JP2017170704A - ラッピング化粧板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材10の表面10aよりも大きいシート21を、周縁部23が基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cに位置するように折り曲げて基材10の表面10aと周囲側面10b,10b,10c,10cとに接着するシート接着工程と、該シート接着工程において、シート21の周縁部23であって基材10の各角部において該基材10の側面10b,10cからはみ出した余剰部分23c,…、23cを、シート21の周縁部23であって基材10の側面10c,10cに設けられた側面接着部23b,23bに折り重ね、熱融着させる余剰部分処理工程とを行う。
【選択図】図6
Description
図1及び図2は、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1を示している。このラッピング化粧板1は、例えば、床材等として用いられる。
ラッピング化粧板1は、矩形板状の基材10と、この基材10に接着剤を介して接着一体化されたシート21からなる化粧シート層20とを備えている。
図3に示すように、上記基材10は、合板に中密度繊維板(MDF)等を積層することによって構成されている。なお、基材10は、このような構成に限られず、例えば、パーティクルボードやハードボード等のその他の木質材料、大建工業(株)製の製品名「ダイライト」等の無機質系板材等、通常に建材として用いられる板状の材料を用いたらよい。基材10は、例えば、厚み15mm、幅303mm、長さ1818mmの長方形状に形成されている。
基材10の周囲側面10b,10b,10c,10cの各辺には雌実4又は雄実5が形成されている。具体的には、基材10の幅方向に対向する長辺側面10b,10bの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。また、基材10の長さ方向に対向する短辺側面10c,10cの一方には雌実4が形成され、他方にはこの雌実4に嵌合可能な雄実5が形成されている。長辺側面10b,10bの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の長辺側面10b,10bの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工され、短辺側面10c,10cの雌実4に、隣接するラッピング化粧板1の基材10の短辺側面10c,10cの雄実5を嵌合することで、両ラッピング化粧板1が並べられて施工されるように構成されている。
図3及び図4に示すように、基材10の表面10aは、ラッピング化粧板1の化粧面を構成する。基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部には、各角部を斜め(又は円弧状)に切り欠くことにより、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2が形成されている。
化粧シート層20は、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cを一体的に覆うと共に接着剤によって接着されたシート21によって形成されている。接着剤としては、例えば、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤(PURホットメルト接着剤)が用いられている。このように、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤を用いることで、シート21で基材10を容易にラッピングして該シート21を接着することができる。なお、湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤以外の接着剤を用いることもできる。
図5及び図6に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、上述した化粧シート層20の重複部分20d,…、20dを収容する収容凹部30が形成されている。収容凹部30は、2つの短辺側面10cの長手方向の両端部に形成されている。具体的には、収容凹部30は、雌実4が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雌実凸部4bの突出先端面の長手方向の両端部に形成され、雄実5が形成された短辺側面10cでは、該短辺側面10cの一部である表側雄実凹部5bの底面の長手方向の両端部に形成されている。
以下、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1の製造方法について図7〜図11に基づいて説明する。ラッピング化粧板1の製造方法は、基材10の切り欠き加工工程と、基材10へのシート21のラッピング工程と、余剰部分処理工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)基材10の切り欠き加工工程
まず、基材10に切り欠き加工が施される。基材10の切り欠き加工は、実加工と面取り加工と凹溝加工とを有する。実加工工程と面取り加工工程とは、同時に行ってもよく、順番に行ってもよい。凹溝加工工程は、実加工工程後に行われる。
実加工工程では、基材10の長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cをそれぞれ切り欠いて、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに雌実4と雄実5とをそれぞれ加工する。
面取り加工工程では、基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部を斜め(又は円弧状)に切り欠いて、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2を形成する。
凹溝加工工程では、基材10の短辺側面10c,10cの長手方向の両端部を、三角形状の凹溝状に切り欠いて重複部分20dを収容する収容凹部30を形成する。
(2)基材10へのラッピング工程
次に、シート21が基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cにラッピング加工が施され、基材10に化粧シート層20が形成される。ラッピング加工は、接着剤塗布工程と、第1〜第3シート接着工程とを有する。
接着剤塗布工程では、シート21の裏面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、シート21の裏面に塗布するのに代えて、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに塗布してもよい。
図7(a)及び(b)に示すように、第1シート接着工程では、上記シート21を基材10の表面10aに加圧し、接着剤を固化させて接着する。このとき、シート21と基材10とを幅方向に正確に位置合わせして接着する。このような動作により、基材10の表面10a上に、シート21の本体部22を接着する。本実施形態では、シート21の本体部22によって、化粧シート層20の表面部20aが構成される。
図8(a)及び(b)に示すように、第2シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって幅方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの長辺側面10b,10bに接着剤で接着する。
図9(a)及び(b)に示すように、第3シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって長手方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの短辺側面10c,10cに接着剤で接着する。
(3)余剰部分処理工程
次に、上述のラッピング工程において基材10の各角部において形成されたシート21の余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重ねて接着する余剰部分処理工程が行われる。余剰部分処理工程は、折り曲げ工程と、熱融着工程とを有する。
図10(a)及び(b)に示すように、折り曲げ工程では、シート21の各余剰部分23cを、基材10の短辺側面に接着されたシート21の短辺側面接着部23bに折り重なるように折り曲げる。これにより、基材10の短辺側面10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bと余剰部分23c,…,23cとによって、化粧シート層20の2つの短辺側面部20c,20cが形成される。
図11(a)及び(b)に示すように、熱融着工程では、化粧シート層20の余剰部分23cが短辺側面接着部23bに重なる重複部分20dを、加圧することによって収容凹部30に押し込みながら加熱することで、余剰部分23c及び短辺側面接着部23bの重複部分20dを融かし、その後、冷却することで両者を固定する(熱融着する)。
以上のように、本ラッピング化粧板1の製造方法によれば、基材10の表面10aより大きなシート21を折り曲げて基材10の表面10aと周囲側面10b,10b,10c,10cとに接着した後に、シート21の周縁部23であって基材10の各角部において該基材10の側面10b,10cからはみ出した余剰部分23c,…,23cを、シート21の周縁部23であって基材10の短辺側面10c,10cに接着された短辺側面接着部23bに折り重ねて熱融着させる仕上げとした。そのため、従来の製造方法のように余剰部分23c,…,23cを切除する必要がない。よって、上記製造方法によれば、余剰部分23c,…,23cを切断することなく、余剰部分23c,…,23cを折り曲げて短辺側面接着部23bに重ねて熱融着させるだけでよく、また、余剰部分23c,…,23cを切除する従来の製造方法のように、加工精度によって仕上がりが大きく左右されることがないので、意匠性及び施工性に優れたラッピング化粧板1を容易に形成することができる。さらに、余剰部分23c,…,23cを、接着剤等を用いること短辺側面接着部23bに熱融着によって固定することとしたため、接着剤を用いて固定する場合に比べ、より容易に意匠性に優れたラッピング化粧板1を製造することができる。
図12〜図21に示すように、実施形態2に係るラッピング化粧板1は、基材10の短辺側面10c,10cに、実施形態1で設けた収容凹部30の代わりに、後退面40を形成し、シート21の余剰部分23c,…,23cを、後退面40に接着されたシート21の短辺側面接着部(後退面接着部)23b,23bに折り重ねて熱融着させることとしたものである。
図14及び図15に示すように、上記基材10は、概ね、実施形態1と同様に構成されている。一方、実施形態2では、図16及び図17に示すように、基材10の短辺側面10c,10cには、実施形態1で形成されていた収容凹部30の代わりに、シート21の余剰部分23cを折り込むスペースS1を確保するべく、後退面40が形成されている。
図15乃至図17に示すように、基材10の短辺側面10c,10cのシート21の短辺側面接着部23bが接着される表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面は、シート21の余剰部分23c,23cが収まるスペースS1が形成されるように、基材10の表面10aの外縁よりも該基材10の内側に位置する後退面40に形成されている。本実施形態では、基材10の短辺側面10c,10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面の全面が、基材10の表裏方向において裏側へ向かうほど、内側に位置する傾斜面に形成され、後退面40を構成している。なお、図16,17の仮想線は、実加工後、後退面40を形成する前(後退面加工工程前)の表側雌実凸部4bの外形線である。
実施形態2においても、化粧シート層20は、概ね、実施形態1と同様に構成され、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cを一体的に覆うと共に接着剤によって接着されたシート21によって形成されている。
以下、本発明の実施形態1に係るラッピング化粧板1の製造方法について図18〜図21に基づいて説明する。ラッピング化粧板1の製造方法は、基材10の切り欠き加工工程と、基材10へのシート21のラッピング工程と、余剰部分処理工程とを有する。なお、以下で説明する工程の順序は、一例にすぎず、本発明に係る製造方法はこれに限られない。
(1)基材10の切り欠き加工工程
まず、基材10に切り欠き加工が施される。基材10の切り欠き加工は、実加工と後退面加工と面取り加工とを有する。本実施形態では、後退面加工工程は、実加工工程と同時に行われる。実加工工程及び後退面加工工程と面取り加工工程とは、同時に行ってもよく、順番に行ってもよい。
実加工工程では、基材10の長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cをそれぞれ切り欠いて、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに雌実4と雄実5とをそれぞれ加工する。
面取り加工工程では、基材10の表面10aと長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cの各々との角部を斜め(又は円弧状)に切り欠いて、外側に向かうほど基材10の裏面側に位置する面取り部2を形成する。
後退面加工工程では、基材10の短辺側面10c,10cの表側雌実凸部4bの突出先端面及び表側雄実凹部5bの底面を斜めに切り欠いて、基材10の表裏方向において裏側へ向かうほど内側に位置する後退面40を形成する。
(2)基材10へのラッピング工程
次に、シート21が基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cにラッピング加工が施され、基材10に化粧シート層20が形成される。ラッピング加工は、接着剤塗布工程と、第1〜第3シート接着工程とを有する。
接着剤塗布工程では、シート21の裏面に接着剤(湿気硬化型ウレタン樹脂系ホットメルト接着剤)を塗布する。なお、接着剤は、シート21の裏面に塗布するのに代えて、基材10の表面10a、長辺側面10b,10b及び短辺側面10c,10cに塗布してもよい。
図18(a)及び(b)に示すように、第1シート接着工程では、上記シート21を基材10の表面10aに加圧し、接着剤を固化させて接着する。このとき、シート21と基材10とを幅方向に正確に位置合わせして接着する。このような動作により、基材10の表面10a上に、シート21の本体部22を接着する。本実施形態では、シート21の本体部22によって、化粧シート層20の表面部20aが構成される。
図19(a)及び(b)に示すように、第2シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって幅方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの長辺側面10b,10bに接着剤で接着する。
図20(a)及び(b)に示すように、第3シート接着工程では、基材10の表面10aに接着された上記シート21の周縁部であって長手方向の両端部を折り曲げて基材10の2つの短辺側面10c,10cに接着剤で接着する。
(3)余剰部分処理工程
次に、上述のラッピング工程において基材10の各角部において形成されたシート21の余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに接着されたシート21の短辺側面接着部(後退面接着部)23bに折り重ねて熱融着する余剰部分処理工程が行われる。余剰部分処理工程は、折り曲げ工程と、熱融着工程とを有する。
図21(a)及び(b)に示すように、折り曲げ工程では、シート21の各余剰部分23cを、基材10の短辺側面10c,10cに形成された後退面40に接着されたシート21の短辺側面接着部(後退面接着部)23bに折り重なるように折り曲げる。これにより、基材10の短辺側面10cの後退面40上に、シート21の周縁部23の短辺側面接着部23b,23bと余剰部分23c,…,23cとによって、化粧シート層20の2つの短辺側面部20c,20cが形成される。
熱融着工程では、化粧シート層20の余剰部分23cが短辺側面接着部(後退面接着部)23bに重なる重複部分を加熱することで、余剰部分23c及び短辺側面接着部23bの重複部分を融かし、その後、冷却することで両者を固定する(熱融着する)。
以上のように、本実施形態2のラッピング化粧板1によっても、実施形態1と同様の効果を奏することができる。
上記実施形態1では、基材10の短辺側面10c,10cに収容凹部30を形成していたが、収容凹部30は、基材10の長辺側面10b,10bに形成されていてもよい。収容凹部30は、基材10の各角部を挟む長辺側面10bと短辺側面10cの少なくとも一方に形成されていればよいが、両方に形成されていてもよい。
10 基材
10a 表面
10b 長辺側面(周囲側面、側面)
10c 短辺側面(周囲側面、側面)
20 化粧シート層
20d 重複部分
21 シート
23 周縁部
23a 長辺側面接着部
23b 短辺側面接着部(側面接着部、後退面接着部)
23c 余剰部分
30 収容凹部
40 後退面
Claims (3)
- 板状の基材と、該基材の表面及び周囲側面に接着一体化されたシートからなる化粧シート層とを備えたラッピング化粧板の製造方法であって、
上記基材の表面よりも大きい上記シートを、周縁部が上記基材の周囲側面に位置するように折り曲げて上記基材の表面と周囲側面とに接着するシート接着工程と、
上記シート接着工程において、上記シートの周縁部であって上記基材の各角部において該基材の側面からはみ出した余剰部分を、上記シートの周縁部であって上記基材の側面に設けられた側面接着部に折り重ね、熱融着させる余剰部分処理工程とを備えている
ことを特徴とするラッピング化粧板の製造方法。 - 請求項1において、
上記シート接着工程の前に、上記基材の側面の一部を切り欠いて、該基材の側面に、上記余剰部分が上記側面接着部に重なる重複部分を収容する収容凹部を形成する切り欠き工程を備え、
上記余剰部分処理工程は、
上記余剰部分を折り曲げて上記側面接着部に重ねる折り曲げ工程と、
上記余剰部分が該側面接着部に重なる重複部分を、上記収容凹部に押し込みながら上記余剰部分を上記側面接着部に熱融着させる熱融着工程とを備えている
ことを特徴とするラッピング化粧板の製造方法。 - 請求項1において、
上記シート接着工程の前に、上記基材の互いに対向する一方の側面対のそれぞれを切り欠いて、該各側面の上記シートの周縁部が接着される部分が、上記基材の表面の外縁よりも該基材の内側に位置する後退面となるように加工する切り欠き工程を備え、
上記余剰部分処理工程は、
上記余剰部分を折り曲げて上記側面接着部のうちの上記基材の上記後退面に設けられた後退面接着部に重ねる折り曲げ工程と、
上記余剰部分を上記後退面接着部に熱融着させる熱融着工程とを備えている
ことを特徴とするラッピング化粧板の製造方法。
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