以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態では、本発明に係る撮像装置をデジタルカメラに適用した場合を例として説明するが、撮像装置はこれに限定されるものではなく、一眼レフカメラやビデオカメラなどにも適用できる。
図1は、本実施形態に係るデジタルカメラ100の外観図を示している。表示部28は、画像や各種情報を表示する。シャッターボタン61は、撮影指示を行うための操作部である。モード切り替えスイッチ60は、各種モードを切り替えるための操作部である。コネクタ112は、パーソナルコンピュータやプリンタなどの外部機器と接続するための接続ケーブル111とデジタルカメラ100とのコネクタである。操作部70は、ユーザからの各種操作を受け付ける各種スイッチ、ボタン、タッチパネル等の操作部材を用いて構成される。コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材である。電源スイッチ72は、電源オン、電源オフを切り替えるための押しボタンである。記録媒体200は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体である。記録媒体スロット201は、記録媒体200を格納するためのスロットである。記録媒体スロット201に格納された記録媒体200は、デジタルカメラ100との通信が可能となり、記録や再生が可能となる。蓋202は、記録媒体スロット201の蓋である。図においては、蓋202を開けて記録媒体スロット201から記録媒体200の一部を取り出して露出させた状態を示している。
図2は、本実施形態におけるデジタルカメラ100の構成例を示すブロック図である。図2において、レンズ鏡筒(不図示)内に保持された撮影レンズ103は、変倍用のズームレンズと焦点調節用のフォーカスレンズ、防振レンズを含むレンズ群である。撮影レンズ103に含まれる各レンズは、後述するシステム制御部50によって駆動が制御される。操作部70に含まれるズーム操作部材を介して変倍を指示するズーム操作が行われると、ズーム操作に応じてシステム制御部50によりズームレンズが駆動される。
シャッター101は、絞り機能を備えるシャッターである。撮像部22は、光学像を電気信号に変換するCCDやCMOS素子等を用いて構成される撮像素子である。A/D変換器23は、アナログ信号をデジタル信号に変換する。A/D変換器23は、撮像部22から出力されるアナログ信号をデジタル信号に変換するために用いられる。バリア102は、デジタルカメラ100の、撮影レンズ103を含む撮像系を覆うことにより、撮影レンズ103、シャッター101、撮像部22を含む撮像系の汚れや破損を防止する。
画像処理部24は、A/D変換器23からのデータ、又は、メモリ制御部15からのデータに対し所定の画素補間、縮小といったリサイズ処理や色変換処理を行う。また、画像処理部24では、撮像した画像データを用いて所定の演算処理が行われ、得られた演算結果に基づいてシステム制御部50が露光制御や焦点検出制御を行う。これにより、TTL(スルー・ザ・レンズ)方式のAF(自動焦点調節)処理、AE(自動露出調節)処理、EF(フラッシュプリ発光)処理が行われる。画像処理部24では更に、撮像した画像データを用いて所定の演算処理を行い、得られた演算結果に基づいてTTL方式のAWB(オートホワイトバランス)処理も行っている。
A/D変換器23からの出力データは、画像処理部24及びメモリ制御部15を介して、或いは、メモリ制御部15を介してメモリ32に直接書き込まれる。メモリ32は、A/D変換器23によりデジタルデータに変換された画像データや、表示部28に表示するための画像データを格納する。メモリ32は、所定枚数の静止画像や所定時間の動画像および音声を格納するのに十分な記憶容量を備えている。
また、メモリ32は画像表示用のメモリ(ビデオメモリ)を兼ねている。D/A変換器13は、メモリ32に格納されている画像表示用のデータをアナログ信号に変換して表示部28に供給する。こうして、メモリ32に書き込まれた表示用の画像データは、D/A変換器13を介して表示部28により表示される。表示部28は、LCD等の表示器上に、D/A変換器13からのアナログ信号に応じた表示を行う。A/D変換器23によって一度A/D変換されメモリ32に蓄積されたデジタル信号をD/A変換器13においてアナログ変換し、表示部28に逐次転送して表示する。これにより、表示部28が電子ビューファインダとして機能し、スルー画像表示(ライブビュー表示)を行うことができる。
不揮発性メモリ56は、電気的に消去・記録可能な記録媒体としてのメモリであり、例えばEEPROM等が用いられる。不揮発性メモリ56には、システム制御部50の動作用の定数、プログラム等が記憶される。ここでいう、プログラムとは、本実施形態にて後述する各種フローチャートを実行するためのコンピュータプログラムである。
システム制御部50は、CPUなどのプログラマブルプロセッサを有し、デジタルカメラ100全体を制御する。システム制御部50は、前述した不揮発性メモリ56に記録されたプログラムを実行することで、後述する本実施形態の各処理を実現する。システムメモリ52には、RAMが用いられる。システムメモリ52には、システム制御部50の動作用の定数、変数、不揮発性メモリ56から読み出したプログラム等を展開する。また、システム制御部50は、メモリ32、D/A変換器13、表示部28等を制御することにより表示制御も行う。なお、システム制御部50の制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェアが処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。システムタイマー53は、各種制御に用いる時間や、内蔵された時計の時間を計測する計時部である。
モード切り替えスイッチ60、シャッターボタン61、操作部70は、システム制御部50に各種の動作指示を入力するための操作手段である。前述したように、操作部70はユーザがズーム操作を行うためのズーム操作部材を含む。ズーム操作部材の形態は、少なくともズームの方向を指示可能なものであれば特定の形態に限定されず、レバー部材や回転可能なリング部材などでもよい。また、ズーム操作部材の操作量や操作速度に応じて、ズームレンズの移動量や移動速度を変更してもよい。リング部材の場合、ズームレバーよりも微妙な画角調整を行いやすく、特にレンズ鏡筒周りに設けられたリング部材であれば、一眼レフカメラのようなズーム操作を行うことが可能である。また、操作部70は、後述するズーム駆動モードを切り替えるためのズーム切り替え部材を含む。ズーム切り替え部材の形態は特定の形態に限定されず、ボタンやスイッチ部材などでもよい。
モード切り替えスイッチ60は、システム制御部50の動作モードを静止画記録モード、動画撮影モード、再生モード等のいずれかに切り替える。静止画記録モードに含まれるモードとして、オート撮影モード、オートシーン判別モード、マニュアルモード、撮影シーン別の撮影設定となる各種シーンモード、プログラムAEモード、カスタムモード等がある。モード切り替えスイッチ60を介して、メニューボタンに含まれるこれらのモードのいずれかに直接切り替えることができる。あるいは、モード切り替えスイッチ60でメニューボタンに一旦切り換えた後に、メニューボタンに含まれるこれらのモードのいずれかに、他の操作部材を用いて切り替えるようにしてもよい。同様に、動画撮影モードにも複数のモードが含まれていてもよい。
第1シャッタースイッチ62は、デジタルカメラ100に設けられたシャッターボタン61の操作途中、いわゆる半押し(撮影準備指示)でONとなり第1シャッタースイッチ信号SW1を発生する。第1シャッタースイッチ信号SW1により、システム制御部50は、AF処理、AE処理、AWB処理、EF処理等の撮影準備動作を開始する。
第2シャッタースイッチ64は、シャッターボタン61の操作完了、いわゆる全押し(撮影指示)でONとなり、第2シャッタースイッチ信号SW2を発生する。システム制御部50は、第2シャッタースイッチ信号SW2により、撮像部22からの信号読み出しから記録媒体200に画像データを書き込むまでの一連の撮影動作を開始する。
操作部70には、表示部28に表示される種々の機能アイコンを選択操作することなどにより、場面ごとに適宜機能が割り当てられ、各種機能ボタンとして作用する操作部材が含まれる。機能ボタンとしては、例えば終了ボタン、戻るボタン、画像送りボタン、ジャンプボタン、絞込みボタン、属性変更ボタン等がある。例えば、メニューボタンが押されると各種の設定可能なメニュー画面が表示部28に表示される。利用者は、表示部28に表示されたメニュー画面と、上下左右の4方向ボタンやSETボタンとを用いて直感的に各種設定を行うことができる。
コントローラホイール73は、操作部70に含まれる回転操作可能な操作部材であり、方向ボタンと共に選択項目を指示する際などに使用される。コントローラホイール73を回転操作すると、操作量に応じて電気的なパルス信号が発生する。システム制御部50は、このパルス信号に基づいてデジタルカメラ100の各部を制御する。このパルス信号によって、コントローラホイール73が回転操作された角度や、回転数などを判定することができる。なお、コントローラホイール73は回転操作が検出できる操作部材であればどのようなものでもよい。例えば、ユーザの回転操作に応じてコントローラホイール73自体が回転してパルス信号を発生するダイヤル操作部材であってもよい。また、タッチセンサーよりなる操作部材で、コントローラホイール73自体は回転せず、コントローラホイール73上でのユーザの指の回転動作などを検出するものであってもよい(いわゆる、タッチホイール)。
電源制御部80は、電池検出回路、DC−DCコンバータ、通電するブロックを切り替えるスイッチ回路等により構成され、電池の装着の有無、電池の種類、電池残量の検出を行う。また、電源制御部80は、その検出結果及びシステム制御部50の指示に基づいてDC−DCコンバータを制御し、必要な電圧を必要な期間、記録媒体200を含む各部へ供給する。
電源部30は、アルカリ電池やリチウム電池等の一次電池やNiCd電池やNiMH電池、Li電池等の二次電池、ACアダプター等を用いて構成される。記録媒体I/F18は、メモリカードやハードディスク等の記録媒体200とのインターフェースである。記録媒体200は、撮影された画像を記録するためのメモリカード等の記録媒体であり、半導体メモリや光ディスク、磁気ディスク等から構成される。
通信部54は、無線または有線ケーブルによって接続し、映像信号や音声信号等の送受信を行う。通信部54は無線LAN(Local Area Network)やインターネットとも接続可能である。通信部54は、撮像部22で撮像した画像(スルー画像を含む)や、記録媒体200に記録された画像を送信可能であり、また、外部機器から画像データやその他の各種情報を受信することができる。
姿勢検知部55は、重力方向に対するデジタルカメラ100の姿勢を検知する。姿勢検知部55で検知された姿勢に基づいて、撮像部22で撮影された画像が、デジタルカメラ100を横に構えて撮影された画像であるか、縦に構えて撮影された画像なのかを判別可能である。システム制御部50は、姿勢検知部55で検知された姿勢に応じた向き情報を撮像部22で撮像された画像の画像ファイルに付加することや、画像を回転して記録することが可能である。姿勢検知部55としては、加速度センサーや角速度センサー、ジャイロセンサーなどを用いることができる。
上述したデジタルカメラ100では、中央1点AFや顔AFを用いたAF制御が可能である。中央1点AFとは、撮影画面内の中央位置の1点のAFエリアから取得した信号を用いたAFである。顔AFとは、顔検出機能によって検出された撮影画面内の顔領域から取得した信号を用いたAFである。
顔検出機能について説明する。システム制御部50は、顔検出対象の画像データを画像処理部24に送る。システム制御部50の制御下で画像処理部24は、当該画像データに水平方向バンドパスフィルタを作用させる。また、システム制御部50の制御下で画像処理部24は処理された画像データに垂直方向バンドパスフィルタを作用させる。これら水平及び垂直方向のバンドパスフィルタにより、画像データよりエッジ成分が検出される。システム制御部50は、検出されたエッジ成分に関してパターンマッチングを行い、目及び鼻、口、耳の候補群を抽出する。そして、システム制御部50は、抽出された目の候補群の中から、予め設定された条件(例えば2つの目の距離、傾き等)を満たすものを、目の対と判断し、目の対があるもののみ目の候補群として絞り込む。そして、システム制御部50は、絞り込まれた目の候補群とそれに対応する顔を形成する他のパーツ(鼻、口、耳)を対応付け、また、予め設定した非顔条件フィルタを通すことで、顔を検出する。システム制御部50は、顔の検出結果に応じて上記顔情報を出力し、処理を終了する。このとき、顔の数などの特徴量をシステムメモリ52に記憶する。
以上のようにライブビュー表示あるいは再生表示される画像データを画像解析して、画像データの特徴量を抽出して被写体情報を検出することが可能である。本実施例では被写体情報として顔情報を例に挙げたが、被写体情報には他にも赤目判定や目の検出、目つむり検出、笑顔検出等の様々な情報がある。なお、顔検出の方法は上記の方法に限定されない。
また、顔AFとともに、顔AE、顔FE、顔WBを行うことができる。顔AEとは、検出された顔の明るさに合わせて、画面全体の露出を最適化することである。顔FEとは、検出された顔を中心にフラッシュの調光をすることである。顔WBとは、検出された顔の色に合わせて画面全体のWBを最適化することである。
システム制御部50に含まれる防振レンズ制御部は、姿勢検知部55に含まれる角速度センサーから角速度信号を振れ量である角度信号に変換し、撮影レンズ103に含まれる防振レンズの駆動部に対して駆動指示を送る。システム制御部50に含まれるズームレンズ制御部(ズーム制御手段)は、撮影レンズ103に含まれるズームレンズの駆動部に対して、駆動の速度や変更する倍率(目標位置)などの駆動指示を送る。本実施形態において、ズームレンズ制御部は、ズーム操作部材を介したズーム操作を受け付け、ズーム操作に基づいてズームレンズの駆動を制御する。システム制御部50に含まれるフォーカスレンズ制御部(フォーカス制御手段)は、撮像部22上に焦点を合わせるよう、撮影レンズ103に含まれるフォーカスレンズの駆動部に対して駆動指示を送る。
デジタルカメラ100は、画像を再生するための再生モードと、撮影を行うための撮影モードとを切り替えることが可能であり、撮影モードとしては、オートモードやマニュアルモード、複数のシーン別撮影モードを備えている。オートモードは、カメラの各種パラメータが、計測された露出値に基づいてデジタルカメラ100に組み込まれたプログラムにより自動的に決定されるモードである。マニュアルモードは、カメラの各種パラメータをユーザが自由に変更可能なモードである。シーン別撮影モードとは、撮影シーン別にその撮影シーンに適したシャッター速度や絞り値、ストロボ発光状態、感度設定、ホワイトバランス(WB)設定等を組み合わせることによって実現される撮影モードである。
図3は、本実施形態におけるデジタルカメラ100の全体的な動作に関するフローチャートである。電源スイッチ72が操作され電源がオンに切り替わると、システム制御部50は、S301において、フラグや制御変数等を初期化する。
S302において、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の設定位置を判断し、撮影モードに設定されていたならばS304へ進み、それ以外に設定されていたならばS303へ進む。
S303において、システム制御部50は、モード切り替えスイッチ60の設定位置を判断し、再生モードに設定されていたならばS305へ進み、それ以外に設定されていたならばS306へ進む。
S304において、システム制御部50は、撮影モード処理を行う。撮影モード処理の詳細は、図4を用いて後述する。
S305において、システム制御部50は、記録媒体200に記録された動画像の再生を行う再生モード処理を行う。S306において、システム制御部50は、その他のモードに関わる処理を行う。その他のモードとしては、記録媒体200に格納されたファイルの送受信を行う通信モード等が含まれる。
S307において、システム制御部50は、電源スイッチ72がオフであるか否かを判定し、電源オンに設定されていればS302へ戻り、電源オフに設定されていればS308へ進む。
S308において、システム制御部50は、フラグや制御変数等を不揮発性メモリ56に格納するなど、電源OFFに関わる処理を行う。電源OFF処理が完了するとデジタルカメラ100の動作を終了する。
以降では、システム制御部50に含まれるズームレンズ制御部によるズームレンズの駆動指示の形態として、予め決められた所定のズーム倍率(画角)に段階的に切り替わるズーム駆動(ステップズーム)を第1のズーム駆動モードとする。また、レンズ鏡筒が停止可能なズーム位置のすべてに対応してズーム倍率を設定可能なズーム駆動(シームレスズーム)を第2のズーム駆動モードとする。第1のズーム駆動モードにおいては、ズームレンズが段階的に駆動され、第2のズーム駆動モードにおいては、ズームレンズが連続的に駆動される。
図4は、図3のS304における撮影モード処理を示すフローチャートである。
S401において、システム制御部50は、撮影モード初期化処理を行う。初期化処理とは、フラグや制御変数等を含むパラメータや設定値、設定モードを不揮発性メモリ56から読み出す等の処理である。また記録媒体200の状態を確認し、異常等があれば後述の撮影情報表示時に警告等を表示する。
S402において、システム制御部50は、撮像部22を通して取得された画像を、表示部28にスルー画像として表示する。また、撮影モードに関わる情報表示を、スルー画像に重畳して表示部28に表示する。図8は、撮影モード処理の画面例を示す模式図である。図8(a)は、撮影情報表示例であり、被写体803を含むスルー画像801には撮影に関わる情報802が重畳して表示されている。撮影に関わる情報802の例として、動画記録可能な時間、各種撮影パラメータ、記録媒体の異常を含む、各種エラー表示等が含まれる。
S403において、システム制御部50は、ズームレンズの駆動を第1のズーム駆動モード(ステップズーム)に初期設定する。初期設定のズーム駆動モードはこれに限定されないが、ここでは、まずはユーザが大まかに画角を調整することを考慮して、速やかに画角を変更するのに適した第1のズーム駆動モードが設定されるようにしている。
S404において、システム制御部50は、シャッターボタン61がSW1(62)押下状態であるか否かを判断する。押下された場合はS405へ進み、そうでなければS406へ進む。
S405において、システム制御部50は、撮影処理を行う。撮影処理については、図5を用いて後述する。
S406において、システム制御部50は、操作部70に含まれるズーム操作部材が操作されたか否かを判断する。操作された場合はS407へ進み、そうでなければS409へ進む。
S407において、システム制御部50は、ズーム操作部材の操作に基づいてズームレンズを駆動させ、ズーム倍率を変更する。ここでのズームレンズの駆動は、初期状態ではS403で設定された第1のズーム駆動モードとなるが、後述する操作によって切り替えられた場合には、切り替え後のズーム駆動モードとなる。図8(c)は、第1のズーム駆動モードが設定されているときの表示例であり、ズーム倍率を示すズームバー807と、設定可能な焦点距離を示すゲージ808が表示されている。図8(d)は、第2のズーム駆動モードが設定されているときの表示例であり、ズーム倍率を示すズームバー809のみ表示されている。
ズームレンズの駆動が行われると、S408において、システム制御部50は、コンティニュアスAF処理を行う。コンティニュアスAF処理については図7を用いて後述する。
S409において、システム制御部50は、ズーム駆動モードを変更するズーム切り替え部材が操作されたか否かを判断する。操作された場合はS411へ進み、そうでなければS414へ進む。
なお、本実施形態は、ズーム駆動モードの切り替え専用の切り替え部材を設けるものに限定されず、操作部材に割り当てる機能を切り替える機能切り替え部材を設け、操作部材に割り当てる機能を切り替え可能にしてもよい。図8(b)は、切り替え画面の表示例であり、選択ダイアログ804内に、操作部材に割り当てる機能805が羅列され、カーソル806が表示されている。ユーザは本画面において操作部70に含まれる十字ボタンなどを用いてカーソル806を移動させて、操作部材に割り当てる機能の切り替えを行う。画面例上は複数の機能を割り当て可能な例としているが、ズーム機能に絞ってシンプルにしてもよい。
S411において、システム制御部50は、変更後のズーム駆動モードが第1のズーム駆動モードか否かを判断する。第1のズーム駆動モードであればS412へ進み、そうでなければS413へ進む。
S412において、システム制御部50は、ズームレンズの駆動モードを第1のズーム駆動モードに設定する。S413において、システム制御部50は、ズームレンズの駆動モードを第2のズーム駆動モードに設定する。
S414において、システム制御部50は、終了操作がなされたか否かを判断する。終了操作がなされた場合は処理を終了し、そうでなければS415へ進む。
S415において、システム制御部50は、その他の処理を行う。ここでは、例えば各種撮影パラメータの設定変更操作に応じた処理などが含まれる。また、後述するコンティニュアスAF処理はS407のズーム駆動後にのみ行うように記載しているが、その他のタイミングでも実行してもよい。
なお、図4では、第1のズーム駆動モードと第2のズーム駆動モードをユーザが任意に切り替え可能として説明しているが、撮影待機中(シャッターボタン61がSW1押下される前の状態)は第1のズーム駆動モードのみが設定されるようにしてもよい。
なお、図8(c)(d)でズーム操作中の画面表示例を説明したが、表示する情報はこれに限られない。例えば、ズーム操作部材の操作方向と、ズームの方向(TELE/WIDEの方向)を結びつけてユーザに示すために、操作部材の操作方向などをアイコン表示してもよい。これにより、操作方向を誤って画角調整に失敗する可能性を低減することができる。
図5は、図4のS405における撮影処理を示すフローチャートである。
S501において、システム制御部50は、ズームレンズが駆動中か否かを判断する。駆動中であればS502へ進み、そうでなければS503へ進む。このステップは、S407におけるズーム駆動が開始されている状態でS404においてシャッターボタン61がSW1(62)押下された場合に、ズーム駆動を停止させてから以降の撮影処理を行うために設けられている。S502において、システム制御部50は、撮影レンズ103に含まれるズームレンズを停止可能な位置まで駆動させる。
S503において、システム制御部50は、AE処理およびAF処理を行う。ここでのAF処理は、後述するコンティニュアスAF処理ではなく、スキャンAF処理である。スキャンAF処理とは、フォーカスレンズを所定の範囲駆動しながら後述する焦点評価値を取得するスキャン動作を行い、焦点評価値がピークとなる位置を合焦位置としてフォーカスレンズを合焦位置に駆動する処理である。図8(e)はAEおよびAF結果を示す画面表示例であり、AFおよびAEを行って撮影準備が完了した状態であることを示す撮影準備完了表示810と、ピントが合った箇所を示すAF枠811が表示されている。
S504において、システム制御部50は、ズームレンズの駆動モードを第2のズーム駆動モード(シームレスズーム)に設定する。
S505において、システム制御部50は、ズーム操作部材が操作されたか否かを判断する。操作された場合はS506へ進み、そうでなければS508へ進む。
S506において、システム制御部50は、ズーム操作部材の操作に基づいてズームレンズを駆動させ、ズーム倍率を変更する。ここでのズームレンズの駆動は、S504で設定された第2のズーム駆動モードである。すなわち、図5の処理においては、AEおよびAF後(撮影準備完了後)にズーム操作部材が操作された場合、シームレスズームによりズームレンズが駆動される。ここでは、シャッターボタン61がSW1(62)押下される時点ですでに大まかな画角が決定されていることを考慮して、撮影準備完了後に行われるズーム操作に対しては、画角の微調整に適した第2のズーム駆動モードが設定されるようにしている。
ズームレンズの駆動が行われると、S507において、システム制御部50は、コンティニュアスAF処理を行う。ここでのコンティニュアスAF処理はS408と同様であり、図7を用いて後述する。
S508において、システム制御部50は、シャッターボタン61がSW2(64)押下状態であるか否かを判断する。押下された場合はS509へ進み、そうでなければS513へ進む。
S509において、システム制御部50は、静止画撮影処理を行う。静止画撮影処理については図6を用いて後述する。
S510において、システム制御部50は、撮影した画像のレビュー表示を行う。S511において、システム制御部50は、撮影した画像を記録する。
S512において、システム制御部50は、スルー画像表示を行い、S508へ戻る。ここでシャッターボタン61がSW2(64)押下状態を継続していた場合は、再びS509からS512の処理を行う。
S513において、システム制御部50は、シャッターボタン61がSW2(64)押下状態ではなく、SW1(62)押下状態であるか否かを判断する。押下状態である場合はS505へ戻り、そうでなければS514へ進む。
S514において、システム制御部50は、ズームレンズの駆動モードをシャッターボタン61がSW1(62)押下される前に設定されていたズーム駆動モードに戻す。シャッターボタン61がSW1(62)押下される前から第2のズーム駆動モードが設定されていた場合には、第2のズーム駆動モードが維持される。
図6は、図5のS509における静止画撮影処理を示すフローチャートである。
S601において、システム制御部50は、撮影開始時にその日時をシステムタイマー53より取得し、システムメモリ52に記憶する。
S602において、システム制御部50は、システムメモリ52およびメモリ32に記憶される測光データに従い、絞り機能を有するシャッター101を絞り値に応じて駆動する。
S603において、システム制御部50は、撮像部22(撮像素子)の露を開始光する。S604において、システム制御部50は、測光データに従って露光が終了したか否かを判断する。終了していなければS605へ進み、終了していればS607へ進む。
S605において、システム制御部50は、ズーム操作部材が操作されたか否かを判断する。操作された場合はS606へ進み、そうでなければS604へ進む。このステップは、いわゆる露光間ズームを可能とするための処理である。
S606において、システム制御部50は、ズーム操作部材の操作に基づいてズームレンズを駆動させ、ズーム倍率を変更する。ここでのズームレンズの駆動モードは、図6ではS504で設定された第2のズーム駆動モードになるが、第1のズーム駆動モードに切り替えてもよい。
なお、S606におけるズームレンズの駆動後には、コンティニュアスAF処理をあえて行っていない。これは、露光間ズーム中は基本的に合焦をしている必要性が低いという思想に基づくが、ズームレンズの駆動に応じてコンティニュアスAF処理を行っても良い。
S607において、システム制御部50は、シャッター101を閉じるよう制御する。この処理は、S606におけるズームレンズの駆動が完了していなくても行われる。これは、ズームレンズ駆動の完了を待つことで、露光時間が変化してしまうことを防ぐためである。
S608において、システム制御部50は、ズームレンズが駆動中か否かを判断する。駆動中であればS609へ進み、そうでなければS610へ進む。S609において、システム制御部50は、ズームレンズを停止可能な位置まで駆動させる。
S610において、システム制御部50は、撮影した画像データをメモリ32に記憶する。S611において、システム制御部50は、撮影した画像データに対して必要な画像処理、圧縮処理などを行う。
図7は、図4のS408と図5のS507で実行されるコンティニュアスAF処理を示すフローチャートである。ここでのコンティニュアスAFとは、カメラが待機状態にある(シャッターボタン61がSW1押下されていない)場合でも、所定のタイミングで被写体の焦点状態を評価し、合焦した状態になるようにフォーカスレンズを自動的に駆動させる機能である。具体的には、焦点評価値が高くなる方向を判定しながらフォーカスレンズを駆動させ、焦点評価値がピークとなる位置が検出されたら、当該位置を合焦位置としてフォーカスレンズを駆動させる。コンティニュアスAF処理は、前述したスキャンAF処理と比較して急激なピントの変化が起こりにくく、スルー画像の表示中や動画記録中のAFに適している。
S701において、システム制御部50は、AFに用いる焦点評価値(焦点信号)を取得するための画像領域(AF領域)を決定する。このAF領域はユーザが任意に指定可能としてもよいし、顔検出結果などを用いてシステム制御部50が決定してもよい。なお、ここでの焦点評価値は、画像データの所定の周波数成分に基づいて生成される信号であって、焦点評価値が高いほど画像の鮮鋭度が高いことを示す。
S702において、システム制御部50は、S701で決定された領域の焦点評価値を取得する。S703において、システム制御部50は、S702で取得した焦点評価値と、過去に取得された焦点評価値とを比較する。焦点評価値のピークが判断された場合は、当該ピークとなる位置へフォーカスレンズを駆動し、合焦完了として処理を終了する。まだ判断ができなければ、S704へ進む。
S704において、システム制御部50は、S702で取得した現在の焦点評価値と、前回取得した焦点評価値を比較する。現在の評価値のほうが高ければS706へ進み、そうでなければS705へ進む。
S705において、システム制御部50は、S702で取得した焦点評価値が下がり始めたことから、フォーカスレンズが合焦位置を通り過ぎたと判断し、フォーカスレンズの駆動方向を反転する。
S706において、システム制御部50は、フォーカスレンズを所定量駆動する。
なお、コンティニュアスAF処理を行っている最中に、ズーム操作などの優先度が高い処理ユーザ操作などにより発生した場合は、本処理を終了する。その際、それまでに取得した焦点評価値は破棄するが、メモリ32などに格納しておくことで、次回のコンティニュアスAF処理の際に用いてもよい。これにより、合焦位置を探すまでの時間を短縮できる場合がある。
また、S408(撮影待機中のコンティニュアスAF処理)とS507(SW1保持中のコンティニュアスAF処理)とで、処理に差を設けても良い。例えば、撮影待機中においては、大きな画角変更のためのズーム操作が頻繁に行われることを想定し、ズーム駆動が完了して所定時間経過した後で、コンティニュアスAF処理を開始してもよい。これにより、頻繁にコンティニュアスAF処理が行われることを防ぎ、電力消費量を抑えるなどの効果が得られる。また、ズーム操作中にコンティニュアスAF処理が割り込むことがなくなるため、ズーム倍率を素早く変更することが可能となる。一方、SW1保持中に行われるズーム操作は、画角の微調整を目的とするものと想定し、ズーム駆動が一回終了する毎にコンティニュアスAF処理を速やかに開始してもよい。これにより、常にピントが合った状態を維持しつつ、画角の微調整を行うことが可能である。
また、例えば、撮影待機中かSW1保持中かによって、S706におけるフォーカスレンズの駆動量を変えても良い。撮影待機中は画角決定前であるためにピントが大きくずれることが多いことを想定して、フォーカスレンズの単位駆動量(一回あたりの駆動量)を相対的に大きくする。一方、SW1保持中はユーザがすでにカメラをしっかり構え、S503におけるAF処理も行っているために、ピントが大きくずれることは少ないと想定して、フォーカスレンズの単位駆動量を相対的に小さくする。これにより、場面に応じてコンティニュアスAF処理におけるS701から706のループ回数を最適化でき、より素早く合焦を行うことができる。
また、撮影待機中に第2のズーム駆動モードが設定されている場合のズーム駆動と、S506(SW1保持中)のズーム駆動に差を設けても良い。例えば、撮影待機中は大きく画角を変えることが多いことを想定して、ズームレンズの単位駆動量を相対的に大きくする。一方、SW1保持中は画角の微調整が多いことを想定して、ズームレンズの単位駆動量を相対的に小さくする。また、S606における露光間ズームを行う際には、さらにズームレンズの単位駆動量を変化させてもよい。また、上記のズーム駆動量やフォーカスレンズ駆動量などは、ユーザが選択可能としてもよい。
以上説明したように、本実施形態では、第1のズーム駆動モード(ステップズーム)と第2のズーム駆動モード(シームレスズーム)を切り替えてズーム駆動を行う構成を有する。特に、撮影待機中では画角を速やかに変更するため第1のズーム駆動モードを用いることが想定されるが、撮影準備動作が指示されたら第2のズーム駆動モードに切り替えることで、画角の微調整に適したズーム駆動の指示を受け付ける構成とする。これにより、撮影準備動作を指示した後の画角調整を容易に行うことが可能となる。
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明は特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。