JP2017170487A - 高炭素溶鋼の連続鋳造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】転炉から出鋼したC濃度が0.5質量%以上のアルミニウムを用いて脱酸した高炭素溶鋼を、複数の脱硫剤を用いて脱硫処理したのちに連続鋳造するに当たり、金属Caを、希土類元素添加後、かつS濃度が0.0030質量%以下の時点、で添加して脱硫し、当該脱硫処理を施した溶鋼を連続鋳造する。高炭素鋼であるにもかかわらず溶鋼中のCaS析出を抑制するとともに低融点酸化物の生成を抑制することによって鋼の清浄度を向上し、浸漬ノズル詰まりを防止することができる。
【選択図】なし
Description
(1)転炉から出鋼したC濃度が0.5質量%以上の、アルミニウムを用いて脱酸した高炭素溶鋼を、複数の脱硫剤を用いて脱硫処理したのちに連続鋳造するに当たり、
金属Caを、希土類元素添加後、かつS濃度が0.0030質量%以下の時点、で添加して脱硫し、当該脱硫処理を施した溶鋼を連続鋳造することを特徴とする高炭素溶鋼の連続鋳造方法。
(2)上記(1)に記載の連続鋳造方法であって、鋼の成分としてT.Oが10ppm未満の溶鋼を連続鋳造することを特徴とする高炭素溶鋼の連続鋳造方法。
(3)上記(1)又は(2)に記載の連続鋳造方法であって、鋼の成分を下記(1)〜(3)式を満足する範囲で連続鋳造することを特徴とする高炭素溶鋼の連続鋳造方法。
0.0005≦[REM]≦0.0015・・・・(1)
0.0010≦[Ca]≦0.0020・・・・(2)
[S]−[Ca]×0.64≦0.0008・・・・(3)
但し、[S]、[Ca]、[REM]は、それぞれ各元素の鋼中濃度(REMは希土類元素の総濃度)(質量%)を意味する。
溶鋼中のCは、“O”の反応性を低下させて、“S”の反応性を高める作用があるため、低炭素領域に比べて、溶鋼中C濃度が0.5質量%以上の高炭素領域ではCaSが非常に生成しやすい。そのため、従来技術で開示されている方法の適用ではCaSが過剰に生成することになり、本発明の適用が必要となることから、溶鋼中C濃度が0.5質量%以上である点を規定している。
転炉から出鋼した溶鋼をアルミニウムを用いて脱酸した後に、希土類元素とCaを添加する。本発明では、希土類元素とCaの添加順番が第1のポイントとなる。希土類元素とは、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、ランタノイド(周期表のランタンLaからルテチウムLuまでの15元素)の合計17元素の総称である。Al脱酸後にCaを先に添加すると、Ca添加前のT.Oのばらつきが大きいため、T.Oが高いときに低融点酸化物(CaO−Al2O3系酸化物)が生成しやすい。これでは必要とする鋼の加工性を確保することができない。従って、金属Ca添加前に希土類元素を溶鋼へ添加し、溶鋼中の溶存酸素量を低下させておくとよい。
なお上記したアルミニウムを用いた脱酸は常用される脱酸形態で良い。例えば、脱酸後の溶鋼中の溶存酸素量が10ppm以下、金属アルミニウム含有量が0.01〜0.1質量%程度である。
Caを添加するときのS濃度が高いと(0.0030質量%を超えると)、高炭素鋼での本発明では溶鋼段階におけるCaSの生成量が多くなり、溶鋼中でCaSの凝集粗大化を招きやすく、かえって清浄度を悪化させるとともに、生成したCaSが浸漬ノズルで析出して浸漬ノズル詰まりの要因となる。
本発明はまた、溶鋼を、複数の脱硫剤を用いて脱硫処理したのちに連続鋳造することを特徴とする。“複数の脱硫剤”とは、CaOを代表とする酸化物や硫化物が生成する合金成分(希土類元素やCa)を含むものを示している。前述のとおり高炭素鋼においては、溶鋼に金属Caを添加すると溶鋼段階でCaSが生成し、その一部は溶鋼表面に浮上分離するので、金属Caを脱硫剤とした脱硫が進行する。
連続鋳造時の希土類元素総濃度及びCa濃度の鋼成分を、下記(1)(2)式のように規定すると良い。なお、下記(1)〜(3)式において、[S]、[Ca]、[REM]は、それぞれ各元素の鋼中濃度(REMは希土類元素の総濃度)(質量%)を意味する。
0.0005≦[REM]≦0.0015・・・・(1)
0.0010≦[Ca]≦0.0020・・・・(2)
[S]−[Ca]×0.64≦0.0008・・・・(3)
C濃度が0.5質量%以上の高炭素鋼では、Ca添加後に溶鋼中に生成するCaSとCaOの割合を調査すると、80%以上がCaSとして存在していることがわかった。延伸性の介在物であるMnSの生成を防止するためには、Caにより固定されるSを増やし、連続鋳造後に生成するMnSとなるフリーのS濃度を低下させておく必要がある。MnSを生成しないためのフリーS濃度の目安として、CaによるS固定量(Caの80%がCaSとしてSを固定)を差し引いた値が、0.0008%以下(つまりフリーS濃度として8ppm)であれば、MnSが生成せず、極めて高い清浄性が実現できる。S/Ca原子量比が0.8であり、上記のようにCaSとなるCa比率が0.8(80%)であることから、両者を掛け合わせ、上記(3)式の[Ca]にかかる係数が0.64となっている。
REM及びCaの添加は、溶鋼段階において取鍋中の溶鋼に対して行われる。そのための溶鋼処理手段としては以下に示すような簡易取鍋精錬装置、あるいはRHなどの溶鋼真空脱ガス処理装置のいずれをも用いることができる。
C濃度0.50%以上の高炭素鋼であればいずれの成分の鋼であっても、連続鋳造するに際して本発明を適用し、希土類元素とCaを添加してMnSの生成を抑えるとともに、大型のCaS系介在物と低融点介在物をともに低減し、浸漬ノズル詰まり発生を防止することができる。また、溶鋼中の好ましいREM含有量、Ca含有量、S含有量についても上述のとおりである。
板厚2.4mmに圧延した製品板のL断面(圧延方向に平行な面)での顕微鏡による清浄度の測定結果を指標化し、以下の判断基準で評価した。◎、○、△が合格である。
◎:長径が20μm以上の介在物が皆無(測定視野1cm2)
○:長径が50μm以上の介在物が皆無(測定視野1cm2)
△:長径が50μm以上の介在物個数密度が1(個/cm2)
×:長径が50μm以上の介在物個数密度が2(個/cm2)以上
連続鋳造時の浸漬ノズルの詰まりに起因する鋳造速度低下の有無で以下の評価基準で評価した。○、△いずれも鋳造を中断する必要が無く、合格である。
○:鋳造速度低下なし
△:鋳造速度低下あり
Claims (3)
- 転炉から出鋼したC濃度が0.5質量%以上の、アルミニウムを用いて脱酸した高炭素溶鋼を、複数の脱硫剤を用いて脱硫処理したのちに連続鋳造するに当たり、
金属Caを、希土類元素添加後、かつS濃度が0.0030質量%以下の時点、で添加して脱硫し、当該脱硫処理を施した溶鋼を連続鋳造することを特徴とする高炭素溶鋼の連続鋳造方法。 - 請求項1記載の連続鋳造方法であって、鋼の成分としてT.Oが10ppm未満の溶鋼を連続鋳造することを特徴とする高炭素溶鋼の連続鋳造方法。
- 請求項1または2に記載の連続鋳造方法であって、鋼の成分を下記(1)〜(3)式を満足する範囲で連続鋳造することを特徴とする高炭素溶鋼の連続鋳造方法。
0.0005≦[REM]≦0.0015・・・・(1)
0.0010≦[Ca]≦0.0020・・・・(2)
[S]−[Ca]×0.64≦0.0008・・・・(3)
但し、[S]、[Ca]、[REM]は、それぞれ各元素の鋼中濃度(REMは希土類元素の総濃度)(質量%)を意味する。
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---|---|---|---|---|
WO2019182056A1 (ja) * | 2018-03-23 | 2019-09-26 | Jfeスチール株式会社 | 高清浄度鋼の製造方法 |
CN112795834A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-05-14 | 唐山钢铁集团有限责任公司 | 一种中碳中硅高铝双相钢连铸坯的生产方法 |
CN112872307A (zh) * | 2021-02-26 | 2021-06-01 | 日照钢铁控股集团有限公司 | 一种高碳钢45Mn直接开浇的生产方法 |
CN114875198A (zh) * | 2022-05-27 | 2022-08-09 | 包头钢铁(集团)有限责任公司 | 一种采用稀土氧化物降低u75v精炼渣中氧化铝活度的方法 |
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