JP2017172551A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気燃料噴射弁を有する内燃機関の排気浄化装置において、排気への噴射燃料の蒸発性を向上させる。
【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、排気通路内の排気温度と排気圧力に基づいて、排気浄化触媒へ燃料が蒸発せずに到達することを回避可能な、排気燃料噴射弁による噴射圧の最大値である最大噴射圧を算出する第1算出部と、内燃機関の燃料性状と、最大噴射圧とに基づいて、排気燃料噴射弁による燃料噴射を行う際に必要とされる燃料温度である必要燃料温度を算出する第2算出部と、を備える。そして、必要燃料温度が、排気燃料噴射弁により噴射される燃料の現在の温度以上である場合は、排気燃料噴射弁により噴射される燃料の圧力を、必要燃料温度と現在の燃料温度との温度差に基づいて算出される所定噴射圧変化量を最大噴射圧に加算した暫定噴射圧に増圧し、その後、燃料の圧力を最大噴射圧まで減圧し、排気燃料噴射弁により燃料噴射を行う。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関する。
内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒に対して、排気の昇温等のために燃料を供給する排気燃料噴射弁が設けられる場合がある。ここで、排気燃料噴射弁の噴射圧を調整できない場合、排気浄化触媒に燃料が蒸発しない状態で到達し排気浄化触媒を損傷させる可能性があるため、特定の内燃機関の運転状態では、排気燃料噴射弁による燃料噴射が制限され、排気浄化触媒への好適な燃料供給が阻害され得る。また、内燃機関の燃料性状によっては、排気への燃料噴射後に十分な燃料の蒸発性が得られず、燃料による排気浄化触媒への悪影響が避けられない。
そこで、例えば、特許文献1には、排気燃料噴射弁を有する内燃機関の排気浄化装置において、排気燃料噴射弁への燃料経路を内燃機関のシリンダヘッド内に設けることで、内燃機関本体の輻射熱により燃料を加熱し、その燃料の噴射時における蒸発性を改善する技術が開示されている。
特開2009−041447号公報 特開2008−223709号公報
従来技術のように、内燃機関の輻射熱を利用して、排気燃料噴射弁による噴射燃料の昇温を図る場合、噴射燃料の温度が内燃機関の温度状況に大きく左右されることになる。例えば、内燃機関の温度が低い場合には噴射燃料を十分に昇温できず、排気中に噴射された燃料が排気浄化触媒に到達するまでに十分に蒸発することが困難となり得る。一方で、内燃機関の温度が高すぎる場合には、噴射燃料がデポジット化しやすく、噴射後に排気浄化触媒にそのデポジットが堆積しやすい。このように従来技術では、排気燃料噴射弁による噴射燃料の温度の制御性は必ずしも好ましいものではない。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、排気燃料噴射弁を有する内燃機関の排気浄化装置において、排気への噴射燃料の蒸発性を向上させる技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本出願人は、排気燃料噴射弁により排気へ噴射される燃料の噴射圧に着目した。噴射燃料の噴射圧を一時的に増圧し、その後減圧すると、その圧力差分のエネルギーが温度エネルギーに変換され、噴射燃料を昇温させることが可能となる。この噴射燃料の昇温過程は内燃機関の温度状況に影響されにくいため、比較的に安定的に噴射燃料の昇温を図ることができ、以て排気への噴射燃料の蒸発性を向上させることが可能となる。
より詳細には、本発明は、内燃機関の排気浄化装置であって、内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒の上流側に位置し、該排気通路を流れる排気に該内燃機関の燃料を噴射する排気燃料噴射弁と、前記排気燃料噴射弁により噴射される燃料の圧力を調整する
圧力調整部と、前記排気通路内の排気温度と排気圧力に基づいて、前記排気浄化触媒へ燃料が蒸発せずに到達することを回避可能な、前記排気燃料噴射弁による噴射圧の最大値である最大噴射圧を算出する第1算出部と、前記内燃機関の燃料性状と、前記算出部により算出された前記最大噴射圧とに基づいて、前記排気燃料噴射弁による燃料噴射を行う際に必要とされる燃料温度である必要燃料温度を算出する第2算出部と、前記第2算出部により算出された前記必要燃料温度が、前記排気燃料噴射弁により噴射される燃料の現在の温度以上である場合は、前記圧力調整部により、該排気燃料噴射弁により噴射される燃料の圧力を、該必要燃料温度と該現在の燃料温度との温度差に基づいて算出される所定噴射圧変化量を前記最大噴射圧に加算した暫定噴射圧に増圧し、その後、該燃料の圧力を該最大噴射圧まで減圧し、該排気燃料噴射弁により燃料噴射を行う噴射制御部と、を備える。
本発明によれば、排気燃料噴射弁を有する内燃機関の排気浄化装置において、排気への噴射燃料の蒸発性を向上させることが可能である。
本発明に係る内燃機関の排気浄化装置の概略構成を示す図である。 図1に示す内燃機関で使用される燃料の性状に関するパラメータと、当該燃料が排気通路にて蒸発した状態で噴射されるための燃料温度である必要燃料温度との相関を示す図である。 図1に示す内燃機関の排気通路で可能な排気燃料噴射弁の噴射圧の最大値と、排気通路雰囲気に関するパラメータとの相関を示す図である。 図1に示す内燃機関の排気浄化装置における、燃料圧力の低下量と、その圧力低下に起因する燃料の昇温量との相関、及び燃料圧力の推移を示す図である。 図1に示す内燃機関で使用される燃料の性状を確認するための処理のフローチャートである。 図1に示す内燃機関の排気浄化装置において実行される酸化触媒の再生処理のフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<実施例>
図1は、本実施例に係る内燃機関とその吸排気系およびその燃料系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、4つの気筒2を有する圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。各気筒2には該気筒2内に燃料を直接噴射する燃料噴射弁3が設けられている。
各燃料噴射弁3にはコモンレール31から燃料が供給される。コモンレール31には、燃料タンク44に貯留されている燃料が、電動のポンプ45によって第1供給通路33を経て圧送され、当該燃料はコモンレール31内で高圧の状態で貯留されている。コモンレール31には、該コモンレール31内の燃料圧力(以下、「レール圧」と称する場合もある。)を調整するためのリリーフ弁32が設けられている。リリーフ弁32には、コモンレール31から燃料タンク44に燃料を戻すための第1リターン通路35が接続されている。また、コモンレール31には、レール圧を検出する圧力センサ34が設けられている。
また、内燃機関1は、インテークマニホールド5およびエキゾーストマニホールド7を有している。インテークマニホールド5には吸気通路4が接続されている。エキゾーストマニホールド7には排気通路6が接続されている。また、吸気通路4にはターボチャージャ8のコンプレッサ8aが設置されている。排気通路6にはターボチャージャ8のタービン8bが設置されている。
吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも上流側には図示しないエアフローメータが設けられている。エアフローメータは、吸気通路4内を流れる吸気(空気)の量(質量)に応じた電気信号を出力する。また、吸気通路4におけるコンプレッサ8aよりも下流側にはスロットル弁9が設けられている。スロットル弁9は、吸気通路4内の通路断面積を変更することで、内燃機関1の吸入空気量を調整する。
また、排気通路6には、タービン8bよりも下流側に、順に酸化触媒15およびフィルタ16が配置されている。酸化触媒15は、酸化能を有しており、排気中の未燃燃料成分(HC)等を酸化し得る。また、フィルタ16は、排気中の粒子状物質(PM)を捕集し得る。そして、酸化触媒15の上流側の排気通路6には、そこを流れる排気中に燃料を添加するための排気燃料噴射弁17が配置されている。排気燃料噴射弁17から排気中に添加された燃料は、酸化触媒15の酸化能により酸化されて、その酸化反応熱により排気が昇温される。その結果、昇温された排気がフィルタ16に流れ込むことで、フィルタ16に捕集されているPMの酸化除去を図ることが可能である。
また、内燃機関1の吸排気系にはEGR装置11が設けられている。EGR装置11は、EGR通路12およびEGR弁13を備えている。EGR通路12は、その一端がエキゾーストマニホールド7に接続されており、その他端が吸気通路4におけるスロットル弁9よりも下流側に接続されている。EGR弁13は、EGR通路12に設けられており、該EGR通路12を通ってエキゾーストマニホールド7から吸気通路4に導入されるEGRガスの流量を調整する。
ここで、排気燃料噴射弁17への燃料の供給形態について説明する。上記の通り、ポンプ45から吐出される燃料の一部はコモンレール31に圧送されるが、更にポンプ45から吐出される燃料の一部が排気燃料噴射弁17に供給されるように、ポンプ45と排気燃料噴射弁17との間に、第2供給通路41、第3供給通路42が配されている。第2供給通路41は、ポンプ45とレギュレータ47との間に位置し、その一端は吸入調量弁46を介してポンプ45に接続され、その他端はレギュレータ47に接続されている。吸入調量弁46は、ポンプ45から第2供給通路41に流れ込む燃料量を調整するための弁である。また、レギュレータ45は、排気燃料噴射弁17への燃料供給圧力、すなわち第2供給通路41及び第3供給通路42内の燃料圧力であって、排気燃料噴射弁17の噴射圧と称する圧力を調整する装置である。レギュレータ47により噴射圧を低下するために第2供給通路41及び第3供給通路42から排出された燃料は、第2リターン通路43を経て燃料タンク44へと戻される。
また、内燃機関1には電子制御ユニット(ECU)20が併設されている。ECU20は、内燃機関1の運転状態等を制御するユニットである。ECU20には、クランクポジションセンサ21、およびアクセルポジションセンサ22等の各種センサが電気的に接続されている。クランクポジションセンサ21は、内燃機関1の機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力するセンサである。アクセルポジションセンサ22は、図示しないアクセルペダルの操作量(アクセル開度)に相関した電気信号を出力するセンサである。そして、これらのセンサの出力信号がECU20に入力される。ECU20は、クランクポジションセンサ21の出力信号に基づいて内燃機関1の機関回転速度を導出する。また、ECU20は、アクセルポジションセンサ22の出力信号に基づ
いて内燃機関1の機関負荷を導出する。
更に、排気燃料噴射弁17に供給される燃料の温度及び圧力を検出するための温度センサ51及び圧力センサ52が、第2供給通路41に設けられている。また、排気燃料噴射弁17の近傍であって、それにより燃料が添加される排気が流れる排気通路6、すなわちタービン8bと酸化触媒15との間の排気通路6における排気雰囲気の温度及び圧力を検出するための温度センサ53及び圧力センサ54が、当該排気通路6に設けられている。また、燃料タンク44内に貯留されている燃料の性状を検出するための性状検出センサ55が設けられている。性状検出センサ55は、燃料の蒸発温度や燃料に含有されるアロマ成分濃度に関連するパラメータ値を検出する。これらの各種センサもECU20に電気的に接続され、各センサの検出値がECU20に引き渡される。
また、ECU20には、燃料噴射弁3、スロットル弁9、EGR弁13、リリーフ弁32、吸入量調量弁46、レギュレータ47、排気燃料噴射弁17等の各種装置が電気的に接続されている。ECU20によって、これら各種装置が制御される。例えば、ECU20は、圧力センサ34の検出値に基づいてリリーフ弁32を制御することで、レール圧を所望の圧力に調整する。また、ECU20は、後述するように吸入量調量弁46、レギュレータ47を制御することで、排気燃料噴射弁17の噴射圧を調整する。
<排気燃料噴射弁17からの燃料噴射>
ここで、酸化触媒15に対しては、内燃機関1からの排気中に含まれる燃料の未燃成分等や、排気燃料噴射弁17から排気中に添加された燃料が流れ込むため、特に酸化触媒15の端面にデポジットが堆積しやすい。酸化触媒15にデポジットが堆積すると、その酸化能を十分に発揮させることが困難となるため、ある程度のデポジットが堆積した時点で、酸化触媒15の温度を上昇させデポジットの酸化除去が図られる。このデポジットの酸化除去のための酸化触媒15の昇温制御を、触媒再生制御と称する。
酸化触媒15に関し触媒再生制御を実行する場合、排気燃料噴射弁17から排気中に噴射された燃料が、酸化触媒15に到達するまでに十分に蒸発した状態とならなければ、酸化触媒15の昇温を効率的に行えず、またその噴射燃料によりデポジットの堆積を助長させる可能性もある。また、酸化触媒15に排気燃料噴射弁17からの燃料が蒸発しない状態で到達すると、燃料の成分により酸化触媒15が損傷する可能性もある。このような観点から、排気燃料噴射弁17からの燃料噴射については、燃料が酸化触媒15に到達するまでに蒸発した状態となることが重要となる。
そこで、本実施例に係る内燃機関1の排気浄化装置では、排気燃料噴射弁17から排気への燃料添加時における、燃料の温度と圧力(噴射圧)を制御することで、噴射燃料の蒸発化を担保させる。当該排気燃料噴射弁17からの燃料噴射に関する制御について、図2〜図4に基づいて説明する。図2は、燃料タンク44に貯留されている燃料の性状に関するパラメータ(以降、「燃料性状パラメータ」と称する)と、当該燃料が酸化触媒15に到達するまでに排気通路6にて蒸発するための燃料温度である必要燃料温度Tfuelとの相関を示す。本実施例では、燃料性状パラメータとしては、燃料の蒸発温度Tvや燃料に含有されるアロマ成分濃度Caを採用でき、これらは性状検出センサ55の検出値に基づいてECU20によって算出される。
ここで、排気燃料噴射弁17から噴射される燃料の必要燃料温度Tfuelと、その噴射圧Pinjとの相関は、以下の式1に従い、その相関が図2に示されている。なお、図2では、異なる3つの噴射圧Pinjに対応する当該相関が線L1、線L2、線L3で示されており、線L1に対応する噴射圧Pinjが最も低く、線L3に対応する噴射圧Pinjが最も高くなっている。
Tfuel=(α・Tv+β・Ca)/(γ・Pinj) ・・・(式1)
α、β、γは定数である。
式1及び図2に示すように、排気燃料噴射弁17の噴射圧Pinjを一定としたとき、燃料性状パラメータである燃料の蒸発温度が高くなるほど、またアロマ成分濃度Caが高くなるほど、必要燃料温度Tfuelは高くなる。また、燃料性状パラメータを一定としたとき、噴射圧Pinjが低くなるほど必要燃料温度Tfuelは高くなる。そして、排気燃料噴射弁17から燃料噴射を行うとき、式1に従った噴射圧Pinjと必要燃料温度Tfuelを実現することができれば、その噴射された燃料は排気通路6内で蒸発することが可能となる。
しかし、式1に従った噴射圧Pinjと必要燃料温度Tfuelで排気燃料噴射弁17から燃料噴射した場合であっても、その噴射燃料が排気通路6内の雰囲気(以降、「排気通路雰囲気」と称する)に晒され酸化触媒15に到達するまでに十分に蒸発し得るか否かは、排気通路雰囲気に影響される。本実施例において、排気通路雰囲気に関するパラメータとしては、排気通路6内の排気温度及び圧力が挙げられる。ここで、排気燃料噴射弁17の噴射圧が高くなるほど噴射燃料が酸化触媒15に到達するまでの時間が短くなるため、噴射燃料の酸化触媒15への到達を回避するための噴射圧の最大値Pmaxが設定される(以降、最大値Pmaxを「最大噴射圧Pmax」と称する)。また、この最大噴射圧Pmaxは、図3で線L4で示すように、排気通路雰囲気パラメータである排気温度が高くなるほど大きくなり、また、排気の圧力が大きくなるほど大きくなる。前者は、高温の排気に噴射燃料が晒されることで燃料の蒸発が促進され、以て噴射圧の増加代が大きくなることにより、また、後者は、排気圧力が大きくなることで噴射燃料が酸化触媒15に到達するまでの時間が長くなり、以て噴射圧の増加代が大きくなることによる。図3では、排気通路雰囲気パラメータ(排気温度、排気圧力)がPT0で表されるときの噴射圧の最大値をPmaxと表している。そして、噴射燃料が蒸発せずに酸化触媒15に到達することを回避する観点から、噴射圧が最大噴射圧Pmaxを超える状態での排気燃料噴射弁17からの燃料噴射は禁止され(図3中の燃料噴射禁止領域を参照)、排気燃料噴射弁17からの燃料噴射は、最大噴射圧Pmax以下の噴射圧で行われる必要がある。
このように、排気燃料噴射弁17からの噴射燃料を蒸発した状態で酸化触媒15に到達せしめるためには、排気燃料噴射弁17の噴射圧PinjをPmax以下に調整するとともに、噴射の際の燃料温度を必要燃料温度Tfuel以上に調整することが必要となる。本実施例では、排気燃料噴射弁17へ供給される燃料の圧力を制御することで、最終的に噴射される際の噴射圧と燃料温度を上記の通りに調整する。そこで、図4に基づいて、その排気燃料噴射弁17へ供給される燃料の圧力制御について説明する。
図4は、その上段(a)に、第2供給通路41及び第3供給通路42内の燃料に関し、燃料に掛かる圧力が低下したときの、該圧力の低下量と燃料の温度上昇分である燃料昇温量との相関を示し、その下段(b)に、当該燃料の温度上昇に対応する、燃料の圧力の推移を示している。第2供給通路41及び第3供給通路42内の燃料については、ポンプ45に圧送される燃料を吸入調量弁46で調整することにより当該燃料に掛かる圧力を上昇させることが可能であり、またレギュレータ47の調整により当該燃料に掛かる圧力を低下させることが可能である。そして、当該燃料の圧力が低下したとき、その圧力によるエネルギーが熱エネルギーに変換され、当該燃料の温度が上昇することになり、その際の圧力の低下量と燃料の昇温量との相関が、図4において線L5で示されている。具体的には、燃料の圧力低下量が大きくなるほど、燃料の昇温量は増加する。
ここで、排気燃料噴射弁17からの噴射燃料を好適に蒸発させて酸化触媒15に届けるために、必要な燃料の噴射圧を、排気通路6の排気通路雰囲気パラメータ(排気温度と排
気圧力)で決定される、図3で示すPmaxに調整するとともに、その噴射の際の燃料温度を、式1で算出される必要燃料温度Tfuelに調整するものとする。なお、当該必要燃料温度Tfuelは、式1のPinjにPmaxを代入することで算出される。現在の燃料温度をT0とすると、仮に必要燃料温度TfuelがT0より高いとすると、燃料温度を必要燃料温度Tfuelと現在の燃料温度の差分(Tfuel−T0)だけ昇温させる必要がある。そこで、当該差分に対応する燃料の圧力低下量ΔPが、図4(a)で線L5で示す相関に基づいて算出される。
そして、排気燃料噴射弁17からの燃料噴射を行う際の最終燃料圧力は、上記の通りPmaxとされる。これは、図3に示すように、噴射燃料が酸化触媒15に蒸発せずに到達しないようにするためには、噴射圧をPmaxより小さくしてもよいが、一方で、図2に示すように、噴射圧が低くなるほど、必要燃料温度Tfuelが高くなり、以て、必要燃料温度Tfuelを高くするためには、図4(a)に示すように燃料圧力の低下量をより大きく確保する必要があることによる。そして、最終燃料圧力がPmaxとされるとき、更に燃料温度を上記差分だけ上昇させるために必要な圧力低下量ΔPを確保するためには、燃料圧力を、図4(b)に示すように、現在の燃料圧力P0から、一度、最大噴射圧Pmaxに圧力低下量ΔPを加えた圧力P1まで上昇させ、その後、ΔPだけ燃料圧力を低下させればよい。このような圧力制御を介することで、最終的に噴射圧をPmax、燃料温度を必要燃料温度Tfuelに調整することが可能となる。なお、当該調整は、吸入調量弁46を介したポンプ45による燃料圧送、及びレギュレータ47による調圧により実現されるが、これらの構成は、内燃機関における燃料供給系に一般に配置される構成である。したがって、特殊な構成を要せずに、排気燃料噴射弁17からの燃料噴射を最適化できる。
<性状確認処理>
ここで、内燃機関1の排気浄化装置において排気燃料噴射弁7からの燃料噴射を行うために、内燃機関1で使用されている燃料の性状に関する上記燃料性状パラメータを確認するための性状確認処理の流れについて、図5に基づいて説明する。なお、当該性状確認処理は、内燃機関1が始動された際にECU20により所定の制御プログラムが実行されることで実現される。先ず、S101では、燃料タンク44への燃料の供給が行われたか否かが判定される。具体的には、燃料タンク44に設けられた、燃料の貯留量を検出するための図示しないセンサの検出値に基づいて、機関停止前の燃料量からの増量が検知された場合には、給油が行われたと判定することができる。S101で肯定判定されるとS102へ進み、否定判定されると本性状確認処理を終了する。
次に、S102では、性状検出センサ55により、燃料の蒸発温度や燃料に含有されるアロマ成分濃度に関連するパラメータ値が検出される。そして、S103では、S102で検出されたパラメータ値に基づいて、式1に従った燃料蒸発関数が更新される。具体的には、ECU20内に、式1に従った燃料蒸発関数が記憶されており、S102で検出された燃料の蒸発温度Tv及びアロマ成分濃度Caの値が式1に代入される。この更新された燃料蒸発関数は、次回の更新まで維持される。S103の処理が終了すると、本性状確認処理が終了となる。
<触媒再生処理>
次に、酸化触媒15に堆積したデポジットを酸化除去するための触媒再生処理の流れについて、図6に基づいて説明する。なお、当該触媒再生処理は、ECU20により所定の制御プログラムが実行されることで実現される。先ず、S201では、酸化触媒15の触媒再生要求があるか否かが判定される、例えば、前回の触媒再生要求から排気燃料噴射弁17から所定量以上の燃料が噴射されている場合には、酸化触媒15に酸化除去すべきデポジットが堆積していると判断し、触媒再生要求が出されてもよい。S201で肯定判定
されるとS202へ進み、否定判定されると本触媒再生処理が終了となる。
S202では、排気燃料噴射弁17が設置されている排気通路6の排気通路雰囲気パラメータが取得される。具体的には、温度センサ53及び圧力センサ54により、排気温度及び排気圧力が、排気通路雰囲気パラメータとして取得される。また、別法として、排気温度及び排気圧力は、内燃機関1の運転状態との間に相関があることを考慮してその運転状態に基づいて算出してもよい。なお、取得された排気温度及び排気圧力は、排気温度及び排気圧力を所定の関数により統合して排気通路雰囲気パラメータとして利用される。S202の処理が終了すると、S203へ進む。
S203では、S202で取得された排気通路雰囲気パラメータに基づいて、最大噴射圧Pmaxが算出される。具体的には、図3に示す排気通路雰囲気パラメータと最大噴射圧Pmaxとの相関が制御マップとしてECU20内のメモリに記憶されており、その制御マップに対して、取得された排気通路雰囲気パラメータを引数としてアクセスすることで現在の最大噴射圧Pmaxが算出される。S203の処理が終了すると、S204へ進む。
S204では、S203で算出された最大噴射圧Pmaxと、性状確認処理により更新された燃料蒸発関数とに基づいて、必要燃料温度Tfuelが算出される。具体的には、更新された燃料蒸発関数の噴射圧PinjにPmaxを代入することで、必要燃料温度Tfuelが算出される。S204の処理が終了すると、S205へ進む。S205では、温度センサ51により、第2供給通路41及び第3供給通路42内の現在の燃料温度T0が検出され、S206へ進む。
S206では、S204で算出された必要燃料温度TfuelがS205で検出されたT0以上であるか否かが判定される。S206で肯定判定されると、排気燃料噴射弁17から噴射圧Pmaxで燃料噴射を行うときに噴射燃料を蒸発させるためには燃料温度を上昇させる必要があることを意味する。そこで、S206で肯定判定されると、S207へ進む。一方、S207で否定判定されると、S209へ進む。
S207では、必要な燃料温度の上昇分である燃料昇温量(Tfuel−T0)を実現するための、燃料の圧力低下量ΔPが算出される。具体的なΔPの算出については、図4(a)に基づいて説明したとおりである。なお、この圧力低下量ΔPの圧力低下を実現するために、レギュレータ47により第2リターン通路43に戻す燃料量である減圧量Qdは、以下の式2に従って算出できる。
Qd = ΔP・Vp/(ρ・v) ・・・(式2)
Vpは、第2供給通路41及び第3供給通路42の容積、ρは、燃料密度、vは、燃料内の音速である。S207の処理が終了すると、S208へ進む。
S208では、S203で算出された最大噴射圧Pmax、及びS207で算出された圧力低下量ΔP、及び現在の第2供給通路41及び第3供給通路42の燃料圧力P0に基づいて、第2供給通路41及び第3供給通路42の燃料圧力、すなわち、排気燃料噴射弁17に噴射される燃料の圧力を制御する。具体的な、燃料圧力の制御は、図4(b)に基づいて説明したとおりである。そして、S208の燃料圧力の制御が行われると、燃料温度が必要燃料温度Tfuelに調整され、且つ、燃料圧力がPmaxに調整される。そこで、次に、S211で、この燃料噴射条件にて、排気燃料噴射弁17から排気中へ燃料噴射を行う。これにより、排気燃料噴射弁17からの噴射燃料は、酸化触媒15に到達するまでに好適に蒸発し、以て酸化触媒15の触媒再生処理を効果的に実行できる。
また、S206で否定判定された場合、現在の燃料温度T0は必要燃料温度Tfuel
よりも高い状態になっている。そこで、S209では、現在の燃料温度T0に基づいて、排気燃料噴射弁17により噴射される燃料の圧力Pinjが、式1に従う燃料蒸発関数(S103で更新された燃料蒸発関数)に燃料温度T0を代入することで算出される。この算出された燃料圧力Pinjは、最大噴射圧Pmaxより低い値となる(図2を参照)。次に、S210では、吸入調量弁46を介したポンプ45の燃料圧送により、燃料圧力がPinjになるように制御される。そして、その次に、S211では、燃料温度T0、燃料圧力Pinjの燃料噴射条件にて、排気燃料噴射弁17から排気中へ燃料噴射を行う。これにより、排気燃料噴射弁17からの噴射燃料は、酸化触媒15に到達するまでに好適に蒸発し、以て酸化触媒15の触媒再生処理を効果的に実行できる。また、燃料圧力を最大噴射圧Pmaxまでは上昇させていないため、燃料の圧力上昇に要するエネルギー量を抑制することができる。
なお、上記実施例は、酸化触媒15の触媒再生処理時における、排気燃料噴射弁17からの燃料噴射に関するものであるが、当該燃料噴射の際にその噴射圧を最大噴射圧Pmaxに調整するとともに燃料温度を必要燃料温度Tfuelに調整する構成は、当該触媒再生処理が行われるとき以外にも採用できる。
1・・・内燃機関
6・・・排気通路
15・・・酸化触媒
16・・・フィルタ
17・・・排気燃料噴射弁
20・・・ECU
21・・・クランクポジションセンサ
22・・・アクセル開度センサ
23・・・エアフローメータ
31・・・コモンレール
33・・・第1供給通路
35・・・第1リターン通路
41・・・第2供給通路
42・・・第3供給通路
43・・・第2リターン通路
44・・・燃料タンク
45・・・ポンプ
46・・・流入調量弁
47・・・レギュレータ
51、53・・・温度センサ
52、54・・・圧力センサ
55・・・性状検出センサ

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた排気浄化触媒の上流側に位置し、該排気通路を流れる排気に該内燃機関の燃料を噴射する排気燃料噴射弁と、
    前記排気燃料噴射弁により噴射される燃料の圧力を調整する圧力調整部と、
    前記排気通路内の排気温度と排気圧力に基づいて、前記排気浄化触媒へ燃料が蒸発せずに到達することを回避可能な、前記排気燃料噴射弁による噴射圧の最大値である最大噴射圧を算出する第1算出部と、
    前記内燃機関の燃料性状と、前記算出部により算出された前記最大噴射圧とに基づいて、前記排気燃料噴射弁による燃料噴射を行う際に必要とされる燃料温度である必要燃料温度を算出する第2算出部と、
    前記第2算出部により算出された前記必要燃料温度が、前記排気燃料噴射弁により噴射される燃料の現在の温度以上である場合は、前記圧力調整部により、該排気燃料噴射弁により噴射される燃料の圧力を、該必要燃料温度と該現在の燃料温度との温度差に基づいて算出される所定噴射圧変化量を前記最大噴射圧に加算した暫定噴射圧に増圧し、その後、該燃料の圧力を該最大噴射圧まで減圧し、該排気燃料噴射弁により燃料噴射を行う噴射制御部と、
    を備える、内燃機関の排気浄化装置。
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JP2020063709A (ja) * 2018-10-18 2020-04-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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