以下、図面に従って本発明を適用したカメラ本体とレンズユニットとから構成される撮影システムを用いて好ましい実施形態について説明する。本発明の好ましい一実施形態に係わるカメラは、デジタルカメラであり、撮像部を有し、この撮像部によって被写体像を電気信号に変換し、この変換された電気信号に基づく画像データを用いて、被写体像を本体の背面または接眼ファインダ等に配置した表示部にライブビュー表示する。撮影者はライブビュー表示を観察することにより、構図やシャッタチャンスを決定する。レリーズ操作時には、画像データが記録媒体に記録される。記録媒体に記録された画像データは、再生モードを選択すると、表示部に再生表示することができる。
また、レンズユニットには、レンズ鏡筒周りを回動可能な操作部が設けられている。レンズユニットをカメラ本体に装着すると、カメラ本体とレンズユニットの間で通信がなされ、レンズユニット側から操作部に関する情報が送信される。カメラ本体は、操作部に関する情報を受信すると、操作部に関する情報を表示部に表示し、操作部に関連する情報をカメラ本体もしくは交換レンズの機能と関連付けを表示部上で行えるようにする。たとえば、レンズ鏡筒側の操作部を、マニュアルフォーカスの操作部に関連付けたり、ズーミング操作部に関連付けたり、また、露出補正、ストロボモード等の種々のモードの変更操作部に関連付けたりすることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係わる撮影システムの構成を示すブロック図であり、このシステムは、カメラ本体10、レンズユニット20、接眼ファインダ30とから構成される。レンズユニット20は、カメラ本体10のバヨネットマウント等を介して着脱自在に装着される。また、接眼ファインダ30は、アダプタ等によってカメラ本体10に装着可能である。
なお、本実施形態における撮影システムは、いわゆる一眼カメラであり、カメラ本体10、レンズユニット20、および接眼ファインダ30を別体に構成したが、いわゆるコンパクトカメラのように、一体に構成するようにしても勿論かまわないし、また一眼レフカメラのように、カメラ本体10および接眼ファインダ30を一体に構成しても勿論かまわない。
レンズユニット20内には、制御部21、通信部22、リング操作部23a、レンズ操作部23b、駆動部24a、24b、位置検出部25a、25b、レンズ26、メモリ27を有する。このレンズユニット20は、撮影光学系を有する鏡筒部と、この鏡筒部に設けられた操作部とを有するレンズユニットに対応する。
制御部21は、CPU(Central Processing Unit)等のコントローラを有し、メモリ27に記憶されているプログラムに従ってレンズユニット20内の制御を行う。すなわち、制御部21は、通信部22を介してカメラ本体10内の信号処理及び制御部1と通信を行い、カメラ本体10内の信号処理及び制御部1からの要求に応じて、各種情報を送信する。また、制御部21は、信号処理及び制御部1からの指示に従って撮影レンズ10のピント合わせ等の動作を実行する。リング操作部23aがズーミング操作やマニュアルフォーカス操作に割り当てられた場合等には、リング操作部23aの操作に応じてズーミング動作やマニュアルフォーカス動作を実行する。
通信部22は、カメラ本体10内の通信部11との間で通信を行う。前述したように、カメラ本体10からの要求信号を受信した場合には、通信部22を介して要求信号に応じたレンズ状態信号を送信する。この通信の詳細については、図8および図9を用いて後述する。通信部22は、レンズユニットにおける操作部に関する情報を送信する送信部としての機能を果たす。また、この送信部は、操作部に関する操作状態以外の情報もカメラ本体10に対して送信可能である。操作部に関する操作状態以外の情報としては、例えば、撮レンズ26の焦点位置および焦点距離の少なくとも一つを示す情報がある。
リング操作部23aは、レンズユニット20のレンズ鏡筒の周囲を回転自在に装着されており、回転に応じて発生するパルス信号を制御部21に出力する。制御部21は、パルス信号に基づいて回転方向および回転量・回転速度等を検出し、この回転状態に応じた制御、または回転状態を示す信号を、通信部22を介してカメラ本体10に送信する。本発明の一実施形態においては、リング操作部23aは光軸方向の前後にスライドすることはないが、後述する一実施形態の変形例においては、光軸方向の前後にスライド操作が可能である。
レンズ操作部23bは、レンズユニット20に設けられたリング操作部23a以外の操作部である。例えば、モード変更用のプッシュスイッチ等がある。また、一実施形態の変形例においては、リング操作部23aを光軸方向にスライドさせるスライド操作部である。リング操作部23aおよびレンズ操作部23bは、鏡筒部に設けられた操作部としての機能を果たす。
駆動部24a、24bは、撮影レンズ26内のズーム制御機構26aまたはピント制御機構26bの駆動部である。制御部21からの制御信号に基づいて、撮影レンズ26内のレンズを駆動する。位置検出部25a、25bは、エンコーダを有し、撮影レンズ26の焦点位置(ピント位置)および焦点距離(ズーム位置)を検出し、検出結果を制御部21に出力する。
撮影レンズ26は、被写体像を形成するための複数の光学レンズからなる撮影光学系を有し、本実施形態においては、撮影光学系はズームレンズ光学系で構成される。撮影レンズ26内には、ズーム制御機構26aおよびピント制御機構26bが設けられており、駆動部24a、24bによって焦点位置調節(ピント調節)または焦点距離調節(ズーム調節)がなされる。また、図示しないが、絞り機構も設けられており、制御部21からの制御信号に基づいて絞り開口径の制御がなされる。
メモリ27は、フラッシュメモリ等の不揮発性から構成され、前述したように、制御用のプログラムを記憶している。また、メモリ27は、後述するレンズ関連付けを行う際に使用する操作部23の画像を記憶している。この画像は、後述するように、図2(b)に示す操作部画像6Lとして使用する。またメモリ27は、撮影レンズ26の長焦点側焦点距離、単焦点側焦点距離、開放絞り、光学特性等、種々のデータを記憶している。これらのデータは、レンズユニット20のカメラ本体10への装着時、またはカメラ本体10からの要求信号に応じて、カメラ本体10に送信する。
カメラ本体10内には、信号処理および制御部1、撮像素子2、顔検出部3、記録部4、通信部5、表示部6、タッチパネル7、操作判定部8、時計部9、通信部11が配置されている。
信号処理及び制御部1は、図示しないメモリに記憶されたプログラムに従って、カメラ本体10および撮影システム全体を制御する。
信号処理及び制御部1内には、レンズ操作関連付け部1a、レンズ操作判定部1b、タッチ位置判定部1c、表示制御部1dが設けられている。レンズ操作関連付け部1aは、レンズユニット20側のリング操作部23aの機能を、カメラ本体10で関連付ける処理を行う。例えば、リング操作部23aの回転操作に応じて、ズーミング動作を行うか、マニュアルフォーカス動作を行うか、モード処理を行うか等、ユーザの意図に応じて操作部の機能の割り当てを行う。この具体的な動作については、図2を用いて後述する。
レンズ操作判定部1bは、通信部22および通信部14を介して、レンズユニット20におけるリング操作部23aの操作に関する情報を入力し、操作状態を判定する。例えば、リング操作部23aの回転方向、回転量に関する情報を入力し、操作状態の判定を行う。レンズ操作関連付け部1aによって、リング操作部23aがモード処理に関連付けられたとすると、レンズ操作判定部1bによって判定されたリング操作部23aの回転方向および回転量に応じて、モード処理におけるパラメータの変更を行う。
タッチ位置判定部1cは、後述するタッチパネル7からの検出信号を入力し、ユーザが表示部6の画面上のどの位置をタッチしたか否かを判定する。図2を用いて後述するように、レンズ操作関連付け動作は、ユーザの表示部6におけるタッチ位置に応じて設定を行う。
表示制御部1dは、表示部6における表示の制御を行う。この表示制御部1dは、種々の表示制御を行うが、その1つとして、レンズ操作関連付け動作時の表示制御を行う。すなわち、レンズユニット20から操作部を示す画像が送信された際に、予め用意してある機能、例えば、ズーミング、マニュアルフォーカス、モード処理等のアイコンを、操作部の画像と共に表示部6に表示させる。
信号処理及び制御部1内のレンズ操作関連付け部、レンズ操作判定部1b、タッチ位置判定部1c、および表示制御部1d等によって、関連付け部として機能する。この関連付け部は、受信部として機能する通信部11を介して受信したレンズユニット20内の操作部に関する情報を表示部6に表示し、操作部に関する情報をカメラ本体の機能と関連付けを行う。また、関連付け部は、レンズユニット内の操作部に関する情報と、カメラ本体の機能を表示し、ユーザが行う関連付け動作を検知し、この検知結果に基づいて、関連付けを行う。ユーザの行う関連付け動作は、タッチパネル7からの検知信号に基づいて判定する。
撮像素子2は、CCDイメージセンサやCMOSイメージセンサ等の固体撮像素子であり、撮影レンズ26の光軸上であって、撮影レンズ26によって被写体像の結像される位置付近に配置される。この撮像素子2は、被写体像を画像信号に変換する。この画像信号は、デジタル画像データにAD変換された後、信号処理及び制御部1に出力される。前述の撮影レンズ26および撮像素子2は、撮影光学系によって形成される被写体画像を電気信号に変換する撮像部としての機能を果たす。
顔検出部3は、被写体像の画像データを入力し、人物等の顔を検出する。この顔検出部3によって検出された顔にピントが合うようにしてもよい。なお、図1には、焦点検出回路を省略してあるが、画像データからコントラスト信号を求め、このコントラスト信号がピークとなるように撮影レンズ26を制御する公知のコントラストAF、または位相差からデフォーカス量を求めて撮影レンズ26を制御する公知の位相差AF等、適宜、採用すればよい。
記録部4は、フラッシュメモリ等の記録媒体であり、撮像素子2からの画像データに基づく記録用の静止画像データもしくは動画像データを記録する。なお、再生モードが選択されると、記録された画像データを読出し、表示部6に表示される。
通信部12は、後述する接眼ファインダ30との通信を行う。本実施形態においては、前述したように、接眼ファインダ30はカメラ本体10に装着可能であり、装着時または信号処理及び制御部1から要求信号が出力された場合には接眼ファインダ30内の通信部32との間で通信を行う。
表示部6は、カメラ本体10の背面等に配置されたLCD(液晶ディスプレイ:Liquid Crystal Display)、有機EL等のディスプレイを有する。表示部6は、撮像素子2からの画像データに基づいてライブビューを行い、また再生時には記録部4に記録された画像を表示する。また、レンズ操作関連付け時には、レンズユニット20の操作部(本実施形態においては、リング操作部23a)と、機能を表すアイコンの表示を行う。表示部6は、撮像部からの電気信号に基づいて被写体画像を表示する表示部としての機能を果たす場合がある。
タッチパネル7は、表示部6の前面、または表示部6と一体に構成され、ユーザが表示部6をタッチした位置に応じた検出信号を信号処理及び制御部1に出力する。タッチパネル7は、各種カメラ設定において、画面のタッチ入力を行うことが可能である。また、レンズ操作関連付け時には、図2を用いて後述するように、レンズユニット20の操作部の画像と、機能を示すアイコンを、ユーザが関連付けする際の入力として利用される。
操作判定部8は、電源釦、レリーズ釦、再生釦、メニュー釦等、カメラ本体10の種々の操作部材の操作状態を判定する。信号処理及び制御部1は、操作判定部8によって判定された操作部材の操作状態に基づいて、種々の制御を実行する。
時計部9は、時計機能を有し、撮影時刻等の日時情報を取得し、また、信号処理及び制御部1による制御動作時における計時機能を果たす。通信部11は、前述したように、レンズユニット20との通信を行う。この通信部11は、レンズユニットの送信部から送信された操作部に関する情報を受信する受信部としての機能を果たす。
接眼ファインダ30には、接眼表示部31および通信部32が配置されている。通信部32は、カメラ本体10側の通信部5と通信を行う。接眼表示部31は、電子ファインダを有しており、通信部5および通信部32を介して入力した、画像を表示する。例えば、撮像素子2からの画像データに基づいて、ライブビュー表示を行う。接眼表示部31も撮像部からの電気信号に基づいて被写体画像を表示する表示部として機能する場合がある。
次に、図2を用いて、レンズ操作関連付け処理について説明する。図2(a)は、カメラ本体10にレンズユニット20および接眼ファインダ30を装着し、ユーザがカメラを構えて接眼ファインダ30を観察している様子を示す。このとき、ユーザの右手はカメラ本体10の上面に配置されたレリーズ釦の操作に集中し、左手はレンズユニット20を支えつつ、リング操作部23aを操作してピント合わせに集中している。このカメラのホールディング方法は、構図の決定やシャッタチャンスに備えることに合理的であるが、ユーザが操作・調節を行いたいのは、必ずしもピント合わせに限られない。そこで、本実施形態においては、レンズユニット20のリング操作部23aを、他の機能の調節にも使えるように、カメラ本体10側で関連付けを可能としている。
カメラ本体10側での関連付けは、レンズユニット20側のリング操作部23aを表す操作部画像6Lと、リング操作部23aに関連付ける機能を表すアイコン6i(図2(b)では、レンズユニット20側の機能である「ズーム」「MF」と、カメラ本体10側の機能である「モード」の3種類)を、表示制御部1dが表示部6に表示させ、ユーザは操作部23aに関連付けたい機能を表示部6の画面上で指示するようにしている。
画面上で関連付けの指示の仕方としては、まず、ユーザが操作部画像6Lをタッチし、そのまま関連付けたい機能を示すアイコン(図2(b)では「モード」)までタッチしたままでスライドする。このとき、レンズ操作関連付け部1aは、タッチ位置判定部1cからの判定結果に基づいて、リング操作部23aの機能を指示に従って設定する。図2(b)に示す例では、「モード」が設定される。
リング操作部23aの機能として「モード」が設定されると、表示制御部1dは、「モード」の下位モード6mを接眼表示部31に表示する。下位モード6mが表示される際には、ユーザが接眼ファインダ30を覗くと、図2(c)に示されるような画面、すなわち、「モード」の下位モードである「露出」「ストロボ」「セルフ」等が表示される。このとき、下位モードの表示中に、被写体像が見えると紛らわしいことからライブビュー表示は消去している。
この状態で、ユーザがリング操作部23aの回転操作を行うと、レンズ操作判定部1bは操作状態を判定し、この判定結果に基づいて表示制御部1dは、回転方向に沿って、順次、選択した下位モード6mを移動させる。図2(b)に示す例では、現在選択中の下位モードは色等を変えさせ、視認を容易にしているが、これに限らず、点滅等の方法により選択中であることが識別できるようにしてもよい。
選択中の下位モードの確定方法としては、本実施形態においては、レリーズ釦を押した際に行うようにしている。前述したように、下位モードの表示中には、被写体像が見えると紛らわしいことからライブビュー表示は消去しており、ユーザが誤って撮影のためにレリーズ釦を操作するおそれがないことから、レリーズ釦を下位モードの確定用に使用している。なお、この方法以外にも、例えば、所定時間の間、いずれかの下位モードを選択していた場合や、またOK釦等、他の操作部材の操作によって確定するようにしても勿論かまわない。
図2(c)に示す画面において、下位モードの選択が確定すると、次に、下位モードに応じて決まるパラメータの切換えを行う。図2(d)に示す例では、下位モードとして露出が確定され、表示制御部1dが接眼表示部31に露出補正のパラメータ調整を行うための画面を表示している様子を示す。この状態で、リング操作部23aを回転操作すると、レンズ操作判定部1bが検出し、検出結果に基づいて露出補正値の変更をパラメータ表示6pに表示することができる。この露出補正用パラメータ表示時には、ライブビュー表示を再開させ、被写体の様子を見ながら露出補正用パラメータを調整できる。
図2(a)〜(d)における関連付けを行うと、操作部画像6Lと関連付けられた機能は、関連付結果としてカメラ本体10からレンズユニット20に送信される。関連付けられた機能がカメラ本体10の機能ある場合には、カメラ本体10は設定されたモードやパラメータに基づいて動作する。また関連付けられた機能がレンズユニット20の機能である場合には、レンズユニット20は設定されたモードに基づいて動作する。
次に、本発明の一実施形態における動作を図3ないし図7に示すフローチャートを用いて説明する。この動作は、図示しないカメラ本体10に配置されたメモリに記憶されているプログラムに従って信号処理及び制御部1が実行する。
図3に示すカメラ制御のフローが動作を開始すると、まず、レンズが交換されたか否かの判定を行う(S1)。ここでは、図示しないレンズ検出部等の検出結果に基づいてレンズユニット20がカメラ本体10に非装着状態から装着状態になったか否かを判定する。
ステップS1における判定の結果、レンズが交換された場合には、次に、操作部材変更可能レンズか否かの判定を行う(S3)。装着された交換レンズの機種によっては、リング操作部23a等の操作部の機能を変更できない場合がある。そこで、このステップでは、レンズユニット20と通信を行い、操作部材変更可能レンズであるか否かを判定する。
ステップS3における判定の結果、操作部材変更可能レンズであった場合には、次に、操作部画像通信を行う(S5)。装着されたレンズユニット20が操作部材変更可能レンズであることから、操作部を示す操作部画像6Lを、レンズユニット20からカメラ本体10に送信する。
操作部画像の通信を行うと、次に、関連付け操作を行う(S7)。ここでは、図2を用いて説明したように、リング操作部26aの操作を、複数の機能のうちのいずれかと関連付けを行う。この関連付け操作の詳細については、図4を用いて後述する。
ステップS7における関連付け操作が終わると、またはステップS1における判定の結果、レンズ交換がなされていなかった場合、またはステップS3における判定の結果、操作部材変更可能なレンズが装着されていなかった場合には、次に、撮影モードか否かを判定する(S9)。本実施形態に係わるカメラは、撮影モードと再生モードが選択でき、デフォルトモードとしては撮影モードが設定されている。
ステップS9における判定の結果、撮影モードでなかった場合には、次に、再生モードが設定されているか否かを判定する(S13)。再生モードは、例えば、再生釦が操作されると設定され、再度、再生釦が操作されると再生モードが解除される。この判定の結果、再生モードでなかった場合には、前述のステップS1に戻る。
ステップS13における判定の結果、再生モードであった場合には、画像再生モードを実行する(S15)。ここでは、カメラ本体10内の記録部4に記録された画像データを読出し、表示部6に再生表示を行う。画像再生を行うと、ステップS1に戻る。
前述のステップS11における判定の結果、撮影モードであった場合には、次に、撮像と画像表示を開始する(S11)。ここでは、撮像素子2において被写体像を光電変換し画像データを取得し、表示部6にライブビュー表示を開始する。
撮像と画像表示を開始すると、次に、レンズ通信を行う(S21)。ここでは、カメラ本体10の通信部11とレンズユニット20内の通信部22を介して、各種データや制御信号の通信を行う。例えば、撮影レンズ26の長焦点側焦点距離、単焦点側焦点距離、開放絞り、光学特性等、種々のデータや、また、レンズ関連付けを行う際に使用する操作部23の操作部画像6L等を通信する。レンズ通信の詳細については、図9を用いて後述する。
レンズ通信を行うと、次に、リング操作がなされたか否かを判定する(S23)。ここでは、レンズ操作判定部1bが、通信部11、22を介して入力したリング操作部23aの操作状態を示す信号に基づいて判定する。
ステップS23における判定の結果、リング操作がなされた場合には、次に、カメラ側での処理が必要か否かを判定する(S25)。ステップS7においてリング操作部23aが関連付けられた機能には、ズームやマニュアルフォーカスのようにレンズユニット20側での処理もあれば、モード処理のようにカメラ本体10側での処理がある。このステップでは、関連付けられた機能がカメラ本体10側で処理するか否かを判定する。
ステップS25における判定の結果、カメラ側での処理であれば、次にリングによるカメラ操作を行う(S27)。ここでは、図2(c)(d)を用いて説明したように、リング操作部23aの回転操作に応じて、下位モードの設定やパラメータの調節等を行う。このリングによるカメラ操作の詳しい動作については、図5を用いて後述する。
ステップS27においてリングによるカメラ操作を行うと、またはステップS23における判定の結果、リング操作がなされていない場合には、またはステップS25における判定の結果、関連付けられた機能の処理がカメラ側でない場合には、次に、撮影か否かの判定を行う(S29)。ユーザが接眼ファインダ30もしくは表示部6に表示された被写体を観察し、構図等を決めると、レリーズ釦を全押しする。このステップでは、レリーズ釦が全押しされたか否かに基づいて判定する。
ステップS29における判定の結果、撮影であった場合には、撮影及び記録を行う(S31)。ここでは、撮像素子2からの画像データを信号処理及び制御部1において画像処理を行った後、記録部4に画像データの記録を行う。撮影及び記録を行うとステップS1に戻る。
ステップS29における判定の結果、撮影でなかった場合には、機能変更操作がなされたか否かを判定する(S33)。カメラ本体10における操作部材、例えばヘルプ釦等を操作するか、メニュー画面等において機能変更操作を行うと、リング操作部23aの機能変更を行う。そこで、このステップでは、これらの機能変更操作がなされたか否かを判定する。この判定の結果、機能変更操作がなされていなかった場合には、ステップS1に戻る。
ステップS33における判定の結果、機能変更操作がなされた場合には、次に、レンズに機能変更要求を行う(S35)。ここでは、レンズユニット20との通信によって、機能変更要求を送信する。この後、ステップS3に進み、前述のステップS3〜S7において、リング操作部23aと機能の関連付けを行う。
このように、カメラ制御のフローにおいては、レンズ交換時や機能変更操作がなされた際に、レンズユニット20のリング操作部23aに複数ある機能の中からいずれか1つを選択し、関連付けている(S1〜S7、S33、S35)。また、関連付けられた機能がカメラ本体10側で処理を行う場合には、リング操作部23aの操作に応じて、カメラ本体10は処理を実行する。
次に、ステップS7における関連付け操作の詳しい動作について、図4を用いて説明する。関連付け操作のフローに入ると、まず、画像を受信したか否かを判定する(S41)。前述したように、ステップS5において操作部画像通信を行うので、このステップでは、この操作部画像を受信したか否かを判定する。レンズユニット20によっては、関連付け機能を有さず、操作部画像を送信しない場合もある。そこで、このステップで、画像の受信を確認している。
ステップS41における判定の結果、画像を受信した場合には、次に、レンズ画像の表示を行い(S43)、レンズに従ってアイコンを決定し表示する(S45)。ここでは、図2(b)を用いて説明したように、表示部6に操作部画像6Lとアイコン6iを表示する。操作部画像6Lは、レンズユニット20から送信された画像であり、またアイコン6iはカメラ本体10およびレンズユニット20の機能に応じて決まるアイコンである。操作部画像6Lとアイコン6iの表示方法の詳細については、図10を用いて後述する。なお、アイコン6iは一律に表示し、カメラ本体10およびレンズユニット20の機能に応じて実行できない機能については選択不可とするようにしても勿論かまわない。
次に、スライド検出か否かを判定する(S47)。図2(b)を用いて説明したように、ユーザがリング操作部23aに機能を関連付ける場合には、操作画像6Lにタッチした後、関連付けたいアイコン6iまでスライド操作を行う。このステップでは、タッチ位置判定部1cがタッチパネル7からの検出信号に基づいてスライド操作を行ったか否かを判定する。
ステップS47における判定の結果、スライド検出がない場合には、所定時間が経過したか否かを判定し(S57)、所定時間が経過しない場合には、ステップS47に戻る。ここでは、スライド検出をユーザがスライド操作を行うにかかる程度の時間の間、待機状態としている。
ステップS47における判定の結果、スライド検出されると、次に、スライド始点または終点が画像の操作部か否かを判定する(S49)。ここでは、タッチ位置判定部1cが、ユーザによるスライドの始点または終点の位置を検出し、この位置が操作部画像6L上または近傍にあるか否かを判定する。
ステップS49における判定の結果、スライド始点または終点が画像の操作部にあった場合には、次に、スライド始点または終点がアイコン部か否かを判定する(S51)。ここでは、タッチ位置判定部1cが、ユーザによるスライドの始点または終点の位置を検出し、この位置が複数のアイコン6iのいずれか1つにあるか、またはその近傍にあるか否かを判定する。
ステップS51における判定の結果、スライド始点終点がアイコン部にあった場合には、次に、操作部とアイコン機能を関連付ける(S53)。ここでは、操作部画像6Lに対応するリング操作部23aを、スライド先のアイコン6iに対応する機能に関連付けを行う。図2(b)に示した例では、リング操作部23aの機能をモード設定に関連付けを行う。
ステップS53において関連付けを行うと、次に、関連付け情報を送信する(S55)。ここでは、カメラ本体10から通信部11、22を介してレンズユニット20側に、ステップS53において行った関連付けの結果を送信する。関連付けとして「モード」が設定された場合には、レンズユニット20側はリング操作部23aの操作状態をカメラ本体10に送信するのみである。しかし、ズームやマニュアルフォーカスが設定された場合には、レンズユニット20の制御部21は、リング操作部23aの操作状態に応じてズーミングやマニュアルフォーカスを実行することになる。
ステップS57における判定の結果、所定時間が経過すると、またはステップS49における判定の結果、スライド始点終点が画像の操作部でなかった場合、またはステップS51における判定御結果、スライド始点終点がアイコン部でなかった場合には、次に、既に関連付けがなされているか否かを判定する(S59)。既に、ステップS53における関連付けがなされたか否かを判定する。
ステップS59における判定の結果、既に関連付けがなされていた場合には、前の関連付けを維持する(S61)。一方、ステップS59における判定の結果、関連付けが未だなされていなかった場合には、またはステップS41における判定の結果、画像を受信していなかった場合には、デフォルトの関連付けを行う(S63)。デフォルトとしては、適宜設計値として決めておけばよい。
ステップS63においてデフォルトの関連付けを行うと、またはステップS61において前の関連付けを維持すると、またはステップS55において関連付け情報の送信を行うと、元のフローに戻る。
このように関連付け操作においては、図2を用いて説明したように、ユーザのスライド操作に応じて、リング操作部23aを、アイコン6iに示されるような複数の機能の中からいずれか1つを選んで関連付けを行っている。
次に、ステップS27(図3参照)におけるリングによるカメラ操作について、図5を用いて説明する。このリングによるカメラ操作では、前述したように、関連付けのなされた機能がカメラ本体10で処理する場合に、リング操作部23aの回転操作に応じて、下位モードの設定やパラメータの調節等を行う。
リングによるカメラ操作のフローに入ると、まず、リング操作がなされたか否かの判定を行う(S71)。ここでは、レンズ操作判定部1bが、通信部11、22を介して入力したリング操作部23aの操作状態を示す信号に基づいて判定する。
ステップS71に判定の結果、リング操作がなされた場合には、次に、本体機能か否かを判定する(S73)。ここでは、ステップS53において関連付けられたリング操作部23aの機能がカメラ本体10側の機能であるか否かを判定する。
ステップS73における判定の結果、本体機能であった場合には、次に、モード切換か否かを判定する(S75)。モード切換であった場合には、図2を用いて説明したように、下位モードの設定を行うことから、このステップでは、関連付けられた機能がモード切換か否かを判定する。
ステップS75における判定の結果、モード切換であった場合には、次に、モード表示を行うと共に撮像画像をオフする(S77)。ここでは、図2(c)に示すように、「ストロボ」「露出」「セルフ」を接眼表示部31に表示し、また撮像素子2からの画像データに基づくライブビュー表示を消去する。
続いて、回転量の判定を行う(S79)。ここでは、レンズ操作判定部1bが、レンズユニット20からの信号に基づいて、リング操作部23aの回転方向および回転量を判定する。
回転量判定を行うと、次に、対応モードの切換えを行う(S81)。ここでは、ステップS79において判定したリング操作部23aの回転方向および回転量に応じて、対応モードの切換えを行う。図2(c)に示す例においては、リング操作部23aを時計方向に回転すると、「ストロボ」→「露出」→「セルフ」→「戻す」→「ストロボ」の順に、対応モードを切り換えていく。なお、「戻す」は、下位モード設定を終了するためのアイコンである。
対応モードの切換を行うと、次に、決定操作がなされたか否かを判定する(S83)。前述したように、下位モードの決定操作は、本実施形態においては、レリーズ釦の操作によって行うので、このステップでは、レリーズ釦の操作状態に基づいて判定する。
ステップS83における判定の結果、決定操作が行われた場合には、次に、下位モードがあるか否かの判定を行う(S85)。ステップS83において、下位モードとして露出が選択されると、下位モードがないが、選択された下位モードによっては、さらに下位モードが有る場合がある。そこで、このステップでは、さらに下位モードがあるか否かを判定する。なお、下位のモードとしては、例えば、ズーム操作が、光学ズームか電子ズームか、あるいはフォーカスが粗調か微調かがある。また、モード選択も、アートフィルターモードの下位には、どの画処理を選ぶか、あるいは、その程度やブレンドの有り無しなどが考えられる。さらに、メニューからストロボモードが選択されるような場合には、発光OFF、強制発光、セルフタイマー時間の切換え等がある。マルチレコーディング時には、サブ画像の数なども下位のモードで設定可能としてもよい。
ステップS85における判定の結果、さらに下位モードがある場合には、下位モードを表示し、モード切換を続行する(S87)。一方、判定の結果、さらに下位モードが無い場合には、モードを決定し、撮像画像の表示を再開する(S89)。ここでは、モードを決定すると共に、撮像素子2からの画像データに基づいてライブビュー表示を再開する。
ステップS75における判定の結果、モード切換でない場合には、パラメータ数値表示を行う(S91)。ここでは、さらなるモード切換がない場合であり、例えば、図2(d)に示すように、モード切換の下位モードである「露出」が決定された場合である。この場合には、ステップS91〜S95において、リング操作部23aの回転操作に応じてパラメータの調整を行う。このステップS91では、パラメータ調整を行うためのパラメータ数値の表示を行う。また、この時には、ライブビュー表示がなされているので、ユーザは被写体を見ながら、パラメータ調整を行うことができる。
パラメータ数値表示を行うと、次に、ステップS79と同様に、回転量判定を行う(S93)。ここでは、レンズ操作判定部1bが、レンズユニット20からの信号に基づいて、リング操作部23aの回転方向および回転量を判定する。回転量判定を行うと、次に、対応パラメータの切換を行う(S95)。ここでは、ステップS93において判定された回転量に応じて、パラメータ数値の切換えを行う。
ステップS95において対応パラメータの切換を行うと、またはステップS71における判定の結果、リング操作がなされていなかった場合、またはステップS73における判定の結果、本体機能でなかった場合、またはステップS83における判定の結果、決定操作がなされていない場合、またはステップS87においてモード切換継続を行うと、またはステップS89においてライブビュー表示の再開を行うと、元のフローに戻る。
このように、リングによるカメラ操作のフローでは、リング操作に応じて、モードの切換やパラメータ数値の切換を行っている。
次に、レンズユニット20側における処理について、図6および図7に示すフローチャートを用いて説明する。これらのフローはレンズユニット20内の制御部21がメモリ27内に記憶されたプログラムに従って実行される。
レンズ側における操作部画像通信について、図6を用いて説明する。この操作部画像通信は、ステップS5(図3参照)において、カメラ本体10側から操作部画像の送信要求がなされた際等に、レンズユニット20の制御部21が実行するフローである。
レンズ側操作部画像通信のフローに入ると、まず、レンズ交換、または変更要求があるか否かの判定を行う(S101)。レンズユニット20がカメラ本体10に装着されたことを検出した場合、またはカメラ本体10から操作部画像の送信の要求を受信したか否かを判定する(ステップS35(図3)参照)。
ステップS101における判定の結果、レンズ交換または変更要求があった場合には、次に、通信可能か否かの判定を行う(S103)。ここでは、通信部22、11を介して、カメラ本体10と通信が可能であるか否かを判定する。
ステップS103における判定の結果、通信が可能であった場合には、次に、操作部画像の送信を行う(S105)。ここでは、メモリ27に記憶されているリング操作部23aの画像(操作部画図6Lに対応する)をカメラ本体10に送信する。
操作部画像を送信すると、次に、関連付け情報を関連付け情報を受信したか否かの判定を行う(S107)。カメラ本体10は、操作部とアイコン機能を関連付けると、ステップS55(図4参照)において、関連付け情報を送信するので、このステップでは、この情報を受信したか否かを判定する。
ステップS107における判定の結果、関連付け情報を受信すると、次に、関連付け情報から操作部判定を行い(S109)、操作部と機能を関連付けする(S111)。ここでは、受信した関連付け情報から、指定された操作部(本実施形態では、リング操作部23a)に、ステップS53(図4参照)においてユーザが指定した機能の関連付けを行う。これにより、例えば、リング操作部23aの機能として、ズームミングやマニュアルフォーカス等を割り当てることが可能となる。
ステップS111において、操作部と機能の関連付けを行うと、またはステップS101における判定の結果、レンズ交換または変更要求がなかった場合には、またはステップS103における判定の結果、通信可能でなかった場合には、またはステップS107における判定の結果、関連付け情報を受信しなかった場合には、レンズ側の操作部画像通信を終了し、元のメインフローに戻る。
このように、レンズ側の操作部画像通信のフローでは、操作部画像を送信し、また関連付け情報を受信すると操作部に機能の関連付けを行う。
次に、レンズ側の通信について、図7に示すフローチャートを用いて説明する。連通信のフローに入ると、まず、レンズ状態の判定を行う(S121)。ここでは、位置検出部25a、25bやリング操作部23a、レンズ操作部23b等によって、レンズユニット20内のレンズ位置、絞り口径、リング操作部23aの回転状態等、種々のレンズ状態を判定する。
レンズ状態を判定すると、次に、レンズ制御操作がなされた否かを判定する(S123)。ここでは、ズーミングやマニュアルフォーカス等のリング操作部23aの回転によって、レンズユニット20を制御する操作か否かを判定する。関連付け情報によって、リング操作部23aがズーミングやマニュアルフォーカス等が設定されている場合には、判定結果が、Yesとなる。ステップS123における判定の結果、レンズ制御操作であった場合には、レンズ制御を行う(S125)。ここでは、リング操作部23aの操作状態に応じた操作を実行する。
ステップS125においてレンズ制御を行うと、またはステップS123における判定の結果、レンズ制御操作でなかった場合には、次に、通信か否かを判定する(S127)。ステップS21(図3参照)において、カメラ本体10側では通信を行うので、このときの通信要求に対応してレンズユニット20側でも通信を行う。
ステップS127における判定の結果、通信であった場合には、次にレンズ状態通信を行う(S129)。ここでは、カメラ本体10からの要求に応じて、レンズユニット20の状態を送信する。レンズ状態通信を行うと、レンズ制御を行う(S131)。ここでは、レンズ通信によってカメラ本体10側から、レンズ制御に関する指示がなされていた場合に、これに応じた制御を行う。例えば、カメラ本体10からAF制御の指示がなされた場合には、AF制御指示に従ってピント合わせ等の制御を行う。
ステップS131においてレンズ制御を行うと、またはステップS127における判定の結果、通信を行わない場合には、レンズ通信のフローを終了し、元のメインフローに戻る。
このように、レンズ通信では、レンズ状態に応じた制御を行い、またカメラ本体10から制御信号を受信した場合には、制御信号に応じた制御を行う。
次に、カメラ本体10とレンズユニット20の間における信号のやり取りついて図8を用いて説明する。図8(a)は、操作部に機能を関連付ける際の信号のやり取りを示す。まず、時刻T1において、カメラ本体10でレンズユニット20の装着を行うか(図3のS1)、または機能変更の要求(図3のS35参照)を行うと、時刻T2において、レンズユニット20は操作部画像(レンズ画像)の送信を行う(図6のS105参照)。カメラ本体10は操作部画像を受信すると、時刻T3において操作部画像の表示を行う(図4のS43参照)。
また、図2を用いて説明したようにユーザが関連付け操作を行うと、まず、時刻T4においてタッチの始点にあたるタッチ信号1をカメラ本体10からレンズユニット20に送信し、時刻T5においてタッチの終点にあたるタッチ信号2をカメラ本体10からレンズユニット20に送信する。ここで、タッチ信号1、2をレンズユニット20に送信しているのは、カメラ本体10側からレンズユニット20側に関連付け操作がなされていることを通知するためである。これによって、レンズユニット20側の制御部21に操作中信号を送信したことになり、レンズユニット20における不測の制御等を防止することが可能となる。操作中の誤動作を防止するためにも、重要な信号となる。時刻T6において操作部材と機能の関連付けがなされ、関連付け情報がレンズユニット20に送信される(図4のS53、S55、図6のS109、S111)。
なお、本実施形態においては、スライド判定はカメラ本体10側で行っているが、レンズユニット20側でスライド判定を行うようにしてもよい。この場合、スライドの始点と終点の情報が必要なことからタッチ開始された位置とタッチが終了した位置の情報を1回ずつ送信する。しかし、これに限らず、スライドの軌跡を表わすようなタッチ点情報を次々と送るようにしてもよい。これらの場合には、レンズユニット20側で、この軌跡より始点終点を判定するように構成すればよい。
図8(b)は、レンズ操作時における信号のやり取りを示す。時刻T11において、カメラ本体10は、レンズユニット20に対して、通信要求を行う(図3のS21参照)。時刻T12において、レンズユニット20は、通信要求に対して、レンズ状態通信を行い(図7のS129参照)、時刻T13において、カメラ本体10は対応機能ある場合は切換を行う(図3のS27参照)。同様の動作を、時刻T14〜T16、時刻T17〜T19において繰り返す。
次に、ステップS21(図3参照)等において行われるカメラ本体10とレンズユニット20の間で行われる同期通信の詳細について、図9に示すタイミングチャートを用いて説明する。図9において、横軸は時間の流れを表し、縦軸にそれぞれの処理内容やタイミングを示す。カメラ本体処理において、処理B1では、前フレームで取得した画像データによりライブビュー画像の表示や、AF評価値の算出を行う。また処理B2では、レンズ状態通信により取得したレンズ状態データに基づいて、AF演算や各種設定変更等を行う。
垂直同期信号は、各フレームに対応して出力される信号である。撮像・読出しでは、撮像素子2において被写体像を撮像し、この撮像した画像データの読み出しを行う。なお、撮像・読出しが、図9において、菱形形状をしているのは、本実施形態においては、ライブビュー画像の取得時はローリングシャッタを採用しており、画素ラインごとに撮像と読出しを順次行うためである。
レンズ通信における通信BLでは、カメラ本体10からレンズユニット20にレンズ状態データ要求コマンドを送信し、このコマンドはレンズユニット20のレンズ状態を示すデータをカメラ本体10に送信することを要求する。また通信LBでは、レンズ状態データ要求コマンドに応じて、レンズユニット20がカメラ本体10にレンズ状態を示すデータを送信する。
レンズ通信同期信号は、カメラ本体10において垂直同期信号に応答して生成され、このレンズ通信同期信号はカメラ本体10の通信部11の同期信号端子よりレンズユニット20に出力される。レンズ位置取得信号は、所定のタイミング、例えば図9に示す例では、撮像素子2における電荷蓄積時間の略中央時点を経過した時点で状態が変化する。
また、レンズユニット20内における処理L1は、レンズ位置取得信号の状態変化タイミングでの撮影レンズ26内の焦点調節レンズの位置情報の取得、およびレンズ通信同期信号の受信タイミングでのリング操作部23aの操作状態の検出を行う処理である。また処理L2は、カメラ本体10から受信したレンズ状態データ要求コマンドに応じて、焦点調節レンズの位置情報や、リング操作部23aの操作状態等のレンズ状態データを送信する処理である。
図9のタイミングチャートに示すように、本実施形態における同期通信では、垂直同期信号に同期してカメラ本体10内において処理B1を実行し、また、垂直同期信号に同期してレンズ通信同期信号をレンズユニット20に送信する。
カメラ本体10内において処理B1を処理すると、レンズユニット20に対して通信BLによって、レンズ状態データ要求コマンドを送信する。レンズユニット20はレンズ状態データ要求コマンドを受信すると、レンズ状態を検出し、通信LBによってレンズ状態データを送信する。カメラ本体10はレンズ状態データを受信すると、処理B2を実行する。
また、レンズユニット20内において、位置検出部25a、25bがレンズ位置を取得する処理L1はレンズ位置取得信号に同期して実行する。このレンズ位置取得信号は所定のタイミング、図9の例においては、撮像素子2の画面中央による電荷蓄積時間の1/2が経過した時点で発生する。レンズユニット20は、レンズ位置取得信号の状態変化のタイミングで撮影レンズの位置を検出する位置検出部25a、25bによって焦点調節レンズの位置情報を取得する。これらの同期通信は、全体としては、レンズ通信同期信号に同期して実行される。
次に、操作部画像6Lの表示方法について、図10を用いて説明する。図10(a)は、操作部画像6Lの画像データの座標を示している。図10(a)に示すように、操作部画像6Lの左下隅の座標を(0,0)とし、右上隅の座標を(XL,YL)とし、画像を2等分する線分の下隅の座標を(XL/2,0)とし、この線分の上隅の座標を(XL/2,YL)とする。これらの座標と共に、操作部画像6Lの画像データがメモリ27に記憶されている。
この操作部画像6Lの画像データが、レンズユニット20からカメラ本体10に送信されると、図10(b)に示すように、表示部6の表示パネル上の座標(X0,Y0)から(X1,Y1)に表示される。この表示位置の制御は、信号処理及び制御部1内の表示制御部1dによって行われる。
操作部画像6Lの座標は、レンズユニット20内のメモリ27が、(XL/2,0)から(XL/2,YL)の間として記憶しているので、この情報をカメラ本体10側の表示制御部1dが取得すると、表示パネル上で、(XL+(X1+X0)/2,Y0)から、(X0+(X1+X0)/2,Y1)の間の位置がタッチされたことをタッチ位置検出部1cが検出すれば、ユーザが操作部画像6Lをタッチしたことを判定することができる。
また、アイコン6iは、カメラ本体10の表示制御部1dが表示制御していることから、複数のアイコンの内のいずれがタッチされたかは、タッチ位置判定部1cによって判定することができる。なお、本実施形態においては、カメラ本体10側の表示制御部1dが表示制御を行っていたが、これに限らず、レンズユニット20内の制御部21が一部または全部を行うようにしてもよい。
次に、操作部画像の変形例について、図11を用いて説明する。本発明の一実施形態においては、操作部画像6Lは画像によって表示していた。しかし、これに限らず、文字や記号等によって表示しても勿論かまわない。例えば、図11に示すように、レンズリング6La、レンズスイッチ6Lbと表示してもよい。本変形例では、リング操作部23aに対応するレンズリング以外に、レンズ操作部23bに対応するレンズスイッチも関連付けを可能としている。
次に、操作部の変形例について、図12ないし図14を用いて説明する。この操作部の変形例では、リング操作部23a以外に、レンズ操作部23bによっても関連付けを行うようにしている。この変形例は、図12に示すように、リング操作部23aは、レンズユニット20の鏡筒の周囲を回転自在であると共に、光軸方向に沿って前後に摺動する。すなわち、図12(a)では、リング操作部23aは光軸方向の前側にある位置Aにあり、図12(b)では、光軸方向の後ろ側にある位置Bに位置している。レンズ操作部23bは、位置Aにあるか位置Bへのスライド機構であり、図示しないスイッチによって、スライド位置A,Bを検出する。
図13は、操作部の変形例における表示部6での表示を示す。図13(a)は、ステップS43、S45において、操作部の画像とアイコンが表示されている状態である。この図13(a)においては、操作部画像6Lが、リング操作部23aが位置Aおよび位置Bに移動可能であることを示し、またアイコン6iが関連付け可能な機能を表示している。
図13(a)の表示状態で、ユーザが「A←→B」と「モード」をタッチすると、図13(b)に示すように、リング操作部23aを前後にスライドすることによりモードを変更するという機能を設定することができる。さらに、リング操作部23aを前後にスライドするために、設定されたモードが、図13(c)に示すように、「トリミング」「露出」「AF」と順次、変更される。なお、図13(c)に示す例では、「トリミング」が選択されている。
図14は、図13(c)において、トリミングが設定された場合におけるトリミング方法を示す。今、リング操作部23aが位置Aあるとすると、図14(a)に示すように、接眼表示部31に、ライブビュー表示に重畳して操作部表示31aと、光学ズームの範囲を示す枠31bが表示される。この状態で、リング操作部23aを位置Bに向けて光軸方向にスライド(シフト)させると、トリミングモードに切り換わる。
この状態では、図14(b)に示すように、顔検出部3によって検出された顔位置を中心にして、枠31bが表示される。操作部表示31aの脇に「拡大・縮小」と表示されることから、ユーザは、リング操作部23aの回転操作により、トリミングで拡大・縮小可能であることを理解できる。
図14(a)の状態に戻してから、さらに、リング操作部23aを位置Bに向けて光軸方向にスライド(シフト)させると、トリミング位置を横方向に変更させることができる。すなわち、操作部表示31aの脇に「横移動」と表示されることから、ユーザは、リング操作部23aの回転操作により、トリミング位置が横移動することを理解できる。
図14(a)の状態に戻してから、さらに、リング操作部23aを位置Bに向けて光軸方向にスライド(シフト)させると、トリミング位置を縦方向に変更させることができる。すなわち、操作部表示31aの脇に「縦移動」と表示されることから、ユーザは、リング操作部23aの回転操作により、トリミング位置が縦移動することを理解できる。
このように、操作部の変形例においては、複数の操作部(リング操作部23aおよびレンズ操作部23b)のそれぞれに機能を関連付けるようにしている。複数の操作部に対して、機能を割り付けることにより、操作部と機能の組合せが多くなり、バリエーションに富んだ機能の割り当てが可能となる。また、関連付け部は、リング操作部がカメラ本体の機能と関連付けられると、リング操作部の回転量に応じて、モードの切換及び/またはパラメータの切換えを行う。
なお、本変形例においては、リング操作部23aと、レンズ操作部23bとしてのスライド操作の例を説明したが、これに限らず、スイッチ等を設け、多種多様な組み合わせにすることができる。
また、本変形例を実行するためのフローチャートは、図3ないし図7に示したフローチャートにおいて、各操作部ごとに関連付けを行うようにすればよい。
以上説明したように、本発明の一実施形態やその変形例においては、レンズユニット20内のリング操作部26a等の操作部に関する情報を表示部6に表示し、操作部に関する情報を種々の機能の中から選択して関連付けるようにしている。このため、鏡筒に設けられた操作部材を、任意の機能に本体側から関連付けを行うことを可能とすることができる。また、本発明の一実施形態やその変形例に示すように、撮影時に見て操作しやすい背面パネルを利用すれば、撮影時のホールディング状態が大きく変わらずにすむ。また、撮影時に余計な動作をしなくとも、迅速に各種設定が可能でシャッタチャンスを逃すことがなく、操作部を探すためにカメラを色々な角度から確認する必要もなく、撮影に専念することが可能となる。手ぶれ防止の効果なども期待できる。
なお、本発明の一実施形態やその変形例においては、関連付けを行う際のユーザの関連付け動作をタッチパネル7からの検出信号に基づいて行っていた。しかし、操作部に関する情報と、カメラ本体もしくはレンズユニットの機能に関連付ける際のユーザの操作は、タッチパネルに限らず、例えば、十字釦等、他の操作部材によって検出するようにしても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態やその変形例においては、関連付けを行う際のモード切換やパラメータ調整は、リング操作部23aの回転操作によって行っていた。しかし、これに限らず、関連付け後は、カメラ本体10側の操作部材によって切換や調整を行うようにしても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態やその変形例においては、関連付けを行う機能として、レンズユニット20およびカメラ本体10の両方の機能を対象としていたが、いずれか一方であっても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態やその変形例においては、関連付けを行う際の表示部としては、カメラ本体10の背面等に配置された表示部6と、接眼ファインダ30内の接眼表示部31のいずれで行うようにしていたが、この選択は適宜、変更してもよく、またいずれか一方のみで行うようにしても構わない。また、表示部はライブビュー表示用の表示パネルを兼用したが、専用の表示部を設けてもよく、また他の用途の表示部で兼用するようにしても構わない。
また、本発明の一実施形態やその変形例においては、レンズユニットは交換レンズであったが、カメラ本体と一体のレンズユニットであっても勿論かまわない。
また、本発明の一実施形態やその変形例においては、撮影のための機器として、デジタルカメラを用いて説明したが、カメラとしては、デジタル一眼レフカメラでもコンパクトデジタルカメラでもよく、ビデオカメラ、ムービーカメラのような動画用のカメラでもよい。
また、特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず」、「次に」等の順番を表現する言葉を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
本発明は、上記実施形態にそのまま限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素の幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。