1つまたはそれ以上の実施形態において、第1挟持部材は、弾性部材を介して結束機本体に連結されていてもよい。
上記の構成によれば、ワイヤの径の相違が、弾性部材の弾性変形によって吸収されるので、挟持機構におけるワイヤの挟持間隔を使用者が調整し直すことなく、種々の径のワイヤを使用可能とすることができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束機は、ワイヤを送る送り機構と、送り機構から送られたワイヤを複数の鉄筋の周りに案内する案内機構をさらに備えていてもよい。送り機構と案内機構は、結束機本体に保持されていてもよい。案内機構は、ワイヤを案内する案内ピンを備えていてもよい。案内ピンは、結束機本体に回転可能に支持されていてもよい。
案内ピンはワイヤと摺接することでワイヤを案内する。案内ピンが結束機本体に回転不能に支持されている場合、ワイヤを送る際に案内ピンに大きな摩擦力が作用し、案内ピンが摩耗しやすくなってしまう。これに対して、上記の鉄筋結束機では、案内ピンが結束機本体に回転可能に支持されているので、ワイヤを送る際に案内ピンに作用する摩擦力を大幅に低減することができる。案内ピンの摩耗を抑制することができる。
1つまたはそれ以上の実施形態において、鉄筋結束機は、ワイヤを送る送り機構と、送り機構から送られたワイヤを複数の鉄筋の周りに案内する案内機構をさらに備えていてもよい。送り機構と案内機構は、結束機本体に保持されていてもよい。案内機構は、ワイヤを案内する案内ピンと、ワイヤを案内する案内壁を備えていてもよい。
案内ピンはワイヤと点接触で摺接することでワイヤを案内する。案内ピンを用いてワイヤを案内する場合、ワイヤと案内ピンの接触位置が一定となるので、ワイヤの湾曲径を精度よく管理することができるものの、案内ピンには大きな摩擦力が作用するので、耐摩耗性の高い高価な材料を用いる必要がある。これに対して、案内壁はワイヤと線接触で摺接することでワイヤを案内する。案内壁を用いてワイヤを案内する場合、案内壁にはそれほど大きな摩擦力が作用しないので、耐摩耗性の低い安価な材料を用いることができるものの、ワイヤと案内壁の接触位置が不定となるので、ワイヤの湾曲径を精度よく管理することができない。上記の鉄筋結束機では、ワイヤの湾曲径の管理にそれほど影響がない範囲で案内ピンの代わりに案内壁を用いることで、案内ピンのみによってワイヤを案内する場合に比べて、材料コストを低減することができる。
本明細書が開示する別の鉄筋結束機は、ワイヤを切断し、切断された前記ワイヤを挟持し、前記ワイヤを捩る。その鉄筋結束機では、切断された前記ワイヤは、第1挟持部材と、前記第1挟持部材に対して移動可能な第2挟持部材とにより弾性的に挟持される。
本明細書が開示するさらに別の鉄筋結束機は、ワイヤを切断し、切断された前記ワイヤを挟持し、前記ワイヤを捩る。その鉄筋結束機では、切断された前記ワイヤは、前記ワイヤを案内可能な第1挟持部材と、前記第1挟持部材に対して移動可能な第2挟持部材とにより挟持される。
(実施例)
実施例に係る鉄筋結束機2について図面を参照して説明する。図1に示す鉄筋結束機2は、複数の鉄筋RをワイヤWによって結束するための電動工具である。
鉄筋結束機2は、結束機本体4と、結束機本体4の下部に設けられたグリップ6と、グリップ6の下部に設けられたバッテリ取り付け部8を備えている。グリップ6の前方上部には、トリガ7が設けられている。バッテリ取り付け部8の下部には、ターミナル9(図34−図37参照)を介して、バッテリBが着脱可能に取り付けられている。
鉄筋結束機2は、ハウジング3を備えている。ハウジング3は、右アウタハウジング12と、左アウタハウジング14と、インナハウジング16を備えている。右アウタハウジング12には、結束機本体4の右半面と、グリップ6の右半面と、バッテリ取り付け部8の右半面が、一体的に形成されている。左アウタハウジング14には、結束機本体4の左半面と、グリップ6の左半面と、バッテリ取り付け部8の左半面が、一体的に形成されている。右アウタハウジング12と左アウタハウジング14は、鉄筋結束機2の外面をなしている。インナハウジング16は、結束機本体4の内部の上部から中間部において、右アウタハウジング12と左アウタハウジング14の間を遮る形状に形成されている。右アウタハウジング12、左アウタハウジング14およびインナハウジング16は、それぞれハウジングプレートということができる。結束機本体4の内部は、左アウタハウジング14とインナハウジング16によって規定される空間と、右アウタハウジング12とインナハウジング16によって規定される空間に区画されている。左アウタハウジング14とインナハウジング16によって規定される空間と、右アウタハウジング12とインナハウジング16によって規定される空間は、結束機本体4の下部で連通している。また、結束機本体4の後方には、リール10(図2参照)を収容するリール室19が別途形成されている。リール室19は、右方向が右アウタハウジング12により規定されており、左方向、下方向および前方向がインナハウジング16により規定されている。リール室19は、開閉式のカバー17によって、上方向を覆われている。
結束機本体4の上面には、第1操作表示部18が設けられている。第1操作表示部18は、鉄筋結束機2の電源のオン/オフを切り換えるメインスイッチ20および鉄筋結束機2の電源のオン/オフの状態を表示する主電源LED22が設けられた第1操作表示基板21(図14、図34、図35参照)と、第1操作表示基板21のメインスイッチ20および主電源LED22を覆う第1スイッチプレート23を備えている。バッテリ取り付け部8の前方上面には、第2操作表示部24が設けられている。第2操作表示部24は、ワイヤWの送り出し量や捩り強さなどを設定する設定ボタン26および設定ボタン26によって設定された内容を表示する表示部28が設けられた第2操作表示基板25(図34−図37参照)と、第2操作表示基板25の設定ボタン26および表示部28を覆う第2スイッチプレート27を備えている。バッテリBが接続するターミナル9、トリガ7、第1操作表示基板21および第2操作表示基板25は、後述する制御基板180に接続されている。
結束機本体4は、主に、図2に示す、収容機構30と、送り機構32と、案内機構34と、ブレーキ機構36と、制御基板180と、図13に示す、切断挟持機構38と、図14に示す、捩り機構40を備えている。なお、図2では、図示の明瞭化のために、右アウタハウジング12、カバー17、鉄筋結束機2の内部の配線等の図示を省略している。図13では図示の明瞭化のために、鉄筋結束機2の内部の配線の図示を省略している。また、図14では、図示の明瞭化のため、左アウタハウジング14、鉄筋結束機2の内部の一部の配線等の図示を省略している。制御基板180は、結束機本体4の中央下部にインナハウジング16を跨いで配置されている。制御基板180の一部は、インナハウジング16から見て一方の側(右アウタハウジング12側)に配置されており、制御基板180の別の一部は、インナハウジング16から見て他方の側(左アウタハウジング14側)に配置されている。
図2に示すように、収容機構30は、ワイヤWが巻回されたリール10を着脱可能に保持する。リール10は、リール室19において、収容機構30により回転可能に支持されている。
収容機構30は、図3に示す固定軸受194と、図4に示すリール回転検出機構196と、図5に示す可動軸受198と、支持部材200と、捩りバネ202と、スライドスイッチ204を備えている。なお、図3では図示の明瞭化のために、右アウタハウジング12、カバー17、リール10等の図示を省略している。また、図4では図示の明瞭化のために、左アウタハウジング14、鉄筋結束機2の内部の配線等の図示を省略している。
図3に示すように、固定軸受194は、結束機本体4において、インナハウジング16と右アウタハウジング12により区画される空間(すなわち、リール10が収容される空間)に配置される。固定軸受194は、インナハウジング16に固定されている。固定軸受194は、円筒形状の外形を有している。図7、図8に示すように、リール10の固定軸受194に対向する側の面の中央には、円筒形状の軸受溝10bが形成されている。固定軸受194は、リール10の軸受溝10bに係合して、リール10を回転可能に支持する。また、リール10の固定軸受194に対向する側の面には、回転検出用凸部10dが、径方向に所定の角度間隔で形成されている。
図4に示すように、リール回転検出機構196は、結束機本体4において、インナハウジング16と左アウタハウジング14により区画される空間(すなわち、リール10が収容される空間とは別の空間)に配置される。リール回転検出機構196は、回転検出レバー206と、捩りバネ208と、磁気センサ210を備えている。磁気センサ210は、図示しない配線によって制御基板180に接続されている。制御基板180には、磁気センサ210からの検出信号が入力される。回転検出レバー206は、接触アーム206aと、磁気アーム206bを備えている。回転検出レバー206は、揺動軸206cを介してインナハウジング16に揺動可能に支持されている。接触アーム206aは、インナハウジング16に形成された回転検出孔212を通過して、リール10の回転検出用凸部10dと干渉する位置まで突出している。磁気アーム206bには、永久磁石214が設けられている。捩りバネ208は、接触アーム206aを回転検出孔212からリール10側に突出させる方向に、回転検出レバー206を付勢している。リール10の回転検出用凸部10dが接触アーム206aと干渉しない状態では、捩りバネ208の付勢力によって接触アーム206aが回転検出孔212から突出しており、磁気アーム206bの永久磁石214は磁気センサ210に近接した位置に配置される。リール10の回転検出用凸部10dが接触アーム206aと干渉する状態では、接触アーム206aが回転検出孔212から押し出され、回転検出レバー206が揺動して、磁気アーム206bの永久磁石214が磁気センサ210から離れた位置に配置される。収容機構30に収容されたリール10が回転すると、リール10の回転速度に応じた周期で、回転検出用凸部10dと接触アーム206aの当接と離反が繰り返されて、磁気センサ210の検出信号が変化する。鉄筋結束機2は、磁気センサ210の検出信号に基づいて、収容機構30に収容されているリール10の回転を検出することができる。
図5に示すように、可動軸受198と、支持部材200と、捩りバネ202と、スライドスイッチ204は、右アウタハウジング12の外面に設けられている。右アウタハウジング12には、可動軸受198が通過可能な貫通孔12aが設けられている。図7−図10に示すように、可動軸受198は、先端に近づくにつれて断面積が小さくなるテーパ形状を有している。なお、図9、図10では、図示の明瞭化のため、可動軸受198と、支持部材200と、捩りバネ202と、スライドスイッチ204と、リール10のみを図示している。本実施例の可動軸受198は、円錐台形状に形成されている。リール10の可動軸受198に対向する側の面の中央には、円筒状の軸受溝10cが形成されている。可動軸受198は、リール10の軸受溝10cの縁と係合することによって、リール10を回転可能に支持する。
図5、図6、図9、図10に示すように、支持部材200は、先端に可動軸受198を支持している。支持部材200の付け根は、揺動軸200aを介して右アウタハウジング12に揺動可能に支持されている。支持部材200は、捩りバネ202によって、可動軸受198を固定軸受194に近づける方向(リール10が収容されている状態では、可動軸受198をリール10の軸受溝10cに近づける方向に相当する)に付勢されている。以下では、可動軸受198を固定軸受194に近づける方向に支持部材200が移動した状態を、支持部材200が閉じた状態といい、可動軸受198を固定軸受194から遠ざける方向(リール10が収容されている状態では、可動軸受198をリール10の軸受溝10cから遠ざける方向に相当する)に支持部材200が移動した状態を、支持部材200が開いた状態という。
スライドスイッチ204は、右アウタハウジング12の外面上に、前後方向にスライド可能に設けられている。スライドスイッチ204は、支持部材200の自由な開閉を許可する自由位置と、支持部材200を強制的に開く開放位置の間でスライド可能である。スライドスイッチ204は、使用者が操作可能である。スライドスイッチ204は、通常時は自由位置とされている。スライドスイッチ204が自由位置から開放位置にスライドすると、スライドスイッチ204のリブ204aが支持部材200と右アウタハウジング12の間に入り込んで、支持部材200が押し開かれる。スライドスイッチ204が開放位置にある間、支持部材200は開いた状態を維持する。スライドスイッチ204が開放位置から自由位置にスライドすると、スライドスイッチ204のリブ204aが支持部材200と右アウタハウジング12の間から抜け出て、捩りバネ202の付勢力によって支持部材200が閉じられる。
鉄筋結束機2にリール10を取り付ける際には、使用者は、リール10を固定軸受194と可動軸受198の間の空間に挿入する。この際に、可動軸受198のテーパ面にリール10の外縁が当接して、リール10の挿入に伴って可動軸受198とともに支持部材200が押し開かれる。この状態で、リール10の軸受溝10bに固定軸受194を係合させると、リール10の軸受溝10cが可動軸受198に位置合わせされて、捩りバネ202の付勢力によって可動軸受198の先端が軸受溝10cに入り込み、可動軸受198が軸受溝10cの縁に係合する。これによって、リール10が収容機構30に収容される。
鉄筋結束機2にリール10が取り付けられた状態では、固定軸受194と可動軸受198によってリール10が支持されている。後述するように、送り機構32によってリール10からワイヤWが引き出される際には、固定軸受194に対してリール10が摺動し、かつ可動軸受198に対してリール10が摺動して、リール10が回転する。なお、固定軸受194をインナハウジング16に対して回転可能として、固定軸受194に対してリール10が摺動することなくリール10が回転するように構成してもよいし、可動軸受198を支持部材200に対して回転可能として、可動軸受198に対してリール10が摺動することなくリール10が回転するように構成してもよい。
鉄筋結束機2からリール10を取り外す際には、使用者は、リール10を固定軸受194と可動軸受198の間から取り出す。この際、可動軸受198のテーパ面がリール10の軸受溝10cの縁に当接しているので、リール10の取り出しに伴って可動軸受198とともに支持部材200が押し開かれる。これにより、リール10を収容機構30から取り出すことができる。リール10が収容機構30から完全に取り出されると、捩りバネ202の付勢力によって、可動軸受198と支持部材200が当初の位置に復帰する。
なお、鉄筋結束機2からリール10を取り外す際には、使用者は、スライドスイッチ204を自由位置から開放位置にスライド操作して、支持部材200を強制的に開いてもよい。これによって、可動軸受198がリール10の軸受溝10cから離反して、使用者はリール10を収容機構30からスムーズに取り出すことができる。
図1、図5等に示すように、結束機本体4の後方には、カバー17が設けられている。カバー17は、揺動軸17aを介して左アウタハウジング14に揺動可能に取り付けられている。カバー17は、図示しない捩りバネによって、開く方向に付勢されている。図5に示すように、カバー17の先端にはリブ17bが設けられている。右アウタハウジング12のリブ17bに対応する位置には、スライドラッチ217が設けられている。スライドラッチ217は、使用者が操作可能であり、リブ17bと係合する係合位置と、リブ17bとの係合を解除する解除位置の間でスライド可能である。図1に示すように、カバー17が閉じられており、かつスライドラッチ217が係合位置にスライドした状態では、スライドラッチ217とリブ17bが係合して、カバー17が閉じられた状態を維持する。図5に示すように、スライドラッチ217を解除位置にスライドすると、スライドラッチ217とリブ17bの係合が解除されて、捩りバネの付勢力によりカバー17が開かれる。
カバー17は、収容機構30のリール10を覆う収容機構カバー218と、後述する送り機構32のガイド部材42、主動ギヤ46および従動ギヤ48を覆う送り機構カバー220を備えている。収容機構カバー218によって収容機構30を覆うことによって、ワイヤWが弛緩してリール10から外れてしまうことを防ぐとともに、外部から水、塵、砂などが収容機構30に侵入することを防ぐことができる。送り機構カバー220によって送り機構32を覆うことによって、外部から水、塵、砂などが送り機構32に侵入することを防ぐことができる。
本実施例の鉄筋結束機2では、収容機構カバー218と送り機構カバー220が、カバー17として一体的に形成されている。通常、使用者が収容機構カバー218を開いた状態で行なうリール10の着脱作業と、使用者が送り機構カバー220を開いた状態で行なう送り機構32へのワイヤWのセット作業は、一連の作業として行われる。仮に、収容機構カバー218と送り機構カバー220を別個に形成した場合には、使用者は上記の一連の作業を行う際に、収容機構カバー218の開閉動作と送り機構カバー220の開閉動作をそれぞれ行わなければならず、煩雑な作業が必要となる。本実施例の鉄筋結束機2のように、収容機構カバー218と送り機構カバー220を一体的に形成することによって、上記の一連の作業を行う際の作業性をより向上することができる。
収容機構カバー218には、使用者がリール10に巻回されたワイヤWの残量を視認可能な残量確認窓222が形成されている。残量確認窓222を設けることによって、カバー17を閉じた状態であっても、使用者はワイヤWの残量を確認することができる。
収容機構カバー218および/または送り機構カバー220は、透明な材料によって形成してもよい。収容機構カバー218を透明な材料によって形成した場合、残量確認窓222を設けなくても、使用者はカバー17を閉じた状態でワイヤWの残量を確認することができる。送り機構カバー220を透明な材料によって形成した場合、使用者はカバー17を閉じた状態で送り機構32の状態を確認することができる。
図2に示すように、送り機構32は、収容機構30のリール10から供給されるワイヤWを、結束機本体4の前方の案内機構34へと送り出す。送り機構32は、ガイド部材42と、ベース部材43と、送りモータ44と、主動ギヤ46と、減速機構47と、従動ギヤ48と、リリースレバー50と、圧縮バネ52(図11参照)と、レバーホルダ54(図11参照)と、固定レバー56を備えている。送り機構32は、ユニット化されており、インナハウジング16に取り付けられている。ガイド部材42は、後端が広く先端が狭いテーパ状の貫通孔42aを備えている。ガイド部材42は、ベース部材43に固定されている。主動ギヤ46と従動ギヤ48は、ガイド部材42よりも前方に配置されている。主動ギヤ46は、減速機構47を介して送りモータ44に連結されており、送りモータ44の駆動によって回転する。送りモータ44は、図示しない配線によって制御基板180に接続されている。制御基板180は、送りモータ44の動作を制御することができる。主動ギヤ46の側面には、高さ方向中央で径方向に伸びるV字形状溝46aが形成されている。図11に示すように、従動ギヤ48は、リリースレバー50のギヤアーム50aに回転可能に支持されている。従動ギヤ48の側面には、高さ方向中央で径方向に伸びるV字形状溝48aが形成されている。リリースレバー50は、ギヤアーム50aと、操作アーム50bを備える、略L字型の部材である。リリースレバー50は、揺動軸50cを介してベース部材43に揺動可能に支持されている。リリースレバー50の操作アーム50bは、圧縮バネ52を介してレバーホルダ54のバネ受け部54aに連結している。レバーホルダ54は、インナハウジング16と左アウタハウジング14に挟み込まれて固定されている。圧縮バネ52は、操作アーム50bをバネ受け部54aから離れる方向に付勢する。通常時は、圧縮バネ52の付勢力によって、リリースレバー50に従動ギヤ48を主動ギヤ46に近づける方向のトルクが作用し、従動ギヤ48が主動ギヤ46に押し当てられている。これによって、従動ギヤ48の側面の歯と主動ギヤ46の側面の歯が係合するとともに、主動ギヤ46のV字形状溝46aと従動ギヤ48のV字形状溝48aの間に、ワイヤWが挟持される。この状態で、送りモータ44が主動ギヤ46を回転させると、従動ギヤ48が逆方向に回転するとともに、主動ギヤ46と従動ギヤ48により挟持されたワイヤWが案内機構34へと送り出され、リール10からワイヤWが引き出される。
固定レバー56は、揺動軸56aを介してレバーホルダ54に揺動可能に支持されている。固定レバー56は、図示しない捩りバネによって、リリースレバー50の操作アーム50bに当接する方向に付勢されている。固定レバー56には、リリースレバー50の操作アーム50bの先端と係合する凹部56bが形成されている。
鉄筋結束機2の使用者が、圧縮バネ52の付勢力に抗して操作アーム50bを押し込むと、リリースレバー50が揺動軸50cの周りで揺動して、従動ギヤ48が主動ギヤ46から離反する。この際に、固定レバー56が揺動軸56aの周りで揺動して、操作アーム50bの先端が凹部56bに係合することで、操作アーム50bは押し込まれた状態で保持される。リール10から伸びるワイヤWを送り機構32にセットする際には、使用者は、操作アーム50bを押し込んで従動ギヤ48を主動ギヤ46から離反させ、その状態でリール10から引き出したワイヤWの先端をガイド部材42の貫通孔42aを通して主動ギヤ46と従動ギヤ48の間に配置させる。そして、使用者が固定レバー56を操作アーム50bから離反する方向に揺動させると、リリースレバー50が揺動軸50cの周りで揺動して、従動ギヤ48が主動ギヤ46に係合するとともに、主動ギヤ46のV字形状溝46aと従動ギヤ48のV字形状溝48aの間にワイヤWが挟持される。
図13、図14に示すように、案内機構34は、送り機構32から送られたワイヤWを、鉄筋Rの周囲に円環状に案内する。案内機構34は、案内パイプ58と、上側カールガイド60と、下側カールガイド62を備えている。案内パイプ58と上側カールガイド60は、ユニット化されており、左アウタハウジング14とインナハウジング16の前方に取り付けられている。案内パイプ58の後方側の端部は、主動ギヤ46と従動ギヤ48の間に向けて開口している。送り機構32から送られたワイヤWは、案内パイプ58の内部へと送り込まれる。案内パイプ58の前方側の端部は、上側カールガイド60の内部に向けて開口している。上側カールガイド60には、案内パイプ58から送られるワイヤWを案内するための第1案内通路64と、下側カールガイド62から送られるワイヤWを案内するための第2案内通路66が設けられている。
図2、図11等に示すように、上側カールガイド60は、右アウタプレート264と、インナプレート266と、左アウタプレート268を備えている。インナプレート266は、右アウタプレート264と左アウタプレート268の間を遮るように配置されている。右アウタプレート264とインナプレート266により区画される空間に、案内パイプ58から送られるワイヤWを案内するための第1案内通路64が形成されており、インナプレート266と左アウタプレート268により区画される空間に、下側カールガイド62から送られるワイヤWを案内するための第2案内通路66が形成されている。
図12に示すように、第1案内通路64には、第1案内部材274と、第1案内ピン276と、カッタ70と、第2案内部材280と、第2案内ピン282が設けられている。なお、図12では図示の明瞭化のため、インナプレート266の図示を省略している。第1案内部材274は金属製の部材であって、その内部にワイヤWが通過するワイヤ通路274aが形成されている。ワイヤ通路274aの上面には上側案内壁274bが形成されており、ワイヤ通路274aの下面には下側案内壁274cが形成されている。上側案内壁274bと下側案内壁274cは、後方から前方へ向けて間隔が狭まるように形成されている。また、上側案内壁274bの前端は、下側案内壁274cの前端よりも前方に配置されている。ワイヤ通路274aの後端には、案内パイプ58の前端が挿入されている。ワイヤ通路274aの前端下方には、第1案内ピン276が配置されている。第1案内ピン276は、下側案内壁274cの前端よりも前方であり、かつ上側案内壁274bの前端よりも後方に配置されている。第1案内ピン276は、例えばタングステン等の耐摩耗性の高い金属製の部材であって、右アウタプレート264とインナプレート266に回転可能に支持されている。ワイヤWの先端が案内パイプ58から送り出される際には、下側案内壁274c、上側案内壁274bにワイヤWが摺接するとともに、第1案内ピン276とワイヤWが摺接して、カッタ70へ向けてワイヤWが案内される。ワイヤWが第1案内ピン276と摺接した後は、ワイヤWは下側案内壁274cと摺接することなく、第1案内ピン276、上側案内壁274bと摺接して、カッタ70へ向けて案内される。
カッタ70は、固定部材284と、揺動部材286を備えている。固定部材284は、外形が円筒形状である金属製の部材であって、その内部にワイヤWが通過するワイヤ通路284aが形成されている。固定部材284は、右アウタプレート264とインナプレート266に固定されている。揺動部材286は、固定部材284が貫通する貫通孔286aと、ワイヤWを切断する切断片286bが形成された金属製の部材であって、固定部材284を介して右アウタプレート264とインナプレート266に揺動可能に支持されている。切断片286bは、揺動部材286が揺動したときに、ワイヤWを押し上げる押上面286cと、ワイヤWを剪断により切断する切断部286dと、ワイヤWの切断された端部を挟持する挟持面286eを備える形状に形成されている。第1案内部材274および第1案内ピン276から送られたワイヤWは、固定部材284のワイヤ通路284aを通過して、第2案内部材280に送られる。
第2案内部材280は金属製の部材であって、ワイヤWを案内する案内壁280aと、第2案内ピン282が貫通する貫通孔280bと、ワイヤWの切断された端部を挟持する挟持面280cが形成されている。第2案内部材280は、弾性ゴム製の弾性ピン288を介して右アウタプレート264とインナプレート266に連結されている。第2案内ピン282は、例えばタングステン等の耐摩耗性の高い金属製の部材であって、右アウタプレート264とインナプレート266に回転可能に支持されている。第2案内ピン282は、第2案内部材280に対して摺動可能であるとともに、一部が案内壁280aから突出するように、貫通孔280bに収容されている。ワイヤWの先端がカッタ70から送り出される際には、ワイヤWは案内壁280aに摺接して第2案内ピン282に向けて案内された後、第2案内ピン282と摺接する。ワイヤWが第2案内ピン282と摺接した後は、ワイヤWは案内壁280aと摺接することなく、第2案内ピン282と摺接して、下向きの巻きぐせを付けられながら、下側カールガイド62に向けて送られる。
図14に示すように、下側カールガイド62には、第3案内通路72とガード板74が設けられている。なお、図14では図示の明瞭化のために、左アウタハウジング14、鉄筋結束機2の内部の一部の配線等の図示を省略している。第3案内通路72は、上側カールガイド60の前端から送られたワイヤWを案内する右側案内壁72aおよび左側案内壁72bを備えている。ガード板74は、第3案内通路72の両側で上方に伸びる形状に形成されており、複数の鉄筋Rが捩り機構40と干渉することを防止するとともに、結束機本体4の内部に異物が侵入することを防止する。また、ガード板74は、円環状に巻回されたワイヤWを捩り機構40が捩る際に、ワイヤWが左右に暴れることを防止する。下側カールガイド62によって案内されたワイヤWは、上側カールガイド60の第2案内通路66に向けて送られる。
上側カールガイド60の第2案内通路66には、第3案内部材292が設けられている。第3案内部材292は金属製の部材であって、ワイヤWを案内する上側案内壁292aが形成されている。また、第2案内通路66は、左アウタプレート268に形成された左側案内壁268a(図1参照)と、インナプレート266に形成された右側案内壁266aを備えている。下側カールガイド62から送られたワイヤWは、上側案内壁292a、右側案内壁266aおよび左側案内壁268aによって案内されて、再び下側カールガイド62に向けて送られる。
下側カールガイド62は、左アウタハウジング14とインナハウジング16の前方に取り付けられている。下側カールガイド62は、左アウタハウジング14とインナハウジング16に、揺動軸62aを介して揺動可能に支持されている。下側カールガイド62は、図15に示す開いた状態と、図16に示す閉じた状態の間で、揺動可能である。なお、図15、図16では、図示の明瞭化のために、左アウタハウジング14と、鉄筋結束機2の内部の配線等の図示を省略している。下側カールガイド62は、捩りバネ62bによって、閉じる方向に付勢されている。鉄筋結束機2を使用する際には、下側カールガイド62は閉じた状態とされている。鉄筋結束機2を使用中に、ワイヤWが捩り機構40に絡まってしまった場合には、使用者は、下側カールガイド62を開いて、捩り機構40に絡まったワイヤWを取り除くことができる。
結束機本体4の内部の前方下部には、下側カールガイド62の開閉状態を検出する開閉検出機構78が設けられている。開閉検出機構78は、左アウタハウジング14に取り付けられている。開閉検出機構78は、開閉検出レバー80と、捩りバネ82と、センサ基板84を備えている。センサ基板84は、図示しない配線によって制御基板180に接続されている。開閉検出レバー80は、当接片80aと、検出片80bを備えている。開閉検出レバー80は、左アウタハウジング14に揺動軸80cを介して揺動可能に支持されている。図17に示すように、当接片80aは、左アウタハウジング14に形成された開閉検出用開口80dを通過して、結束機本体4の外部に突出している。なお、図17では、図示の明瞭化のために、上側カールガイド60と下側カールガイド62の図示を省略している。図15、図16に示す検出片80bには、永久磁石(図示せず)が設けられている。センサ基板84は、左アウタハウジング14に固定されている。センサ基板84の検出片80bと対向する面には、例えばホール素子といった磁気センサ(図示せず)が設けられている。図15に示すように、下側カールガイド62が開いた状態では、捩りバネ82の付勢力によって開閉検出レバー80が揺動して、検出片80bの永久磁石がセンサ基板84の磁気センサから外れた位置に配置される。この状態から、下側カールガイド62を閉じると、下側カールガイド62の後方に設けられた当接片62cが開閉検出レバー80の当接片80aに当接して、開閉検出レバー80の当接片80aが押し下げられることで開閉検出レバー80が揺動して、検出片80bの永久磁石がセンサ基板84の磁気センサと対向する位置に配置される。センサ基板84の磁気センサが検出した信号は、制御基板180に入力される。制御基板180は、センサ基板84の磁気センサの検出信号に基づいて、下側カールガイド62の開閉状態を判別することができる。
図17に示すように、左アウタハウジング14に形成された開閉検出用開口80dの左右方向の幅は、開閉検出レバー80の当接片80aの左右方向の幅と略等しい。このような構成とすることによって、異物が開閉検出用開口80dを介して結束機本体4の内部に侵入することを防止することができる。また、左アウタハウジング14に形成された開閉検出用開口80dの上下方向の幅は、当接片80aの可動範囲と略等しい。このような構成とすることによって、異物が開閉検出用開口80dを介して結束機本体4の内部に侵入することを防止することができる。
図1に示すように、上側カールガイド60は複数の鉄筋Rの前方上方から下方へワイヤWを送り出し、下側カールガイド62は上側カールガイド60から送られたワイヤWを複数の鉄筋Rの後方下方から上方へ送り出す。これによって、送り機構32から送られたワイヤWは、複数の鉄筋Rの周囲に円環状に巻回される。送り機構32は、使用者によって設定されたワイヤWの送り出し量だけワイヤWを送り出すと、送りモータ44を停止してワイヤWの送り出しを停止する。
図2に示すブレーキ機構36は、送り機構32がワイヤWの送り出しを停止するのと連動して、リール10の回転を停止する。ブレーキ機構36は、ソレノイド86と、リンク88(図18、図19参照)と、捩りバネ90(図18、図19参照)と、ブレーキアーム92を備えている。ブレーキ機構36のソレノイド86は、図示しない配線によって制御基板180に接続されている。制御基板180は、ブレーキ機構36の動作を制御することができる。ブレーキ機構36は、ユニット化されており、インナハウジング16に取り付けられている。リール10には、ブレーキアーム92が係合する係合部10aが、径方向に所定の角度間隔で形成されている。図18に示すように、ソレノイド86への通電がされていない状態では、捩りバネ90の付勢力によって、ブレーキアーム92がリール10の係合部10aから離反している。図19に示すように、ソレノイド86への通電がされた状態では、リンク88によってブレーキアーム92がリール10に向けて揺動し、ブレーキアーム92がリール10の係合部10aに係合する。ブレーキ機構36は、送り機構32がワイヤWの送り出しを行なう際には、ソレノイド86へ通電せずに、ブレーキアーム92をリール10の係合部10aから離反させている。これにより、リール10は自由に回転することができ、送り機構32はリール10からワイヤWを引き出すことができる。また、ブレーキ機構36は、送り機構32がワイヤWの送り出しを停止する際には、ソレノイド86へ通電して、ブレーキアーム92をリール10の係合部10aに係合させる。これにより、リール10の回転が禁止される。これによって、送り機構32がワイヤWの送り出しを停止した後も、リール10が慣性により回転し続け、リール10と送り機構32の間でワイヤWが弛緩してしまうことを防ぐことができる。
図2に示すように、ブレーキ機構36は、結束機本体4の内部であって、右アウタハウジング12とインナハウジング16により区画されるブレーキ室37内に収容されている。図20に示すように、インナハウジング16には、ブレーキアーム92の先端が通過するブレーキ用開口92aが形成されている。ブレーキアーム92をリール10の係合部10aに係合させる際には、ブレーキ用開口92aを介してブレーキアーム92の先端のみがブレーキ用開口92aを通過して、リール10の係合部10aに係合する。ブレーキ用開口92aの左右方向の幅は、ブレーキアーム92の先端の幅と略等しい。また、ブレーキ用開口92aの前後方向の幅は、ブレーキアーム92の先端の可動範囲と略等しい。このような構成とすることによって、異物がブレーキ用開口92aを介して結束機本体4の内部に侵入してしまうことを防ぐことができる。また、ブレーキ室37は、ブレーキ用開口92aのみを介してブレーキ室37の外部と連通している。このような構成とすることによって、異物がブレーキ室37の内部に侵入することを抑制することができる。ブレーキ機構36や、ブレーキ機構36の周囲に存在する他の機構が異物の影響を受けることを防止することができる。
図21に示すように、切断挟持機構38は、ワイヤWを鉄筋Rの周囲に巻回した状態で、ワイヤWを切断するとともに、ワイヤWの切断した端部を挟持する。なお、図21では図示の明瞭化のため、インナプレート266の図示を省略している。切断挟持機構38は、カッタ70と、第2案内部材280と、リンク94を備えている。リンク94は、後述する捩り機構40と連動して、カッタ70の揺動部材286を固定部材284の周りで揺動させる。図12に示す状態から、揺動部材286が固定部材284に対して揺動することによって、切断片286bの押上面286cによってワイヤWが押し上げられて、固定部材284のワイヤ通路284aの前端において、揺動部材286の切断片286bの切断部286dによる剪断によりワイヤWが切断される。そして、図21に示すように、ワイヤWの切断された端部は、切断片286bの挟持面286eと第2案内部材280の挟持面280cによって挟持される。この際に、第2案内部材280は弾性ピン288によって右アウタプレート264およびインナプレート266に連結しているため、ワイヤWの切断された端部は、揺動部材286と第2案内部材280によって弾性的に挟持される。これによって、ワイヤWの径がどのようなものであっても、ワイヤWの切断された端部を確実に挟持しておくことができる。なお、第2案内部材280を弾性ピン288によって右アウタプレート264およびインナプレート266に連結する代わりに、例えば、右アウタプレート264またはインナプレート266に連結された弾性ゴム等のクッション部材を第2案内部材280の前方側(挟持面280cの反対側)に配置しておいて、ワイヤWの切断された端部を切断片286bの挟持面286eと第2案内部材280の挟持面280cによって挟持する際に、クッション部材が弾性圧縮変形することで、弾性的に挟持する構成としてもよい。あるいは、第2案内部材280を、引張バネまたは捩りバネを介して右アウタプレート264またはインナプレート266に連結して、ワイヤWの切断された端部を切断片286bの挟持面286eと第2案内部材280の挟持面280cによって挟持する際に、引張バネまたは捩りバネが弾性変形することで、弾性的に挟持する構成としてもよい。
図14に示す捩り機構40は、複数の鉄筋Rの周囲に巻回されたワイヤWを捩ることで、複数の鉄筋RをワイヤWで結束する。図22に示すように、捩り機構40は、捩りモータ96と、第1減速機構98と、第2減速機構100と、把持機構102を備えている。捩りモータ96は、図示しない配線によって制御基板180に接続されている。制御基板180は、捩りモータ96の動作を制御することができる。捩り機構40は、ユニット化されており、左アウタハウジング14に取り付けられている。
図23に示すように、第1減速機構98は、遊星歯車減速機構である。第1減速機構98は、同軸減速機構ということもできる。第1減速機構98は、ギヤブラケット104と、インターナルギヤ106と、プラネタリギヤ108と、サンギヤ110を備えている。ギヤブラケット104は、メインブラケット112(図22参照)に固定されている。インターナルギヤ106は、ギヤブラケット104に固定されている。サンギヤ110は、捩りモータ96の出力軸に連結している。プラネタリギヤ108は、プラネタリキャリア(図示せず)を介して、中継軸114(図24参照)に連結している。第1減速機構98は、捩りモータ96の回転を減速して中継軸114に伝達する。
図24に示すように、第2減速機構100は、平歯車減速機構である。第2減速機構100は、平行軸減速機構ということもできる。第2減速機構100は、第1平歯車116と、第2平歯車118を備えている。第1平歯車116は、中継軸114に連結している。第2平歯車118は、スクリューシャフト120に連結している。第2減速機構100は、中継軸114の回転を減速してスクリューシャフト120に伝達する。
図25−図27に示すように、把持機構102は、スクリューシャフト120と、インナスリーブ122(図29−図32参照)と、アウタスリーブ124と、プッシュプレート126と、プッシュスリーブ128(図29−図32参照)と、支持スリーブ130と、先端軸132と、右フック134と、左フック136を備えている。
図26に示すように、スクリューシャフト120は、後方が太径部120aとなっており、前方が細径部120bとなっている。太径部120aの外面には、螺旋状のボール溝120cが形成されている。太径部120aと細径部120bの段差の部分には、円環状の弾性材料からなるバンパ138が設けられている。細径部120bの周囲には、圧縮バネ140が設けられている。圧縮バネ140は、先端軸132をバンパ138から遠ざける方向に付勢する。さらに、細径部120bの先端には、先端軸132のストッパ142が係合する係合溝120d(図29−図32参照)が形成されている。
図29−図32に示すインナスリーブ122は、内部にスクリューシャフト120が挿入される円筒状の部材である。インナスリーブ122には、図26に示すボール144が嵌合するボール穴(図示せず)が形成されている。スクリューシャフト120とインナスリーブ122は、ボール溝120cとボール穴の間に嵌合したボール144を介して連結している。すなわち、スクリューシャフト120とインナスリーブ122は、ボールねじを介して連結されている。ボール溝120cが形成されている範囲では、スクリューシャフト120がインナスリーブ122に対して相対的に回転すると、インナスリーブ122はスクリューシャフト120に対して相対的に前後方向に移動する。
図25に示すように、アウタスリーブ124は、内部にインナスリーブ122と、先端軸132が挿入される円筒状の部材である。アウタスリーブ124はインナスリーブ122に、止めねじ146を介して固定されている。
右フック134と左フック136は、ワイヤWを把持する把持部材である。図25に示すように、左フック136は揺動軸136aを介してアウタスリーブ124に揺動可能に支持されている。図26に示すように、左フック136には、カム溝136bが形成されている。同様に、右フック134は揺動軸134aを介してアウタスリーブ124に揺動可能に支持されている。右フック134には、カム溝134b(図27参照)が形成されている。図25に示すように、先端軸132は、アウタスリーブ124に摺動可能に挿入されている。先端軸132には、右フック134のカム溝134bおよび左フック136のカム溝136bと係合するカムピン148が設けられている。図27に示すように、先端軸132がアウタスリーブ124に対して相対的に前進すると、カムピン148がカム溝134bおよびカム溝136bから抜け出る方向に右フック134と左フック136が揺動し、右フック134と左フック136は開いた状態となる。なお、右フック134と左フック136が最大に開いた状態では、右フック134に形成されたストッパ部134cと、左フック136に形成されたストッパ部136cが互いに当接して、右フック134と左フック136はそれ以上開くことができなくなる。その結果、先端軸132はアウタスリーブ124に対して、それ以上前進することが禁止される。先端軸132がアウタスリーブ124に対して相対的に後退すると、カムピン148がカム溝134bおよびカム溝136bに入り込むように右フック134と左フック136が揺動し、右フック134と左フック136は閉じた状態となる。図29−図32に示すように、先端軸132には、スクリューシャフト120の係合溝120dと係合するストッパ142が設けられている。先端軸132はスクリューシャフト120に対して、ストッパ142が係合溝120dの前端および後端に係合する範囲で、相対的に前後方向に移動可能である。
図29−図32に示すように、プッシュスリーブ128は、インナスリーブ122の周囲を覆う円筒状の部材である。プッシュスリーブ128は、インナスリーブ122の後端に形成されたリブ122aと、アウタスリーブ124の間に挟持されている。プッシュスリーブ128は、インナスリーブ122に対して、回転可能である。プッシュプレート126は、プッシュスリーブ128に形成されたリブ128aと、アウタスリーブ124の間に挟持されている。図22に示すように、プッシュプレート126は、メインブラケット112から伸びるピン150によって回転を禁止されるとともに、前後方向にガイドされている。プッシュプレート126は、アウタスリーブ124とともに、前後方向に移動する。プッシュプレート126が前方に移動すると、図12および図14に示す切断挟持機構38のリンク94が駆動されて、カッタ70がワイヤWを切断するともに、ワイヤWの切断された端部を挟持する。図21に示すように、切断挟持機構38がワイヤWの切断された端部を挟持しているので、ワイヤWが捩られている間に、ワイヤWの切断された端部が暴れることを防ぐことができる。その後、プッシュプレート126が後方に移動すると、切断挟持機構38のリンク94が逆方向に駆動されて、切断挟持機構38が、ワイヤWの切断された端部を解放するとともに、カッタ70が初期姿勢に戻る。また、図22に示すように、プッシュプレート126には、永久磁石152が設けられている。永久磁石152に対応して、メインブラケット112には、磁気センサ154が設けられている。磁気センサ154は、図示しない配線によって制御基板180に接続されている。磁気センサ154が検出した信号は、制御基板180に入力される。制御基板180は、磁気センサ154の検出結果に基づいて、プッシュプレート126が初期位置にあるか否かを判別することができる。
図25に示すように、支持スリーブ130は、アウタスリーブ124の周囲を覆う円筒状の部材である。支持スリーブ130は、アウタスリーブ124に対して、回転可能であり、かつ前後方向に移動可能である。支持スリーブ130は、左アウタハウジング14とインナハウジング16に、回転可能であり、かつ前後方向に移動不能に支持されている。
アウタスリーブ124の後方の外面には、前後方向に沿って伸びる、ショートフィン124aとロングフィン124bが形成されている。ショートフィン124aとロングフィン124bは、回転制限機構156(図22参照)と協働して、アウタスリーブ124の回転を許容または禁止する。本実施例の鉄筋結束機2では、アウタスリーブ124の外面において、2つのロングフィン124bが180度の間隔で配置されており、それらのロングフィン124bの間に、6つのショートフィン124aが45度間隔で配置されている。
図28に示すように、回転制限機構156は、ベース部材158と、上側アーム部材160と、下側アーム部材162を備えている。ベース部材158は、インナハウジング16に固定されている。上側アーム部材160は、揺動軸160aを介してベース部材158に揺動可能に支持されている。上側アーム部材160は、規制片160bを備えている。上側アーム部材160は、捩りバネ160cによって、規制片160bを外側に開く方向に付勢されている。スクリューシャフト120が右ねじの方向に回転する場合(捩り機構40がワイヤWを捩り終わって、初期姿勢に復帰する場合)、ショートフィン124aやロングフィン124bは上側アーム部材160を押し込むので、上側アーム部材160がアウタスリーブ124の回転を禁止することはない。アウタスリーブ124が左ねじの方向に回転する場合(捩り機構40がワイヤWを把持して捩る場合)、ショートフィン124aやロングフィン124bは規制片160bの端面と当接するので、上側アーム部材160がアウタスリーブ124の回転を禁止する。下側アーム部材162は、揺動軸162aを介してベース部材158に揺動可能に支持されている。下側アーム部材162は、規制片162bを備えている。下側アーム部材162は、捩りバネ162cによって、規制片162bを外側に開く方向に付勢されている。アウタスリーブ124が左ねじの方向に回転する場合(捩り機構40がワイヤWを把持して捩る場合)、ショートフィン124aやロングフィン124bは下側アーム部材162を押し込むので、下側アーム部材162がアウタスリーブ124の回転を禁止することはない。アウタスリーブ124が右ねじの方向に回転する場合(捩り機構40がワイヤWを捩り終わって、初期姿勢に復帰する場合)、ショートフィン124aやロングフィン124bは規制片162bの端面と当接するので、下側アーム部材162がアウタスリーブ124の回転を禁止する。図28に示すように、上側アーム部材160の規制片160bの後端は、下側アーム部材162の規制片162bの後端よりも後方に配置されている。また、下側アーム部材162の規制片162bの前端は、上側アーム部材160の規制片160bの前端よりも前方に配置されている。
図29−図32は、把持機構102の動作の様子を示している。図29に示すように、捩りモータ96が駆動する前の初期姿勢では、スクリューシャフト120の大部分がインナスリーブ122の内部に配置されているとともに、アウタスリーブ124のロングフィン124bが、回転制限機構156の上側アーム部材160と下側アーム部材162の間に挟持されている。また、先端軸132はアウタスリーブ124に対して前進した状態となっており、右フック134と左フック136は最大に開いた状態となっている。
この状態から、捩りモータ96の駆動によりスクリューシャフト120が左ねじの方向に回転すると、ロングフィン124bが上側アーム部材160の規制片160bと当接しており、アウタスリーブ124の回転が禁止されているため、図30に示すように、インナスリーブ122とアウタスリーブ124はスクリューシャフト120に対して前進する。アウタスリーブ124の前進に伴って、圧縮バネ140の付勢力によって、先端軸132もスクリューシャフト120に対して前進する。先端軸132はスクリューシャフト120に対して、ストッパ142が係合溝120dの前端と当接するまで、前進可能である。
この状態から、スクリューシャフト120がさらに左ねじの方向に回転すると、図31に示すように、アウタスリーブ124はスクリューシャフト120に対してさらに前進する。しかしながら、先端軸132は、ストッパ142が係合溝120dの前端と当接しているので、スクリューシャフト120に対してそれ以上前進することができない。このため、先端軸132がアウタスリーブ124の内部に相対的に引きこまれ、右フック134と左フック136が閉じていく。
この状態から、スクリューシャフト120がさらに左ねじの方向に回転すると、アウタスリーブ124がスクリューシャフト120に対してさらに前進する。図32に示すように、先端軸132がアウタスリーブ124の内部に完全に引き込まれ、右フック134と左フック136が完全に閉じた状態となる。これによって、右フック134と左フック136によりワイヤWが把持される。
右フック134と左フック136が完全に閉じる少し前のタイミングで、回転制限機構156では、ロングフィン124bと上側アーム部材160が当接しなくなる。このため、その後はスクリューシャフト120の回転に伴って、アウタスリーブ124が回転し、右フック134と左フック136も回転する。これによって、右フック134と左フック136によって把持されたワイヤWが捩られる。捩り機構40は、所定の捩り強さまでワイヤWを捩ると、捩りモータ96を逆方向に回転させる。
捩りモータ96を逆方向に、すなわち右ねじの方向に回転させると、スクリューシャフト120も右ねじの方向に回転する。この際、アウタスリーブ124がわずかに回転したときに、ショートフィン124aまたはロングフィン124bが下側アーム部材162の規制片162bと当接してアウタスリーブ124の回転が禁止されるので、右フック134と左フック136がワイヤWを捩り終わった回転角度とほぼ同じ回転角度を維持したまま、アウタスリーブ124はスクリューシャフト120に対して相対的に後退する。この際に、圧縮バネ140の付勢力によって先端軸132はスクリューシャフト120に対して前進した状態を維持するので、先端軸132がアウタスリーブ124から相対的に引き出されて、右フック134と左フック136は開き始める。
その後、さらにスクリューシャフト120が右ねじの方向に回転すると、アウタスリーブ124がスクリューシャフト120に対してさらに後退し、先端軸132がアウタスリーブ124から完全に引き出されて、右フック134と左フック136が完全に開いた状態となる。この状態となると、その後は、先端軸132はアウタスリーブ124とともに、スクリューシャフト120に対して相対的に後退する。
その後、さらにスクリューシャフト120が右ねじの方向に回転すると、アウタスリーブ124と先端軸132がスクリューシャフト120に対してさらに後退し、スクリューシャフト120の大部分がインナスリーブ122の内部に配置される。この際に、回転制限機構156の下側アーム部材162と当接しているのがショートフィン124aである場合には、ショートフィン124aが下側アーム部材162と当接しなくなり、アウタスリーブ124の回転が許容される。この際に、圧縮バネ140とバンパ138が強く圧縮されており、圧縮バネ140とバンパ138から強い付勢力が作用する。その結果、スクリューシャフト120のボール溝120cと、インナスリーブ122のボール穴に嵌合したボール144の間に強い摩擦力が作用するので、スクリューシャフト120が回転すると、アウタスリーブ124はスクリューシャフト120に対して後退することなく、スクリューシャフト120とともに回転する。アウタスリーブ124が回転して、ロングフィン124bが回転制限機構156の下側アーム部材162と当接すると、アウタスリーブ124の回転が再び禁止されて、アウタスリーブ124がさらに後退する。磁気センサ154によって、アウタスリーブ124が完全に後退したことを検出すると、捩り機構40は捩りモータ96の回転を停止する。これによって、捩り機構40は初期姿勢に復帰する。
図1に示すように、使用者が、上側カールガイド60と下側カールガイド62の間に複数の鉄筋Rが位置するように鉄筋結束機2を配置して、トリガ7を引き操作すると、鉄筋結束機2は、送り機構32、案内機構34およびブレーキ機構36によって、ワイヤWを鉄筋Rの周囲に巻回するとともに、切断挟持機構38および捩り機構40によって、ワイヤWを切断して、鉄筋Rに巻回されたワイヤWを捩る、一連の動作を実行する。
以下では図33−図37を参照しながら、鉄筋結束機2の組み立て作業について説明する。なお、図33−図37においては、図示の明瞭化のために、配線等の図示を省略している。まず、図33に示す左アウタハウジング14にカバー17を組み付ける。そして、図34に示すように、左アウタハウジング14に、トリガ7、ターミナル9、第1操作表示部18の第1操作表示基板21および第1スイッチプレート23、第2操作表示部24の第2操作表示基板25および第2スイッチプレート27、案内機構34、切断挟持機構38、捩り機構40、開閉検出機構78、制御基板180等を組み付ける。左アウタハウジング14の内面、すなわちインナハウジング16と対向する面には、捩りモータ96を保持する捩りモータ保持部164と、第1減速機構98を保持する第1減速機構保持部166と、支持スリーブ130を保持する支持スリーブ保持部168を備える捩り機構保持部170が形成されており、捩り機構40は捩り機構保持部170によって保持される。また、案内機構34、切断挟持機構38、開閉検出機構78は、ねじ182を介して左アウタハウジング14に固定される。この際に、トリガ7、ターミナル9、第1操作表示基板21、第2操作表示基板25、捩り機構40および開閉検出機構78のそれぞれと、制御基板180の間の配線の結線作業も合わせて行なう。その後、図35に示すように、左アウタハウジング14にインナハウジング16をねじ184およびなべ小ねじ185により組み付ける。その後、図36に示すように、インナハウジング16に、収容機構30と、送り機構32と、ブレーキ機構36を、それぞれ組み付ける。インナハウジング16の右アウタハウジング12と対向する面には、送りモータ44を保持する送りモータ保持部172を備える送り機構保持部174と、ソレノイド86を保持するソレノイド保持部176を備えるブレーキ機構保持部178が形成されており、送り機構32は送り機構保持部174によって保持され、ブレーキ機構36はブレーキ機構保持部178によって保持される。収容機構30とブレーキ機構36は、ねじ184を介してインナハウジング16に固定される。この際に、送り機構32およびブレーキ機構36のそれぞれと、制御基板180の間の配線の結線作業も合わせて行なう。その後、図37に示すように、左アウタハウジング14およびインナハウジング16に、右アウタハウジング12をねじ186により組み付けることで、鉄筋結束機2を組み立てることができる。このように、鉄筋結束機2を組み立てる際には、鉄筋結束機2を裏返すことなく、鉄筋結束機2の一方向からの作業によって、捩り機構40、切断挟持機構38、案内機構34、送り機構32、ブレーキ機構36等の各構成要素を組み付けることができる。組立作業を容易に行なうことができる。
本実施例では、制御基板180がインナハウジング16を跨いで配置されており、制御基板180の一部がインナハウジング16から見て一方の側(右アウタハウジング12側)に配置されており、制御基板180の別の一部がインナハウジング16から見て他方の側(左アウタハウジング14側)に配置されている。このため、送り機構32の送りモータ44と制御基板180の間の結線や、ブレーキ機構36のソレノイド86との間の結線を、インナハウジング16から見て一方の側(右アウタハウジング12側)の空間で行なうことができる。また、捩り機構40の捩りモータ96と制御基板180の間の結線を、インナハウジング16から見て他方の側(左アウタハウジング14側)の空間で行なうことができる。このような構成とすることによって、インナハウジング16に送りモータ44、ソレノイド86および捩りモータ96のそれぞれと制御基板180の間の配線を通すための孔や接続用端子を設ける必要がない。また、インナハウジング16の一方の側と他方の側の間で配線を通す必要がないため、鉄筋結束機2の組立作業性を向上することができる。なお、制御基板180は、送りモータ44を制御するための送りモータ用制御基板と、ソレノイド86を制御するためのソレノイド用制御基板と、捩りモータ96を制御するための捩りモータ用制御基板が、それぞれ別個に設けられていてもよい。この場合、送りモータ用制御基板と、ソレノイド用制御基板と、捩りモータ用制御基板のそれぞれについて、一部がインナハウジング16から見て一方の側(右アウタハウジング12側)に配置されており、別の一部がインナハウジング16から見て他方の側(左アウタハウジング14側)に配置されているように構成することで、上記と同様の効果が得られる。
以上のように、本実施例の鉄筋結束機2は、複数の鉄筋RをワイヤWによって結束する。鉄筋結束機2は、ワイヤWを切断し、かつワイヤWの切断された端部を挟持する切断挟持機構38と、捩りモータ96の回転によってワイヤWを捩る捩り機構40と、切断挟持機構38と捩り機構40を保持する結束機本体4を備えている。切断挟持機構38は、結束機本体4に連結された第2案内部材280(第1挟持部材の一例である)と、捩りモータ96の回転により駆動されるリンク94に連結された揺動部材286(第2挟持部材の一例である)を備えている。第2案内部材280と揺動部材286は、ワイヤWの切断された端部を弾性的に挟持する。
本実施例の鉄筋結束機2は、第2案内部材280と揺動部材286がワイヤWの切断された端部を弾性的に挟持するように構成されている。従って、第2案内部材280と揺動部材286の挟持間隔がワイヤWの径に合わせて弾性変形によって調整されて、第2案内部材280と揺動部材286がワイヤWを確実に挟持することができる。切断挟持機構38におけるワイヤWの挟持間隔を使用者が調整し直すことなく、種々の径のワイヤWを使用可能とすることができる。
なお、上記の実施例では、ワイヤWを切断し、かつワイヤWの切断された端部を挟持する切断挟持機構38について説明したが、ワイヤWを切断する切断機構と、ワイヤWの切断された端部を挟持する挟持機構を、別個に設けてもよい。また、切断挟持機構38において、第2案内部材280とは別個に第1挟持部材を設けてもよいし、揺動部材286とは別個に第2挟持部材を設けてもよい。
本実施例の鉄筋結束機2では、第2案内部材280は、弾性ピン288(弾性部材の一例である)を介して結束機本体4に連結されている。
上記の構成によれば、ワイヤWの径の相違が、弾性ピン288の弾性変形によって吸収されるので、切断挟持機構38におけるワイヤWの挟持間隔を使用者が調整し直すことなく、種々の径のワイヤWを使用可能とすることができる。
本実施例の鉄筋結束機2は、ワイヤWを送る送り機構32と、送り機構32から送られたワイヤWを複数の鉄筋Rの周りに案内する案内機構34をさらに備えている。送り機構32と案内機構34は、結束機本体4に保持されている。案内機構34は、ワイヤWを案内する第1案内ピン276、第2案内ピン282を備えている。第1案内ピン276、第2案内ピン282は、結束機本体4に回転可能に支持されている。
本実施例の鉄筋結束機2では、第1案内ピン276、第2案内ピン282が結束機本体4に回転可能に支持されているので、ワイヤWを送る際に第1案内ピン276、第2案内ピン282に作用する摩擦力を大幅に低減することができる。第1案内ピン276、第2案内ピン282の摩耗を抑制することができる。
本実施例の鉄筋結束機2は、ワイヤWを送る送り機構32と、送り機構32から送られたワイヤWを複数の鉄筋Rの周りに案内する案内機構34をさらに備えている。送り機構32と案内機構34は、結束機本体4に保持されている。案内機構34は、ワイヤWを案内する第1案内ピン276、第2案内ピン282と、ワイヤWを案内する上側案内壁274bを備えている。
本実施例の鉄筋結束機2は、第1案内ピン276、第2案内ピン282、および上側案内壁274bによってワイヤWを案内する構成としている。案内ピンのみによってワイヤWを案内する構成とくらべて、ワイヤWの湾曲径の管理にそれほど影響をおよぼすことなく、使用する案内ピンの個数を低減し、材料コストを低減することができる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。