<全体構成>
まず、図1を参照して、本実施形態における吐水装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態における吐水装置を適用した手洗器を斜め上方から見た斜視図である。
図1に示すように、手洗器5は、主に、人体などの被検知物の検知状態に応じて吐水と吐水の停止とを自動で行う吐水装置1と、この吐水装置1から吐水された水を受け止め、図示しない排水口から排水するボウル3と、を有する。
<吐水装置の構成>
次に、図2〜6を参照して、本実施形態における吐水装置の詳細について説明する。図2は、本実施形態における(A)吐水装置を斜め下方から見た斜視図であり、(B)図2(A)中のIIB−IIB断面図である。
図2(A)に示すように、吐水装置1は、湾曲した管状部材である水栓本体11を有する。この水栓本体11の先端部には、図2(A)及び図2(B)に示すように、第1の吐水口12aから泡沫吐水を行うように構成された第1の吐水部12と、第2の吐水口13aから噴霧吐水(言い換えるとミスト吐水)を行うように構成されたノズル状の第2の吐水部13と、被検知物を検知するセンサ14と、光を照射するLED(Light Emitting Diode)15と、が配設されている。具体的には、水栓本体11の先端部には、上から下に向かって、センサ14、第1の吐水口12a、LED15、第2の吐水口13aの順に、これらが配設されている。また、水栓本体11の内部には、第1の吐水部12に接続されており、第1の吐水部12へ向けて原水を供給する原水流路17と、第2の吐水部13に接続されており、第2の吐水部13へ向けて機能水(後述する電解水)を供給する機能水流路18と、が配設されている。
ここで、第1の吐水部12は、泡沫吐水として、フィルタにより空気を混ぜて、吐出させる水流に泡を含ませた泡沫状の吐水を行う。他方で、第2の吐水部13は、噴霧吐水として、第2の吐水口13aから所定角度をもって水が広がっていくような、言い換えると第2の吐水口13aの断面積(径)よりも広い範囲に水が広がっていくような、霧状の吐水を行う。また、第2の吐水部13は、第1の吐水部12よりも少ない流量で噴霧吐水すると共に、第1の吐水部12よりも速い流速で噴霧吐水する。1つの例では、第1の吐水部12は、毎分2リットルで水を泡沫吐水し、第2の吐水部13は、毎分0.3リットルで水を噴霧吐水する。
次に、図3を参照して、本実施形態における第2の吐水部の噴霧吐水の原理について説明する。図3は、本実施形態における水の流れ方向に沿って見た第2の吐水部の縦断面図である。
図3に示すように、第2の吐水部13においては、上端部に設けられた流入口13bから流入した水によって、内部流路13d内に直進流(矢印A11参照)が生じると共に、内部流路13dの上端部の外周面に形成されたスリット部13cから流入した水によって、内部流路13d内に旋回流(矢印A12参照)が生じる。このような直進流と旋回流との相乗効果によって、内部流路13dの下端部の1つの第2の吐水口13aから、フルコーン状に噴霧吐水が行われる。具体的には、第2の吐水口13aの断面積(径)よりも大きな範囲に広がって水が吐出される。この場合、第2の吐水口13aから吐出角度θにて水が広がって吐出される。上記した第1の吐水部12による泡沫吐水では、第1の吐水口12aの断面積(径)とほぼ同じ範囲にて水が吐出されるため、第2の吐水部13の第2の吐水口13aからの吐出角度θは、第1の吐水部12の第1の吐水口12aからの吐出角度よりも大きい。
次に、図4を参照して、本実施形態における第2の吐水部の吐水範囲とLEDの照射範囲との関係について説明する。図4は、本実施形態における第2の吐水部の吐水範囲とLEDの照射範囲を示した図である。
図4に示すように、本実施形態では、第2の吐水部13によって噴霧吐水された水の吐水範囲R11をLED15からの光によって利用者に知らせるために、LED15による光の照射範囲R12が、第2の吐水部13による吐水範囲R11とほぼ一致するように、LED15の設置角度やLED15の照射範囲を設定している。例えば、LED15の中心軸線が第2の吐水部13の中心軸線とほぼ平行になるように、LED15が配設されている。
次に、図5を参照して、本実施形態における第1の吐水部と第2の吐水部とセンサとの配置関係について説明する。図5は、本実施形態における第1の吐水部と第2の吐水部とセンサとの配置関係を説明するための図である。
本実施形態におけるセンサ14は、赤外線を利用したセンサである。センサ14は、赤外の発光波を伝播波として発し、その発した伝播波が使用者の手などの被検知物によって反射される。その反射された反射波を受信する。
なお、このセンサ14については、本実施形態のような赤外線を利用したセンサに限られず、例えば、電波センサや静電センサ、赤外線以外を利用した光電センサなどであってもよい。
図5に示すように、本実施形態では、第2の吐水部13の第2の吐水口13aが、第1の吐水部12の第1の吐水口12aよりも後方側に配設され、第1の吐水口12aからの水垂れが第2の吐水口13aにかからないようにしている。この場合、第2の吐水部13の第2の吐水口13aは、当該第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が第1の吐水部12の第1の吐水口12aにかからないようにも配設されている。加えて、第2の吐水部13の第2の吐水口13aは、ボウル3の排水口付近(図5では図示せず)に向かって噴霧吐水するように配設されている。また、本実施形態では、人がそれほど奥にまで手を伸ばさなくてもセンサ14によって手が適切に検知されるように、センサ14が、第2の吐水部13の第2の吐水口13aよりも前方側に配設されている。言い換えると、第2の吐水口13aがセンサ14よりも後方側に配設されている。こうすることで、第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が利用者の腕や体などの濡らしたくない部分にかかりにくくなる。
更に、本実施形態では、センサ14が第2の吐水部13の第2の吐水口13aから噴霧吐水された水を検知しないような、センサ14と第2の吐水部13との向きの関係を採用している。具体的には、センサ14の検知精度が、センサ14から離れていくほど低下するので、センサ14における被検知物の検知に関する検知方向A23に対応する指向範囲R13(センサ14の検知範囲を含む範囲であり、詳しくは検知範囲を前方に延長した範囲に相当する)が、第2の吐水部13の吐水範囲R11と前方側の離れた位置で交わるような、センサ14と第2の吐水部13との向きの関係を採用している。詳しくは、センサ14の検知方向A23が第2の吐水部13の吐水方向A22から離れていく方向に向くように、センサ14が配設されている。言い換えると、センサ14の検知方向A23に沿ったラインL13(典型的にはセンサ14の中心軸線に相当する)が、第2の吐水部13の第2の吐水口13aの中心から鉛直方向に延びるラインL12(典型的には第2の吐水部13の中心軸線に相当する)と前方側で交わらないように、センサ14が配設されている。
更に、本実施形態では、第2の吐水部13の第2の吐水口13aから噴霧吐水された水が利用者にかかりにくいような、第1の吐水部12と第2の吐水部13との向きの関係を採用している。具体的には、第1の吐水部12の吐水方向A21と第2の吐水部13の吐水方向A22とが互いに離れていく方向に向くように、第1の吐水部12及び第2の吐水部13のそれぞれが配設されている。言い換えると、第1の吐水部12の第1の吐水口12aの中心から鉛直方向に延びるラインL11(典型的には第1の吐水部12の中心軸線に相当する)と、第2の吐水部13の第2の吐水口13aの中心から鉛直方向に延びるラインL12(典型的には第2の吐水部13の中心軸線に相当する)とが前方側で交わらないように、第1の吐水部12及び第2の吐水部13のそれぞれが配設されている。
次に、図6を参照して、本実施形態における吐水装置の機能構成について説明する。図6は、本実施形態における吐水装置の機能構成を概略的に示すブロック図である。
図6に示すように、本実施形態における吐水装置1は、上記した原水流路17及び機能水流路18(図2など参照)の両方の上流側に共通流路21が接続されている。この共通流路21には、一般的な水道水(都市水)などの原水(本明細書では、この水を電解水と区別するために適宜「原水」と表記する。)が供給される。共通流路21上には、上流側から順に、共通流路21における原水の流通を遮断するための止水栓22、原水に混ざり込んだ異物などを取り除くフィルタ23、二次側の流量を一定に保つ定流量弁24が設けられており、共通流路21の下流端において原水流路17と機能水流路18とに分岐している。
原水流路17には、開閉することにより、当該原水流路17における原水の流通と遮断とを切り替える第1の電磁弁25が設けられている。この第1の電磁弁25が開弁している場合には、原水流路17に原水が流れて、原水流路17の下流端に接続された第1の吐水部12から原水が泡沫吐水される。
他方で、機能水流路18には、上流側から順に、第2の電磁弁28、調圧弁29、安全弁30、逆止弁35、電解槽37が設けられている。第2の電磁弁28は、開閉することにより、機能水流路18における原水の流通と遮断とを切り替える。この第2の電磁弁28が開弁している場合には、機能水流路18に原水が流れて、機能水流路18の下流端に接続された第2の吐水部13から噴霧吐水が行われる。調圧弁29は、水圧を所望の圧力(噴霧吐水を行うのに適した圧力)に調節する弁である。安全弁30は、機能水流路18内の圧力が所定圧以上となった場合(例えば第2の吐水口13aが塞がれて機能水流路18の圧力が急上昇した場合)に開弁し、機能水流路18内の水をバイパス流路31を介して原水流路17に流して、機能水流路18内の圧力を減圧させる弁である。逆止弁35は、水の逆流を防止する弁である。電解槽37は、通電されることにより、原水を電気分解して電解水を生成する(この電解槽37は本発明における「機能水生成手段」に相当する)。なお、電解槽37の下流側に、フィルタを更に設けてもよい。
また、吐水装置1は、第1の電磁弁25や第2の電磁弁28、電解槽37などの吐水装置1内の構成部を制御するコントローラ40を更に有する(このコントローラ40は本発明における「制御手段」に相当する)。コントローラ40は、AC電源39からの電力によって作動すると共に、AC電源39の電力を、センサ14、LED15、第1の電磁弁25、第2の電磁弁28、及び電解槽37のそれぞれに供給する制御を行う。具体的には、コントローラ40は、センサ14による被検知物の検知状態を示すセンサ信号を取得し、このセンサ信号に基づいて、LED15のオン/オフを切り替える制御、第1の電磁弁25の開閉を切り替える制御、第2の電磁弁28の開閉を切り替える制御、及び、電解槽37による電解水の生成の実行/停止を切り替える制御を行う。また、コントローラ40は、第1タイマー41と、第2タイマー42と、を有する。
また、センサ14は、赤外の発光波を伝播波として発信する発信部14aと、発信部14aによって発信された伝播波が使用者の手などの被検知物によって反射された反射波を受信する受信部14bとを備える。センサ14は、受信部14bにおいて受信した反射波の出力値をコントローラ40へ送信する。
コントローラ40は、センサ14から送信された反射波の出力値を基に、センサ14が検知した被検知物とセンサ14との距離を判定する。具体的には、センサ14から送信された反射波の出力値に基づき、センサ14と被検知物との距離が第1閾値以上であった場合は、第1の吐水部12付近に手がかざされた状態、つまりセンサ14が第1所定範囲内に被検知物を検知している状態であると判定する。センサ14と被検知物との距離が第1閾値未満かつ第2閾値以上であった場合は、第1の吐水部12付近に手がかざされてはいないものの手洗器5付近に被検知物を検知している状態、つまりセンサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知している状態であると判定する。なお、第1閾値と第2閾値との大小関係については、第1閾値>第2閾値であり、第1所定範囲は第2所定範囲に比べてセンサ14からの距離が近い範囲を示す。
また、センサ14と被検知物との距離が第2閾値未満であった場合は、手洗器5付近に被検知物を検知していない状態、つまりセンサ14が第1所定範囲内および第2所定範囲内に被検知物を検知していない状態であると判定する。
ここで、電解槽37によって生成される電解水について説明する。
本実施形態で用いる電解水としては、電気分解によって得られる除菌機能を有する水であれば何でもよい。電解水の代表的なものとして次亜塩素酸を含有する電解水が挙げられる。一般に上水又は中水は塩素イオンを含有するため、電気分解により遊離塩素が生成される。遊離塩素は、酸性では次亜塩素酸(HClO)として存在し、この形態ではアルカリ性での存在形態である次亜塩素酸イオン(ClO-)と比較して約10倍殺菌力が強い。また、中性でもその中間程度の強力な殺菌力が得られる。従って、連続式電気分解槽で電気分解された水は、強力な殺菌力を有する殺菌水となっている。
上述したように一般的に利用されている上水又は中水は塩素イオンを含有しているが、塩素イオン濃度が低い地域で利用する場合や、強力な殺菌作用が必要な場合には、食塩などの塩化物を添加することで塩素イオンを補うことができる。
塩素発生に用いられる電極としては、導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものか、塩素発生用触媒からなる導電性材料が利用される。塩素発生用触媒の種類により、例えば、フェライトなどの鉄系電極、パラジウム系電極、ルテニウム系電極、イリジウム系電極、白金系電極、ルテニウム−スズ系電極、パラジウム−白金系電極、イリジウム−白金系電極、ルテニウム−白金系電極、イリジウム−白金−タンタル系電極などがある。導電性基材に塩素発生用触媒を担持したものは、構造を担う基材部を安価なチタン、ステンレスなどの材料で構成できるので、製造コスト上有利である。
塩素以外に、ハロゲンイオンを含有する水を電気分解することによって得られる次亜ハロゲン酸であってもよい。
その他の電解水としては、電極として銀を利用することで得られる銀イオン水を挙げることができる。銀イオンは、細菌の細胞膜にある酵素に吸着し、酵素の作用を阻害するため、細菌が生命維持できなくなると言われている。接触する基材表面をコートする作用もあり、細菌が基材表面で繁殖しにくくなる。銀イオンは基材表面をコートして、細菌の付着を防ぐことができ、かつ殺菌力を有しているため、基材表面での細菌の増殖を効果的に抑制できる。その際、排水トラップの置換率を高める洗浄方法と組み合わせることで、長期間、排水口のぬめりや匂いを抑制することが可能となる。
その他、特に電気分解用の電極として二酸化鉛(β型)を用いることにより陽極側で酸素の発生と共に高濃度のオゾンを発生させるオゾン水など、様々な種類の電解水を好適に用いることが可能である。
更に、電解水以外の除菌水としては、各種の除菌成分を溶解させた水溶液が挙げられる。溶解される除菌成分としては、固体、液体、気体の何れを用いてもよい。液体の除菌成分を用いる場合には、例えば、エタノールや、イソプロパノールなどのアルコール類や、過酸化水素などを適用すればよい。また、気体の除菌成分を用いる場合には、例えば、オゾンを微細気泡として水中に溶解させることでオゾン水を作り出せばよい。また、固体の除菌成分を用いる場合には、例えば次亜塩素酸ナトリウムなどを適用すればよい。
以上述べたような種々の除菌水は、本発明における「機能水」に相当するものである。ここで、本明細書においては、「除菌」の文言は、菌を減らす意味だけでなく(この場合、菌を除去して減らす意味だけなく、菌を殺して減らす意味も含まれる)、菌を減らさないまでも菌の増殖を抑制する意味も含む広義の概念として用いている。本発明における「機能水」は、所定の処理によって原水を改質することで、原水に対してこのような意味での除菌機能を付加した水を意味するものとする。
なお、本実施形態においては、本発明における機能水として電解水を用いる例を挙げて説明するが、電解水の代わりに、電解水以外の上記したような除菌水を用いてもよいことは言うまでもない。
<コントローラによる制御>
次に、図7を参照して、本発明の実施形態におけるコントローラによって実行される基本制御について具体的に説明する。図7は、本実施形態における基本制御を示すタイムチャートである。
図7は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号、吐水装置1の吐水状態を示している。
センサ信号は、センサ14と被検知物との距離が第1閾値以上である場合に近検知、センサ14と被検知物との距離が第1閾値未満かつ第2閾値以上である場合に遠検知、センサ14と被検知物との距離が第2閾値未満である場合に非検知となる。また、第2の電磁弁28の駆動信号は、第2の電磁弁28の開閉の状態に相当し、第1の電磁弁25の駆動信号は、第1の電磁弁25の開閉の状態に相当する。さらに、吐水装置1の吐水状態については、第1の吐水部12から原水が泡沫吐水されている状態(以下、「手洗用吐水」と呼ぶ)、手洗用吐水が停止してから止水状態が所定時間継続したときに第2の吐水部13から電解水が噴霧吐水されている状態(以下、「アフター吐水」と呼ぶ)、第1の吐水部12および第2の吐水部13から水が吐水されていない止水状態となる。
まず、時刻t11で、センサ信号が非検知から近検知に切り替わる。この際に、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から原水を泡沫吐水させる、つまり手洗用吐水を開始する。そして、時刻t12において、センサ信号が近検知から非検知に切り替わる、つまりセンサ14が第1所定範囲内に被検知物を検知した状態から非検知状態へと切り替わる。この際に、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を終了する、つまり手洗用吐水を終了する。
この後、手洗用吐水としての泡沫吐水を終了した時刻t12から、センサ信号が非検知を第1所定時間T1の間維持、つまりセンサ14が第1所定範囲内および第2所定範囲内に被検知物を検知していない非検知状態(止水状態)が第1所定時間T1継続した時刻t13において、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を開始する。このアフター吐水は、上記した手洗用吐水を用いた手洗によって流れ出た汚れが、手洗器5のボウル3などに付着した状態で乾燥して固着することで除去しにくくなることを防止するために行っている。つまり、手洗用吐水が終了してから第1所定時間T1経過後に、アフター吐水を行って、手洗用吐水による汚れが乾燥して固着する前に汚れを洗い流すようにしている。そういった観点より、当該第1所定時間T1は、手洗用吐水による汚れが乾燥して固着するまでの時間に基づき設定される。例えば、第1所定時間T1は3秒に設定される。
この後、第2の電磁弁28を開弁した時刻t13から所定時間が経過した時刻t14において、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりアフター吐水を終了する。
(第1実施形態)
次に、図8〜10を参照して、本発明の第1実施形態においてコントローラ40が行う制御について説明する。図8〜10は、上述した基本制御(図7参照)を基本にして行われる、本発明の第1実施形態における制御例である。
図8は、本発明の第1実施形態における第1制御例を示すタイムチャートである。図8は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号、吐水装置1の吐水状態を示している。
ここでは、上述した基本制御と同様の制御については、その説明を適宜省略するものとする。具体的には、時刻t21から時刻t22までの制御、および時刻t24から時刻t25までの制御については、基本制御と同様であるため、その説明を省略し、時刻t22から時刻t24までの制御についてのみ説明する。
上述した基本制御は、手洗用吐水を実行してから第1所定時間T1が経過したときにアフター吐水を実行するものであったが、第1制御例は、手洗用吐水を実行した後から第1所定時間T1以上の間、センサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知していた場合に行われる制御に関する。具体的には、第1制御例では、手洗用吐水を終了した時刻t22において、センサ14が被検知物を第1所定範囲内には検知しなくなったものの第2所定範囲内には検知しているセンサ信号が遠検知の状態である。手洗用吐水を終了した時刻t22から第1所定時間T1が経過した時刻t23において、センサ信号が遠検知である状態、つまりセンサ14が被検知物を第2所定範囲内に検知した状態が継続しており、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電をせずに第2の電磁弁28の閉状態を維持する、つまりアフター吐水を開始せずに止水状態を維持する。
この後、時刻t24において、センサ信号が遠検知から非検知に切り替わる、つまりセンサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知した状態からへ非検知状態と切り替わる。この際に、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を開始する。
このように、第1制御例では、手洗用吐水の実行後から止水状態が第1所定時間T1継続したときにおいて、センサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知している場合に、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるアフター吐水は行わず、その後にセンサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知しなくなったときにアフター吐水を開始する。こうすることで、使用者を手洗器5の付近に検知し、手洗用吐水が再度実行される可能性が高いときにはアフター吐水を行わないようにし、使用者を手洗器5の付近に検知しておらず、使用者によって手洗用吐水が再度実行される可能性が低いときにアフター吐水を行うことができる。
次に、図9は、本発明の第1実施形態における第2制御例を示すタイムチャートである。図9は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号、吐水装置1の吐水状態を示している。
ここでは、上述した基本制御と同様の制御については、その説明を適宜省略するものとする。具体的には、時刻t31から時刻t32までの制御、および時刻t34から時刻t35の制御については、基本制御と同様であるため、その説明を省略し、時刻t32から時刻t34までの制御についてのみ説明する。
第2制御例は、手洗用吐水を実行した後から第1所定時間T1未満の間、センサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知していた場合に行われる制御に関する。具体的には、第2の制御例では、手洗用吐水を終了した時刻t32において、センサ14が被検知物を第1所定範囲内には検知しなくなったものの第2所定範囲内には検知している状態、つまりセンサ信号が遠検知の状態である。手洗用吐水を終了した時刻t32から第1所定時間T1が経過する前の時刻t33において、センサ信号が遠検知から非検知に切り替わる、つまりセンサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知した状態からへ非検知状態と切り替わる。
この後、手洗用吐水が終了した時刻t32から第1所定時間T1が経過した時刻t34において、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を開始する。
このように、第2制御例では、手洗用吐水の実行後から第1所定時間が経過する前にセンサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知しなくなった場合、手洗用吐水の実行後から止水状態が第1所定時間T1継続したときにおいて、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるアフター吐水を行う。センサ14が被検知物を第1所定範囲内に検知しなくなってから第1所定時間T1が経過するまでは、使用者が第1の吐水部12付近に手をかざすことで再度手洗用吐水が実行される可能性が高い。したがって、第2制御例では、使用者を手洗器5の付近に検知しておらず、使用者によって手洗用吐水が実行される可能性が低いときにアフター吐水を行うことができる。
次に、図10は、本実施形態における第3制御例を示すタイムチャートである。図10は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、吐水装置1の吐水状態を示している。
吐水装置1の吐水状態については、定期的に第2の吐水部13から電解水を吐水させる状態(以下、「タイマー吐水」と呼ぶ)、第1の吐水部12および第2の吐水部13から水が吐水されていない止水状態となる。
第3制御例は、上述したアフター吐水とは別に、定期的に第2の吐水部13から電解水を吐水させるタイマー吐水を行うときの制御に関する。具体的には、第3の制御例では、センサ信号が非検知である時刻t41から時刻t42の間において、コントローラ40は、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるタイマー吐水を行う。その後、タイマー吐水の実行後から第2所定時間T2が経過し、センサ信号が非検知である時刻t43において、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりタイマー吐水を開始する。このタイマー吐水開始から所定時間が経過した時刻t44において、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりタイマー吐水を終了する。
さらに、時刻t43から時刻t44におけるタイマー吐水の実行後から第2所定時間T2が経過し、そのときセンサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知したセンサ信号が遠検知の状態である時刻t45において、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電をせずに第2の電磁弁28の閉状態を維持する、つまりタイマー吐水を開始せずに止水状態を維持する。
この後、時刻t46において、センサ信号が遠検知から非検知に切り替わる、つまりセンサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知した状態からへ非検知状態と切り替わる。この際に、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりタイマー吐水を開始する。そして、このタイマー吐水開始から所定時間が経過した時刻t47において、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電を停止して第2の電磁弁28を閉弁することで、第2の吐水部13からの噴霧吐水を終了する、つまりタイマー吐水を終了する。
このように、第3制御例では、アフター吐水とは別に、定期的に第2の吐水部13から電解水を吐水させるタイマー吐水を行うことで、ボウル3などに付着した汚れが乾燥して固着することで除去しにくくなることをさらに抑制することができる。また、タイマー吐水を行うことで、機能水流路18内に滞留した水を定期的に排出することができる。
そして、このタイマー吐水を行うときにおいて、センサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知している場合に、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるタイマー吐水は行わず、その後にセンサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知しなくなったときにタイマー吐水を開始する。こうすることで、使用者を手洗器5の付近に検知し、手洗用吐水が実行される可能性が高いときにはタイマー吐水を行わないようにし、使用者を手洗器5の付近に検知しておらず、使用者によって手洗用吐水が実行される可能性が低いときにタイマー吐水を行うことができる。
なお、このタイマー吐水については、本実施形態のように電解水で行われることに限らず、原水によって行うこととしてもよい。
次に、図11を参照して、本発明の第1実施形態におけるコントローラが行う制御フローについて説明する。図11は、本発明の第1実施形態におけるコントローラが行う制御フローを示すフローチャートである。なお、図11に示す制御フローは、基本制御(図7参照)に対して第1〜3制御例(図8〜10参照)を適用したものである。
なお、第1実施形態においては吐水装置1への電源投入時に図11に示す制御フローを開始し、電源が投入されている間はこの制御フローを常に繰り返す。また、初回の吐水装置1への電源投入時に、コントローラ40は、第2タイマー42の設定時間を第2所定時間T2に設定し、タイマーをスタートさせることとする。
最初に、コントローラ40は、センサ14と被検知物との距離が第1閾値以上であるか否かを判定する(ステップS1)。つまり、第1の吐水部12付近に手がかざされた状態であるか否かを判定する。
ステップS1において、センサ14と被検知物との距離が第1閾値以上、つまり第1の吐水部12付近に手がかざされた状態であった場合、コントローラ40は、そのとき第1の吐水部12からの原水の泡沫吐水による手洗用吐水の実行中であるか否かを判定する(ステップS2)。ステップS2において手洗用吐水の実行中であった場合、第1の吐水部12からの原水の泡沫吐水による手洗用吐水の実行を継続する。ステップS2において手洗用吐水の実行中でなかった場合、つまりステップS1において手洗用吐水が行われていないときに第1の吐水部12付近に手がかざされた場合、コントローラ40は、第1の電磁弁25に通電して第1の電磁弁25を開弁し、第1の吐水部12から原水を泡沫吐水させる、つまり手洗用吐水を開始する(ステップS3)。
一方で、ステップS1において、センサ14と被検知物との距離が第1閾値未満、つまり第1の吐水部12付近に手がかざされていない状態であった場合、コントローラ40は、そのとき第1の吐水部12からの原水の泡沫吐水による手洗用吐水の実行中であるか否かを判定する(ステップS4)。
ステップS4において、手洗用吐水の実行中であった場合、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの泡沫吐水を終了する、つまり手洗用吐水を終了する(ステップS5)。また、コントローラ40は、第1タイマー41の設定時間を第1所定時間T1(例えば、3.0秒)に設定し、タイマーをスタートする(ステップS6)。ステップS5,6の処理を終えた後、コントローラ40は、センサ14と被検知物との距離が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。つまり、第1の吐水部12付近に手がかざされてはいないものの手洗器5付近に被検知物を検知している状態であるか否かを判定する。
一方で、ステップS4において、手洗用吐水の実行中でなかった場合は、ステップS7へと進む。
ステップS7において、センサ14と被検知物との距離が第2閾値以上、つまり第1の吐水部12付近に手がかざされてはいないものの手洗器5付近に被検知物を検知している状態であった場合、コントローラ40は、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるアフター吐水およびタイマー吐水が行われることを禁止し(ステップS8)、制御を終了する。
一方で、ステップS7において、センサ14と被検知物との距離が第2閾値未満、つまり手洗器5付近に被検知物を検知していない状態であった場合、コントローラ40は、第1タイマー41がスタートしてから設定した第1所定時間T1を経過したか否かを判定する(ステップS9)。つまり、手洗用吐水が終了してから第1所定時間T1が経過したか否かを判定する。
ステップS9において、第1タイマー41がスタートしてから設定した第1所定時間T1を経過、つまり手洗用吐水が終了してから第1所定時間T1が経過していた場合、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を所定時間実行する(ステップS9)。また、コントローラ40は、第1タイマー41のカウントをリセットする(ステップS11)。
一方で、ステップS9において、第1タイマー41がスタートしてから設定した第1所定時間T1を経過していなかった、つまり手洗用吐水が終了してから第1所定時間T1が経過していなかった場合、コントローラ40は、第2タイマー42がスタートしてから設定した第2所定時間T2を経過したか否かを判定する(ステップS12)。つまり、前回タイマー吐水を行ってから第2所定時間T2が経過したか否かを判定する。
ステップS12において、第2タイマー42がスタートしてから設定した第2所定時間T2を経過、つまり前回タイマー吐水を行ってから第2所定時間T2が経過していた場合、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりタイマー吐水を所定時間実行する(ステップS13)。また、コントローラ40は、第2タイマー42のカウントをリセットした後(ステップS14)、第2タイマー42の設定時間を第2所定時間T2(例えば、1時間)に設定し、タイマーをスタートする(ステップS15)。
<第1実施形態における作用・効果>
次に、本発明の第1実施形態における吐水装置の作用効果を説明する。
本発明の第1実施形態において、コントローラ40は、センサ14が第2所定範囲内に人体を検知している場合(センサ14と人体との距離が第2閾値以上である場合)は、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるアフター吐水が行われることを禁止するアフター吐水禁止制御を行う。つまり、第1の吐水部12付近に手がかざされていないものの手洗器5付近に被検知物を検知している状態であった場合は、アフター吐水を行わない。これにより、使用者が使用したいタイミングで手を洗えなかったり、アフター吐水による電解水吐水中に使用者が手をかざして電解水が手に触れたりすることを抑制し、使用者が水を使用するタイミングでアフター吐水が行われることを抑制することができる。
また、第1実施形態におけるコントローラ40は、アフター吐水禁止制御の実行中にセンサ14が第2所定範囲内に人体を検知しなくなったとき(センサ14と人体との距離が第2閾値未満になったとき)、前回の原水による手洗用吐水の終了から第1所定時間T1が経過していた場合は電解水によるアフター吐水を開始する一方で、前回の原水による手洗用吐水の終了から第1所定時間T1が経過していない場合は前回の手洗用吐水が終了してから第1所定時間T1が経過したときに電解水によるアフター吐水を開始する。これにより、原水による手洗用吐水の終了から少なくとも第1の所定時間T1が経過するまでは電解水によるアフター吐水が行われないため、使用者が使用したいタイミングで手を洗えなかったり、アフター吐水による電解水吐水中に使用者が手をかざして電解水が手に触れたりすることを抑制し、使用者が水を使用するタイミングでアフター吐水が行われることを抑制することができる。
また、第1実施形態におけるコントローラ40は、定期的(第2所定時間T2毎)に第2の吐水部13から電解水を吐水させるタイマー吐水を行い、センサ14が第2所定範囲内に人体を検知している場合(センサ14と人体との距離が第2閾値以上である場合)は、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるタイマー吐水が行われることを禁止する。これにより、タイマー吐水を行うことでボウル3に付着した汚れを効率良く除去することができるとともに、タイマー吐水においても、使用者が使用したいタイミングで手を洗えなかったり、タイマー吐水による電解水吐水中に使用者が手をかざして電解水が手に触れたりすることを抑制し、使用者が水を使用するタイミングでタイマー吐水が行われることを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、図12,13を参照して、本発明の第2実施形態においてコントローラ40が行う制御について説明する。図12は、上述した基本制御(図7参照)を基本にして行われる、本発明の第2実施形態における制御例である。
図12は、本発明の第2実施形態における第4制御例を示すタイムチャートである。図12は、上から順に、センサ14からコントローラ40に供給されたセンサ信号、コントローラ40から第2の電磁弁28に供給された駆動信号、コントローラ40から第1の電磁弁25に供給された駆動信号、吐水装置1の吐水状態を示している。
ここでは、上述した基本制御と同様の制御については、その説明を適宜省略するものとする。具体的には、時刻t51から時刻t52までの制御、および時刻t54から時刻t55までの制御については、基本制御と同様であるため、その説明を省略し、時刻t52から時刻t54までの制御についてのみ説明する。
第4制御例は、手洗用吐水を実行した後から所定時間の間、センサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知していた場合に行われる制御に関する。具体的には、第4制御例では、手洗用吐水を終了した時刻t52において、センサ14が被検知物を第1所定範囲内には検知しなくなったものの第2所定範囲内には検知している状態、つまりセンサ信号が遠検知の状態である。手洗用吐水を終了した時刻t52から第1所定時間T1が経過したときも、センサ信号が遠検知である状態、つまりセンサ14が被検知物を第2所定範囲内に検知した状態が継続しており、コントローラ40は、第2の電磁弁28への通電をせずに第2の電磁弁28の閉状態を維持する、つまりアフター吐水を開始せずに止水状態を維持する。
その後、時刻t53において、センサ信号が遠検知から非検知に切り替わる、つまりセンサ14が第1所定範囲外かつ第2所定範囲内に被検知物を検知した状態からへ非検知状態と切り替わる。そして、センサ信号が遠検知から非検知に切り替わった時刻t53から第1の所定時間T1が経過した時刻t54において、コントローラ40は、第2の電磁弁28に通電して第2の電磁弁28を開弁し、第2の吐水部13から電解水を噴霧吐水させる、つまりアフター吐水を開始する。
このように、第4制御例では、手洗用吐水の実行後から止水状態が第1所定時間T1継続したときにおいて、センサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知している場合に、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるアフター吐水は行わず、その後にセンサ14が第2所定範囲内に被検知物を検知しなくなったときから止水状態が第1所定時間T1継続したときにアフター吐水を開始する。こうすることで、使用者が手洗器5の付近から立ち去った後から第1所定時間T1が経過するまではアフター吐水が行われないため、使用者が水を使用するタイミングでアフター吐水が行われることを抑制することができる。
次に、図13を参照して、本発明の第2実施形態におけるコントローラが行う制御フローについて説明する。図13は、本発明の第2実施形態におけるコントローラが行う制御フローを示すフローチャートである。なお、図13に示す制御フローは、基本制御(図7参照)に対して第3,4制御例(図10,12)を適用したものである。
ここでは、上述した本発明の第1実施形態における制御フロー(図11参照)と同様の制御については、その説明を省略するものとする。具体的には、ステップS51〜53までの制御フロー、およびステップS59〜ステップS65までの制御フローについては、第1実施形態における制御フローと同様であるため、その説明を省略し、ステップS54〜ステップS58までの制御フローについてのみ説明する。
ステップS51において、センサ14と被検知物との距離が第1閾値未満、つまり第1の吐水部12付近に手がかざされていない状態であった場合、コントローラ40は、そのとき第1の吐水部12からの原水の泡沫吐水による手洗用吐水の実行中であるか否かを判定する(ステップS54)。
ステップS54において、手洗用吐水の実行中であった場合、コントローラ40は、第1の電磁弁25への通電を停止して第1の電磁弁25を閉弁し、第1の吐水部12からの原水の泡沫吐水を終了する、つまり手洗用吐水を終了する(ステップS55)。ステップS55の処理を終えた後、コントローラ40は、センサ14と被検知物との距離が第2閾値以上であるか否かを判定する(ステップS7)。つまり、第1の吐水部12付近に手がかざされてはいないものの手洗器5付近に被検知物を検知している状態であるか否かを判定する。
一方で、ステップS54において手洗用吐水の実行中でなかった場合は、ステップS56へと進む。
ステップS56において、センサ14と被検知物との距離が第2閾値以上、つまり第1の吐水部12付近に手がかざされてはいないものの手洗器5付近に被検知物を検知している状態であった場合、コントローラ40は、第2の吐水部13からの電解水の噴霧吐水によるアフター吐水およびタイマー吐水が行われることを禁止し(ステップS57)、制御を終了する。
一方で、ステップS56において、センサ14と被検知物との距離が第2閾値未満、つまり手洗器5付近に被検知物を検知していない状態であった場合、コントローラ40は、第1タイマー41の設定時間を第1所定時間T1(例えば、3.0秒)に設定し、タイマーをスタートする(ステップS58)。ステップS58の処理を終えた後、コントローラ40は、第1タイマー41がスタートしてから設定した第1所定時間T1を経過したか否かを判定する(ステップS59)。つまり、ステップS56において手洗器5付近に被検知物を検知しなくなってから止水状態が第1の所定時間継続したか否かを判定する。
<第2実施形態における作用・効果>
ここで、本発明の第2実施形態における吐水装置の作用効果を説明する。
本発明の第2実施形態において、コントローラ40は、アフター吐水禁止制御の実行中にセンサ14が第2所定範囲内に人体を検知しなくなってから(センサ14と人体との距離が第2閾値未満になってから)、第2所定時間T2継続した後に、機能水によるアフター吐水を行う。つまり、手洗器5付近に被検知物を検知しなくなってから第1所定時間T1が経過するまでは、電解水によるアフター吐水を行わない。これにより、使用者が使用したいタイミングで手を洗えなかったり、アフター吐水による電解水吐水中に使用者が手をかざして電解水が手に触れたりすることを抑制し、使用者が水を使用するタイミングでアフター吐水が行われることを抑制することができる。
以上、本願の開示する技術の実施形態について説明したが、本願の開示する技術は、上記に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態においては、第1の電磁弁25及び第2の電磁弁28の2つの電磁弁を用いて、第1の吐水部12からの吐水と第2の吐水部13からの吐水とを切り替えていたが、図14に示すように、第1の電磁弁25及び第2の電磁弁28の代わりに電磁弁51および切替弁52を用いて、第1の吐水部12からの吐水と第2の吐水部13からの吐水とを切り替えてもよい。
また、本発明においては、図15に示すように、第1の吐水部12、原水流路17および第1の電磁弁25を具備せず、コントローラ40が第2の電磁弁28の開閉および電解槽37の通電を制御することで、第2の吐水部13から手洗用吐水およびアフター吐水、タイマー吐水を行うこととしてもよい。つまり、原水流路17と機能水流路18および第1の吐水部12と第2の吐水部13が別々に設けられるのではなく、共通の流路(機能水流路18)および吐水部(第2の吐水部13)から原水と機能水の吐水が行われることとしてもよい。
前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。