JP2020204308A - ディーゼルエンジン - Google Patents

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Abstract

【課題】無負荷及び/又は軽負荷運転時でも、DPFを再生できるディーゼルエンジンを提供する。【解決手段】PMが堆積したDPFの再生処理の開始条件S1が成立した場合には、その後に排気絞り弁の開度減少制御S2がなされ、排気が所定のアフター噴射許可温度TA以上の温度になった場合には、その後にアフター噴射制御が開始S5され、アフター噴射燃料の燃焼で排気が所定のポスト噴射許可温度TP以上の温度になった場合には、その後にポスト噴射制御が開始S7され、弁下流側DOCでのポスト噴射燃料の触媒燃焼で昇温した排気で、DPFに堆積したPMが焼却されるように構成されている。【選択図】 図2

Description

本発明は、ディーゼルエンジンに関し、詳しくは、無負荷及び/又は軽負荷運転時でも、DPFを再生できるディーゼルエンジンに関する。
従来、ディーゼルエンジンとして、PMの堆積でDPFの再生開始条件が成立した場合には、DOCの活性化後、ポスト噴射制御が開始され、DOCでのポスト噴射燃料の触媒燃焼で、排気がDPF再生温度まで昇温し、DPFに堆積したPMが焼却されるものがある(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−151058号公報(図1,2参照)
《問題点》 無負荷及び軽負荷運転時には、DPFを再生できないおそれがある。
特許文献1のエンジンでは、DPF再生開始時に、吸気絞り弁の開度を絞るが、これのみでは排気の昇温効率が低く、排気温度が低い無負荷及び軽負荷運転時には、DOCが活性化せず、ポスト噴射を行うことができず、DPFを再生できないおそれがある。
本発明の課題は、無負荷び/又は軽負荷運転時でも、DPFを再生できるディーゼルエンジンを提供することにある。
本願発明の構成は、次の通りである。
図1に例示するように、燃焼室(1)に燃料(2)を噴射する燃料噴射装置(3)と、排気経路(4)に配置された排気絞り弁(5)と、その排気下流側に配置された弁下流側DOC(6)と、その排気下流側に配置されたDPF(7)と、排気絞り弁(5)の開度と燃料噴射装置(3)の燃料噴射を制御する電子制御装置(8)を備え、
図2に例示するように、PMが堆積したDPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合には、その後に排気絞り弁の開度減少制御(S2)がなされ、その後にアフター噴射制御が開始(S5)され、その後にポスト噴射制御が開始(S7)され、図1に例示する弁下流側DOC(6)でのポスト噴射燃料の触媒燃焼で昇温した排気で、DPF(7)に堆積したPMが焼却されるように構成され、
図3に例示するように、未燃燃料やPMからなる未燃焼堆積物の堆積に基づいて機能低下した弁下流側DOCの触媒機能回復処理の開始条件(S13)が成立した場合には、その後に排気絞り弁の開度減少制御(S15)がなされ、その後にアフター噴射制御が開始(S18)され、アフター噴射燃料の燃焼で昇温した排気で、図1に例示する弁下流側DOC(6)に堆積した未燃焼堆積物が気化または焼却されるように構成されている。
本願発明は、次の効果を奏する。
《効果1》無負荷及び/又は軽負荷運転時でも、DPFを再生できる。
このエンジンでは、図2に例示するように、DPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合には、排気絞り弁の開度減少による背圧の上昇、及びアフター噴射燃料の燃焼が起こるため、吸気絞りの場合に比べ、排気の昇温効率が高く、排気温度が低い無負荷及び/又は軽負荷運転時でも、図1に例示する弁下流側DOC(6)が活性化され、ポスト噴射で、DPF(7)を再生できる。
《効果2》エンジン出力を高くできる。
このエンジンでは、アフター噴射燃料の燃焼で排気が昇温するため、排気絞り弁(5)の開度減少の度合いが小さくて済み、背圧による出力ロスが小さく、エンジン出力を高くできる。
《効果3》DPF再生時に弁下流側DOCの低下した触媒機能を回復できる。
このエンジンでは、排気温度が低い無負荷及び/又は軽負荷運転の継続で、弁下流側DOCに未燃焼燃料やPMからなる未燃焼堆積物が堆積し、その触媒機能が低下している場合でも、図2に例示するように、DPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合には、排気絞り弁の開度減少やアフター噴射で、排気が昇温し、未燃焼堆積物が気化或いは燃焼され、DPFの再生時に図1に例示する弁下流側DOC(6)の低下した触媒機能を回復できる。
《効果4》 DPF再生前に弁下流側DOCの低下した触媒機能が回復され、触媒機能の低下が進行し難い。
このエンジンでは、DPF再生時でなくても、図3に例示するように、弁下流側DOCの触媒機能回復処理の開始条件(S13)が成立した場合には、排気絞り弁の開度減少やアフター噴射で、排気が昇温し、未燃焼堆積物が気化或いは燃焼され、DPF再生前に図1に例示する弁下流側DOC(6)の低下した触媒機能が回復し、触媒機能の低下が進行し難い。また、白煙の原因である未燃焼堆積物がないため、白煙発生も抑えられる。
《効果5》 排気の昇温効率が高い。
このエンジンと異なる構造、すなわち排気絞り弁がDPFよりも排気下流側に配置されている場合に比べ、このエンジンでは、図1に例示するように、排気絞り弁(5)がDPF(7)よりも排気上流側に配置されているため、排気絞り弁(5)の排気上流側の排気経路(4)の容積が小さくなり、排気絞り弁(5)の開度減少で弁上流側排気圧(P0)が速やかに昇圧し、排気(9)の昇温効率が高い。
《効果6》 排気絞り弁の弁鳴り音が排気経路外に放出され難い。
このエンジンでは、図1に例示するように、排気絞り弁(5)の排気下流側に弁下流側DOC(6)とDPF(7)が配置されるため、排気絞り弁(5)の弁鳴り音が排気経路(4)外に放出され難い。
本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンの模式図である。 図1のエンジンのDPFの再生処理のフローチャートである。 図1のエンジンの弁下流側DOCの触媒機能回復処理のフローチャートである。 図1のエンジンの弁上流側排気圧力(P0)を演算するために用いられる関係式で、式1は排気の質量流量(m)と弁上流側排気圧力(P0)等の関係式、式2は排気の質量流量(G)と排気の体積流量(V)等の関係式、式3は排気の体積流量(V)と排気の質量流量(G)と燃料噴射量(Q)等の関係式、式4は弁下流側排気圧(P1)と大気圧(P3)とDPFの出入口間の差圧(ΔP)の関係式である。
図1〜図4は本発明の実施形態に係るディーゼルエンジンを説明する図で、この実施形態ではコモンレール式の立形直列多気筒ディーゼルエンジンについて説明する。
このエンジンの構成は、次の通りである。
図1に示すように、クランク軸(21)の架設方向を前後方向、フライホイール(22)の配置された側を後側、その反対側を前側、前後方向と直交するエンジン幅方向を横方向とする。
図1に示すように、このエンジンは、シリンダヘッド(23)の横一側に組みつけられた吸気マニホルド(24)と、シリンダヘッド(23)の横他側に組み付けられた排気マニホルド(25)を備えている。
図1に示すように、このエンジンは、電子制御装置(8)を備えている。
電子制御装置(8)は、エンジンECUである。エンジンECUは、電子制御ユニットの略称で、マイコンである。
図1に示すように、このエンジンは、排気装置を備えている。
排気装置は、排気マニホルド(25)と、排気マニホルド(25)に接続された過給機(26)の排気タービン(26a)と、排気タービン(26a)の排気出口(26b)から導出された排気導出通路(26c)を備えている。
図1に示すように、このエンジンは、吸気装置を備えている。
吸気装置は、過給機(26)のコンプレッサ(26d)と、コンプレッサ(26d)の吸気入口(26e)の吸気上流側に設けられた吸気流量センサ(16)と、コンプレッサ(26d)の過給気出口(26f)と吸気マニホルド(24)の間に配置されたインタークーラ(28)と、インタークーラ(28)と吸気マニホルド(24)の間に配置された吸気絞り弁(11)と、排気マニホルド(25)と吸気マニホルド(24)の間に配置されたEGRクーラ(30)と、EGRクーラ(30)と吸気マニホルド(24)の間に配置されたEGR弁(31)を備えている。EGRは、排気ガス還流の略称である。
吸気絞り弁(11)とEGR弁(31)は、いずれも電動式開閉弁で、これらは電子制御装置(8)を介して電源(29)に電気的に接続されている。吸気流量センサ(16)は吸気温度センサを備え、電子制御装置(8)に電気的に接続されている。電源(29)はバッテリである。
図1に示すように、このエンジンは、コモンレール式の燃料噴射装置(3)を備えている。
この燃料噴射装置(3)は、各燃焼室(1)に設けられた燃料噴射弁(34)と、燃料噴射弁(34)から噴射する燃料を蓄圧するコモンレール(35)と、コモンレール(35)に燃料タンク(36)から燃料を圧送する燃料サプライポンプ(37)を備えている。
燃料噴射弁(34)は電磁式開閉弁を備え、燃料サプライポンプ(37)は、電動式調圧弁を備え、これらは電子制御装置(8)を介して電源(29)に電気的に接続されている。
図1に示すように、このエンジンは、調速装置を備えている。
調速装置は、エンジンの目標回転数を設定するアクセルレバー(38)の設定位置を検出するアクセルセンサ(39)と、エンジンの実回転数を検出する実回転数センサ(40)を備え、これらセンサ(39)(40)は電子制御装置(8)に電気的に接続されている。
図1に示すように、このエンジンは、始動装置を備えている。
始動装置は、スタータモータ(41)と、キースイッチ(42)を備え、スタータモータ(41)とキースイッチ(42)は、電子制御装置(8)を介して電源(29)に電気的に接続されている。キースイッチ(42)は、OFF位置と、ON位置と、スタート位置を備えている。
電子制御装置(8)は、次のような運転制御を行うように構成されている。
エンジンの目標回転数と実回転数の回転数偏差を小さくするように、燃料噴射弁(34)からの燃料噴射量や噴射タイミングを設定し、負荷変動によるエンジンの回転数変動を小さくする。
エンジンの回転数と負荷と吸気量と吸気温度に応じ、吸気絞り弁(11)とEGR弁(31)の開度を調節し、吸気量やEGR率を調節する。
キースイッチ(42)がスタート位置に投入されると、スタータモータ(41)を駆動し、エンジンの始動を行う。キースイッチ(42)がON位置に投入されると、電源(29)からエンジン各部への通電により、エンジン運転状態が維持され、キースイッチ(42)がOFF位置に投入されると、燃料噴射弁(34)からの燃料噴射が停止され、エンジンが停止される。
このエンジンは、排気処理装置を備えている。
図1に示すように、排気処理装置は、燃焼室(1)に燃料(2)を噴射する燃料噴射装置(3)と、排気経路(4)に配置された排気絞り弁(5)と、その排気下流側に配置された弁下流側DOC(6)と、その排気下流側に配置されたDPF(7)と、排気絞り弁(5)の開度と燃料噴射装置(3)の燃料噴射を制御する電子制御装置(8)を備えている。
このエンジンと異なる構成、すなわち排気絞り弁がDPFよりも排気下流側に配置されている場合に比べ、このエンジンでは、図1に示すように、排気絞り弁(5)がDPF(7)よりも排気上流側に配置されているため、排気絞り弁(5)の排気上流側の排気経路(4)の容積が小さくなり、排気絞り弁(5)の開度減少で弁上流側排気圧(P0)が速やかに昇圧し、排気(9)の昇温効率が高い。
また、このエンジンでは、図1に示すように、排気絞り弁(5)の排気下流側に弁下流側DOC(6)とDPF(7)が配置されるため、排気絞り弁(5)の弁鳴り音が排気経路(4)外に放出され難い。
上記各要素について説明する。
図1に示す燃焼室(1)は、シリンダ内に形成されている。燃料(2)は軽油である。排気絞り弁(5)は、電動式開閉弁で、電子制御装置(8)を介して電源(29)に電気的に接続されている。DOCは、ディーゼル排気触媒の略称で、セラミックハニカム担体に白金やパラジウム等の酸化触媒成分が担持されたスルーフロー型で、排気(9)中のCO(一酸化炭素)及び、NO(一酸化窒素)を酸化する。DPFは、ディーゼル・パティキュレート・フィルタの略称で、セラミックハニカムの隣り合うセルの出入口を交互に塞いだウォールフロー型で、排気(9)中のPMを捕捉する。PMは、粒子状物質の略称である。
弁下流側DOC(6)とDPF(7)は、排気経路(4)の途中に配置された排気処理ケース(4a)の排気上流側と下流側にそれぞれ収容されている。
このDPFシステムは、DPF(7)で排気(9)中のPMを捕捉し、排気(9)中のNO(一酸化窒素)を弁下流側DOC(6)で酸化して得られるNO(二酸化窒素)で、DPF(7)に堆積したPMを比較的低温で連続的に酸化燃焼させるとともに、コモンレール式の燃料噴射装置(3)のポスト噴射によって排気(9)に供給された未燃燃料を弁下流側DOC(6)で触媒燃焼させ、DPF(7)に堆積したPMを、比較的高温で燃焼させて、DPF(7)を再生する。
この排気処理装置は、DPF(7)の再生処理のため、次の構成を備えている。
図2に示すように、PMが堆積したDPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合には、その後に排気絞り弁の開度減少制御(S2)がなされ、排気が所定のアフター噴射許可温度(TA)以上の温度になった場合には、その後にアフター噴射制御が開始(S5)され、アフター噴射燃料の燃焼で排気が所定のポスト噴射許可温度(TP)以上の温度になった場合には、その後にポスト噴射制御が開始(S7)され、図1に示す弁下流側DOC(6)でのポスト噴射燃料の触媒燃焼で昇温した排気(9)で、DPF(7)に堆積したPMが焼却されるように構成されている。
このエンジンでは、次の利点がある。
図2に示すように、DPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合には、排気絞り弁の開度減少による背圧の上昇、及びアフター噴射燃料の燃焼が起こるため、吸気絞りの場合に比べ、排気の昇温効率が高く、排気温度が低い無負荷及び/又は軽負荷運転時でも、図1に示す弁下流側DOC(6)が活性化され、ポスト噴射で、DPF(7)を再生できる。
また、このエンジンでは、アフター噴射燃料の燃焼で排気が昇温するため、排気絞り弁(5)の開度減少の度合いが小さくて済み、背圧による出力ロスが小さく、エンジン出力を高くできる。
このエンジンでは、排気温度が低い無負荷及び/又は軽負荷運転の継続で、弁下流側DOCに未燃焼燃料やPMからなる未燃焼堆積物が堆積し、その触媒機能が低下している場合でも、図2に示すように、DPFの再生開始条件(S1)が成立した場合には、排気絞り弁の開度減少やアフター噴射で、排気が昇温し、未燃焼堆積物が気化或いは燃焼され、DPF再生時に図1に示す弁下流側DOC(6)の低下した触媒機能を回復できる。
DPF(7)の再生の場合の各要素について説明する。
図2に示すように、DPFの再生処理の開始条件(S1)は、DPFに堆積したPM堆積量推定値(APM)がDPFの再生処理の開始判定値(RSJ)以上になった場合に成立する。PM堆積量推定値(APM)としては、例えば、図1に示すDPF(7)の出入口間の差圧(ΔP)に基づいて、PM堆積量推定値演算装置(32)が推定する方法等がある。PM堆積量推定値演算装置(32)は、電子制御装置(8)の演算部で構成されている。
燃料噴射装置(3)から一燃焼サイクル中に行われるの噴射の種類には、ブレ噴射(パイロット噴射)と、メイン噴射と、アフター噴射と、ポスト噴射がある。
一燃焼サイクルは、4サイクルエンジンでは、吸気行程と圧縮行程と膨張行程と排気行程からなる。
ブレ噴射(パイロット噴射)は、メイン噴射燃料の着火遅れを抑制するための噴射で、吸気行程中または圧縮行程中に開始される。
メイン噴射は、出力を得るための主たる噴射で、圧縮上死点前に開始される。
アフター噴射は、排気を昇温させるための噴射で、メイン噴射の後、膨張行程中に開始される。
ポスト噴射は、排気を昇温させるための噴射で、アフター噴射の後、膨張行程中に開始される。ポスト噴射は、排気行程中に開始されるものであってもよい。
図2に示すDPFの再生処理の場合、アフター噴射は次のように設定されている。
アフター噴射許可温度(TA)は、150°C以上、700°C以下に設定する。
アフター噴射制御では、図1に示す弁下流側DOC(6)の入口側排気温度(T1)が400°C以上、700°C以下に維持されるように設定されている。
アフター噴射許可温度(TA)は、弁上流側排気温度センサ(19)で検出される弁上流側排気温度(T0)についての判定温度であり、弁上流側排気温度(T0)は、弁上流側排気温度センサ(19)で検出され、電子制御装置(8)による噴射タイミングや燃料噴射量の調節によって制御される。
弁下流側DOC(6)の入口側排気温度(T1)は、弁上流側排気温度センサ(19)で検出される弁上流側排気温度(T0)から推定され、電子制御装置(8)による噴射タイミングや燃料噴射量の調節によって制御される。
アフター噴射では、膨張行程で燃焼室(1)内に噴射が開始されたアフター噴射燃料が排気(9)の熱で燃焼し、無負荷及び低負荷運転で排気(9)の温度が低い場合でも、排気(9)が弁下流側DOC(6)に堆積する未燃焼堆積物が気化または焼却される温度まで昇温され、未燃焼堆積物で低下した弁下流側DOC(6)の触媒機能が回復すると共に、弁下流側DOC(6)が活性化される。
図2に示すDPFの再生処理の場合、ポスト噴射は次のように設定されている。
ポスト噴射許可温度(TP)は、200°C以上、700°C以下に設定されている。
ポスト噴射許可温度(TP)は、アフター噴射許可温度(TA)よりも高い温度に設定されている。
ポスト噴射制御では、弁下流側DOC(6)の入口側排気温度(T1)が400°C以上、700°C以下に維持されると共に、DPF(7)の入口側排気温度(T2)が550°C以上、700°C以下に維持されるように設定されている。特に、DPF(7)の入口側排気温度(T2)は、堆積したPMの異常燃焼を防止するため、700°C以下に設定することが望ましい。
ポスト噴射許可温度(TP)は、弁上流側排気温度センサ(19)で検出される弁上流側排気温度(T0)についての判定温度であり、弁上流側排気温度(T0)は、弁上流側排気温度センサ(19)で検出され、電子制御装置(8)で制御される。
弁下流側DOC(6)の入口側排気温度(T1)は、弁上流側排気温度センサ(19)で検出される弁上流側排気温度(T0)により、電子制御装置(8)による噴射タイミングや燃料噴射量の調節によって制御される。
DPF(7)の入口側排気温度(T2)は、DPF入口側排気温度センサ(27)で検出され、電子制御装置(8)による噴射タイミングや燃料噴射量の調節によって制御される。
なお、DPF出口側排気温度センサ(33)で検出されるDPF出口側排気温度(T3)が所定の上限温度以上の温度になった場合には、電子制御装置(8)の制御によりアフター噴射やポスト噴射は緊急停止される。
ポスト噴射では、膨張行程又は排気行程で燃焼室内に噴射が開始されたポスト噴射燃料が弁下流側DOC(6)で触媒燃焼し、排気(9)が昇温し、DPF(7)に溜まったPMが焼却除去される。
この排気処理装置は、弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理のため、次の構成を備えている。
図3に示すように、未燃燃料やPMからなる未燃焼堆積物の堆積に基づいて機能低下した弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理の開始条件(S13)が成立した場合には、その後に排気絞り弁(5)の開度減少制御(S15)がなされ、排気が所定のアフター噴射許可温度(TA)以上の温度になった場合には、その後にアフター噴射制御が開始(S18)され、アフター噴射燃料の燃焼で昇温した排気(9)で、弁下流側DOC(6)に堆積した未燃焼堆積物が気化または焼却されるように構成されている。
このエンジンでは、DPF再生時でなくても、図3に示すように、弁下流側DOCの触媒機能回復の開始条件(S13)が成立した場合には、排気絞り弁の開度減少やアフター噴射で、排気が昇温し、未燃焼堆積物が気化或いは燃焼され、DPF再生前に図1に示す弁下流側DOC(6)の低下した触媒機能が回復され、触媒機能の低下が進行し難い。また、白煙の原因である未燃焼堆積物がないため、白煙の発生も抑えられる。
図3に示すように、弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理の開始条件(S13)は、無負荷及び軽負荷の運転時間の積算値(tL)が所定の触媒機能回復処理の開始判定値(ISJ)以上になった場合に成立する。無負荷及び軽負荷の運転時間の積算値(tL)は、弁上流側排気温度(T0)が無負荷及び軽負荷運転の判定温度(LJ)以下であることに基づいて、運転時間積算装置(18)が算出する。運転時間積算装置(18)は、電子制御装置(8)の演算部で構成されている。
図3に示す弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理の場合、アフター噴射は次のように設定されている。
アフター噴射許可温度(TA)は、150°C以上、700°C以下に設定されている。
アフター噴射制御では、弁下流側DOC(6)の入口側排気温度(T1)が180°C以上、700°C以下に維持されるように設定されている。
アフター噴射では、膨張行程で燃焼室内に噴射されたアフター噴射燃料が排気の熱で燃焼し、無負荷及び低負荷運転で排気の温度が低い場合でも、排気が弁下流側DOCに堆積する未燃焼堆積物が気化または焼却される温度まで昇温され、未燃焼堆積物で低下した図1に示す弁下流側DOC(6)の触媒機能が回復され、触媒機能の低下が進行し難い。
このエンジンは、図1に示すように、吸気経路(10)に配置された吸気絞り弁(11)を備え、その開度が電子制御装置(8)で制御されるように構成され、図2に示すように、DPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合又は図3に示すように、弁下流側DOCの触媒機能回復処理の開始条件(13)が成立した場合には、排気絞り弁(5)の開度減少制御(S2)(S15)がなされると共に、吸気絞り弁(11)の開度減少制御(S2)(S15)がなされるように構成されている。
このため、このエンジンでは、排気絞りと共に吸気絞りが行われるため、吸気量の減少により排気の昇温効率が高まる。
このエンジンでは、図2または図3に示すように、排気絞り弁の開度減少制御(S2)(S15)がなされた後、弁上流側排気圧(P0)が所定の圧力上限値(Pmax)を超えた場合には、その後に排気絞り弁の開度増加制御(S4−2)(S17−2)がなされるように構成されている。
このため、このエンジンでは、弁上流側排気圧(P0)の過剰な昇圧が抑制されるため、その加圧で排気絞り弁(5)やその上流側の部品が故障し難い。
圧力上限値(Pmax)は、図1に示す排気絞り弁(11)、EGR弁(31)、過給機(26)等の仕様又は排気経路(4)の配管の気密性などから決められる。
排気絞り弁(5)は、排気経路(4)の途中に配置されている。
このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側排気圧(P0)の演算装置(12)を備え、図4に示すように、弁上流側排気圧(P0)は、排気の質量流量(G)と、弁上流側排気温度(T0)と、弁下流側排気圧(P1)から演算で算出されるように構成されている。弁上流側排気圧(P0)の演算装置(12)は、電子制御装置(8)の演算部で構成されている。
このエンジンでは、図4に示すように、排気の質量流量(G)等から演算で弁上流側排気圧(P0)を精度よく算出できるため、図1に示す排気絞り弁(5)の制御精度を高くできる。
このエンジンでは、弁上流側排気圧(P0)は、排気絞り弁(5)の排気上流側に配置した排気圧センサで検出してもかまわない。この場合、弁上流側排気圧(P0)を迅速に検出できるため、図1に示す排気絞り弁(5)の制御精度を高くできる。
弁上流側排気圧(P0)を演算で算出する場合には、次の関係式を用いることができる。
弁上流側排気圧(P0)は、図4の式1により、排気(9)の質量流量(G)と、弁上流側排気温度(T0)と、弁下流側排気圧(P1)から演算で算出することができる。
排気(9)の質量流量(G)は、図4の式2により、排気(9)の密度(ρ0)と排気(9)の体積流量(V)から演算で算出することができる。
排気(9)の体積流量(V)は、図4の式3により、排気(9)の質量流量(G)と燃料噴射量(Q)等から演算で算出することができる。
燃料噴射量(Q)は、1秒当たりのブレ噴射(パイロット噴射)と、メイン噴射と、アフター噴射と、ポスト噴射を加算した燃料噴射量である。
なお、排気流量の代用値として吸気流量を用いることができるため、図4の式3の精密な排気(9)の体積流量(V)の演算に代え、吸気流量センサ(16)で計量された吸気流量を排気(9)の体積流量(V)とみなして、式2の演算を行ってもよい。
このエンジンでは、図1に示すように、DPF(7)の出入口間の差圧(ΔP)を検出する差圧センサ(13)と、大気圧(P3)を検出する大気圧センサ(14)を備え、図4の式4に示すように、弁下流側排気圧(P1)は、DPF(7)の出入口間の差圧(ΔP)と大気圧(P3)から演算で算出されるように構成されている。
このエンジンでは、図4に示すように、DPFの出入口間の差圧(ΔP)と大気圧(P3)から演算で弁下流側排気圧(P1)を精度よく算出できるため、図1に示す排気絞り弁(5)の制御精度を高くできる。
このエンジンでは、弁下流側排気圧(P1)を排気絞り弁(5)の排気下流側に配置した排気圧センサで検出してもかまわない。この場合、弁下流側排気圧(P1)を迅速に検出できるため、図1に示す排気絞り弁(5)の制御精度を高くできる。
このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側排気温度センサ(19)を備え、これで検出される弁上流側排気温度(T0)が、弁上流側排気圧(P0)の演算に用いられていると共に、図2に示すように、アフター噴射許可温度(TA)及びポスト噴射許可温度(TP)との温度比較判定にも用いられている。
このエンジンでは、単一の弁上流側排気温度センサ(19)で検出した弁上流側排気温度(T0)を用いて、上記演算と比較判定を行うため、センサの数を少なくできる。
このエンジンでは、弁上流側排気圧(P0)を排気絞り弁(5)の排気上流側に排気した排気圧センサで検出し、アフター噴射許可温度(TA)の比較判定に弁上流側排気温度センサ(19)の検出温度を用い、ポスト噴射許可温度(TP)の比較判定に弁下流側排気温度センサの検出温度を用いてもかまわない。この場合、弁上流側排気圧(P0)の検出、アフター噴射許可温度(TA)の比較判定、ポスト噴射許可温度(TP)の比較判定を迅速に行うことができる。
このエンジンでは、図1に示すように、排気絞り弁(5)の排気上流側に配置される弁上流側DOC(17)を備えている。
このエンジンでは、無負荷及び/又は運転の継続で、弁下流側DOC(6)に未燃焼燃料やPMからなる未燃焼堆積物が堆積し、弁下流側DOC(6)の触媒機能が低下している場合でも、図2に示すように、DPFの再生開始条件が成立した場合には、その後のアフター噴射やポスト噴射により、アフター噴射燃料やポスト噴射燃料が弁上流側DOCで触媒燃焼され、排気が大幅に昇温するため、未燃焼堆積物が速やかに気化或いは燃焼し、DPF再生時に図1に示す弁下流側DOC(6)の低下した触媒機能を回復できる。
弁上流側DOC(17)は、排気経路(4)の途中に配置された弁上流側DOCケース(4b)内に収容されている。弁上流側排気温度センサ(19)は、弁上流側DOC(17)と排気絞り弁(5)の間に配置されている。
このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側DOC(17)と弁下流側DOC(6)には、セル内を排気が通過するハニカム担体に触媒成分を担持させたフロースルー型の酸化触媒が用いられている。
このため、このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側DOC(17)と弁下流側DOC(6)にフロースルー型の酸化触媒が用いられているため、背圧による出力ロスが小さく、エンジン出力を高くできる。
このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側DOC(17)の径は、弁下流側DOC(6)の径よりも小さく形成されている。
このため、エンジンでは、弁上流側DOC(17)のセルを通過する排気(9)の通過速度は、弁下流側DOC(6)のセルを通過する排気(9)の通過速度よりも速くなるため、弁上流側DOC(17)には未燃焼燃料やPMからなる未燃焼堆積物が堆積し難い。
このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側DOC(17)の(全域の)セル密度は、弁下流側DOC(6)のセル密度よりも大きく形成されている。
このため、このエンジンでは、図1に示すように、弁上流側DOC(17)のセルを通過する排気(9)の通過速度は、弁下流側DOC(6)のセルを通過する排気(9)の通過速度よりも速くなるため、弁上流側DOC(17)には未燃焼燃料やPMからなる未燃焼堆積物が堆積し難い。
このエンジンでは、図1に示すように、無負荷及び/又は軽負荷運転の運転時間を積算する運転時間積算装置(18)を備え、図3に示すように、無負荷及び/又は軽負荷の運転時間の積算値(tL)が所定の触媒機能回復処理の開始判定値(ISJ)に至った場合には、弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理の開始条件(S23)が成立するように構成されている。
このため、このエンジンでは、弁下流側DOCの触媒機能の低下の確度が高い時期に、触媒機能の改善を開始できるため、無駄な排気絞りやアフター噴射を無くすことができる。
このエンジンでは、電子制御装置(8)によるDPF(7)の再生処理の流れは次の通りである。
図2に示すように、ステップ(S1)では、DPFの再生処理の開始条件が満たされたか否かが判定される。具体的には、DPFのPM堆積量推定値(APM)がDPFの再生処理の開始判定値(RSJ)以上の値になったか否かが判別される。DPFのPM堆積量推定値(APM)は、図1に示すDPF(7)の出入口間の差圧(ΔP)に基づいてPM堆積量推定値演算装置(32)で算出される。PM堆積量推定値演算装置(32)は、電子制御装置(8)の演算部で構成されている。DPFのPM堆積量推定値(APM)は、差圧(ΔP)による算出以外の方法で算出してもよい。
図2に示すように、ステップ(S1)の判定は、肯定されるまで繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S2)に進む。
図2に示すように、ステップ(S2)では、排気絞り弁の開度減少制御と、排気絞り弁の開度減少制御が行われ、ステップ(S3)に進む。
ステップ(S2)の吸気絞り弁や排気絞り弁の開度減少制御は、吸気絞り弁(11)を駆動するアクチュエータ(11a)と、排気絞り弁(5)を駆動するアクチュエータ(5a)を電子制御装置(8)が制御することにより行われる。
図2に示すように、ステップ(S3)では、弁上流側排気圧(P0)が圧力上限値(Pmax)以下か否かが判定され、判定が肯定された場合には、ステップ(S4−1)に進む。
ステップ(S4−1)では、弁上流側排気温度(T0)がアフター噴射許可温度(TA)以上か否かが判定され、判定が肯定された場合には、ステップ(S5)に進む。
ステップ(S5)では、アフター噴射制御が開始され、ステップ(S6)に進む。
尚、ステップ(S3)での判定が否定された場合には、ステップ(S4−2)に進み、排気絞り弁の開度増加制御がなされ、ステップ(S4−1)に進む。
ステップ(S4−2)の排気絞り弁の開度増加制御は、排気絞り弁(5)を駆動するアクチュエータ(5a)を電子制御装置(8)が制御することにより行われる。
ステップ(S4−1)での判定が否定された場合にはステップ(S3)に戻る。
ステップ(S6)では、弁上流側排気温度(T0)がポスト噴射許可温度(TP)以上か否かが判定される。ステップ(S6)の判定は肯定されるまで繰り返され、判定が肯定されるとステップ(S7)に進む。
ステップ(S7)では、ポスト噴射制御が開始され、ステップ(S8)に進む。
ステップ(S8)では、DPFの再生処理の終了条件が満たされたか否かが判定される。具体的には、DPFのPM堆積量推定値(APM)がDPFの再生処理の終了判定値(REJ)以下の値になることが終了条件とされ、ステップ(S8)では、この終了条件が肯定されたか否かが判定される。
ステップ(S8)の判定は、肯定されるまで判定が繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S9)に進む。
ステップ(S9)では、ポスト噴射制御が終了されると共に、アフター噴射制御も終了され、ステップ(S10)に進む。
ステップ(S10)では、吸気絞り弁が全開にリセットされると共に、排気絞り弁も全開にリセットされ、ステップ(S1)に戻る。
尚、ステップ(S8)のDPFのPM堆積量推定値(APM)は、DPFの出入口間の差圧(ΔP)に基づいてPM堆積量推定値演算装置(32)で算出される。
ステップ(S8)のDPFの再生処理の終了条件は、図1に示すDPF(7)の入口側排気温度(T2)が所定のDPF再生処理温度以上の値を所定時間維持したこととしてもよい。
このエンジンでは、電子制御装置(8)による弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理の流れは次の通りである。
図3に示すように、ステップ(S11)では、弁上流側排気温度(T0)が無負荷及び軽負荷運転の判定温度(LJ)以下の値になったか否かが判定される。ステップ(S11)の判定は、肯定されるまで繰り返され、判定が肯定されるとステップ(S12)に進む。
ステップ(S11)では、弁上流側排気温度(T0)が無負荷又は軽負荷運転の判定温度(LJ)以下の値になったか否かを判定するようにしてもよい。
ステップ(S12)では、無負荷及び軽負荷運転時間を積算し、ステップ(S13)に進む。
ステップ(S13)では触媒機能回復処理の開始条件が満たされたか否かが判定される。具体的には、無負荷及び軽負荷の運転時間の積算値(tL)が触媒機能回復処理の開始判定値(ISJ)以上の値になったか否かが判定され、判定が肯定された場合にはステップ(S14)に進む。ステップ(S13)で判定が否定された場合には、ステップ(S11)に戻る。
ステップ(S14)では、ステップ(S12)で積算した無負荷及び軽負荷の運転時間の積算値(tL)を0にリセットし、事後に行われる触媒機能回復処理時間の積算を開始し、ステップ(S15)に進む。
ステップ(S15)では、排気絞り弁の開度減少制御と、排気絞り弁の開度減少制御が行われ、ステップ(S16)に進む。
ステップ(S15)の吸気絞り弁や排気絞り弁の開度減少制御は、前記ステップ(S2)の場合と同様にして行われる。
ステップ(S16)では、弁上流側排気圧(P0)が圧力上限値(Pmax)以下か否かが判定され、判定が肯定された場合には、ステップ(S17−1)に進む。
ステップ(S17−1)では、弁上流側排気温度(T0)がアフター噴射許可温度(TA)以上か否かが判定され、判定が肯定された場合には、ステップ(S18)に進む。
ステップ(S18)では、アフター噴射制御が開始され、ステップ(S19)に進む。
ステップ(S16)での判定が否定された場合には、ステップ(S17−2)に進み、排気絞り弁の開度増加制御がなされ、ステップ(S17−1)に進む。
ステップ(S17−1)での排気絞り弁の開度減少制御は、前記ステップ(S4−2)の場合と同様にして行われる。
ステップ(S17−1)での判定が否定された場合にはステップ(S16)に戻る。
ステップ(S19)では、触媒機能回復処理の終了条件が満たされたか否かが判定される。具体的には、触媒機能回復処理時間の積算値(tI)が触媒機能回復処理の終了判定値(IEJ)以上の値になることが終了条件とされ、ステップ(S19)では、この終了条件が満たされたか否かが判定される。
ステップ(S19)の判定は、肯定されるまで判定が繰り返され、判定が肯定された場合には、ステップ(S20)に進む。
ステップ(S20)では、アフター噴射制御が終了され、ステップ(S21)に進む。
ステップ(S21)では、吸気絞り弁が全開にリセットされると共に、排気絞り弁も全開にリセットされ、ステップ(S14)下段の触媒機能回復処理時間の積算の積算値(tI)を0にリセットし、ステップ(S11)に戻る。なお、ステップ(S14)上段の無負荷及び軽負荷の運転時間の積算値(tL)の0へのリセットも、ステップ(S14)ではなく、ステップ(S21)で行ってもよい。
(1)…燃焼室、(2)…燃料、(3)…燃料噴射装置、(4)…排気経路、(5)…排気絞り弁、(6)…弁下流側DOC、(7)…DPF、(8)…電子制御装置、(9)…排気、(10)…吸気経路、(11)…吸気絞り弁、(12)…弁上流側排気圧の演算装置、(13)…差圧センサ、(14)…大気圧センサ、(15)…排気流量の演算装置、(16)…吸気流量センサ、(17)…弁上流側DOC、(18)…運転時間積算装置、(19)…弁上流側排気温度センサ、(20)…吸気、(S1)…DPFの再生処理の開始条件、(S2)…排気絞り弁の開度減少制御、(S4−2)…排気絞り弁の開度増加制御、(S5)…アフター噴射制御が開始、(S13)…弁下流側DOCの触媒機能回復処理の開始条件、(S15)…排気絞り弁の開度減少制御、(S17−2)…排気絞り弁の開度増加制御、(S18)…アフター噴射制御が開始、(T0)…弁上流側排気温度、(TA)…アフター噴射許可温度、(TP)…ポスト噴射許可温度、(P0)…弁上流側排気圧、(Pmax)…圧力上限値、(G)…排気の質量流量、(P1)…弁下流側排気圧、(ΔP)…差圧、(P3)…大気圧、(tL)…無負荷及び/又は軽負荷の運転時間の積算値、(ISJ)…触媒機能回復処理の開始判定値。

Claims (11)

  1. 燃焼室(1)に燃料(2)を噴射する燃料噴射装置(3)と、排気経路(4)に配置された排気絞り弁(5)と、その排気下流側に配置された弁下流側DOC(6)と、その排気下流側に配置されたDPF(7)と、排気絞り弁(5)の開度と燃料噴射装置(3)の燃料噴射を制御する電子制御装置(8)を備え、
    PMが堆積したDPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合には、その後に排気絞り弁の開度減少制御(S2)がなされ、排気が所定のアフター噴射許可温度(TA)以上の温度になった場合には、その後にアフター噴射制御が開始(S5)され、アフター噴射燃料の燃焼で排気が所定のポスト噴射許可温度(TP)以上の温度になった場合には、その後にポスト噴射制御が開始(S7)され、弁下流側DOCでのポスト噴射燃料の触媒燃焼で昇温した排気で、DPFに堆積したPMが焼却されるように構成され、
    未燃燃料やPMからなる未燃焼堆積物の堆積に基づいて機能低下した弁下流側DOCの触媒機能回復処理の開始条件(S13)が成立した場合には、その後に排気絞り弁の開度減少制御(S15)がなされ、排気が所定のアフター噴射許可温度(TA)以上の温度になった場合には、その後にアフター噴射制御が開始(S18)され、アフター噴射燃料の燃焼で昇温した排気で、弁下流側DOCに堆積した未燃焼堆積物が気化または焼却されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  2. 請求項1に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    吸気経路(10)に配置された吸気絞り弁(11)を備え、その開度が電子制御装置(8)で制御されるように構成され、
    DPFの再生処理の開始条件(S1)が成立した場合又は弁下流側DOCの触媒機能回復処理の開始条件(S13)が成立した場合には、排気絞り弁(5)の開度減少制御(S2)(S15)がなされると共に、吸気絞り弁(11)の開度減少制御(S2)(S15)がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  3. 請求項1または請求項2に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    排気絞り弁の開度減少制御(S2)(S15)がなされた後、弁上流側排気圧(P0)が所定の圧力上限値(Pmax)を超えた場合には、その後に排気絞り弁の開度増加制御(S4−2)(S17−2)がなされるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  4. 請求項3に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    弁上流側排気圧(P0)の演算装置(12)を備え、弁上流側排気圧(P0)は、排気の質量流量(G)と、弁上流側排気温度(T0)と、弁下流側排気圧(P1)から演算で算出されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  5. 請求項4に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    DPF(7)の出入口間の差圧(ΔP)を検出する差圧センサ(13)と、大気圧(P3)を検出する大気圧センサ(14)を備え、
    弁下流側排気圧(P1)は、DPFの出入口間の差圧(ΔP)と大気圧(P3)から演算で算出されるように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  6. 請求項4または請求項5に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    弁上流側排気温度センサ(19)を備え、これで検出される弁上流側排気温度(T0)が、弁上流側排気圧(P0)の演算に用いられていると共に、アフター噴射許可温度(TA)及びポスト噴射許可温度(TP)との温度比較判定に用いられている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    排気絞り弁(5)の排気上流側に配置される弁上流側DOC(17)を備えている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  8. 請求項7に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    弁上流側DOC(17)と弁下流側DOC(6)には、セル内を排気が通過するハニカム担体に触媒成分を担持させたフロースルー型の酸化触媒が用いられている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  9. 請求項8に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    このエンジンでは、弁上流側DOC(17)の径は、弁下流側DOC(6)の径よりも小さく形成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  10. 請求項8または請求項9に記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    弁上流側DOC(17)のセル密度は、弁下流側DOC(6)のセル密度よりも大きく形成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
  11. 請求項1から請求項10のいずれかに記載されたディーゼルエンジンにおいて、
    無負荷及び/又は軽負荷運転の運転時間を積算する運転時間積算装置(18)を備え、
    無負荷及び/又は軽負荷の運転時間の積算値(tL)が所定の触媒機能回復処理の開始判定値(ISJ)に至った場合には、弁下流側DOC(6)の触媒機能回復処理の開始条件(S23)が成立するように構成されている、ことを特徴とするディーゼルエンジン。
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