JP2017173261A - 表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御用プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】運転者における余裕等を考慮した上で、確実且つ安全にリアルタイム性をもって車線に関する情報を表示することが可能な表示制御装置を提供する。
【解決手段】車両が移動する道路の車線に関する車線情報に、その車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する生成部1と、少なくとも車両の速度情報、車両の位置情報、及び道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで付加情報を表示部Dに表示させる制御部2と、を備える。
【選択図】図2
【解決手段】車両が移動する道路の車線に関する車線情報に、その車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する生成部1と、少なくとも車両の速度情報、車両の位置情報、及び道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで付加情報を表示部Dに表示させる制御部2と、を備える。
【選択図】図2
Description
本願は、表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御用プログラム及び記録媒体の技術分野に属する。より詳細には、車両等の移動体が移動する道路を構成する車線の情報等を表示するための表示制御装置及び表示制御方法、並びに当該表示制御装置用のプログラム及び当該プログラムが記録された記録媒体の技術分野に属する。
近年、道路に関する情報を表示して車両の移動を案内するナビゲーション装置が広く一般化している。この場合の道路に関する情報としては、例えばそれを構成する車線に関する情報(更に具体的には、進行方向前方に存在する右左折用の車線を示す情報等)が挙げられる。このような技術を用いれば、運転者は、車線変更のタイミングや、前方にある右左折用の車線の存在を予め認識することができる。またこのような技術を開示した先行技術文献としては、例えば下記特許文献1及び特許文献2が挙げられる。
このとき下記特許文献1に開示されている技術では、予め設定された経路を移動する際に、その途中に存在する車線変更のタイミングを告知する構成とされている。また下記特許文献2に開示されている技術では、車両の現在位置周辺における車線数増減地点を案内する際に、車線数増減地点を検出し、その検出された車線数増減地点に関する案内情報を予め出力する構成とされている。
一方、ナビゲーション装置に関する最近の技術として、運転者の前方視線内に投影面を有するプロジェクタを用いて、当該投影面に上記道路に関する情報を表示する、いわゆるヘッドアップディスプレイの技術も開発されている。この技術を用いれば、運転者は、その前方視線をそらすことなく道路に関する情報を認識できるため、安全運転上も好ましい。
しかしながら、上記特許文献1及び特許文献2に開示されている技術では、例えば移動方向前方にある右折用車線の情報を表示する場合、運転者の視界が到達する範囲よりも更に遠方にある右折用車線の情報が表示されることになる。そしてこれを上記ヘッドアップディスプレイの技術に当て嵌めると、実際には運転者が見えていない右左専用車線が突然投影(表示)されることになり、この場合には違和感を覚えて運転者を慌てさせることになり得る。また上記の状況は、その運転者にとって適切なリアルタイム性をもって車線に関する情報を表示する観点からも問題である。
そこで本願は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、運転者における余裕等を考慮した上で、確実且つ安全にリアルタイム性をもって車線に関する情報を表示することが可能な表示制御装置及び表示制御方法、並びに当該表示制御装置用のプログラム及び当該プログラムが記録された記録媒体を提供することにある。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、移動体が移動する道路の車線に関する車線情報に、前記車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する生成手段と、少なくとも前記移動体の速度情報、前記移動体の位置情報、及び前記道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで前記付加情報を表示手段に表示させる制御手段と、を備える。
上記の課題を解決するために、請求項8に記載の発明は、表示手段に接続された表示制御装置において実行される表示制御方法において、移動体が移動する道路の車線に関する車線情報に、前記車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する生成工程と、少なくとも前記移動体の速度情報、前記移動体の位置情報、及び前記道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで前記付加情報を前記表示手段に表示させる制御工程と、を含む。
上記の課題を解決するために、請求項9に記載の発明は、コンピュータを、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させる。
上記の課題を解決するために、請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の表示制御用プログラムがコンピュータにより読み取り可能に記録されている。
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。なお図1は、実施形態に係る表示制御装置の概要構成を示すブロック図である。
図1に示すように、実施形態に係る表示制御装置Sは、生成手段1と、表示手段Dに接続された制御手段2と、を備えて構成されている。
この構成において生成手段1は、移動体が移動する道路の車線に関する車線情報に、その車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する。
そして制御手段2は、少なくとも移動体の速度情報、移動体の位置情報、及び道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで、付加情報を表示手段Dに表示させる。
以上説明したように、実施形態に係る表示制御装置Sの動作によれば、少なくとも移動体の速度情報、移動体の位置情報、及び道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで、付加情報を表示手段Dに表示させる。よって、付加情報を視認する者における余裕を考慮した上で、確実且つ安全にリアルタイム性をもって車線の変化を認識させることができる。
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図1乃至図6を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、車両に搭載されているナビゲーション装置において、当該車両が移動している道路又はそれを構成する車線に関する車線情報の表示制御処理に本願を適用した場合の実施例である。このときの車両は、実施形態に係る移動体の一例である。
また、図1は実施形態に係る表示制御装置の概要構成を示すブロック図であり、図2は実施例に係るナビゲーション装置の概要構成を示すブロック図であり、図3は実施例に係る表示制御処理を示すフローチャート等であり、図4乃至図6は実施例に係る表示制御処理を具体的に説明する図である。このとき図2では、図1に示した実施形態に係る表示制御装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該表示制御装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
図2に示すように、実施例に係るナビゲーション装置NVは、例えば車両搭載用のナビゲーション装置であり、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等からなる処理部10と、インターフェース13と、操作ボタン又はリモコン或いはタッチパネル等からなる操作部14と、例えばHDD(Hard Disc Drive)又はSSD(Solid State Drive)等からなる記録部15と、例えばCCD(Charge Coupled Device)又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)デバイス等からなるカメラ16と、位置センサ等の各種センサを含むセンサ部17と、液晶ディスプレイ又はヘッドアップディスプレイからなる表示部Dと、により構成されている。このとき表示部Dが、実施形態に係る表示手段Dの一例である。
このとき、表示部Dが液晶ディスプレイである場合、表示部Dは例えば運転席と助手席との間のコンソール部分に搭載されている。一方表示部Dがヘッドアップディスプレイである場合、表示部Dは例えば運転者の前方視界内の上部又は下部に設置されており、運転者は、ヘッドアップディスプレイに表示される車線情報を透して運転中における前方視界を得ることになる。またセンサ部17には、上記位置センサの他に、運転者の心拍数や汗の状況等を検出するための生体センサが含まれており、当該生体センサにより、上記心拍数等に基づいて運転者の心身の状態が検出可能とされている。なお以下の説明では、上記生体センサから出力される心拍数等のデータを、単に「生体データ」と称する。
一方処理部10は、生成部1と、制御部2と、により構成されている。このとき、生成部1及び制御部2は、処理部10を構成するCPU等を含むロジック回路によりハードウェア的に実現されるものであってもよいし、後述する実施例に係る表示制御処理を示すフローチャートに相当するプログラムを処理部10のCPU等が読み込んで実行することにより、ソフトウェア的に実現されるものであってもよい。また、上記生成部1が実施形態に係る出力手段1の一例であり、制御部2が実施形態に係る制御手段2の一例である。更に図2において破線で示すように、生成部1及び制御部2により、実施形態に係る表示制御装置Sの一例が構成されている。
以上の構成においてインターフェース13は、処理部10の制御の下、例えばインターネット等の図示しないネットワークと処理部10との間の、例えば渋滞情報等のデータの授受を制御する。一方センサ部17は、例えばナビゲーション装置NVが搭載されている車両の現在位置を示す位置データ等、処理部10によるナビゲーション装置NVとしての案内処理等に必要なデータを生成して処理部10に出力する。この位置データの生成には、例えば図示しないGPS(Global Positioning System)等が活用される。これに加えてセンサ部17に含まれる上記生体センサは、予め設定されたタイミングにおいて上記生体データを生成して処理部10に出力する。なお以下の説明において、実施例に係るナビゲーション装置NVが搭載されている車両を単に「自車」と称する。
他方記録部15は、後述する実施例に係る表示制御処理を示すフローチャートに相当するプログラムや、処理部10としての案内処理に供される道路データ等を不揮発性に記録している。また操作部14は、ナビゲーション装置NVに対するユーザの操作が当該操作部14において実行されると、当該操作に対応する操作信号を生成して処理部10に出力する。他方カメラ16は、少なくとも自車の前方をその撮像範囲としており、処理部10の制御の下、当該撮像範囲を撮像した画像データ(動画又は静止画である画像データ)を生成して処理部10に出力する。
以上の構成において処理部10の生成部1は、実施例に係る表示制御処理の一環として、自車が現在移動する道路前方の車線の状態を視覚的に示す車線情報を、センサ部17からの位置データ及び記録部15からの道路データに基づいて生成し、制御部2を介して表示部Dに出力して表示する。ここで、表示部Dが上記ヘッドアップディスプレイである場合、運転者は、表示部Dに表示されている車線情報を透して、その前方視界内にある道路の状況(例えば直進する車線数)等を視認する。このとき、表示部Dに表示される車線情報の内容と前方視界内にある実際の道路における車線の内容とが一致しているため、運転者は、これから移動する道路の車線の状況を容易に認識することができる。また生成部1は、実施例に係る表示制御処理の一環として、移動方向の前方に例えば右折専用車線がある場合、上記右折専用車線を視認させるための右折専用車線情報を上記車線情報に付加し、制御部2を介して表示部Dに表示する。このとき、上記右折専用車線情報が付加された上記車線情報が、本願に係る「付加情報」の一例である。
一方処理部10の制御部2は、実施例に係る表示制御処理の一環として、上記右折専用車線情報を、後述する表示制御処理に係るタイミングから表示部Dに表示するように制御する。このとき制御部2は、表示開始時には右折専用車線情報の視認性を落として表示部Dに表示し、その右折車線情報により示される右折専用車線の位置まで自車が移動したタイミングで、本来の視認性により上記右折専用車線情報を表示するように制御する。この実施例に係る右折専用車線情報の表示制御処理については、後ほど詳述する。
なお、表示部Dが液晶ディスプレイ等である場合、生成部1及び制御部2は、上記車線情報及び右折専用車線情報を、カメラ16により撮像された前方画像に相当する画像データと共に表示する。
他方処理部10は、インターフェース13を介して上記ネットワークから取得された各種データ、カメラ16からの上記画像データ及びセンサ部17からの各種データ等に基づいて、実施例に係る表示制御処理を含む実施例に係る案内処理等を実行し、それらの結果を、例えば表示部D等を用いて自車の運転者又は同乗者等に告知する。
次に、処理部10を中心とした実施例に係る表示制御処理について、具体的に図3及び図6を用いて説明する。なお以下では、図3(b)に例示するように、現在二車線の道路Rの右の車線Lを自車Cが移動している場合において、上記右折専用車線TLを介して前方にある交差点GPを右折する場合における上記車線情報等の表示を例として、実施例に係る表示制御処理を説明する。
実施例に係る表示制御処理は、例えば予め設定された時間ごと又はナビゲーション装置NVとしての案内処理開始時に開始される。そして、対応するフローチャートを図3(a)に示すように、実施例に係る表示制御処理において処理部10は先ず、センサ部17からの生体データと、例えばナビゲーション装置NVに予め入力(登録)されている運転者の年齢を示す年齢データと、を、当該運転者についての運転者情報としてそれぞれ取得する(ステップS1)。次に処理部10は、運転者により設定されたルートに沿ってナビゲーション装置NVが案内(誘導)されているか、即ち現在ルート誘導中であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2の判定においてルート誘導中でない場合(ステップS2:NO)、後述するステップS23に移行する。
一方ステップS2の判定においてルート誘導中である場合(ステップS2:YES)、次に処理部10は、センサ部1からの上記位置データ等を用いて自車の現在位置を検出する(ステップS3)。次に処理部10は、現在誘導されている(上記ステップS2:YES参照)ルートを示す情報及び上記道路データ等に基づいて、自車が移動する前方に、実施例に係る誘導ポイントが存在するか否かを判定する(ステップS4)。ここで、実施例に係る誘導ポイントの例としては、上記右折予定の交差点GPの他、例えば、左折すべき交差点、車線が増加又は減少する道路上の地点、或いは、高速道路における分岐点や流入点等が挙げられる。ステップS4の判定において前方に誘導ポイントがない場合(ステップS4:NO)、処理部は後述するステップS23に移行する。
一方ステップS4の判定において、自車の前方に誘導ポイント(図3(b)に例示する場合は右折専用車線TLを介して右折すべき交差点GP)が存在する場合(ステップS4:YES)、処理部10は、例えば上記道路データ等を参照して、当該誘導ポイントの位置を示す位置情報を取得し(ステップS5)、更に当該誘導ポイントまでの距離を示す距離情報を取得する(ステップS6)。次の処理部10は、誘導ポイントの直前において移動しているべき車線(図3(b)に例示する場合は右折専用車線TL)が自車の現在位置にないか否か、即ち、当該右折専用車線TLがある位置まで自車が移動していないか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7の判定において、誘導ポイントの直前において移動しているべき車線が自車の現在位置にある場合(ステップS7:NO)、処理部10は後述するステップS9に移行する。
一方ステップS7において、誘導ポイントの直前において移動しているべき車線が自車の現在位置にない場合(ステップS7:YES)、処理部10は、自車が車線変更して移動すべき隣接車線のうち誘導ポイントの直前において移動しているべき車線に最も近い車線(図3(b)に例示する場合は車線L)、又は自車が現在移動している車線(片側一車線の道路の場合)のいずれかを「目標車線」として設定し、その目標車線を示すデータを記録部15に一時的に記録する(ステップS8)。このステップS8において設定される目標車線とは、誘導ポイントに到達するまでのそれぞれのタイミングにおいて自車が移動しているべき車線をいう。ステップS8において目標車線が設定されたら、次に処理部10は、例えば上記位置データ等に基づいて現在自車が移動している地点における目標車線を算出し(ステップS9)、更に自車が実際に移動している車線を検出する(ステップS10)。図3(b)に例示する場合は、ステップS9において算出される目標車線及びステップS10において検出される車線は、いずれも車線Lとなる。その後処理部10は、ステップS10で検出された現在移動中の車線とステップS9で算出された目標車線とを比較し、自車が事後移動(車線変更)すべき車線の数及びその方向(車線変更の方向)を算出する(ステップS11)。次に処理部10は、ステップS11において算出された車線数及び移動方向に基づき、目標車線に向けて車線を変更すべき旨の誘導表示を表示部Dにおいて行う(ステップS12)。
次に処理部10の制御部2は、その時点での自車の速度を例えば上記位置データ等に基づいて算出し、その算出結果に基づいて、実施例に係る車速係数を算出する(ステップS13)。
ここで実施例に係る車速係数とは、運転者におけるいわゆる反応速度に基づいて、自車の速度が速いほど、上記右折専用車線情報を早めに表示部Dに表示して運転者等に告知する必要があることから導入された係数である。より具体的に制御部2は、前方の誘導ポイントに向けて移動している車両の運転者がその誘導ポイントを実際に視認できる一般的な当該誘導ポイントまでの距離として予め設定された増加車線目視可能距離と、その時点での速度と、に基づいて、「車速係数=増加車線目視可能距離÷速度」により、実施例に係る車速係数を算出する。例えば、上記増加車線目視可能距離が30メートルであり、その時点での速度が時速50キロメートル(秒速約14メートル)であるとすると、制御部2は実施例に車速係数を「2.0」と算出する。なお車速係数については後ほど詳述するように、その値が「1.0」である場合に、上記誘導ポイントから上記増加車線目視可能距離だけ手前の位置で右折専用車線情報の表示が開始される。これに対して、車速係数の値が「1.0」より大きい場合は、当該車速係数に対応した距離を上記増加車線目視可能距離に加えた距離だけ上記誘導ポイントから手前の位置で右折専用車線情報の表示が開始される。また車速係数の値が「1.0」より小さい場合は、上記増加車線目視可能距離から当該車速係数に対応した距離を減じた距離だけ上記誘導ポイントから手前の位置で右折専用車線情報の表示が開始される。換言すると、右折専用車線情報の表示が開始されるタイミングは、車速係数が大きいほど早くなる。
次に制御部2は、上記位置データ等により示される自車の現在位置と、上記道路データ等に基づいて、実施例に係る道路環境係数を算出する(ステップS14)。
ここで実施例に係る道路環境係数とは、例えば道路のカーブの先や建物の影になる位置に誘導ポイントがあることや、その時点での自車周辺の天候(降雨又は霧等)等により、運転者によるその誘導ポイントの視認が遅れる可能性がある場合、当該遅れに合わせて上記右折専用車線情報の表示部Dに表示するタイミングを遅らせる必要があることに基づき、例えば誘導ポイントごとに予め設定されている係数である。
より具体的に制御部2は、上記カーブする道路等の遮蔽物がなく且つ天候による視程の低下がない場合の道路環境係数を「1.0」と算出する。これに対して、道路の上記カーブや建物等の遮蔽物により誘導ポイントの視認が遅れる場合やその時点での自車の視程が悪い場合には、例えば「0.7」といった、「1」未満の予め設定された値として算出される。即ち制御部2は、雨天や霧で視程が悪い場合、例えば雨量による目視可能な距離に基づき、道路環境係数を例えば「0.9」又は「0.6」とする。また、一般に夜間では昼間よりも目視可能な距離が短くなることから、制御部2は道路環境係数を例えば「0.8」とする。更に制御部2は、例えば誘導ポイントがカーブの先にあって現在位置からは視認できず、今が夜間で且つ雨天である場合、
道路環境係数=0.7(カーブの存在)×0.8(夜間である)×0.9(雨天である)=0.504
と算出する。即ち、道路環境係数として取り得る値の範囲は、「0<道路環境係数≦1.0」となる。
道路環境係数=0.7(カーブの存在)×0.8(夜間である)×0.9(雨天である)=0.504
と算出する。即ち、道路環境係数として取り得る値の範囲は、「0<道路環境係数≦1.0」となる。
次に制御部2は、ステップS1で取得した運転者情報に基づいて、実施例に係る心身状態係数を算出する(ステップS15)。
ここで実施例に係る心身状態係数とは、例えば運転者が高齢である場合や、眠気を催していたり疲労があったりする場合、視認した誘導ポイントに対する運転者としての反応が遅くなる可能性があることに基づいて導入された係数である。より具体的に制御部2は、運転者が二十歳台後半の年齢で且つ眠気も催しておらず疲れもない場合の心身状態係数を、運転者における通常の認知時間に対応して予め設定された係数である「1.0」とする。これに対して、運転者が高齢である場合、或いは眠気を催しているか又は疲れがある場合に心身状態係数は、上記通常の認知時間に対応する係数に、当該年齢や眠気又は疲れに対応した遅延係数を加算した「1」より大きい値として算出される。即ち、心身状態係数の取り得る値は、「1<心身状態係数」の範囲となる。
次に制御部2は、上記ステップS13乃至ステップS15によりそれぞれ算出された各係数を用いて、実施例に係る右折専用車線情報の表示部D上の表示を生成部1に開始させる、上記誘導ポイントと自車との間の距離である実施例に係る増加車線表示距離を算出する(ステップS16)。より具体的に制御部2は、「増加車線表示距離={車速係数(上記ステップS13参照)×道路環境係数(上記ステップS14参照)×心身状態係数(上記ステップS15参照)×右折専用車線TLまでに移動すべき車線数(上記ステップS11参照)}×自車速度(秒速)」として増加車線表示距離を算出する。ここで、上述してきた各係数の例及び図3(b)に例示する場合に従って、上記増加車線目視可能距離が30メートルであり、自車の速度が時速50キロメートルであり、道路環境係数が「1.0」であり、心身状態係数について疲労による上記遅延係数として「1.0」が加算されており、右折専用車線TLまでに移動すべき車線数が「1」であるとすると、
増加車線表示距離
=(車速係数×道路環境係数×心身状態係数×移動すべき車線数)×自車速度(秒速)
=(2.0×1.0×2.0×1)×14
=56(メートル)
として、実施例に係る増加車線標示距離が算出される(ステップS16)。
増加車線表示距離
=(車速係数×道路環境係数×心身状態係数×移動すべき車線数)×自車速度(秒速)
=(2.0×1.0×2.0×1)×14
=56(メートル)
として、実施例に係る増加車線標示距離が算出される(ステップS16)。
次に制御部2は、上記位置データ等に基づいて、自車の現在位置が誘導ポイントから上記増加車線表示距離以内であるか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17の判定において、自車の現在位置が誘導ポイントから増加車線表示距離以内でない場合(ステップS17:NO)、制御部2は後述するステップS23に移行する。一方ステップS17の判定において、自車の現在位置が誘導ポイントから増加車線表示距離以内である場合(ステップS17:YES)、生成部1は、右折専用車線情報の事前表示として、通常の当該右折専用車線情報の表示よりも視認性を低くした右折専用車線情報を車線情報に付加し、制御部2はこれを表示部Dに表示させる(ステップS18)。なお、図3のステップS18乃至ステップS20及びステップS22においては、上記右折専用車線のことを一般化して「増加車線」と示している。
次に制御部2は、自車の移動に伴って、自車が右折専用車線TLの位置まで移動したか否かを判定する(ステップS19)。ステップS19の判定において、自車が右折専用車線TLの位置まで移動していない場合(ステップS19:NO)、制御部2は上記ステップS18に戻って事前表示を継続する。一方ステップS19の判定において、自車が右折専用車線TLの位置まで移動している場合(ステップS19:YES)、生成部1は、右折専用車線情報の本表示として、通常の当該右折専用車線情報の表示の視認性により当該右折専用車線情報を車線情報に付加し、制御部2はこれを表示部Dに表示させる(ステップS20)。
次に制御部2は、上記位置データ等に基づいて、自車が誘導ポイントに到着したか否かを判定する(ステップS21)。ステップS21の判定において自車が誘導ポイントに到着していない場合(ステップS21:NO)、制御部2は上記ステップS20に戻って本表示を継続する。一方ステップS21の判定において、自車が誘導ポイントに到着した場合(ステップS21:YES)、制御部2は右折専用車線情報の本表示を終了させるように生成部1を制御する(ステップS22)。
その後処理部10は、例えばナビゲーション装置NVとしての電源がオフとされる等により、実施例に係る表示制御処理を終了するか否かを判定し(ステップS23)、当該表示制御処理を終了する場合は(ステップS23:YES)当該表示制御出処理をそのまま終了する。一方ステップS23の判定において当該表示制御処理を継続する場合(ステップS23:NO)、処理部10は上記ステップS2に戻って、上述した一連の処理を繰り返す。
ここで、図3に示す実施例に係る表示制御処理において処理部10は、自車が移動中の道路を構成する車線のうち右折専用車線TLに向けて移動可能な車線がある場合は、当該移動のための誘導処理を行う。一方処理部10は、自車が移動中の道路を構成する車線に上記移動可能な車線がなく、算出した右折専用車線の位置より自車の現在位置が手前である場合は、現在移動中の車線をそのまま案内する。また処理部10は、自車が移動中の道路を構成する車線に上記移動可能な車線がなく、算出した右折専用車線の位置と誘導ポイントの間に自車の現在位置がある場合は、当該右折専用車線の移動を案内する。
次に、上述した実施例に係る表示制御処理について、より具体的な表示部D上の表示態様について、図4乃至図6に例示しつつ説明する。
先ず、通常の直進移動時において実施例に係る表示部Dには、図4(a)に例示するように、運転者の視野SEに重畳されるようにしてヘッドアップディスプレイにより車線情報LDが表示される。この場合には、実際の二車線の道路に合わせた内容の車線表示が車線情報LDとして表示される。一方、図4(a)に例示する視野SEよりも遠方には、図3(b)に例示するような、右折専用車線TLが手前にある交差点GPが実施例に係る誘導ポイントとして存在しているとする。この場合、当該誘導ポイントがまだ遠方にあるため、図4(a)に例示する視野SE内には、当該誘導ポイント(交差点GP)は見えていない。またこの段階では、実施例に係る増加車線表示距離の算出(図3ステップS1乃至ステップS16参照)が行われている。
そして、自車の移動により、上記誘導ポイントから上記増加車線表示距離の位置に自車が到達した場合(図ステップS17:YES参照)、図4(b)に例示するように、通常の当該右折専用車線情報の表示よりも視認性を低くした右折専用車線情報AR1が元の車線情報LDの右側に付加された付加情報LLD1が、右折専用車線情報の事前表示として、表示部Dに表示される(図3ステップS18参照)。このとき生成部1は、当該視認性の落とし方として、例えば、色自体を薄くしたり、或いは画像としての輝度を落としたりすることにより、当該視認性を低下させるようにして右折専用車線情報AR1を生成する。なお図4(b)に例示するタイミングでは、その視野SE上、自車が移動する車線Lから右折専用車線TLに移動するタイミングが近いことが、運転者により視認可能となっている。そして、自車の現在位置が右折専用車線TLの位置に到達するまでは(図3ステップS19:NO参照)、図5(a)に例示するように、図4(b)に示す付加情報LLD1が表示部Dに表示されている(図3ステップS18参照)。
その後、自車の更なる移動により、上記右折専用車線TLの位置に自車が到達した場合(図ステップS19:YES参照)、図5(b)に例示するように、視認性を低くした右折専用車線情報AR1を含む付加情報LLD1に代えて、通常の視認性を有する右折専用車線情報ARが元の車線情報LDの右側に付加された付加情報LLDが、右折専用車線情報の本表示として表示部Dに表示される(図3ステップS20参照)。ここで上記「通常の視認性」とは、例えば、常時表示されている車線情報LDの視認性又はそれより高い視認性とされる。その後、右折専用車線TLの位置まで自車が移動した以降は、図6に例示するように、より大きく且つ明確な態様の右折専用車線情報ARを含む付加情報LLDが、誘導ポイントとしての交差点GPに到着するまで(図3ステップS21、ステップS22参照)、表示部Dに表示される(図3ステップS18参照)。
以上それぞれ説明したように、実施例に係る表示制御処理によれば、実施例に係る道路環境係数、車速係数、心身状態係数及び移動すべき車線数等に基づいた増加車線標示距離に到達したタイミングから、車線の変化及びその位置に関する右折専用車線情報AR1を車線情報LDに付加した付加情報LLD1を表示するので、付加情報LLD1を視認する運転者における余裕を考慮した上で、確実且つ安全にリアルタイム性をもって車線の変化(右折専用車線TLの存在)を認識させることができる。なお、本願としては、少なくとも、道路環境係数、車速係数及び自車の位置情報に基づく既定のタイミングから上記付加情報LLD1が表示部Dに表示されれば、本願としての上記作用効果を奏し得る。
また、付加情報LLD1の表示を開始させるタイミングが、自車の運転者についての心身状態係数に更に基づいて設定される場合は、運行者に応じて最適なタイミングで付加情報LLD1を表示させることができる。
更に、付加情報LLD1の表示を開始させるタイミングが、移動すべき車線数に更に基づいて設定される場合は、車線移動を伴う場合であっても最適なタイミングで付加情報LLD1を表示させることができる。
更にまた、付加情報LLD1として表示される右折専用車線情報AR1等が案内用のルートに対応しているので、ルート案内に当たって最適なタイミングで余裕をもって車線の変化を認識させることができる。
また、付加情報LLD1の表示開始時の右折専用車線情報AR1の視認性を、車線の変化の位置に対応して表示される付加情報LLDにおける右折専用車線情報ARの視認性よりも低下させて表示させるので、段階的且つ違和感なく、右折専用車線情報AR1を含む付加情報LLD1又は右折専用車線情報ARを含む付加情報LLDの存在を運転者に認識させることができる。
更に、車線の変化の位置に対応して表示される右折専用車線情報ARの視認性が、当該変化の位置に対応して表示される車線情報LDと同じ又はそれ以上の視認性となるように制御されるので、変化の位置に関連する右折専用車線情報ARを車線情報LDと同等以上に認識することができる。
なお上述した実施例では、表示部Dがヘッドアップディスプレイである場合を主として説明したが、表示部Dが液晶ディスプレイである場合は、カメラ16により撮像された進行方向前方の画像を図4乃至図6に例示する態様で当該液晶ディスプレイに表示しつつ、それに重畳させて、図4乃至図6に例示する付加情報LLD1等を表示するように構成してもよい。
更に上述した実施例では、進行方向前方の交差点GPが誘導ポイントであり且つ当該交差点を右折する予定である場合について説明したが、これ以外に、進行方向前方の交差点が誘導ポイントであり当該交差点を左折する予定である場合、進行方向前方に交差点はないが、車線の増加又は減少がある場合の当該変化点についての注意喚起用の表示、或いは、高速道路における分岐点や流入点等がある場合の当該分岐点等についての注意喚起用の表示等に、実施形態及び実施例を適用することが可能である。
更にまた、図3に示したフローチャートに相当するプログラムを、光ディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係る処理部10として機能させることも可能である。
1 生成手段(生成部)
2 制御手段(制御部)
D 表示手段(表示部)
C 自車
S 表示制御装置
NV ナビゲーション装置
GP 交差点
TL 右折専用車線
LD 車線情報
LLD、LLD1 付加情報
AR、AR1 右折専用車線情報
2 制御手段(制御部)
D 表示手段(表示部)
C 自車
S 表示制御装置
NV ナビゲーション装置
GP 交差点
TL 右折専用車線
LD 車線情報
LLD、LLD1 付加情報
AR、AR1 右折専用車線情報
Claims (10)
- 移動体が移動する道路の車線に関する車線情報に、前記車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する生成手段と、
少なくとも前記移動体の速度情報、前記移動体の位置情報、及び前記道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで前記付加情報を表示手段に表示させる制御手段と、
を備えることを特徴とする表示制御装置。 - 請求項1に記載の表示制御装置において、
前記移動体の運行者の年齢又は心身の状態を示す運行者情報に更に基づいて前記タイミングが設定されていることを特徴とする表示制御装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の表示制御装置において、
前記車線の変化の位置までに前記移動体が変更すべき車線の数を示す車線数情報に更に基づいて前記タイミングが設定されていることを特徴とする表示制御装置。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記変化情報及び前記車線情報が前記移動体を案内する案内情報に対応していることを特徴とする表示制御装置。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記制御手段は、前記タイミングに対応した前記表示手段における表示の開始時における前記変化情報の視認性を、前記変化の位置に対応して前記表示手段に表示される前記変化情報の視認性よりも低下させて表示させるように制御することを特徴とする表示制御装置。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の表示制御装置において、
前記制御手段は、前記タイミングで前記表示手段に表示させる前記付加情報のうち前記変化情報を、前記移動体の移動に伴って当該移動体と前記車線の変化の位置との間の距離が短くなるほど前記変化情報の視認性を上げることを特徴とする表示制御装置。 - 請求項6に記載の表示制御装置において、
前記制御手段は、前記車線の変化の位置に対応して表示させる前記変化情報の視認性を、前記車線の変化の位置に対応して表示させる前記車線情報の視認性と同じとなるように制御することを特徴とする表示制御装置。 - 表示手段に接続された表示制御装置において実行される表示制御方法において、
移動体が移動する道路の車線に関する車線情報に、前記車線の変化に関する変化情報を付加した付加情報を生成する生成工程と、
少なくとも前記移動体の速度情報、前記移動体の位置情報、及び前記道路の状態を示す状態情報に基づいて設定されたタイミングで前記付加情報を前記表示手段に表示させる制御工程と、
を含むことを特徴とする表示制御方法。 - コンピュータを、請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の表示制御装置として機能させることを特徴とする表示制御用プログラム。
- 請求項9に記載の表示制御用プログラムがコンピュータにより読み取り可能に記録されていることを特徴とする記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2016062494A JP2017173261A (ja) | 2016-03-25 | 2016-03-25 | 表示制御装置及び表示制御方法並びに表示制御用プログラム及び記録媒体 |
Applications Claiming Priority (1)
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2020003396A1 (ja) * | 2018-06-27 | 2020-01-02 | 三菱電機株式会社 | 運転支援装置および運転支援方法 |
JP2020041914A (ja) * | 2018-09-11 | 2020-03-19 | 本田技研工業株式会社 | 通知システム、通知制御方法、およびプログラム |
-
2016
- 2016-03-25 JP JP2016062494A patent/JP2017173261A/ja active Pending
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