JP2017171258A - ハイブリッド駆動装置 - Google Patents

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Hiroaki Mitsuharu
広明 三治
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Abstract

【課題】軸方向の長さの短縮化を図ることが可能で、最高変速段でもモータによるアシストを行うことが可能で、電気的な無段変速モードを達成することが可能なハイブリッド駆動装置を提供する。
【解決手段】ハイブリッド駆動装置1は、変速歯車機構7と、複数の係合要素C−1〜C−4及びB−1〜B−2と、変速歯車機構7で変速した回転をカウンタシャフト5に伝達する第1ギヤ列G1と、クラッチC−5を介して変速歯車機構7で変速した回転をカウンタシャフト5に伝達する第2ギヤ列G2と、を備える。そして、モータ3のロータ3rに連結された回転ギヤ24を、第2ギヤ列G2と連動して回転するように配置する。
【選択図】図1

Description

この技術は、プラネタリギヤセットの2つの回転要素の回転をそれぞれ出力部材に伝達可能な第1ギヤ列及び第2ギヤ列を備えたハイブリッド駆動装置に関する。
複数のプラネタリギヤを組合せて構成したプラネタリギヤセットにより複数段の変速を可能にする変速機構にモータ・ジェネレータを駆動連結してハイブリッド駆動装置を構成したものが提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1には、前進8速段及び後進2速段を達成すると共に、前進1速段、前進3速段〜前進7速段で電動走行(モータによるアシスト走行)を達成するものが開示されている。
また、複数のプラネタリギヤを組合せて構成した変速機構における複数の回転要素のうち、2つの回転要素にそれぞれ常時連結する2つのドライブギヤと、それらにそれぞれ噛合する2つのドリブンギヤと、を有し、それら2つのドライブギヤ及びドリブンギヤの対におけるギヤ比の違いも利用しながら複数段の変速を可能にする自動変速機も提案されている(特許文献2参照)。
特許第4993200号公報 国際公開第2014/079642号公報
特許文献2に記載された自動変速機のような有段式の変速歯車機構にモータ・ジェネレータを接続してハイブリッド駆動装置として構成する場合、一般的にはトルクコンバータと直列的にモータ・ジェネレータを配置したり、或いはトルクコンバータの代わりにモータ・ジェネレータを配置したりすることで、モータ・ジェネレータを変速歯車機構の入力軸に駆動連結し、いわゆるパラレル方式のハイブリッド駆動装置を構成している。しかしながら、パラレル方式のハイブリッド駆動装置では、電気的な無段変速モードを達成することができず、さらなる燃費向上を図り難いという問題がある。
一方、特許文献1に記載されたハイブリッド駆動装置では、前進1速段、前進3速段〜前進7速段でモータによるアシスト走行を達成するものが開示されているが、最高変速段である前進8速段においては、モータ・ジェネレータを駆動連結している回転要素をブレーキにより固定する必要があるため、モータによるアシストや回生ができず、さらなる燃費向上が図り難いという問題がある。
さらに、特許文献1のものでは、モータ・ジェネレータを変速歯車機構と軸方向に並べて配置しているため、ハイブリッド駆動装置の軸方向の長さを短縮し難いという問題があり、これを回避するためにモータ・ジェネレータを変速歯車機構とは別の軸上に配置したとしても、エンジンと変速歯車機構との間にモータ・ジェネレータを駆動連結するギヤ列を設けることになり、やはりハイブリッド駆動装置の軸方向の長さを短縮し難いという問題が残る。
そこで、軸方向の長さの短縮化を図ることが可能で、最高変速段でもモータによるアシストを行うことが可能で、電気的な無段変速モードを達成することが可能なハイブリッド駆動装置を提供することを目的とするものである。
本ハイブリッド駆動装置は、出力要素を含む複数の回転要素を有するプラネタリギヤからなる変速歯車機構と、
前記変速歯車機構の何れかの回転要素と入力部材、前記変速歯車機構の何れかの回転要素同士、又は前記変速歯車機構の何れかの回転要素と固定部材、を係合自在な複数の係合要素と、
前記変速歯車機構の前記出力要素に連結される第1ドライブギヤと、前記第1ドライブギヤと連動して回転し、出力部材に回転を伝達可能な第1ドリブンギヤと、を含む第1ギヤ列と、
前記変速歯車機構の前記出力要素以外の何れかの前記回転要素に連結される第2ドライブギヤと、前記第2ドライブギヤと連動して回転し、前記出力部材に回転を伝達可能な第2ドリブンギヤと、を含み、前記第1ギヤ列とは異なるギヤ比を有する第2ギヤ列と、
前記第2ドリブンギヤと前記出力部材とを係合自在な出力側係合要素と、
ステータとロータとを有する回転電機と、
前記回転電機の前記ロータに連結され、前記第2ギヤ列と連動して回転する回転ギヤと、を備える。
本ハイブリッド駆動装置によると、複数の変速段を達成するために存在する第2ギヤ列に回転電機を駆動連結したので、新たにカウンダギヤ等のギヤを設けることが不要であり、かつ変速歯車機構とは別の軸上に配置することができ、軸方向の短縮化を図ることができるものでありながら、最高変速段でもモータによるアシストを行うことができる。
第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図。 第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表。 第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図。 第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図。 第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置におけるEV走行モード時の回転状態を示す速度線図。 第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図。 第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表。 第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図。 第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図、(c)は第3無段変速モードを示す図。 第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置におけるEV走行モード時の回転状態を示す速度線図。 第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図。 第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表。 第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図。 第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図。 第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図。 第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表。 第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図。 第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図、(c)は第3無段変速モードを示す図。
<第1の実施の形態>
以下、第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1を、図1乃至図5に沿って説明する。図1は第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図、図2は第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表、図3は第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図、図4は第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図、図5は第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置におけるEV走行モード時の回転状態を示す速度線図である。
[ハイブリッド駆動装置1の構成]
第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)タイプ等の車両に搭載されて好適なハイブリッド駆動装置であり、図1に示すように、ハイブリッド駆動装置1は、ミッションケース(固定部材)(以下、単に「ケース」という)6内において、プラネタリギヤDP及びプラネタリギヤセットPSからなり複数の回転要素を有する変速歯車機構7、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2、7つの係合要素である第1〜第5クラッチC−1〜C−5及び第1〜第2ブレーキB−2、を有する変速機構2を備えている。また、ハイブリッド駆動装置1には、第1軸AX1上にプラネタリギヤDP、プラネタリギヤセットPS、上記7つの係合要素のうちの6つの係合要素(第1〜第4クラッチC−1〜C−4、第1〜第2ブレーキB−1〜B−2)が、第1軸AX1と平行な第2軸AX2上にカウンタシャフト5及び第5クラッチC−5が、第1軸AX1及び第2軸AX2と平行な第3軸AX3上にモータ・ジェネレータ(MG)(回転電機)(以下、単に「モータ」という)3が、それぞれ配置されている。なお、第1〜第3軸AX1〜AX3と平行な第4軸AX4上には、アイドラギヤ23が配置されている。
上記変速機構2には、不図示のエンジンからの回転が伝達される入力軸(入力部材)4が備えられており、該入力軸4上において、変速歯車機構7を構成するプラネタリギヤDP及びプラネタリギヤセットPSが備えられている。なお、本実施の形態においては、入力軸4が、エンジンの脈動を吸収するダンパ装置(不図示)などを介してエンジンに直接的に駆動連結されているものとして説明するが、入力軸4とエンジンの出力軸との間に、例えばエンジンと入力軸4との回転を切り離すことが可能な発進クラッチを有する発進装置を配設してもよく、また、例えばトルクコンバータやフルードカップリングなどの動力及び回転を流体伝動する流体伝動装置を有する発進装置を備えていてもよい。勿論であるが、この発進装置には、流体伝動をロックアップし得るロックアップクラッチを備えていることが好ましい。本実施の形態のようにエンジンに入力軸4を直接的に連結するものでは、詳しくは後述する無段変速モードやEV走行モードで発進を行った後、各変速段を形成する有段変速モードに移行することになり、上述のような発進装置を備える場合には無段変速モードやEV走行モードでの発進に加えて有段変速モードでの発進も可能となる。
上記プラネタリギヤDPは、入力軸4の回転を減速した減速回転を生成してプラネタリギヤセットPSに伝達可能な入力側減速プラネタリギヤである。該プラネタリギヤDPは、図1に示すように、第1サンギヤS1(第5回転要素)、第1キャリヤCR1(第7回転要素)、及び第1リングギヤR1(第6回転要素)を備えており、該プラネタリギヤDPは、第1キャリヤCR1に、第1サンギヤS1に噛合するピニオンP1及び第1リングギヤR1に噛合するピニオンP2を互いに噛合する形で有している、いわゆるダブルピニオンプラネタリギヤである。
一方、上記プラネタリギヤセットPSは、詳しくは後述する第1ギヤ列G1及び第2ギヤ列G2と組合せられることで実質的に複数の変速段を生成する変速段の形成部分であり、4つの回転要素として第2サンギヤS2(第1回転要素)、第3サンギヤS3(第4回転要素)、第2キャリヤCR2(第2回転要素)、及び第2リングギヤR2(出力要素、第3回転要素)を有し、該第2キャリヤCR2に、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に噛合するロングピニオンP4と、第3サンギヤS3に噛合するショートピニオンP3とを互いに噛合する形で有している、いわゆるラビニヨ型プラネタリギヤである。
上記プラネタリギヤDPの第1サンギヤS1は、ケース6に対して回転が常時固定されている。また、上記第1キャリヤCR1は、上記入力軸4に接続されて、該入力軸4の回転と同回転(以下、「入力回転」という。)になっていると共に、第4クラッチC−4に接続されている。更に、第1リングギヤR1は、常時固定された第1サンギヤS1と入力回転する第1キャリヤCR1とにより、入力回転が減速された減速回転になると共に、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3に接続されている。
上記プラネタリギヤセットPSの第2サンギヤS2は、第1ブレーキB−1に接続されてケース6に対して固定自在となっていると共に、上記第4クラッチC−4及び上記第3クラッチC−3に接続されて、第4クラッチC−4を介して上記第1キャリヤCR1の入力回転が、第3クラッチC−3を介して上記第1リングギヤR1の減速回転が、それぞれ入力自在となっている。また、上記第3サンギヤS3は、第1クラッチC−1に接続されて、上記第1リングギヤR1の減速回転が入力自在となっていると共に、詳しくは後述する第2ドライブギヤ21に常時駆動連結されている。言い換えると、第1クラッチC−1は、第1リングギヤR1と第3サンギヤS3とを係合自在であり、第3クラッチC−3は、第1リングギヤR1と第2サンギヤS2と係合自在であり、第4クラッチC−4は、第1キャリヤCR1と第2サンギヤS2とを係合自在であり、第1ブレーキB−1は、第2サンギヤS2をケース6に固定自在となっている。
更に、上記第2キャリヤCR2は、入力軸4の回転が入力される第2クラッチC−2に接続されて、該第2クラッチC−2を介して入力回転が入力自在となっており、また、第2ブレーキB−2に接続されて、該第2ブレーキB−2を介して回転が固定自在となっている。言い換えると、第2クラッチC−2は、入力軸4と第2キャリヤCR2とを係合自在であり、第2ブレーキB−2は、第2キャリヤCR2をケース6に固定自在となっている。そして、上記第2リングギヤR2は、第1ドライブギヤ11に常時駆動連結されている。
上記第1ドライブギヤ11には、上記カウンタシャフト5に駆動連結されている第1ドリブンギヤ12が噛合して第1ギヤ列G1を構成しており、言い換えると、第1ギヤ列G1は、第1ドライブギヤ11及び第1ドリブンギヤ12を含んで構成されている。即ち、第1ドリブンギヤ12は、第1ドライブギヤ11と噛合しており、第1ドライブギヤ11と連動して回転する。また、カウンタシャフト5は、不図示のディファレンシャル装置等を介して左右の車輪に駆動連結されており、つまりカウンタシャフト5は車輪に回転を出力する出力部材となっており、第1ドリブンギヤ12、第1ドライブギヤ11、及び第2リングギヤR2は、車輪と常時駆動連結されている。
また、上記第2ドライブギヤ21には、上記カウンタシャフト5に第5クラッチC−5を介して駆動連結されている第2ドリブンギヤ22が噛合して第2ギヤ列G2を構成しており、即ち、第2ドリブンギヤ22は、第2ドライブギヤ21と噛合しており、第2ドライブギヤ21と連動して回転する。言い換えると、第2ギヤ列G2は、第2ドライブギヤ21及び第2ドリブンギヤ22を含んで構成され、第5クラッチC−5は、第2ギヤ列G2の第2ドリブンギヤ22とカウンタシャフト5とを係合自在に接続されている。
また、第2ドライブギヤ21は、上記第1ドライブギヤ11よりも大径であり、第2ドリブンギヤ22は、上記第1ドリブンギヤ12よりも小径であり、つまり第2ギヤ列G2は、第1ギヤ列G1と異なるギヤ比であって、第1ギヤ列G1よりも回転を増速するように構成されており、第5クラッチC−5を介してカウンタシャフト5(即ち車輪)にその増速した回転を伝達可能となっている。
一方、モータ3は、ケース6に固定されたステータ3sと、ステータ3sに対向配置されて回転自在なロータ3rとを有しており、ロータ3rは、第3軸AX3上で回転自在にケース6に支持された出力軸3aに対して、相対回転不能に固定されている。さらに、その出力軸3aには、回転ギヤ24が固定されており、該回転ギヤ24には、第4軸AX4上でケース6に対して回転自在に支持されたアイドラギヤ23が噛合している。該アイドラギヤ23は、上記第2ドライブギヤ21にも噛合しており、つまりモータ3は、第2ギヤ列G2に連動して回転するように常時駆動連結されている。従って、モータ3は、第2サンギヤS2に常時駆動連結されており、上記第5クラッチC−5が係合されることでカウンタシャフト5にも駆動連結される。
なお、不図示のディファレンシャル装置は、カウンタシャフト5と平行な別の軸上に配置され、その場合は、カウンタシャフト5の第1ドリブンギヤ12とは反対側の端部に固定されたギヤを設け、ディファレンシャル装置のデフリングギヤに噛合されることになる。
[ハイブリッド駆動装置1の動作]
つづいて、上記構成に基づき、第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1の動作について図2乃至図5に沿って説明する。なお、図3乃至図5に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転速度を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示しており、つまり各回転要素がギヤ比に対応して並んでいることを示している。
[有段変速モード]
まず、本ハイブリッド駆動装置1でエンジンの駆動力を複数の変速段により変速して走行する場合における各動作を説明する。なお、本第1の実施の形態における前進11速段及び後進2速段にあっては、主にエンジンの駆動力で走行する場合として説明するが、特に前進2速段及び前進10速段を除く各変速段にあって、必ずしもエンジンだけの駆動力で走行するものに限らず、モータ3によるアシストや回生も可能であって、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるパラレル方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
前進1速段(1st)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第2キャリヤCR2の回転が第2ブレーキB−2により固定される。すると、第3サンギヤS3に入力された減速回転が、固定された第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進1速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進2速段(2nd)では、図2に示すように、第1クラッチC−1が係合され、第1ブレーキB−1が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第1ブレーキB−1により第2サンギヤS2の回転が固定される。すると、第2キャリヤCR2が第3サンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該第3サンギヤS3に入力された減速回転が該第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進2速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が第1ブレーキB−1により回転が固定された状態にあるので、モータ3によるアシストや回生は不能である。
前進3速段(3rd)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第5クラッチC−5が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第5クラッチC−5の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、図3に示すように、プラネタリギヤセットPSに対して仮想的なギヤ(以下、「仮想ギヤ」という)VGを形成する。すると、第3サンギヤS3に入力された減速回転が、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、第1ギヤ列G1、及び第2ギヤ列G2の回転関係によって、第2リングギヤR2が前進2速段より僅かに増速された減速回転となり、前進3速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進3速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進4速段(4th)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第3クラッチC−3の係合により第1リングギヤR1の減速回転が第2サンギヤS2に入力される。つまり、第2サンギヤS2及び第3サンギヤS3に第1リングギヤR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤセットPSが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転が第2リングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進4速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進5速段(5th)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第4クラッチC−4の係合により第1キャリヤCR1の入力回転が第2サンギヤS2に入力される。すると、第2キャリヤCR2が第3サンギヤS3よりも高回転の減速回転となり、該第3サンギヤS3に入力された減速回転が該第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進5速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進6速段(6th)では、図2に示すように、第1クラッチC−1及び第2クラッチC−2が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該第3サンギヤS3に入力された減速回転と第2キャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進5速段より高い減速回転となって第2リングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進6速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進7速段(7th)では、図2に示すように、第2クラッチC−2及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図3に示すように、第4クラッチC−4の係合により第2サンギヤS2に第1キャリヤCR1の入力回転が入力される。また、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。つまり、第2サンギヤS2及び第2キャリヤCR2に入力回転が入力されるため、プラネタリギヤセットPSが入力回転の直結状態となり、そのまま入力回転が第2リングギヤR2に出力され、前進7速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進7速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進8速段(8th)では、図2に示すように、第2クラッチC−2及び第5クラッチC−5が係合される。すると、図3に示すように、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。また、第5クラッチC−5の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、図3に示すように、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤVGを形成する。すると、第2キャリヤCR2に入力された入力回転が、第2サンギヤS2、第2リングギヤR2、第1ギヤ列G1、及び第2ギヤ列G2の回転関係によって、第2リングギヤR2が入力回転より僅かに増速された増速回転となり、前進8速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進8速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進9速段(9th)では、図2に示すように、第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介して第2サンギヤS2に入力される。また、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該第2サンギヤS2に入力された減速回転と第2キャリヤCR2に入力された入力回転とにより、前進8速段より僅かに高い増速回転となって第2リングギヤR2に出力され、前進9速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進9速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進10速段(10th)では、図2に示すように、第2クラッチC−2が係合され、第1ブレーキB−1が係合される。すると、図3に示すように、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。また、第1ブレーキB−1の係合により第2サンギヤS2の回転が固定される。すると、固定された第2サンギヤS2により第2キャリヤCR2の入力回転が上記前進9速段より高い増速回転となって第2リングギヤR2に出力され、前進10速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進10速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が第1ブレーキB−1により回転が固定された状態にあるので、モータ3によるアシストや回生は不能である。
前進11速段(11th)では、図2に示すように、第4クラッチC−4及び第5クラッチC−5が係合される。すると、図3に示すように、第4クラッチC−4の係合により第1キャリヤCR1の入力回転が第2ドライブギヤ21に入力される。そして、第5クラッチC−5の係合により、前進11速段としての正転回転が第2ギヤ列G2及び第5クラッチC−5を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、プラネタリギヤセットPSの回転状態としては、第5クラッチC−5の係合により第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、図3に示すように、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤVGが形成される。すると、第2サンギヤS2に入力された入力回転が、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、第1ギヤ列G1、及び第2ギヤ列G2の回転関係によって、第2リングギヤR2が前進10速段より増速された増速回転となる。また、この前進11速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
後進1速段(Rev1)では、図2に示すように、第3クラッチC−3が係合され、第2ブレーキB−2が係合される。すると、図3に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介して第2サンギヤS2に入力される。また、第2ブレーキB−2の係合により第2キャリヤCR2の回転が固定される。すると、第2サンギヤS2に入力された減速回転が、固定された第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に反転して出力され、後進1速段としての逆転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この後進1速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
後進2速段(Rev2)では、図2に示すように、第4クラッチC−4が係合され、第2ブレーキB−2が係合される。すると、図3に示すように、第4クラッチC−4の係合により第1キャリヤCR1の入力回転が第2サンギヤS2に入力される。また、第2ブレーキB−2の係合により第2キャリヤCR2の回転が固定される。すると、第2サンギヤS2に入力された入力回転が、固定された第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に反転して出力され、後進2速段としての逆転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この後進2速段においては、第2サンギヤS2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
[無段変速モード]
次に、モータ3を用いて電気的に無段変速を達成する無段変速モードについて説明する。この無段変速モードは、プラネタリギヤセットPSの4つの回転要素のうちの1つにエンジンからの回転を入力し、他の1つの回転要素をモータ3により回生(又はアシスト)して、プラネタリギヤセットPSを動力分配機構として用いることで、4つの回転要素のうちの回転を出力する回転要素の回転速度或いは出力トルクを自在に制御するもので、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるスプリット方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
第1無段変速モード(E−CVT1)では、図2に示すように、第1クラッチC−1が係合される。すると、図4(a)に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転(エンジンからの減速回転)が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第2リングギヤR2の回転を、第3サンギヤS3の減速回転に基づく低速領域で無段変速し、第1無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、車両の発進時には、この第1無段変速モードが有効であり、無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進1速段〜前進6速段のように第1クラッチC−1を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。また、例えば第1無段変速モードで発進してから有段変速モードに移行した後、前進1速段〜前進6速段でアップシフト変速やダウンシフト変速を行う際に、その変速中に第1クラッチC−1を係合したまま第1無段変速モードで次の変速段の回転速度に同期させることができる。このように変速中に第1無段変速モードによって、変速中のプラネタリギヤセットPSの各回転要素の回転速度を制御することで、各クラッチやブレーキをスリップさせながら回転速度の調整(イナーシャ相)やトルク分担の変更(トルク相)を行う掴み換え変速が不要となるので、各クラッチやブレーキの負担を軽減することができ、摩擦板の枚数を低減したり係合要素自体を簡易で安価なもの(例えば乾式のクラッチなど)で構成したりすることができる。
第2無段変速モード(E−CVT2)では、図2に示すように、第2クラッチC−2が係合される。すると、図4(b)に示すように、第2クラッチC−2を介して第2キャリヤCR2にエンジンからの入力回転が入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第2リングギヤR2の回転を、第2キャリヤCR2の入力回転に基づき上記第1無段変速モードよりも高い高速領域で無段変速し、第2無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、この第2無段変速モードと第1無段変速モードとは、前進6速段のギヤ比となった際に、第1クラッチC−1と第2クラッチC−2との掴み換えを行うことにより、低速領域と高速領域とを切り換えて、そのまま無段変速を続けることができる。また、第2無段変速モードで無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進6速段〜前進10速段のように第2クラッチC−2を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。さらに、例えば前進6速段〜前進10速段でアップシフト変速やダウンシフト変速を行う際に、その変速中に第2クラッチC−2を係合したまま第2無段変速モードで次の変速段の回転速度に同期させることができる。このように変速中に第2無段変速モードによって、変速中のプラネタリギヤセットPSの各回転要素の回転速度を制御することで、各クラッチやブレーキをスリップさせながら回転速度の調整(イナーシャ相)やトルク分担の変更(トルク相)を行う掴み換え変速が不要となるので、各クラッチやブレーキの負担を軽減することができ、摩擦板の枚数を低減したり係合要素自体を簡易で安価なもの(例えば乾式のクラッチなど)で構成したりすることができる。
[EV走行モード]
続いて、モータ3の駆動力で走行するEV走行モードについて説明する。このEV走行モードは、プラネタリギヤセットPSの4つの回転要素のうちの1つの回転要素或いは仮想ギヤの回転を固定し、そこを支点としてモータ3の回転を反転或いは増減速して伝達することで、モータの駆動力で車両を走行させるモードである。
第1EV走行モード(EV1)では、図2に示すように、第2ブレーキB−2が係合され、図5に示すように、該第2ブレーキB−2の係合により第2キャリヤCR2の回転が固定される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2と連動する。このため、モータ3を駆動(力行)しながらトルク制御(又は回転速度制御)することで、第2サンギヤS2のモータ3の回転を反転して第2リングギヤR2に出力し、第1EV走行モードとして、低速領域の回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
第2EV走行モード(EV2)では、図2に示すように、第5クラッチC−5が係合され、図5に示すように、該第5クラッチC−5の係合により仮想ギヤVGで回転が固定されたギヤ比の関係がプラネタリギヤセットPSにおいて形成される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21、第5クラッチC−5を介してカウンタシャフト5に出力される。このため、モータ3を駆動(力行)しながらトルク制御(又は回転速度制御)することで、第2EV走行モードとして、第1EV走行モードよりも高速領域の回転が第2ギヤ列G2を介してカウンタシャフト5に出力される。
[エンジン始動]
エンジンをモータ3により始動する際は、第4クラッチC−4を係合し、他のクラッチやブレーキを解放することで、プラネタリギヤセットPSを自由回転状態にしてカウンタシャフト5に回転を伝達せず、また、プラネタリギヤDPにおいて第1リングギヤR1を自由回転状態にして第1キャリヤCR1の回転を許容した状態で、モータ3の回転をエンジンに伝達して、エンジンの回転速度を上昇することで、エンジンを始動することができる。
また、第3クラッチC−3を係合し、他のクラッチやブレーキを解放することで、プラネタリギヤセットPSを自由回転状態にしてカウンタシャフト5に回転を伝達せず、プラネタリギヤDPにおいて第1リングギヤR1をモータ3により回転させて第1キャリヤCR1を増速回転させることで、モータ3の回転をエンジンに伝達して、エンジンの回転速度を上昇することで、エンジンを始動することができる。
[第1の実施の形態のまとめ]
以上説明したハイブリッド駆動装置1によると、前進11速段及び後進2速段を達成する変速機構2に配設された第2ギヤ列G2にモータ3を駆動連結したので、軸方向に対して新たなギヤ列(カウンタギヤ対)を設けることなく、モータ3を駆動連結でき、ハイブリッド駆動装置1の軸方向短縮化を図ることができる。また、変速機構2が配置された第1軸AX1とは平行な第3軸AX3上にモータ3を配設することで、モータ3を搭載してもハイブリッド駆動装置1の軸方向の短縮化を図ることができる。これにより、軸方向の短縮化が求められるFFタイプなどのエンジン出力軸が進行方向に対して横向きとなる車両に対し、搭載性を良好なものとすることができる。
また、本ハイブリッド駆動装置1によると、最高変速段である前進11速段でもモータ3によるアシストや回生を可能とすることができ、車両の燃費向上を図ることができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、第5クラッチC−5を解放することでモータ3とカウンタシャフト5との回転を直接的に連動しないように切り離すことができて、第2サンギヤS2と第2リングギヤR2との相対回転を許容できるようになるため、プラネタリギヤセットPSを動力分配機構として用いることができ、電気的な無段変速モードを達成することができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、プラネタリギヤセットPSを介してモータ3の回転を出力することができ、EV走行モードを達成することができる。
<第2の実施の形態>
ついで、上記第1の実施の形態を一部変更した第2の実施の形態について、図6乃至図10に沿って説明する。図6は第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図、図7は第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表、図8は第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図、図9は第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図、(c)は第3無段変速モードを示す図、図10は第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置におけるEV走行モード時の回転状態を示す速度線図である。
[ハイブリッド駆動装置1の構成]
本第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1は、上記第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1に比して、図6に示すように、第2ドライブギヤ21及び第2ドリブンギヤ22の第2ギヤ列G2と第5クラッチC−5とを、第2キャリヤCR2とカウンタシャフト5との間に配置するように変更したものである。
具体的には、第2キャリヤCR2に第2ドライブギヤ21を常時駆動連結し、第2キャリヤCR2を、第2ドライブギヤ21、第2ドリブンギヤ22及び第5クラッチC−5を介してカウンタシャフト5に連結可能となるように配置すると共に、モータ3を回転ギヤ24及びアイドラギヤ23を介して第2ドライブギヤ21に連動して回転するように駆動連結したものである。これ以外の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、その説明を省略する。
[ハイブリッド駆動装置1の動作]
つづいて、上記構成に基づき、第2の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1の動作について図7乃至図10に沿って説明する。なお、図8乃至図10に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転速度を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示しており、つまり各回転要素がギヤ比に対応して並んでいることを示している。
[有段変速モード]
まず、本ハイブリッド駆動装置1でエンジンの駆動力を複数の変速段により変速して走行する場合における各動作を説明する。なお、本第2の実施の形態における前進11速段及び後進2速段にあっては、主にエンジンの駆動力で走行する場合として説明するが、特に前進1速段、後進1速段、及び後進2速段を除く各変速段にあって、必ずしもエンジンだけの駆動力で走行するものに限らず、モータ3によるアシストや回生も可能であって、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるパラレル方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
前進1速段(1st)では、図7に示すように、第1クラッチC−1及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第2キャリヤCR2の回転が第2ブレーキB−2により固定される。すると、第3サンギヤS3に入力された減速回転が、固定された第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に出力され、前進1速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進1速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が第2ブレーキB−2により回転が固定された状態にあるので、モータ3によるアシストや回生は不能である。
前進2速段(2nd)では、図7に示すように、第1クラッチC−1が係合され、第1ブレーキB−1が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第1ブレーキB−1により第2サンギヤS2の回転が固定される。すると、第2キャリヤCR2が第3サンギヤS3よりも低回転の減速回転となり、該第3サンギヤS3に入力された減速回転が該第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に出力され、前進2速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進2速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進3速段(3rd)では、図7に示すように、第1クラッチC−1及び第5クラッチC−5が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第5クラッチC−5の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、図3に示すように、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤVGを形成する。すると、第3サンギヤS3に入力された減速回転が、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、第1ギヤ列G1、及び第2ギヤ列G2の回転関係によって、第2リングギヤR2が前進2速段より僅かに増速された減速回転となり、前進3速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進3速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進4速段(4th)では、図7に示すように、第1クラッチC−1及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第3クラッチC−3の係合により第1リングギヤR1の減速回転が第2サンギヤS2に入力される。つまり、第2サンギヤS2及び第3サンギヤS3に第1リングギヤR1の減速回転が入力されるため、プラネタリギヤセットPSが減速回転の直結状態となり、そのまま減速回転が第2リングギヤR2に出力され、前進4速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進4速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進5速段(5th)では、図7に示すように、第1クラッチC−1及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第4クラッチC−4の係合により第1キャリヤCR1の入力回転が第2サンギヤS2に入力される。すると、第2キャリヤCR2が第3サンギヤS3よりも高回転の減速回転となり、該第3サンギヤS3に入力された減速回転が該第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に出力され、前進5速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進5速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進6速段(6th)では、図7に示すように、第1クラッチC−1及び第2クラッチC−2が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該第3サンギヤS3に入力された減速回転と第2キャリヤCR2に入力された入力回転とにより、上記前進5速段より高い減速回転となって第2リングギヤR2に出力され、前進6速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進6速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進7速段(7th)では、図7に示すように、第2クラッチC−2及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図8に示すように、第4クラッチC−4の係合により第2サンギヤS2に第1キャリヤCR1の入力回転が入力される。また、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。つまり、第2サンギヤS2及び第2キャリヤCR2に入力回転が入力されるため、プラネタリギヤセットPSが入力回転の直結状態となり、そのまま入力回転が第2リングギヤR2に出力され、前進7速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進7速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進8速段(8th)では、図7に示すように、第2クラッチC−2及び第5クラッチC−5が係合される。すると、図8に示すように、第2クラッチC−2の係合により第2ドライブギヤ21に入力回転が入力される。そして、第5クラッチC−5の係合により、前進8速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、プラネタリギヤセットPSの回転状態は、第5クラッチC−5の係合により第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、図8に示すように、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤVGを形成する。すると、第2キャリヤCR2に入力された入力回転が、第2サンギヤS2、第2リングギヤR2、第1ギヤ列G1、及び第2ギヤ列G2の回転関係によって、第2リングギヤR2が入力回転より僅かに増速された増速回転となる。また、この前進8速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進9速段(9th)では、図7に示すように、第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介して第2サンギヤS2に入力される。また、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。すると、該第2サンギヤS2に入力された減速回転と第2キャリヤCR2に入力された入力回転とにより、前進8速段より僅かに高い増速回転となって第2のリングギヤR2に出力され、前進9速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進9速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進10速段(10th)では、図7に示すように、第2クラッチC−2が係合され、第1ブレーキB−1が係合される。すると、図8に示すように、第2クラッチC−2の係合により第2キャリヤCR2に入力回転が入力される。また、第1ブレーキB−1の係合により第2サンギヤS2の回転が固定される。すると、固定された第2サンギヤS2により第2キャリヤCR2の入力回転が上記前進9速段より高い増速回転となって第2リングギヤR2に出力され、前進10速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進10速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進11速段(11th)では、図7に示すように、第4クラッチC−4及び第5クラッチC−5が係合される。すると、図8に示すように、第4クラッチC−4の係合により第1キャリヤCR1の入力回転が第2サンギヤS2に入力される。また、第5クラッチC−5の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、図8に示すように、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤVGを形成する。すると、第2サンギヤS2に入力された入力回転が、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、第1ギヤ列G1、及び第2ギヤ列G2の回転関係によって、第2リングギヤR2が前進10速段より増速された増速回転となり、前進11速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進11速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
後進1速段(Rev1)では、図7に示すように、第3クラッチC−3が係合され、第2ブレーキB−2が係合される。すると、図8に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転が、第3クラッチC−3を介して第2サンギヤS2に入力される。また、第2ブレーキB−2の係合により第2キャリヤCR2の回転が固定される。すると、第2サンギヤS2に入力された減速回転が、固定された第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に反転して出力され、後進1速段としての逆転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この後進1速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が第2ブレーキB−2により回転が固定された状態にあるので、モータ3によるアシストや回生は不能である。
後進2速段(Rev2)では、図7に示すように、第4クラッチC−4が係合され、第2ブレーキB−2が係合される。すると、図8に示すように、第4クラッチC−4の係合により第1キャリヤCR1の入力回転が第2サンギヤS2に入力される。また、第2ブレーキB−2の係合により第2キャリヤCR2の回転が固定される。すると、第2サンギヤS2に入力された入力回転が、固定された第2キャリヤCR2を介して第2リングギヤR2に反転して出力され、後進2速段としての逆転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この後進2速段においては、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21が第2ブレーキB−2により回転が固定された状態にあるので、モータ3によるアシストや回生は不能である。
[無段変速モード]
次に、モータ3を用いて電気的に無段変速を達成する無段変速モードについて説明する。なお、本第2の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、ハイブリッド駆動装置1を、いわゆるスプリット方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
第1無段変速モード(E−CVT1)では、図7に示すように、第1クラッチC−1が係合される。すると、図9(a)に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転(エンジンからの減速回転)が、第1クラッチC−1を介して第3サンギヤS3に入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第2リングギヤR2の回転を、第3サンギヤS3の減速回転に基づく低速領域で無段変速し、第1無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、車両の発進時には、この第1無段変速モードが有効であり、無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進1速段〜前進6速段のように第1クラッチC−1を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。また、例えば第1無段変速モードで発進してから有段変速モードに移行した後、前進1速段〜前進6速段でアップシフト変速やダウンシフト変速を行う際に、その変速中に第1クラッチC−1を係合したまま第1無段変速モードで次の変速段の回転速度に同期させることができる。このように変速中に第1無段変速モードによって、変速中のプラネタリギヤセットPSの各回転要素の回転速度を制御することで、各クラッチやブレーキをスリップさせながら回転速度の調整(イナーシャ相)やトルク分担の変更(トルク相)を行う掴み換え変速が不要となるので、各クラッチやブレーキの負担を軽減することができ、摩擦板の枚数を低減したり係合要素自体を簡易で安価なもの(例えば乾式のクラッチなど)で構成したりすることができる。
第2無段変速モード(E−CVT2)では、図7に示すように、第3クラッチC−3が係合される。すると、図9(b)に示すように、固定された第1サンギヤS1と入力回転である第1キャリヤCR1によって減速回転する第1リングギヤR1の回転(エンジンからの減速回転)が、第3クラッチC−3を介して第2サンギヤS2に入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第2リングギヤR2の回転を、第2サンギヤS2の減速回転に基づき上記第1無段変速モードよりも高い中速領域で無段変速し、第2無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、この第2無段変速モードと第1無段変速モードとは、前進4速段のギヤ比となった際に、第1クラッチC−1と第3クラッチC−3との掴み換えを行うことにより、低速領域と中速領域とを切り換えて、そのまま無段変速を続けることができる。また、第2無段変速モードで無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進4速段〜前進9速段のように第3クラッチC−3を係合する変速段の間のギヤ比で無段変速することが好ましく、前進4速段のギヤ比となったところで、第1クラッチC−1を係合することで前進7速段にスムーズに移行させることができ、前進9速段のギヤ比となったところで、第2クラッチC−2を係合することで前進9速段にスムーズに移行させることができる。
第3無段変速モード(E−CVT3)では、図7に示すように、第4クラッチC−4が係合される。すると、図9(c)に示すように、第4クラッチC−4を介して第2サンギヤS2にエンジンからの入力回転が入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第2リングギヤR2の回転を、第2サンギヤS2の入力回転に基づき上記第1無段変速モードや第2無段変速モードよりも高い高速領域で無段変速し、第3無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、この第3無段変速モードと第1無段変速モードとは、前進5速段のギヤ比となった際に、第1クラッチC−1と第4クラッチC−4との掴み換えを行うことにより、低速領域と高速領域とを切り換えて、そのまま無段変速を続けることができる。また、第3無段変速モードで無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進5速段〜前進7速段のように第4クラッチC−4を係合する変速段の間のギヤ比で無段変速することが好ましく、前進5速段のギヤ比となったところで、第1クラッチC−1を係合することで前進5速段にスムーズに移行させることができ、前進7速段のギヤ比となったところで、第2クラッチC−2を係合することで前進7速段にスムーズに移行させることができる。
[EV走行モード]
続いて、モータ3の駆動力で走行するEV走行モードについて説明する。このEV走行モードは、第2の実施の形態におけるハイブリッド駆動装置1にあっても、第1の実施の形態と同様に、モータの駆動力で車両を走行させるモードである。
第1EV走行モード(EV1)では、図7に示すように、第1ブレーキB−1が係合され、図10に示すように、該第1ブレーキB−1の係合により第2サンギヤS2の回転が固定される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第1ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。このため、モータ3を駆動(力行)しながらトルク制御(又は回転速度制御)することで、第2キャリヤCR2のモータ3の回転を増速して第2リングギヤR2に出力し、第1EV走行モードとして、低速領域の回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
第2EV走行モード(EV2)では、図7に示すように、第5クラッチC−5が係合され、図10に示すように、該第5クラッチC−5の係合により仮想ギヤVGで回転が固定されたギヤ比の関係がプラネタリギヤセットPSにおいて形成される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21、第5クラッチC−5を介してカウンタシャフト5に出力される。このため、モータ3を駆動(力行)しながらトルク制御(又は回転速度制御)することで、第2EV走行モードとして、第1EV走行モードよりも高速領域の回転が第2ギヤ列G2を介してカウンタシャフト5に出力される。
[エンジン始動]
エンジンをモータ3により始動する際は、第2クラッチC−2を係合し、他のクラッチやブレーキを解放することで、プラネタリギヤセットPSを自由回転状態にしてカウンタシャフト5に回転を伝達せず、また、プラネタリギヤDPにおいて第1リングギヤR1を自由回転状態にして第1キャリヤCR1の回転を許容した状態で、モータ3の回転をエンジンに伝達して、エンジンの回転速度を上昇することで、エンジンを始動することができる。
[第2の実施の形態のまとめ]
以上説明したハイブリッド駆動装置1によると、前進11速段及び後進2速段を達成する変速機構2に配設された第2ギヤ列G2にモータ3を駆動連結したので、軸方向に対して新たなギヤ列(カウンタギヤ対)を設けることなく、モータ3を駆動連結でき、ハイブリッド駆動装置1の軸方向短縮化を図ることができる。また、変速機構2が配置された第1軸AX1とは平行な第3軸AX3上にモータ3を配設することで、モータ3を搭載してもハイブリッド駆動装置1の軸方向の短縮化を図ることができる。これにより、軸方向の短縮化が求められるFFタイプなどのエンジン出力軸が進行方向に対して横向きとなる車両に対し、搭載性を良好なものとすることができる。
また、本ハイブリッド駆動装置1によると、最高変速段である前進11速段でもモータ3によるアシストや回生を可能とすることができ、車両の燃費向上を図ることができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、第5クラッチC−5を解放することでモータ3とカウンタシャフト5との回転を直接的に連動しないように切り離すことができて、第2キャリヤCR2と第2リングギヤR2との相対回転を許容できるようになるため、プラネタリギヤセットPSを動力分配機構として用いることができ、電気的な無段変速モードを達成することができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、プラネタリギヤセットPSを介してモータ3の回転を出力することができ、EV走行モードを達成することができる。
<第3の実施の形態>
次に、第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1と同様に、変速歯車機構7とカウンタシャフト5とを第1ギヤ列G1と第2ギヤ列G2とで駆動力を伝達可能に構成されている、第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1を、図11乃至図14に沿って説明する。図11は第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図、図12は第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表、図13は第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図、図14は第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図である。
[ハイブリッド駆動装置1の構成]
第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1は、例えばFFタイプ等の車両に搭載されて好適なハイブリッド駆動装置であり、図11に示すように、ハイブリッド駆動装置1は、ケース6内において、第1プラネタリギヤSP1と第2プラネタリギヤSP2及び第3プラネタリギヤSP3を有するプラネタリギヤセットPSとを有する変速歯車機構7、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2、6つの係合要素である第1〜第4クラッチC−1〜C−4及び第1〜第2ブレーキB−1〜B−2、を有する変速機構2を備えている。また、ハイブリッド駆動装置1には、第1軸AX1上に第1プラネタリギヤSP1、プラネタリギヤセットPS、上記6つの係合要素のうちの5つの係合要素(第1〜第3クラッチC−1〜C−3、第1〜第2ブレーキB−1〜B−2)が、第1軸AX1と平行な第2軸AX2上にカウンタシャフト5及び第4クラッチC−4が、第1軸AX1及び第2軸AX2と平行な第3軸AX3上にモータ3が、それぞれ配置されている。なお、第1〜第3軸AX1〜AX3と平行な第4軸AX4上には、アイドラギヤ23が配置されている。
上記変速機構2には、不図示のエンジンからの回転が伝達される入力軸(入力部材)4が備えられており、該入力軸4と同軸上において、第1プラネタリギヤSP1、プラネタリギヤセットPSが備えられている。なお、本第3の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、入力軸4がエンジンに直接的に駆動連結されているものとして説明するが、入力軸4とエンジンの出力軸との間に発進装置を備えていてもよい。
上記第1プラネタリギヤSP1は、後述するプラネタリギヤセットPSで形成される各変速段(前進1速段〜前進8速段)の回転状態を第3クラッチC−3からの入力回転に反映して第1ドライブギヤ21に伝達可能な出力側変速プラネタリギヤである。該第1プラネタリギヤSP1は、図11に示すように、第1サンギヤS1、第1キャリヤCR1(出力要素)、及び第1リングギヤR1を備えており、該第1プラネタリギヤSP1は、第1キャリヤCR1に、第1サンギヤS1及び第1リングギヤR1に噛合するピニオンP1を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
一方、上記プラネタリギヤセットPSは、詳しくは後述する第1ギヤ列G1及び第2ギヤ列G2と上記第1プラネタリギヤSP1とが組合せられることで実質的に複数の変速段を生成する変速段の形成部分であり、第2プラネタリギヤSP2と第3プラネタリギヤSP3とが組合されて構成されている。
該第2プラネタリギヤSP2は、第2サンギヤS2、第2キャリヤCR2、及び第2リングギヤR2を備えており、該第2プラネタリギヤSP2は、第2キャリヤCR2に、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に噛合するピニオンP2を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。また、該第3プラネタリギヤSP3は、第3サンギヤS3、第3キャリヤCR3、及び第3リングギヤR3を備えており、該第3プラネタリギヤSP3は、第3キャリヤCR3に、第3サンギヤS3及び第3リングギヤR3に噛合するピニオンP3を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
第2プラネタリギヤSP2及び第3プラネタリギヤSP3を組合せたプラネタリギヤセットPSとしては、4つの回転要素として、第3サンギヤS3で構成される回転要素、第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3が常時連結されて構成される回転要素、第2キャリヤCR2で構成される回転要素、第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3が常時連結されて構成される回転要素を有している。
上記第1プラネタリギヤSP1の第1サンギヤS1は、入力軸4に接続された第3クラッチC−3に接続され、言い換えると、第3クラッチC−3は、入力軸4と第1サンギヤS1とを係合自在となっている。また、第1キャリヤCR1は、詳しくは後述する第1ドライブギヤ11に常時駆動連結されており、第1リングギヤR1は、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2に常時駆動連結されている。
プラネタリギヤセットPSの第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3は、入力軸4に接続された第2クラッチC−2に接続されていると共に、第1ブレーキB−1に接続されてケース6に対して固定自在となっている。また、第3サンギヤS3は、入力軸4に接続された第1クラッチC−1に接続されていると共に、第2ブレーキB−2に接続されてケース6に対して固定自在となっている。そして、第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3は、詳しくは後述する第2ドライブギヤ21に常時駆動連結されている。言い換えると、第1クラッチC−1は、入力軸4と第3サンギヤS3とを係合自在であり、第2クラッチC−2は、入力軸4と第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3とを係合自在であり、第1ブレーキB−1は、第2サンギヤS2及び第3キャリヤCR3をケース6に固定自在であり、第2ブレーキB−2は、第3サンギヤS3をケース6に固定自在となっている。
上記第1ドライブギヤ11には、上記カウンタシャフト5に駆動連結されている第1ドリブンギヤ12が噛合して第1ギヤ列G1を構成しており、言い換えると、第1ギヤ列G1は、第1ドライブギヤ11及び第1ドリブンギヤ12を含んで構成されている。即ち、第1ドリブンギヤ12は、第1ドライブギヤ11と噛合しており、第1ドライブギヤ11と連動して回転する。また、カウンタシャフト5は、不図示のディファレンシャル装置等を介して左右の車輪に駆動連結されており、つまりカウンタシャフト5は車輪に回転を出力する出力部材となっており、第1ドリブンギヤ12、第1ドライブギヤ11、及び第1キャリヤCR1は、車輪と常時駆動連結されている。
また、上記第2ドライブギヤ21には、上記カウンタシャフト5に第4クラッチC−4を介して駆動連結されている第2ドリブンギヤ22が噛合して第2ギヤ列G2を構成しており、即ち、第2ドリブンギヤ22は、第2ドライブギヤ21と噛合しており、第2ドライブギヤ21と連動して回転する。言い換えると、第2ギヤ列G2は、第2ドライブギヤ21及び第2ドリブンギヤ22を含んで構成され、第4クラッチC−4は、第2ギヤ列G2の第2ドリブンギヤ22とカウンタシャフト5とを係合自在に接続されている。
また、第2ドライブギヤ21は、上記第1ドライブギヤ11よりも大径であり、第2ドリブンギヤ22は、上記第1ドリブンギヤ12よりも小径であり、つまり第2ギヤ列G2は、第1ギヤ列G1と異なるギヤ比であって、第1ギヤ列G1よりも回転を増速するように構成されており、第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5(即ち車輪)にその増速した回転を伝達可能となっている。
一方、モータ3は、ケース6に固定されたステータ3sと、ステータ3sに対向配置されて回転自在なロータ3rとを有しており、ロータ3rは、第3軸AX3上で回転自在にケース6に支持された出力軸3aに対して、相対回転不能に固定されている。さらに、その出力軸3aには、回転ギヤ24が固定されており、該回転ギヤ24には、第4軸AX4上でケース6に対して回転自在に支持されたアイドラギヤ23が噛合している。該アイドラギヤ23は、上記第2ドライブギヤ21にも噛合しており、つまりモータ3は、第2ギヤ列G2に連動して回転するように常時駆動連結されている。従って、モータ3は、第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3に常時駆動連結されており、上記第4クラッチC−4が係合されることでカウンタシャフト5にも駆動連結される。
なお、不図示のディファレンシャル装置は、第1の実施の形態と同様に、カウンタシャフト5と平行な別の軸上に配置してもよく、また、カウンタシャフト5と同軸上に配置してもよい。
[ハイブリッド駆動装置1の動作]
つづいて、上記構成に基づき、第3の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1の動作について図12乃至図14に沿って説明する。なお、図12乃至図14に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転速度を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示しており、つまり各回転要素がギヤ比に対応して並んでいることを示している。
[有段変速モード]
まず、本ハイブリッド駆動装置1でエンジンの駆動力を複数の変速段により変速して走行する場合における各動作を説明する。なお、本第3の実施の形態における前進10速段及び後進1速段にあっては、主にエンジンの駆動力で走行する場合として説明するが、特に前進2速段を除く各変速段にあって、必ずしもエンジンだけの駆動力で走行するものに限らず、モータ3によるアシストや回生も可能であって、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるパラレル方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
前進1速段(1st)では、図12に示すように、第1クラッチC−1、第3クラッチC−3、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図13に示すように、第1クラッチC−1の係合により第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第3キャリヤCR3及び第2リングギヤR2の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第3リングギヤR3及び第2サンギヤS2の回転が逆転回転となり、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から逆転回転の減速回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進1速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1にも入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転に基づき第1リングギヤR1に入力された逆転回転の減速回転が正転回転の減速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進1速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進1速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進2速段(2nd)では、図12に示すように、第3クラッチC−3、第1ブレーキB−1、及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図13に示すように、第3サンギヤS3の回転が第2ブレーキB−2により固定され、また、第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、プラネタリギヤセットPS全体の回転が固定され、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から回転の固定状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進2速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1には入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転が、回転が固定された第1リングギヤR1によって正転回転の減速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進2速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進2速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が第1ブレーキB−1及び第2ブレーキB−2により回転が固定された状態にあるので、モータ3によるアシストや回生は不能である。
前進3速段(3rd)では、図12に示すように、第3クラッチC−3、第4クラッチC−4、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図13に示すように、第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。また、第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤ(不図示)を形成し、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から正転回転の減速回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進3速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1には入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転が、減速回転する第1リングギヤR1によって正転回転の減速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進3速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進3速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進4速段(4th)では、図12に示すように、第3クラッチC−3、第4クラッチC−4、及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図13に示すように、第3サンギヤS3の回転が第2ブレーキB−2により固定される。また、第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤ(不図示)を形成し、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から正転回転の減速回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進4速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1には入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転が、減速回転する第1リングギヤR1によって正転回転の減速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進4速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進4速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進5速段(5th)では、図12に示すように、第1クラッチC−1、第3クラッチC−3、及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図13に示すように、第1クラッチC−1の係合により第3サンギヤS3に入力回転が入力される。また、第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤ(不図示)を形成し、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から正転回転の減速回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進5速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1にも入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転が、減速回転する第1リングギヤR1によって正転回転の減速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進5速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進5速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進6速段(6th)では、図12に示すように、第2クラッチC−2、第3クラッチC−3、及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図13に示すように、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力される。また、第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、プラネタリギヤセットPSに対して仮想ギヤ(不図示)を形成し、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から正転回転の減速回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進6速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1にも入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転が、減速回転する第1リングギヤR1によって正転回転の減速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進6速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進6速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進7速段(7th)では、図12に示すように、第1クラッチC−1、第2クラッチC−2、及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図13に示すように、第1クラッチC−1の係合により第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力される。つまり、第3サンギヤS3、第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力されるため、プラネタリギヤセットPSが入力回転の直結状態となり、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から入力回転の回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進7速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1にも入力回転が入力され、第1リングギヤR1にも入力回転が入力されるため、第1プラネタリギヤSP1が入力回転の直結状態となって第1キャリヤCR1に出力され、前進7速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進7速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進8速段(8th)では、図12に示すように、第2クラッチC−2、第3クラッチC−3、及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図13に示すように、第3サンギヤS3の回転が第2ブレーキB−2により固定され、また、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力される。すると、第3リングギヤR3及び第2サンギヤS2の回転が増速回転となり、プラネタリギヤセットPSの第2キャリヤCR2から正転回転の増速回転状態(プラネタリギヤセットPSにおいて形成された前進8速段の回転状態)が第1プラネタリギヤSP1の第1リングギヤR1に設定される。一方、第3クラッチC−3の係合により第1サンギヤS1にも入力回転が入力され、該第1サンギヤS1の入力回転が増速回転の第1リングギヤR1により増速回転に変速されて第1キャリヤCR1に出力され、前進8速段としての正転回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進8速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進9速段(9th)では、図12に示すように、第1クラッチC−1、第2クラッチC−2、及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図13に示すように、第1クラッチC−1の係合により第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力される。つまり、第3サンギヤS3、第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力されるため、プラネタリギヤセットPSが入力回転の直結状態となり、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が入力回転となる。すると、第2ギヤ列G2により第2ドライブギヤ21の入力回転が増速されて第2ドリブンギヤ22に伝達され、第4クラッチC−4を介して、前進9速段としての正転回転(第1ギヤ列1を介して第1キャリヤCR1の回転も同期する)が第2ギヤ列G2を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進9速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進10速段(10th)では、図12に示すように、第2クラッチC−2、第4クラッチC−4、及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図13に示すように、第3サンギヤS3の回転が第2ブレーキB−2により固定され、また、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力され、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が正転回転の増速回転となる。すると、第2ギヤ列G2により第2ドライブギヤ21の増速回転がさらに増速されて第2ドリブンギヤ22に伝達され、第4クラッチC−4を介して、前進10速段としての正転回転(第1ギヤ列1を介して第1キャリヤCR1の回転も同期する)が第2ギヤ列G2を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進10速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
後進1速段(Rev1)では、図12に示すように、第1クラッチC−1、第4クラッチC−4、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図13に示すように、第1クラッチC−1の係合により第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第3キャリヤCR3及び第2リングギヤR2の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21の回転が逆転回転となり、第2ギヤ列G2により第2ドライブギヤ21の逆転回転が増速されて第2ドリブンギヤ22に伝達され、第4クラッチC−4を介して、後進1速段としての逆転回転(第1ギヤ列1を介して第1キャリヤCR1の回転も同期する)が第2ギヤ列G2を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、この後進1速段においては、第2サンギヤS2、第3リングギヤR3、及び第2ドライブギヤ21が回転状態にあるので、モータ3により第2ギヤ列G2に駆動力を付与してアシストしたり、第2ギヤ列G2からの駆動力を回生したりすることが可能である。
[無段変速モード]
次に、モータ3を用いて電気的に無段変速を達成する無段変速モードについて説明する。この無段変速モードは、変速歯車機構7の6つの回転要素のうちの1つにエンジンからの回転を入力し、他の1つの回転要素をモータ3により回生(又はアシスト)し、さらに他の1つの回転要素を入力回転又は固定状態にし、変速歯車機構7を動力分配機構として用いることで、6つの回転要素のうちの回転を出力する回転要素の回転速度或いは出力トルクを自在に制御するもので、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるスプリット方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
第1無段変速モード(E−CVT1)では、図12に示すように、第3クラッチC−3及び第2ブレーキB−2が係合される。すると、図14(a)に示すように、第3クラッチC−3を介して第1サンギヤS1に入力回転が入力され、一方で、第2ブレーキB−2の係合により第3サンギヤS3の回転が固定される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第1キャリヤCR1の回転を、第1サンギヤS1の入力回転に基づく領域で無段変速し、第1無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、車両の発進時には、この第1無段変速モードが有効であり、無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進2速段、前進4速段、前進8速段のように第3クラッチC−3及び第2ブレーキB−2を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。
第2無段変速モード(E−CVT2)では、図12に示すように、第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図14(b)に示すように、第3クラッチC−3を介して第1サンギヤS1に入力回転が入力され、一方で、第2クラッチC−2を介して第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3に入力回転が入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3と連動する。このため、モータ3を回生(又は負トルク方向にアシスト)しながらトルク制御(又は回転速度制御)することで、第1キャリヤCR1の回転を、第1サンギヤS1、第2サンギヤS2、及び第3リングギヤR3の入力回転に基づく領域で無段変速し、第2無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、第2無段変速モードで無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進6速段〜前進8速段のように第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。さらに、例えば前進6速段〜前進8速段でアップシフト変速やダウンシフト変速を行う際に、その変速中に第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3を係合したまま第2無段変速モードで次の変速段の回転速度に同期させることができる。
[EV走行モード]
続いて、モータ3の駆動力で走行するEV走行モードについて説明する。第1EV走行モード(EV1)では、図12に示すように、第2クラッチC−2、第4クラッチC−4、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、第1ブレーキB−1係合により、第2リングギヤR2及び第3キャリヤCR3の回転が固定され、さらに、第2クラッチC−2及び第3クラッチC−3を介して第1サンギヤS1の回転が固定される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2と連動する。すると、第2サンギヤS2のモータ3の回転を、回転が固定された第2サンギヤS2により減速して第2キャリヤCR2から第1リングギヤR1に出力し、さらに、第1リングギヤR1に入力されたモータ3の減速回転を、回転が固定された第1サンギヤS1により減速して第1キャリヤCR1から第1ドライブギヤ11に出力される。このため、モータ3を駆動(力行)しながらトルク制御(又は回転速度制御)することで、第2サンギヤS2のモータ3の回転を減速して第1キャリヤCR1に出力し、第1EV走行モードとして、低速領域の回転が第1ギヤ列G1を介してカウンタシャフト5に出力される。
第2EV走行モード(EV2)では、図12に示すように、第4クラッチC−4(及び第2クラッチC−2、第1ブレーキB−1)が係合される。すると、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21、第2ドリブンギヤ22、第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5に出力される。なお、第2ドライブギヤ21を介して第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3にモータ3の回転が入力され、第1ドライブギヤ11を介して第1キャリヤCR1にモータ3の回転に基づくカウンタシャフト5の回転が入力されるため、変速歯車機構7の内部での連れ回り回転が生じる虞があるため、第1ブレーキB−1を係合することにより第2サンギヤS2及び第3キャリヤCR3の回転を固定することが好ましい。またこの際、エンジンの回転が停止しているので、第2クラッチC−2を係合することも可能であるため、上記第1EV走行モードに続いて第2EV走行モードでも第2クラッチC−2及び第1ブレーキB−1を係合することができるので、つまり第3クラッチC−3と第4クラッチC−4との掴み換えにより、第1EV走行モードと第2EV走行モードとの変速が可能である。
[第3の実施の形態のまとめ]
以上説明したハイブリッド駆動装置1によると、前進10速段及び後進1速段を達成する変速機構2に配設された第2ギヤ列G2にモータ3を駆動連結したので、軸方向に対して新たなギヤ列(カウンタギヤ対)を設けることなく、モータ3を駆動連結でき、ハイブリッド駆動装置1の軸方向短縮化を図ることができる。また、変速機構2が配置された第1軸AX1とは平行な第3軸AX3上にモータ3を配設することで、モータ3を搭載してもハイブリッド駆動装置1の軸方向の短縮化を図ることができる。これにより、軸方向の短縮化が求められるFFタイプなどのエンジン出力軸が進行方向に対して横向きとなる車両に対し、搭載性を良好なものとすることができる。
また、本ハイブリッド駆動装置1によると、最高変速段である前進10速段でもモータ3によるアシストや回生を可能とすることができ、車両の燃費向上を図ることができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、第4クラッチC−4を解放することでモータ3とカウンタシャフト5との回転を直接的に連動しないように切り離すことができて、第1キャリヤCR1と第2サンギヤS2及び第3リングギヤR3との相対回転を許容できるようになるため、変速歯車機構7を動力分配機構として用いることができ、電気的な無段変速モードを達成することができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、第2ギヤ列G2を介してモータ3の回転を出力することができ、EV走行モードを達成することができる。
<第4の実施の形態>
次に、第1の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1と同様に、変速歯車機構7とカウンタシャフト5とを第1ギヤ列G1と第2ギヤ列G2とで駆動力を伝達可能に構成されている、第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1を、図15乃至図18に沿って説明する。図15は第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置を示すスケルトン図、図16は第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置の係合表、図17は第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における有段変速モード時の各変速段の回転状態を示す速度線図、図18は第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置における無段変速モード時の回転状態を示す速度線図で、(a)は第1無段変速モードを示す図、(b)は第2無段変速モードを示す図、(c)は第3無段変速モードを示す図である。
[ハイブリッド駆動装置1の構成]
第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1は、例えばFFタイプ等の車両に搭載されて好適なハイブリッド駆動装置であり、図15に示すように、ハイブリッド駆動装置1は、ケース6内において、プラネタリギヤSPと第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2で構成される2階建てのプラネタリギヤセットPSとを有する変速歯車機構7、第1ギヤ列G1、第2ギヤ列G2、5つの係合要素である第1〜第4クラッチC−1〜C−4及び第1ブレーキB−1、を有する変速機構2を備えている。また、ハイブリッド駆動装置1には、第1軸AX1上にプラネタリギヤSP、プラネタリギヤセットPS、上記5つの係合要素のうちの3つの係合要素(第1〜第2クラッチC−1〜C−2、第1ブレーキB−1)が、第1軸AX1と平行な第2軸AX2上にカウンタシャフト5及び第3〜第4クラッチC−3〜C−4が、第1軸AX1及び第2軸AX2と平行な第3軸AX3上にモータ3が、それぞれ配置されている。なお、第1〜第3軸AX1〜AX3と平行な第4軸AX4上には、アイドラギヤ23が配置されている。
上記変速機構2には、不図示のエンジンからの回転が伝達される入力軸(入力部材)4が備えられており、該入力軸4と同軸上において、プラネタリギヤSP、2階建てのプラネタリギヤセットPSが備えられている。なお、本第4の実施の形態においても第1の実施の形態と同様に、入力軸4がエンジンに直接的に駆動連結されているものとして説明するが、入力軸4とエンジンの出力軸との間に発進装置を備えていてもよい。
上記プラネタリギヤSPは、後述するプラネタリギヤセットPSで形成される回転状態に基づきプラネタリギヤセットPSから出力される回転を変速して第1ドライブギヤ11に伝達し、第1ドライブギヤ11から第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5に出力可能な低速出力側プラネタリギヤである。該プラネタリギヤSPは、図15に示すように、第3サンギヤS3、第3キャリヤCR3(OUT1)(出力要素)、及び第3リングギヤR3を備えており、該プラネタリギヤSPは、第3キャリヤCR3に、第3サンギヤS3及び第3リングギヤR3に噛合するピニオンP3を有している、いわゆるシングルピニオンプラネタリギヤである。
一方、上記プラネタリギヤセットPSは、第1クラッチC−1、第2クラッチC−2、及び第1ブレーキB−1の選択的な係合により入力回転を変速して第2ドライブギヤ21に伝達し、第2ドライブギヤ21から第3クラッチC−3を介してカウンタシャフト5に出力可能な高速出力側プラネタリギヤである。
該プラネタリギヤセットPSは、内周側の第1プラネタリギヤSP1と外周側の第2プラネタリギヤSP2とが2階建て構造として組合せられており、第1サンギヤS1、第1キャリヤCR1、第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2が一体に形成された中間ギヤRSG、第2キャリヤCR2(OUT2)、第2リングギヤR2、を有しており、第1キャリヤCR1は、第1サンギヤS1及び第1リングギヤR1に噛合するピニオンP1を有し、第2キャリヤCR2は、第2サンギヤS2及び第2リングギヤR2に噛合するピニオンP2を有し、つまり第1プラネタリギヤSP1及び第2プラネタリギヤSP2は、共にシングルピニオンプラネタリギヤで構成されている。
該プラネタリギヤセットPSは、5つの回転要素として、第1サンギヤS1で構成される回転要素、第1キャリヤCR1で構成される回転要素、第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2(中間ギヤRSG)で構成される回転要素、第2キャリヤCR2で構成される回転要素、第2リングギヤR2で構成される回転要素を有している。
上記第1サンギヤS1は、第3リングギヤR3に常時駆動連結されていると共に、第1ブレーキB−1に接続されている。言い換えると、第1ブレーキB−1は、第1サンギヤS1と第3リングギヤR3との回転をケース6に対して固定自在となっている。また、第1キャリヤCR1は、入力軸4に常時駆動連結されていると共に、第2クラッチC−2に接続されており、第2クラッチC−2が係合されることにより、第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に駆動連結される。言い換えると、第2クラッチC−2は、第1キャリヤCR1と第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3とを係合自在となっている。
第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2は、第1クラッチC−1に接続されており、第1クラッチC−1が係合されることにより、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21に駆動連結される。言い換えると、第1クラッチC−1は、第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と、第2キャリヤCR2及び第2ドライブギヤ21とを係合自在となっている。また、第2キャリヤCR2は、第2ドライブギヤ21に常時駆動連結されている。そして、第2リングギヤR2は、第3サンギヤS3に常時駆動連結されている。
上記第1ドライブギヤ11には、第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5に駆動連結されている第1ドリブンギヤ12が噛合して第1ギヤ列G1を構成しており、言い換えると、第1ギヤ列G1は、第1ドライブギヤ11及び第1ドリブンギヤ12を含んで構成され、第4クラッチC−4は、第1ドリブンギヤ12とカウンタシャフト5とを係合自在となっている。即ち、第1ドリブンギヤ12は、第1ドライブギヤ11と噛合しており、第1ドライブギヤ11と連動して回転し、第4クラッチC−4が係合されると、第1ドリブンギヤ12とカウンタシャフト5とが連動して回転する。
上記第2ドライブギヤ21には、第3クラッチC−3を介してカウンタシャフト5に駆動連結されている第2ドリブンギヤ22が噛合して第2ギヤ列G2を構成しており、言い換えると、第2ギヤ列G2は、第2ドライブギヤ21及び第2ドリブンギヤ22を含んで構成され、第3クラッチC−3は、第2ドリブンギヤ22とカウンタシャフト5とを係合自在となっている。即ち、第2ドリブンギヤ22は、第2ドライブギヤ21と噛合しており、第2ドライブギヤ21と連動して回転し、第3クラッチC−3が係合されると、第2ドリブンギヤ22とカウンタシャフト5とが連動して回転する。また、カウンタシャフト5は、不図示のディファレンシャル装置等を介して左右の車輪に駆動連結されており、つまりカウンタシャフト5は車輪に回転を出力する出力部材となっている。
また、第2ドライブギヤ21は、上記第1ドライブギヤ11よりも大径であり、第2ドリブンギヤ22は、上記第1ドリブンギヤ12よりも小径であり、つまり第2ギヤ列G2は、第1ギヤ列G1と異なるギヤ比であって、第1ギヤ列G1よりも回転を増速するように構成されており、第3クラッチC−3を介してカウンタシャフト5(即ち車輪)にその増速した回転を伝達可能となっている。
一方、モータ3は、ケース6に固定されたステータ3sと、ステータ3sに対向配置されて回転自在なロータ3rとを有しており、ロータ3rは、第3軸AX3上で回転自在にケース6に支持された出力軸3aに対して、相対回転不能に固定されている。さらに、その出力軸3aには、回転ギヤ24が固定されており、該回転ギヤ24には、第4軸AX4上でケース6に対して回転自在に支持されたアイドラギヤ23が噛合している。該アイドラギヤ23は、上記第2ドライブギヤ21にも噛合しており、つまりモータ3は、第2ギヤ列G2に連動して回転するように常時駆動連結されている。従って、モータ3は、第2キャリヤCR2に常時駆動連結されており、第1クラッチC−1が係合されることで第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2に駆動連結され、上記第3クラッチC−3が係合されることでカウンタシャフト5にも駆動連結される。
なお、不図示のディファレンシャル装置は、第1の実施の形態と同様に、カウンタシャフト5と平行な別の軸上に配置される。
[ハイブリッド駆動装置1の動作]
つづいて、上記構成に基づき、第4の実施の形態に係るハイブリッド駆動装置1の動作について図16乃至図18に沿って説明する。なお、図16乃至図18に示す速度線図において、縦軸はそれぞれの回転要素(各ギヤ)の回転速度を示しており、横軸はそれら回転要素のギヤ比に対応して示しており、つまり各回転要素がギヤ比に対応して並んでいることを示している。
[有段変速モード]
まず、本ハイブリッド駆動装置1でエンジンの駆動力を複数の変速段により変速して走行する場合における各動作を説明する。なお、本第4の実施の形態における前進8速段及び後進1速段にあっては、主にエンジンの駆動力で走行する場合として説明するが、必ずしもエンジンだけの駆動力で走行するものに限らず、モータ3によるアシストや回生も可能であって、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるパラレル方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
前進1速段(1st)では、図16に示すように、第2クラッチC−2、第4クラッチC−4、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第3サンギヤS3に入力された入力回転と回転が固定された第3リングギヤR3により第3キャリヤCR3が減速回転となり、第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介して、前進1速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進1速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進2速段(2nd)では、図16に示すように、第1クラッチC−1、第4クラッチC−4、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第1クラッチC−1の係合により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第2キャリヤCR2とが駆動連結され、つまり第2プラネタリギヤSP2が一体回転する。さらに、第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第1キャリヤCR1に入力された入力回転と回転が固定された第1サンギヤS1により、第1リングギヤR1が増速回転となり、第2プラネタリギヤSP2も増速回転となる。そして、第2プラネタリギヤSP2の第2リングギヤR2から第3サンギヤS3に増速回転が出力され、第3サンギヤS3の増速回転と回転が固定された第3リングギヤR3とにより第3キャリヤCR3が減速回転となり、第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介して、前進2速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進2速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進3速段(3rd)では、図16に示すように、第1クラッチC−1、第2クラッチC−2、及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第1クラッチC−1の係合により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第2キャリヤCR2とが駆動連結され、つまり第2プラネタリギヤSP2が入力回転(直結状態)で一体回転する。すると、第2プラネタリギヤSP2の第2サンギヤS2が入力回転となるため、第1リングギヤR1が入力回転となり、第1キャリヤCR1にも入力回転が入力されているので、つまり第1プラネタリギヤSP1も入力回転(直結状態)で一体回転する。そして、第3サンギヤS3及び第3リングギヤR3も入力回転となって、プラネタリギヤSPも入力回転(直結状態)で一体回転となり、第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介して、前進3速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進3速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進4速段(4th)では、図16に示すように、第1クラッチC−1、第3クラッチC−3、及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第1クラッチC−1の係合により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第2キャリヤCR2とが駆動連結され、つまり第2プラネタリギヤSP2が一体回転する。さらに、第3クラッチC−3及び第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、変速歯車機構7に対して仮想ギヤVG(不図示)を形成する。すると、第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介して、また、第2ギヤ列G2及び第3クラッチC−3を介して、前進4速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進4速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進5速段(5th)では、図16に示すように、第2クラッチC−2、第3クラッチC−3、及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に入力回転が入力される。さらに、第3クラッチC−3及び第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、変速歯車機構7に対して仮想ギヤVG(不図示)を形成する。すると、第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介して、また、第2ギヤ列G2及び第3クラッチC−3を介して、前進5速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進5速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進6速段(6th)では、図16に示すように、第1クラッチC−1、第2クラッチC−2、及び第3クラッチC−3が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第1クラッチC−1の係合により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第2キャリヤCR2とが駆動連結され、つまり第2プラネタリギヤSP2が入力回転(直結状態)で一体回転する。なお、上記前進3速段と同様に、第1プラネタリギヤSP1及びプラネタリギヤSPも入力回転(直結状態)で一体回転する。そして、第2プラネタリギヤSP2の第2キャリヤCR2が入力回転となるので、第2ギヤ列G2及び第3クラッチC−3を介して、前進6速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進6速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進7速段(7th)では、図16に示すように、第2クラッチC−2、第3クラッチC−3、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に入力回転が入力され、また、第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第1キャリヤCR1に入力された入力回転と回転が固定された第1サンギヤS1により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2が増速回転となり、第2サンギヤS2の増速回転と第2リングギヤR2の入力回転とにより第2キャリヤCR2が増速回転し、第2ギヤ列G2及び第3クラッチC−3を介して、前進7速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進7速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
前進8速段(8th)では、図16に示すように、第1クラッチC−1、第3クラッチC−3、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第1クラッチC−1の係合により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第2キャリヤCR2とが駆動連結され、つまり第2プラネタリギヤSP2が一体回転する。さらに、第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第1キャリヤCR1に入力された入力回転と回転が固定された第1サンギヤS1により、第1リングギヤR1が増速回転となり、第2プラネタリギヤSP2も増速回転となる。そして、第2プラネタリギヤSP2の第2キャリヤCR2から増速回転が出力され、第2ギヤ列G2及び第3クラッチC−3を介して、前進8速段としての正転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この前進8速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
後進1速段(Rev1)では、図16に示すように、第3クラッチC−3、第4クラッチC−4、及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図17に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。さらに、第3クラッチC−3及び第4クラッチC−4の係合により、第1ドリブンギヤ12と第2ドリブンギヤ22とが駆動連結され、変速歯車機構7に対して仮想ギヤVG(不図示)を形成する。すると、第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介して、また、第2ギヤ列G2及び第3クラッチC−3を介して、後進1速段としての逆転回転がカウンタシャフト5に出力される。なお、この後進1速段においては、第2キャリヤCR2、第2リングギヤR2、及び第3サンギヤS3が回転状態にあるので、モータ3により第3キャリヤCR3に駆動力を付与してアシストしたり、第3キャリヤCR3からの駆動力を回生したりすることが可能である。
[無段変速モード]
次に、モータ3を用いて電気的に無段変速を達成する無段変速モードについて説明する。この無段変速モードは、変速歯車機構7の6つの回転要素のうちの1つにエンジンからの回転を入力し、他の1つの回転要素をモータ3により回生(又はアシスト)し、さらに他の1つの回転要素を入力回転又は固定状態にし、変速歯車機構7を動力分配機構として用いることで、6つの回転要素のうちの回転を出力する回転要素の回転速度或いは出力トルクを自在に制御するもので、ハイブリッド駆動装置1をいわゆるスプリット方式のハイブリッド駆動装置として用いるモードである。
第1無段変速モード(E−CVT1)では、図16に示すように、第4クラッチC−4及び第1ブレーキB−1が係合される。すると、図18(a)に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3の回転が第1ブレーキB−1により固定される。すると、第1キャリヤCR1に入力された入力回転と回転が固定された第1サンギヤS1により、第1リングギヤR1が増速回転となり、第2サンギヤS2が増速回転となる。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。このため、モータ3を回転速度制御(又はトルク制御)することで、第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3の回転を無段変速し、第3サンギヤS3の無段変速された回転を、回転が固定された第3リングギヤR3により減速して第3キャリヤCR3に出力し、第1無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、車両の発進時には、この第1無段変速モードが有効であり、無段変速しつつ例えばプラネタリギヤセットPSの回転状態が前進1速段及び前進2速段のように第4クラッチC−4及び第1ブレーキB−1を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。また、例えば第1無段変速モードで発進してから有段変速モードに移行した後、前進1速段〜前進2速段でアップシフト変速やダウンシフト変速を行う際に、その変速中に第4クラッチC−4及び第1ブレーキB−1を係合したまま第1無段変速モードで次の変速段の回転速度に同期させることができる。このように変速中に第1無段変速モードによって、変速中の変速歯車機構7の各回転要素の回転速度を制御することで、各クラッチやブレーキをスリップさせながら回転速度の調整(イナーシャ相)やトルク分担の変更(トルク相)を行う掴み換え変速が不要となるので、各クラッチやブレーキの負担を軽減することができ、摩擦板の枚数を低減したり係合要素自体を簡易で安価なもの(例えば乾式のクラッチなど)で構成したりすることができる。
第2無段変速モード(E−CVT2)では、図16に示すように、第2クラッチC−2及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図18(b)に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第2クラッチC−2の係合により第2リングギヤR2及び第3サンギヤS3に入力回転が入力される。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。すると、第1キャリヤCR1に入力された入力回転と第2リングギヤR2に入力された入力回転により、第2キャリヤCR2のモータ3の回転に基づき第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2を無段変速で変速し、第1キャリヤCR1の入力回転により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2の無段変速の回転を反転して第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3に出力し、第3サンギヤS3の入力回転により第3リングギヤR3の無段変速の回転を減速して第3キャリヤCR3に出力し、第2無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、第2無段変速モードで無段変速しつつ例えば変速歯車機構7の回転状態が前進1速段、前進3速段、及び前進5速段のように第2クラッチC−2及び第4クラッチC−4を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。
第3無段変速モード(E−CVT3)では、図16に示すように、第1クラッチC−1及び第4クラッチC−4が係合される。すると、図18(c)に示すように、第1キャリヤCR1に入力回転が入力され、また、第1クラッチC−1の係合により第1リングギヤR1及び第2サンギヤS2と第2キャリヤCR2とが駆動連結され、つまり第2プラネタリギヤSP2が一体回転する。また、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21を介して第2キャリヤCR2と連動する。すると、第2キャリヤCR2のモータ3の回転に基づき第2プラネタリギヤSP2がモータ3の回転で回転し、第1キャリヤCR1に入力された入力回転により第2サンギヤS2及び第1リングギヤR1に入力されたモータ3の回転を反転して第1サンギヤS1及び第3リングギヤR3に出力し、第3サンギヤS3のモータ3の回転により第3リングギヤR3の無段変速の回転を反転して減速して第3キャリヤCR3に出力し、第3無段変速モードとしての回転が第1ギヤ列G1及び第4クラッチC−4を介してカウンタシャフト5に出力される。
なお、第3無段変速モードで無段変速しつつ例えば変速歯車機構7の回転状態が前進2速段〜前進4速段のように第1クラッチC−1及び第4クラッチC−4を係合する変速段の何れかのギヤ比と同期したところで、その変速段にスムーズに移行させることができる。
[EV走行モード]
続いて、モータ3の駆動力で走行するEV走行モードについて説明する。EV走行モード(EV)では、図16に示すように、第3クラッチC−3が係合される。すると、モータ3の回転は、回転ギヤ24、アイドラギヤ23、第2ドライブギヤ21、第2ドリブンギヤ22、第3クラッチC−3を介してカウンタシャフト5に出力される。
[第4の実施の形態のまとめ]
以上説明したハイブリッド駆動装置1によると、前進8速段及び後進1速段を達成する変速機構2に配設された第2ギヤ列G2にモータ3を駆動連結したので、軸方向に対して新たなギヤ列(カウンタギヤ対)を設けることなく、モータ3を駆動連結でき、ハイブリッド駆動装置1の軸方向短縮化を図ることができる。また、変速機構2が配置された第1軸AX1とは平行な第3軸AX3上にモータ3を配設することで、モータ3を搭載してもハイブリッド駆動装置1の軸方向の短縮化を図ることができる。これにより、軸方向の短縮化が求められるFFタイプなどのエンジン出力軸が進行方向に対して横向きとなる車両に対し、搭載性を良好なものとすることができる。
また、本ハイブリッド駆動装置1によると、最高変速段である前進8速段でもモータ3によるアシストや回生を可能とすることができ、車両の燃費向上を図ることができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、第3クラッチC−3を解放することでモータ3とカウンタシャフト5との回転を直接的に連動しないように切り離すことができて、第2キャリヤCR2と第3キャリヤCR3との相対回転を許容できるようになるため、変速歯車機構7を動力分配機構として用いることができ、電気的な無段変速モードを達成することができる。さらに、本ハイブリッド駆動装置1によると、第2ギヤ列G2を介してモータ3の回転を出力することができ、EV走行モードを達成することができる。
[本実施の形態のまとめ]
本ハイブリッド駆動装置(1)は、出力要素(図1のR2、図6のR2、図11のCR1、図15のCR3)を含む複数の回転要素を有するプラネタリギヤからなる変速歯車機構(7)と、
前記変速歯車機構(7)の何れかの回転要素と入力部材(4)、前記変速歯車機構(7)の何れかの回転要素同士、又は前記変速歯車機構(7)の何れかの回転要素と固定部材(6)、を係合自在な複数の係合要素(図1のC−1〜C−4及びB−1〜B−2、図6のC−1〜C−4及びB−1〜B−2、図11のC−1〜C−3及びB−1〜B−2、図15の−1〜C−2及びC−4及びB−1〜B−2)と、
前記変速歯車機構(7)の前記出力要素に連結される第1ドライブギヤ(11)と、前記第1ドライブギヤ(11)と連動して回転し、出力部材(5)に回転を伝達可能な第1ドリブンギヤ(12)と、を含む第1ギヤ列(G1)と、
前記変速歯車機構(7)の前記出力要素以外の何れかの前記回転要素に連結される第2ドライブギヤ(21)と、前記第2ドライブギヤ(21)と連動して回転し、前記出力部材(5)に回転を伝達可能な第2ドリブンギヤ(22)と、を含み、前記第1ギヤ列(G1)とは異なるギヤ比を有する第2ギヤ列(G2)と、
前記第2ドリブンギヤ(22)と前記出力部材(5)とを係合自在な出力側係合要素(図1のC−5、図6のC−5、図11のC−4、図15のC−3)と、
ステータ(3s)とロータ(3r)とを有する回転電機(3)と、
前記回転電機(3)の前記ロータ(3r)に連結され、前記第2ギヤ列(G2)と連動して回転する回転ギヤ(24)と、を備える。
これにより、複数の変速段を達成するために存在する第2ギヤ列に回転電機を駆動連結したので、新たにカウンダギヤ等のギヤを設けることが不要であり、かつ変速歯車機構とは別の軸上に配置することができ、軸方向の短縮化を図ることができるものでありながら、最高変速段でもモータによるアシストを行うことができる。
また、本ハイブリッド駆動装置(1)は、前記変速歯車機構(7)と前記複数の係合要素と前記第1ドライブギヤ(11)と前記第2ドライブギヤ(21)とは、第1軸(AX1)上に配置され、
前記第1ドリブンギヤ(12)と前記第2ドリブンギヤ(22)と前記出力部材(5)とは、前記第1軸(AX1)と平行な第2軸(AX2)上に配置され、
前記回転電機(3)と前記回転ギヤ(24)とは、前記第1軸(AX1)と平行な第3軸(AX3)上に配置される。
これにより、回転電機を変速歯車機構とは別の軸上に配置することができ、ハイブリッド駆動装置の軸方向の短縮化を図ることができる。
具体的に本ハイブリッド駆動装置(1)は、前記変速歯車機構(7)は、ギヤ比に対応して順に並ぶ第1回転要素(S2)、第2回転要素(CR2)、第3回転要素(R2)、及び第4回転要素(S3)を有するプラネタリギヤセット(PS)を有し、
前記出力要素は、前記第3回転要素(R2)であり、
前記第2ドライブギヤ(21)に連結される前記何れかの回転要素は、前記第1回転要素(S2)である。
具体的に本ハイブリッド駆動装置(1)は、前記変速歯車機構(7)は、ギヤ比に対応して順に並ぶ第1回転要素(S2)、第2回転要素(CR2)、第3回転要素(R2)、及び第4回転要素(S3)を有するプラネタリギヤセット(PS)を有し、
前記出力要素は、前記第3回転要素(R2)であり、
前記第2ドライブギヤ(21)に連結される前記何れかの回転要素は、前記第2回転要素(CR2)である。
さらに詳細に本ハイブリッド駆動装置(1,1)は、前記変速歯車機構(7)は、ギヤ比に対応して順に並ぶ第5回転要素(S1)、第6回転要素(R1)、及び第7回転要素(CR1)を有するプラネタリギヤ(DP)を含み、
前記複数の係合要素は、第1クラッチ(C−1)、第2クラッチ(C−2)、第3クラッチ(C−3)、第4クラッチ(C−4)、第1ブレーキ(B−1)、及び第2ブレーキ(B−2)を含み、
前記第1クラッチ(C−1)は、前記第6回転要素(R1)と前記第4回転要素(S3)とを係合自在であり、
前記第2クラッチ(C−2)は、前記入力部材(4)と前記第2回転要素(CR2)とを係合自在であり、
前記第3クラッチ(C−3)は、前記第6回転要素(R1)と前記第1回転要素(S2)とを係合自在であり、
前記第4クラッチ(C−4)は、前記入力部材(4)と前記第1回転要素(S2)とを係合自在であり、
前記第1ブレーキ(B−1)は、前記第1回転要素(S2)を前記固定部材(6)に固定自在であり、
前記第2ブレーキ(B−2)は、前記第2回転要素(CR2)を前記固定部材(6)に固定自在である。
[他の実施の形態の可能性]
なお、以上説明した実施の形態においては、変速歯車機構7を、例えばプラネタリギヤセットPS及びプラネタリギヤDP、第1〜第3プラネタリギヤSP1〜SP3、プラネタリギヤセットPS及びプラネタリギヤSPで構成したものを説明したが、これに限らず、速度線図におけるギヤ比の並びで複数の回転要素を有し、部材が交差することなく連結できて複数の変速段を形成できるものであって、第1ギヤ列と第2ギヤ列とから回転を出力部材に出力できるものであれば、どのように構成しても良い。
また、第1乃至第4の実施の形態で説明した本ハイブリッド駆動装置の各クラッチやブレーキの配置、プラネタリギヤの配置、プラネタリギヤセットの配置、出力部材の配置などは、一例であって、特に各ギヤと各クラッチ及び各ブレーキとの連結関係が同様であれば、配置構造を設計変更しても構わない。
また、第1乃至第4の実施の形態で説明した本ハイブリッド駆動装置は、エンジンの出力軸が車両の進行方向に対して横向きに搭載される車両に用いると好適なものとして説明したが、各部材の連結関係を適宜変更して、エンジンの出力軸が車両の進行方向に対して縦向きに搭載される車両(例えばFR(フロントエンジン・リヤドライブ)タイプの車両)に用いてもよい。
1…ハイブリッド駆動装置
3…回転電機(モータ)
3r…ロータ
3s…ステータ
4…入力部材
5…出力部材(カウンタシャフト)
6…固定部材
7…変速歯車機構
11…第1ドライブギヤ
12…第1ドリブンギヤ
21…第2ドライブギヤ
22…第2ドリブンギヤ
24…回転ギヤ
図1のR2…出力要素、第3回転要素
図6のR2…出力要素、第3回転要素
図11のCR1…出力要素
図15のCR3…出力要素
図1のC−1〜C−4及びB−1〜B−2…係合要素
図6のC−1〜C−4及びB−1〜B−2…係合要素
図11のC−1〜C−3及びB−1〜B−2…係合要素
図15のC−1〜C−2及びC−4及びB−1〜B−2…係合要素
図1のC−5…出力側係合要素
図6のC−5…出力側係合要素
図11のC−4…出力側係合要素
図15のC−3〜C−4…出力側係合要素
C−1…第1クラッチ
C−2…第2クラッチ
C−3…第3クラッチ
C−4…第4クラッチ
B−1…第1ブレーキ
B−2…第2ブレーキ
AX1…第1軸
AX2…第2軸
AX3…第3軸
G1…第1ギヤ列
G2…第2ギヤ列
PS…プラネタリギヤセット
S2…第1回転要素
CR2…第2回転要素
R2…第3回転要素
S3…第4回転要素
DP…プラネタリギヤ
S1…第5回転要素
R1…第6回転要素
CR1…第7回転要素

Claims (5)

  1. 出力要素を含む複数の回転要素を有するプラネタリギヤからなる変速歯車機構と、
    前記変速歯車機構の何れかの回転要素と入力部材、前記変速歯車機構の何れかの回転要素同士、又は前記変速歯車機構の何れかの回転要素と固定部材、を係合自在な複数の係合要素と、
    前記変速歯車機構の前記出力要素に連結される第1ドライブギヤと、前記第1ドライブギヤと連動して回転し、出力部材に回転を伝達可能な第1ドリブンギヤと、を含む第1ギヤ列と、
    前記変速歯車機構の前記出力要素以外の何れかの前記回転要素に連結される第2ドライブギヤと、前記第2ドライブギヤと連動して回転し、前記出力部材に回転を伝達可能な第2ドリブンギヤと、を含み、前記第1ギヤ列とは異なるギヤ比を有する第2ギヤ列と、
    前記第2ドリブンギヤと前記出力部材とを係合自在な出力側係合要素と、
    ステータとロータとを有する回転電機と、
    前記回転電機の前記ロータに連結され、前記第2ギヤ列と連動して回転する回転ギヤと、を備える、
    ハイブリッド駆動装置。
  2. 前記変速歯車機構と前記複数の係合要素と前記第1ドライブギヤと前記第2ドライブギヤとは、第1軸上に配置され、
    前記第1ドリブンギヤと前記第2ドリブンギヤと前記出力部材とは、前記第1軸と平行な第2軸上に配置され、
    前記回転電機と前記回転ギヤとは、前記第1軸と平行な第3軸上に配置される、
    請求項1に記載のハイブリッド駆動装置。
  3. 前記変速歯車機構は、ギヤ比に対応して順に並ぶ第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、及び第4回転要素を有するプラネタリギヤセットを有し、
    前記出力要素は、前記第3回転要素であり、
    前記第2ドライブギヤに連結される前記何れかの回転要素は、前記第1回転要素である、
    請求項1または2に記載のハイブリッド駆動装置。
  4. 前記変速歯車機構は、ギヤ比に対応して順に並ぶ第1回転要素、第2回転要素、第3回転要素、及び第4回転要素を有するプラネタリギヤセットを有し、
    前記出力要素は、前記第3回転要素であり、
    前記第2ドライブギヤに連結される前記何れかの回転要素は、前記第2回転要素である、
    請求項1または2に記載のハイブリッド駆動装置。
  5. 前記変速歯車機構は、ギヤ比に対応して順に並ぶ第5回転要素、第6回転要素、及び第7回転要素を有するプラネタリギヤを含み、
    前記複数の係合要素は、第1クラッチ、第2クラッチ、第3クラッチ、第4クラッチ、第1ブレーキ、及び第2ブレーキを含み、
    前記第1クラッチは、前記第6回転要素と前記第4回転要素とを係合自在であり、
    前記第2クラッチは、前記入力部材と前記第2回転要素とを係合自在であり、
    前記第3クラッチは、前記第6回転要素と前記第1回転要素とを係合自在であり、
    前記第4クラッチは、前記入力部材と前記第1回転要素とを係合自在であり、
    前記第1ブレーキは、前記第1回転要素を前記固定部材に固定自在であり、
    前記第2ブレーキは、前記第2回転要素を前記固定部材に固定自在である、
    請求項3または4に記載のハイブリッド駆動装置。
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