JP2017171673A - 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンへのフッ化水素化のための方法 - Google Patents

2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンへのフッ化水素化のための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンより、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを製造する方法において、五塩化アンチモン触媒の熟成の誘導期間を実質的に短くするか又は排除する方法、及び、改良された収率及び選択率でフッ化水素化するための方法を提供する。
【解決手段】約25〜約99.9モルパーセントの五塩化アンチモン及び約0.1〜約75モルパーセントのルイス酸の金属を有する触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と接触させる工程を有する、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを製造する方法。
【選択図】なし

Description

本出願は、参照によりその全体を本明細書中に援用する2008年6月17日付けで出願された米国仮出願61/073,186に基づく優先権を請求する。
本発明は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(244bb)へのフッ化水素化のための方法に関する。
ハロゲン化アンチモンは、これまで、1233xfを244bbへフッ化水素化する際の触媒として有用であると説明されてきた。五塩化アンチモンは、(2008年1月22日付けで出願された米国仮出願61/021,121に開示されるように)フッ化水素化反応を触媒する際に特に活性があるものと認められてきたが、時折、1233xfの過フッ素化を引き起こして、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(245cb)のようなペンタフルオロ化合物を形成することがある。245cbは所望の244bb生成物より低い沸点を有するが、このことは分離と除去を困難で費用のかかるものとしている。五塩化アンチモンは触媒としてなお使用することができるが、触媒を熟成させるためには非常に長い誘導又は調節期間が必要である。
1233xfを244bbへフッ化水素化するための方法であって、この誘導期間を実質的に短くするか又は排除する方法を有することが望ましいであろう。また、1233xfを244bbへ、改良された収率及び選択率でフッ化水素化するための方法を有することも望ましいであろう。
本発明にしたがって、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンにフッ化水素化するための方法を提供する。本方法は、約25〜約99.9モルパーセントの五塩化アンチモン及び約0.1〜約75モルパーセントのルイス酸の金属を有する触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と接触させる工程を有する。ルイス酸の金属は、好ましくは、SbCl、TiCl、SnCl、TaCl、NbCl、NbCl、ZrCl、及びHfClの中から選択する。
更に、本発明にしたがって、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを製造するための方法を提供する。本方法は、フッ素化された五塩化アンチモンの触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、約75〜約99.9モルパーセントの2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、約0.1〜約25モルパーセントの、少なくとも1つの塩素原子を有する1種又はそれより多い他の炭化水素とをフッ化水素化する工程を有する。
更にまた、本発明にしたがって、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンにフッ化水素化するための方法であって、蒸気相触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と接触させることを含む前記方法を提供する。
本発明において、フッ素化された五塩化アンチモン(SbCl)触媒の活性が高すぎるという問題を、二つの手法により取り扱う。第一の手法は、SbClを少量のフッ素化されたルイス酸触媒と混ぜて、反応速度を和らげることである。第二の手法は、少なくとも1つの塩素原子を有する、少量の1種又はそれより多い他の炭化水素と、1233xf出発材料を混ぜることである。炭化水素は、1233xfと比較してフッ素化される程度が低く、触媒の有効活性を低減する。本質的には、第一の手法においては触媒の組成を変更し、第二の手法においては出発反応体の組成を変更する。この二つの手法は、別々に、又は組合せて使用することができる。
第一の手法においては、触媒組成が約25モルパーセント〜約99.9モルパーセントの五塩化アンチモン及び約0.1モルパーセント〜約75モルパーセントのフッ素化されたルイス酸触媒となるように、フッ素化されたルイス酸触媒をフッ素化の前に五塩化アンチモンと混ぜる。好ましくは、触媒組成は、約50モルパーセント〜約98モルパーセントの五塩化アンチモン及び約2モルパーセント〜約50モルパーセントのフッ素化されたルイス酸触媒である。フッ素化されたルイス酸は、好ましくは、SbCl、TiCl、SnCl、TaCl、NbCl、NbCl、ZrCl、及びHfClの中から選択する。最も好ましくは、触媒組成は、約75モルパーセント〜約95モルパーセントの五塩化アンチモン及び約5モルパーセント〜約25モルパーセントのフッ素化されたルイス酸触媒である。フッ素化されたルイス酸は、好ましくは、SbCl、TiCl、SnCl、TaCl、NbCl、NbCl、ZrCl、及びHfClの中から選択する。五塩化アンチモン及びフッ素化されたルイス酸触媒の混合は、当技術分野において既知の任意の手段で達成することができる。
第二の手法においては、1233xf反応体を少なくとも1つの塩素原子を含有する、少量の1種又はそれより多い他の炭化水素と、1233xfが約75〜約99.9モルパーセントで存在し、1種又はそれより多い炭化水素が約0.1〜約25モルパーセントで存在するように混ぜる。好ましくは、1233xfは約85〜約99.5モルパーセントで存在し、1種又はそれより多い炭化水素は約0.5〜約15モルパーセントで存在する。最も好ましくは、1233xfは約90〜約99モルパーセントで存在し、1種又はそれより多い炭化水素は約1〜約10モルパーセントで存在する。
有用な他の炭化水素としては、少なくとも1つの塩素原子を含有するものが挙げられる。少なくとも1つの塩素原子を有する炭化水素の例としては、1,1,2,3−テトラクロロプロペン、2,3−ジクロロ−3,3−ジフルオロプロペン、2,3,3−トリクロロ−3−フルオロプロペン、及び1,1,1,2,3−ペンタクロロプロパン(HCC−240db)が挙げられる。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン又は2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを生ずるものも有用である。これらの化合物はすべて、所望の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン又は2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンに転化する中間体をもたらすことから、特に有用である。
どちらの手法についても、フッ化水素化反応は、244bb(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン)を形成するのに十分な条件で実施する。この反応は、好ましくは、約30℃〜約200℃、より好ましくは、約50℃〜約150℃、最も好ましくは、約75℃〜約125℃の温度で実施する。この反応は、好ましくは、約5psia(ポンド/平方インチ、絶対圧)〜約200psia、より好ましくは、約30psia〜約175psia、最も好ましくは、約60psia〜約150psiaの圧力で実施する。この反応は、好ましくは、約1秒〜約300秒、より好ましくは、約30秒〜約240秒、最も好ましくは、約40秒〜約120秒の滞留時間で実施する。また、この反応はバッチ式プロセスで実施することができる。バッチ式プロセスを使用する場合、この反応は、好ましくは、約15秒〜約3600秒、より好ましくは、約60秒〜約1800秒、最も好ましくは、約120秒〜約300秒の滞留時間で実施する。滞留時間は、液相の反応体混合物を含有する反応器体積を生成物の体積流速で割ったものである。
どちらの手法についても、副生物の選択率、すなわち、所望な244bb(2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン)以外の生成物に関する選択率は、15モルパーセント未満、好ましくは、5モルパーセント未満、最も好ましくは、1.5モルパーセント未満である。
反応を蒸気相のプロセスにおいて行う場合、触媒は担持させても、又はバルクの形態(担持させない)でもよい。有用な触媒支持体としては、炭素、アルミナ、フッ素化されたアルミナ、フッ化アルミニウム、アルカリ土類金属の酸化物、フッ素化されたアルカリ土類金属、酸化亜鉛、フッ化亜鉛、酸化スズ、及びフッ化スズが挙げられる。
触媒は、場合により、使用の前や使用の間に、活性化してもよい。有用な活性化剤としては、無水フッ化水素及び塩素が挙げられる。触媒は、Clのような酸化剤を連続的に、又はバッチ式で添加することにより活性化された状態が保たれる。
フッ化水素化反応は、液相において、又は蒸気相において実施することができる。液相の反応が好ましい。
以下は、本発明の実施例であり、限定するものと解釈すべきではない。
以下の実施例において、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)を244bbへとフッ素化した。比較例1においては、100%五フッ化アンチモン(SbCl)の触媒系を用いた。実施例1及び2においては、比較例1の五フッ化アンチモン触媒系の代わりに、5:1のモル比の五塩化アンチモン/三塩化アンチモンの触媒系を用いた。実施例3においては、重量基準で98%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン中、2%の1,1,2,3−テトラクロロプロペンの混合物を運転の初期に用いて、触媒系の活性を低減することにより、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロペンを形成した。実施例4は、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの蒸気相フッ素化を使用して244bbを生成することを実証している。
実施例1及び2においては、五塩化アンチモン/三塩化アンチモンの混合は、加熱用マントル、撹拌子、及び凝縮器を備えた丸底フラスコに秤量した量の五塩化アンチモン(液体)を最初に添加することにより達成した。次いで、秤量した量の三塩化アンチモン(固体)を同じフラスコに添加した。次いで、このフラスコを加熱して、三塩化物を混合物中に溶解させ、混合物の融点(40℃〜50℃)を超えて加熱した。次いで、溶融した触媒混合物を(選択的に沈殿するのを避けるため)加熱したシリンダーに移した。この加熱したシリンダーに圧力下で窒素を添加した。フレキシブルチューブを用いてこのシリンダーを反応器に接続した。シリンダーの内容物を、シリンダーバルブを開けることにより反応器へと移した。シリンダーを秤量し、シリンダーの空の重量と比較して、所望の重量移動が達成されたことを確認した。フッ化水素を触媒に添加してフッ素化された触媒を得るが、これは分析によりフッ化物と塩化物の混合物であることが分かる。
比較例1
比較例1(運転番号38)は、五塩化アンチモン(SbCl)の触媒系を用いた、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)から244bbへの液相フッ素化であった。比較例1は、運転の初期にはモル基準で50モル%までの量の1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(245cb)副生物を生成し、約60時間後にはモル基準で妥当なレベル(〜1.5%より低い)にまで減少するという長い誘導期間の効果を実証した。245cb副生物の生成は触媒の熟成に伴い減少した。
約4175gの新しいSbClを反応器R11に添加した。R11は、ID(内径)2インチの触媒ストリッパー(触媒が反応系から漏れ出ないようにするためのパックドカラム)を備えたテフロン(商標)(テフロンはE.I.duPont De Nemours & Coの商標である)でライニングされた液相反応器である。反応器は、ID2.75インチ×L(長さ)36インチである。この反応器を約85℃〜87℃に加熱した。初めに、HFの供給を開始した。1.3lbs(ポンド)のHFを添加して触媒充填物をフッ素化した後、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給を開始した。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン供給材料の純度は、約98GC面積%(ガスクロマトグラフ)であった。実験は約136時間の間連続して行った。この運転について、Clは運転を通して触媒活性を保持する必要がある場合に約4時間ごとにバッチ式で供給した。HF及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給は運転の間中変化させた。これらの供給は、7.9/1の比のHF/2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、135秒の滞留時間において、平均で0.495lbs/時(ポンド/時)のHF、及び0.408lbs/時の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(塩素は有機物の重量基準で5.4%であった)であった。運転の中盤において、これらの供給は、8.33/1の比のHF/2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、80秒の滞留時間において、平均で0.843lbs/時のHF、及び0.66lbs/時の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(塩素は有機物の重量基準で3.3%であった)であった。運転の最後において、速度は増加した。この期間の供給は、7.5/1の比のHF/2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、47秒の滞留時間において、平均で1.42lbs/時のHF、及び1.24lbs/時の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(塩素は有機物の重量基準で2%であった)であった。この実験の反応器の温度範囲は78〜91℃であり、圧力範囲は85psig〜115psig(ポンド/平方インチ,ゲージ)であった。モルベースの結果を以下の表1に示す。
実施例1
実施例1においては、SbCl/SbClの触媒系を5:1のモル比で使用した。約1988gの新しいSbClを約280gの新しいSbClと混合した。混合物を加熱して均一にした。組合せた混合物を反応器R11に添加した。R11は、ID(内径)2インチの触媒ストリッパー(触媒が反応系から漏れ出ないようにするためのパックドカラム)を備えたテフロン(商標)(テフロンはE.I.duPont De Nemours & Coの商標である)でライニングされた液相反応器である。反応器は、ID2.75インチ×L(長さ)36インチである。この反応器を約85℃〜87℃に加熱した。初めに、HFの供給を開始した。1.3lbs(ポンド)のHFを添加して触媒充填物をフッ素化した後、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給を開始した。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン供給材料の純度は、約98GC面積%(ガスクロマトグラフ)であった。実験(運転番号47)は約14時間の間連続して行った。この運転について、Clは運転を通して触媒活性を保持する必要がある場合に約4時間ごとにバッチ式で供給し
た。HF及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給は運転の間中変化させた。これらの供給は、12.4/1の比のHF/2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、82秒の滞留時間において、全体としての平均で、1.09lbs/時のHF(運転の初期の部分において0.93lbs/時、運転の中盤の部分において1.18lbs/時、運転の終盤の部分において1.16lbs/時)、及び0.84lbs/時の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(運転の初期の部分において1.07lbs/時、運転の中盤の部分において0.6lbs/時、運転の終盤の部分において0.86lbs/時)(塩素は有機物の重量基準で5.4%であった)であった。この実験の反応器の温度範囲は85〜100℃であり、圧力範囲は85psig〜115psig(ポンド/平方インチ,ゲージ)であった。結果を以下の表2に示す。
実施例2
実施例2においては、SbCl/SbClの触媒系を5:1のモル比で使用した。約1937gの新しいSbClを約292gの新しいSbClと混合した。混合物を加熱して均一にした。組合せた混合物を反応器R11に添加した。R11は、ID(内径)2インチの触媒ストリッパー(触媒が反応系から漏れ出ないようにするためのパックドカラム)を備えたテフロン(商標)(テフロンはE.I.duPont De Nemours & Coの商標である)でライニングされた液相反応器である。反応器は、ID2.75インチ×L(長さ)36インチである。この反応器を約85℃〜87℃に加熱した。初めに、HFの供給を開始した。1.3lbs(ポンド)のHFを添加して触媒充填物をフッ素化した後、2−ク
ロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給を開始した。2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン供給材料の純度は、約98GC面積%(ガスクロマトグラフ)であった。実験(運転番号48)は約129時間の間連続して行った。この運転について、Clは運転を通して触媒活性を保持する必要がある場合に約4時間ごとにバッチ式で供給した。HF及び2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給は運転の間中わずかに変化させた。これらの供給は、8.9/1の比のHF/2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、89秒の滞留時間において、平均で、0.99lbs/時のHF及び0.72lbs/時の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(塩素は有機物の重量基準で5.4%であった)であった。この実験の反応器の温度範囲は86〜103℃であり、圧力範囲は85psig〜115psig(ポンド/平方インチ,ゲージ)であった。結果を以下の表3に示す。
実施例3
重量基準で98%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン中2%の1,1,2,3−テトラクロロプロペンの混合物を運転の初期に用いて、触媒系の活性を低減することにより、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロペンを形成した。約2261gの新しいSbClを反応器R11に添加した。R11は、ID(内径)2インチの触媒ストリッパー(触媒が反応系から漏れ出ないようにするためのパックドカラム)を備えたテフロン(商標)(テフロンはE.I.duPont De Nemours & Coの商標である)でライニングされた液相反応器である。反応器は、ID2.75インチ×L(長さ)36インチである。この反応器を約85℃〜87℃に加熱した。初めに、HFの供給を開始した。1.4lb
s(ポンド)のHFを添加して触媒充填物をフッ素化した後、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給を開始した。実験(運転番号50)は約22時間の間連続して行った。この運転について、11.2/1の比のHF/2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン、75.2秒の滞留時間において、HFの供給は平均で1.36lbs/時であり、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの供給は平均で0.79lbs/時であった。塩素は、必要な場合に触媒活性を保持するため、有機物量の重量基準で2%又は4%を時々添加した。この実験の反応器の温度範囲は85〜97℃であり、圧力範囲は85psig〜115psig(ポンド/平方インチ,ゲージ)であった。結果を表4に示す。
実施例4
2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン(1233xf)+HF→2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン(244bb)の蒸気相フッ素化を実施した。この実験のフッ素化触媒は、50重量%のCalgon PCB活性炭に含浸させた50重量%のSbClであった。
直列した二つの2インチ蒸気相管型反応器に合計2272.6g(又は約2800cc)を充填し、制御して加熱するため砂浴中に設置した。
HF対SbClが5:1のモル比で最少量を添加することにより、この触媒を活性化し、続いて、Cl対SbClが3:1のモル比で最少量を添加した。最後に、過剰な量のHFを2時間、触媒床を通過させた。
反応は、有機供給材料としての、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン粗材料のシリンダーを用いて行い、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを生成した。反応の溶出液は、過剰なHFを除去する前に、蒸留塔において回収した。実験の間、93.5%の2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペン添加率を達成した。達成された最大の2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパン選択率はモルベースで98.4%であった。反応は、Clで触媒を再生することなく、76.5時間の間、連続的に行った。触媒は、運転時間約65時間後に失活の兆候を示し始めた。反応条件及び実験データを以下の表1A及び表1Bに示す。
これまでの説明は単に本発明の例示にすぎないことは理解すべきである。当業者であれば本発明から逸脱することなく種々の変更及び修飾を考案することができる。したがって、本発明は、添付する特許請求の範囲の範囲内に含まれるすべてのそのような変更、修飾、及び変化を包含するものと意図している。

Claims (3)

  1. 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンにフッ化水素化するための方法であって、約25〜約99.9モルパーセントの五塩化アンチモン及び約0.1〜約75モルパーセントのルイス酸の金属を有する触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と接触させることを含む前記方法。
  2. 2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを製造するための方法であって、五塩化アンチモンの触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、約75〜約99.9モルパーセントの2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンと、約0.1〜約25モルパーセントの、少なくとも1つの塩素原子を有する1種又はそれより多い他の炭化水素とをフッ化水素化することを含む前記方法。
  3. 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンを2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンにフッ化水素化するための方法であって、蒸気相触媒の存在下で、2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンを形成するのに十分な条件下で、2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンをフッ化水素と接触させることを含む前記方法。
JP2017091549A 2008-06-17 2017-05-02 2−クロロ−3,3,3−トリフルオロプロペンの2−クロロ−1,1,1,2−テトラフルオロプロパンへのフッ化水素化のための方法 Active JP6434077B2 (ja)

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