JP2017171025A - 電位調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車載機器や乗員の電位を調整しながらも、消費電力の抑制を図ることが可能な電位調整装置を提供する。【解決手段】電位調整装置1は、乗員Dが接触する車載機器であるシートSとの間で電子が移動可能に構成された第1帯電部材11及び第2帯電部材12を備える。電位調整装置1の制御装置14は、アクチュエータ13を動作させて、第1帯電部材11及び第2帯電部材12の一方に摺動を行わせることによってシートSの電位を調整する。【選択図】図2

Description

本発明は、ミスト供給装置が備えられた車室内の電位を調整する電位調整装置に関する。
微細な粒子にした水(以下、「ミスト」とも称する)を空気中に供給するミスト供給装置が普及している。ミストは空気中を拡散し、加湿や冷却など、種々の目的のもと用いられる。近年では、帯電したミストを供給するミスト供給装置が注目されている。特許文献1には、車室内に設置される車両用ミスト供給装置が記載されている。
帯電したミストは、当該ミストを浴びる乗員や車載機器に好適に作用することがある。例えば、マイナスに帯電したミストは、消臭作用や除菌作用を有していることから、乗員の衣服の消臭等に用いることができる。また、プラスに帯電したミストは、マイナスに帯電している乗員に供給することによって電荷を中和することから、所謂静電気の解消に用いることができる。
帯電したミストを浴び続けた乗員や車載機器の電位は、やがてミストと同極のものになる。この結果、新たに供給するミストと乗員等との間でクーロン力による反発が生じ、ミストが乗員等まで到達できなくなってしまう。
これに対し、特許文献1記載の車両用ミスト供給装置は、肘掛、ハンドル、シートベルト、シート等、乗員が接触する車載機器に電位保持部を設けている。電位保持部は、電圧を印加されることにより、乗員や車載機器の電位をミストとは異なる極性のものに保持する。この結果、ミストをクーロン力によって乗員側に誘引し、ミストを継続的に乗員まで到達させることが可能になる。
特開2010−6177号公報
特許文献1記載の車両用ミスト供給装置では、乗員や車載機器の電位を保持するために、電位保持部に継続的に電圧を印加させる必要がある。つまり、ミストを乗員に到達させる際に消費する電力も大きくなるという課題があることから、帯電したミストをより省電力で乗員等に到達させる手段が待望されていた。
本発明はこのような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車載機器や乗員の電位を調整しながらも、消費電力の抑制を図ることが可能な電位調整装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る電位調整装置は、ミスト供給装置(20)が備えられた車室(VC)内の電位を調整する電位調整装置(1)であって、乗員が接触する車載機器(S)との間で電子が移動可能に構成された第1帯電部材(11)及び第2帯電部材(12)と、第1帯電部材及び第2帯電部材を移動させるアクチュエータ(13,13A,13B)と、アクチュエータを制御する制御装置(14)と、を備える。第1帯電部材及び第2帯電部材は、互いに異なる帯電特性を有する。制御装置は、アクチュエータを動作させて、第1帯電部材及び第2帯電部材の一方に摺動を行わせることによって車載機器の電位を調整する。
上記構成によれば、制御装置は、第1帯電部材及び第2帯電部材の一方に摺動を行わせる(以下、この第1帯電部材及び第2帯電部材の一方のことを単に「摺動帯電部材」とも称する)。摺動帯電部材が摺動を行うと、その際に生じる摩擦により、摺動帯電部材と摺動の相手方との間で電子が移動する。摺動帯電部材から摺動の相手方に電子が移動した場合は、摺動帯電部材はプラスに帯電し、その電位もプラスになる。一方、摺動の相手方から摺動帯電部材に電子が移動した場合は、摺動帯電部材はマイナスに帯電し、その電位もマイナスになる。
第1帯電部材及び第2帯電部材は、乗員が接触する車載機器との間で電子が移動可能に構成されている。したがって、摺動帯電部材と摺動の相手方との間で電子の移動が生じると、それに伴い、車載機器と摺動帯電部材との間でも電子の移動が生じる。この結果、車載機器、及び、当該車載機器に接触している乗員は、摺動帯電部材と略同一の電位となる。
すなわち、上記構成によれば、第1帯電部材及び第2帯電部材の一方に摺動を行わせることによって、車載機器や乗員の電位を調整することが可能になる。これにより、車載機器や乗員の電位を調整しながらも、消費電力の抑制を図ることが可能になる。
尚、本願において「摺動を行う」とは、異なる物体が摩擦を生じさせながら相対的に変位することを意味する。例えば、第1帯電部材が移動しない場合であっても、第1帯電部材との間で摩擦を生じさせながら第1帯電部材に対して移動する物体が存在する場合、「第1帯電部材は摺動を行う」等と称する。
また、本願において「帯電特性」とは、摺動を行うことによって帯電する傾向や程度を意味する。具体的には、第1帯電部材及び第2帯電部材が同一の相手方に対して摺動を行った場合に、第1帯電部材と第2帯電部材とでは帯電する極性や電位が異なる。
本発明によれば、車載機器や乗員の電位を調整しながらも、消費電力の抑制を図ることが可能な電位調整装置を提供することができる。
第1実施形態に係る電位調整装置を搭載した車両を示す模式図である。 図1の電位調整装置の動作を示す模式図である。 図1の電位調整装置の動作を示す模式図である。 図1の制御装置が実行する処理を示すフローチャートである。 第2実施形態に係る電位調整装置を搭載した車両を示す模式図である。 第3実施形態に係る電位調整装置を搭載した車両を示す模式図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の符号を付して、重複する説明は省略する。
図1を参照しながら、第1実施形態に係る電位調整装置1の構成について説明する。図1に示されるように、電位調整装置1は車両VHに搭載されている。まず、車両VHについて説明する。
車両VHは、不図示のエンジンを動力源とする自動車である。当該エンジンは、車両VHのエンジンルームERに収容されている。このエンジンルームERと隔てて設けられる車室VC内には、車両VHの乗員Dが着座するシートSが設置されている。車室VC内には複数のシートSが設置されているが、図1では運転席に相当するシートSのみを図示している。
車室VC内には、ミスト供給装置20が設置されている。ミスト供給装置20は、本体21と、温度センサ23と、着座センサ24と、を備えている。
本体21は、その内部に不図示の貯水部、温度調整部及び電極部を有している。貯水部には水が貯留されており、当該水を電極部に供給可能に構成されている。温度調整部は、貯水部から電極部に供給される水の加熱や冷却を行うことで、その温度を調整する。電極部には、互いに対向する一組の電極が配置されている。
また、本体21は、その内部に制御装置22を有している。制御装置22は、貯水部による水の供給、温度調整部による水の温度の調整度合や、電極部に配置されている電極への電圧印加を制御する。制御装置22は、後述する電位調整装置1の制御装置14と通信可能に構成されている。
温度センサ23は、空気の温度を検知する機器である。温度センサ23は、その周囲の空気の温度に対応する検知信号を生成し、当該検知信号を本体21の制御装置22に送信する。
着座センサ24は、乗員DがシートSに着座したことを検知する機器である。着座センサ24は、車室VC内に設置される複数のシートSのそれぞれに配置されており、各シートSの座面近傍に配置されている。乗員DがシートSに着座すると、着座センサ24に作用する圧力が変化する。着座センサ24は、当該圧力変化に対応する検知信号を生成し、当該検知信号を本体21の制御装置22に送信する。
乗員Dは、車室VC内に設置されている操作パネルPを操作することにより、このミスト供給装置20に運転を指示することができる。具体的には、乗員Dは、車室VC内に供給するミストの量(つまり、単位時間当たりに供給される水の質量)や、ミストの温度を指示することができる。また、乗員Dは、車室VC内に供給するミストの極性を指示することができる。操作パネルPは、乗員Dによる操作を受け付けると、その操作に対応する操作信号を生成し、当該操作信号を本体21の制御装置22に送信する。また、ミスト供給装置20は、乗員Dの指示によらず、温度センサ23によって検知した空気の温度に基づいてミストの量を決定することもできる。
ミスト供給装置20の制御装置22は、操作パネルPから操作信号を受信すると、供給するミストの性状等を決定するために、車室VC内の情報を取得する。具体的には、制御装置22は、温度センサ23から受信する検知信号に基づいて所定の演算を行うことにより、車室VC内の空気の温度を取得する。また、制御装置22は、複数の着座センサ24から受信する検知信号に基づいて所定の演算を行うことにより、乗員Dが車室VC内のいずれのシートSに着座しているかを判別する。
制御装置22は、車室VC内の空気、及び、操作パネルPによって乗員Dから指示されたミストの温度に基づいて、温度調整部による水の温度の調整度合を決定する。また、制御装置22は、操作パネルPから受信した操作信号に基づいて、電極部の電極に印加する電圧を決定する。
制御装置22は、貯水部から電極部に水を供給させるとともに、当該水の温度を温度調整部によって調整させる。また、制御装置22は、電極部の電極に電圧を印加する。これにより、プラス又はマイナスに帯電したミストが生成される。制御装置22は、この帯電したミストを、乗員Dが着座しているシートSのみに向けて供給する。
電位調整装置1は、シートSの電位と、シートSに着座している乗員Dの電位と、を調整することを目的として車両VHに搭載されている。電位調整装置1は、ケーシング10と、第1帯電部材11と、第2帯電部材12と、アクチュエータ13と、制御装置14と、電位センサ15と、を備えている。
ケーシング10は、電位調整装置1の筐体であり、容器形状を呈している。ケーシング10はシートSの下方に配置されており、その一部は車両VHの床パネルFに埋設されている。ケーシング10内には、第1帯電部材11と、第2帯電部材12と、アクチュエータ13と、制御装置14と、が収容されている。
第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、いずれも紐形状を呈する部材である。第1帯電部材11の一端は、後述するアクチュエータ13の第1回転軸131の外周面に固定されている。また、第2帯電部材12の一端は、アクチュエータ13の第2回転軸132の外周面に固定されている。
第1帯電部材11は、ナイロン及びレーヨンの少なくとも1つを含む素材によって形成され、第2帯電部材は、ゴム及びアクリルの少なくとも1つを含む素材によって形成されている。これにより、第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、互いに異なる帯電特性を有する部材となっている。
尚、本願において「帯電特性」とは、摺動を行うことによって帯電する傾向や程度を意味する。具体的には、第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、同一の相手方に対して摺動した場合であっても、帯電する極性や電位が異なるものとなる。
さらに具体的には、第1帯電部材11がアスファルトを相手方として摺動を行うと、その際に生じる摩擦により、第1帯電部材11からアスファルトに電子が移動する傾向がある。この結果、第1帯電部材11はプラスに帯電し、その電位もプラスとなる。一方、第2帯電部材12がアスファルトを相手方として摺動を行うと、やはり摩擦によってアスファルトから第2帯電部材12に電子が移動する傾向がある。この結果、第2帯電部材12はマイナスに帯電し、その電位もマイナスとなる。
第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、不図示の導線によって、シートSと接続されている。これにより、第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、シートSとの間で電子が移動可能に構成されている。
アクチュエータ13は、第1帯電部材11及び第2帯電部材12を移動させる機器である。アクチュエータ13は、正回転と逆回転とが可能な不図示の複数の電動モータを有している。電動モータの出力は第1回転軸131及び第2回転軸132に伝達されるように構成されている。
一の電動モータの正回転に基づいて第1回転軸131を回転させると、第1回転軸131の外周面に第1帯電部材11が巻き取られる。また、第1帯電部材11が第1回転軸131に巻き取られている状態で、一の電動モータの逆回転に基づいて第1回転軸131を回転させると、第1帯電部材11が伸展する。
他の電動モータの正回転に基づいて第2回転軸132を回転させると、第2回転軸132の外周面に第2帯電部材12が巻き取られる。また、第2帯電部材12が第2回転軸132に巻き取られている状態で、他の電動モータの逆回転に基づいて第2回転軸132を回転させると、第2帯電部材12が伸展する。
制御装置14は、アクチュエータ13の動作を制御する。詳細には、制御装置14は、アクチュエータ13の電動モータに制御信号を送信して正回転又は逆回転させ、第1帯電部材11及び第2帯電部材12を伸展させたり、巻き取らせたりする。前述したように、制御装置14は、ミスト供給装置20の制御装置22と通信可能に構成されている。
電位センサ15は、シートSの電位を検知する機器である。電位センサ15は、シートSの表面近傍に配置されている。シートSの電位は、当該シートSに着座している乗員Dの身体の電位とほぼ等しいものとなる。電位センサ15は、このシートSの電位に対応する検知信号を生成し、当該検知信号を制御装置14に送信する。
次に、図2及び図3を参照しながら、電位調整装置1の動作について説明する。図2は、ミスト供給装置20からマイナスに帯電したミストを供給する場合の電位調整装置1の動作を示している。図3は、ミスト供給装置20からプラスに帯電したミストを供給する場合の電位調整装置1の動作を示している。
ミスト供給装置20からマイナスに帯電したミストを供給する場合、制御装置14は、図2に示されるように、シートSの電位がプラスとなるように調整する。具体的には、制御装置14は、アクチュエータ13を動作させ、第1帯電部材11を伸展させる一方で、第2帯電部材12を巻き取らせた状態にする。
伸展した第1帯電部材11は、その一端は第1回転軸131の外周面に固定された状態で車両VHの下方に垂下するとともに、他端は車両VHが置かれた路面80と当接する。路面80はアスファルトによって形成されている。この状態で車両VHが走行すると、第1帯電部材11は路面80に対して摺動を行い、両者の間で摩擦が生じる。
このような摩擦が生じると、第1帯電部材11から路面80に電子が移動する。これに伴い、矢印A1で示されるように、シートSから第1帯電部材11に電子が移動し、この電子も路面80に移動する。この結果、第1帯電部材11やシートSはプラスに帯電し、その電位もプラスとなる。
ミスト供給装置20から供給されるマイナスに帯電したミストは、クーロン力によってシートS側に誘引される。この結果、ミストをシートSや乗員Dの身体に到達させることが可能になる。
ミスト供給装置20からプラスに帯電したミストを供給する場合、制御装置14は、図3に示されるように、シートSの電位がマイナスとなるように調整する。具体的には、制御装置14は、アクチュエータ13を動作させ、第1帯電部材11を巻き取らせる一方で、第2帯電部材12を伸展させた状態にする。
伸展した第2帯電部材12は、その一端は第2回転軸132の外周面に固定された状態で車両VHの下方に垂下するとともに、他端は車両VHが置かれた路面80と当接する。この状態で車両VHが走行すると、第2帯電部材12は路面80に対して摺動を行い、両者の間で摩擦が生じる。
このような摩擦が生じると、路面80から第2帯電部材12に電子が移動する。これに伴い、矢印A2で示されるように、路面80からシートSに電子が移動する。この結果、第2帯電部材12やシートSはマイナスに帯電し、その電位もマイナスとなる。
ミスト供給装置20から供給されるプラスに帯電したミストは、クーロン力によってシートS側に誘引される。この結果、ミストをシートSや乗員Dの身体に到達させることが可能になる。
次に、図4を参照しながら、電位調整装置1の制御装置14が実行する処理について説明する。図4は、ミスト供給装置20がマイナスに帯電したミストを供給する際に制御装置14が実行する処理を示している。
制御装置14は、ステップS1で、ミスト供給装置20が車室VC内に供給するミストの量を読み込む。制御装置14は、ミスト供給装置20の制御装置22と通信し、乗員Dが操作パネルPの操作によって指示したミストの量や、ミスト供給装置20が温度センサ23によって検知した空気の温度に基づいて決定したミストの量を読み込む。
次に、制御装置14は、ステップS2で、シートSの目標電位Vtを決定する。制御装置14は、ミスト供給装置20から供給されるミストの量に基づいて目標電位Vtを決定する。制御装置14は、ミスト供給装置20から供給されるミストの量が多いほど、目標電位Vtの絶対値を大きくする。
次に、制御装置14は、ステップ3で、シートSの電位Vsの読み込みを開始する。前述したように、シートSの電位Vsは、電位センサ15によって検知される。
次に、制御装置14は、ステップS4で、シートSの電位Vsが目標電位Vtよりも高いか否かを判定する。シートSの電位Vsが目標電位Vtよりも高いと判定した場合(すなわち、ステップS4で「YES」の場合)、制御装置14はステップS5の処理に進む。
次に、制御装置14は、ステップS5で、第1帯電部材11に摺動を行わせる。つまり、制御装置14は、図2に示したように第1帯電部材11を車両VHの下方に垂下させるとともに、路面80を相手方として摺動を行わせる。これにより、シートSの電位Vsを低下させ、目標電位Vtに近づけることができる。
これに対し、ステップS4で、シートSの電位Vsが目標電位Vtよりも高くないと判定した場合(すなわち、ステップS4で「NO」の場合)、制御装置14はステップS8の処理に進む。
次に、制御装置14は、ステップS8で、第2帯電部材12に摺動を行わせる。つまり、制御装置14は、図3に示したように第2帯電部材12を車両VHの下方に垂下させるとともに、路面80を相手方として摺動を行わせる。これにより、シートSの電位Vsを上昇させ、目標電位Vtに近づけることができる。
ステップS5又はステップS8の処理を実行した制御装置14は、ステップS6の処理に進む。次に、制御装置14は、ステップS6で、シートSの電位Vsと目標電位Vtとが同一とみなせるか否かを判定する。すなわち、第1帯電部材11や第2帯電部材12に摺動を行わせたことにより、シートSの電位Vsが目標電位Vtに十分近づいたか否かを判定する。シートSの電位Vsと目標電位Vtとを同一とみなせないと判定した場合(すなわち、ステップS6で「NO」の場合)、すなわち、シートSの電位Vsと目標電位Vtとの乖離が大きい場合、制御装置14は、前述したステップS4の処理に戻る。
一方、ステップS6で、シートSの電位Vsと目標電位Vtとを同一とみなせると判定した場合(すなわち、ステップS6で「YES」の場合)、制御装置14はステップS7の処理に進む。次に、制御装置14は、ステップS7で、第1帯電部材11及び第2帯電部材12による摺動を停止する。すなわち、制御装置14は、図1に示したように第1帯電部材11及び第2帯電部材12をアクチュエータ13によって巻き取った状態にする。
以上の説明のように、第1実施形態に係る電位調整装置1の構成によれば、制御装置14は、第1帯電部材11及び第2帯電部材12の一方に摺動を行わせる(以下、この第1帯電部材及び第2帯電部材の一方のことを単に「摺動帯電部材」とも称する)。摺動帯電部材が摺動を行うと、その際に生じる摩擦により、摺動帯電部材と路面80との間で電子が移動する。摺動帯電部材から路面80に電子が移動した場合は、摺動帯電部材はプラスに帯電し、その電位もプラスになる。一方、路面80から摺動帯電部材に電子が移動した場合は、摺動帯電部材はマイナスに帯電し、その電位もマイナスになる。
第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、乗員Dが接触するシートSとの間で電子が移動可能に構成されている。したがって、摺動帯電部材と路面80との間で電子の移動が生じると、それに伴い、シートSと摺動帯電部材との間でも電子の移動が生じる。この結果、シートS、及び、当該シートSに接触している乗員Dは、摺動帯電部材と略同一の電位となる。
すなわち、上記構成によれば、第1帯電部材11及び第2帯電部材12の一方に摺動を行わせることによって、シートSや乗員Dの電位を調整することが可能になる。これにより、シートSや乗員Dの電位を調整しながらも、消費電力の抑制を図ることが可能になる。
また、電位調整装置1は、シートSの電位Vsを検出する電位センサ15を備える。制御装置14は、ミスト供給装置20が供給するミストの量に基づいてシートSの目標電位Vtを決定するとともに、電位センサ15が検出する電位Vsが目標電位Vtに近づくように第1帯電部材11及び第2帯電部材12の一方に摺動を行わせる。これにより、シートSの電位Vsをミストの誘引可能なものに調整し、ミストをシートSや乗員Dの身体に確実に到達させることが可能になる。
また、第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、車両VHが置かれた路面80に対して摺動を行う。この構成によれば、第1帯電部材11及び第2帯電部材12が摺動を行う相手方となる部材を車両VHに搭載する必要がない。
また、第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、車両VHの走行に伴って路面80に対して摺動を行う。この構成によれば、車両VHの通常の走行機能を利用して第1帯電部材11及び第2帯電部材12に摺動を行わせることが可能になる。これにより、シートSや乗員Dの電位を調整しながらも、消費電力の抑制を図ることが可能になる。
また、第1帯電部材11は、ナイロン及びレーヨンの少なくとも1つを含む。これにより、アスファルトによって形成された路面80に対する摺動を第1帯電部材11に行わせることで、第1帯電部材11から路面80に電子を移動させ、シートSの電位をプラスに調整することが可能になる。
また、第2帯電部材12は、ゴム及びアクリルの少なくとも1つを含む。これにより、アスファルトによって形成された路面80に対する摺動を第2帯電部材12に行わせることで、路面80から第2帯電部材12に電子を移動させ、シートSの電位をマイナスに調整することが可能になる。
次に、第2実施形態に係る電位調整装置1Aについて、図5を参照しながら説明する。この電位調整装置1Aは、第1実施形態と同様に、シートSの電位と、シートSに着座している乗員Dの電位の調整のために車両VHに搭載される。電位調整装置1Aは、そのアクチュエータ13Aの態様が、第1実施形態と異なる。電位調整装置1Aの構成のうち、第1実施形態と同一のものについては同一の符号を付して、説明を適宜省略する。
電位調整装置1Aのアクチュエータ13Aは、第1帯電部材11及び第2帯電部材12の巻き取りと伸展のみならず、それらを搖動させることができるように構成されている。詳細には、第1回転軸131及び第2回転軸132の正回転と逆回転とを交互に繰り返すことにより、車両VHの下方に垂下させた第1帯電部材11及び第2帯電部材12を往復移動させることができる。
搖動する第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、路面80を相手方として摺動を行う。これにより、第1帯電部材11及び第2帯電部材12と、路面80との間で電子の移動が生じる。例えば第1帯電部材11が搖動する場合、図5に矢印A3で示されるように、シートSの電子が、搖動する第1帯電部材11を介して路面80に移動する。
この電位調整装置1Aによれば、揺動により第1帯電部材11及び第2帯電部材12に摺動を行わせることにより、車両VHが走行していない場合であっても、シートSの電位を調整することが可能になる。
次に、第3実施形態に係る電位調整装置1Bについて、図6を参照しながら説明する。この電位調整装置1Bは、第1実施形態と同様に、シートSの電位と、シートSに着座している乗員Dの電位の調整のために車両VHに搭載される。電位調整装置1Bは、そのアクチュエータ13Bや、第1帯電部材11及び第2帯電部材12が摺動を行う相手方が、第1実施形態と異なる。電位調整装置1Bの構成のうち、第1実施形態と同一のものについては同一の符号を付して、説明を適宜省略する。
電位調整装置1Bのアクチュエータ13Bは、第1帯電部材11及び第2帯電部材12を床パネルFに沿わせてエンジンルームER内に伸展させるように構成されている。伸展した第1帯電部材11及び第2帯電部材12の端部は、コンプレッサ30のベルト31と当接する。コンプレッサ30は、車両VHに搭載される不図示の冷凍サイクルに適用されるものであって、当該冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮させるように駆動する機器である。コンプレッサ30は、ベルト31を介してエンジンの出力を受け、駆動する。
第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、このベルト31を相手方として摺動を行う。これにより、第1帯電部材11及び第2帯電部材12と、ベルト31との間で電子の移動が生じる。例えば第1帯電部材11がベルト31と当接する場合、図6に矢印A4で示されるように、シートSの電子が第1帯電部材11を介してベルト31に移動する。
この電位調整装置1Bによれば、第1帯電部材11及び第2帯電部材12は、車両VHに搭載される駆動機器であるコンプレッサ30のベルト31に対して摺動を行う。これにより、車両VHが走行していない場合であっても、シートSの電位を調整することが可能になる。
以上、具体例を参照しつつ本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。すなわち、これら具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。前述した各具体例が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
1,1A,1B:電位調整装置
11:第1帯電部材
12:第2帯電部材
13,13A,13B:アクチュエータ
14:制御装置
15:電位センサ
20:ミスト供給装置
80:路面
S:シート(車載機器)

Claims (7)

  1. ミスト供給装置(20)が備えられた車室(VC)内の電位を調整する電位調整装置(1)であって、
    乗員が接触する車載機器(S)との間で電子が移動可能に構成された第1帯電部材(11)及び第2帯電部材(12)と、
    前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材を移動させるアクチュエータ(13,13A,13B)と、
    前記アクチュエータを制御する制御装置(14)と、を備え、
    前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材は、互いに異なる帯電特性を有し、
    前記制御装置は、前記アクチュエータを動作させて、前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材の一方に摺動を行わせることによって前記車載機器の電位を調整する、電位調整装置。
  2. 前記車載機器の電位を検出する電位センサ(15)を備え、
    前記制御装置は、前記ミスト供給装置が供給するミストの量に基づいて前記車載機器の目標電位を決定するとともに、前記電位センサが検出する電位が前記目標電位に近づくように前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材の一方に摺動を行わせる、請求項1に記載の電位調整装置。
  3. 前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材は、車両(VC)が置かれた路面(80)に対して摺動を行う、請求項2に記載の電位調整装置。
  4. 前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材は、前記車両の走行に伴って路面に対して摺動を行う、請求項3に記載の電位調整装置。
  5. 前記第1帯電部材は、ナイロン及びレーヨンの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の電位調整装置。
  6. 前記第2帯電部材は、ゴム及びアクリルの少なくとも1つを含む、請求項3に記載の電位調整装置。
  7. 前記第1帯電部材及び前記第2帯電部材は、車両に搭載される駆動機器(31)に対して摺動を行う、請求項2に記載の電位調整装置。
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