JP2017177225A - 多角形断面線材用ダイス - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑剤の塊の発生を極力防ぐこと及びそのメンテナンスに要する時間を極力低減させ、結果多角形断面の線材の製造コストの低減を図る手段を提供する。
【解決手段】引抜加工用ダイス101のベアリング部101bの断面形状を工夫する。多角形断面の「角」には潤滑剤の塊が溜まり、完成線材A−2の表面を傷つけることがあった。これに対し、断面の「角」を曲線で結ぶことで、潤滑剤の塊が溜まることを防止する。結果として、潤滑剤の塊による表面の傷の発生が防止される。
【選択図】図10

Description

本発明はダイス、特に引抜加工で用いるものに関する。
建築用などの直線性が求められる線材の生産には、引抜加工機及びドローイングマシンを用いて引抜加工をすることが一般的である。
図1は引抜加工機の全体の構造を表す模式図である。また図2は、使用時における引抜加工機のダイス周辺の構造を表す断面図である。
図1では引抜加工用ダイス901及びダイスホルダー902を断面図として描いており、その他の構造は上面から見た上面図として記載している。また、図1には、ドローイングマシン903が材料線材A−1及び完成線材A−2を引っ張る方向が記載されている。なお、材料線材A−1及び完成線材A−2をまとめて線材Aとする。
引抜加工機900は、引抜加工用ダイス901、ダイスホルダー902、ドローイングマシン903、ガイドレール904を含んで構成される。
引抜加工用ダイス901は、略円筒形の形状を持つ塑性変形加工用のダイスである。この略円筒形の中心軸に引抜加工の対象となる線材Aを通す貫通孔が設けられている。もっとも狭いベアリング部901bは成形後の完成線材A−2の形状寸法を決める。そしてベアリング部901bを挟んでアプローチ部901a及びバックリリーフ部901c、勘合穴901dが存在する。
ツイストバーを製造するときは、この略円筒形の中心軸を中心に引抜加工用ダイス901全体を回転させる。
アプローチ部901aは、材料線材A−1を引抜加工用ダイス901内に引き入れ、外径を絞るための入り口となる引抜加工用ダイス901の一部分である。アプローチ部901aはドローイングマシン903によってくわえられる引抜力を圧縮力に変換する。なお、現実に使用されているダイスにはアプローチ部よりも開度が大きいエントランス部が設けられている場合もある。しかし本明細書では、エントランス部は設計事項であるとして、この説明及び図上における番号の付与は省略している。
アプローチ部901aの少なくとも材料線材A−1と接するアプローチ部901aの箇所及びベアリング部901bは超硬合金で形成されている。この超硬合金に材料線材A−1を引抜によって押し付けることで塑性変形させ、材料線材A−1の断面積を完成線材A−2のそれに変形させる。この超硬合金で形成されている部分を超硬合金部901bhとする。
ベアリング部901bは、完成線材A−2の寸法を決める引抜加工用ダイス901の部分である。
バックリリーフ部901cは、完成線材A−2の表面を傷つけないために完成線材A−2から離れるようにテーパーをつけたダイス901中の一部分である。
勘合穴901dは、ダイスホルダー902中にダイス901を固定するための勘合部である。また、ツイストバーを製造する為にダイスホルダー902がダイス901を回転させる際には勘合穴901dを介して駆動力がダイス901に伝達される。
ダイスホルダー902は、ドローイングマシン903によりくわえられる引っ張り力に負けず引抜加工用ダイス901を保持するための保持部である。物によってはドローイングマシンの903の位置に応じて引抜加工用ダイス901を回転させツイストバーを製造することが可能なものもある。
ドローイングマシン903は、その一部であるキャリッジによって線材Aを固定し、固定後の線材Aを引っ張ることでそれを塑性変形させる抽伸器である。
ガイドレール904は、ドローイングマシンを一定の線上で動かすためのガイドレールまたはそれを含む引抜台である。
棒状材、線材等の鋼材をダイスによって引抜き加工するに際しては、一般にダイスの前側に設けられたボックス905内に粉状固形の潤滑剤を収容し、この潤滑剤が線材Aに付着する。ドローイングマシン903の引抜き時におけるアプローチ部901aでの加工発熱によりこの粉状の潤滑剤が油膜となる。この油膜に粉状の潤滑剤が付着することで、塊ができる。この塊は引抜加工を連続するごとに肥大化し、材料線材A−1の表面への潤滑剤の供給が阻害される。結果として完成線材A−2の表面に傷が発生することが考えられた。
また、これらの塊を除去する際には作業を一旦止める必要があり、結果として生産量の低下が避けられないものとなっていた。特にツイストバーを製造するに際しては、この弊害が著しく、製造原価を下げられない一因となっている。
公開特許公報特開2010−036228(先行文献1)には、粉状の潤滑剤の使用ではなく、液体の潤滑剤を用いる技術が記載されている。
公開特許公報特開2010−036228
しかし、液体は取り扱いが厄介であり、液漏れなどへの対策が必要となる。
本発明の目的は、潤滑剤の塊の発生を極力防ぐこと及びそのメンテナンスに要する時間を極力低減させ、結果多角形断面の線材の製造コストの低減を図る手段を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、上述した量産性を向上させたツイストバーを用いることで安価な価格でツイストバーを用いた金網を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本発明に関わるツイストバーは略多角形断面を有し、
該ツイストバーの前記略多角形の少なくとも一の角が引抜方向の最初から最後まで複数の鈍角で置換されていることを特徴とする。
このツイストバーは、略多角形の全ての角が引抜方向の最初から最後まで複数の鈍角で置換されていることを特徴としても良い。
このツイストバーは、複数の鈍角で置換された角がダイスによって形成されることを特徴としても良い。
請求項1乃至3のいずれか1記載のツイストバーを含む金属金網。
本発明に関わるダイスにより、従来頻繁に潤滑剤の塊の除去作業を行っていた回数を軽減できる。結果として線材の生産数を増大でき、製造コストを低減させることが可能になる。
引抜加工機の全体の構造を表す模式図である。 使用時における引抜加工機のダイス周辺の構造を表す断面図である。 従来の引抜加工用ダイスの正面図である。 従来の引抜加工用ダイスの斜視図である。 従来の引抜加工用ダイスの断面図である。 図3の範囲xにあたる個所の、従来の引抜加工用ダイスの「角」の部分を拡大した拡大図である。 本発明に関わる引抜加工用ダイスの正面図である。 本発明に関わる引抜加工用ダイスの斜視図である。 本発明に関わる引抜加工用ダイスの断面図である。 図7の範囲Xにあたる個所の、本発明に関わる引抜加工用ダイスの「角」の部分を拡大した拡大図である。 本発明に関わるダイスを用いて製造された略多角形断面を有する棒材を表す図である。 本発明に関わるダイスを用いて製造された略多角形断面を有するツイストバーを表す図である。 本発明に関わる他の形態のダイスの断面を表す拡大図である。 従来の溶接金網の正面図である。 本発明に関わるツイストバーを用いた第1の金網を表す正面図である。 本発明に関わるツイストバーを用いた第2の金網を表す正面図である。 本発明に関わるツイストバーを用いた第3の金網を表す正面図である。
本発明は、潤滑剤の塊の発生を極力防ぎ、かつそのメンテナンスに工数を取らせないことを目的とする。すなわち、粉状の潤滑剤を一カ所に留まることを防ぎ、また、塊が発生した場合には、塊を脱落させやすくすることで、多角形断面線材生産数を増大する。
以下本発明の各実施の形態を図に基いて説明する。
(第1の実施の形態)
図3は、従来の引抜加工用ダイス901の正面図である。また図4は、引抜加工用ダイス901の斜視図である。図5は、引抜加工用ダイス901の断面図である。図6は、図3の範囲xにあたる個所の、引抜加工用ダイス901の「角」の部分を拡大した拡大図である。
また、図7は、本発明に関わる引抜加工用ダイス101の正面図である。図8は本発明に関わる引抜加工用ダイス101の斜視図である。また図9は、本発明に関わる引抜加工用ダイス101の断面図である。図10は、図7の範囲Xにあたる個所の、本発明に関わる引抜加工用ダイス101の「角」の部分を拡大した拡大図である。
なお本発明に関わる引抜加工用ダイス101であっても、ベアリング部等の各部の名称は変わりない。従って、引抜加工用ダイス101の各部名称について、明細書中ではベアリング部101bなどのように100番台で記載する。
基本的な構成は引抜加工用ダイス101も引抜加工用ダイス901も変わりはない。図4及び図8を見てもわかるように、いずれのダイスも略円筒形の形状を持ち、その略円筒形形状の中心軸上に成形後の完成線材A−2の断面形状を決めるベアリング部の開口が開いている。
しかし図6及び図10を見れば本発明の特徴が理解できる。
従来の引抜加工用ダイス901では、棒材の角を直角にする目的で、ベアリング部901bの断面の二辺を加工することなくそのまま突き当てていた。従って、図3及び図6のようにベアリング部901bの断面形状が四角形断面の場合、各辺は直角に交わることとなる。
ここで、図6で表したダイス901のベアリング部901bの開口部の断面形状は、多角形の一種である四角形である。これを「基礎となる多角形断面」と称呼する。
一方、図7及び図10は、本発明に関わる引抜加工用ダイス101のベアリング部101bを表す。本発明に関わるこのベアリング部101bの断面形状は、図6で表した「基礎となる多角形断面」の「角」にあたる部分を円弧、すなわち曲線、で結ぶように置き換えた点に特徴がある。具体的には、1辺が4mmの四角形断面の棒材を作成する場合、引抜加工用ダイス101のベアリング部101bの開口部の一つの「角」を半径0.8mm程度の曲率の円弧(曲線)で結ぶ。
これにより、当該「角」に溜まっていた潤滑剤の塊が一カ所に固まりづらくなる。
本発明に関わる引抜加工用ダイス101では「基礎となる多角形断面」である四角形断面の4か所の「角」すべてをこのように処理する。この結果、ダイスのすべての位置で潤滑剤が溜まりづらくなる。
なお、本明細書では「四角形」の角を少なくとも1つ丸めた形状、すなわち1の「角」乃至すべての「角」を丸めたものも「略四角形」と呼ぶ。同様に、四角形を含む多角形の1の「角」乃至すべての「角」を丸めた形状を「略多角形」と称呼する。
同様に三角形の角を丸めたものは「略三角形」、六角形の角を丸めた形状は「略六角形」と呼ぶ。以下、多角形に角が増えても同様に称呼する。
これにより、潤滑剤がたまる「角」がなくなる。結果として、このダイス101では円断面のダイスと同じような潤滑剤の挙動になり、潤滑剤の塊ができにくくなる。
合わせて本発明では以下のような対策をとる。
引抜加工用ダイス101のアプローチ部101aの長さを極力短くし、合わせてアプローチの角度(=開度)であるダイス半角β/2の角度を極力広くとる。すなわち、

図9の(大文字ベータ)/2> 図5の(小文字ベータ)/2 (式1)
L1 < l1 (式2)

となる。これにより、万一潤滑剤の塊ができても自然と脱落しやすくなる。出願人の実験では、L1を1.5mm程度にし、ダイス半角((図5の小文字ベータ/2)あるいは(図9の大文字ベータ)/2)が5度以上あると、潤滑剤の塊が形成された場合でも脱落が容易になる傾向が見られた。
また、アプローチ部101a同様、バックリリーフ部101cに対しても同様の処理を取る。すなわち、バックリリーフ部101cの長さを短くし、合わせてバックリリーフの角度(開度)を、

図9の(大文字ガンマ)/2> 図5の(小文字ガンマ)/2 (式3)
L2 < l2 (式4)

と極力広くとる。これにより、バックリリーフ側でも潤滑剤が塊を作ることを防止する。
結果として、上記のようなアプローチ部101a及びバックリリーフ部101cの対応を取ることで、図4に記載した従来の引抜加工用ダイス901の幅wと図8に記載した本発明に関わる引抜加工用ダイス101の幅Wは

W<w (式5)

となるためである。これは図4及び図8を対比すれば実感できる。
このようにダイスの幅が薄くなっても、実際の運用では問題となることは少ない。ダイスにかかる圧力は線材Aが塑性変形を起こすほどの物である。
完成線材A−2の精度を管理する際には一定の周期で交換する必要があるが、本発明においては、1-2日でダイス自体を交換することを想定しており、このような短い時間では引抜用ダイス全体が壊れることはないためである。
これらの対応により潤滑剤の塊を除去するための作業休止時間を減らすことができ、全体の作業時間を製造に有効に活用できる。結果として、多角形断面を有する鋼製棒材の製造原価の低減を図ることが可能になる。
図11は、上記の引抜加工用ダイス101で作成した棒材を表す斜視図である。本図にもみられるように、棒材の角は丸くなった形で形成される。
加えて、ダイスの「角」を丸めることで、完成した多角形断面を有する鋼製棒材の角も丸くなる。結果として、ユーザーが鋼製棒材を素手で持った時に手を切ることがなくなり、安全性の向上を図ることができるという副次的効果も兼ね備えることとなる。
上記の対応は、ツイストバーを製造するときも同様に効果がある。
ツイストバーは、ドローイングマシン903が存在するガイドレール904の位置に応じて、ダイスホルダー902が連続的にダイスを回転させることで製造できる。この際ダイスホルダー902にセットするダイスをダイス901から引抜加工用ダイス101に変更することで簡単に適用することが可能である。
既に述べたように引抜加工用ダイス101のベアリング部101bの開口部に角がないことから、引抜加工用ダイス101を回転させても一カ所に潤滑剤がたまることなく、結果として潤滑剤の塊ができづらい。またアプローチの角度及びバックリリーフの角度を広くとることで、塊が形成されても自然に脱落しやすくなる。これらは当然ツイストバーの製造の際にも効果を有する。
逆にツイストバーの作成時には、常にその略円筒形形状の中心軸を中心として引抜加工用ダイス101は回転し続けることになる。この引抜加工用ダイス101への回転力により、アプローチ部101aに溜まった潤滑剤の塊が一カ所にとどまることが減り、さらに潤滑剤の塊が形成されにくくなる。また、一度溜まった潤滑剤の塊もアプローチ部101a開口部から脱落しやすくなる。結果としてツイストバーを作成する際にはアプローチ部101aに潤滑剤の塊が溜まりにくくなる効果がある。
更に完成品から見ると、ツイストバーの製造に際しては棒材以上に有利な点がある。図12は、本発明に関わる引抜加工用ダイス101を用いて作成したツイストバーの斜視図である。
棒材の利用に際してはコンクリートの鉄筋に用いることが多い。この場合、棒材の際には「角」があることで、コンクリート引っかかりが発生し、引抜強度を保っている。
従って、角を丸めることで引抜強度的には不利となることも考えられる。しかし、ツイストバーを用いて鉄筋を編んだ場合、ツイストバーの「ねじれ」自体で引抜強度を増すため、角が丸められていても、強度的には問題を生じない。なお、「捩じる」とは、「細長いもの」の両端に力を加え、互いに逆の方向に回すこと(小学館「大辞泉」)と定義されている。従って、この意味に反する解釈をすることは避けるよう注意されたい。
また、本願の製造方法で製造されたツイストバーにおいてもダイスの「角」を丸めることで、完成したツイストバーの角も丸くなる。結果として、多角形断面を有する鋼製棒材同様に、ユーザーがツイストバーを素手で持った時に手を切ることがなくなり、安全性の向上を図ることができる。
なお、本実施の形態に関わる発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
上記では「角度」を消すのに円弧を使ったが、鈍角の集合として構成しても良い。
図13は、この鈍角の集合を表す図である。すなわち、一つの90度の角度で構成されている「角」を9つの鈍角で構成するようにすることで、一カ所に溜まらないようにすることも本発明の射程に含まれる。また円弧に限らず自由曲線で「角」を置き換えたものであっても問題はない。
また、状況によっては角を一または二のみを丸めたものであっても使用に耐える場合がある。棒材を作る場合、ダイスの一番「下」に来る角のみを丸めておけば、潤滑剤が溜まらない場合もあるためである。
また、本発明に関わる引抜加工用ダイス101を用いた引抜加工機も当然に本発明の射程に含まれる。
また、本発明に関わる引抜加工用ダイス101を用いてツイストバーを作る際に、1)ドローイングマシン903のガイドレール904上での位置に応じて引抜加工用ダイス101を回転させること(説明済み)、2)作業開始時間からの経過時間に応じてダイスホルダーが本発明に関わる引抜加工用ダイス101を回転させること、3)加工開始後のドローイングマシンの進んだ距離に応じて引抜加工用ダイス101を回転させること、も本願発明の射程に当然に含まれる。
さらには、実施の形態では直線的に動く引抜加工機900を用いたか説明した。これは完成線材A−2の直線性の確保を考慮したためである。しかし、完成線材A−2の直線性に拘らない場合には、引抜加工機900に代えて、電動機で駆動されるドラムに完成線材A−2を巻きつける線引き器を用いた方式を用いた引抜加工機を用いても良い。ドラムを用いてツイストバーを作る場合には、4)ドラムの回転数、や、5)作業開始からの経過時間、6)ドラムの角速度、に応じてダイスホルダー102が引抜加工用ダイス101を回転させることになる。
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態について説明する。
上記で述べた通り、本発明の第1の実施の形態を用いることにより、ツイストバーを安価に製造できることについて述べた(図12参照)。
本願の第2の実施の形態では、この安価に作れるツイストバーを用いて金網を製造することについて説明する。
「溶接金網」とは、鉄線を直交して配列し、それらの交点を電気抵抗溶接して、格子状にした金網のことをいう。従来、JIS G 3551(非特許文献)などに示される溶接金網は、「丸鉄線」を井桁状に組み合わせることで作成されていた。
図14は従来の溶接金網の正面図である。
この図14に記載された溶接金網は丸鉄線を用い、井桁状に組み合わせることで製造されている。ここで「丸鉄線」とは、断面形状が円形の鉄線のことを言う(JIS G 3551での定義)。
なお、JIS G 3551では、金網中の鉄筋格子を構成する鉄筋のうち、「縦線」を製造方向(機械の送り方向)の鉄線または棒線、横線を製造方向(機械の送り方向)と直角方向の鉄線または棒線と定義する。しかし、本明細書においては金網を構成する鉄線のうち任意の一方向に配されたものを「縦線」と、縦線と直交する方向の鉄線を「横線」と定義する点注意されたい。
この図14で表された「丸鉄線」で作られた縦線501a、501b、501c、501dと横線502a、502b、502c、502dを、本発明の第1の実施の形態図12で表した略多角形断面を有するツイストバーで置き換えるのが本願の第2の実施の形態である。
図15は、本発明に関わるツイストバーを用いた第1の金網を表す正面図である。この図でも明らかなとおり、図14に表された全ての縦線及び横線を縦線601a、601b、601c、601d、横線602a、602b、602c、602dに置き換え、空圧式マルチスポット溶接機などで接合する。
前述の通り、ツイストバーを用いて鉄筋を編んだ場合、ツイストバーの捩じれ自体で引抜強度が増す。また第1の実施の形態により、ツイストバー製造時の歩留まりが向上する為、結果としてそれを用いた金網の原価も低下する。
このようにすることで、従来の丸鉄線同様の強度を持たせつつ単位長さあたりの軽量化を図ることができる。結果として溶接金網全体の重量を軽減することが可能となる。
また図16は本発明に関わるツイストバーを用いた第2の金網を表す正面図である。この図では図14の横線502a、502b、502c、502dを本発明に関わるツイストバーである横線702a、702b、702c、702dに変更した場合の溶接金網を表す図である。この図においては、縦線701a、701b、701c、701dは丸鉄線である。もちろん、縦線のみにツイストバーを適用しても問題はない。
このようにすることで、縦線方向と横線方向で特性の異なる金網を提供することが可能となる。
また図17は本発明に関わるツイストバーを用いた第3の金網を表す正面図である。図17は、縦線及び横線ともに丸鉄線と多角形断面金属線材の比率を1:1にした場合の溶接金網を表す図である。すなわち図14の縦線501b、501dと横線502b、502dを、本発明に関わるツイストバーに置き換える。
すなわち縦線801b、801d及び横線802b、802dには本発明に関わるツイストバーを用いる。一方で縦線801a、801c及び横線802a、802cには丸鉄線を用いる。この様にすることで、縦線方向と横線方向を意識することなく用いることができる金網を提供することが可能となる。
また、図17では丸断面金属線材とツイストバーの割合は1:1であった。しかし、適宜、1:2や2:1(もちろん他の割合も可)に割合を変更しても良い。さらには縦線と横線で丸断面金属線材とツイストバーの割合を変えても良い。このように特性の異なる線材を用いることで、「絞り」へのある程度の耐性を持たせつつ軽量な金網を作ることを可能にする。
また丸鉄線と本発明に関わるツイストバーの比率によって金網全体の特性を容易に調整することが可能となる。結果、金網にバラエティを与え、多様な商品展開を行うことが可能となる。
また、上記では丸鉄線と本発明に関わるツイストバーについてのみ述べたが、本発明に関わる多角形断面線材(捩じっていないもの)や本発明に関わらない多角形断面線材、本発明に関わらないツイストバー、JIS G 3551で定義する異形鉄線を用いたものも当然に本発明の射程に入る。また2種でなく3種以上のもので1の金網を製造しても良い。
このように、1の金網中で丸断面金属線材とツイストバーを混用することも本発明の射程に含まれる。逆に、本発明の第1の実施の形態に含まれる多角形断面線材やツイストバーを用いなくても図17のような混用による性質の調整、製品バリエーションの展開を増やすことも本発明の射程に含まれると言ってよい。
建築の基礎として用いる場合に図16及び図17のような構成であっても本発明に関わるツイストバーを用いることで、コンクリートとの付着性を確保できる。
このように本発明に関わるツイストバーを用いた溶接金網によって、高価な「異形鉄線」を用いることなくコンクリートとの付着性が高く、低価格かつ軽量な溶接金網を作成することが可能となる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは言うまでもない。
本発明は引抜加工で使用されるダイスの改善、及びそのダイスを用いて製造される完成線材A−2の原価の低減に用いられる。
A:線材、
A−1:材料線材、
A−2:完成線材、
101a、901a:アプローチ部、
101b、901b:ベアリング部、
101c、901c:バックリリーフ部、
101d、901d:勘合穴、
501a、501b、501c、501d:縦線、
502a、502b、502c、502d:横線、
601a、601b、601c、601d:縦線、
602a、602b、602c、602d:横線、
701a、701b、701c、701d:縦線、
702a、702b、702c、702d:横線、
801a、801b、801c、801d:縦線、
802a、802b、802c、802d:横線、
900:引抜加工機、
101、901:引抜加工用ダイス、
902:ダイスホルダー、
903:ドローイングマシン、
904:ガイドレール、
905:ボックス。

Claims (4)

  1. 略多角形断面を有するツイストバーであって、
    該ツイストバーの前記略多角形の少なくとも一の角が引抜方向の最初から最後まで複数の鈍角で置換されていることを特徴とするツイストバー。
  2. 略多角形断面を有するツイストバーであって、
    該ツイストバーの前記略多角形の全ての角が引抜方向の最初から最後まで複数の鈍角で置換されていることを特徴とするツイストバー。
  3. 請求項1または請求項2に記載のツイストバーにおいて
    前記複数の鈍角で置換された角がダイスによって形成されることを特徴とするツイストバー。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1記載のツイストバーを含む金属金網。

JP2017130003A 2014-09-07 2017-07-01 引抜加工用のダイス Active JP6800819B2 (ja)

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