そして、図4Cに示すように、ルーフパネル30と弾性支持部50Aとは、接着樹脂60によって接着される。ここでも、一例として、接着樹脂60は接着テープの態様からなる。この結果、ルーフパネル30とフランジ42Aとの間の間隔が増減すると、弾性支持部50Aが弾性変形可能とされる。
図5(A)は、本実施形態に係るルーフサイドレール20、ルーフパネル30およびルーフリインフォース40Aの焼付塗装前の状態であり、図5(B)は、同焼付塗装中の状態であり、図5(C)は、同焼付塗装を終えた冷却後の状態を示している。図5(B)および図5(C)では、図5(A)における各部材の位置がそれぞれ破線で示されている。図5(B)では、図3(B)で示される場合と同様に、アルミニウム製のルーフパネル30では、ルーフサイドレール20に近い側が車体上方向に大きく持ち上がり、車体中央部分(CL側)は平坦な変形モードとなっている。一方、車幅方向に長く延びるルーフリインフォース40Aでは、車体中央部分が最も高くなるように車体上方向に変形している。この結果、車体中央部分におけるルーフパネル30とルーフリインフォース40Aのフランジ42Aとの間の隙間が、熱膨張前と比較して著しく狭くなる。しかしながら、本実施形態においても、補強板45に設けられた弾性支持部50Aが、ルーフパネル30とルーフリインフォース40Aとの上下方向における間隔の増減に応じて弾性変形可能とされる。このため、図5(B)の状態では、車幅方向外側の弾性支持部50Aよりも車体中央部分の弾性支持部50Aの方が、圧縮変形した状態となっている。そして、図5(C)に示される冷却状態では、ルーフパネル30およびルーフリインフォース40Aの熱収縮に追従するように、それぞれの弾性支持部50Aが復元する。この結果、図12(C)に示されるような残留変形部Xがルーフパネル30に形成されることが抑止される。
また、本実施形態では、弾性支持部50Aが、ルーフリインフォース40Aと別体とされている。このため、ルーフリインフォース40Aとは異なる材料で弾性支持部50Aを形成することができる。このため、ルーフパネル30とルーフリインフォース40Aとの間隔の部分的な増減に応じて、好ましいばね係数を備えた弾性支持部50Aが配置することが可能とされる。
また、本実施形態では、図4Cに示すように、補強板45がルーフリインフォース40Aの凹部41Aの上方を閉じることで閉空間が形成される。このため、ルーフリインフォース40Aの剛性を高めることができる。また、補強板45が曲げ部を備えることで、補強板45の一部を利用して弾性支持部50Aを容易に形成することができる。
なお、本実施形態に係るルーフ構造体10Aを備えた自動車の製造方法では、ルーフ構造体10Aとして、ルーフパネル30、ルーフリインフォース40Aおよび弾性支持部50Aを準備する準備工程において、ルーフリインフォース40に接合される上記の補強板45が準備される。この際、補強板45の車体前後方向の端部に予め曲げ加工を施すことで、弾性支持部50Aを形成する弾性支持部形成工程が設けられることが望ましい。
以上、本発明の一実施形態に係るルーフ構造体10およびルーフ構造体10を備えた自動車1の製造方法について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係るルーフ構造体10として、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の第1実施形態では、本発明に係る弾性支持部として、図2Aから図2Cに示される弾性支持部50をもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図6Aおよび図6Bは、本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォース40Bおよびルーフリインフォース40Cの斜視図である。図6Aの通り、ルーフリインフォース40Bは、凹部41B、フランジ42B、ルーフリインフォース接合部43Bおよび弾性支持部50Bを備えている。弾性支持部50Bは、一対のフランジ42Bにおいて左右方向に間隔をおいて複数配置されている。弾性支持部50Bは、ルーフリインフォース40Bの一部が内側に曲げ加工されることで形成されている。また、一対のフランジ42Bに備えられた弾性支持部50Bは、互いに対向するように配置されている。このような構成においても、焼付塗装工程後のルーフパネル30(図1)に残留変形が生じることが抑止される。なお、弾性支持部50Bや第1実施形態に係る弾性支持部50のように、弾性支持部が折り返し形状を備えることによって、弾性支持部の剛性を高く維持することができる。
また、図6Bの通り、ルーフリインフォース40Cは、凹部41C、フランジ42C、ルーフリインフォース接合部43Cおよび弾性支持部50Cを備えている。弾性支持部50Cは、一対のフランジ42Cにおいて左右方向に間隔をおいて複数配置されている。また、一対のフランジ42Cに備えられた弾性支持部50Cは、互い違いに配置されている。そして、弾性支持部50Cは、先の第1実施形態に係る弾性支持部50と比較して、左右方向に長く設定されている。このように弾性支持部の長さが変化されることで、弾性支持部のばね係数を調整することが可能となる。
また、図6Cは、本発明の変形実施形態に係るルーフパネル30およびルーフリインフォース40Dの断面図である。また、図6Dは、本変形実施形態に係る弾性支持部50Dの配置を示した上面図である。ルーフリインフォース40Dは、凹部41D、フランジ42Dおよび弾性支持部50Dを備えている。弾性支持部50Dは、ルーフリインフォース40Dの一部が曲げ加工されることで形成される。弾性支持部50Dは、上方に凸のアーチ型形状を備えている。このような構成においても、焼付塗装工程後のルーフパネル30(図1)に残留変形が生じることが抑止される。また、弾性支持部50Dの形状を変化させることで、弾性支持部のばね係数を調整することが可能となる。
また、図6Dに示すように、弾性支持部50Dは、ルーフリインフォース40Dの長手方向に沿って連続的に配置されてもよい。この場合、ルーフリインフォース40Dがルーフパネル30を補強する機能を増大することができる。
また、図7Aは、本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォース40Eの斜視図である。図7Bは、本変形実施形態に係るルーフパネル30およびルーフリインフォース40Eの断面図である。更に、図7Cは、本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォース40Fの斜視図である。図7Aの通り、ルーフリインフォース40Eは、凹部41E、フランジ42E、ルーフリインフォース接合部43Eおよび弾性支持部50Eを備えている。弾性支持部50Eは、一対のフランジ42Eにおいて左右方向に間隔をおいて複数配置されている。また、一対のフランジ42Eに備えられた弾性支持部50Eは、互い違いに配置されている。更に、図7Bの通り、弾性支持部50Eは、フランジ42Eから更に前後方向の外側に延びるように形成されている。また、弾性支持部50Eは、上方に凸のアーチ型形状を備えている。このような構成においても、焼付塗装工程後のルーフパネル30(図1)に残留変形が生じることが抑止される。また、折り返し形状からなる前述の弾性支持部50および弾性支持部50Bを備えるルーフリインフォース40およびルーフリインフォース40Bと比較して、ルーフリインフォース40Eに使用される板材の面積を縮小し、ルーフリインフォース40Eのコストを低減することができる。また、図7Cの通り、ルーフリインフォース40Fは、凹部41F、フランジ42F、ルーフリインフォース接合部43Fおよび弾性支持部50Fを備えている。弾性支持部50Fは、上記の弾性支持部50Eと同様に、フランジ42Fから更に前後方向の外側に延びるように形成されている。また、弾性支持部50Fは、先の弾性支持部50E(図7A)と比較して、左右方向に長く設定されている。
(2)また、上記の第2実施形態では、本発明に係る弾性支持部として、図4Aから図4Dに示される弾性支持部50Aをもって説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。図8Aは、本発明の変形実施形態に係るルーフリインフォース40Gおよび補強板45Gの一部を拡大した上面図である。図8Bは、本発明の変形実施形態に係る補強板45Hの配置を示した上面図である。図8Aの通り、ルーフリインフォース40Gは、凹部41Gと、フランジ42Gと、を備える。また、補強板45Gは、先の第2実施形態に係る補強板45と同様に、上面視で正方形形状(矩形形状)を備え、左右方向の中央部の接着部Pにおいて、一対のフランジ42Gにそれぞれ接合されている。また、本変形実施形態では、補強板45Gの4つの角部に、弾性支持部50Gが配置されている。このような構成によれば、先の第2実施形態に係る補強板45と比較して、弾性支持部50Gを多く配置することができる。このため、焼付塗装工程後のルーフパネル30(図1)に残留変形が生じることが更に安定して抑止される。なお、補強板45および補強板45Gは、図8Bに示す補強板45Hのように、ルーフリインフォース40Hの長手方向に沿って連続的に配置してもよい。この場合、補強板45Hがルーフリインフォース40Hの剛性を更に高めることができる。
(3)また、上記の第2実施形態では、補強板45が、左右方向に間隔をおいて複数配置されている。また、図4Cに示すように、補強板45は、一対のフランジ42A間で凹部41Aの上方を覆うように、ルーフパネル30とルーフリインフォース40Aとの間に配置される態様にて説明した(図4C)。本発明はこれに限定されるものではない。図4Cにおいて、一対のフランジ42Aにそれぞれルーフリインフォース40Aとは別体の板材が接合され、当該板材に弾性支持部50Aが備えられる態様でもよい。この場合、凹部41Aの上方は、板材で覆われないが、弾性支持部50Aがルーフリインフォース40Aとは別部材からなるため、ルーフリインフォース40Aとは異なる材料で弾性支持部50Aを形成することができる。このため、ルーフパネル30とルーフリインフォース40Aのフランジ42Aとの間隔の部分的な増減に応じて、好ましいばね係数を備えた弾性支持部50Aが配置可能とされる。
1 自動車
10 ルーフ構造体(ルーフユニット)
20 ルーフサイドレール
21 ルーフサイドレールアウター
22 ルーフサイドレールインナー
23 ルーフサイドレール接合部
30 ルーフパネル
31 ルーフパネル接合部
40、40A、40B、40C、40D、40E、40F、40G、40H ルーフリインフォース
41、41A、41B、41C、41D、41E、41F、41G 凹部
42、42A、42B、42C、42D、42E、42F、42G フランジ
43、43A、43B、43C、43E、43F ルーフリインフォース接合部
45、45G、45H 補強板(補強材)
50、50A、50B、50C、50D、50E、50F、50G 弾性支持部
60 接着樹脂
61 マスチック樹脂
G 接合部
X 残留変形部

Claims (12)

  1. 自動車の車室内を囲むボディーのうち車体幅方向に間隔をおいて配置され車体前後方向に延びる一対の鋼製のルーフサイドレールに接合される、自動車のルーフユニットであって、
    前記一対のルーフサイドレールに接合されるアルミニウム製のルーフパネルと、
    前記車体幅方向に延びるように配置され、前記ルーフパネルを下方から支持し、両端側において前記一対のルーフサイドレールおよび前記ルーフパネルに接合されるアルミニウム製のルーフリインフォースと、
    前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に介在し、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて弾性変形可能な金属製の弾性支持部と、
    を有することを特徴とする自動車のルーフユニット。
  2. 前記車体幅方向と交差し前記車体前後方向に沿った断面で見た場合、前記ルーフリインフォースは、前記ルーフパネルに対向して配置される一対のフランジと、前記一対のフランジを接続し前記ルーフパネルに対して下方に間隔をおいて配置された凹部と、を備え、
    前記弾性支持部は、前記一対のフランジと前記ルーフパネルとの間にそれぞれ配置されることを特徴とする請求項1に記載の自動車のルーフユニット。
  3. 前記弾性支持部は、前記ルーフリインフォースの一部からなることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車のルーフユニット。
  4. 前記弾性支持部は、前記ルーフリインフォースの前記車体前後方向の端部を曲げた態様の曲げ部からなることを特徴とする請求項3に記載の自動車のルーフユニット。
  5. 前記弾性支持部は、前記ルーフリインフォースと別体とされていることを特徴とする請求項2に記載の自動車のルーフユニット。
  6. 前記一対のフランジ間で前記凹部の上方を覆うように前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に配置され、前記ルーフリインフォースに接合される補強材を更に有し、
    前記弾性支持部は、前記補強材と一体とされていることを特徴とする請求項5に記載の自動車のルーフユニット。
  7. 前記弾性支持部は、前記補強材の前記車体前後方向の端部を曲げた態様の曲げ部からなることを特徴とする請求項6に記載の自動車のルーフユニット。
  8. 前記弾性支持部は、前記車体幅方向に間隔をおいて複数配置されていることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の自動車のルーフユニット。
  9. 前記弾性支持部と前記ルーフパネルとは、接着樹脂によって接合されていることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載の自動車のルーフユニット。
  10. 車体幅方向に間隔をおいて配置され車体前後方向に延びる一対の鋼製のルーフサイドレールを含み、車室内を囲むボディーと、
    前記一対のルーフサイドレールに接合されるルーフユニットと、
    を有する自動車の製造方法であって、
    前記ルーフユニットとして、前記一対のルーフサイドレール間に配置されるアルミニウム製のルーフパネルと、前記車体幅方向に延びるように前記ルーフパネルの下方に配置されるアルミニウム製のルーフリインフォースと、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に介在し、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間隔の増減に応じて弾性変形可能な金属製の弾性支持部と、を準備する準備工程と、
    前記ルーフリインフォースの前記車体幅方向の両端側において、前記ルーフリインフォース、前記一対のルーフサイドレールおよび前記ルーフパネルを接合する接合工程と、
    前記ボディーおよび前記ルーフユニットに焼付塗装を行う塗装工程と、
    を有することを特徴とする自動車の製造方法。
  11. 前記ルーフリインフォースの前記車体前後方向の端部に予め曲げ加工を施すことで、前記弾性支持部を形成する弾性支持部形成工程を更に有することを特徴とする請求項10に記載の自動車の製造方法。
  12. 前記準備工程において、前記ルーフユニットとして、前記ルーフパネルと前記ルーフリインフォースとの間に配置され、前記ルーフリインフォースに接合される補強材を更に準備し、
    前記補強材の前記車体前後方向の端部に予め曲げ加工を施すことで、前記弾性支持部を形成する弾性支持部形成工程を更に有することを特徴とする請求項10に記載の自動車の製造方法。

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