JP2017175301A - プロジェクタ、及びプロジェクションシステム - Google Patents

プロジェクタ、及びプロジェクションシステム Download PDF

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Abstract

【課題】重畳領域と非重畳領域の黒色の輝度を一致させるための調整を行った後に、投射光量を調整する処理を行った場合においても、投射映像全体の黒色の輝度が不均一な状態になってしまうことを抑制すること。
【解決手段】光変調素子によって変調された光を被投射面に投射することにより画像を表示するプロジェクタであって、前記被投射面に投射する光の光量を調整する調光手段と、前記プロジェクタが投射した画像と、他のプロジェクタが投射した画像とが被投射面上で重畳する重畳領域と重畳しない非重畳領域との黒色の輝度を揃えるように、前記非重畳領域の黒色の輝度を上げる黒調整手段と、前記黒調整手段による黒色の輝度の調整量を、前記調光手段による光量の調整と明暗逆側に調整する第一の制御手段を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、プロジェクタ、及びプロジェクションシステムに関し、特に投射光量の動的な制御及び黒色の輝度調整に関する。
従来、投射する映像の情報量を向上させたり、明るさを向上させたりする目的で、複数のプロジェクタを用いた映像の投射が行われていた。例えば、情報量を向上させるために、複数のプロジェクタによる投射映像を並列させて、一つの大画面を構成するマルチ投射(或いは、マルチプロジェクション、タイリング)と呼ばれる手法が用いられていた。
このようなマルチ投射を行う場合、隣り合うプロジェクタの投射映像同士を一切重ねずに投射させるようにプロジェクタを設置することは困難であるため、隣り合う投射映像の一部を重ねて投射する場合があった。この際、それぞれのプロジェクタで投射する映像の表示位置を調整し、投射映像が重なる部分の映像を同一のものとすることで、つなぎ目を目立たなくさせていた。
しかし、投射映像の一部を重ねて投射すると、各プロジェクタからの投射映像が重畳する領域(以下、重畳領域)に同じ映像を投射したとしても、重畳領域の明るさが重畳していない領域(以下、非重畳領域)と比べて明るくなり、視聴の妨げになってしまう。以下、この状態で重畳領域に生じてしまう明るい部分を黒浮模様と言う。
そこで、特許文献1は、補助照明装置を用いて、非重畳領域の輝度を加算する(明るくする)調整をする複数のプロジェクタユニットから成るマルチプロジェクションディスプレイを開示している。
また、従来、投射する映像のコントラストを向上させたり、視認性を向上させたりする目的で、プロジェクタの投射光量の動的な調整が行われていた。例えば、コントラストを向上させるために、映像が暗い場合に光源の光量を下げたり、絞りを用いて投射光量を下げたりする手法が知られていた。
そこで、特許文献2は、電気光学装置を照明する光強度すなわち光量を瞬時に制御できる照明装置を用いて、投射画像のコントラスト比を向上させ、高画質な投射画像を表示できるプロジェクタを開示している。
特開2005−275077号公報 特開2002−303931号公報
図7(a)は特許文献1の補助照明装置を用いて非重畳領域の黒色の輝度を加算する調整を行った後の投射映像全体である。図7(b)は図7(a)の状態から、図上でLと表示されている側のプロジェクタの投射光量が下がった場合の投射映像全体である。
また、図8(a)は画像処理を用いて非重畳領域の黒色の輝度を加算する調整を行った後の投射映像全体である。図8(b)は図8(a)の状態から、図上でLと表示されている側のプロジェクタの投射光量が下がった場合の投射映像全体である。
図7と図8を比較すると、図7(a)と図8(a)は同じ映像が投射されるが、図7(b)と図8(b)は異なる映像が投射される。しかし、投射映像の黒色の輝度が不均一になってしまう点は図7(b)も図8(b)も変わらない。
図7(b)と図8(b)に示したように、黒浮模様の発生を抑制するために黒色の輝度を調整する処理を行った後に、特許文献2に開示された方法で投射光量を調整すると、投射映像の黒色の輝度が不均一になってしまう。
上記の課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、
光変調素子によって変調された光を被投射面に投射することにより画像を表示するプロジェクタであって、前記被投射面に投射する光の光量を調整する調光手段と、前記プロジェクタが投射した画像と、他のプロジェクタが投射した画像とが被投射面上で重畳する重畳領域と重畳しない非重畳領域との黒色の輝度を揃えるように、前記非重畳領域の黒色の輝度を上げる黒調整手段と、前記黒調整手段による黒色の輝度の調整量を、前記調光手段による光量の調整と明暗逆側に調整する第一の制御手段と、該プロジェクタが投射している光の光量の変化を検知する検知手段と、前記黒調整手段による黒色の輝度の調整量を、前記検知手段によって検知した光量の変化と明暗同じ側に調整する第二の制御手段を有することを特徴とする。
また、本発明に係るプロジェクションシステムは、
前述した本発明のプロジェクタ複数台からなるプロジェクションシステムであって、プロジェクタ間で相互に情報を伝達可能な通信手段と、前記通信手段を介して各プロジェクタの光量の情報を取得する光量取得手段と、を有すると共に、前記検知手段は、前記通信手段により光量の情報を取得して、光量の変化を検知する検知手段であることを特徴とする。
本発明に係るプロジェクタによれば、重畳領域と非重畳領域の黒色の輝度を一致させるための調整を行った後に、投射光量を調整する処理を行った場合においても、投射映像全体の黒色の輝度が不均一な状態になることを抑えることができる。
本発明の第1の実施形態であるプロジェクタの構成を示すブロック図 重畳領域と非重畳領域の輝度を揃える黒調整の説明図 黒調整のオフセット設定に関するメニュー画面を示す図 黒調整の境界位置設定に関するメニュー画面を示す図 光量調整機能の設定に関するメニュー画面を示す図 本発明の第1の実施形態における処理のフローチャート 補助照明装置による黒調整の後に調光した場合の説明図 画像処理による黒調整の後に調光した場合の説明図
以下、本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1を参照して、本発明の第1の実施形態のプロジェクタについて説明する。
映像入力部10からは、外部のPC等から映像信号が入力される。映像入力部10には、コンポジット端子やHDMI(登録商標)端子等の映像信号を入力するための端子と、それらの端子を通じて入力された映像信号を受信するためのレシーバIC等が設けられている。また、映像入力部10には、解像度変換やIP変換を行う回路、フレームメモリ等も含まれており、様々なフォーマットの映像信号を、所望のフォーマットの映像信号に変換することもできる。
GUI部50は、UI部40の制御に従い様々な画像を描画し、映像信号に対して描画した画像を重畳する。GUI部50は、例えば、映像信号全体の明るさを調整するための画面や、マルチ投射を行う場合には非重畳領域の黒色の輝度を調整するための画面等、画像の各種設定を行うためのメニュー画面を重畳する。
GUI部50から出力された映像信号は、画像処理部100で種々の画像処理が適用された後に、映像投射部20から投射される。
画像処理部100は、黒調整手段としての黒調整部110を有する。画像処理部100は、種々の画像処理機能を実行する他の処理部を有していてもよい。
黒調整部110は、映像信号の一部の領域の信号レベルをオフセットするものであり、信号レベルを加算する方向(輝度を上げる方向)にのみ調整可能である。
この機能を用いれば、例えば、図2(a)と図2(b)のような映像信号を重畳する際に、非重畳領域の信号レベルのみをオフセットさせて(輝度を上げて)、図2(c)、図2(d)に示す映像信号を生成できる。
これにより、マルチ投射した際に、図2(e)に示すように重畳領域と非重畳領域の輝度が揃った映像信号を投射できる。
映像投射部20は、液晶パネルやパネルドライブIC、ランプ、投射レンズ等からなり、画像処理部100から送られてきた映像信号を液晶パネルで変調し、該変調光を投射光学系により被投射面上に投射する。
光量調整部80は、映像投射部20と同じく画像処理部100から送られてくる映像信号を受け、画像の明るさを計算すると共に、該計算結果に基づき、映像投射部20のランプ電圧を制御することで、プロジェクタの投射光量を調整する。
通信部90は、RS232CやRJ‐45等の通信信号を送受信するための端子と、それらの端子を通じて通信信号を送受信するためのレシーバIC等が設けられている。また、通信部90には、CPUやメモリも含まれており、様々な形態の通信を他の装置とやり取りすることができ、当該プロジェクタと共にマルチ投射を構成している他のプロジェクタの投射光量等の情報を取得することもできる。
操作入力部30は、赤外線受光部やコントロール信号受信端子と、受信した各種情報を操作入力として認識するためのマイコン等からなる。操作入力部30では、常に操作入力の有無の監視を行い、操作入力を受け付けると、通信等で直ちにその情報をUI部40に通知する。
UI部40は、操作入力部30から送られてくる操作入力情報に基づき、GUI部50及び画像処理部100に対する様々な制御を行う。UI部40は、画像処理に関する設定開始の操作入力を受けた場合、GUI部50に対して、画像処理の設定を行うための設定項目を並べたメニュー画面を映像信号に重畳するよう制御を行う。また、UI部40は、メニュー画面表示中に、特定の画像処理に対する設定項目を選択する操作入力を受けると、その画像処理に対する設定を行うためのメニュー画面に表示を切り替える。そして、当該画像処理に対する設定変更の操作入力を受けると、UI部40は、画像処理部100に対して、その設定に従った制御を行うと共に、変更した設定の内容をメニュー画面に表示する。
ここで、黒調整部110は信号レベルを加算する(上げる)方向にのみオフセットすることが可能であるため、図3のような、黒調整部110のオフセットの設定を行うためのメニュー画面表示が表示される。
また、黒調整部110の重畳領域と非重畳領域の境界の設定を行うためのメニュー画面として、図4に示すメニュー画面が表示される。図4に示すメニュー画面は、2台のプロジェクタによるマルチ投射時の黒調整を行うための画面である。
実際に、ユーザーが行う設定の手順としては、まず、図4のメニュー画面を操作することにより、現在操作しているプロジェクタの投射映像の上下左右どの側面で他のプロジェクタの投射映像と重畳させるのかを設定する。
さらに、重畳させる領域の幅、つまり、重畳領域と非重畳領域の境界位置を設定する。その後に図3のメニュー画面を表示させ、黒色の輝度のオフセット量を設定する。
本実施形態の図3のメニュー画面においては、オフセットを示すパラメータが0の状態は、黒調整が行われていない状態であるものとする。
図4のメニュー画面を介して、光量調整部80による投射光量の調整に関する設定操作入力を受けた場合、UI部40は、GUI部50に対して、設定用メニュー画面として、図5に示す画像を映像信号に重畳するよう制御する。そして、図5のメニュー画面を介して、投射光量の自動調整機能の設定を変更する操作入力を受けると、UI部40は、光量調整部80と制御手段としての制御部70に変更した設定を通知するとともに、変更した設定の内容をメニュー画像に表示する。
ここで、制御部70は、黒調整部110に対して黒調整の設定がされていない場合は、何も行わない。
一方で、黒調整部110に対して黒調整の設定がされている場合は、光量調整部80によって投射光量が変更されたか否かを監視し、光量が変更された場合は、重畳領域と非重畳領域の間に生じた輝度差をキャンセルするよう黒調整部110の設定値を変更する。つまり、黒調整部110によって調整される輝度の絶対値が、被投射面上で変化しないよう制御しているともいえる。
また、通信部90を介して、当該プロジェクタと共にマルチ投射を構成している他のプロジェクタの投射光量が変更したことを検知した場合も、同じように、重畳領域と非重畳領域の間に生じた輝度差をキャンセルするよう黒調整部110の設定値を変更する。
これにより、黒調整部110を用いて黒浮模様を目立たせなくするための設定を行った後に、プロジェクタの投射光量が変化しても、黒調整部110に対する設定をし直す必要が無くなり、利便性の向上を図ることが可能となる。
また、マルチ投射する際に、各プロジェクタが各々光量を調整した際にも、投射画像の黒浮模様の発生を抑え、黒色の輝度が均一な映像を投射できる。
図6に、制御部70によって行われる、黒調整部110への制御処理のフローチャートを示している。この処理は、制御部70がコンピュータープログラム(制御プログラム)に従って実行する。
図6に示すフローは一定時間(例えば100ミリ秒)毎に開始されるものとする。
処理が開始されると、ステップS10において、制御部70は、図5のメニュー画面を介して投射光量の自動調整機能が有効化されているか否かを判定する。光量調整部80による投射光量の自動調整機能が有効化されている場合はステップS20に進み、それ以外の場合は本フローを終了する。
ステップS20において、制御部70は、黒調整部110に対して黒色の輝度をオフセットする設定がされているか否かを判定し、設定がされている場合はステップS30に進み、設定がされていない場合は本フローを終了する。
ステップS30において、制御部70は、光量調整部80から光量の調整量を取得し、前回取得した光量の調整量に基づき、光量の変化量を求める。
ステップS40において、制御部70は、ステップS30で求めた光量の変化量に基づき、変化していた場合はステップS50に進み、変化していなかった場合は本フローを終了する。
ステップS50において、制御部70は、黒調整部110に対して、黒色の輝度のオフセット量の変更を行う。この黒色の輝度のオフセット量の変更は、ステップS30で求めた光量の変化量に基づいて行い、光量の変化を打ち消すようにオフセット量を変更する。
そして、黒色の輝度のオフセット量の変更を終えた後、本フローを終了する。
なお、図6に示すフローについて、光量調整部80による自動調整機能が有効化されている場合について説明したが、本フローは、通信部90を介して、他のプロジェクタの光量変化を監視する場合にも適用可能である。この場合、ステップS10においては、監視対象となるプロジェクタで光量調整中か否かを判定し、ステップS30においては、監視対象となるプロジェクタの光量の変化量を求める。
ステップS50による黒調整の輝度設定の変更は、本フローを実行しているプロジェクタ自体の光量が変化した場合は、光量が暗く変化した場合はオフセット量を増やし、光量が明るく変化した場合はオフセット量を減らす。一方で、監視対象となる他のプロジェクタの光量が変化した場合は、光量が暗く変化した場合はオフセット量を減らし、光量が明るく変化した場合はオフセット量を増やす。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
上記実施形態では、制御部70による黒調整部110に対する黒色の輝度のオフセット量の設定変更のタイミングが、一定時間毎に開始されるフローの処理タイミングである場合について説明した。しかし、オフセット量の設定変更のタイミングはこれ以外でも良く、ソフトウェアの割り込み処理等を用いて、光量調整部80により光量が変更されるタイミングで実施するようにしても良い。同様に、通信部90によるデータの送受信が発生したタイミングで実施するようにしても良い。
また、上記実施形態における画像処理部100に、GUI部50や光量調整部80等を含めた構成としてもよい。また、例えば、画像処理部100とGUI部50が行う処理の順序が逆であっても良いし、GUI部50が他の画像処理機能を有していてもよい。
また、上記実施形態では、2台のプロジェクタを用いてマルチ投射を行う場合について説明した。しかし、マルチ投射を行うプロジェクタは2台より多くてもよく、互いのプロジェクタの存在や位置関係(どの領域で、どのプロジェクタと投射映像が重畳されているのか)を検知、若しくは、設定する手段を備える構成としてもよい。さらに、黒色の輝度について、重畳領域を複数領域に区分けして、各々の領域に別のオフセット量を設定できる黒調整機能を有していてもよい。
また、上記実施形態では、他のプロジェクタの光量の変化を通信によって検知する場合について説明した。しかし、他のプロジェクタの光量の変化について、通信を用いず、プロジェクタに入力された映像のみから判断する構成としてもよい。例えば、他のプロジェクタが表示する映像領域を予め設定可能な構成とし、該映像領域の輝度の情報から、他のプロジェクタの光量がどのように調整されるのかを判断する構成としてもよい。
また、本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。
即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
70 制御部、80 光量調整部、100 画像処理部、110 黒調整部

Claims (3)

  1. 光変調素子によって変調された光を被投射面に投射することにより画像を表示するプロジェクタであって、
    前記被投射面に投射する光の光量を調整する調光手段と、
    前記プロジェクタが投射した画像と、他のプロジェクタが投射した画像とが被投射面上で重畳する重畳領域と重畳しない非重畳領域との黒色の輝度を揃えるように、前記非重畳領域の黒色の輝度を上げる黒調整手段と、
    前記黒調整手段による黒色の輝度の調整量を、前記調光手段による光量の調整と明暗逆側に調整する第一の制御手段を有することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 該プロジェクタとは異なる請求項1記載のプロジェクタが投射している光の光量の変化を検知する検知手段と、
    前記黒調整手段による黒色の輝度の調整量を、前記検知手段によって検知した光量の変化と明暗同じ側に調整する第二の制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 請求項2に記載のプロジェクタ複数台からなるプロジェクションシステムであって、
    プロジェクタ間で相互に情報を伝達可能な通信手段と、
    前記通信手段を介して各プロジェクタの光量の情報を取得する光量取得手段と、
    を有すると共に、
    前記検知手段は、
    前記通信手段により光量の情報を取得して、光量の変化を検知する検知手段であることを特徴とするプロジェクションシステム。
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