JP2016197768A - 画像投射システム及び投射画像の制御方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】投射レンズと投射領域に投射した投射画像との間に障害物が存在する場合に、障害物を容易に回避し、より好適な投射画像を決定する画像投射システム及び投射画像の制御方法を提供する。【解決手段】画像信号入力部104より入力された画像信号に応じて画像情報を表示する画像表示素子(液晶パネル102)を含む画像表示系112と、画像表示系で表示される画像情報を投射面に投射する投射光学系110と、投射光学系によって投射された投射画像を撮像する撮像手段3と、撮像手段で得られた画像情報に基づいて投射光学系の一部を駆動して投射面に投射された投射画像の投射位置の調整及び投射画像の大きさの変更の少なくとも一方を制御する制御手段4を有する。【選択図】図2

Description

本発明は、液晶プロジェクタなどに用いられる画像投射システム及び投射画像の制御方法に関し、投射レンズと投射領域の投射画像との間に障害物が存在する際の障害物を避けて投射するようにした画像投射システムに関するものである。
液晶プロジェクタなどの画像投射装置を用いて画像を投射する場合、外光補正や色むら補正などの各種自動補正が行われている。自動補正では多くの場合、投射画像をカメラ(撮像装置)で撮影し、そこから得られる画素値などの情報を元に自動補正を行う。その際、カメラの撮像画角に投射像全体を収めること、投射画像内に障害物が存在しないように撮像すること等が重要となる。従来、投射画像を撮影して投射画像の中に障害物があるか否かの検知を行い、障害物があるときは、その障害物を避けるように投射領域を決定する手法を用いた画像投射システムが知られている(特許文献1、2)。
特許文献1では、投射領域のXYZ値を計測(センシング)し、投射領域のエッジ検出を行うことで障害物を検知する。その後、投射領域のうち障害物の存在しない投射可能領域を決定し、入力信号とのアスペクト比が一致する領域に入力画像、もしくはレンズ拡大率を調整する方法を用いた画像投射システムが用いられている。また、特許文献2では、投射レンズと投射領域との間に存在する障害物の検知後、障害物に重ならないように画像の圧縮や分割、レンズシフト等によって投射画像の移動を行い、画像の視認性を高めた画像投射システムが開示されている。
特開2007−323084号公報 特開2013−064827号公報
特許文献1の画像投射システムでは、投射対象領域全体を事前にセンシングしている。このため、障害物を避けて投射するには投射レンズのレンズシフトを含めて動作させる際に、非常に時間がかかってしまうことがある。特許文献2に開示された画像投射システムでは、画像のアスペクト比に対して画像圧縮することで縮小を行っている。しかしながら投射レンズのレンズをシフトして大きな投射領域を探索しようとする場合に画像を拡大することが難しい。また、投射画像の一部に圧縮画像や分割画像を割り当てるため、投射画像の解像度が低下する傾向があった。
本発明は、投射レンズと投射領域に投射した投射画像との間に障害物が存在する場合に、障害物を容易に回避し、より好適な投射画像を決定することができる画像投射システム及び投射画像の制御方法の提供を目的とする。
本発明の画像投射システムは、入力部より入力された画像信号に応じて画像情報を表示する画像表示素子を含む画像表示手段と、該画像表示手段で表示される画像情報を投射面に投射する投射手段と、該投射手段によって投射された投射画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段で得られた画像情報に基づいて前記投射手段の一部を駆動して前記投射面に投射された投射画像の投射位置の調整及び投射画像の大きさの変更の少なくとも一方を制御する制御手段を有することを特徴としている。
また本発明の投射画像の制御方法は、入力部より入力される画像信号に応じて画像表示素子に表示される画像情報を投射手段で投射面に投射する画像投射ステップと、投射面に投射される投射画像を撮像手段で撮像する投射画像撮像ステップと、該撮像手段で得られる画像情報より投射領域内に存在する障害物の有無を検出する障害物検知ステップと、障害物検知ステップで得られた検知情報より投射画像の投射位置のシフト及び投射画像の大きさの変更のうち、少なくとも一方を行う投射画像調整ステップとを有することを特徴としている。
本発明によれば、投射レンズと投射領域に投射した投射画像との間に障害物が存在する場合に、障害物を容易に回避し、より好適な投射画像を決定することができる画像投射システムが得られる。
本発明の実施例の画像投射システムの配置図 本発明の実施例の画像投射システムの概略構成を示すブロック図 本発明の実施例の投射画像の調整の動作を示すフローチャート 障害物検出の動作を示すフローチャート シフト、ズーム、キーストーン調整の動作を示すフローチャート 調整前後での投射領域と障害領域の状態を示す説明図 調整前後での投射領域と障害領域の状態を示す説明図 シフト調整とズーム調整の説明図
以下に、本発明の好ましい実施の形態を、添付の図面に基づいて詳細に説明する。本発明は、液晶プロジェクタ、DLP(Digital Light Processing)プロジェクタ等の画像投射装置に適用可能である。
本発明の画像投射システムでは、入力部より入力された画像信号に応じて画像情報を表示する画像表示素子を含む画像表示手段を有する。画像表示手段で表示される画像情報を投射面に投射する投射手段(投射レンズ)と、投射手段によって投射された投射画像を撮像する撮像手段とを有する。そして撮像手段で得られた画像情報に基づいて投射手段の一部を駆動して投射面に投射された投射画像の投射位置の調整(シフト調整)及び投射画像の大きさの変更(ズーム調整)の少なくとも一方を制御する制御手段を有する。また、本発明の投射画像の制御方法では次の各ステップを有する。
入力部よりユーザより入力される画像信号に応じて画像表示素子に表示される画像情報を投射手段で投射面に投射する画像投射ステップと、投射面に投射される投射画像を撮像手段で撮像する投射画像撮像ステップを有する。そして撮像手段で得られる画像情報より投射領域内に存在する障害物の有無を検出する障害物検知ステップを有する。更に障害物検知ステップで得られた検知情報より投射画像の投射位置のシフト及び投射画像の大きさの変更のうち、少なくとも一方を行う投射画像調整ステップを有する。以下、各図を参照して本発明の画像投射システム及び投射画像の制御方法の実施例について説明する。
図1は本発明の実施例1の画像投射システムの配置説明図である。図1に示す画像投射システム100は、被投射面としてのスクリーン2に画像を投射する投射手段1、スクリーン2上に投射する投射画像(以下「投射像」ともいう。)を撮影する撮像手段3を有する。更にスクリーン2上に投射された投射像のうち障害物21を検知し投射像の中に障害物が含まれないように制御する制御手段4(マイクロコンピュータ)を有する。図1に示す実施例では、スクリーン2上に障害物21が存在する状態を示している。
ここで障害物とは投射画像以外の画像や画像投射装置100とスクリーン2との間に存在し、スクリーン2上の投射領域に投射される投射光を遮光する物体をいう。この他、スクリーン2上の一部に存在する何らかの物体や外光等をいう。
図2は本実施例に係る画像投射システム100の要部ブロック図である。画像投射システム100の構成を説明する。投射手段1は画像表示素子102を含む画像表示系112と投射レンズ103を含む投射光学系110を有する。この他、投射手段1は光源101を有する。画像表示系112は液晶パネル(画像表示素子)102、画像信号入力部104、画像処理部105、制御部106を有している。更にキーストーン歪を調整するキーストーン部108、各種の動作を操作する操作手段としての操作部109とを有している。
液晶パネル102を構成する画像表示素子は、光源101から出射される光を、入力される画像信号に応じて変調する。液晶パネル102よりなる画像表示素子により変調された光は投射像として投射レンズ103に入射する。投射像は投射レンズ(ズームレンズ)103によってスクリーン等の被投射面2に投射される。画像信号入力部104には、VGA信号、DVI信号、HDMI(登録商標)信号等の各種の画像信号を入力するための端子と、それらの端子を通じて入力された画像信号を受信するためのレシーバIC等が設けられている。
画像処理部105は、画像信号入力部104より入力した画像信号に対して、色むら補正、ガンマ補正、コントラスト補正、色変換、アスペクト変換等の画像処理を施した画像信号を生成する。また、制御部106からの命令に応じて、生成された画像信号に対して、OSD(On Screen Display)画像の重畳を行う。OSD画像は、あらかじめ用意されたビットマップ画像等の画像データだけでなく、直線、矩形、文字、もしくは画素単位の描画指示に基づいて生成された各種画像を含む。
投射光学系110は投射レンズ103とレンズ駆動部107を有する。レンズ駆動部107は投射面2に投射する投射画像の位置をシフトするシフト部107aと、投射画像の大きさを変更するズーム部107bを有する。
制御部106は、画像処理部105、レンズ駆動部107、操作部109に接続されている。制御部106は、画像投射システム100の各部の電源や状態の制御等を行うマイクロコンピュータより構成されている。制御部106は、例えば、操作部109を介して外部からの制御信号に応じてレンズ駆動部107にシフト調整やズーム調整の命令を出したり、操作部109からの操作に応じて画像処理部105にメニュー画面重畳の命令を出したりする。
レンズ駆動部107は、投射レンズ103を構成する一部のレンズの位置を駆動することにより、スクリーン上における投射像の上下左右方向への移動をするシフト部107a、投射像の大きさを調整するズーム部107bを制御する。キーストーン部108は、投射画像の4つのコーナーの位置を制御することで、投射像の大きさや形を調整する。
操作部109は、ユーザが操作入力するためのボタン(入力部)や、リモコンからの赤外線を受信するための赤外線受光部等を備え、入力された操作(操作入力)を制御部106に通知する。入力される操作の種類には、例えば電源のオン/オフ、決定やキャンセル、各種設定や情報確認を行うためのメニューの呼び出し、上下左右の方向指示等がある。また、図1に示す撮像手段3は、撮像光学系とCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary MOS)等のセンサ(撮像素子)を有する。投射手段1により投射されるスクリーン2上の投射画像を撮像する。
制御手段4は撮像手段3で得られる画像情報より投射手段1で投射面に投射される投射画像の投射領域内に存在する障害物の有無を検出し、検出した結果に基づいて投射画像の投射位置の調整及び投射画像の大きさの変更のうち少なくとも一方を制御する。
本実施例では、制御手段4に対して投射手段1と撮像手段3が接続される構成としているが、投射手段1や撮像手段3や制御手段計4等が内蔵されている1つの画像投射装置より構成してもよい。その際、撮像手段3は制御部106に接続され、制御手段4の機能は制御部106の中に内蔵される。
図3乃至図5は、本実施例の制御手段4によって制御される、投射画像の自動調整の動作を説明するためのフローチャートである。図3乃至図5に示されるフローチャートは、電源オン時や操作部109によって呼び出されるメニューの自動調整項目の選択時に開始される。図3において投射画像の自動調整の処理が開始されると、ステップS100において、レンズ駆動部107内のシフト部107aとズーム部107b、そして投射手段1内のキーストーン部108の設定値がリセットされる。
本実施例では、リセット時の設定値は、シフトは投射像がスクリーン2上で最も左上となる値、ズームは投射レンズ103のワイド端、キーストーンは非実施の値(投射像全てを用いて投射している状態)である。ステップS101では、投射レンズ103から検査画像がスクリーン2上に投射される(画像投射ステップ)。この時、検査画像は全面輝度最大の白色画像である。ステップS102では、撮像手段3を用いて、ステップS101にて投射された投射像を撮影する(画像投射ステップ)。
S103では、ステップS102で撮像手段3より得られる撮像画像を用いて、投射領域の抽出を行う。投射領域の抽出は、撮像画像の輝度が所定値以上の画素を部分領域毎に分割し、最大面積を持つ領域を設定する。
本実施例では、投射領域は撮像画像中に収まっているものとし、それは投射手段1のシフト・ズーム・キーストーンに任意の値を設定した後でも同様である。なお、シフト・ズーム・キーストーンの設定値により投射像が撮像画像外に出た際に、画像処理部105でのOSD画像として警告の表示を行ってもよいし、撮像画像外は調整の対象外として撮像画像内での調整を続けてもよい。
続いて、ステップS110では投射領域に存在する障害物を検出する(障害物検出ステップ)。障害物検知ステップでは、投射画像撮像ステップにより撮像された投射画像の輝度または色度またはその両方の画像情報を用いて障害物の有無を検出する。障害物とは画像投射装置100とスクリーン2との間に存在し、スクリーン2上の投射領域に投射される投射光を遮光する物体をいう。この他、スクリーン2上の一部に存在する何らかの物体や外光等をいう。投射領域にこれらの障害物が存在していると投射領域の輝度・色度が大きく変化する。図4は、ステップS110における内部の詳細なフローチャートを示している。
図4においてステップS111では、投射領域の輝度勾配の算出を行う。輝度勾配GBrは以下により導出する。
ここで、Pは撮像画像の輝度値(RGBのうちGの輝度値)、aは定数を表す。またx、yは輝度勾配を求める投射領域の縦と横の座標を表す。それぞれ輝度勾配を求める領域は、画素毎でもよいし、縦横一定比での平均を取った小領域毎でもよい。すなわち、輝度勾配GBrとは、横方向の微分値GBr_X、及び縦方向の微分値GBr_Yの2乗総和である。ステップS112では、この輝度勾配GBrと所定値の比較を行う。所定値を超えた場合、該当する領域を障害物が存在する障害領域として設定し、ステップS116に進む。
それ以外の場合ステップS113に進む。ステップS113では、投射領域の色度勾配の算出を行う。ここで色度とは、例えばXYZ表色系のように人間の波長感度特性に基づいて算出された表色上の三原色を表す。このXYZ色度はRGB輝度等から変換することができる。ステップS111内の輝度値を色度値として、同様の計算式を用いることで色度勾配GChを導出する。
ここで色度勾配GChは前述した輝度勾配GBrと同様の式より求められる。ステップS114では、この色度勾配GChと所定値の比較を行う。所定値を超えた場合、該当する領域を障害物が存在する障害領域として設定し、ステップS116に進む。それ以外の場合ステップS115に進む。ステップS115では障害物がないことを、ステップS116では障害物があることを設定する。なお、輝度勾配GBrと色度勾配GChはどちらかを省略しても良い。以上により、投射領域の輝度または色またはその両方の変化量が大きな領域を障害領域として設定する。
図3のステップS120では、ステップS110で設定した情報を参照し、障害物が存在する場合はステップS130(投射画像調整ステップ)へ、存在しない場合は処理を終了する。続いて、ステップS130(投射画像調整ステップ)では、得られた障害領域に投射を行わないよう、シフト、ズーム、キーストーンの調整を行う。図5は、図3のステップS130における詳細なフローチャートを示している。
図5において、まず、ステップS131では、シフト調整が完了しているかを判定する。シフト調整の完了はステップS134にて設定する。シフト調整が完了している場合ステップS136へ進み、完了していない場合ステップS132へ進む。ステップS132では、シフト変化量の算出を行う。初めてこの処理を行う場合、シフト部107aの設定値の変化量に対する撮像画像上での投射領域の移動量(シフト変化量)が未知である。そこで、初回は既定値SOをシフトの変化量とする。二回目以降のシフトの変化量Sを算出する場合、既定値SOと投射領域の移動量VOを用いて、以下の式より算出する。
ここで、Vは障害領域への投射を避けるために必要な投射領域の移動量を表す。これらの処理をシフトの縦と横で算出することにより、シフトの変化量を算出する。ステップS133では、算出された縦と横のシフト変化量がいずれも限界値を超えたかを判定する。限界値を超えた場合ステップS134へ進み、それ以外の場合ステップS135へ進む。ステップS134では、これまでの算出過程から障害領域が投射領域の最も外側に位置するシフト変化量を算出し、シフト変化量の更新を行う。
その後、シフト調整が完了したことを設定する。ステップS135では、算出された変化量でシフト部107aを駆動させ、シフトの調整を行う。図6(a)、図7(a)は、調整前のスクリーン2上での投射状態を、図6(b)、図7(b)は、ステップS135までシフト調整が終わった時点のスクリーン2上での投射状態を示している。なお、図6、図7では、簡単のために横方向シフトの例を示している。図6(a)、図7(a)では投射領域20に障害領域21が存在し、投射領域20の一部が見えなくなっている状態を示している。
シフト調整を行った図6(b)では、投射領域20に障害領域21が存在しなくなっている。また同様に図7(b)では、投射領域20の最も外側に障害領域21が存在する位置までシフト調整がされている状態を示している。なお、このシフト調整後に投射領域に障害領域が存在する場合、引き続きステップS136の処理へ進む。
続いて、ステップS136では、ズーム調整が完了しているかを判定する。ズーム調整の完了はステップS139にて設定する。ズーム調整が完了している場合ステップS141へ進み、していない場合ステップS137へ進む。ステップS137では、ズーム変化量の算出を行う。初めてこの処理を行う場合、ズーム部107bの設定値の変化量に対する撮影画像上での投射領域の移動量が未知である。よってステップS132同様、初回は既定値Zをズームの変化量とし、二回目以降のズームの変化量Zを投射領域の移動量Vを用いて、以下の式より算出する。
ステップS138では、算出されたズーム変化量が限界値を超えたかを判定する。限界値を超えた場合ステップS139へ進み、それ以外の場合ステップS140へ進む。ステップS139では、ズーム調整が完了したことを設定する。またステップS140では、算出された変化量でズーム部107bを駆動させ、ズームの調整を行う。
図7(c)は、ステップS140まで調整が終わった時点のスクリーン2上での投射領域20の状態を示している。これらの調整によって、投射領域20に障害領域21が存在しなくなる。なお、このズーム調整後に投射領域20に障害領域が存在する場合、引き続きステップS141の処理へ進む。投射画像調整ステップでは、投射画像のキーストーンを調整するキーストーン部からのキーストーン情報を利用して投射画像を調整している。
ステップS141では、キーストーン(台形歪み)変化量の調整を行う。本実施例では、投射領域20のアスペクト比を一定に保つため、4つのコーナーでのキーストーン調整値を一様に変更するが、4点でそれぞれ異なる調整値を設定してもよい。こちらもステップS132、ステップS137と同様に初回は既定値Kをキーストーンの変化量とし、二回目以降のキーストーンの変化量Kを投射領域20の移動量Vを用いて、以下の式より算出する。
ステップS142では、算出されたキーストーン変化量が限界を超えたかを判定する。限界値を超えた場合ステップS143へ進み、それ以外の場合ステップS144へ進む。ステップS143の処理が行われるのは、シフト・ズーム・キーストーンの調整を終えて、いまだに投射領域20に障害領域21が存在している場合であるので、調整が失敗したことを設定する。
この際、入力する画像信号を圧縮したり障害物とされる画素位置をマスキングしたりするなどの画像処理を施してもよいし、調整失敗を明確にするため画像処理部105でのOSD画像として調整失敗の表示を行ってもよい。またステップS144では、算出された変化量でキーストーン部108を設定し、キーストーンの調整を行う。
本実施例において、投射画像調整ステップでは、画像投射ステップで投射された投射領域に障害物が存在するときは、障害物の存在しない領域に投射画像が投射されるように投射画像の投射位置のシフト及び投射画像の大きさの変更のうち少なくとも一方を行う。また本実施例では、投射画像調整ステップを行った後に障害物検知ステップより投射領域内に障害物が検知されたときは、障害物が検出されなくなるまで投射画像撮像ステップ、障害物検知ステップ、投射画像調整ステップを繰り返し行うようにしている。
なお、図3のステップS130のシフト、ズーム、キーストーン調整の順序は本実施例の順序に限るものではない。すなわち、ズーム調整を行った後にシフト調整を行ってもよいし、キーストーン調整を行った後にシフト調整を行ってもよい。さらに、他の調整をまたいで同一の調整を複数回行ってもよい。すなわち、ズーム調整を行った後にシフト調整を行い、その後再びズーム調整を行ってもよい。
図8はシフト調整やズーム調整などの単一の調整を行った結果と、それら複数の調整を組み合わせて調整を行った結果を比較したものである。図8(a)は投射領域の中心位置に障害物が存在する状態を表している。この状態において、図8(b)はシフト調整により障害物を回避しようとした例であり、図8(c)はズーム調整により障害物を回避しようとした例である。これら単一の調整では障害物が調整量の限界位置よりも投射領域の内側に入っている場合、障害物を回避することができない。
一方で図8(d)は、シフト調整とズーム調整の二つの調整の組み合わせにより障害物を回避しようとした例である。こちらは図8(b)の位置からズーム調整を行ったものであるが、これによって障害物を回避することができている。
以上のように複数の調整を組み合わせることで、単一の調整では障害物を回避できない場合でも調整が可能となる。また、画像の圧縮等により図8(a)の状態でも調整が可能となる場合があるが、その際の投射領域は元の投射領域の4分の1以下になってしまう。一方、複数の調整を組み合わせる図8(d)では、画像の圧縮等の調整よりもより広い投射領域に調整することが可能となる。
最後に図3のステップS150では、調整の継続の有無を判定する。図5のステップS143にて調整失敗の設定がされている場合、もしくは調整のループが一定回数を超えた場合、処理を終了し、それ以外の場合図3のステップS102の撮像処理へと進み、再び障害物の検出を行う。
本実施例によれば、投射像に障害物がある場合に、レンズシフトやズーム、キーストーン機能を用いて障害物を回避し、より好適な投射像に調整することができる。
100 画像投射システム 1 投射手段 2 スクリーン
3 撮像手段 4 制御手段 101 光源 102 画像表示素子
103 投射手段 104 画像信号入力部 105 画像処理部
106 制御部 107 レンズ駆動部 107a シフト部
107b ズーム部 108 キーストーン部 109 操作部
20 投射領域 21 障害領域

Claims (9)

  1. 入力部より入力された画像信号に応じて画像情報を表示する画像表示素子を含む画像表示手段と、該画像表示手段で表示される画像情報を投射面に投射する投射手段と、該投射手段によって投射された投射画像を撮像する撮像手段と、該撮像手段で得られた画像情報に基づいて前記投射手段の一部を駆動して前記投射面に投射された投射画像の投射位置の調整及び投射画像の大きさの変更の少なくとも一方を制御する制御手段を有することを特徴とする画像投射システム。
  2. 前記投射手段は、投射面に投射する投射画像の位置をシフトするシフト部と、投射画像の大きさを変更するズーム部を有することを特徴とする請求項1の画像投射システム。
  3. 前記制御手段は前記撮像手段で得られる画像情報より前記投射手段で投射面に投射される投射画像の投射領域内に存在する障害物の有無を検出し、検出した結果に基づいて投射画像の投射位置の調整及び投射画像の大きさの変更のうち少なくとも一方を制御することを特徴とする請求項1又は2の画像投射システム。
  4. 前記画像表示手段は投射画像のキーストーン歪を調整するキーストーン部を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項の画像投射システム。
  5. 入力部より入力される画像信号に応じて画像表示素子に表示される画像情報を投射手段で投射面に投射する画像投射ステップと、投射面に投射される投射画像を撮像手段で撮像する投射画像撮像ステップと、該撮像手段で得られる画像情報より投射領域内に存在する障害物の有無を検出する障害物検知ステップと、障害物検知ステップで得られた検知情報より投射画像の投射位置のシフト及び投射画像の大きさの変更のうち、少なくとも一方を行う投射画像調整ステップとを有することを特徴とする投射画像の制御方法。
  6. 前記障害物検知ステップでは、前記投射画像撮像ステップにより撮像された投射画像の輝度または色度またはその両方の画像情報を用いて障害物の有無を検出することを特徴とする請求項5の投射画像の制御方法。
  7. 前記投射画像調整ステップでは、投射画像のキーストーンを調整するキーストーン部からのキーストーン情報を利用して投射画像を調整していることを特徴とする請求項5又は6の投射画像の制御方法。
  8. 前記投射画像調整ステップでは、前記画像投射ステップで投射された投射領域に障害物が存在するときは、障害物の存在しない領域に投射画像が投射されるように投射画像の投射位置のシフト及び投射画像の大きさの変更のうち少なくとも一方を行うことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか1項の投射画像の制御方法。
  9. 前記投射画像調整ステップを行った後に前記障害物検知ステップより投射領域内に障害物が検知されたときは、前記障害物が検出されなくなるまで前記投射画像撮像ステップ、前記障害物検知ステップ、前記投射画像調整ステップを繰り返し行うことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか1項の投射画像の制御方法。
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